JPH085832B2 - 4−ベンジルオキシフェノ−ルの製造方法 - Google Patents
4−ベンジルオキシフェノ−ルの製造方法Info
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- JPH085832B2 JPH085832B2 JP62152481A JP15248187A JPH085832B2 JP H085832 B2 JPH085832 B2 JP H085832B2 JP 62152481 A JP62152481 A JP 62152481A JP 15248187 A JP15248187 A JP 15248187A JP H085832 B2 JPH085832 B2 JP H085832B2
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Description
【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、4−ベンジルオキシフェノールの製造方法
に関し、さらに詳しくは、ハイドロキノンとハロゲン化
ベンジルとを反応させて、着色不純物が含まれない4−
ベンジルオキシフェノールを製造するための方法に関す
る。
に関し、さらに詳しくは、ハイドロキノンとハロゲン化
ベンジルとを反応させて、着色不純物が含まれない4−
ベンジルオキシフェノールを製造するための方法に関す
る。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとの反応
による4−ベンジルオキシフェノールの製造方法は知ら
れている。たとえば「アナーレン・デア・ヘミー(Anna
len der Chemie)」221,365(1883)には、エタノール
中でKOC2H5の存在下にハイドロキノンと臭化ベンジルと
を反応させて4−ベンジルオキシフェノールを合成する
方法が記載されている。この方法によれば、副生成物と
しての1,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゼンが多量に
生成し、目的物の選択率が低く、しかも着色不純物が生
成し、さらにエタノールと水とが共沸混合物を形成して
分離が困難なため、目的物の単離精製および溶媒回収が
難しいという問題点があった。
による4−ベンジルオキシフェノールの製造方法は知ら
れている。たとえば「アナーレン・デア・ヘミー(Anna
len der Chemie)」221,365(1883)には、エタノール
中でKOC2H5の存在下にハイドロキノンと臭化ベンジルと
を反応させて4−ベンジルオキシフェノールを合成する
方法が記載されている。この方法によれば、副生成物と
しての1,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゼンが多量に
生成し、目的物の選択率が低く、しかも着色不純物が生
成し、さらにエタノールと水とが共沸混合物を形成して
分離が困難なため、目的物の単離精製および溶媒回収が
難しいという問題点があった。
また「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソ
サイエティー」(J.A.C.S)54,298,303には、アセトン
溶媒中でK2CO3を用いて、あるいは「ジャーナル・オブ
・オーガニック・ケミトスリー」(J.O.C)23,1622には
エタノール中で陰イオン交換樹脂を用いて、ハイドロキ
ノンと塩化ベンジルとを反応させる方法が記載されてい
るが、いずれの方法も目的物の収率が10〜15モル%と低
いという問題点があった。また、一般にフェノール類を
エーテル化する場合、しばしばアセトン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドなどのような極性非プ
ロトン溶媒を反応溶媒として用い、塩基の存在下に反応
させることが行なわれているが、フェノールの転化率が
低いとか副生成物の生成が多いとか、精製が困難である
とかの問題点を伴うことが多かった。
サイエティー」(J.A.C.S)54,298,303には、アセトン
溶媒中でK2CO3を用いて、あるいは「ジャーナル・オブ
・オーガニック・ケミトスリー」(J.O.C)23,1622には
エタノール中で陰イオン交換樹脂を用いて、ハイドロキ
ノンと塩化ベンジルとを反応させる方法が記載されてい
るが、いずれの方法も目的物の収率が10〜15モル%と低
いという問題点があった。また、一般にフェノール類を
エーテル化する場合、しばしばアセトン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドなどのような極性非プ
ロトン溶媒を反応溶媒として用い、塩基の存在下に反応
させることが行なわれているが、フェノールの転化率が
