JPH0854752A - 顔料複合重合体粒子とその製造方法、電子写真用トナーとその製造方法、生理活性物質固定用担体 - Google Patents

顔料複合重合体粒子とその製造方法、電子写真用トナーとその製造方法、生理活性物質固定用担体

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JPH0854752A
JPH0854752A JP6187351A JP18735194A JPH0854752A JP H0854752 A JPH0854752 A JP H0854752A JP 6187351 A JP6187351 A JP 6187351A JP 18735194 A JP18735194 A JP 18735194A JP H0854752 A JPH0854752 A JP H0854752A
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JP
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pigment
composite polymer
particles
monomer
polymer particles
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JP6187351A
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Kenji Hayashi
健司 林
Mikio Kamiyama
幹夫 神山
Tomoe Kikuchi
智江 菊地
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な分散安定性を有する顔料複合重合体粒
子を得、更にこれを用いることにより制御された粒径、
粒度分布を有する電子写真用トナー、生理活性物質固定
用担体およびその製造方法の確立。 【構成】 界面活性剤の存在下、顔料を水相中に分散し
少なくとも一種の疎水性単量体を含む単量体成分を水溶
性ラジカル重合開始剤により水系析出重合して得られる
顔料複合重合体粒子において、該顔料を無機微粒子で表
面処理することを特徴とする顔料複合重合体粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機微粒子で表面処理
された顔料を用いた顔料複合重合体粒子(以下、単に重
合体粒子あるいは重合体ともいう)およびその製造方
法、電子写真用トナーおよびその製造方法、並びに生理
活性物質固定用担体(以下、免疫学的診断薬用担体とも
いう)に関する。さらに詳しくは、無機微粒子で表面処
理されたマゼンタ顔料複合重合体粒子およびその製造方
法、マゼンタ用電子写真用トナーおよびその製造方法、
並びに生理活性物質固定用担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に用いられているトナー
は、各種重合方法で得られるポリマーをカーボンブラッ
ク等の着色剤、帯電制御剤および/または磁性体と適宜
乾式混合を行い、その後押し出し機等により熔融混練
し、次いで粉砕、分級することにより製造されている。
【0003】また、別の方法として懸濁重合等により直
接トナーを製造する方法が提案されている。
【0004】しかしながら、上記の様な熔融混練粉砕方
法によって得られたトナーは、トナー粒径の制御に限界
があり、小粒径のトナーを効率良く製造することが困難
であるばかりでなく、分散が不均一で、帯電分布がブロ
ードになり易く、トナー形状の制御が困難になり易い。
この結果、現像剤として用いた場合に、解像度が低く、
カブリ、飛散等が発生し易いという欠点を有している。
【0005】また、懸濁重合で直接製造する方法も、小
粒径化が困難であるばかりか、その粒度分布は非常に広
いものとなる欠点を有している。また、前記重合方法で
製造されるトナーは基本的に真球状になる。この真球状
のトナーは電子写真プロセス内で、クリーニングが困難
であるという欠点も有している。
【0006】そのため、上述の改善策として、電子写真
用トナーの分野においては、小粒径の着色重合体粒子を
複数個会合させ、それを加熱融着させることで非球形の
トナー粒子を合成し、従来からの混練粉砕法、懸濁重合
法では得られにくかった、小粒径で、且つ粒度分布の狭
いトナーを得ることが提案されている。また、顔料の分
散性の高い、いわゆる画像の透明性の高いものが得ら
れ、更にトナー形状の制御が容易になることも提案され
る。
【0007】また、免疫学的診断試薬用担体において
は、凝集像の鮮明さ、免疫凝集反応の速度の観点から着
色重合体粒子であって且つ小粒径であることが望まれて
いる。上記の提案を達成する為には、重合体粒子自体十
分な分散安定性を有し、且つ着色剤である顔料を複合化
させる工程が安定であること、また電子写真用トナーと
しては粒子の会合工程で不必要な凝集を誘発しないこと
が必要であり、また、免疫学的診断試薬用担体としては
免疫学的活性種例えば抗原、抗体等の感作時(以下、固
定化ともいう)に安定である必要があり、また長期間保
存していても分散状態が変化しない等、保存安定性に優
れている必要がある。
【0008】これらを達成する為に、先の先願である特
願平5-47142号に記載した通り、本発明者らは顔料を臨
界ミセル形成濃度(以下、CMCと略記する)以上の界
面活性剤の存在下に、水相中で一定粒径以下に分散を行
った後これをCMC以下で希釈して単量体を添加し、そ
の後水系析出重合を行って得られる顔料複合重合体粒子
を用いることを見いだした。
【0009】また、これらを電子写真用トナーとして用
いる際には、顔料複合重合体粒子分散液に臨界凝集濃度
以上の電解質を添加して顔料複合重合体粒子を会合さ
せ、更に水に無限溶解する有機溶媒を添加し、重合体粒
子のガラス転移温度の−5℃乃至+50℃の温度範囲で加
熱融着することで、任意の粒径を有し且つ粒度分布が狭
く、更に粒子形状の制御が容易な方法を見いだした。
【0010】しかしながら顔料によっては水系への分散
性が悪く、上記方法で顔料複合重合体粒子を調製する
と、分散安定性に乏しいため不望の凝集を惹起しやす
く、その結果粒径の制御性が困難であるという欠点のあ
ることが明らかになった。また、顔料によっては親油性
に乏しく重合時に顔料が凝集を起こしてしまい、重合体
粒子への含有が困難となるだけでなく、単量体だけで凝
集を起こしてしまい、その結果相分離してしまう等、所
望の顔料複合重合体粒子を生成することができないとい
う欠点も明らかになった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記欠
点を解決し、十分な分散安定性を有する顔料複合重合体
粒子を得、更にこれを用いることにより制御された粒
径、粒度分布および粒子形状を有する電子写真用トナ
ー、生理活性物質固定用担体およびその製造方法を確立
することである。
【0012】即ち、具体的にいうと本発明の第1の目的
は、十分な分散安定性を有する顔料複合重合体粒子を提
供することにある。
【0013】本発明の第二の目的は、優れた分光特性を
有し、微小粒径の顔料を含む顔料複合重合体粒子を提供
することにある。
【0014】本発明の第三の目的は、優れた分光特性を
有し、顔料の分散性が向上した電子写真用トナーおよび
その製造方法を提供することにある。
【0015】本発明のその他の目的として、凝集像の観
察が容易で安定性に優れた免疫学的診断試薬用担体およ
びその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記構成
により達成される。
【0017】(1)界面活性剤の存在下、顔料を水相中
に分散し少なくとも一種の疎水性単量体を含む単量体成
分を水溶性ラジカル重合開始剤により水系析出重合して
得られる顔料複合重合体粒子において、該顔料を無機微
粒子で表面処理することを特徴とする顔料複合重合体粒
子。
【0018】(2)上記顔料がキナクリドン誘導体の少
なくとも一種を含有することを特徴とする前記(1)に
記載の顔料複合重合体粒子。
【0019】(3)上記無機微粒子で表面処理された顔
料が、水相中で該顔料の一次粒子径の10倍以下の粒径を
有する分散凝集粒子であることを特徴とする前記(1)
に記載の顔料複合重合体粒子。
【0020】(4)上記単量体成分が、少なくとも一種
の疎水性単量体と少なくとも一種の親水性単量体を含
み、該疎水性単量体が99.9乃至85重量%で、かつ該親水
性単量体が0.1乃至15重量%であり、上記界面活性剤の
濃度が臨界ミセル形成濃度(CMC)以下の範囲である
ことを特徴とする前記(1)に記載の顔料複合重合体粒
子。
【0021】(5)上記親水性単量体が、顔料複合重合
体粒子の表面にイオン性解離基を導入し得る単量体であ
ることを特徴とする前記(4)に記載の顔料複合重合体
粒子。
【0022】(6)上記親水性単量体が、カルボキシル
基、スルホン酸基、リン酸基、第1級アミノ基、第2級
アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を
含む単量体から選択される少なくとも一種を含有するこ
とを特徴とする前記(5)に記載の顔料複合重合体粒
子。
【0023】(7)無機微粒子で表面処理された顔料
を、臨界ミセル形成濃度(CMC)以上の界面活性剤の
存在下で水系分散する顔料分散工程、前記顔料分散工程
