JPH0858037A - ガスバリヤー性を有する耐熱性ポリエステル容器 - Google Patents

ガスバリヤー性を有する耐熱性ポリエステル容器

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JPH0858037A
JPH0858037A JP7204942A JP20494295A JPH0858037A JP H0858037 A JPH0858037 A JP H0858037A JP 7204942 A JP7204942 A JP 7204942A JP 20494295 A JP20494295 A JP 20494295A JP H0858037 A JPH0858037 A JP H0858037A
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heat
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収治 川井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン含有量20〜60モル%、酢酸ビニ
ル成分のけん化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体けん化物(A)と、結晶化促進剤を含有する
耐熱性熱可塑性ポリエステル(B)が、(A)/(B)
=5/95〜95/5の重量比からなる樹脂組成物を用
いた単層、あるいはその少なくとも片面に(B)層を有
する、220℃オーブンレンジで30分間加熱した時の
容器胴部(縦方向)の収縮率が10%以下である、ガス
バリヤー性を有する耐熱性ポリエステル容器。 【効果】 高温スチーム加熱殺菌(レトルト殺菌)が可
能な、高ガスバリヤー性容器であり、かつ内容物(食
品)を別の容器に移しかえる事なく、該容器のままで、
ボイル加熱、電子レンジ加熱及びグリルオーブン加熱
(220℃以下)が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温スチーム加熱殺菌
(以下レトルト殺菌)が可能であり、高ガスバリヤー性
を有する事より、常温で流通が可能であり、かつ、長期
保存が可能であるばかりでなく、内容物(食品)を別の
容器に移しかえる事なく、該容器のままで、ボイル加
熱、電子レンジ加熱及びグリルオーブン加熱(220℃
以下)が可能な高ガスバリヤー性、耐熱性に優れたガス
バリヤー性を有する耐熱性ポリエステル容器に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル(以下PET)
に、結晶化促進剤などを添加し、熱成形時、あるいは、
後工程で熱固定を行い、耐熱性(220℃以下)を付与
する方法は公知(特開昭59−62660)であり、多
数の耐熱性容器が多数市販されている。該耐熱性PET
容器は、内容物(食品)を別の容器に移しかえる事な
く、該容器のままで、ボイル加熱、電子レンジ加熱及び
グリルオーブン加熱が可能である。特に、グリルオーブ
ン加熱が出来る事より、食品表面にコゲを付ける事を可
能にした。
【0003】それ故、該容器の用途が、ますます拡大す
ると予想されたが、以下の問題があり、限られた用途に
しか使用されていないのが現状である。すなわち、該容
器は、耐熱性を付与するため、PETの結晶化度を高め
る必要がある。その結果、衝撃強度が低下し、容器が破
損しやすい。この対策として、結晶化度を抑さえた薄層
PETをラミネートした構成物も見受けられるが、十分
な強度を有しない。また、該容器のガスバリヤー性が悪
い為、この容器で、食品を長期間保存しようとする場
合、低温(冷凍、冷蔵)保存する必要がある。さらに悪
い事には、結晶化度を高めたPET容器は、低温では、
さらに低い衝撃強度を示す。それ故、ますます、容器の
破損が生じ易くなる。
【0004】そこで、これらの欠点を改善し、さらに、
常温での食品の長期保存性を大幅に改善する方法とし
て、PET層に他の機能性樹脂、例えば、ガスバリヤー
性樹脂を複合する方法が考えられる。そこで、PET層
にポリ塩化ビニリデン(PVDC)あるいは、ポリアク
リロニトリル(PAN)を複合し、ガスバリヤー性を有
する耐熱性多層PET容器を作製したが、グリルオーブ
ン加熱(220℃)した場合、着色、臭気が激しく使用
に耐えなかった。
【0005】一方、最もガスバリヤー性が良好なエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)は、グリ
ルオーブン加熱(220℃)した場合、着色、臭気が、
ほとんど無い事より、上記、問題点を解決する有効な樹
脂と考えられる。しかしながら、PET層とEVOH層
とを効果的に接着させる、接着性樹脂がほとんど無く、
また、グリルオーブン加熱(220℃)した場合、接着
性樹脂の着色、臭気が激しく使用に耐えなかった。ま
た、この容器をレトルト殺菌した後、早い時期にグリル
オーブン加熱(220℃)を行うと、EVOHに吸湿し
た水分が急激に蒸発し、EVOH層と接着性樹脂層との
間に層間剥離が生じ、容器の外見をそこなうという問題
があった。
【0006】それ故、ガスバリヤー性及び衝撃特性が良
好であり、かつレトルト殺菌が可能な耐熱性PET系容
器の開発が重要な課題の一つである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】良好な耐熱性を付与し
