JPH0852581A - 積層鋼板と積層鋼板とのレーザー溶接接合部構造 - Google Patents

積層鋼板と積層鋼板とのレーザー溶接接合部構造

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JPH0852581A
JPH0852581A JP6187237A JP18723794A JPH0852581A JP H0852581 A JPH0852581 A JP H0852581A JP 6187237 A JP6187237 A JP 6187237A JP 18723794 A JP18723794 A JP 18723794A JP H0852581 A JPH0852581 A JP H0852581A
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Seishi Uei
清史 上井
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悟史 児玉
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Abstract

(57)【要約】 【構成】鋼板2,2(2',2')間に高分子樹脂3(3') を挟持し
てなる積層鋼板1,1'同士のレーザー溶接接合部構造で、
結合部は大きさ0.05mm径以上のブローホールが10個/m以
下、溶接溶込み量が板厚方向:0.8 ×T≦d(Tは積層
鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深さ)、板幅
方向:0.35×T≦w≦0.75×T(wは結合部の溶込み
幅)の範囲で、結合部の溶接金属中の炭素量を0.07重量
%以下又は結合部の硬度が400Hv 以下に抑えた積層鋼板
同士のレーザー溶接接合部構造。 【効果】本発明では、プレス成形に耐え得る充分な結合
部強度と伸び特性を有するので、特性の異なる2種類の
積層鋼板1,1´をレーザー溶接で結合することによ
り、それぞれの特長を兼ね備えた積層鋼板が得られ、加
工性も良好なので、積層鋼板適用における多くの問題を
解決でき、積層鋼板の特性を有効に活用でき、積層鋼板
の用途が大幅に拡大でき、工業上有用な効果がもたらさ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザー溶接により
結合した積層鋼板の結合部構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】積層鋼板は鋼板間に高分子樹脂が存在す
るもので、この高分子樹脂の有する軽量性、制振性など
の特性を鋼板に付与したものである。特に近年では、自
転車、家電機器、建築材料などの騒音、振動低減を目的
とした制振鋼板が注目されている。しかしながら、高分
子樹脂は、常温から高温までのすべての温度で制振性を
発揮することができず、使用温度に応じて高分子樹脂を
使い分けているのが現状である。さらに、この制振鋼板
は、プレス成形、スポット溶接、タップ加工など通常鋼
板と同様の加工や施工が行われ、これを満足するために
高分子樹脂の改良が行われているが、これらの性能を向
上させると、肝心の制振性が低下するという問題があ
る。この様に、高分子樹脂には広範囲で制振性を発揮す
るものはなく、また、本来の積層鋼板の特性を犠牲にし
たりしているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で、レーザー
溶接により積層鋼板を接合する試みがなされているが、
レーザー結合部に積層鋼板中の樹脂が分解して発生する
ガスが混入して、充分な接合部強度が得られないという
問題がある。また、これらの問題を解決する方法とし
て、積層鋼板同士を両鋼板の結合線よりも一方の鋼板側
に0.1〜0.5mm偏った線に沿って、レーザービー
ムを移動させて接合し、特性の向上を狙った方法が提案
されている(特開昭59−33090号公報)。この方