により得られた顔料分散液を臨界ミセル形成濃度以下ま
で希釈して希釈顔料分散液を調整する希釈工程、前記希
釈顔料分散液に単量体成分と重合開始剤を添加して水系
析出重合を行う重合工程を含むことを特徴とする前記
(1)乃至(6)に記載の顔料複合重合体粒子の製造方
法。
【0024】(8)前記重合工程において用いる重合開
始剤の濃度をa(モル/l)、単量体成分の濃度をb
(モル/l)としたとき、以下の式(1)及び(2)を
満足することを特徴とする前記(7)に記載の顔料複合
重合体粒子の製造方法。
【0025】 0.001≦a≦0.03 式(1) 0.001≦(a/b)≦0.10 式(2) (9)前記(1)乃至(6)に記載の顔料複合重合体粒
子を複数個会合、融着させた非球形粒子を用いることを
特徴とする電子写真用トナー。
【0026】(10)前記顔料複合重合体粒子のイオン性
解離基を含む単量体単位の一部または全部が解離された
ことを特徴とする前記(9)に記載の電子写真用トナ
ー。
【0027】(11)前記(1)乃至(6)に記載の顔料
複合重合体粒子の分散液に、該分散液に対し、臨界凝集
濃度以上の凝集剤を添加する凝集工程、水に無限溶解す
る有機溶媒を添加する工程、前記顔料複合重合体粒子を
該粒子のガラス転移温度Tgの−5℃乃至+50℃の温度
範囲で加熱融着する工程からなる電子写真用トナーの製
造方法。
【0028】(12)前記(1)乃至(6)に記載の顔料
複合重合体粒子を用いることを特徴とする生理活性物質
固定用担体。
【0029】(13)前記(1)乃至(6)に記載の顔料
複合重合体粒子を複数個会合、融着させた非球形粒子を
用いることを特徴とする生理活性物質固定用担体。
【0030】(14)生理活性物質が抗原、抗体、レセプ
ター、デオキシリボ核酸、リボ核酸から選択される少な
くとも一種であることを特徴とする前記(12)乃至(1
3)に記載の生理活性物質固定用担体。
【0031】以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】〔無機微粒子〕本発明の顔料の表面処理に
使用される無機微粒子としては、従来公知のものを使用
することができる。具体的には、シリカ、チタン、アル
ミナ微粒子等が好ましく使用される。
【0033】前記シリカ微粒子としては、例えば、日本
アエロジル(株)製の市販品R−805、R−976、R−97
4、R−972、R−812、R−809、ヘキスト(株)製のH
VK−2150、H−200、キャボット(株)製の市販品T
S−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等
が挙げられる。
【0034】前記チタン微粒子としては、例えば、同日
本アエロジル(株)製の市販品T−805、T−604、テイ
カ(株)製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−
500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士
チタン(株)製の市販品TA−300SI、TA−500、I
T−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0035】前記アルミナ微粒子としては、例えば、同
日本アエロジル(株)製の市販品RFY−C、C−60
4、石原産業(株)製の市販品TTO−55等が挙げられ
る。
【0036】これらの無機微粒子の添加量は、顔料粒子
に対して、0.01〜20重量部が好ましく、さらに好ましく
は1〜15重量部である。
【0037】本発明の顔料を無機微粒子で表面処理する
方法は、該顔料と無機微粒子の所定量を混合器に投入し
所定時間混合撹拌することで行う。上記混合器として
は、例えばヘンシェルミキサー、V型混合器、タービュ
ラーミキサー等が挙げられる。
【0038】一般に市販の顔料をそのまま用いて水相中
に分散を行うと、分散性が悪く顔料を所望の粒径にする
ために多大のエネルギーを必要とする。また、重合工程
においても単量体との相溶性が悪く顔料の複合化は困難
である。そこで、顔料の分散性及び重合安定性を改善す
るために顔料の表面処理を行う必要がある。
【0039】本発明においては、顔料を親水性或いは疎
水性の無機微粒子で表面処理することにより、水系への
分散性の低い顔料は分散性の向上、或いは重合時に凝集
し易い顔料は新油性を向上させることができる。この方
法により安定した顔料複合重合体粒子を提供することが
できる。
【0040】〔顔料〕本発明で用いられる顔料は、特に
マゼンタ顔料であり、更にキナクリドン誘導体顔料が挙
げられる。
【0041】上記キナクリドン誘導体顔料としては、例
えばC.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッ
ド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメント
レッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメ
ントレッド122等が挙げられる。
【0042】これら顔料は常法に従い、臨界ミセル形成
濃度(CMC)以上の界面活性剤存在下水相中で分散さ
れる。これらの顔料の分散方法は特に限定はされない
が、例えば超音波分散法、サンドスターラー分散法、加
圧分散法等が挙げられる。これらは必要に応じて適宜選
択される。
【0043】本発明の界面活性剤の量は臨界ミセル形成
濃度(CMC)に対し、0.8乃至3倍濃度で用いられ
る。前記界面活性剤は顔料分散時に全てを添加しても良
いし、また、分散時の発泡による操作性の低下を防止す
る意味からその一部を重合時に添加しても良い。
【0044】このようにして分散された顔料分散粒子
は、顔料粒子の一次粒子径の10倍以下の粒径を有する分
散凝集粒子であることが好ましい。前記顔料分散粒子の
分散粒径が一次粒子の10倍以上の大きさになると、本発
明の重合が進み難くなり、凝集塊の生成等、不望の現象
を起こし安定した顔料複合重合体粒子の生成が困難とな
る。好ましい顔料の分散粒径としては、平均粒径で一次
粒子の5倍以下、さらに好ましくは3倍以下である。
【0045】〔界面活性剤〕本発明の界面活性剤として
は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の
中から適宜選択される。例えばドデシル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
トリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムクロライド、また、アリールアルキ
ルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3-ジスルホン
ジフェニル尿素-4,4-ジアゾ-ビス-アミノ-8-ナフトール
-6-スルホン酸ナトリウム、オルト-カルボキシベンゼン
-アゾ-ジメチルアニリン、2,2,5,5-テトラメチル-トリ
フェニルメタン-4,4-ジアゾ-ビス-β-ナフトール-6-ス
ルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;テトラデシル硫
酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル
硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;オレイン酸ナトリ
ウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、
カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステア
リン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等の脂肪族塩等
を挙げることができる。好ましくはドデシル硫酸ナトリ
ウムが挙げられる。
【0046】〔単量体成分〕本発明の単量体成分として
は、疎水性、親水性のいずれも用いることが可能であ
る。
【0047】本発明の疎水性単量体成分としては、特に
限定されるものではなく従来公知のものを用いることが
でき、特にラジカル重合性のものが良好である。
【0048】具体的な疎水性単量体としては、モノビニ
ル芳香族系単量体、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエ
ーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィ
ン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体、ニトリル
類および共役ジエン類等のラジカル重合性単量体を挙げ
ることができる。
【0049】前記モノビニル芳香族系単量体としては、
例えばスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレ
ン、o-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、m-メトキ
シスチレン、o-メトキシスチレン、p-クロルスチレン、
m-クロルスチレン、o-クロルスチレン、p-クロルメチル
スチレン、m-クロルメチルスチレン、o-クロルメチルス