たPET容器の性能を損なうこと無く、優れたガスバリ
ヤー性、耐衝撃性をさらに付与した容器として、EVO
H/PET複合容器があげられる。この容器は、高温ス
チーム加熱殺菌が可能であり、高ガスバリヤー性を有す
る事より、常温で流通が可能であり、かつ、長期保存が
可能であるばかりでなく、内容物(食品)を別の容器に
移しかえる事なく、該容器のままで、ボイル加熱、電子
レンジ加熱及びグリルオーブン加熱(220℃以下)が
可能な優れた容器である。
【0008】しかしながら、PET層とEVOH層とを
効果的に接着させる、接着性樹脂がほとんど無く、ま
た、グリルオーブン加熱(220℃)した場合、接着性
樹脂の着色、臭気が激しく使用に耐えなかった。また、
この容器をレトルト殺菌した後、早い時期にグリルオー
ブン加熱(220℃)を行うこと、EVOHに吸湿した
水分が急激に蒸発し、EVOH層と接着性樹脂層との間
に層間剥離が生じ、容器の外見をそこなう、という問題
があった。
【0009】そこで、本発明者らは鋭意検討を行った結
果、EVOH、より好適にはケイ素含有量0.0005
〜0.2モル%であるEVOHをエチレンテレフタレー
ト単位を80モル%以上含むPETに結晶化促進剤を添
加した、耐熱性PET樹脂にブレンドしてなる容器は、
驚くべき事に、ガスバリヤー性及び衝撃特性が良好であ
り、かつレトルト殺菌(120℃−60分)可能な耐熱
性PET系容器であることがわかり本発明を完成するに
至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン含有
量20〜60モル%、酢酸ビニル成分のけん化度90モ
ル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
(A)と、結晶化促進剤を含有する耐熱性熱可塑性ポリ
エステル(B)が、(A)/(B)=5/95〜95/
5の重量比からなる樹脂組成物を用いた単層、あるいは
その少なくとも片面に(B)層を有する、220℃オー
ブンレンジで30分間加熱した時の容器胴部(縦方向)
の収縮率が10%以下である、ガスバリヤー性を有する
耐熱性ポリエステル容器である。
【0011】本発明に使用されるPETは、エチレンテ
レフタレートを主たる構成単位とし、エチレンテレフタ
レート単位を80モル%以上、好ましくは、90モル%
以上含むポリエステルをいい、テレフタール酸以外のジ
カルボン酸、あるいはエチレングリコール以外のグリコ
ール成分を含有することができる。
【0012】なおここでテレフタール酸以外のジカルボ
ン酸としてはイソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフエニルエーテルジカルボン酸、ジ
フエニル−4,4ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカ
ルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などがあげられ、こ
れらを一種あるいはそれ以上使用することが出来る。
【0013】またエチレングリコール以外のグリコール
成分としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリ
コール及びシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジ
メタノールなどの脂環式ジオールなどがあげられ、これ
らを一種あるいはそれ以上使用することが出来る。
【0014】該ポリエステルの分子量は、シート成形あ
るいは容器の物性に大きく影響するので、固有粘度が
0.60dl/g以上、好ましくは0.70dl/g以
上あることが望ましい。ここでいう固有粘度とはフェノ
ール/テトラクロルエタン混合溶媒(1:1重量比)
中、30℃で測定した値である。
【0015】また、耐熱性容器の成形において実用上重
要である該ポリエステルの結晶化速度を増大させるため
に、結晶化促進剤をポリマーに添加する方法が、本発明
においてとくに有効に利用される。ここで、結晶化促進
剤としては多種類の化合物から選ぶことができるが、そ
の中の一群に、微小粒径(2〜3μ以下)を有する無機
化合物があり、具体的なものとしては、タルク、シリ
カ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム
があげられる。これらは、前記PETに対して一般的に
0.01〜5重量%の割合で用いられる。
【0016】他の一群としては、ポリオレフィン、特に
2〜6個の炭素原子を有するオレフィンモノマーから製
造されるポリマーがあり、例えば低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−4−メ
チルペンテンなどがあげられる。これらは、前記PET
に対して1〜15重量%、より好適には2〜8重量%の
割合で用いられる。
【0017】更には、7〜30個の炭素原子を持つ有機
酸のナトリウム塩、またはカリウム塩あるいはカルボキ
シル基を有する有機ポリマーのナトリウム塩、またはカ
リウム塩などがあり、具体例としてはステアリン酸ナト
リウム、安息香酸ナトリウム、エチレン−アクリル酸ま
たはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩(アイオノ
