JPH08507777A - 化学的方法 - Google Patents
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- JPH08507777A JPH08507777A JP6520646A JP52064694A JPH08507777A JP H08507777 A JPH08507777 A JP H08507777A JP 6520646 A JP6520646 A JP 6520646A JP 52064694 A JP52064694 A JP 52064694A JP H08507777 A JPH08507777 A JP H08507777A
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Abstract
(57)【要約】
式(II)
の新規な化合物を水素化分解し、そして必要に応じてまたは所望により得られたカルボン酸をその塩として単離することからなる、式
Description
【発明の詳細な説明】
化学的方法
本発明は、抗菌剤合成のための改善された方法およびその方法に使用するため
の新規な中間体に関する。
欧州特許出願第0416953A2には、三環式抗菌剤の新規な種およびその製造法が
記載されている。そこに記載されている特に好ましい化合物は、(4S,8S,9R,10S
,12R)−4−メトキシ−10-(1−ヒドロキシエチル)−11−オキソ−1アザト
リシクロ〔7.2.0.03.8〕ウンデカ−2−エン−カルボン酸およびその生理学的に
許容しうる塩である。さらに、この特許明細書には、この化合物は以下の方法に
よって製造できることが記載されている。
上記式中、R1aはヒドロキシル保護基、特にt−ブチルジメチルシリルを表し
、Yは酸素またはフォスフィン基を表し、そしてR2aはアリールメチル、例えば
ベンジルまたはアリルを含むカルボキシル保護基を表す。さらに特定的には、こ
の特許明細書には、R1aがt−ブチルジメチルシリル基を表し、Yが酸素であり
、R2aがアリルであるかまたはR1aがt−ブチルジメチルシリル基を表し、Yが
PPh3であり、R2aがべンジルである中間体を使用する化合物の合成例が記載され
ている。
これらの実施例では、種々の中間体は油状物として得られるが、これは工業生
産方法として使用するには、多段階合成方法であり、あまり望ましくない。上記
合成方法で、カルボキシル保護基としてt−ブチルベンジル基を使用すると、プ
ラントスケールで使用する際に、上記方法の適合性が著しく改善されることがわ
かったのは驚くべきことである。特に、以下に最終中間体を示す。
このものは固体であり、その性質は、所望により合成の最終段階を実施する前
に比較的簡単な精製段階、例えば再結晶を許容するようなものである。
従って、本発明は式(I)の化合物
またはその塩の製造方法を提供するものであって、式(II)
の化合物を水素化分解し、必要に応じてまたは所望により得られたカルボン酸を
その塩に変換することからなる、その塩の製造法を提供する。水素化分解反応は
、慣用的には、水素および金属触媒、例えばパラジウムを使用し、そしてアルカ
ノール、例えばエタノール、イソプロパノール、エステル、例えば酢酸エチル、
またはケトン、例えばアセトンのような溶媒中で実施される。この反応は塩基の
存在下で実施するのが好ましく、反応に使用する適切な塩基にはトリアルキルア
ミンのような第三級有機塩基、例えばトリエチルアミンが含まれる。カルボン酸
(I)またはその塩は、慣用的には水素化分解の生成物を単離することなく生理
学的に許容しうるその塩に変換できる。従って、例えばそのナトリウム塩は、反
応溶液にアセトンおよびエチルヘキサン酸ナトリウムを添加し、次いでエーテル
のような非溶媒、例えばジイソプロピルエーテルを添加することによって得るこ
とができる。この方法では所望のナトリウム塩の種晶を加えることが有利であり
うる。
式(I)の化合物の塩には、その生理学的に許容し得る塩およびその生理学的
に許容されない塩が含まれる。
式(I)の化合物の適切な生理学的に許容しうる塩には、アルカリ金属、例え
ばナトリウムまたはカリウム、アルカリ土類金属、例えばカルシウム、アミノ酸
(例えば、リジンおよびアルギニン)およ
び有機塩基(例えば、プロカイン、フェニルベンジルアミン、エタノールアミン
、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルコサミン)で形成された塩が含まれ