低いとか副生成物の生成が多いとか、精製が困難である
とかの問題点を伴うことが多かった。
このような問題点を解決するため、本発明者らは特開
昭62−51635号公報において、ハイドロキノンとハロゲ
ン化ベンジルとをメタノールを溶媒として塩基の存在下
に反応させ、次いで得られた液相から4−ベンジルオキ
シフェノールを単離することを特徴とする4−ベンジル
オキシフェノールの製造方法を提案した。
昭62−51635号公報において、ハイドロキノンとハロゲ
ン化ベンジルとをメタノールを溶媒として塩基の存在下
に反応させ、次いで得られた液相から4−ベンジルオキ
シフェノールを単離することを特徴とする4−ベンジル
オキシフェノールの製造方法を提案した。
ところが上記のような方法によって4−ベンジルオキ
シフェノールを製造しようとすると、場合によって生成
物としての4−ベンジルオキシフェノールが黄色に着色
してしまうことがあるという問題点があった。
シフェノールを製造しようとすると、場合によって生成
物としての4−ベンジルオキシフェノールが黄色に着色
してしまうことがあるという問題点があった。
本発明者らは上記のような4−ベンジルオキシフェノ
ールが着色してしまうという問題点を解決すべく鋭意検
討したところ、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルと
をメタノールに完全に溶解させ、得られた溶液に塩基を
加えて反応を行なわせればよいことを見出して、本発明
を完成するに至った。
ールが着色してしまうという問題点を解決すべく鋭意検
討したところ、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルと
をメタノールに完全に溶解させ、得られた溶液に塩基を
加えて反応を行なわせればよいことを見出して、本発明
を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、ハイドロキノンとハロゲン
化ベンジルとを反応させて、高選択率かつ高収率で4−
ベンジルオキシフェノールを生成させるとともに、得ら
れる4−ベンジルオキシフェノールが黄色などに着色す
ることがないような、4−ベンジルオキシフェノールの
製造方法を提供することを目的としている。
しようとするものであって、ハイドロキノンとハロゲン
化ベンジルとを反応させて、高選択率かつ高収率で4−
ベンジルオキシフェノールを生成させるとともに、得ら
れる4−ベンジルオキシフェノールが黄色などに着色す
ることがないような、4−ベンジルオキシフェノールの
製造方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る4−ベンジルオキシフェノールの製造方
法は、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとをメタノ
ールに完全に溶解させた後、得られた溶液に塩基を加え
て反応を行わせ、次いで析出物を分離し、得られた液相
から着色度の少ない4−ベンジルオキシフェノールを単
離することを特徴としている。
法は、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとをメタノ
ールに完全に溶解させた後、得られた溶液に塩基を加え
て反応を行わせ、次いで析出物を分離し、得られた液相
から着色度の少ない4−ベンジルオキシフェノールを単
離することを特徴としている。
本発明に係る4−ベンジルオキシフェノールの製造方
法では、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとを完全
に溶解させた後に、得られる溶液に塩基を加えて反応を
行なわせているので、ハイドロキノンの酸化などによる
着色生成物の生成を完全に抑制することができ、したが
って純白な4−ベンジルオキシフェノールを高収率およ
び高選択率で得ることができる。
法では、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとを完全
に溶解させた後に、得られる溶液に塩基を加えて反応を
行なわせているので、ハイドロキノンの酸化などによる
着色生成物の生成を完全に抑制することができ、したが
って純白な4−ベンジルオキシフェノールを高収率およ
び高選択率で得ることができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る4−ベンジルオキシフェノールの製
造方法について具体的に説明する。
造方法について具体的に説明する。
本発明では、まずハイドロキノンとハロゲン化ベンジ
ルとをメタノールに完全に溶解させる。ハロゲン化ベン
ジル/ハイドロキノンのモル比は、0.5〜1.5好ましくは
0.8〜1.2の範囲である。またメタノールは、ハイドロキ