マーなど)、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナ
トリウム塩(完全に、または部分的に中和された塩)を
挙げることができる。これらの、前記PETに対して加
えられる量は、一般に有機酸塩につていは0.01〜5
重量%、有機ポリマーの塩につていは0.1〜10重量
%である。
【0018】また、最終製品の段階で長時間、高温下に
さらされるため、PETに、熱安定剤を0.05〜5重
量%添加する事は有効である。さらに次に、一種あるい
は、それ以上の熱安定剤が添加される場合が多い。熱安
定剤としては、例えば、アルキル化置換フェノール、ビ
スフェノール、置換ビスフェノール、チオビスフェノー
ル、ポリフェノール、チオビスアクリレート、芳香族ア
ミン、有機ホスファイト、ポリフオスファイト、そのう
ち芳香族アミンの例として、第一級ポリアミン、ジアリ
ルアミン、ビスジアリルアミン、アルキル化ジアリルア
ミン、ケトン−ジアリルアミン縮合生成物、アルデヒド
−アミン縮合生成物、アルデヒド−アミンがあげられ
る。
【0019】また、より好ましい熱安定剤として化合物
中に2個以上のフェノール環構造を有するポリフェノー
ル類があり、例えばテトラキス[メチレン3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)−プロピ
オネート]メタンおよび1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、さらにアルカリあるいはアル
カリ土類金属を含むカルボキシル化合物、例えば酢酸カ
ルシウム、酢酸マグネシウムなどがあげられる。
【0020】また、これらを混合する際、他の添加剤
(可塑剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤など)を本発明の
作用効果が阻害されない範囲内で使用する事は自由であ
る。さらに、熱、紫外線あるいは電子線などにより、発
泡構造体または架橋構造体にするため、各種CO2ガス
発生剤、架橋剤及び助剤を目的に合わせて添加すること
もできる。
【0021】以上の結晶化促進剤、熱安定剤、他の添加
剤をPETに均一に分散させる事は、最終製品容器の性
能に大きな影響を与える為、極めて重要であり、PET
に添加剤をドライブレンドし溶融押出し、ペレット化し
たマスターペレットにPETを所望の割合でブレンドす
る方法、PETに添加剤をドライブレンドし溶融押出
し、ペレット化した樹脂を使用する方法、PETに添加
剤をドライブレンドし直接使用する方法などは、耐熱性
あるいはガスバリヤー性の面で品質上のバラツキが生じ
易い。そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、PE
Tの重合中に上記添加剤を添加する方法が製品容器の性
能、品質安定化に重要な役割を果たしている事をみいだ
した。このことは、以下に示す実施例からも明らかであ
る。
【0022】本発明に使用されるEVOHはエチレン含
有量20〜60モル%、好適には25〜55モル%、酢
酸ビニル成分のけん化度は90%以上、好適には96%
以上のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物である。エ
チレン含有量20モル%以下になると、成形温度が分解
温度に近くなり、成形が困難となる。一方、エチレン含
有量が60モル%以上になると、ガスバリヤー性が低下
し好ましくない。また酢酸ビニル成分の鹸化度が96%
未満、特に90%未満のEVOHはゲル状物が多発しや
すく、又ガスバリヤー性が低いため好ましくない。
【0023】更に、このEVOHはケイ素化合物を分子
中に、0.0005〜0.2モル%含有することがより
望ましい。この様な、ケイ素化合物を含有するEVOH
を用いる場合は、耐熱性あるいはガスバリヤー性の面で
品質上のバラツキが生じ難い傾向にあるので好ましい。
EVOHに含有するケイ素単位は、下記(I)、(II)
および(III)から選ばれる。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】[但し、ここでnは0〜1、mは0〜2、
1は低級アルキル基、アリル基またはアリル基を有す
る低級アルキル基、R2は炭素数1〜40のアルコシキ
ル基であり、該アルコシキル基は酸素を含有する置換基
を有していてもよい。R3は水素またはメチル基、R4
水素または低級アルキル基、R5はアルキレン基または
連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合さ
れた2価の有機残基、R6は水素、ハロゲン、低級アル
キル基、アリル基またはアリル基を有する低級アルキル
基、R7はアルコキシル基またはアシロキシル基(ここ
でアルコキシル基またはアシロキシル基は酸素もしくは
窒素を有する置換基を有していてもよい。)、R8は水
素、ハロゲン、低級アルキル基、アリル基、またはアリ
ル基を有する低級アルキル基、R9は低級アルキル基で
ある。]
【0028】さらに詳細に述べれば、R1は炭素数1〜
5の低級アルキル基、炭素数6〜18のアリル基、また
は炭素数6〜18のアリル基を有する炭素数1〜5の低
級アルキル基を示し、R4は水素原子または炭素数1〜