チレン、ヒドロキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-
エチルスチレン、p-ブチルスチレン、p-tert-ブチルス
チレン、p-ヘキシルスチレン、p-オクチルスチレン、p-
ノニルスチレン、p-デシルスチレン、p-ドデシルスチレ
ン、2,4-ジメチルスチレン、3,4-ジクロルスチレン等の
スチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0050】前記アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル系単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸-ブチル、(メタ)アクリル酸-sec-
ブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、(メタ)アクリ
ル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸-
ドデシル、(メタ)アクリル酸-sec-ドデシル、(メタ)ア
クリル酸-tret-ドデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フェニル、β-
ヒドロキシアクリル酸エチル、γ-アミノアクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、
更にアルキルエステルの一部又は全部をハロゲン、特に
フッ素で置換した(メタ)アクリル酸エステル、例えば
(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル
酸ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(パー
フルオロブチル)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(パーフ
ルオロヘキシル)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(パーフ
ルオロデシル)エチル等が挙げられる。
【0051】前記ビニルエステル系単量体としては、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が
挙げられる。
【0052】前記ビニルエーテル系単量体としては、例
えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニ
ルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0053】前記モノオレフィン系およびジオレフィン
系を含むオレフィン系単量体としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、4-
メチル-1-ペンテン等のモノオレフィン系単量体、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン等のジオレフィン系
単量体が挙げられる。
【0054】前記ハロゲン化オレフィン系単量体として
は、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、弗
化ビニル、1,2-ジクロルエチレン、1,2-ジブロムエチレ
ン、1,2-ジヨードエチレン、塩化イソプロペニル、臭化
イソプロペニル、ヨウ化イソプロペニル、塩化アリー
ル、臭化アリール、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等
が挙げられる。
【0055】前記共役ジエン類としては、例えば1,3-ブ
タジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエ
ン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,4-ヘキサジエ
ン、3-メチル-2,4-ヘキサジエン、クロロプレン等が挙
げられる。
【0056】前記ニトリル類としては例えば、アクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられ、含窒素
ビニル化合物としては例えば、ビニルピリジン、ビニル
イミダゾール、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0057】上記疎水性単量体は、単独であるいは2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0058】本発明の親水性単量体としては、顔料複合
重合体の粒子表面にイオン性解離基を導入しうる単量体
であることが好ましく、特にカルボキシル基、スルホン
酸基、リン酸基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第
3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を含む単量体か
ら選択される少なくとも一種の単量体であることが好ま
しい。
【0059】具体例として、前記カルボキシル基を含む
単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、メタコン酸、イタコン酸、アリル
酢酸、ビニル酢酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエ
ステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられ
る。
【0060】前記スルホン酸基を含む単量体としては、
例えばエチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリ
ルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、2-
アクリル酸プロピルスルホン酸等が挙げられる。
【0061】前記リン酸基を含む単量体としては、例え
ばα-フェニルビニルスルホン酸等が挙げられる。
【0062】前記第1〜3級アミノ基を含む単量体とし
ては、アミノスチレン、モノメチルアミノエチルアクリ
レート、モノメチルアミノエチルメタクリレート、モノ
エチルアミノエチルアクリレート、モノエチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタク
リレート、3-ジメチルアミノフェニルアクリレート等が
挙げられる。
【0063】第4級アンモニウム塩基を含む単量体とし
ては、例えば2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピ
ルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0064】上記親水性単量体は、単独であるいは2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0065】本発明の単量体成分に上述した様な親水性
単量体が含まれていることにより、水系析出重合時にお
ける重合速度が大きくなり、顔料複合重合体の分子量制
御が容易になる。さらに、前記重合体中にイオン性解離
基を導入させる結果、電子写真用トナーとして用いる場
合に、荷電制御剤等を添加しなくても帯電性の制御を図
ることができる。
【0066】本発明の単量体成分は疎水性単量体が約9
9.9乃至85重量%及び親水性単量体が0.1乃至15重量%の
範囲で適宜選択される。
【0067】さらに、顔料複合重合体粒子の特性を改良
するために架橋性単量体を添加しても良い。前記架橋性
単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ
ン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル
等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0068】本発明の単量体成分に上述した様な架橋性
単量体が含まれていることにより、得られる顔料複合重
合体粒子に強度等の特性を向上させることができる。
【0069】〔ラジカル重合開始剤〕本発明の水系析出
重合系における重合開始剤としては、水溶性ラジカル重
合開始剤が好ましい。前記水溶性ラジカル重合開始剤の
一例としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の
過硫酸塩、4,4-アゾビス-4-シアノ吉草酸およびその
塩、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩等の水溶性ア
ゾ系化合物、過酸化水素等の水溶性過酸化物、t-パーオ
キシマレイン酸等が挙げられる。前記水溶性ラジカル重
合開始剤は、単独で、あるいは還元剤と組み合わせてレ
ドックス系重合開始剤として用いることができる。
【0070】前記還元剤としては、アスコルビン酸、重
亜硫酸ナトリウム、ロンガリット等が挙げられる。上記
レドックス系重合開始剤は重合活性が高く低温での重合
が可能であり、また、重合時間を短縮することができ
る。一般的には、過硫酸塩を用いることが好ましい。
【0071】上記重合開始剤は、添加剤として0.001mol