ノン1モル当たり100〜1000g、好ましくは250〜700gの
範囲である。
ルとをメタノールに完全に溶解させる。ハロゲン化ベン
ジル/ハイドロキノンのモル比は、0.5〜1.5好ましくは
0.8〜1.2の範囲である。またメタノールは、ハイドロキ
ノン1モル当たり100〜1000g、好ましくは250〜700gの
範囲である。
メタノールを溶媒として用いるに先立って、メタノー
ルに窒素などの不活性ガスをバブリングするなどして、
メタノール中に溶解した溶存酸素を除去しておくことが
好ましい。このようにして溶存酸素が除去されたメタノ
ールを溶媒として用いることによって、得られる4−ベ
ンジルオキシフェノールの着色をさらに防止することが
できる。
ルに窒素などの不活性ガスをバブリングするなどして、
メタノール中に溶解した溶存酸素を除去しておくことが
好ましい。このようにして溶存酸素が除去されたメタノ
ールを溶媒として用いることによって、得られる4−ベ
ンジルオキシフェノールの着色をさらに防止することが
できる。
ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとをメタノール
に完全に溶解させた後、得られる溶液に塩基を加えて、
ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとの反応を行なわ
せる。塩基は、ハロゲン化ベンジル1モリ当り0.8〜1.2
モル好ましくは0.9〜1.1モルの量で添加される。
に完全に溶解させた後、得られる溶液に塩基を加えて、
ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとの反応を行なわ
せる。塩基は、ハロゲン化ベンジル1モリ当り0.8〜1.2
モル好ましくは0.9〜1.1モルの量で添加される。
上記の反応において、反応温度は20〜80℃好ましくは
65〜75℃の範囲である。本発明では反応温度を高くして
反応をできるだけ速みやかに完結した方が得られる4−
ベンジルオキシフェノールの白色度を向上するので好ま
しい。また反応時間は、反応温度あるいは後述する反応
形式によって大きく変化するが、通常3〜15時間好まし
くは4〜6時間行なうことが好ましい。
65〜75℃の範囲である。本発明では反応温度を高くして
反応をできるだけ速みやかに完結した方が得られる4−
ベンジルオキシフェノールの白色度を向上するので好ま
しい。また反応時間は、反応温度あるいは後述する反応
形式によって大きく変化するが、通常3〜15時間好まし
くは4〜6時間行なうことが好ましい。
上記のような反応は、回分式あるいは半連続式、連続
式で行なうことができる。
式で行なうことができる。
この反応におけるハロゲン化ベンジルとしては、具体
的には塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルが
用いられるが、塩化ベンジルが入手の容易性などから一
般的に好ましく用いられる。またこの反応における塩基
としては、具体例には水酸化ナトリウムおよび炭酸ナト
リウムなどが用いられる。
的には塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルが
用いられるが、塩化ベンジルが入手の容易性などから一
般的に好ましく用いられる。またこの反応における塩基
としては、具体例には水酸化ナトリウムおよび炭酸ナト
リウムなどが用いられる。
本発明では、ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルと
をメタノールに完全に溶解させた後に、得られる溶液に
塩基を加えて反応を行なわせている。これに対して、も
し塩基のメタノール溶液に、ハイドロキノンとハロゲン
化ベンジルとを加えて両者の反応を行なわせると、ハイ
ドロキノンの酸化生成物などが副生成物として多量に生
成し、得られる4−ベンジルオキシフェノールは黄色な
どに着色してしまうため好ましくない。また塩化ベンジ
ルとメタノールとの混合物に、塩基を加え、次いでハイ
ドロキノンを加えて反応を行なわせると、塩化ベンジル
と塩基との反応によってベンジルアルコールが多量に副
生してしまうため好ましくない。
をメタノールに完全に溶解させた後に、得られる溶液に
塩基を加えて反応を行なわせている。これに対して、も
し塩基のメタノール溶液に、ハイドロキノンとハロゲン
化ベンジルとを加えて両者の反応を行なわせると、ハイ
ドロキノンの酸化生成物などが副生成物として多量に生
成し、得られる4−ベンジルオキシフェノールは黄色な
どに着色してしまうため好ましくない。また塩化ベンジ
ルとメタノールとの混合物に、塩基を加え、次いでハイ
ドロキノンを加えて反応を行なわせると、塩化ベンジル
と塩基との反応によってベンジルアルコールが多量に副
生してしまうため好ましくない。
本発明では、反応終了時に反応混合物のpHが4以下で