る。式(I)の化合物の生理学的に許容されない塩も、式(I)の化合物または
その生理学的に許容しうる塩の製造および/または単離のための中間体として有
用でありうる。
式(II)の化合物は新規であり、本発明の別の態様を表している。
式(II)の化合物は、式(III)、
(式中、Rはヒドロキシル保護基である)の化合物を環化し、次いでヒドロキシ
ル保護基Rを除去することによって製造できる。
適切なヒドロキシウル保護基には、緩衝条件下または非水性条件下で加水分解
により除去できるこれらの慣用のヒドロキシル保護基が含まれる。このような基
の例には、ヒドロカルビルシリル基、例えばトリ(C1-4アルキル)シリル基、
例えばt−ブチルジメチルシリルまたはトリメチルシリルが含まれる。
環化反応は、50〜200°範囲の温度内で適切な溶媒中で、式(III)の化合物を
式(IV)
(式中、R1、R2およびR3は独立してC1-4アルキル、ベンジルまたはフェニル
を表し、nは0または1である)の燐化合物で処理することによって、実施する
。適切な溶媒には、炭化水素、例えばn−オクタン、ノナン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、ハロ炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン
、ジクロロメタン、トリクロロメタンまたは1,1,2−トリクロロエタン、エー
テル、例えばテトラヒドロフラン、またはエステル、例えば酢酸エチルもしくは
酢酸ブチルが含まれる。
環化工程に使用する式(III)の好ましい化合物には、R1、R2およびR3がア
ルキル、例えばエチルであり、nが1であるか、またはR1およびR2がエチルで
あり、nが1であり、そしてR3がメチルである化合物が含まれる。慣用的には
、後者の化合物は、既知の方法を使用して反応の場で製造しうる。
ヒドロキシル保護基は、よく知られている標準方法、例えばProtective group
es in Organic Chemistry第46〜119頁、JFW McOmie(Plenum Press 1973)編に
記載されている方法によって除去できる。従って、例えば、Rがt−ブチルジメ
チルシリル基である場合、酢酸中のテトラブチルアンモニウムフルオリドとの反
応により、または酢酸中に存在するフルオライドイオンおよび適切な相間移動触
媒、例えばテトラブチルアンモニウムブロマイドとの反応によってこれを除去で
きる。特に適切なフルオライドイオン源には、フッ化カリウムまたはフッ化セシ
ウムが含まれる。
式(III)の化合物は、溶媒、例えば炭化水素、例えばキシレンもしくはシク
ロヘキサン、またはハロ炭化水素、例えばクロロベンゼンもしくはジクロロメタ
ンもしくはそれらの混合物中で、適切な塩基、
例えばピリジン、トリエチルアミンおよび/または炭酸カリウムの存在下で、p
−t−ブチルベンジルオキサリルクロライドとの反応により、式(V)
(式中、Rは式(III)で定義したとおりである)の化合物から製造できる。
上記式中、実線のクサビ型結合手は、結合手が紙の平面より上であり、破線の
クサビ型結合手は紙の平面より下にあることを示している。
以下の実施例は、説明するためだけのものである。
中間体および実施例において、すべての温度は℃であり、溶液を乾燥したとい
うのは、溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥したということである。
中間体1
(3S,4R)−1−〔4−t−ブチルベンジルオキシ)オキサリル〕−3−(R)−
1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル〕−4−〔(2'R,6'S)−6'メ
トキシ−1'−オキソシクロヘキシル〕アゼチジン−2−オン
シクロヘキサン(400ml)中、トリエチルアミン(42.4ml)、炭酸カリウム(2
.32g)および4−〔(3S,4R)−3−〔(R)−1−(t−ブチルジメチルシリル
オキシ)エチル〕−4−〔(2'R,6'S)−6'−メトキシ−1'−オキソシクロヘ
キシル〕アゼチジン−2−オン(42g)
の溶液に、生のp−t−ブチルベンジルオキサリルクロライド(64g)を窒素下
、室温で、約10分かけて滴加した。10分後、反応混合物を水(3×400ml)で洗
浄し、有機層を約125mlに濃縮した。得られた溶液をイソプロパノール(1040ml