/l乃至0.03mol/lの範囲で選択され、好ましくは0.0
03mol/l乃至0.025mol/lの範囲で用いられる。本発
明の重合開始剤の添加濃度をa(mol/l)とし単量体成
分の添加濃度をb(mol/l)とした時a/bの値が0.001
乃至0.10の範囲にあることが好ましい。前記重合開始剤
の添加濃度が過小の場合、ラジカル生成量が少なくなる
ため重合反応が完了しにくく、また、過大である場合に
は重合反応を制御することが困難となり、低分子量のオ
リゴマー生成比が大きくなり、顔料を含有しない重合体
が生成し、場合によっては顔料と重合体の相分離を引き
起こすので好ましくない。
【0072】前記重合体粒子の分子量及び分子量分布は
目的に応じて種々の範囲で用いることが可能であるが、
電子写真用トナーとして用いる場合には、重量平均分子
量(Mwと略記する)は0.5万から50万、好ましくは1万
から30万が用いられる。分子量分布の指標としては、一
般に重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mnと略記す
る)が1.5から20、好ましくは1.8から15である。
【0073】前記分子量及び分子量分布の制御には、重
合開始剤添加量及び重合反応系への連鎖移動剤の添加に
より任意に達成される。前記連鎖移動剤としては、一般
的にチオール化合物、例えばドデカンチオール等が用い
られるが、用いる単量体成分に対する連鎖移動定数によ
り適宜選択することが可能である。
【0074】本発明の顔料複合重合体粒子を電子写真用
トナーとして用いる場合、該顔料複合重合体粒子を複数
個会合し融着させることが必要である。前記融着の好ま
しい形態は加熱融着であり、更に具体的には前記会合し
た粒子を前述の重合体のガラス転移温度Tgの−5℃乃
至+50℃の範囲の温度で粒子間を加熱融着させることが
必要である。この様な方法は、例えば特開昭60-220358
号に開示された様に、乳化重合で生成した重合体粒子及
び顔料(着色剤)混合分散液を塩析剤により塩析し、非
球形のトナーとする方法がある。しかしながらこの方法
は、所謂急速凝集と称せられる方法であって、粒径の制
御が困難で且つ粒度分布が非常に広くなり易いことが知
られている。このため、凝集粒子生成後何らかの方法を
用い粒度分布を狭くする工程が必須であり、このため作
業性に著しく欠けるという欠点を有している。
【0075】一方、本発明の電子写真用トナーの製造方
法は粒径、粒度分布の制御性に優れ粒子生成後は瀘過工
程、洗浄工程、乾燥工程を経るだけで電子写真用トナー
として十分使用に耐えるものとして利用できるという優
れた方法である。
【0076】前記方法は、本発明の顔料複合重合体粒子
を用いて複数個会合し、更にこの会合粒子を重合体Tg
近傍で加熱することにより、会合粒子の一次粒子間融着
を行い電子写真用トナーとする方法である。この方法
は、先の先願である特願平5-115572号に細述されてい
る。
【0077】前記方法は顔料複合重合体粒子分散液に対
し 凝集剤又はその水溶液を添加する工程 水に対して無限溶解する有機溶媒を添加する工程 重合体のTgに対して−5℃乃至+50℃の範囲の温
度で粒子間を加熱融着する工程からなる。
【0078】〔凝集剤〕本発明で用いられる凝集剤は金
属塩の中から選択されるものが好ましい。
【0079】前記金属塩としては、1価の金属、例えば
ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の
塩、2価の金属、例えばカルシウム、マグネシウム等の
アルカリ土類金属の塩、マンガン、銅等の2価の金属
塩、鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられ
る。これら金属塩の具体例として、1価の金属塩として
は塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等、2
価の金属塩としては塩化カルシウム、塩化亜鉛等、硫酸
銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、3価の金属塩と
しては、塩化アルミニウム、塩化鉄等を用いることが可
能である。これらは目的に応じて適宜選択される。但し
本発明はこれらに限定されるものではない。前記金属塩
は顔料複合重合体粒子分散液に対し、顔料複合重合体粒
子が凝集を起こし始める最低濃度である臨界凝集濃度以
上が添加される。
【0080】本発明の上述の金属塩を添加する際、金属
塩を直接添加するか、水溶液として加えるかは、その目
的に応じて任意に選択される。添加する金属塩の濃度は
該重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上になる必要があ
る。
【0081】本発明における臨界凝集濃度とは、水性分
散液中の分散物の安定性に関する指標であり、前記凝集
剤を添加し、凝集が起こる点の濃度を示している。
【0082】前記臨界凝集濃度の決定は当該業者におい
ては容易であるが、例えば目的とする顔料複合重合体粒
子分散液に対し、使用する金属塩を各種濃度で添加し凝
集粒子の生成する最低濃度を求める方法がある。
【0083】又同様に目的とする顔料複合重合体粒子分
散液に対し、使用する金属塩を各種濃度で添加しこのゼ
ータ電位を測定し、ゼータ電位が変化し始める点の塩濃
度を臨界凝集濃度とする方法もある。
【0084】更に、より粒径及び粒度分布の制御性を向
上させるために、顔料複合重合体粒子のイオン性解離基
の一部または全部を解離状態にし、同様の操作を行うこ
とで達成できる。
【0085】上記金属塩を混合した凝集状態の顔料複合
重合体粒子分散液に対し、水に無限溶解する有機溶媒が
添加される。添加における際のその作用機構は明らかで
ないが、安定した粒度分布の狭い会合粒子が生成する。
【0086】〔水に無限溶解する有機溶媒〕本発明の水
に無限溶解する有機溶媒としては、例えばメタノール、
エタノール、プロピルアルコール、iso-プロピルアルコ
ール、t-ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエ
タノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、ジオ
キサン、アセトニトリル等が挙げられる。好ましくはis
o-プロピルアルコールが用いられる。又、本発明に係る
水に無限溶解する有機溶媒の添加量は、顔料複合重合体
粒子分散液に対し5容量%乃至300容量%の範囲から選
択される。この状態で、撹拌下顔料複合重合体粒子の重
合体のガラス転移温度Tgに対し−5℃乃至50℃の範
囲、好ましくは0℃乃至40℃の範囲の温度条件で一定時
間加熱することで非球形粒子を合成することが可能であ
る。
【0087】この方法は、凝集剤、水に無限溶解する有
機溶媒の添加量、加熱温度、加熱時間等を適宜変化させ
ることで平均粒径、粒度分布、粒子形状等を変化させる
ことが可能である。
【0088】本発明の顔料複合重合体粒子の形状は非球
形粒子であることが好ましい。
【0089】一般的に凝集剤の添加量を増加させ、ま
た、有機溶媒の添加量を増加した場合、上記非球形粒子
の平均粒径は大きくなる傾向にあり、更に粒子形状は真
球に近い形になる傾向にある。又、加熱温度を上昇させ
ると、粒径の成長速度が速くなると共に粒子形状は真球
に近い形になる傾向にある。又、加熱温度の上昇は粒子
間の融着を進行させ、機械的強度が増す傾向にある。こ
れらの条件を適宜選択することで所望の平均粒径、粒度
分布、粒子形状の粒子を得ることが可能である。
【0090】前記非球形粒子を電子写真用トナーとして
用いる場合、その粒子形状が問題となる。特に真球粒子
はクリーニング性に問題があると言われている。前記非
球形粒子の形状は、非球形化度として示すことができ
る。非球形化度は以下の式により定義される。即ち、 非球形化度=(粒子のBET比表面積)/(粒子の平均粒
径を真球として換算した時の表面積) で示される。
【0091】前記式の非球形化度が1の場合真球を表
し、この数値が大きい程非球形粒子となる。本発明の電
子写真用トナーとしては、非球形化度が1から15まで用
いることが可能である。更に好ましくは1.1乃至10であ
る。前記の非球形化度が過小であり真球に近い場合、電
子写真プロセスにおけるクリーニング工程に対する適性
が少なく用いにくい。一方、前記非球形化度が過大にな
ると現像器内で撹拌されることにより粒子の破砕、微粉
の生成、更に選択現像による画質低下が懸念される。
【0092】本発明の非球形粒子は必要に応じて固体成
分と複合することが可能である。特に、前記非球形粒子
を本発明の電子写真用トナーとして用いる場合、定着性
改良剤、帯電制御剤等を組み込むことが可能である。こ
れらは予め水相へ微粒子として分散した水性分散液と
し、必要に応じて非球形反応時に本発明のキナクリドン
誘導体顔料複合重合体粒子分散液に混和し、本発明の方
法、即ち請求項11に記載の方法に従い合成することが可
能である。
【0093】〔定着性改良剤〕本発明に使用される前記
定着性改良剤としては、公知のものが用いられる。一般
的にはポリオレフィン系ワックスが用いられ、例えば低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、酸化処
理されたポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられ
