JPH0850487A - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JPH0850487A
JPH0850487A JP6185046A JP18504694A JPH0850487A JP H0850487 A JPH0850487 A JP H0850487A JP 6185046 A JP6185046 A JP 6185046A JP 18504694 A JP18504694 A JP 18504694A JP H0850487 A JPH0850487 A JP H0850487A
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JP
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data
loop
section
drive waveform
unit
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JP6185046A
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Masahiro Nakanishi
雅浩 中西
Daisuke Mori
大輔 森
Atsuko Tanaka
温子 田中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成かつ操作により多くの自然楽器の
発音機構を容易かつ高精度に近似することができる楽音
合成装置を提供することを目的とする。 【構成】 入力部101が、太鼓の膜をたたく時に与え
られる力に相当する駆動波形データをループ部111内
の複数のデータ循環路に入力し、累算部106及び帰還
部112が、各データ循環路を循環した駆動波形データ
を再び同じデータ循環路や異なるデータ循環路に帰還さ
せる。このようにして、入力された駆動波形データは複
数のデータ循環路間で形成された新たな循環路を循環す
る。そして、ループ部111は太鼓の膜のように非整数
次倍音関係となる多くの共振峰をもつ共鳴器として作用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自然楽器の発音機構を
電子的に近似する楽音合成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル技術の進歩にともない、
電子ピアノやシンセサイザのようなデジタル電子回路を
応用した楽音合成装置が数多く開発されている。その中
において、自然楽器の発音機構を解析し、これをデジタ
ル電子回路に置き換えて実現した楽音合成装置(例えば
特開昭53−88715号公報)が提案されている。
【0003】以下に、従来の楽音合成装置について、図
面を参照して説明する。図25は、従来の楽音合成装置
のブロック図を示すものである。なお、図25に示す楽
音合成装置は、図26に示すギターなどの弦楽器の発音
機構を模擬したものである。
【0004】図25において、2501は駆動波形デー
タを予め記憶したメモリ、2502はメモリ2501に
記憶された駆動波形データの読みだしを行うカウンタ、
2503はメモリ2501から読みだされた駆動波形デ
ータと波形データとの選択を行い選択結果をシフトレジ
スタ2504に入力するセレクタ、2504はセレクタ
2503から入力されたデータを一定時間遅延させるシ
フトレジスタ、2505はシフトレジスタ2504から
出力されたデータと値0.5との乗算を行う乗算器、2
506はシフトレジスタ2504から出力されたデータ
を1サンプリングクロック分遅延させる遅延器、250
7は遅延器2506から出力されるデータと値0.5と
の乗算を行う乗算器、2508は乗算器2505,25
07から出力されるデータどうしの加算を行う加算器で
ある。なお、メモリ2501とカウンタ2502をまと
めて駆動波形発生手段2509、セレクタ2503を選
択手段2510、シフトレジスタ2504を遅延手段2
511、遅延器2506、乗算器2505,2507及
