JPH085816A - カラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ

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JPH085816A
JPH085816A JP13886994A JP13886994A JPH085816A JP H085816 A JPH085816 A JP H085816A JP 13886994 A JP13886994 A JP 13886994A JP 13886994 A JP13886994 A JP 13886994A JP H085816 A JPH085816 A JP H085816A
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JP
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light
color filter
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black
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JP13886994A
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English (en)
Inventor
Keijiro Inoue
敬二郎 井上
Fumio Tomita
文雄 冨田
Tetsuya Goto
哲哉 後藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】光透過性基板上に、カップリング剤からなる接
着層、樹脂中に遮光剤を分散せしめたブラックマトリッ
クスがこの順に積層されたカラーフィルタにおいて、該
ブラックマトリックス中のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の濃度が、接着層から深さ100nmまで平均
濃度A、深さ100nmから表面までの平均濃度Bとし
たときに、0.5<A/B<10であることを特徴とす
るカラーフィルタ。 【効果】カラーフィルタ製造の後工程においてもブラッ
クマトリックスの膜剥がれなどがなく、収率が向上し、
信頼性の高いカラーフィルタを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子等に使用
されるカラーフィルタに関するものであり、さらに詳し
くは、後工程においても膜剥がれなどがない信頼性に優
れたブラックマトリックスを有するカラーフィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示素子用カラーフィルタ
は、光透過性基板上に形成された赤、緑、青の三原色の
画素を一絵素として多数の絵素から構成されている。そ
して、各画素間には、表示コントラストを高めるために
一定の幅を持つ遮光領域(画面上では一般に黒色に見え
ることから、ブラックマトリックスと称されている)が
設けられている。
【0003】従来のカラーフィルタは、予めフォトリソ
グラフィ法で作製されたブラックマトリックスを利用し
ており、微細なパターンからなる金属薄膜により形成さ
れることが多い。このブラックマトリックスに用いられ
ている金属としては、Cr、Ni、Al等があり、その
形成方法としては、スパッタ法や真空蒸着法などの真空
薄膜形成法が広く用いられている。次に、微細なパター
ンを形成するために、通常フォトリソグラフィ法により
フォトレジストのパターンを形成した後、このレジスト
パターンをエッチングマスクとして金属薄膜のエッチン
グを行なう。この工程により、フォトレジストの微細パ
ターンと一致する金属薄膜の微細パターンを形成するこ
とができる。
【0004】また、画素を形成する方法としては、フォ
トリソグラフィ法を用いて形成した可染媒体を染色する
方法、感光性の顔料分散組成物を用いる方法、非感光性
の顔料分散性組成物をエッチングする方法、パターニン
グした電極を利用した電着法などの他に、低コストの製
造方法として印刷法やインクジェット法で着色部分を形
成する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、金属薄膜に
より形成されたブラックマトリックスは、金属薄膜を形
成する工程での製造コストが高く、カラーフィルタその
ものの価格を引き上げる原因になっている。さらに、ブ
ラックマトリックス用の金属薄膜として一般に用いられ
ているCrは反射率が高いため、外光の強い場所ではC
r面からの反射光も強く、特に透過型のディスプレーに
カラーフィルタを組み込んだ場合には、表示品位を著し
く損ねるという問題があった。すなわち、表示品位の高
い高コントラストな画質を得るためには、高い遮光性と
低い反射率が必要とされている。ブラックマトリックス
の反射率を低くさせるために、Crと光透過性基板間に
酸化クロムのような層を設ける方法が提案されている
が、ブラックマトリックスの製造コストはさらに増加す
ることになり、コストダウンの点からは好ましくない。
【0006】このため、例えば遮光剤によって着色され
た樹脂をパターニング化してブラックマトリックスを形
成した後、画素を形成してカラーフィルタを製造する方
法が提案されている(特開平2−239204号公報
等)。しかし、光透過性基板とブラックマトリックスと
の接着性が低下し、ブラックマトリックスのパターニン
グ時や後工程、特に高い温度で熱処理を必要とする工程
において膜剥がれが多発するという問題があった。すな
わち、高い温度で熱処理を必要とするポリイミド樹脂を
画素、配向膜などに用いた場合、著しく問題になった。