る。
【0094】上記定着性改良剤は常法に従い、熔融した
後分散剤存在下水中に分散され、必要に応じてアルカリ
変性されたエマルジョンの形で用いられる。これらは商
品名「HITEC」(東邦化学工業(株)社製)の名称で市
販されているポリエチレン又はポリプロピレンワックス
エマルジョンを用いることも可能である。
【0095】更に前記定着性改良剤の、本発明の非球形
粒子への導入は、 .キナクリドン誘導体と同時に水相中に分散を行い、
重合を行うことで複合粒子を作成し、この複合粒子を非
球形化反応で非球形粒子とする方法。
【0096】.キナクリドン誘導体を含む重合体粒子
に対し、定着性改良剤を有機溶媒に溶解した溶液を、シ
ード重合と同様に、粒子内に膨潤吸収させ、この粒子を
会合反応に用いる方法。
【0097】.キナクリドン誘導体を含む重合体粒子
を非球形化反応を用いて非球形粒子を調製する際に、ワ
ックスエマルジョンとして同時に会合させる方法。
【0098】が挙げられる。
【0099】上述の方法は、定着性改良剤を非球形粒子
に組み込む方法として好ましいが、より好ましくは及
びの方法であり、容易に且つ必要量の定着性改良剤を
非球形粒子内に導入可能なものとして挙げられる。前記
定着性改良剤はバインダーである重合体に対し0.1乃至2
0重量%、好ましくは0.5乃至15重量%含有すれば良い。
【0100】〔帯電制御剤〕本発明の非球形粒子の帯電
制御は、該顔料複合重合体粒子表面に存在するイオン解
離性基により付与される。しかしながら必要に応じて前
記顔料複合重合体粒子内或いは非球形粒子内に帯電制御
剤を含有させることでもその目的を達成することが可能
である。
【0101】本発明に使用される帯電制御剤は、例え
ば、プラス帯電性並びにマイナス帯電性制御剤から選択
することができ、該プラス帯電性としてニグロシン系の
電子供与性染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、
アルコキシ化アミン、第四級アンモニウム塩、アルキル
アミド、金属錯体、顔料、フッ素処理活性剤等が、該マ
イナス帯電性として電子受容性の金属錯体、塩素化パラ
フィン、塩素化ポリエステル、銅フタロシアニンのスル
ホニルアミン等が挙げられる。更にクロムイエロー、ア
ニリンブルー及びアゾ系含金属染料等が挙げられる。こ
れらは前記定着性改良剤と同様の方法で非球形粒子に組
み込むことが可能である。
【0102】本発明の非球形粒子はそのまま単独でも電
子写真用トナーとして用いられるが、トナーとしての特
性を向上させるために、種々の添加剤を添加することが
できる。本発明に用いることが可能な添加剤の具体例と
して、例えば流動性付与剤が挙げられる。前記流動性付
与剤としてはシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム及
びこれらの疎水化処理物の微粒子、高分子ラテックスか
ら由来する疎水性単量体単位から構成される有機高分子
微粒子が挙げられる。前記流動性付与剤はトナー100重
量部に対し0.01乃至20重量部添加されることが好まし
く、更に0.1乃至10重量部が好ましい。
【0103】本発明に用いることが可能な別の添加剤と
しては、滑剤が挙げられる。前記滑剤としては、ステア
リン酸のカドミウム、バリウム、ニッケル、コバルト、
ストロンチュウム、銅、マグネシウム、カルシウム等、
オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、銅、鉛、
マグネシウム塩、パルミチン酸の亜鉛、マンガン、コバ
ルト、銅、マグネシウム、ケイ素、カルシウム等、リノ
ール酸の亜鉛、コバルト、カルシウム塩、リシノール酸
の亜鉛、カドミウム、カプリル酸の鉛塩、カプロン酸の
鉛塩等の高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。こ
れらも適宜添加することができる。
【0104】〔生理活性物質固定化担体〕本発明の生理
活性物質固定化担体について以下詳述する。
【0105】本発明の生理活性物質固定化担体は、顔料
としてキナクリドン誘導体を用いた顔料複合重合体粒子
が好ましく用いられる。
【0106】本発明のキナクリドン誘導体顔料複合重合
体粒子は生理活性物質の担体として用い、免疫診断試薬
として有用に用いることが可能である。前記生理活性物
質としては、酵素、抗原、抗体、レセプター、デオキシ
リボ核酸、リボ核酸等が挙げられる。但しデオキシリボ
核酸、リボ核酸の場合、1本鎖デオキシリボ核酸、1本
鎖リボ核酸を固定しこの相補的に結合する1本鎖デオキ
シリボ核酸、1本鎖リボ核酸を検出することができる。
前記の生理活性物質固定化担体は必要に応じて本発明の
キナクリドン誘導体顔料複合重合体粒子表面に公知の方
法で固定化することで用いられる。
【0107】特に、従来からのラテックス試薬の白色や
一部の染料染色ラテックス試薬と比較し、本発明のキナ
クリドン誘導体顔料複合重合体粒子を用いた試薬はマゼ
ンタに着色されており、例え該本発明の試薬を希釈した
場合でも、よりはっきりとした凝集像を観察することが
可能であるという長所を有している。
【0108】本発明の生理活性物質の固定化は、物理吸
着法、化学結合法が挙げられる。前記物理吸着法の場
合、本発明のキナクリドン誘導体顔料複合重合体粒子は
疎水性表面、特にスチレン単位を表面に有することによ
り安定した吸着能を有する。また、前記化学結合法を用
いる場合、生理活性物質中のカルボキシル基、アミノ
基、チオール基等の官能基を用い、公知の2官能性試薬
と反応する官能基、例えばアミノ基、カルボキシル基、
チオール基、エポキシ基等を導入することで達成でき
る。
【0109】一方、本発明の非球形粒子も同様に用いる
ことが可能である。特に、前記非球形粒子は、表面積を
自由に変化させることが可能であり、真球に比較し大き
な表面積を取ることが可能であるだけでなく、生理活性
物質の固定化量を多くし、反応速度を上げることができ
るという長所も有している。
【0110】本発明のキナクリドン誘導体顔料複合重合
体粒子を用いる場合の平均粒径は0.1μm乃至1.5μmが用
いられる。本発明の非球形粒子を用いる場合一次粒子の
2倍乃至10倍、0.35μm乃至3μmが好ましい。
【0111】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0112】実施例1 (顔料の表面処理)ヘンシェルミキサーにマゼンタ顔料
(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメントレッド12
2,商品名;KET RED 309(大日本インキ化学工業(株)
社製))100重量部とシリカ微粒子(R−805、日本アエ
ロジル(株)社製)を3重量部投入し、周速5m/秒の
条件で10分間混合する。このマゼンタ顔料をM−1とし
た。
【0113】また、無機微粒子としてチタン微粒子(T
−805、日本アエロジル(株)社製)、アルミナ微粒子
(RFY−C、日本アエロジル(株)社製)を使用し、
上記表面処理方法と同様な操作を行い表面処理済みの顔
料を用意した。このマゼンタ顔料をM−2、M−3とし
た。
【0114】さらに、市販のマゼンタ顔料としてKET RE
D 316(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメントレッ
ド122(大日本インキ化学工業(株)社製))およびPIN
K E02 Toner Grade(ジメチルキナクリドン:C.I.ピ
グメントレッド122(ヘキストジャパン(株)社製))
を使用し、上記表面処理方法と同様な操作を行い表面処
理済みの顔料を用意した。このマゼンタ顔料をM−4、
M−5とした。
【0115】さらに比較として表面処理を行わない上記
KET RED 309(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメン
トレッド122(大日本インキ化学工業(株)社製))を
使用した。このマゼンタ顔料をM−6とした。
【0116】(顔料分散液の調整)処理したマゼンタ顔
料26.67gに対して、界面活性剤としてドデシル硫酸ナト
リウム3.6335g、脱気イオン交換水250mlを混和した
後、加圧型分散機MINI-LAB Type 8.30H(ラーニー(R
ANNIE)社製)を用い、600barの圧力で1時間分散
を行った後、分散液を電気泳動光散乱光度計(以下、粒
度分布測定装置ともいう)ELS-800(大塚電子(株)社
製)を用い平均粒径、標準偏差、CVを測定し、粒度分
布の広がりを見た。
【0117】CVは以下の方法により算述される。
【0118】CV=標準偏差/平均粒径 結果を表1の上段(M−1〜6)に示す。
【0119】
【表1】
【0120】(顔料複合重合体粒子の合成)撹拌装置
(ディスクタービン型羽根付き)、温度センサー、窒素
導入装置を装着した内容積500mlのセパラブルフラスコ
の重合反応装置に脱気済みイオン交換蒸留水を235ml、
上記の処方で分散した顔料分散液M−1〜6をそれぞれ
15ml加え、さらにスチレンモノマー24.53g、ブチルア
クリレートモノマー4.75g、メタクリル酸1.58g、t-ド
デシルメルカプタン0.2gを加え、窒素雰囲気下500rpm
の撹拌速度で撹拌しつつ、フラスコの内温を70℃に昇温
させた。内温が70℃になった時点で、過硫酸カリウム0.
