JPH085837Y2 - 筆記具の消しゴム繰り出し機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えばシャープペン
シル等における消しゴムの取付構造を改良した筆記具の
消しゴム繰り出し機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のシャープペンシルにおいては、先
具を有する外筒内に軸方向へ摺動可能に挿入された芯パ
イプの後端部に金属環がカシメられた消しゴムを着脱可
能に嵌合保持させ、この消しゴムを前記芯パイプの後端
部に嵌込まれたノックキャップで覆い、このノックキャ
ップを外して前記消しゴムを使用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような従来のシャ
ープペンシルにおける消しゴムは常に一定位置に保持固
定されて長さが短く、かつ消耗度に応じて繰り出し量を
調整することができないため、消耗度が激しく早期に使
用不能になるという問題点があった。

【０００４】この考案は上記問題点を解決するためにな
されたもので、消しゴムを消耗度に応じて順次繰り出す
ことができ、その消しゴムを長期に亘って使用すること
ができ、しかも芯の補給・消しゴムの交換が容易な筆記
具の消しゴムの繰り出し機構を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案に係る筆記具の
消しゴム繰り出し機構は、消しゴム案内部材に対し、レ
フィールにノック力を確実に伝達できるノック伝達部を
形成すると共に、キャップと螺旋案内部、消しゴム案内
部材、消しゴム受け筒との間に所定の係合関係を持たせ
たものである。

【０００６】

【作用】この考案においては、キャップを外筒より取り
外した場合、キャップと共に螺旋案内部、消しゴム案内
部材、消しゴム受け筒、消しゴムを一体的に取り外せる
と共に、消しゴム案内部材によって、ノック力をレフィ
ールに確実に伝達することができる。

【０００７】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図について説明
する。１は先具を有するシャープペンシルの外筒であ
り、その内部には芯パイプ２が軸方向へ摺動可能に挿入
されている。この芯パイプ２は筆記具のレフィールとな
るもので、外筒１の後端よりその後部が突出するような
長さに形成されている。

【０００８】かかる芯パイプ２の先端側には、図示しな
いリードチャック、チャック締付リング、チャック締付
用の弾性体等から成る芯送出機構が配置され、後述する
消しゴム１０をノック操作することによって、芯パイプ
２を軸方向に摺動させ、芯送出動作が行われる。

【０００９】外筒１の後端部にはキャップ３が着脱自在
でかつ回転自在に被嵌連結され、このキャップ３は外端
に消しゴム出没口４を有している。この実施例の消しゴ
ム案内部材５は、周壁軸方向に沿ったガイド溝６を有す
るスリーブからなって、前記芯パイプ２の後端部に着脱
自在に係合されている。

【００１０】ここで、上記ガイド溝６は消しゴム案内部
材５のほぼ中間部に必要距離形成され、後述する消しゴ
ム受け筒７は、ガイド溝６の上端（上部溝縁部）６ａと
下端（下部溝縁部）６ｂとの間で該ガイド溝６内を摺動
できるように形成されている。即ち、ガイド溝６は軸方
向の両端が閉塞部５ａ，５ｂにより閉塞されており、従
って、全体として消しゴム案内部材５の両端は閉塞され
ている。

【００１１】かかる構成によって、消しゴム使用時に発
生するガイド溝６を押し拡げようとする力が作用しても
消しゴム案内部材５の径が拡開してしまうということは
あり得ない。従って、消しゴム案内部材５は、消しゴム
受け筒７をガタ付きのないようにスムーズに案内するこ
とが可能となり、消しゴム使用時にガタ付きが発生する
ことを未然に防止できると共に、消しゴム案内部材５の
径が拡大してキャップ３の内壁等に強く接触したため、
芯パイプ２のノック操作性を阻害するという不都合も発
生することはない。

【００１２】また、この消しゴム案内部材５の芯パイプ
２側には、芯パイプ２の後端部と当接し、ノック時にノ
ック力を芯パイプ２に伝達するノック伝達部５ｃが形成
されている。

【００１３】さらに、キャップ３の引き抜き時に消しゴ
ム受け筒７の係合突起８の上縁部８ｂが消しゴム案内部
材５のガイド溝６の上端６ａに当接することにより、消
しゴム案内部材５を芯パイプ２から抜脱できるようにな
っている。

【００１４】かかる消しゴム案内部材５には消しゴム受
け筒７が挿入されている。この消しゴム受け筒７は有底
筒状をなしており、その底部側周面には係合突起８が設
けられ、この係合突起８の外周には係合溝８ａが設けら
れている。そして、係合突起８が前記消しゴム案内部材
５のガイド溝６に摺動自在に嵌込み係合されている。

【００１５】キャップ３内における前記消しゴム案内部
材５との間には螺旋溝を有する螺旋案内部９が設けられ
ている。この螺旋案内部９は螺旋案内手段となるもの
で、その螺旋溝が消しゴム受け筒７の係合突起８の係合
溝８ａに係合し、前記係合突起８を介して螺旋案内部９
と消しゴム受け筒７とが一体的に抜脱できるように形成
されている。

【００１６】また、消しゴム受け筒７にはキャップ３の
消しゴム出没口４から出没させるための消しゴム１０の
内端側が嵌込み支承されている。さらに、前記キャップ
３の上部にはクリップ１１が設けられ、このクリップ１
１によって筆記具の携帯が便利となる。