5の低級アルキル基を示し、R5は炭素数1〜5のアル
キレン基または連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によっ
て相互に結合された2価の有機残基を示し、R6は水
素、ハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数
6〜18のアリル基または炭素数6〜18のアリル基を
有する炭素数1〜5低級アルキル基を示し、R7は炭素
数1〜40のアルコキシル基またはアシロキシル基(こ
こでアルコキシル基またはアシロキシル基は酸素もしく
は窒素を有する置換基を有していてもよい。)を示し、
8は水素、ハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキル
基、炭素数6〜18のアリル基または炭素数6〜18の
アリル基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基を示
し、R9は炭素数1〜5の低級アルキル基を示す。
【0029】該EVOHはASTM−D1238−65
Tにより、190℃、2160g荷重で測定した溶融粘
性指数が0.1〜25g/10分、好ましくは0.3〜
20g/10分である。そして、一種あるいはそれ以上
の添加剤(各種樹脂、酸化防止剤、可塑剤、着色剤な
ど)を本発明の作用効果が阻害されない範囲内で使用す
る事は自由である。特に、EVOHの熱安定性、ゲル発
生防止対策として、ヒンダードフェノール系、ヒンダー
ドアミン系熱安定剤を0.01〜5重量%添加する事が
好適である。
【0030】EVOHと耐熱性PETとのブレンド比率
に関しては、EVOH/耐熱性PET=5/95〜95
/5であり、好適にはEVOH/耐熱性PET=7/9
3〜70/30であり、最適には10/90〜50/5
0である。EVOH/耐熱性PET=5/95以下の場
合ガスバリヤー性が十分得られず、またEVOH/耐熱
性PET=95/5以上の場合、熱収縮率が大きくな
り、さらに220℃オーブン加熱時、容器が着色しやす
くなる。
【0031】該EVOHと耐熱性PETとを均一に分散
させる事は、最終製品容器の性能に大きな影響を与える
為、極めて重要であり、PETに結晶促進剤およびEV
OHをドライブレンドし溶融押出し、ペレット化して使
用する方法あるいはEVOHと耐熱性PETとのドライ
ブレンド物を直接使用する方法などは分散が十分でない
為か、耐熱性あるいはガスバリヤー性の面で品質上のバ
ラツキが生じ易い傾向にあり、好適にはEVOHと耐熱
性PETとをドライブレンドし溶融押出し、ペレット化
してから使用する方法がよい。
【0032】さらに、該EVOHと耐熱性PETとをよ
り均一に分散させ、製品容器の品質上のバラツキを無く
し、かつ耐衝撃性をより改善するために、該EVOHと
耐熱性PETとの両者に接着性を有する接着性樹脂、と
くに熱可塑性ポリエステル系接着性樹脂を該組成物10
0重量部に対して0.5〜30重量部、好適には1〜1
0重量部添加する事がより望ましい。ここで熱可塑性ポ
リエステル系接着性樹脂の代表的な例のひとつとして、
エステル基/アミド基の比率(モル比率)が、90/1
0〜10/90であるポリエステル−アミド共重合体が
あげられる。
【0033】該共重合体のジカルボン酸成分としてテレ
フタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、ジフエニルエーテルジカルボン酸、ジフ
エニル−4,4ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカ
ルボン酸などの脂環式ジカルボン酸を一種あるいはそれ
以上、またグリコール成分としては、エチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール及
びシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ルなどの脂環式ジオールなどを一種あるいはそれ以上
が、また少量ならば、3価以上のカルボン酸またはアル
コールも使用できる。
【0034】さらにアミン成分としてはペンタメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミンなどのジアミン、そしてラ
ウリンラクタム、ウンデカアミド、ヘキサンメチレンセ
バカアミド、ヘキサメチレンアジパミド、ω−アミノヘ
プタン酸、ω−アミノノナン酸などの酸アミド類を1種
類あるいはそれ以上使用することができる。
【0035】これらを共縮合して得たポリエステル−ア
ミド共重合体あるいは該共重合体とポリエステルあるい
はポリアミドとの溶融混合組成物、さらにはポリエステ
ルとポリアミドとの溶融混合組成物などが用いられる。
これらのポリエステル−アミド(混合組成物の場合は該
組成物)中のエステル基/アミド基のモル比率は85/
15〜15/85がより好適である。
【0036】好適にはジカルボン酸成分としてテレフタ
ール酸、アジピン酸、アゼライン酸およびコハク酸のう
ち1種以上、さらにグリコール成分としてエチレングリ
コールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールのう
ち1種以上およびアミン成分としてピペラジンを含有
し、かつエステル基/アミド基のモル比率が70/30