また、ブラックマトリックス用の樹脂としてポリイミド
樹脂を用いた場合、接着性の低下以外にも、イミド化が
阻害されるために、十分な膜強度が得られず、膜剥がれ
がさらに多発するという問題があった。さらに、光透過
性基板上には、ブラックマトリックスの他にも、画素形
成用のアライメントマーク、液晶表示パネル組み立て用
のアライメントマーク、バーニアパターンなどの線幅5
〜200μmの微細なパターンが必要であり、ブラック
マトリックス形成時に遮光剤によって着色された樹脂に
より同時に形成するのが好ましい。しかし、これらの微
細なパターンも、ブラックマトリックスと同様に膜剥が
れが生じるという問題があった。
【0007】これらの接着性低下、膜剥がれの原因につ
いて本発明者らが鋭意検討したところ、光透過性基板上
の微量なアルカリ金属またはアルカリ土類金属が原因で
あることが判明した。このアルカリ金属またはアルカリ
土類金属は、基板の洗浄不良によるもの、基板洗浄液中
に含まれているものが光透過性基板上に再付着したも
の、もともと光透過性基板中に含まれていたものであ
る。
【0008】本発明は、かかる技術の諸欠点に鑑み、創
案されたもので、その目的とするところは、後工程にお
いて膜剥がれなどが生じない、信頼性のブラックマトリ
ックスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下のカラーフィルタによって達成できる。すなわち、
光透過性基板上に、カップリング剤からなる接着層、樹
脂中に遮光剤を分散せしめたブラックマトリックスがこ
の順に積層されたカラーフィルタにおいて、該ブラック
マトリックス中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の濃度が、接着層から深さ100nmまで平均濃度A、
深さ100nmから表面までの平均濃度Bとした時に、
0.5<A/B<10であることを特徴とするカラーフ
ィルタである。以下、詳細に説明する。
【0010】まず最初に、本発明に用いられる光透過性
基板としては、ホウケイ酸ガラス、表面をシリカコート
したソーダライムガラスなどの無機ガラス類、有機プラ
スチックのフィルムまたはシートなどが用いられる。
【0011】光透過性基板は、指紋、汗、油脂等の有機
物汚染や、切断時の断片、ほこり等のパーティクルなど
により汚れている。このため、通常これらの光透過性基
板は、洗浄して用いる。まず、ブラシ洗浄にて粗大パー
ティクルを除去した後、界面活性剤等に浸漬し、超音波
を印加した後、水洗、乾燥する。界面活性剤としては、
種々のものを用いることができるが、アルカリ性のもの
が特に洗浄力が強く、Na、Kなどアルカリ金属塩また
はアリカリ土類金属塩になっているのが特に好ましく用
いられる。さらにはNaOH、KOHなど強アルカリを
含むものが適している。このような洗浄を行なった後、
従来は水洗、乾燥するが、生産性向上のため各工程の処
理時間を短縮させる必要に迫られ、十分な水洗が行なえ
ず、界面活性剤や強アルカリ中に含まれるアルカリ金属
またはアリカリ土類金属が、光透過性基板上に残留す
る。また、洗浄が不十分な部分においては、アルカリ金
属またはアリカリ土類金属を含む指紋、汗、油脂等がア
ルカリ金属またはアリカリ土類金属の汚染源になる。こ
れ以外にも、もともと光透過性基板中に含まれていたも
のがある。例えば低アルカリホウケイ酸ガラス(OA−
2、日本電気ガラス(株)製)においては、0.1%程
度のアルカリ酸化物を含んでいる。
【0012】光透過性基板上の微量なアルカリ金属また
はアリカリ土類金属汚染によってブラックマトリックス
の光透過性基板側近傍のアルカリ金属またはアリカリ土
類金属の濃度は著しく上昇する。このため、後工程にお
いて、ブラックマトリックスの剥がれが発生したり、ク
ラックが生じやすくなり、ブラックマトリックスの信頼
性が劣ったり、カラーフィルタの収率が低下する。この
ような光透過性基板上のアルカリ金属またはアリカリ土
類金属によるブラックマトリックスへの汚染を防止する
ため、本発明は、光透過性基板上に、接着層を積層した
後、樹脂中に遮光剤を分散せしめたブラックマトリック
スを形成したカラーフィルタとする。以下、さらに詳し
く説明していく。
【0013】本発明のカラーフィルタは、光透過性基板
上に接着層、樹脂中に遮光剤を分散してなるブラックマ
トリックスがこの順に積層されたカラーフィルタにおい
て、ブラックマトリックス中のアルカリ金属またはアル
カリ土類金属の濃度が、接着層から深さ100nmまで
平均濃度A、深さ100nmから表面までの平均濃度B
としたときに、0.5<A/B<10であることを特徴
とするカラーフィルタである。この範囲をはずれて平均
濃度Bが増大すると、ブラックマトリックスの剥がれが
後工程で発生したり、クラックが生じやすくなり、好ま
しくない。より好ましくは0.5<A/B<5、さらに
好ましくは0.5<A/B<2である。なお、ブラック
マトリックス中のアルカリ金属またはアリカリ土類金属
の濃度は、例えば二次イオン質量分析装置等により、エ
ッチングしながらブラックマトリックス表面から光透過
性基板までの各濃度を測定することにより、定量化でき
る。
【0014】接着層としては、後工程での熱処理に耐え
る必要があり、少なくともブラックマトリックスと同等
以上の耐熱性を有するのが好ましく、250℃以上の耐
熱性を有するのが望ましい。250℃以上の耐熱性と
は、250℃の空気中で30分間の熱処理において、熱
分解等による重量減少率が10%以下のものを言う。3
00℃以上の耐熱性を有するのがより好ましい。また、
透明で変色等の着色が無いことが望まれる。空気中で、
250℃で30分の熱処理において、好ましくは色差d
Eab* が3以下、より好ましくは1以下、さらに好ま
しくは0.5以下である。このような特性を有する接着