法では、一方の鋼板側の溶け込みが不充分であり、充分
な接合部強度が得られず、実用化にあたっては問題があ
る。
【0004】本発明は、プレス成形などの加工にも充分
耐え得る結合部を有する積層鋼板接合部構造として、積
層鋼板本来の特性を失う事なく、かつ特性を有効に活用
できるようになり、多くの用途への適用が可能な接合部
構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】積層鋼板と積層鋼板との
レーザー溶接接合部構造において、結合部に必要なこと
は、双方の鋼板に充分な溶け込みを持たせ、かつ、接合
部におけるガスの混入を防ぎ、プレス成形加工などに耐
え得る充分な接合部強度と伸び特性を確保することであ
る。
【0006】本発明者らは、上記課題を解決するため
に、積層鋼板と積層鋼板とをレーザー溶接により結合し
た積層鋼板接合部構造に関して、検討を行い、以下の知
見を得て本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の積層鋼板接合部構造
は、結合部での大きさ0.05mm径以上のブローホー
ルが10個/m以下で、かつ溶込み量が下記イ)、ロ)
の範囲にある。
【0008】イ)板厚方向 0.8×T≦d (Tは積層鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深
さ) ロ)板幅方向 0.40×T≦w≦0.70×T (wは結合部の溶込み幅) つぎに、結合部の溶接金属中の炭素量を0.07重量%
以下に抑え、あるいは、結合部の硬度を400Hv以下
とした積層鋼板と積層鋼板とのレーザー溶接接合部構造
である。
【0009】
【作用】本発明の作用について図面を参照しながら説明
する。図1は本発明の実施態様を示す断面図、図2〜4
はその適用例である。図1において、1,1′は積層鋼
板、2,2′は表皮鋼板、3,3′は高分子樹脂、4は
レーザー結合部である。
【0010】本発明に適用される積層鋼板1,1′の表
皮鋼板2,2′として、例えば、板厚0.1〜1.6m
mの冷延鋼板、メッキ鋼板、電気および溶融合金化メッ
キ鋼板等、各種の鋼板が適用でき、高分子樹脂として例
えば0.02〜2mm程度のポリオレフィン、ポリアミ
ド、ナイロン等の熱可塑性樹脂、あるいはアクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱硬化性
樹脂等、積層鋼板に用いられているものが適用できる。
なお、接合部への積層鋼板中の樹脂が分解して発生する
ガスの混入を防ぐ点からは、樹脂の厚みは0.02〜
0.15mmが一層望ましい。
【0011】次に、本発明の積層鋼板接合部構造は、結
合部において、大きさ0.05mm径以上のブローホー
ルが10個/m以下で、かつ溶込み量が下記イ)、ロ)
の範囲にある。
【0012】 イ)板厚方向 0.8×T≦d(Tは板厚) ロ)板幅方向 0.40×T≦w≦0.70×T その理由は、以下である。
【0013】まず、ブローホールは亀裂の起点となるも
のであり、そのため、0.05mm以上のブローホール
が10個/m以下であれば問題がないが、10個/mを
越えて存在すると、結合部の引張り強さが著しく低下
し、成形加工に耐え得る強度が不足する。なお、0.0
5mm未満のブローホールは、通常亀裂の起点とならな
いため、特に問題とはならない。
【0014】溶け込み量(板幅方向)は、上記厚イ)未
満では、積層鋼板の下板に対する溶接不良を発生し、結
合部の強度が低下する。また、溶込み量(板幅方向)が
上記ロ)の範囲未満では、入熱不足のため、充分な溶込
み深さが得られず、積層鋼板の下板に対する溶接不良を
生じ、結合部の強度が低下し、成形加工時に接合部破断
が起こる。一方、溶込み量(板幅方向)が上記ロ)の範
囲を越えると入熱が大きいため、溶接時に樹脂が分解し
て生じるガスが多くなり、0.05mm以上のブローホ
ールの発生が多くなり、結合部の強度が低下するととも
に、ビードの溶け落ちも生じやすくなる。
【0015】次に、結合部の溶接金属中の炭素量を0.