び加算器2508をまとめて演算手段2512とする。
また、演算手段2512は一次のローパスフィルタを構
成し、選択手段2510,遅延手段2511,演算手段
2512からなるループ状の回路を循環するデータを総
称して波形データとする。
【0005】図26は弦楽器(例えばギター)の発音機
構を表わす模式図である。図26において、2601は
弦を固定するナット、2602は弦を固定するブリッ
ジ、2603は弦、2604はフレット、2605はボ
ディである。ナット2601及びブリッジ2602によ
ってはられた弦2603は、指Aの押えによりフレット
2604とブリッジ2602によって支持された形とな
っている。弦2603は指Bで弾かれることにより振動
し、楽音が発生する。更に詳しく説明すると、指Bで弦
2603を弾くことにより弦2603の弾かれた点に力
が入力される。その後力は弦2603を伝搬していきフ
レット2604及びブリッジ2602で反射され、再び
Bに戻る。この動作を繰返し行うことにより弦2603
が振動をおこし楽音が発生する。この動作をディジタル
電子回路を用いて近似的に実現したものが図25に示す
楽音合成装置である。
【0006】図27は、図25に示す従来の楽音合成装
置の楽音データの共振峰の周波数の中心をプロットした
振幅スペクトル図である。図27において、各共振峰の
周波数の関係は整数次の関係であり、また最低周波数の
共振峰の中心周波数f1は選択手段2510と遅延手段
2511と演算手段2512で構成されるループの遅延
量、即ち遅延手段2511と演算手段2512の遅延量
の和に対応した周波数となる。数式を用いて説明する
と、遅延手段2511と演算手段2512の遅延量の和
をMとしサンプリング周波数をFsとすると、f1は式
1で表される。
【0007】
【数1】
【0008】以上のような構成要素からなる楽音合成装
置について、以下に各構成要素の相互の関係と動作を説
明する。まず、図25において発音開始情報konが値
1になる。この時カウンタ2502はリセットされカウ
ント値(メモリ2501のアドレス)を値0にする。そ
の後シフトクロックSCKの発生タイミングでカウンタ
2502はカウント値がカウントアップされ、その都度
メモリ2501の読みだしを行う。ここでカウンタ25
02は値0からメモリ2501の全領域を一通りアドレ
スした後、メモリ2501の最終アドレスに至った時点
でカウント値をホールドするものとする。メモリ250
1には前述したような弦の弾きにより弦に与えられる加
速度に相当するデータが格納されており、カウンタ25
02の読みだし動作によりセレクタ2503のA入力に
入力される。なおメモリ2501の最終アドレスには値
0が格納されており、従ってカウンタ2502のカウン
ト値がメモリ2501の最終アドレスになった時点以降
は駆動波形データは値0が出力され続けることになる。
セレクタ2503はメモリ2501に格納された駆動波
形データがすべて読みだされるまでA入力の方を、その
後はB入力の方をセレクトするものとする。セレクタ2
503を介して駆動波形データはシフトレジスタ250
4に入力されるとともに、所望の楽音データとし出力さ
れる。シフトレジスタ2504においてはシフトクロッ
クSCK(サンプリングクロックに相当)の発生タイミ
ング毎に、入力されたデータをシフトし、シフトレジス
タ2504の語長分シフトされた後に出力される。従っ
てサンプリング周期をTs、シフトレジスタ2504の
語長をMとすると楽音データの周期Tは式2で表され
る。
【0009】
【数2】
【0010】このシフトレジスタ2504の動作は図2
6の模式図において、指Bから弦に入力される加速度が
弦2603を伝搬する、伝搬動作に対応しており、力が
弦2603を往復する時間が式2のTに相当する。
【0011】シフトレジスタ2504から出力された波
形データは演算手段2512において低域通過(高域遮
断)される。演算手段2512は一般に知られている一
次のFIRフィルタ動作をするものでありフィルタの伝
達関数H(z)は式3で与えられる。