あることが好ましい。もし反応終了時に反応混合物のpH
が5以上であると、得られる4−ベンジルオキシフェノ
ールが着色してしまうため好ましくない。
あることが好ましい。もし反応終了時に反応混合物のpH
が5以上であると、得られる4−ベンジルオキシフェノ
ールが着色してしまうため好ましくない。
上記反応においてメタノール溶媒の代りに溶媒として
ジメチルホルムアミドを使用した場合には、塩化ベンジ
ルの加水分解によりベンジルアルコールが多量に生成
し、ハイドロキノン転化率は50%以上には上がらず、し
かも精製方法も複雑になってしまう。また溶媒としてア
セトンを使用した場合には、4−ベンジルオキシフェノ
ール選択率が10モル%程度と著しく低く、さらに溶媒と
してエタノールを使用した場合には、4−ベンジルオキ
シフェノールの精製方法が複雑になってしまう。
ジメチルホルムアミドを使用した場合には、塩化ベンジ
ルの加水分解によりベンジルアルコールが多量に生成
し、ハイドロキノン転化率は50%以上には上がらず、し
かも精製方法も複雑になってしまう。また溶媒としてア
セトンを使用した場合には、4−ベンジルオキシフェノ
ール選択率が10モル%程度と著しく低く、さらに溶媒と
してエタノールを使用した場合には、4−ベンジルオキ
シフェノールの精製方法が複雑になってしまう。
次に上記のようにして得られた4−ベンジルオキシフ
ェノールを精製するには、まず反応混合物からメタノー
ルに不溶性の析出物を分離する。このようにして分離さ
れる析出物は、主として塩化ナトリウムなどの塩類およ
び1,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゼンなどである。
析出物の分離に際して、反応混合物に酸を加え、次いで
アルカリを加えて中和してもよい。
ェノールを精製するには、まず反応混合物からメタノー
ルに不溶性の析出物を分離する。このようにして分離さ
れる析出物は、主として塩化ナトリウムなどの塩類およ
び1,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゼンなどである。
析出物の分離に際して、反応混合物に酸を加え、次いで
アルカリを加えて中和してもよい。
次いで得られた液相から、メタノールを蒸留によって
除去した後水を加えるか、あるいは得られた液相に水を
加えた後にメタノールを蒸留によって除去し、次いで水
性相から4−ベンジルオキシフェノールを分離する。水
性相から4−ベンジルオキシフェノールを分離する方法
としては次の2つの方法のいずれかを採用することがで
きる。1つは水性相を冷却し析出した4−ベンジルオキ
シフェノールを過等の通常手段で分離する方法であ
り、他の1つは水性相に芳香族炭化水素またはハロゲン
化炭化水素を加え、4−ベンジルオキシフェノールを油
相に抽出し次いで油相から4−ベンジルオキシフェノー
ルを単離する方法である。この4−ベンジルオキシフェ
ノールの抽出に当たっては加温して高められた温度とす
ることが好ましく、このようにして4−ベンジルオキシ
フェノールが抽出される油相を、次いで冷却して4−ベ
ンジルオキシフェノールを析出させるのである。もちろ
ん、芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の使用量
によっては、油相を濃縮して目的の4−ベンジルオキシ
フェノールを析出させることもありうる。この芳香族炭
化水素またはハロゲン化炭化水素の添加の時期は、上記
したように反応混合物からメタノールを留去した後に行
なわれる。メタノールの留去前における芳香族炭化水素
の添加は、メタノールと芳香族炭化水素またはハロゲン
炭化水素との分離に複雑な操作が必要となるので好まし
くない。添加する水の量は反応条件でも異なるが、通
常、仕込みハイドロキノン1モル当り100〜2000g、好ま
しくは300〜1000gである。使用する芳香族炭化水素また
はハロゲン化炭化水素の量は水相100gに対して10〜200g
とするのが好ましく、またこのときの抽出時の温度は使
用する該有機溶媒の種類によっても多少異なるが50〜10
0℃の範囲であることが好ましい。分離した結晶は必要
に応じて更に再結晶等の手段で精製してもよい。
除去した後水を加えるか、あるいは得られた液相に水を
加えた後にメタノールを蒸留によって除去し、次いで水
性相から4−ベンジルオキシフェノールを分離する。水
性相から4−ベンジルオキシフェノールを分離する方法
としては次の2つの方法のいずれかを採用することがで
きる。1つは水性相を冷却し析出した4−ベンジルオキ
シフェノールを過等の通常手段で分離する方法であ
り、他の1つは水性相に芳香族炭化水素またはハロゲン
化炭化水素を加え、4−ベンジルオキシフェノールを油
相に抽出し次いで油相から4−ベンジルオキシフェノー
ルを単離する方法である。この4−ベンジルオキシフェ