層としては、種々のカップリング剤を用いることができ
るが、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリン
グ剤、ジルコニウムカップリング剤、鉄カップリング
剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、シランカッ
プリング剤が特に好ましい。これらは、いずれか1つ
か、またはこれらの混合物を用いてもよい。具体的に
は、アセチルアセトンと以下に示す有機金属化合物とを
反応させたものを用いることができる。有機金属化合物
としては、トリブトキシチタン、トリブトキシアルミニ
ウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシ鉄等
がある。
【0015】チタン系カップリング剤としては、この他
にも、イソプロピルトリ(N−エチルアミノエチルアミ
ノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、チタニウムジ(ジオクチルプロフォスフェー
ト)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオク
チルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ
(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタ
ネート、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、
イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェ
ートチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチル
ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラ(2、
2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−ト
リデシル)ホスファイトトタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネ−ト、ジクミルフェニ
ルオキシアセテートチタネートなどがある。
【0016】ジルコニウム系カップリング剤としては、
この他にも、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジル
コネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベン
ゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス
(エチレンジアミノ)ジルコネート、ネオアルコキシト
リス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウ
ムジルコニウムカーボネート、Zrプロピオネートなど
がある。
【0017】シランカップリング剤の具体的な例として
は、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
などがある。
【0018】さらに、トリトリルフォスフェートなどの
P含有化合物、Crフォスフェート等のCr含有化合
物、ヒドロキシベンジルアミン等のアミン類、環状アル
キレン尿素、ナフテン酸Fe(III )などの有機酸金属
塩などがある。
【0019】接着層の形成方法は、これらの接着層用の
材料を適切な溶媒に溶解させ、塗布した後、乾燥して形
成する。塗布方法としては、ディップ塗布、ロールコー
タ、ホエラー、スピナーなどの回転塗布法が好的に用い
られる。この後、熱風オーブン、ホットプレート等によ
り乾燥する。必要に応じて、200〜500℃でポスト
ベークを行なう。
【0020】接着層形成用の溶媒としては、エタノール
などのアルコール類、エチレングリオコールなどのアル
キレングリコール類、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルア
セトアミドなどのアミド類などの溶媒が好適に用いられ
るが、蒸発速度が速いものや、アルカリ金属またはアリ
カリ土類金属の溶解度の低いものがより好ましい。この
ような溶媒を用いることにより、光透過性基板上のアル
カリ金属またはアリカリ土類金属を遮蔽する能力が高く
なり、より好ましい。また、接着層形成後、純水で洗浄
するのがより好ましい。好ましくは10秒から10分間
洗浄する。
【0021】接着層の厚みは、光透過性基板上のアルカ
リ金属またはアリカリ土類金属をブラックマトリックス
まで汚染させないよう遮蔽するための膜厚が必要で、好
ましくは5nm以上、より好ましくは20nm以上、さ
らに好ましくは100nm以上である。膜厚の上限とし
ては特に限定されないが、通常塗布・乾燥装置などの制
限から2μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以
下、さらに好ましくは0.5μm以下である。
【0022】次に、ブラックマトリックスを形成する。
ブラックマトリックスとしては、遮光剤を樹脂中に分散
させてなるものが用いられ、通常、フォトリソグラフィ
法を用いてストライプ状、格子状などの形状にパターニ
ングされる。樹脂としては、特に限定されず、エポキシ
系樹脂、アクリル系、ポリアミドイミドを含むポリイミ
ド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ビニル系樹脂、ゼラチン等染色可能な動物性タンパク樹
脂などの感光性または非感光性の材料を用いることがで
きるが、250℃以上の耐熱性を有するのが望ましく、