76gを脱気イオン交換蒸留水50mlに溶解した重合開始剤
溶液を添加し、7時間重合させた後、室温まで冷却し完
結させた。生成した顔料複合重合体粒子の分散液をそれ
ぞれP−1〜6とする。前記重合体粒子分散液P−1〜
6を、前記電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子
(株)社製)を用い平均粒径、粒度分布を測定し、さら
に乾燥後GPC HLC-8020(東ソー(株)社製)を用い分子
量及び分子量分布の測定を行った。また、凝集物をろ過
で分取し仕込みモノマー量から凝集物生成率を算出し
た。その結果を表2の上段(P−1〜6)に示す。
【0121】
【表2】
【0122】以上の結果より、無機微粒子を表面処理し
た顔料を用いた本発明の顔料複合重合体粒子は凝集生成
物の生成率が少なく、安定した分散性を示している。一
方、表面処理を行っていない顔料複合重合体粒子は、本
発明の重合体粒子に比べて凝集生成率が大きく、また、
重合安定性に欠ける等、実用上適さないことが明らかで
ある。
【0123】(非球形粒子の合成)上記作成の本発明の
顔料複合重合体粒子分散液P−1〜5および比較顔料複
合重合体粒子分散液P−6を用いて非球形粒子を合成し
た。各々の分散液中の粒子表面にカルボン酸イオンを生
成させるため、5N−水酸化ナトリウム水溶液を用いp
H=7に調整した。pH調整後、前記電気泳動光散乱光
度計ELS−800(大塚電子(株)社製)を用い平均粒径、
粒度分布を測定した。pH調整前後の結果を表3に示
す。
【0124】
【表3】
【0125】但し、前記P−6に関しては、pH調整後
の粒径が前記電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子
(株)社製)の測定限界を超えていたのでレーザー回折
粒度測定装置SALD−1100(島津製作所(株)製)を用い粒
径、粒度分布の測定を行った。
【0126】本発明の顔料複合重合体粒子分散液P−1
〜5は当然pH調整前後での粒径変化はない。すなわ
ち、十分重合安定性があることを示している。一方、比
較顔料複合重合体粒子分散液P−6はpH調整により粒
子表面にカルボン酸イオンが生成し、分散安定性がさら
に付与されているにもかかわらず、新たに20μm付近に
凝集粒子のピークが観察され結果として平均粒径が大き
くなっていることがわかる。
【0127】前記電気泳動光散乱光度計ELS−800を用い
凝集剤を塩化カリウムとして臨界凝集濃度を測定したと
ころ、本発明の顔料複合重合体粒子分散液P−1〜5は
0.067mol/lであり、比較顔料複合重合体粒子分散液P
−6は0mol/lであった。
【0128】このため、前記P−1〜5およびP−6に
対し、凝集剤の最終濃度が0.6mol/lになる様に設定し
た。また、P−6は併せて凝集剤を無添加のままでの反
応も行い、非球形粒子を作成した。前述の様に作成した
本発明の非球形粒子をNS−001〜005、比較非球形粒子
をNS−009、010とした。以下に非球形反応を記す。
【0129】500mlの撹拌装置、冷却管、温度センサー
付き4頭セパラブルフラスコにpH調整した顔料複合重
合体粒子分散液150mlを入れ、室温下250rpmで撹拌す
る。該フラスコ内に、塩化カリウム11.86gを蒸留水で
溶解した塩化カリウム水溶液を添加し、次いでイソプロ
パノール35mlを添加した。この混合液を85℃まで昇温
し、6時間反応を行い室温まで冷却した。この反応液を
レーザー回折粒度測定装置SALD−1100(島津製作所(株)
製)を用い粒径、粒度分布の測定を行った。さらに、非
球形粒子をろ過後、蒸留水に懸濁分散し、1N−水酸化
ナトリウム水溶液を用いpH=13まで調節しカルボン酸
を完全解離状態にした後、洗浄を繰り返し凝集剤等の夾
雑物を除去した後乾燥を行い粉体として取り出し、本発
明の非球形粒子NS−001〜005を得た。また、上記塩化
カリウム水溶液の添加を除いた以外は上記の通りと同様
の方法によりNS−009、010を得た。
【0130】前記の非球形粒子のBET比表面積を測定
し、前記SALD−1100で測定した平均粒径から非球形化度
を算出した。その結果を表4に示す。
【0131】
【表4】
【0132】表4から明らかなごとく、本発明の非球形
粒子は微粒子化が可能であり粒度分布も狭いものであ
る。一方、比較非球形粒子は粒径が大きく、また粒径の
微粒子化に限界がありさらに微粒子化しようとすると粒
度分布が広くなり、粒径、粒度分布の制御が困難である
ことがわかった。
【0133】実施例2 マゼンタ顔料(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメ
ントレッド122,商品名;KET RED 309(大日本インキ化
学工業(株)社製))100重量部に対し、シリカ微粒子
(R−805、日本アエロジル(株)社製)を5、10、15
重量部と変化させて実施例1と同様にマゼンタ顔料の表
面処理を行い、それぞれの顔料をM−7、8、9とし
た。
【0134】前記顔料のM−7〜9を用い、実施例1と
同様に顔料分散液を調整し、該顔料分散液の顔料分散粒
径と粒度分布を測定した。その結果を前記表1の下段に
示す。上記顔料分散液を使用し、実施例1と同様に顔料
複合重合体粒子分散液P−7〜9を合成した。生成した
粒子の粒径と粒度分布、さらに、分子量、分子量分布、
凝集物生成率の測定を行った。その結果を前記表2の下
段に示す。
【0135】表2の結果から、表面処理を行わない顔料
M−6を用いた顔料複合重合体粒子分散液は、凝集物の
生成率が多く重合安定性が悪いため実用上適さないこと
が明かである。
【0136】上記顔料複合重合体粒子分散液P−7〜9
を用い、実施例1と同様にそれぞれpH調整前後での平
均粒径、粒度分布を測定した。その結果を前記表3の下
段に示す。
【0137】さらに、実施例1と同様に非球形粒子の合
成を行い、該非球形粒子を本発明の非球形粒子NS−00
6〜008とし、実施例1と同様にして測定した結果を表4
の中段に示す。
【0138】表4から明らかなごとく、本発明の非球形
粒子は微粒子化が可能であり粒度分布も狭いものであ
る。
【0139】実施例3 本発明のマゼンタ顔料分散液M−1を用いて界面活性剤
の量及び重合開始剤の量を変化させて重合を行った。重
合は撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を
付けた500mlのセパラブルフラスコに脱気済みイオン交
換蒸留水を235ml、前記分散液M−1を15ml加え、ここ
に界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
を添加溶解し、さらにスチレン25.33g、アクリル酸-n-