ノールの抽出に当たっては加温して高められた温度とす
ることが好ましく、このようにして4−ベンジルオキシ
フェノールが抽出される油相を、次いで冷却して4−ベ
ンジルオキシフェノールを析出させるのである。もちろ
ん、芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の使用量
によっては、油相を濃縮して目的の4−ベンジルオキシ
フェノールを析出させることもありうる。この芳香族炭
化水素またはハロゲン化炭化水素の添加の時期は、上記
したように反応混合物からメタノールを留去した後に行
なわれる。メタノールの留去前における芳香族炭化水素
の添加は、メタノールと芳香族炭化水素またはハロゲン
炭化水素との分離に複雑な操作が必要となるので好まし
くない。添加する水の量は反応条件でも異なるが、通
常、仕込みハイドロキノン1モル当り100〜2000g、好ま
しくは300〜1000gである。使用する芳香族炭化水素また
はハロゲン化炭化水素の量は水相100gに対して10〜200g
とするのが好ましく、またこのときの抽出時の温度は使
用する該有機溶媒の種類によっても多少異なるが50〜10
0℃の範囲であることが好ましい。分離した結晶は必要
に応じて更に再結晶等の手段で精製してもよい。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 (1)温度計、撹拌機及び冷却管を具備した1の丸底
フラスコに、メタノール480gを加え、チッ素ガスを吹込
み、次いでハイドロキノン110gおよび塩化ベンジル139g
を加えて、ハイドロキノンおよび塩化ベンジルを完全に
メタノールに溶解させた。次に得られた溶液に、水酸化
ナトリウム40gを加えて、撹拌下で反応温度を67〜69℃
に保って6時間反応を行なった後、反応内容物を20℃に
まで冷却し、過によって析出物を分離した。反応終了
時の反応混合物のpHは2.0であった。
フラスコに、メタノール480gを加え、チッ素ガスを吹込
み、次いでハイドロキノン110gおよび塩化ベンジル139g
を加えて、ハイドロキノンおよび塩化ベンジルを完全に
メタノールに溶解させた。次に得られた溶液に、水酸化
ナトリウム40gを加えて、撹拌下で反応温度を67〜69℃
に保って6時間反応を行なった後、反応内容物を20℃に
まで冷却し、過によって析出物を分離した。反応終了
時の反応混合物のpHは2.0であった。
(2)得られた液に水600mlを加え、常圧でメタノー
ルを留去したのち、残留物を25℃にまで冷却し、析出し
た4−ベンジルオキシフェノールの結晶を別し、乾燥
した。
ルを留去したのち、残留物を25℃にまで冷却し、析出し
た4−ベンジルオキシフェノールの結晶を別し、乾燥
した。
得られた4−ベンジルオキシフェノールは白色鱗片状
であり、融点は120〜122℃であり、GC分析による純度は
99.9%であり、そして重量は84.5gであった。仕込のハ
イドロキノンを基準とした4−ベンジルオキシフェノー
ルの収率は42.2モル%であった。また晶析母液中には3
6.3gの未反応ハイドロキノンが含まれており、この値か
ら計算したハイドロキノン転化率は67%であり、反応し
たハイドロキノンを基準にした4−ベンジルオキシフェ
ノールの選択率は63モル%であった。
であり、融点は120〜122℃であり、GC分析による純度は
99.9%であり、そして重量は84.5gであった。仕込のハ
イドロキノンを基準とした4−ベンジルオキシフェノー
ルの収率は42.2モル%であった。また晶析母液中には3
6.3gの未反応ハイドロキノンが含まれており、この値か
ら計算したハイドロキノン転化率は67%であり、反応し
たハイドロキノンを基準にした4−ベンジルオキシフェ
ノールの選択率は63モル%であった。
上記した(2)の操作工程を、最初の液をそのまま
加熱してメタノールを除去し、次いで同量の水を熱時加
え、得られた水性溶液を25℃まで冷却する操作で置き換
えたが同様の収量で4−ベンジルオキシフェノールが得
られた。
加熱してメタノールを除去し、次いで同量の水を熱時加
え、得られた水性溶液を25℃まで冷却する操作で置き換
えたが同様の収量で4−ベンジルオキシフェノールが得
られた。
また、得られた4−ベンジルオキシフェノールの着色
度を測定するため、この4−ベンジルオキシフェノール
の350nmおよび400nmでの吸光度を測定した。
度を測定するため、この4−ベンジルオキシフェノール
の350nmおよび400nmでの吸光度を測定した。
結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において、丸底フラスコに水酸化ナトリウム
およびメタノールを加えて水酸化ナトリウムをメタノー
ルに溶解させた後、次いで得られた溶液にハイドロキノ
ンおよび塩化ベンジルを加えた以外は、実施例1と同様