【００１７】次に動作について説明する。キャップ３を
正回転させると、これと共に螺旋案内部９が回転するこ
とにより、この螺旋案内部９に係合した消しゴム受け筒
７がキャップ３の消しゴム出没口４側に向って移動させ
られ、これにより、消しゴム１０が前記消しゴム出没口
４から繰り出される。なお、消しゴム受け筒７を回転さ
せた場合でも芯パイプ２は回転しない。

【００１８】また、キャップ３を逆回転させると、これ
と共に螺旋案内部９が逆回転させられることにより、消
しゴム受け筒７が消しゴム退没方向に移動させられて消
しゴム１０が前記消しゴム出没口４から退没させられ
る。

【００１９】次にキャップ３を外筒１から取り外した場
合、上述のように、螺旋案内部９と係合突起８の係合溝
８ａとの係合関係により、消しゴム受け筒７はキャップ
３および螺旋案内部９と共に移動してゆき、最後に係合
突起８の上縁部８ｂが消しゴム案内部材５のガイド溝６
の上端６ａに当接し、消しゴム案内部材５が芯パイプ２
の後端から抜脱することとなる。即ち、キャップ３と共
に螺旋案内部９、消しゴム案内部材５、消しゴム受け筒
７、消しゴム１０が一体的に取り外せ、しかも、上述の
ように芯パイプ２の後部が外筒１の後端より突出してい
る状態となる。従って、芯パイプ２への芯の補給や消し
ゴム１０の交換作業が極めて容易に行える。

【００２０】また、消しゴム案内部材５は芯パイプ２と
当接するノック伝達部５ｃによって、ノック力を確実に
芯パイプ２に伝達でき、ノック時に芯の送り出しを確実
に行える。

【００２１】

【考案の効果】以上のように、この考案によれば、キャ
ップの正逆回転により、このキャップ後端の消しゴム出
没口から消しゴムを繰り出し且つ後退させることがで
き、このため、消しゴムを消耗度に応じて繰り出し且つ
その繰り出し量を調整することができ、その消しゴムを
長期間に亘って使用することが可能となり、しかもキャ
ップを外筒から取り外せば、消しゴム等が一体に取り外
せるので、芯の補給・消しゴムの交換が極めて容易に行
えるという効果がある。しかも、ガイド溝は消しゴム案
内部材のほぼ中間部位置に設けられているので、消しゴ
ム案内部材の径が拡開するという虞れは全くない。さら
に、消しゴム案内部材のノック伝達部によって、ノック
力をレフィールに確実に伝達でき、確実かつスムーズな
芯送り出しが行えるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による筆記具の消しゴム繰
り出し機構を示す要部断面図である。

【符号の説明】

１ 外筒 ２ レフィール（芯パイプ） ３ キャップ ４ 消しゴム出没口 ５ 消しゴム案内部材 ５ａ，５ｂ 閉塞部 ６ ガイド溝 ６ａ ガイド溝６の上端（上部溝縁部） ６ｂ ガイド溝６の下端（下部溝縁部） ７ 消しゴム受け筒 ８ 係合突起 ８ａ 係合溝 ９ 螺旋案内部 １０ 消しゴム １１ クリップ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒内に軸方向へ摺動可能に挿入された
   レフィールと、後端に消しゴム出没口を有して前記外筒
   の後端部に着脱自在でかつ回転自在に被嵌連結されたキ
   ャップと、このキャップ内に設けられて前記レフィール
   の後端部に着脱自在に係合された消しゴム案内部材と、
   この消しゴム案内部材に軸方向へ摺動自在に係合された
   消しゴム受け筒と、この消しゴム受け筒の外周に設けら
   れた係合突起と、前記消しゴム受け筒に一端側が嵌込み
   支承された消しゴムと、前記キャップ内に設けられ、前
   記消しゴム受け筒の係合突起と係合し、該消しゴム受け
   筒をキャップの正逆回転により軸方向へ往復移動させる
   螺旋溝を有する螺旋案内部とを備え、前記消しゴム案内
   部材は、軸方向に沿って形成され前記係合突起が軸方向
   へ摺動自在に係合されたガイド溝と、このガイド溝の軸
   方向両端を閉塞した閉塞部と、前記レフィールと当接
   し、ノック時に該レフィールにノック力を伝達するノッ
   ク伝達部とを有すると共に、前記キャップと共に前記螺
   旋案内部と前記消しゴム案内部材と前記消しゴム受け筒
   とが一体に取り外せることを特徴とする筆記具の消しゴ
   ム繰り出し機構。
2. 【請求項２】 レフィールはその後部が外筒の後端から
   突出する長さに形成され、キャップ取り外し時に該後部
   が該外筒から突出することを特徴とする請求項１記載の
   筆記具の消しゴム繰り出し機構。
3. 【請求項３】 キャップの上部にはクリップが設けられ
   ていることを特徴とする請求項１または請求項２の何れ
   かに記載の筆記具の消しゴム繰り出し機構。
4. 【請求項４】 螺旋案内部と消しゴム案内部材および消
   しゴム受け筒のキャップとの一体的な取り外しは、前記
   螺旋案内部と係合突起との係合関係および該係合突起と
   消しゴム案内部材のガイド溝の上端との係合関係により
   行うように構成したことを特徴とする請求項１または請
   求項２の何れかに記載の筆記具の消しゴム繰り出し機
   構。