07重量%以下又は結合部の硬度は400Hv以下、よ
り好ましくは300Hv以下とする。その理由は、以下
である。
【0016】結合部の硬度は加工性に大きく影響し、硬
さが大きいと伸び特性が低下する。特に、溶接部の硬さ
が400Hvを越えると、著しい伸びの低下を招き、プ
レス成形時に結合部付近での破断が発生してしまう。な
お、深絞り成形が行われる場合は、時に伸び特性が重要
となるので、溶接部の硬さが300Hv以下がより望ま
しい。ここで、結合部は溶融状態から急速に冷却される
ため、焼きが入りやすく、そのため結合部の硬さは大き
くなりやすい。これを抑制するめには、溶接時のシール
ドガスを低減して徐冷したり、また結合部の溶接金属中
の炭素量を低減して硬度の上昇を抑制することが必要で
ある。溶接条件にもよるが、例えば、炭素量を0.07
重量%以下にすることで溶接部の硬さを400Hv以下
にすることが可能である。
【0017】なお、注意しなければいけないのは、積層
鋼板の溶接では、単板の溶接とは異なり、結合部には積
層鋼板特有の現象が起こる。すなわち、従来ではほとん
ど無視できると考えられていたが、積層鋼板中の樹脂が
分解して発生する炭素も混入して、炭素量が増大して、
大幅な硬度上昇を引き起こし、成形性を低下させる。従
って、積層鋼板の場合、炭素量を0.07重量%以下に
押さえ込み、溶接部の硬さを400Hv以下にするため
には、樹脂の溶融金属中への溶込み量をも抑制する必要
がある。
【0018】以上のことから、本発明では成形性を向上
させるために結合部のビード幅やビード深さ、ブローホ
ール数の限定のみでなくて、結合部の硬度や炭素量を限
定する。そのための溶接条件としては、例えば、シール
ドガス量を低減して徐冷したり、もともと炭素量の多い
鋼板を使用する場合にはビード幅を0.4mmT(Tは
板厚)以上確保するも、できるだけ小さくする方法があ
る。
【0019】以上のように、本発明の接合部構造によれ
ば、従来から問題となっていた結合部の強度だけでな
く、伸び特性をも一層向上でき、より厳しい成形加工に
も耐え得る接合部強度と伸び特性を両立するレーザー溶
接結合材を得ることができる。そして、結合部の強度お
よび伸び特性が一層向上し、従来結合部で割れが発生す
るような、より厳しい成形加工にも耐え得ることができ
る。
【0020】次に、本発明の積層鋼板の適用例を述べ
る。図2は制振性を向上させた例で、(1)は斜視図で
ある。例えば、騒音低減を目的とした制振鋼板の場合、
低温度から高温度の範囲で制振性を発揮するものはな
く、例えば、0〜60℃用、60〜120℃用等、最適
使用温度範囲がある。従って、常温用制振鋼板5と高温
用制振鋼板6との2種類の制振鋼板を接合することによ
り、図2(2)に示すように広温度範囲で性能を発揮で
きる制振鋼板が得られる。
【0021】図3はプレス成形時に表皮鋼板のずれによ
り、剥離が生じやすい部品への適用例である。積層鋼板
に剥離が生ずると、場合によっては、表皮鋼板に割れが
発生することがあるが、剥離する部分を加工性重視型制
振鋼板に置き換えれば、すなわち、制振性樹脂型積層鋼
板7と加工性重視型制振鋼板8とレーザー接合すれば、
加工性にすぐれるとともに、制振性がすぐれた成形品を
得ることができる。
【0022】図4は曲げ加工部への適用例である。積層
鋼板においては、曲げ加工部において、上下の表皮鋼板
間にずれが生じ、その結果、形状異常(カモメ現象)が
発生する。曲げ加工部を加工性重視型積層鋼板に置き換
えることにより、すなわち制振性樹脂型積層鋼板7と加
工性重視型制振鋼板8とレーザー接合すれば、加工性に
すぐれるとともに、本来の積層鋼板の特性を保持した成
形品を得ることができる。
【0023】以上のように、本発明の積層鋼板接合部構
造は、積層鋼板の適用における多くの問題を解決でき、
積層鋼板の特性を有効に活用できるとともに、積層鋼板
の用途が大幅に拡大できる。
【0024】
【実施例】本発明の実施例を比較例とともに、説明す
る。 (実施例1)溶接速度を変えて、積層鋼板と積層鋼板と
のレーザー溶接を行い、ビード幅の異なる結合材を作製
した。溶接条件を下記に示す。
【0025】溶接条件 (1)積層鋼板A 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.4mmt 2)高分子樹脂 ;熱硬化アクリル系、樹脂厚50μm (2)積層鋼板B 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.4mmt 2)高分子樹脂 ;エチレン−アクリル酸エステル共重