エポキシ系樹脂、アクリル系、ポリイミド系樹脂が好ま
しい。この中でも、最も高い耐熱性を有するポリイミド
系樹脂がより好ましい。特に、ブラックマトリックス中
のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、接着
層から深さ100nmまで平均濃度A、深さ100nm
から表面までの平均濃度Bとした時に、0.5<A/B
<10とすることによって、顕著な効果が期待でき、膜
はがれなどのないブラックマトリックスを得ることがで
きる。また、ブラックマトリックス中に含まれるアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の濃度としては、少ない
方が好ましく、好ましくは1000ppm以下、より好
ましくは500ppm以下、さらに好ましくは50pp
m以下である。
【0023】ブラックマトリックス用のポリイミド樹脂
としては、特に限定されないが、通常一般式(1)で表
わされる構造単位を主成分とするポリイミド前駆体(n
=1〜2)を、加熱もしくは適当な触媒によってイミド
化するものが好適に用いられ、これらのポリイミド前駆
体溶液中に遮光剤を分散させた黒色ペーストを光透過性
基板上に塗布した後、乾燥することによりブラックマト
リックスを形成せしめることができる。
【0024】
【化1】 上記一般式(1)中、R1 は少なくとも2個以上の炭素
原子を有する3価または4価の有機基である。耐熱性の
面から、R1 は環状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素
環を含有し、かつ、炭素数6〜30の3価または4価の
基が好ましい。R1 の例として、フェニル基、ビフェニ
ル基、タ−フェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジ
フェニルエ−テル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニ
ルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフル
オロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンチル基な
どが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】R2 は少なくとも2個以上の炭素原子を有
する2価の有機基であるが、耐熱性の面から、R2 は環
状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素環を含有し、かつ
炭素数6〜30の2価の基が好ましい。R2 の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、タ−フェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエ−テル基、ジフェ
ニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノ
ン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニル
メタン基、ジシクロヘキシルメタン基などが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0026】構造単位(1)を主成分とするポリマは、
1 、R2 がこれらのうち各々1種から構成されていて
も良いし、各々2種以上から構成される共重合体であつ
てもよい。さらに、基板や接着層との接着性を向上させ
るために、耐熱性を低下させない範囲でジアミン成分と
して、シロキサン構造を有するビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサンを共重合させるのが好ま
しい。
【0027】構造単位(1)を主成分とするポリマの具
体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルトリフルフォロプロパ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物などか
らなる群から選ばれた1種以上のカルボン酸二無水物
と、パラフェニレンジアミン、3,3´−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4、4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4´ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4´−ジアミノジシクロヘキシル
メタン、4,4´−ジアミノジフェニメタンなどの群か
ら選ばれた1種以上のジアミンから合成されたポリイミ
ド前駆体が挙げられるが、これらに限定されない。これ
らのポリイミド前駆体は公知の方法すなわち、テトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを選択的に組み合わせ、溶
媒中で反応させることにより合成される。必要に応じて
ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
などを共重合させても良い。
【0028】これらの中でも、特に、可視光域の波長で
の光吸収の高いものの方がブラックマトリックスの遮光
性も高くなり、より好ましい。すなわち、膜厚2μmの
ポリイミド膜において、XYZ表色系における原刺激Y
が96以下のポリイミド樹脂を用いるのが好ましく、よ
り好ましくは90以下、さらに好ましくは80以下であ
る。これらの値は、波長400〜700nmの可視光で
のポリイミド膜の光線透過率スペクトルを測定すること