〜10/90のポリエーテル−アミド、あるいはジカル
ボン酸成分としてテレフタール酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸およびコハク酸のうち1種以上、さらにグリコー
ル成分としてエチレングリコールおよび1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールのうち1種以上を含有するポリエ
ステルに6ナイロン、6−66ナイロン、66ナイロ
ン、6−12ナイロン、6−9ナイロンを10〜80重
量%溶融混合した組成物があげられる。
【0037】本発明に用いる熱可塑性ポリエステル系の
さらに好適な例として、Al、Cr、Sn、Ge及びS
iからなる群より選ばれた、一種以上の元素をジカルボ
ン酸成分100モルに対し0.1〜5モル含有してなる
変性ポリエステルがあげられる。金属元素としては、こ
れらのなかでもAlとCrが大きな接着力が得られるの
で好ましく、Alが特に好ましい。また含有量として
0.1モルより少ない場合は、効果の発現不十分であ
り、一方5モル多くなるとポリマーのゲル化や着色など
好ましくない現象が生じる様になる。
【0038】本発明では、これらの元素は、これらの元
素を含有する化合物としてポリエステル中に混在する態
様、さらにはこれらの元素がポリエステル分子に結合し
た状態で存在する態様を含むが、後者の方が、高い接着
力が得られるので好ましい。ポリエステル分子に上記元
素を結合させる方法としては、ポリエステルの重合時に
上記元素の化合物(特に金属エステル、キレート化合
物、有機酸塩などが好ましい)を添加して重合を行なう
方法を挙げることが出来る。
【0039】例えば、Al化合物としては、アルミニウ
ムアセチルアセトネート、アルミニウムエトキシド、ア
ルミニウムプロポキシド、あるいはこれらの化合物とモ
ノカルボン酸との反応生成物などをあげることができ
る。Cr化合物としては、クロムアセチルアセトネート
あるいはクロムのモノカルボン酸塩をあげることが出来
る。Sn化合物としてはテトラエチルスタネート、テト
ラプロピルスタネート、テトラブチルスタネートあるい
はこれらとモノカルボン酸との反応生成物を、Ge化合
物としては、二酸化ゲルマニウムを、Si化合物として
は、メチルトリメキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルメトキシシラン、ジフエニルジメトキシシ
ランなどをあげることが出来る。特に、好適にはアルミ
ニウムアセチルアセトネート、アルミニウムエトキシ
ド、アルミニウムプロポキシドがあげられる。
【0040】これらの化合物をポリエステル重合反応系
へ添加する時期は、ポリエステル重合反応がほぼ完了し
た時点以降で、230℃以下で加えるのが好ましい。添
加の形態は、ジオールに溶解する方法、あるいは重合中
のポリマーのゲル化を防止するため、モノカルボン酸あ
るいはそのエステルに溶解する方法がある。
【0041】これらの元素を含有する熱可塑性ポリエス
テルを構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフエニルエーテルジカルボン酸、ジフエニル
−4,4ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸など
の脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸
などの脂環式ジカルボン酸があげられる。これらを一種
あるいはそれ以上使用することが出来る。
【0042】またグリコール成分としては、エチレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコー
ル及びシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂環式ジオールなどがあげられ、これらを
一種あるいはそれ以上使用することが出来る。
【0043】さらに、少量ならば、3価以上のカルボン
酸またはアルコールも使用できる。好適には、ジカルボ
ン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン
酸が、またジオールとしてはエチレングリコール、ジエ
チレングリコールが用いられる。得られた熱可塑性ポリ
エステルの固有粘度は0.50dl/gであることが好
ましく、さらには0.60dl/g以上が好ましい。こ
こでいう固有粘度とはフエノール/テトラクロルエタン
混合溶媒(1:1重量比)中、30℃で測定した値であ
る。
【0044】ところで、耐熱性PET+EVOHブレン
ド組成物層に隣接する耐熱性PET層との間には、接着
性樹脂層は不要な場合が多い。けれども、十分な接着性
が得られない場合や、ポリカーボネートあるいは他の耐
熱性樹脂層と該ブレンド組成物層とを接着する場合に
は、上記接着性樹脂を接着性樹脂層として使用すること
が好適である。
【0045】本発明において、ガスバリヤー性を有する
耐熱性容器を得る方法としては、単層の場合、常法によ
るシートあるいはパイプ作成法、インジエクション法な
どにより単層シート、パリソンを得、これを使用して容
器を得る方法あるいは成形容器を直接得る方法がある。
また多層の場合、該組成物と耐熱性PET、耐熱性PE
Tとは異なったポリエステル類、ポリカーボネートある