【0012】
【数3】
【0013】なお双1次のフィルタや2次のフィルタを
用いても演算手段2512と同様の低域通過(高域遮
断)の処理は可能である。但し、双1次のフィルタや2
次のフィルタを使用した場合はそれらのフィルタ係数の
変更により低域通過(高域遮断)周波数の制御が可能と
なるが、回路規模が若干大きくなる。
【0014】演算手段2512から出力された波形デー
タはセレクタ2503のB入力に入力される。ここでメ
モリ2501の語長をNとすると、シフトレジスタ25
04の語長Mとの間に式4の関係がある。
【0015】
【数4】
【0016】従って、メモリ2501から入力された駆
動波形データのあるサンプル値xが選択手段2503,
遅延手段2511,演算手段2512で構成される回路
で処理された後、再びセレクタ2503のB入力に波形
データとして入力される時には、セレクタ2503はB
入力の方を選択していることになる。なお選択手段25
10の代わりに加算器を用いて実現してもかまわない。
この場合は式4に示す条件は必要ない。
【0017】以上のようにして、駆動波形発生手段25
09から出力された駆動波形データは選択手段251
0,遅延手段2511,演算手段2512で構成される
ループ状の回路を巡回することになる。この巡回動作に
より波形データは、演算手段2512によって次第に高
域成分が遮断されることになる。このことは、図26の
模式図において、弦2603を伝搬する加速度は、ナッ
ト2601及びブリッジ2602においてその高域成分
がボディ2605へ吸収されるといった動作に相当す
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の楽音合成装置では、図27に示すような整数
次倍音に共振峰をもつような楽音は合成できるが、例え
ば太鼓などのように、非整数次倍音に非常に多くの共振
峰をもつ楽音は合成することができないという問題点を
有していた。
【0019】また、例えば太鼓において、膜のたたく位
置を変えた場合や、膜の形状や厚みを変えた場合などに
生じる音色の変化に対応した楽音を合成することができ
ないという問題点を有していた。
【0020】さらに、同一の回路において、簡単なパラ
メータ変更のみで太鼓の音や木琴の音やシンバルの音な
どを切り換えて楽音を合成することが困難であるという
問題点を有していた。また、例えば太鼓や木琴やシンバ
ルなどのような打楽器音に対して正確な音高制御を行う
ことができないという問題点を有していた。
【0021】さらにまた、弦の発音機構を模擬しただけ
なので、例えばピアノのように弦に響板をつけたような
発音機構の楽器音に対応する楽音を合成することができ
ないという問題点をも有していた。
【0022】本発明は、上記問題点を解決し、例えば太
鼓などのように、非整数次倍音に非常に多くの共振峰を
もつ楽音を合成することや、例えば太鼓において、膜の
たたく位置を変えた場合や膜の形状や厚みを変えた場合
などに生じる音色の変化に対応した楽音を合成すること
や、同一の回路において、簡単なパラメータ変更のみで
太鼓の音や木琴の音やシンバルの音などを切り換えて、
容易に楽音を合成することや、例えば太鼓や木琴やシン
バルなどのような打楽器音に対して音高を正確に制御す
ることや、例えばピアノのように弦に響板をつけたよう
な発音機構の楽器音に対応する楽音を合成することを、
それぞれ可能として、簡単な構成および操作によって、
電子的に、非整数次倍音に非常に多くの共振峰をもつ多
くの自然楽器の発音機構を、容易にかつ高精度に近似す
ることができる楽音合成装置を提供することを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の楽音合成装置は、自然楽器の発音
機構を電子的に近似する楽音合成装置において、前記自
然楽器の発音機構に基づく駆動波形データを記憶し、演
奏操作に応じて前記駆動波形データを読み出す入力部
と、遅延器,乗算器,デジタルフィルタを閉ループ状に
接続したデータ循環路を複数有し、前記複数のデータ循
環路を介して前記入力部から読み出された駆動波形デー