にして、反応を行なわせ、次いで反応混合物から4−ベ
ンジルオキシフェノールを分離した。
およびメタノールを加えて水酸化ナトリウムをメタノー
ルに溶解させた後、次いで得られた溶液にハイドロキノ
ンおよび塩化ベンジルを加えた以外は、実施例1と同様
にして、反応を行なわせ、次いで反応混合物から4−ベ
ンジルオキシフェノールを分離した。
得られた4−ベンジルオキシフェノールは微褐色鱗片
状であり、その融点は119〜121℃であり、GC分析による
純度は99.9%で、重量は84.0gであった。仕込のハイド
ロキノンを基準とした4−ベンジルオキシフェノールの
収率は42モル%であった。また晶析母液中には34.1gの
未反応ハイドロキノンが含まれており、この値から計算
したハイドロキノン転化率は69%であり、反応したハイ
ドロキノンを基準にした4−ベンジルオキシフェノール
の選択率は60.9モル%であった。
状であり、その融点は119〜121℃であり、GC分析による
純度は99.9%で、重量は84.0gであった。仕込のハイド
ロキノンを基準とした4−ベンジルオキシフェノールの
収率は42モル%であった。また晶析母液中には34.1gの
未反応ハイドロキノンが含まれており、この値から計算
したハイドロキノン転化率は69%であり、反応したハイ
ドロキノンを基準にした4−ベンジルオキシフェノール
の選択率は60.9モル%であった。
また、得られた4−ベンジルオキシフェノールの350n
mおよび400nmでの吸光度を測定した。
mおよび400nmでの吸光度を測定した。
結果を表1に示す。
吸光度は、4−ベンジルオキシフェノール1gを10mlの
酢酸エチルに溶解し、10mmセルを用いて測定した値であ
る。
酢酸エチルに溶解し、10mmセルを用いて測定した値であ
る。
この表1より、本発明に係る方法では、着色がなく純
度の高い4−ベンジルオキシフェノールが得られること
がわかる。
度の高い4−ベンジルオキシフェノールが得られること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−51635(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとを
メタノールに完全に溶解させた後、得られた溶液に塩基
を加えて反応を行わせ、次いで析出物を分離し、得られ
た液相から4−ベンジルオキシフェノールを単離するこ
とを特徴とする、着色度の少ない4−ベンジルオキシフ
ェノールの製造方法。 - 【請求項2】ハイドロキノンとハロゲン化ベンジルとの
反応を、65〜75℃の範囲で行うことを特徴とする特許請
求の範囲第1項に記載の方法。 - 【請求項3】溶存酸素を除去したメタノールを用いるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62152481A JPH085832B2 (ja) | 1987-06-19 | 1987-06-19 | 4−ベンジルオキシフェノ−ルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62152481A JPH085832B2 (ja) | 1987-06-19 | 1987-06-19 | 4−ベンジルオキシフェノ−ルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63316750A JPS63316750A (ja) | 1988-12-26 |
JPH085832B2 true JPH085832B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=15541441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62152481A Expired - Lifetime JPH085832B2 (ja) | 1987-06-19 | 1987-06-19 | 4−ベンジルオキシフェノ−ルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH085832B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0621092B2 (ja) * | 1985-08-30 | 1994-03-23 | 三井石油化学工業株式会社 | 4−ベンジルオキシフエノ−ルの製造方法 |
-
1987
- 1987-06-19 JP JP62152481A patent/JPH085832B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63316750A (ja) | 1988-12-26 |
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