いは他の耐熱性樹脂を一種あるいはそれ以上を、接着性
樹脂を介して押出しラミ法、ドライラミ法、共押出ラミ
法、共押出シート作成法(フィードブロック法、又はマ
ルチマニホールド法など)、共押出パイプ法、共インジ
エクション法などにより該シート、パリソンを得、これ
を使用して容器を得る方法があるが、成形容器を直接得
る方法もある。
【0046】成形容器を直接得る場合には、容器は所望
の結晶化度を達成するに充分な温度にまで加熱した金型
で熱処理され、耐熱性が付与される。金型の温度範囲
は、150〜215℃であり、好適には160〜200
℃であり、2〜60秒、好適には2〜20秒間金型内に
保持される。
【0047】一方、該シートあるいはパリソンから二次
加工により容器を得るに際し、成形後生じる結晶化の程
度を最小限度にするために、成形後直ちに急冷すること
が重要である。該シートあるいはパリソン(以降、構造
体)は可能な限り急速に昇温し熱成形することがのぞま
しく、熱成形温度範囲は110〜170℃、好適には1
20〜160℃である。そして、熱成形された容器は所
望の結晶化度を達成するに充分な温度にまで加熱した金
型で熱処理され、耐熱性が付与される。金型の温度範囲
は、150〜215℃であり、好適には160〜200
℃であり、2〜60秒、好適には2〜20秒間金型内に
保持される。成形品は温度が高く、柔軟なため、金型よ
り取出す時十分注意が必要であり、場合によっては、低
温度金型に再び投入したり、金型内部に冷風を吹込んだ
りして、成形品の形状が整えられる。
【0048】該容器は220℃オーブンレンジで30分
間加熱した時の容器胴部(縦方向)の熱収縮率は10%
以下、好適には6%以下である。ここで、容器胴部(縦
方向)の熱収縮率とは、100×(加熱前の寸法−加熱
後の寸法)/加熱前の寸法、による値である。
【0049】該多層構造体の成形容器の形状に関して
は、特に限定されるものではなく、トレイ状、カップ
状、ボトル状いずれでもよい。そして、多層構造体を二
次加工し成形容器にする場合の延伸倍率に関しては、面
積比で20倍以下、好適には3〜15倍である。
【0050】成形品を得る際トリミングにより生じたス
クラップは粉砕され、直接あるいはペレット化した後、
回収使用される。回収方法に関しては、特に限定される
ものではないが、該スクラップは粉砕され、吸湿してい
る場合は乾燥した後、原料PETにドライブレンドする
方法、粉砕スクラップをペレット化した後、原料PET
にドライブレンドする方法、粉砕スクラップと原料PE
Tとをブレンドペレット化する方法などがある。原料P
ET組成物のブレンド比率は、通常2〜100%程度の
比率でブレンドされる。このとき、分散性、熱安定性を
向上させ容器成型時の異常をおさえるため、金属セッケ
ン類(脂肪族あるいは/または芳香族カルボン酸塩な
ど)あるいは、キレート化合物(EDTAなど)を一種
またはそれ以上添加することが好ましい場合がある。
【0051】また、構造体の構成としては、耐熱性PE
T+EVOHブレンド組成物(以下、組成物)単層、組
成物/PET、組成物/耐熱性PET、PET/組成物
/PET、耐熱性PET/組成物/耐熱性PET、PE
T/組成物/耐熱性PET、組成物/接着性樹脂/PE
T、組成物/接着性樹脂/耐熱性PET、PET/接着
性樹脂/組成物/接着性樹脂/PET、耐熱性PET/
接着性樹脂/組成物/接着性樹脂/耐熱性PET、PE
T/接着性樹脂/組成物/接着性樹脂/耐熱性PETな
どがあげられる。また、回収樹脂組成物は該組成物層に
ブレンドされたり、あるいは該組成物層に近接して設け
られる事がある。さらに、該耐熱性PET層あるいはP
ET層はポリカーボネートあるいは他の耐熱性樹脂に変
更される場合がある。
【0052】多層容器の厚み構成に関しては、特に限定
されるものではないが、一般的には容器胴部分の全層厚
みは200〜2000μであり、EVOHと耐熱性PE
Tとのブレンド層は全層に対して5〜100%、好適に
は10〜80%である。
【0053】この様にして得られた本発明の容器はガス
バリヤー性がきわめて良好であり、かつレトルト殺菌が
可能である事より、常温で長期間食品の保存が可能であ
るばかりでなく、さらに耐熱性が良好な食品包装容器で
ある事より、食品を他の容器に移しかえることなく、該
容器のままで、ボイル、電子レンジさらにグリルオーブ
ンレンジ(220℃)加熱が可能な優れた特性をもつ容
器である。またこの容器は、芳香性を要求される分野な
どにも有効である。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれによってなんら限定を受けるものでは
ない。
【0055】実施例1 EVOHとしては、エチレン含有量32モル%、鹸化度
99.6%、ビニルトリメトキシシラン0.02モル
%、メルトインデックス(MI;190℃−2160
g)1.5g/10分のものを使用し、PET組成物と
しては、固有粘度0.94dl/gの耐熱性ポリエチレ
ンテレフタレートを重合するに際しポリエチレンテレフ
タレート100重量部に対し、MI(190℃−216
0g)5.0g/10分の低密度ポリエチレン3重量
部、顔料としてTiO21.2重量部および熱安定剤と
してイルガノックス1010(チバガイギ製)0.5重
量部、酢酸カルシウム0.5重量部になるように重量槽
に投入し撹拌下に重合を行ない、得られた樹脂を重合槽