タを循環させ、循環中の前記駆動波形データに基づくデ
ータを取り出すループ部と、前記ループ部から取り出さ
れたデータの総和を所望の楽音データとして出力する累
算部と、前記累算部から出力された前記楽音データを前
記ループ部に帰還する帰還部とを備えた構成とする。
【0024】請求項3に記載の楽音合成装置は、自然楽
器の発音機構を電子的に近似する楽音合成装置におい
て、前記自然楽器の発音機構に基づく駆動波形データを
記憶し、演奏操作に応じて前記駆動波形データを読み出
す入力部と、前記入力部から読み出された前記駆動波形
データに対してフィルタリングしたデータを出力するノ
ッチフィルタと、遅延器,乗算器,デジタルフィルタを
閉ループ状に接続したデータ循環路を複数有し、前記複
数のデータ循環路を介して前記ノッチフィルタから出力
されたデータを循環させ、循環中のデータを取り出すル
ープ部と、前記ループ部から取り出されたデータの総和
を所望の楽音データとして出力する累算部と、前記累算
部から出力された前記楽音データを前記ループ部に帰還
する帰還部とを備えた構成とする。
【0025】請求項5に記載の楽音合成装置は、自然楽
器の発音機構を電子的に近似する楽音合成装置におい
て、前記自然楽器の発音機構に基づく駆動波形データを
記憶し、演奏操作に応じて前記駆動波形データを読み出
す入力部と、遅延器,乗算器,デジタルフィルタを閉ル
ープ状に接続したデータ循環路を複数有し、前記複数の
データ循環路を介して前記入力部から読み出された駆動
波形データを循環させ、循環中の前記駆動波形データに
基づくデータを取り出すループ部と、音色変更指示に従
い前記ループ部の複数のデータ循環路内の遅延器の遅延
段数の変更を行う遅延段数制御部と、前記ループ部から
取り出されたデータの総和を所望の楽音データとして出
力する累算部と、前記累算部から出力された前記楽音デ
ータを前記ループ部に帰還する帰還部とを備えた構成と
する。
【0026】請求項7に記載の楽音合成装置は、自然楽
器の発音機構を電子的に近似する楽音合成装置におい
て、前記自然楽器の発音機構に基づく駆動波形データを
記憶し、演奏操作に応じて前記駆動波形データを読み出
す入力部と、遅延器,乗算器,デジタルフィルタを閉ル
ープ状に接続したデータ循環路を複数有し、前記複数の
データ循環路を介して前記入力部から読み出された駆動
波形データを循環させ、循環中の前記駆動波形データに
基づくデータを取り出すループ部と、音色変更指示に従
い前記ループ部の複数のデータ循環路において遅延器の
遅延段数が最も長いデータ循環路以外の乗算器の乗数の
値を小さくするループゲイン制御部と、前記ループ部か
ら取り出されたデータの総和を所望の楽音データとして
出力する累算部と、前記累算部から出力された前記楽音
データを前記ループ部に帰還する帰還部とを備えた構成
とする。
【0027】請求項8に記載の楽音合成装置は、自然楽
器の発音機構を電子的に近似する楽音合成装置におい
て、前記自然楽器の発音機構に基づく駆動波形データを
記憶し、演奏操作に応じて前記駆動波形データを読み出
す入力部と、遅延器,乗算器,ローパスフィルタを閉ル
ープ状に接続したデータ循環路を複数有し、前記複数の
データ循環路を介して前記入力部から読み出された駆動
波形データを循環させ、循環中の前記駆動波形データに
基づくデータを取り出すループ部と、音色変更指示に従
い前記ループ部の複数のデータ循環路内の乗算器の乗数
の値を制御するループゲイン制御部と、音色変更指示に
従い前記ループ部の複数のデータ循環路内のローパスフ
ィルタのフィルタ係数を低域通過周波数の値が大きくな
るように制御するフィルタ係数制御部と、前記ループ部
から取り出されたデータの総和を所望の楽音データとし
て出力する累算部と、前記累算部から出力された前記楽
音データを前記ループ部に帰還する帰還部とを備えた構
成とする。
【0028】請求項9に記載の楽音合成装置は、自然楽
器の発音機構を電子的に近似する楽音合成装置におい
て、前記自然楽器の発音機構に基づく駆動波形データを
記憶し、演奏操作に応じて前記駆動波形データを読み出