)で希釈し、残ったシクロへキサンを共沸蒸留により除き、約700mlに濃縮し、
次いで水(230ml)を約10分かけて滴加した。混濁した混合物に種晶を加え、室
温で1時間撹拌し、次いで追加量の水(450ml)を30分で滴加し、そして得られ
たスラリーを室温で1時間撹拌した。固体を濾別し、水/イソプロパノール4/
1混合物(200ml)で洗浄し、40℃で真空乾燥後、標題化合物(57.3g)を白色固
体(m.p.68〜69°)として得た。1
H-NMR(CDCl3):7.36(dd),5.28(dd),4.35〜4.25(m),3.76(m),3.52
(t),3.33(t),3.22(s),2.2(m),2.1〜2.0(m),1.68(m),1.46(m
),1.31(s),1.19(d),0.78(s),0.04(s),0.05(s)ppm
中間体2
4−t−ブチルベンジルー(4S,8S,9R,10S,12S)−4−メトキシ−10〔1−(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル−11−オキソ−1−アザトリシクロー〔
7.2.0.03.8〕ウンデカ−2−エン−2−カルボキシレート
エチルベンゼン(330ml)中、中間体1(5.1g)、トリエチルホスファイト(1
7.8ml)およびヒドロキノン(0.1ml)の溶液を窒素下で15時間、還流し、室温に
冷却し、そして約178mlに濃縮した。得られた溶液を5%H2O2(66ml)で処理し
、混合物を40分間撹拌した。有機層を5%水性Na2SO3、水(51ml)で洗浄し、次
いで油状物に濃縮し、これを石油(153ml)中に溶解した。得られた溶液を水(
3×153ml)で洗浄し、そして溶媒を蒸発させ、透明な油状物を得て、こ
れをイソプロパノール/水の4/1混合物(26ml)に溶解した。溶液を共沸蒸留
して標題化合物の粗生物を得た。
これをイソプロパノール(51ml)に溶解し、水(26ml)を10分間かけて滴加し
た。混濁した混合物に種晶を加え、室温で1時間撹拌し、追加量の水(35ml)を
15分かけて滴加した。混合物を室温で1.5時間撹拌し、白色固体を濾別し、水/
イソプロパノール4/1混合物(10ml)で洗浄し、そして45°で真空乾燥し、標
題化合物(4.2g)を白色固体(m.p.71〜72°)として得た。1
H-NMR(CDCl3):7.38(dd),5.25(dd),4.96(t),4.2(m),4.13(dd)
,3.21(s),3.18(dd),3.2〜3.12(m),2.05(m),1.9〜1.7(m),1.7〜1
.5(m),1.5〜1.35(m),1.32(s),1.23(d),0.86(s),0.8(s)ppm
中間体3
4−t−ブチルベンジルオキシオキサリルクロライド
窒素下、−10°で、ジエチルエーテル(500ml)中の塩化オキサリル(100ml)
の撹拌溶液に、ジエチルエーテル(1000ml)中の4−t−ブチルベンジルアルコ
ール(200ml)の溶液を、−10〜−5°の温度を維持するようにして滴加した。
次いで、溶媒を真空下で蒸発させ、標題化合物(289g)を透明な油状物(2ミリ
バールでb.p.120〜122°)を得た。
実施例 1
4−t−ブチルベンジル−(4S,8S,9R,10S,12S)−4−メトキシ−10〔1−(
t−ヒドロキシ)エチル−11−オキソ−1−アザトリシクロ−〔7.2.0.03.8〕ウ
ンデカ−2−エン−2−カルボキシレート
方法A
テトラヒドロフラン(53ml)中の中間体2(15.5g)および酢酸(9.5ml)の溶
液に、テトラブチルアンモニウムブロマイド(40g)およびフッ化カリウム(7.3
g、42〜80メッシュ)を順に加えた。次いで反応混合物を窒素下、50℃で4時間
撹拌した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(295ml)で希釈し、10%水
性NaHC03(2l7ml)および水(2×295ml)で洗浄した。有機層を40mlに濃縮し、
n−ヘキサン(295ml)に、激しく撹拌しながらゆっくり(約5分かけて)添加
した。白色スラリーを室温で1時間、そして氷浴で1時間撹拌した。固体を濾別
し、n−ヘキサン/シクロヘキサンの1/1混合物で洗浄し、真空乾燥した後、
標題化合物(9.6g)を白色固体(m.p.112〜113°)として得た。1
H-NMR(CDCl3):7.4(dd),5.35(d),5.2(d),4.95(t),4.25(m),4.