により計算できる。例えばテトラカルボン酸二無水物と
しては、酸二無水物残基の電子吸引性が高い程好まし
く、ベンゾフェノン基のようなケトンタイプのもの、ジ
フェニルエーテル基のようなエーテルタイプのもの、フ
ェニル基を有するもの、ジフェニルスルホン基のような
スルホン基を有するものなど好ましい。例えば、ピロメ
リット酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物などである。ジアミンとし
てはジアミン残基の電子供与性が強い程好ましく、ビフ
ェニル基、p−,p−置換またはm−,p−置換構造の
ジアミノジフェニルエーテル、メチレンジアニリンなど
が好ましく、4,4´、または3,4´−ジアミノジフ
ェニルエーテル、パラフェニレンジアミンなどである。
【0029】ブラックマトリックス用の遮光剤として
は、カーボンブラック、酸化チタン、四酸化鉄などの金
属酸化物粉、金属硫化物粉、赤、青、緑色の顔料の混合
物などを用いることができる。この中でも、特にカーボ
ンブラックは遮光性が優れており、特に好ましい。カー
ボンブラックは、チャネルブラック、ローラーブラッ
ク、ディスクブラックと呼ばれているコンタクト法で製
造されたもの、ガスファーネストブラック、オイルファ
ーネストブラックと呼ばれているファーネスト法で製造
されたもの、サーマルブラック、アセチレンブラックと
呼ばれているサーマル法で製造されたものなどを用いる
ことができるが、特にチャネルブラック、ガスファーネ
ストブラック、オイルファーネストブラックが好まし
い。
【0030】ブラックマトリックスの遮光性を向上させ
るためには、遮光剤の粒径を小さくするのが好ましく、
カーボンブラックの場合、平均1次粒径が5〜50nm
が好ましい。カーボンブラック粉の構造は、微細なカー
ボンブラックが凝集してカーボンブラックの二次粒子を
形成しており、この粒子径の平均を平均二次粒径とする
と、6〜75nmが好ましく、より好ましくは7〜50
nm、さらに好ましくは8〜30nmである。これより
大きければ十分な遮光性が得られず好ましくない。平均
二次粒径の求め方としては、透過型電子顕微鏡等でカー
ボンブラックを観測し、JISR6002に準じて平均
粒径を求める。
【0031】さらに、カーボンブラック以外にもチタン
ブラック、赤、青、緑色の顔料等の遮光剤を添加しても
よいが、遮光剤中にしめる割合は50重量%以下が好ま
しく、さらに好ましくは40重量%以下、より好ましく
は重量30重量%以下である。これ以上カーボンブラッ
ク以外の遮光剤を添加すると遮光性画素が低下し、好ま
しくない。
【0032】通常、溶媒としては、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、ラクトン
系極性溶媒、ジメチルスルフォキシドなどが好適に使用
される。ラクトン系極性溶媒とは、脂肪族環状エステル
で炭素数3〜12の化合物をいい、具体的な例として、
β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレ
ロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクト
ン、ε−カプロラクトンなどが挙げられるが、特にポリ
アミド酸の溶解性の点で、γ−ブチロラクトンが好まし
い。この中でも、アルカリ金属またはアリカリ土類金属
の溶解度の低いラクトン系極性溶媒を用いるのが好まし
く、ラクトン系極性溶媒が主成分とするのがより好まし
く、ラクトン系極性溶媒単独とするのがより好ましい。
ここでラクトン系極性溶媒が主成分である溶媒とは、n
種類の溶媒からなる混合溶媒の場合、(1/n)×10
0重量%よりも多く含むことを言う。例えば2成分系の
溶媒の場合、ラクトン系極性溶媒が50重量%より多く
含有されていることをいい、3成分系の溶媒の場合、ラ
クトン系極性溶媒が33重量%より多く含有されている
ことをいう。遮光剤にカーボンブラックを用いた場合
は、カーボンブラックの分散効果を高めるため、アミド
系極性溶媒との混合溶媒を用いるのが好ましい。これら
以外の溶媒のとしては、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、メチルカルビト−ル、エチルカルビト−ル、エ
チルラクテートなど蒸発速度のより速い溶媒を全溶媒中
5〜30重量%混合させるのがより好ましい。
【0033】遮光剤を分散させる方法としては、公知の
技術を用いることができ、ポリイミド前駆体溶液もしく
は溶剤中に遮光剤を混合させた後、ボールミル等の分散
機中で分散させるが、分散中におけるポリイミド前駆体
の反応、遮光剤とポリイミド前駆体の反応による粘度上
昇、ゲル化等の防止のため、まず溶剤中に遮光剤を混合
後、十分な前分散を行なわせた後、ポリイミド前駆体を
後から添加させる方法が好ましい。高い遮光性を得るた
めには、遮光剤を微分散するのが好ましく、分散強度、
分散時間等は、適宜調整する。また、黒色ペーストに
は、塗布性やレベリング性、分散性向上などを目的に種
々の添加剤を加えることができる。
【0034】次に、ブラックマトリックスを形成する方
法の1例を示す。まず最初に、ポリイミド前駆体溶液中
にカーボンブラック等の遮光剤を分散した黒色ペースト
を接着層上に塗布する。塗布方法は、ディップ塗布、ロ
ールコータ、ホエラー、スピナーなどの回転塗布法が好
的に用いられる。この後、熱風オーブン、ホットプレー
ト等により乾燥し、セミキュアする。セミキュア条件
は、用いたポリイミド前駆体の種類や塗布量によって若
干異なるが、通常100〜180℃で1〜60分加熱す
るのが一般的である。非感光性のポリイミド前駆体を用
いた場合は、この後フォトレジストを塗布し、プリベー
クし、光学マスクを用いて露光後、現像する。現像液と