す入力部と、遅延器,乗算器,デジタルフィルタを閉ル
ープ状に接続したデータ循環路を複数有し、前記複数の
データ循環路を介して前記入力部から読み出された駆動
波形データを循環させ、循環中の前記駆動波形データに
基づくデータを取り出すループ部と、音色指示データに
従い前記ループ部の複数のデータ循環路内の遅延器の遅
延段数の比率データを出力する遅延段数比率制御部と、
音高データと前記遅延段数比率制御部が出力した比率デ
ータに基づき、基本ピッチデータを出力する基本ピッチ
制御部と、前記遅延段数比率制御部が出力した比率デー
タに基づき、前記ループ部の複数のデータ循環路内の遅
延器の遅延段数の補正データを計算する補正データ演算
部と、前記音高データと前記補正データ演算部が計算し
た前記補正データに基づき、前記複数のデータ循環路の
遅延器の遅延段数の制御を行う遅延段数制御部と、前記
ループ部から取り出されたデータの総和を所望の楽音デ
ータとして出力する累算部と、前記累算部から出力され
た前記楽音データを前記ループ部に帰還する帰還部とを
備えた構成とする。
【0029】請求項10に記載の楽音合成装置は、自然
楽器の発音機構を電子的に近似する楽音合成装置におい
て、前記自然楽器の発音機構に基づく駆動波形データを
記憶し、演奏操作に応じて前記駆動波形データを読み出
す入力部と、遅延器,乗算器,デジタルフィルタを閉ル
ープ状に接続したデータ循環路を有し、前記データ循環
路を介して前記入力部から読み出された駆動波形データ
を循環させ、循環中の前記駆動波形データに基づくデー
タを取り出す第1のループ部と、前記データ循環路を複
数有し、前記複数のデータ循環路を介して前記入力部か
ら読み出された駆動波形データを循環させ、循環中の前
記駆動波形データに基づくデータを取り出すようにした
第2のループ部と、前記第1のループ部と前記第2のル
ープ部とから取り出されたデータの総和を所望の楽音デ
ータとして出力する累算部と、前記累算部から出力され
た前記楽音データを前記第1のループ部と第2のループ
部に帰還する帰還部と、前記第1のループ部への楽音デ
ータの帰還ゲインを、前記第2のループ部への楽音デー
タの帰還ゲインよりも小さくなるように制御する帰還ゲ
イン制御部とを備えた構成とする。
【0030】
【作用】請求項1の構成によると、入力部が、太鼓の膜
をたたく時に与えられる力に相当する駆動波形データを
ループ部内の複数のデータ循環路に入力し、累算部及び
帰還部が、各データ循環路を循環した駆動波形データを
再び同じデータ循環路や異なるデータ循環路に帰還させ
る。このようにして、入力された駆動波形データは複数
のデータ循環路間で形成された新たな循環路を循環す
る。そして、ループ部は太鼓の膜のように非整数次倍音
関係となる多くの共振峰をもつ共鳴器として作用する。
【0031】請求項3の構成によると、ノッチフィルタ
が、入力部から読み出された駆動波形データの振幅スペ
クトルに対して、太鼓の膜をたたく位置に対応した周波
数位置にノッチを形成するようにフィルタリングを行
い、更にフィルタリング結果を用いて、ループ部と累算
部と帰還部が楽音データを合成する。このようにして、
太鼓の膜をたたく位置に応じた音を合成する。
【0032】請求項5の構成によると、遅延段数制御部
が、太鼓の膜の形状や厚みの違いに対応して、異なるル
ープ部内の各データ循環路の遅延段数を変更する。請求
項7の構成によると、入力部が、太鼓の膜をたたく時も
しくは木琴の板をたたく時に与えられる力に相当する駆
動波形データをループ部に入力し、ループゲイン制御部
が、ループ部の複数のデータ循環路において、遅延器の
遅延段数が最も長いデータ循環路以外の乗算器の乗数の
値を小さくし、基本となる共振峰より高い周波数の共振
峰を抑制するように、ループ部を変更する。このループ
部が、基本となる共振峰以外の共振峰を抑制するよう
に、支持した木琴の板を模擬する。
【0033】請求項8の構成によると、入力部が、太鼓
の膜をたたく時もしくはシンバルの板をたたく時に与え
られる力に相当する駆動波形データをループ部に入力
し、ループゲイン制御部が、ループ部の複数のデータ循