ブチル4.75g、メタクリル酸1.58g、t-ドデシルメルカ
プタン0.2gを加え、窒素気流下500rpmの撹拌速度で撹
拌しつつ、内温を70℃に昇温させた。内温が70℃になっ
た時点で、添加量を変化させた過硫酸カリウム(KP
S)を脱気イオン交換蒸留水50mlに溶解した重合開始剤
溶液を添加し、7時間重合させた後室温まで冷却し、顔
料複合重合体粒子分散液P−11〜P−17を得た。前記の
界面活性剤並びに重合開始剤の添加条件を表5に示す。
【0140】
【表5】
【0141】その後、粒度分布測定装置ELS−800(大塚
電子(株)製)を用いて前記重合体粒子分散液の平均粒
径、粒度分布を測定し、さらに乾燥後分子量及び分子量
分布の測定を行った。また凝集物をろ過で分取し仕込み
モノマー量から凝集物生成率を算出した。その結果を表
6に示す。
【0142】
【表6】
【0143】上記表6で明らかなごとく、重合開始剤
量、界面活性剤量、[重合開始剤濃度]/[モノマー濃
度]比(a/b)が本発明の範囲内であるP−11〜14
は、安定した粒径、粒度を示し凝集物の生成も非常に少
ない。さらに生成重合体の分子量及び分子量分布も安定
している。一方、重合開始剤量、界面活性剤量、[重合
開始剤濃度]/[モノマー濃度]比(a/b)が本発明
の範囲外であるP−15〜17はそれぞれ問題がある。特
に、界面活性剤の濃度が高いP−15は顔料とポリマー粒
子が相分離している。またa/bが本発明の範囲より小
さいP−16は重合が完結しない。逆に重合開始剤濃度の
高いP−17は顔料とポリマー粒子が相分離を起こしてい
る。
【0144】実施例4 前記非球形粒子NS−001〜008を本発明のトナー(1)
〜(8)とし前記非球形粒子NS−009を比較トナー
(9)とし、平均粒径50μmのフェライト粒子にスチレ
ン/メチルメタクリレート共重合でコートしたキャリア
と、トナー濃度5%の割合で混合し、異なる環境下で振
とうを行い帯電量を測定した。
【0145】結果は以下の表7に示した。
【0146】
【表7】
【0147】以上の結果の如く、本発明のトナーの帯電
量は環境により差が認められない安定したものであっ
た。一方、比較のトナーは環境による差が大きく不安定
なものであることがわかる。
【0148】実施例5 上記本発明のトナー(1)〜(8)及び比較トナー
(9)にシリカ2重量%、酸化チタン1重量%の割合で
添加混合し、該トナー5重量部に対し、メタクリル酸メ
チル/スチレン共重合体(MMA/St=7/3)によ
り表面被覆した樹脂被覆フェライト粒子(平均粒径50μ
m:キャリア)95重量部を混合して本発明の現像剤
(1)〜(8)及び比較現像剤(9)を調製した。
【0149】上記現像剤を用い、熱ローラ定着器とクリ
ーニングブレードを備えた電子写真複写機『U-BIX303
5』(コニカ(株)社製)によりコピー像を形成する実写
テストを行い下記項目に関して評価を行った。
【0150】(1)解像度 細線チャートのコピー画像を形成し、識別可能な細線の
1mm当たりの本数で判定した。細線の本数が多い方が好
ましい。
【0151】(2)かぶり 常温常湿環境下(温度20℃、相対湿度60%)で連続して
コピー画像を形成し「サクラデンシトメータPDA−60」
(コニカ(株)社製)により白地部分の各色の反射濃度を
測定し、当該反射濃度が0.02を超えた時点のコピー枚数
でかぶりを判定した。
【0152】(3)オフセット発生温度 定着ローラの設定温度を段階的に変化させコピー画像を
形成し、ホットオフセットに起因するトナーの汚れが発
生した時点の定着ローラの設定温度を測定し、これを示
した。この温度が高い方が好ましい。
【0153】(4)トナーの着色度 白色ラベルにトナーを単層に貼付け、このトナー層を
『サクラデンシトメータPDA−60』を用いて各色反射濃
度を測定し、当該濃度が1.3以上を○、1.3以下を×とし
た。
【0154】(5)クリーニング性 感光体表面を目視で観察し、クリーニング不良が発生し
た時点のコピー回数で評価した。
【0155】(6)粒径分布の変化 体積平均粒径の1/3以下のトナーの個数%の推移によ
り評価した。実写テストにおいて経時で粒度分布を測定
し、スタート時、かぶり発生時及び5万回コピー時の体
積平均粒径の1/3以下のトナーの個数%を示した。測
定はレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−1100(島津製
作所製)を用いた。個数%の少ない方が好ましい。
【0156】(7)透過率の測定 膜厚50ミクロンの透明ポリエチレンテレフタルシートに
反射濃度で1.0になる様にトナーをのせてポットプレー
トで溶融定着を行った後、分光光度計を用い透過率を測
定した。前記透過率が高い方が分散安定性が高いことを
示す。
【0157】結果は以下の表8に示す。
【0158】
【表8】
【0159】以上の結果より本発明の現像剤(1)〜
(8)は解像度、カブリ、反射濃度、クリーニング特性
が何れも良好であり、さらにコピー時の粒径変化が非常
に少ない安定した現像剤であることがわかる。また透明
シート上に定着させた時の透過率も非常に高く、マゼン
タ顔料の分散性が高いことがわかる。一方、比較現像剤
(9)は本発明の現像剤に対しすべての面で劣り、さら
に透過率が低く、分散性、安定性が悪いことがわかる。
【0160】実施例6 実施例1の顔料分散液M−1を用い実施例1の合成例で
モノマーをスチレン95.5重量%、アクリル酸0.5%とし
た以外は全く同一の条件で重合を行いマゼンタ粒子を得
た。これを電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子
(株)製)を用い平均粒径(d50)及び変動係数(CV)
を測定した。結果はd50=0.33μm、CV=0.56であっ
た。またこの顔料複合重合体粒子の塩化カリウムによる
臨界凝集濃度は0.045mol/lであった。これを本発明の
試薬(1)とする。又、この顔料複合重合体粒子分散液
を用い実施例2に従い、塩化カリウムの添加量を0.06mo
l/lに変え85℃,3時間反応させた。この平均粒径は
レーザー回折粒度分布測定装置SALD−1100(島津製作所
(株)製)を用い測定しd50=0.80μm,CV=0.45であ
った。又、この粒子の非球形化度は5.57であった。これ
を本発明の試薬(2)とする。これら粒子を分画分子量
1万のセルロース透析バックを用い透析を行い夾雑物を
除去した後、限外瀘過を行い固形分濃度5%に調節を行
い、0.3Mリン酸塩緩衡液(含0.9%塩化ナトリウム)で
緩衡を行った後、坑α-フェトプロテイン抗体(1gG
分画)を添加し表面に物理吸着を行った。一方、比較と
して、平均粒径d50=0.3μm,CV=0.63及びd50=0.