合体(ポリオレフィン)樹脂厚50μm (3)溶接条件 1)レーザーの種類;炭酸ガス 2)出力 ;3kW、連続発振 3)シールドガス ;Arガス、5 l/min. 4)溶接速度 ;2〜15m/ m/min . ビード幅とブローホール(大きさ0.05mm以上)数
を図5にまた、ビード幅と溶込み深さを図6に示す。さ
らに、ビード幅と継ぎ手の引張り強さを図7に示す。
【0026】図5から、ビード幅が増すにつれて、ブロ
ーホールの個数が増大することが判る。また、図6か
ら、ビード幅が増すにつれて、溶込み深さが増大するこ
とが判る。次に、図7から、ビード幅が0.3〜0.6
mm程度の範囲で高い引張り強さが得られることが判
る。この範囲では、引張り試験においても、結合部での
破断が認められず、良好な結合部特性を有していた。さ
らに、この範囲は、ブローホール10個/m以下であ
り、かつ溶込み深さが0.64mm以上の範囲に対応し
ている。ビード幅が大きくなると引張り強さが低下する
のは、ブローホール数が増大するためである。一方、ビ
ード幅が小さくなると引張り強さが低下するのは、溶込
み深さが減少するためである。
【0027】以上のことから、充分な引張り強度を得る
ためには、ブローホールの個数が10個/m以下であ
り、溶込み深さが0.64mm(0.8mmT)以上必
要であることが判る。
【0028】図8には、表皮鋼板の板厚を変えた場合
(0.2〜1.6mm)の適正引張り強度が得られる範
囲を示す。図から、適正引張り強度はビード幅が0.4
mmT〜0.7mmTの範囲の場合に得られることが判
る。
【0029】(実施例2)同様に積層鋼板と積層鋼板と
をレーザー溶接により接合し、結合部の強度を調査し
た。溶接条件を下記に示す。
【0030】溶接条件 (1)積層鋼板A 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.5mmt 2)高分子樹脂 ;熱硬化アクリル系、樹脂厚50μm (2)積層鋼板B 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.5mmt 2)高分子樹脂 ;エチレン−アクリル酸エステル共重
合体(ポリオレフィン)樹脂厚50μm (3)溶接条件 1)レーザーの種類;炭酸ガス 2)出力 ;3kW、連続発振 3)シールドガス ;Arガス、20 l/min. 4)溶接速度 ;2〜6 m/min. これらの結合材について、結合部の硬度および炭素量を
測定し、また図9に示すように結合部が側壁部に位置す
るように、50 ×100W ×100L mmの角筒に
プレス成形を行った。結果を表1にまとめて示す。
【0031】
【表1】
【0032】試験材1,2(比較例)で硬度が大きいの
は炭素量が多いため、焼きが入ったためであり、炭素量
が多くなったのはビード幅が広く、樹脂中の炭素が多く
溶け込んだためと考えられる。試験材3(実施例)で
は、硬度および炭素量ともに本発明の範囲内であり、成
形性は良好であった。
【0033】以上のことから、溶接部の炭素量を0.0
7重量%以下に抑え、溶接部の硬度を400Hv以下に
抑えることにより、加工性に優れたレーザー溶接接合部
構造を得ることができる。 (実施例3)上記の結果をもとに、種々の溶接条件でレ
ーザー溶接を行い、評価を行った。実施例および比較例
における、レーザー結合部の評価結果をまとめて、表2
に示す。なお、レーザー溶接条件を下記に示す。
【0034】溶接条件 (1)積層鋼板A 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.5mmt 2)高分子樹脂 ;・熱硬化アクリル系、樹脂厚50μ
m ・エチレン−アクリル酸エステル共重合体(ポリオレフ
ィン)樹脂厚50μm (2)積層鋼板B 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.5mmt 2)高分子樹脂 ;・熱硬化アクリル系、樹脂厚50μ
m ・エチレン−アクリル酸エステル共重合体(ポリオレフ
ィン)樹脂厚50μm (3)溶接条件 1)レーザーの種類;炭酸ガス 2)出力 ;2〜5kW、連続発振 3)シールドガス ;Arガス、0〜20 l/min. 4)溶接速度 ;2〜15 m/min. 結合部の評価 プレス成形性(試験条件は実施例2に準拠) ○:結合部近傍の割れなし ×:結合部近傍で割れ発
生 表2から明らかなように、本発明範囲内の実施例1〜6
は、プレス成形試験において、結合部での割れは発生せ