環路内の乗算器の乗数の値を、太鼓の場合の乗数値より
大きくし、更に、フィルタ係数制御部が、このループ部
の複数のデータ循環路内のローパスフィルタのフィルタ
係数を、低域通過周波数の値が大きくなるように制御
し、音の減衰時間を長くするとともに、高域まで共振峰
をもつようにループ部を変更する。このループ部が、板
の端を固定せずしかも中央の固定点にはフェルトなどを
挿入することにより、板以外への部材への振動のもれを
極度に小さくし、減衰と高域遮断量を小さくしたような
シンバルの板を模擬する。
【0034】請求項9の構成によると、入力部が、太鼓
の膜もしくは木琴の板もしくはシンバルの板をたたく時
に与えられる力に相当する駆動波形データをループ部に
入力し、遅延段数比率制御部がループ部の音色指示デー
タに応じて出力したループ部の各データ循環路内の遅延
器の遅延段数の比率データに基づき、補正データ演算部
がループ部の複数のデータ循環路内の遅延器の遅延段数
の補正データを計算し、基本ピッチ制御部が音高データ
と比率データに基づき基本ピッチデータを計算し、遅延
段数制御部が、基本ピッチデータと補正データに基づ
き、ループ部の複数のデータ循環路内の遅延器の遅延段
数を決定する。
【0035】請求項10の構成によると、入力部が、ピ
アノの弦などをたたく時に与えられる力に相当する駆動
波形データを弦を模擬した第1のループ部に入力し、第
1のループ部がピアノの弦の振動に相当する駆動波形デ
ータを形成し、累算部が累算した波形データを、帰還部
が、第1のループとピアノの響板などを模擬した第2の
ループ部に帰還し、帰還ゲイン制御部が、第1のループ
部への楽音データの帰還ゲインを、第2のループ部への
楽音データの帰還ゲインよりも小さくなるように制御
し、ピアノの響板に対して弦からの入力インピーダンス
がきわめて大きい物理状態を実現する。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例の楽音合成装置につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0037】本発明の第1の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は第1の実施例における楽音合成装置の構
成を示すブロック図である。図1において、101は太
鼓の膜をたたく時に与えられる力に相当する駆動波形デ
ータを記憶し演奏操作に応じてこれを読み出す入力部、
102,103,104,105は、遅延器,乗算器,
デジタルフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環
路、106はデータ循環路から出力されたデータの累算
を行う累算器、107,108,109,110は累算
器106の累算結果に対してゲイン調整を行いその結果
をそれぞれデータ循環路102,103,104,10
5に帰還する乗算器、111はデータ循環路102,1
03,104,105をまとめたループ部、112は乗
算器107,108,109,110をまとめた帰還
部、113は累算器106と帰還部112をまとめた出
力部である。
【0038】図2は入力部101の回路図である。図2
において、201は太鼓の膜をたたく時に与えられる力
に相当する駆動波形データを記憶したメモリ、202は
メモリ201の読み出しアドレスを出力するアドレスカ
ウンタである。
【0039】図3はデータ循環路102,103,10
4,105の回路図である。図3において、301は駆
動波形データと乗算器304の乗算結果の加算を行う加
算器、302は加算器305の加算結果を所定の時間遅
延させる遅延器、303は遅延器302から出力された
データの低域通過(高域遮断)を行うローパスフィル
タ、304はローパスフィルタ303から出力されたデ
ータのゲイン調整を行う乗算器、305は加算器301
の加算結果と帰還部112から帰還された帰還データと
の加算を行う加算器である。
【0040】図4は太鼓の膜の代表的は振動モードを示