よりペレット状に取出し、150℃−8時間乾燥熱固定
したものを使用した。そして、EVOHとPET組成物
とを30/70重量比でドライブレンドし、二軸スクリ
ュータイプ、ベント式40φ押出機にてペレット化を行
ない、150℃で8時間乾燥した。
【0056】このEVOHとPET組成物とをブレンド
した樹脂および上記PET組成物を用いて、フィードブ
ロック型−2種3層共押出装置にて、シートを作成し
た。シートの厚み構成は、両外層にPET組成物が10
0μ、中間層にEVOHとPET組成物とをブレンドし
た樹脂層が800μである。得られたシートを真空圧空
成形機にかけシート温度130℃、絞り比1、丸形カッ
プ状金型(口部直径75mmφ、底部直径66mmφ、
高さ75mmH)で熱成形し、金型温度180℃〜10
秒間の熱固定を行った。
【0057】得られた容器の外観は良好であり、220
℃オーブンレンジで30分間加熱した時の容器の収縮率
は3%であった。但し、容器の収縮率は容器胴部(縦方
向)において、100×(加熱前の寸法−加熱後の寸
法)/加熱前の寸法、で計算した値である。また、加熱
した後の容器の外観も良好であった。一方、この容器1
0個を20℃−65%RHでのガスバリヤー性をモコン
社製10/50型を用いて測定した所、加熱前の容器で
測定値の平均が0.010cc/package(pk
g)24hr.atm、測定値のバラツキR(=最大値
−最小値)が0.001cc/pkg.24hr.at
m、と良好であった。また加熱後の容器も0.009c
c/pkg.24hr.atmと非常に良好なガスバリ
ヤー性を示した。
【0058】ところで、加熱前の容器にサラダ油を充填
し、シーラントをラミネートした市販の100μ二軸延
伸PETフィルムで容器に上蓋(熱シール)を行った。
該容器を121℃−30分間スチーム加熱殺菌(レトル
ト処理)し、外観の良好な容器をえた。20℃−65%
RHの雰囲気下で1週間放置した後、上蓋を開き、家庭
用電子レンジで5分間加熱したが、容器の外観は良好で
あった。この時、サラダ油は180℃になっていた。ま
た220℃オーブンレンジで30分間加熱した場合も、
容器の外観は良好であった。加熱後の容器の20℃−6
5%RHでのガスバリヤー性を測定したところ、0.0
09cc/pkg.24hr.atmと非常に良好なガ
スバリヤー性を示した。
【0059】ところで、加熱前の容器にサラダ油を充填
し、シーラントをラミネートした市販の100μ二軸延
伸PETフィルムで容器に上蓋(熱シール)を行なっ
た。そして、該容器を20℃でコンクリート床面に落と
し落下衝撃度(落下高さ)を測定した。その結果、10
個の容器のうち5個破損する落下高さは0.8m以上で
あった。
【0060】実施例2 実施例1において、EVOHをエチレン含有量32モル
%、鹸化度99.5%、MI(190℃−2160g)
1.6g/10分のSi化合物を含まないEVOHに変
え、実施例1と同様に実施した。該容器を121℃−3
0分間スチーム加熱殺菌(レトルト処理)し、外観の良
好な容器を得た。20℃−65%RHの雰囲気下で1週
間放置した後、上蓋を開き、家庭用電子レンジで5分間
加熱したが、容器の外観は良好であった。この時、サラ
ダ油は180℃になっていた。また、220℃オーブン
レンジで30分間加熱したところ、容器の収縮率は実施
例1とほぼ同じ値を示した。また容器の表面にわずかな
斑点状のムラが認められたが、使用上問題になるほどの
ものではなかった。
【0061】加熱後の容器の20℃−65%RHでのガ
スバリヤー性を測定したところ、0.010cc/pk
g.24hr.atmと非常に良好なガスバリヤー性を
示した。実施例1と同様に落下衝撃強度を測定したとこ
ろ、10個の容器のうち5個破損する落下高さは0.6
m以上であった。
【0062】実施例3 実施例1において、EVOHとPET組成物とをブレン
ドした樹脂組成物のみを用いて、1000μ単層シート
を成膜し、実施例1と同様に実施した。得られた容器は
良好であり、220℃オーブンレンジ加熱した時の容器
の収縮率は4%であった。けれども、加熱した後の容器
の表面にわずかな斑点状の着色が認められたが、使用上
問題になるほどのものではなかった。
【0063】実施例4 実施例1において、EVOHを、エチレン含有量44モ
ル%、鹸化度99.4%、ビニルトリメトキシシラン
0.03モル%、MI(190℃−2160g)1.6
g/10分のEVOHに変え、さらにEVOHとPET
組成物との重量比を40/60に変え実施例1と同様に
実施した。得られた容器は良好であり、220℃オーブ
ンレンジ加熱した時の容器の収縮率は5%であり、加熱
した後の容器の外観も良好であった。そして、加熱後の
容器の20℃−65%RHでのガスバリヤー性を測定し
た所0.012cc/pkg.24hr.atmと非常
に良好なガスバリヤー性を示した。
【0064】また該容器を121℃−30分間スチーム
加熱殺菌(レトルト処理)し、外観の良好な容器をえ
た。20℃−65%RHの雰囲気下で1週間放置した
後、上蓋を開き、家庭用電子レンジで5分間加熱した
が、容器の外観は良好であった。この時、サラダ油は1
80℃になっていた。また220℃オーブンレンジで3
0分間加熱したところ、外見は良好であった。そして、
加熱後の容器の20℃−65%RHでのガスバリヤー性
を測定したところ0.009cc/pkg.24hr.