しては、通常、NaOH、KOH等の無機アルカリ水溶
液やテトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような有
機アミン水溶液を用い、デップ、シャワー、パドル法等
で現像するが、NaやKの汚染を防止するため、高純度
の有機アミン水溶液を用いるのがより好ましい。また、
同時に、画素形成用のアライメントマーク、液晶表示素
子組み立て用のアライメントマーク、バーニアパターン
など、必要なパターンも形成しておく。よって、これら
の微細なパターンについても、光透過性基板との間に、
接着層が形成されているのが好ましい。この様にして、
レジストの現像とブラックマトリックスのパターン化を
連続して行なった後、レジストを剥離する。剥離液とし
ては、ノボラック系のレジストを用いた場合、アセトン
等のケトン類、エチルセルソルブ等のセルソルブ類、セ
ルソルブアセテート類などを用いて、デップ、シャワ
ー、パドル法等で剥離する。この後、熱風またはホット
プレートなどでキュアするが、その前に、純水で洗浄す
ることにより、該該ブラックマトリックス中の接着層か
ら深さ100nmまでのアルカリ金属またはアルカリ土
類金属の平均濃度Aを低減することができ、好ましい。
好ましくは10秒から10分間洗浄する。なお、ブラッ
クマトリックス間には通常20〜200μm程度のスペ
ースが設けられており、後工程でこの間隙に画素が形成
される。
【0035】また、ブラックマトリックスを形成する方
法としては、これ以外にも低コストの製造方法として、
印刷法やインクジェット法などで形成する方法がある。
【0036】次に、複数色の画素を形成する。通常、各
画素の画素の色は、赤、青、緑の3色であり、着色剤に
よって着色されている。通常、各画素の画素の色は、
赤、青、緑の3色であり、着色剤によって着色されてい
る。通常、各画素を形成する前後には、洗浄工程があ
り、光透過性基板上のパーティクルや有機物汚染を除去
してから行なう。洗浄方法は、通常、光透過性基板の洗
浄工程に準じて行なうことが多い。これらの洗浄工程
や、画素形成工程等の後工程において、ブラックマトリ
ックスや必要に応じて設けられたアライメントマーク、
バーニアパターンなどの微細パターンの膜剥がれを防止
するために、本発明のカラーフィルタは、光透過性基板
とブラックマトリックス間に特定の接着層が積層してい
る。
【0037】画素に用いられる着色剤としては、有機顔
料、無機顔料、染料などを好適に用いることができ、さ
らに紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤等、種々の添
加剤を添加してもよい。有機顔料としては、フタロシア
ニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリドン系、
アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系などが好適
に用いられる。また、画素に用いられる樹脂としては、
エポキシ系樹脂、アクリル系、ポリイミド系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、
ゼラチン等染色可能な動物性タンパク樹脂などの感光性
または非感光性の材料を用いることができ、着色剤をこ
れらの樹脂中に分散もしくは溶解させて着色するのが好
ましい。感光性樹脂としては、光分解型樹脂、光架橋型
感光性樹脂、光重合型樹脂などのタイプがあり、特に、
エチレン性不飽和結合を有するモノマ、オリゴマ、ポリ
マと、紫外線によってラジカルを発生する開始剤とを主
成分とする感光性組成物、感光性ポリアミック酸液など
が好適に用いられる。
【0038】着色剤を分散または溶解させる方法として
は、公知の技術を用いることができ、溶剤中に着色剤を
混合させ、ボールミル等の分散機中で分散させたり、撹
拌装置によって溶解させる。塗布方法は、ディップ塗
布、ロールコータ、ホエラー、スピナーなどの回転塗布
法が好適に用いられる。この中でもディップ塗布、ホエ
ラー、スピナーなどの回転塗布法は塗布中に画素形成用
溶液の塗布量が基板上で均一化されるため、画素の膜厚
均一性に優れ、特に好ましい。
【0039】この後、熱風で乾燥することよって、ブラ
ックマトリックス間に第1色目の着色層が全面にわたっ
て形成される。通常カラーフィルタは複数色の画素から
なるので、不必要な部分をフォトリソグラフィ法で除去
し、所望の第1色目の画素パターンを形成する。不必要
な部分とは、後工程で形成予定の画素部や画素以外の光
透過性基板の周辺部などである。着色層が感光性を有す
る場合は、光学マスクを用いて露光し、不必要な部分を
現像で除去し、画素パターンを形成する。また、着色層
が非感光性の場合は、レジストを塗布し、光学マスクを
用いて露光し、現像した後、パターン化されたレジスト
をマスクとして、不必要な部分をエッチング法で除去し
た後、レジストを剥離し、画素パターンを形成する。
【0040】これを必要な色の画素だけ繰り返し、複数
の色からなる画素を形成し、カラーフィルタを製造す
る。また、この後、必要に応じてトップコート層、IT
O透明電極およびパターニング等を必要に応じて公知の
方法により行なうことができる。
【0041】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0042】
【実施例】 <ブラックマトリックス用ポリイミド前駆体溶液の製造
>3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物 147gをN−メチル−2−ピロリドン 772gと共
に仕込み、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル 95.
10gおよびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン 6.20gを添加し、60℃で3時間反応さ
せ、粘度600ポイズ(25℃)のポリイミド前駆体溶
液を得た。
【0043】これを無アルカリガラス(日本電気ガラス
(株)製、OA−2)基板上にスピナーで仕上がり膜厚
が2μmになるように塗布、80℃10分熱風乾燥した
後、120℃で20分間セミキュア、300℃30分間
キュアした。このポリイミド膜の原刺激Yは95であっ
た。
【0044】<画素用ポリイミド前駆体溶液の製造>
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物 147gをN−メチル−2−ピロリドン772 gと共に
仕込み、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン 49.6
g,4,4´−ジアミノジフェニルメタン 54.5 g,お
よびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキ
サン 6.20 gを添加し、60℃で3時間反応させ、粘度
120ポイズ(25℃)のポリイミド前駆体溶液を得
た。
【0045】実施例1 まず、無アルカリガラス(OA−2、日本電気ガラス
(株)製)を、40℃の濃度2重量%アルカリ性洗浄液
(DIPOSH−A、(株)環境科学センター製)中で
3分間浸漬洗浄後、純水で2分間水洗し、90℃で5分
間乾燥した。
【0046】つぎに、接着層を積層した。下記に示すト
リブトキシブトキシチタネート溶液を、スピナーで仕上
がり膜厚が0.02μmになるよう、塗布し、90℃で
10分間乾燥した後、250℃で30分間熱処理した。
この接着層の耐熱性を調べるため、さらに250℃30
分間熱処理したが、分解による重量変化は1%以下であ
った。またこのときの色差dEab* は0.1以下であ
った(C光源使用)。
【0047】 トリブトキシチタネート 8g アセト酢酸エチル 6g トルエン 1000g この後、ブラックマトリックスを積層した。まず、下記
の組成を有する溶液をホモジナイザーを用いて、7000rp
m で30分間分散後、ガラスビーズを瀘過し、除去し
た。
【0048】 カーボンブラック(平均1次粒径32nm、平均2次粒径60nm,ファー ネストブラック) 4g N−メチルピロリドン 30g γ−ブチロラクトン 42g ガラスビーズ 90g これに、上記ブラックマトリックス用ポリイミド前駆体
溶液を24g添加混合し、黒色ペーストを調製した。ガ
ラス基板上にスピナーで仕上がり膜厚が1μmになるよ
うに黒色ペーストを塗布、120℃で20分間セミキュ
アした。この後、ポジ型レジスト(Shipley "Microposi
t" RC100 30cp )をスピナーで塗布後、80℃20分乾
燥した。キャノン(株)製露光機PLA−501Fを用
い、フォトマスクを介して露光し、アルカリ現像液(N
MD−3、東京応化工業(株)製)でポジ型レジストの
現像およびポリイミド前駆体のエッチングを同時に行な
った後、ポジ型レジストをメチルセルソルブアセテート
で剥離した。さらに、300℃30分間キュアした。こ
のようにして、厚み1.0μmの幅約40μmの格子状
ブラックマトリックスを設けた。同時に、幅約20μm
の画素形成用アライメントマーク、幅約10μmのバー
ニアパターンなどの微細パターンもパターニングした。
【0049】次に、赤、緑、青の顔料として各々Color
Index No.65300 Pigment Red 177で示されるジアントラ
キノン系顔料、Color Index No.74265 Pigment Green 3
6 で示されるフタロシアニングリーン系顔料Color Inde
x No.74160 Pigment Blue 15-4で示されるフタロシアニ
ンブルー系顔料を用意した。画素用ポリイミド前駆体溶
液に上記顔料を各々混合分散させて、赤、緑、青の3種
類のペーストを得た。まず、基板を純水で水洗、乾燥し
た。この後、光透過性のガラス基板のブラックマトリッ
クス形成面側に緑ペーストを塗布し、80℃10分熱風
乾燥した。この後、ポジ型レジスト(Shipley "Micropo
sit" RC100 30cp )をスピナーで塗布後、80℃20分
乾燥した。マスクを用いて露光し、アルカリ現像液(N
MD−3、東京応化工業(株)製)でポジ型レジストの
現像およびポリイミド前駆体のエッチングを同時に行な
った後、ポジ型レジストをメチルセルソルブアセテート
で剥離し、幅約90μmでピッチ300μmのストライ
プ状の緑色画素を得た。さらに、300℃30分間キュ
アした。画素層の厚さは1.5μmとした。水洗後、同
様にして、ストライプ状の赤、青色の画素を、3色の画
素間隔が10μmになるように形成した。
【0050】ブラックマトリックスのODは、波長55
0nmにおいて3.0と遮光性に優れたカラーフィルタ
が得られた。また、後工程においてブラックマトリック
スの膜剥がれがなく、ブラックマトリックスの寸法精度
は±0.2μm以下と優れたカラーフィルタが得られ
た。同様に、画素形成用アライメントマーク、バーニア
パターンなどの微細パターンも膜剥がれがなかった。ブ
ラックマトリックス中の接着層から深さ100nmまで
のNa金属の平均濃度A、深さ100nmから表面まで
のNa金属の平均濃度Bを二次イオン質量分析装置にて
測定したところ、A/B=2であった。
【0051】実施例2 実施例1と同様にして、洗浄した無アルカリガラス上に
接着層を積層した。下記に示すγ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン溶液を、スピナーで仕上がり膜厚が0.