2(dd),3.3〜3.25(dd+m),3.2(s),2.05(m),1.9〜1.1(m)ppm
方法B
中間体2(2.77g)をテトラヒドロフラン(13.6ml)に溶解し、酢酸(3ml)
および固体のテトラブチルアンモニウムフルオリド水和物(14.3g)を順に添加
し、反応混合物を窒素下に40°で3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(48
0ml)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(480ml)、水(2×350ml)およびブラ
イン(350ml)で洗浄した。有機層を乾燥し、溶媒を蒸発させて、透明な泡状物
を得た。石油/エチルエーテルの10/1混合物(70ml)を添加し、混合物を室温
で1.5時間撹拌した。白色固体を濾別し、真空乾燥し、標題化合物(1.31g)を得
た。
実施例 2
ナトリウム(4S,8S,9R,10S,12R)−4−メトキシ−10(1−ヒドロ
キシエチル)−11−オキソ−1−アザトリシクロ−〔7.2.0.03.8〕ウンデカ−2
−エン−2−カルボキシレート
カーボン上の10%パラジウム(4.2g)およびトリエチルアミン(0.48ml)を、
窒素下に、n−プロパノール(10.6ml)中で実施例1(1.22g)の溶液に添加し
た。混合物を30分間水素化し、触媒を濾別し、アセトン(4.2ml)で洗浄し、そ
して濾液に固体のエチルヘキサン酸ナトリウム(0.615g)を添加した。ジイソプ
ロピルエーテル(432ml)をこの溶液に20分にわたり滴加し、混合物を室温で2
時間撹拌した。白色固体を窒素下で濾別し、ジイソプロピルエーテル/n−プロ
パン/アセトンの10/2.5/1混合物(2.1ml)で洗浄し、そして真空乾燥して標
題化合物(0.38g)を白色固体として得た。
実施例 3
ナトリウム(4S,8S,9R,10S,12R)−4−メトキシ)−10(1−ヒドロキシエチル
)−11−オキソ−1−アザトリシクロ−〔7.2.0.03,8〕ウンデカ−2−エン−2
−カルボキシレート
カーボン上の10%パラジウム(300g)およびトリエチルアミン(11ml)を、窒
素下で、n−プロパノール(21ml)中の実施例1(3.2g)の溶液に添加した。混
合物を室温で45分間水素化し、触媒を濾別し、アセトン(6ml)で洗浄し、そし
て濾液に固体のエチルヘキサン酸ナトリウム(1.34g)を添加した。ジイソプロ
ピルエーテル(126ml)を溶液に45分にわたって滴加し、混合物を室温で2時間
撹拌した。白色固体を窒素下で濾別し、ジイソプロピルエーテル(15ml)で洗浄
し、そして真空乾燥して標題化合物(1.78g)を白色固体として得た。1
H-NMR(300MHz)(D20):4.74(1H,m),4.08(1H,m),4.03(1H,dd),
3.28(1H,dd),3.08(3H,s),2.99(1H,m),1.85(1H,m),1.72(1H,m
),1.6〜1.3(3H,m),1.20(1H,m),1.11(3H,d)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK
,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,
NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S
K,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 式(II) の化合物を水素化分解し、そして必要に応じてまたは所望により得られたカル ボン酸をその塩に変換することからなる、式(I) の化合物またはその塩の製造法。 2.水素および金属触媒を用いて水素化分解反応を実施する、請求項1に記載の 方法。 3.金属触媒がパラジウムである、請求項1または2に記載の方法。 4.水素化分解反応を塩基の存在下で実施する、請求項1〜3のいずれか一項に 記載の方法。 5.塩基が第三級有機塩基である、請求項4に記載の方法。 6.塩基がトリアルキルアミンである、請求項5のいずれかに記載の方法。 7.式(I)の化合物をその生理学的に許容しうる塩の形態で単離する、請求項 1〜6のいずれか一項に記載の方法。 8.式(III) (式中、Rはヒドロキシル保護基である)の化合物を環化し、次いでヒドロキ シル保護基Rを除去して、式(II)の化合物を製造する、請求項1〜7のいずれ か一項に記載の方法。 9.請求項1〜8のいずれかに記載の方法により製造される、式(I)の化合物 およびその生理学的に許容しうる塩。 10.請求項1〜8のいずれかに記載の方法により製造される、ナトリウム(4S,8 S,9R,10S,12R)−4−メトキシ)−10(1−ヒドロキシエチル)−11−オキソ− 1−アザトリシクロー〔7.2.0.03.8〕ウンデカ−2−オン−2−カルボキシレー ト。 11.式II の化合物。
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