atmと非常に良好なガスバリヤー性を示した。実施例
1と同様に落下衝撃強度を測定したところ10個のうち
5個破損する落下高さは0.8m以上であった。
【0065】実施例5 実施例1において、EVOHとPET組成物とをブレン
ドした樹脂組成物を作るに際し、次に示す接着性樹脂を
該樹脂組成物に対して、5重量%含有してなる、樹脂組
成物にかえ実施例1と同様に実施した。
【0066】接着性樹脂としては、以下の方法で得られ
たポリエステルを使用した。すなわち、300mlの三
つ口フラスコに窒素ガスを導入管、撹拌機、冷却管を取
付けた重合装置にヘキシレングリコール200ml、ア
ルミニウムイソプロポキシド0.20モル、カプリル酸
0.10モル、P−オキシ安息香酸0.30モル、アセ
チルアセトン0.20モルを加えて100℃で反応させ
て得られたアルミニウム化合物を、あらかじめビス−β
−ヒドロキシエチルテレフタレート64g、アジピン酸
36.5g、エチレングリコール15.5g、ジエチレ
ングリコール14.9gを加え200℃−4時間反応さ
せた溶液にリン酸トリブチル25μl、三酸化アンチモ
ン40mgと共に上記アルミニウム化合物をアルミニウ
化合物をアルミニウム原子換算でジカルボン酸成分10
0モルに対して0.52モル加えたのち、260℃まで
昇温し減圧しつつ、275℃−0.1mmHgの減圧下
で90分間重合したものを使用した。この樹脂の固有粘
度は0.61dl/gであり、ガラス転移温度は−5℃
であった。
【0067】得られた容器は良好であり、220℃オー
ブンレンジ加熱した時の容器の収縮率は5%と小さく、
またスチーム加熱殺菌(レトルト処理)加熱した後、お
よびこの容器をさらに220℃オーブンレンジ加熱した
容器の外観も良好であった。そして、加熱後の容器の2
0℃−65%RHでのガスバリヤー性を測定したとこ
ろ、0.010cc.20μ/m2.24hr.atm
と非常に良好なガスバリヤー性を示した。実施例1と同
様に落下衝撃強度を測定したところ、10個のうち5個
破損する落下高さは1.5m以上であった。
【0068】実施例6 実施例5において、接着性樹脂をアゼライン酸/シクロ
ヘキサンジメタノール/ピペラジン(モル比0.50/
0.09/0.41)からなる固有粘度0.75dl/
gのポリエステル−アミド(エステル基/アミド基のモ
ル比率18/82)に変え、実施例1と同様に実施し
た。
【0069】得られた容器の外観は良好であり、220
℃オーブンレンジ加熱した時の容器の収縮率は5%と小
さく、またスチーム加熱殺菌(レトルト処理)加熱した
後およびこの容器をさらに220℃オーブンレンジ加熱
した容器の外観も良好であった。そして、加熱後の容器
の20℃−65%RHでのガスバリヤー性を測定したと
ころ0.009cc.20μ/m2.24hr.atm
と非常に良好なガスバリヤー性を示した。実施例1と同
様に落下衝撃強度を測定したところ、10個のうち5個
破損する落下高さは1.7m以上であった。
【0070】比較例1 実施例1において、EVOHを使用せず、実施例1と同
様に実施した。得られた容器の外観は良好であったが、
容器の20℃−65%RHでのガスバリヤー性を測定し
たところ、0.46cc/pkg.24hr.atmと
ガスバリヤー性が悪く、常温での長期食品保存容器とし
ては使用にたえない。実施例1と同様に落下衝撃強度を
測定したところ、10個のうち5個破損する落下高さは
0.5mであった。
【0071】比較例2 実施例1において、耐熱性PETをポリエチレンテレフ
タレートに変え、実施例1と同様に実施した。得られた
容器を220℃オーブンレンジで30分間、加熱したと
ころ、容器の収縮率が43%と大きく使用に耐えなかっ
た。
【0072】実施例7 実施例1においてフィードブロック型2種3層共押出シ
ート成形法を、日精ASB製共射出ストレッチブロー成
形機にかえ、実施例1と同様に実施した。得られた容器
は良好であり、220℃オーブンレンジ加熱した時の容
器の収縮率は5%と小さく、またスチーム加熱殺菌(レ
トルト処理)加熱した後、およびこの容器をさらに22
0℃オーブンレンジ加熱した容器の外観も良好であっ
た。そして、加熱後の容器の20℃−65%RHでのガ
スバリヤー性を測定したところ、0.009cc/pk
g.24hr.atmと非常に良好なガスバリヤー性を
示した。
【0073】
【発明の効果】本発明の耐熱性ポリエステル容器は、高
温スチーム加熱殺菌(レトルト殺菌)が可能な、高ガス
バリヤー性容器であり、かつ内容物(食品)を別の容器
に移しかえる事なく、該容器のままで、ボイル加熱、電
子レンジ加熱及びグリルオーブン加熱(220℃以下)
が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 67/02 LPA (72)発明者 松村 恵史 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量20〜60モル%、酢酸
    ビニル成分のけん化度90モル%以上のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体けん化物(A)と、結晶化促進剤を含有
    する耐熱性熱可塑性ポリエステル(B)が、(A)/
    (B)=5/95〜95/5の重量比からなり、かつ2
    20℃オーブンレンジで30分間加熱した時の容器胴部
    (縦方向)の収縮率が10%以下である、ガスバリヤー
    性を有する耐熱性ポリエステル容器。
  2. 【請求項2】 少なくとも片面に結晶化促進剤を含有す
    る耐熱性熱可塑性ポリエステル(B)からなる層を有す
    る、請求項1記載のガスバリヤー性を有する耐熱性ポリ
    エステル容器。
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