01μmになるよう、塗布し、90℃で10分間乾燥し
た後、250℃で30分間熱処理した。この接着層の耐
熱性を調べるため、さらに250℃30分間熱処理した
が、分解による重量変化は1%以下であった。またこの
ときの色差dEab* は0.1以下であった(C光源使
用)。
【0052】 γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 1g イソプロピルアルコール 1000g この上に、実施例1と同様にして、ブラックマトリック
ス、アライメントマーク、バーニアパターンを積層し
た。さらに、実施例1と同様にして、幅約90μmでピ
ッチ300μmのストライプ状の緑、赤、青色の画素
を、3色の画素間隔が10μmになるように形成した。
【0053】ブラックマトリックスのODは、波長55
0nmにおいて3.0と遮光性に優れたカラーフィルタ
が得られた。また、後工程においてブラックマトリック
スの膜剥がれがなく、ブラックマトリックスの寸法精度
は±0.2μm以下と優れたカラーフィルタが得られ
た。同等に、画素形成用アライメントマーク、バーニア
パターンなどの微細パターンも膜剥がれがなかった。
【0054】ブラックマトリックス中の接着層から深さ
100nmまでのNa金属の平均濃度A、深さ100n
mから表面までのNa金属の平均濃度Bを二次イオン質
量分析装置にて測定したところ、A/B=3であった。
【0055】比較例1 実施例1と同様にして、無アルカリガラスを洗浄した。
接着層を積層せずに、実施例1と同様にして、ブラック
マトリックスを積層した。さらに、実施例1と同様にし
て、幅約90μmでピッチ300μmのストライプ状の
緑、赤色の画素を、3色の画素間隔が10μmになるよ
うに形成した。青色の画素形成工程前の洗浄工程におい
て、画素形成用アライメントマークが脱離し、青色の画
素は、形成できなかった。
【0056】正常部のブラックマトリックスのODは、
波長550nmにおいて3.0と遮光性に優れていた
が、緑、赤色の画素形成および各洗浄工程において、ブ
ラックマトリックスの端部に膜剥がれが生じ、所々にピ
ンホール状の欠点が形成されていた。この部分は透明
で、遮光性を示さない部分である。また、正常部のブラ
ックマトリックスの寸法精度は±0.2μm以下と優れ
ていたが、膜剥がれ部分は−5μmと、必要な寸法精度
は得られなかった。同様に、画素形成用アライメントマ
ーク、バーニアパターンなどの微細パターンも膜剥がれ
が生じた。
【0057】ブラックマトリックス中のガラス板側から
深さ100nmまでのNa金属の平均濃度A、深さ10
0nmから表面までのNa金属の平均濃度Bを二次イオ
ン質量分析装置にて測定したところ、A/B=12であ
った。
【0058】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタは、上述のよう
にブラックマトリックスの接着性が向上し、カラーフィ
ルタ製造の後工程においても膜剥がれなどはなく、収率
が向上し、信頼性の高いカラーフィルタを得ることがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性基板上に、カップリング剤からな
    る接着層、樹脂中に遮光剤を分散せしめたブラックマト
    リックスがこの順に積層されたカラーフィルタにおい
    て、該ブラックマトリックス中のアルカリ金属またはア
    ルカリ土類金属の濃度が、接着層から深さ100nmま
    で平均濃度A、深さ100nmから表面までの平均濃度
    Bとしたときに、0.5<A/B<10であることを特
    徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】該接着層の耐熱性が250℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】該接着層がチタンカップリング剤、アルミ
    ニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、
    鉄カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング
    剤、シランカップリング剤の群から選ばれる少なくとも
    一種のカップリング剤からなることを特徴とする請求項
    1記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】該ブラックマトリックスがポリイミド樹脂
    中に遮光剤を分散せしめたものであることを特徴とする
    請求項1記載のカラーフィルタ。
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