85μm,CV=0.51のポリスチレンラテックスを同様に
抗α-フェトプロテイン抗体(1gG分画)を観察させ
た。さらに牛血清アルブミンで未吸着部分を吸着させ
た。前者を比較試薬(1),後者を同比較試薬(2)と
する。
【0161】これを固形分濃度0.2%に0.3Mリン酸塩緩
衡液(含0.9%塩化ナトリウム)で希釈しα-フェトプロ
テイン(AFP)用免疫診断試薬とした。精製したヒト
α-フェトプロテイン(ダコ社より入手)を不活性化ヒ
ト血清を用いAFPの希釈系列を作成した。各AFP標
準血清を25μlとα-フェトプロテイン(AFP)より免
疫診断試薬を25μlを分取し、マイクロプレート上で混
和し、室温下1時間静置し、その凝集像を観察した。凝
集が確認できたものを(+)、確認できないものを
(−)、判定できないものを(±)として表した。結果
を表9に示す。
【0162】
【表9】
【0163】表9から明らかな様に、本発明の試薬
(1),(2)は、検出感度が7.8ng/mlと鋭敏であ
り、又抗体の高濃度領域においてもプロゾーン現象は認
められない。又凝集像ははっきりとして判定しやすく、
凝集像判定が可能になるのはすべての領域で30分以内と
非常に速い速度であり優れた診断試薬である。
【0164】一方、比較試薬の検出感度は15.6ng/mlと
低く、又比較試薬(2)においてはAFP−1000ng/mlで
プロゾーン現象が現れており診断試薬として問題があ
る。又凝集像判定までの時間はほぼ1時間、低濃度領域
では1時間を越えるものもあり、反応速度性は遅い。
【0165】
【発明の効果】本発明により、下記効果を得ることがで
きる。
【0166】第1に、安定した顔料複合重合体粒子を提
供する。
【0167】第2に、優れた分光特性を有し、微小粒径
の顔料を含む顔料複合重合体粒子を提供する。
【0168】第3に、優れた分光特性を有し、顔料の分
散性が向上された電子写真トナーを提供する。
【0169】第4に、凝集像の観察が容易で安定性に優
れた免疫学的診断試薬用担体を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/545 Z G03G 9/09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤の存在下、顔料を水相中に分
    散し少なくとも一種の疎水性単量体を含む単量体成分を
    水溶性ラジカル重合開始剤により水系析出重合して得ら
    れる顔料複合重合体粒子において、該顔料を無機微粒子
    で表面処理することを特徴とする顔料複合重合体粒子。
  2. 【請求項2】 上記顔料がキナクリドン誘導体の少なく
    とも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の
    顔料複合重合体粒子。
  3. 【請求項3】 上記無機微粒子で表面処理された顔料
    が、水相中で該顔料の一次粒子径の10倍以下の粒径を有
    する分散凝集粒子であることを特徴とする請求項1に記
    載の顔料複合重合体粒子。
  4. 【請求項4】 上記単量体成分が、少なくとも一種の疎
    水性単量体と少なくとも一種の親水性単量体を含み、該
    疎水性単量体が99.9乃至85重量%で、かつ該親水性単量
    体が0.1乃至15重量%であり、上記界面活性剤の濃度が
    臨界ミセル形成濃度(CMC)以下の範囲であることを
    特徴とする請求項1に記載の顔料複合重合体粒子。
  5. 【請求項5】 上記親水性単量体が、顔料複合重合体粒
    子の表面にイオン性解離基を導入し得る単量体であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の顔料複合重合体粒子。
  6. 【請求項6】 上記親水性単量体が、カルボキシル基、
    スルホン酸基、リン酸基、第1級アミノ基、第2級アミ
    ノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を含む
    単量体から選択される少なくとも一種を含有することを
    特徴とする請求項5に記載の顔料複合重合体粒子。
  7. 【請求項7】 無機微粒子で表面処理された顔料を、臨
    界ミセル形成濃度(CMC)以上の界面活性剤の存在下
    で水系分散する顔料分散工程、前記顔料分散工程により
    得られた顔料分散液を臨界ミセル形成濃度以下まで希釈
    して希釈顔料分散液を調整する希釈工程、前記希釈顔料
    分散液に単量体成分と重合開始剤を添加して水系析出重
    合を行う重合工程を含むことを特徴とする請求項1乃至
    6に記載の顔料複合重合体粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記重合工程において用いる重合開始剤
    の濃度をa(モル/l)、単量体成分の濃度をb(モル
    /l)としたとき、以下の式(1)及び(2)を満足す
    ることを特徴とする請求項7に記載の顔料複合重合体粒
    子の製造方法。 0.001≦a≦0.03 式(1) 0.001≦(a/b)≦0.10 式(2)
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6に記載の顔料複合重合体
    粒子を複数個会合、融着させた非球形粒子を用いること
    を特徴とする電子写真用トナー。
  10. 【請求項10】 前記顔料複合重合体粒子のイオン性解
    離基を含む単量体単位の一部または全部が解離されたこ
    とを特徴とする請求項9に記載の電子写真用トナー。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至6に記載の顔料複合重合
    体粒子の分散液に、該分散液に対し、臨界凝集濃度以上
    の凝集剤を添加する凝集工程、水に無限溶解する有機溶
    媒を添加する工程、前記顔料複合重合体粒子を該粒子の
    ガラス転移温度Tgの−5℃乃至+50℃の温度範囲で加
    熱融着する工程からなる電子写真用トナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至6に記載の顔料複合重合
    体粒子を用いることを特徴とする生理活性物質固定用担
    体。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至6に記載の顔料複合重合
    体粒子を複数個会合、融着させた非球形粒子を用いるこ
    とを特徴とする生理活性物質固定用担体。
  14. 【請求項14】 生理活性物質が抗原、抗体、レセプタ
    ー、デオキシリボ核酸、リボ核酸から選択される少なく
    とも一種であることを特徴とする請求項12乃至13に記載
    の生理活性物質固定用担体。
JP6187351A 1994-08-09 1994-08-09 顔料複合重合体粒子とその製造方法、電子写真用トナーとその製造方法、生理活性物質固定用担体 Pending JPH0854752A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8394899B2 (en) 2005-07-07 2013-03-12 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Fine particle-dispersed polyol composition, method for producing polymer polyol, and method for producing polyurethane resin
US8772405B2 (en) 2007-09-28 2014-07-08 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Polymer polyol, method for producing the same, and method for producing polyurethane resin
US9062148B2 (en) 2007-10-10 2015-06-23 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Method for producing fine-particle-dispersed polyol, and method for producing polyurethane resin

Cited By (5)

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US8455591B2 (en) 2005-07-07 2013-06-04 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Fine particle-dispersed polyol composition, method for producing polymer polyol, and method for producing polyurethane resin
US8772405B2 (en) 2007-09-28 2014-07-08 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Polymer polyol, method for producing the same, and method for producing polyurethane resin
US9109078B2 (en) 2007-09-28 2015-08-18 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Polymer polyol, method for producing the same, and method for producing polyurethane resin
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