ず、良好な結合部特性であった。
【0035】これに対して、比較例1は表2から明らか
なようにブローホール個数、板幅方向の溶込み量が本発
明の範囲外であり、プレス成形試験において結合部で割
れが発生した。比較例2および5は結合部中の炭素量が
0.07重量%を越えており、また硬度も400Hvを
越えており、プレス成形試験において結合部で割れが発
生した。比較例3は、ブローホール個数、板幅方向の溶
込み量、結合部中の炭素量、結合部の硬度ともに本発明
の範囲外であり、プレス成形試験において結合部で割れ
が発生した。比較例4は板厚方向および板幅方向の溶込
み量が本発明の範囲外であり、プレス成形試験において
結合部で割れが発生した。表2中アンダーライン箇所
は、本発明の範囲外の値である。なお、ブローホール数
は、JIS−Z3104に準拠し、溶接部のX線透過像
から溶接線方向の数(個/m)を求めた。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、制振性
および軽量性を有する積層鋼板と他の積層鋼板のレーザ
ー溶接結合部構造において、プレス成形に耐え得る充分
な結合部強度と伸び特性を有する。従って、特性の異な
る2種類の積層鋼板をレーザー溶接で結合することによ
り、それぞれの特長を兼ね備えた積層鋼板が得られ、か
つ加工性も良好なので、積層鋼板適用における多くの問
題を解決でき、積層鋼板の特性を有効に活用できるとと
もに、積層鋼板の用途が大幅に拡大でき、工業上有用な
効果がもたらされる。
【0037】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構造を示す説明図。
【図2】(1)は本発明を常温用制振鋼板と高温用制振
鋼板とのレーザー溶接接合部構造に適用した例を示す斜
視図、(2)は第2図の構造における温度による損失係
数の変化を示す説明図。
【図3】本発明を制振性重視型積層鋼板と加工性重視型
積層鋼板とのレーザー溶接接合部構造に適用した例を示
す斜視図。
【図4】本発明を制振性重視型積層鋼板と加工性重視型
積層鋼板とのレーザー溶接接合部構造に適用した他の例
を示す斜視図。
【図5】積層鋼板同士をレーザー溶接する際のビード幅
とブローホール個数との関係を示す図。
【図6】積層鋼板同士をレーザー溶接する際のビード幅
と溶け込み深さとの関係を示す図。
【図7】積層鋼板同士をレーザー溶接した溶接継手にお
けるビード幅と引っ張り強さとの関係を示す図。
【図8】表皮鋼板の板厚を変えた場合の積層鋼板のトー
タル板厚とビード幅との関係を示す図。
【図9】実施例2で成形された角筒プレス成形部品を示
す斜視図。
【符号の説明】 1,1´…積層鋼板、2,2´…表皮鋼板、3,3´…
高分子樹脂、4…レーザー接合部、5…常温用制振鋼
板、6…高温用制振鋼板、7…制振性樹脂型積層鋼板、
8…加工性重視型積層鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 恭典 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板間に高分子樹脂を挟持してなる積層
    鋼板同士のレーザー溶接接合部構造において、結合部
    は、大きさ0.05mm径以上のブローホールが10個
    /m以下で、かつ溶込み量が下記イ)、ロ)の範囲にあ
    り、結合部の溶接金属中の炭素量を0.07重量%以下
    に抑えた積層鋼板と積層鋼板とのレーザー溶接接合部構
    造。 イ)板厚方向 0.8×T≦d (Tは積層鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深
    さ) ロ)板幅方向 0.40×T≦w≦0.70×T (wは結合部の溶込み幅)
  2. 【請求項2】 鋼板間に高分子樹脂を挟持してなる積層
    鋼板同士のレーザー溶接接合部構造において、結合部
    は、大きさ0.05mm径以上のブローホールが10個
    /m以下で、かつ溶込み量が下記イ)、ロ)の範囲にあ
    り、結合部の硬度が400Hv以下である積層鋼板と積
    層鋼板とのレーザー溶接接合部構造。 イ)板厚方向 0.8T×≦d (Tは積層鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深
    さ) ロ)板幅方向 0.40×T≦w≦0.70×T (wは結合部の溶込み幅)
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