す模式図である。図4(a)は太鼓の膜の端を節として
振動するモード、図4(b)は膜の中央線を節として振
動するモード、図4(c)は膜の十字線を節として振動
するモードである。なお図4(b),(c)において、
斜線部は振動の山、それ以外は振動の谷を表すものとす
る。また理論的に、図4(a)の振動モードの周波数を
1とすると、図4(b),(c)の振動の周波数はそれ
ぞれ1.59,2.14となることが知られている。ま
たこれらの振動モード以外にも数多くの振動モードが存
在するが、ここでは、それらの説明は省略する。
【0041】図5はループ部111の伝達特性を示す振
幅スペクトル図である。図5において、黒丸はデータ循
環路102の1次の共振峰の中心周波数部分をプロット
したもの、同様にして白丸はデータ循環路103の1次
の共振峰の中心周波数部分、黒四角はデータ循環路10
4の1次の共振峰の中心周波数部分、白四角はデータ循
環路105の1次の共振峰の中心周波数部分をプロット
したものである。なお黒丸は図4(a)、白丸は図4
(b)、黒四角は図4(c)に対応するように、予め、
データ循環路102,103,104内の遅延段数を調
整しておくこととする。
【0042】以上のような構成要素をもつ第1の実施例
における楽音合成装置について、以下、各構成要素相互
の関係と動作を説明する。まず図1、図2において、発
音指示フラグによりアドレスカウンタ202はアドレス
のカウントアップを開始しメモリ201に記憶された駆
動波形データを読み出す。アドレスが最終アドレスに到
達した時点でアドレスのカウントアップを停止するもの
とする。なお最終アドレスには値0を記憶しておくもの
とする。駆動波形データはループ部111に入力され、
データ循環路102,103,104,105において
それぞれの遅延器の遅延段数に対応する共振峰の周波数
成分が増幅される。この増幅された成分の1次成分が、
図5にプロットした黒丸,白丸,黒四角,白四角であ
る。ここで、2次,3次・・・成分は簡単のため省略す
る。
【0043】一方、データ循環路102,103,10
4,105において、循環せずにダイレクトに累算器1
06に出力される経路を有する。これは図3において駆
動波形データが加算器301を介してダイレクトに累算
器106に出力される経路のことである。この経路と累
算器106,帰還部112によって新たに循環路が形成
される。例えばデータ循環路102に入力された駆動波
形データがダイレクトに累算器106に入力され、累算
器106を介して帰還部112内の乗算器108に入力
される。乗算器108の出力はデータ循環路103の加
算器305,遅延器302,ローパスフィルタ303,
乗算器304,加算器301を介して累算器106に入
力され、累算器106を介して帰還部112内の乗算器
107に入力される。乗算器107の出力はデータ循環
路102の加算器305,遅延器302,ローパスフィ
ルタ303,乗算器304を通って再び加算器301に
戻る。
【0044】この循環路の遅延段数はデータ循環路10
2,103の遅延器の遅延段数の和となるので、データ
循環路102,103で形成される1次の共振峰より低
い周波数に1次の共振峰をもつフィルタとして作用す
る。このようにデータ循環路102,103,104,
105の種々の組み合わせで形成される循環路により、
図5の破線で示すような共振峰が形成される。これらの
共振峰の周波数は、データ循環路102,103,10
4,105内のそれぞれの遅延器の遅延段数を相異なる
遅延段数に設定しておくことにより、非整数次関係とな
る。なおデータ循環路102,103,104,105
の組み合わせ数の多い循環路ほどその循環経路中に入っ
てくる乗算器の影響(減衰)を受ける度合いが増えるの
で、共振峰のレベルが小さくなる。
【0045】以上のように本実施例により、データ循環
路102,103,104,105の1次の共振峰の周
波数を太鼓の膜の代表的な周波数(例えばその比率を
1,1.59,2.14,2.30)に設定しておくこ
とにより、データ循環路102,103,104,10
5個別の循環によって代表的な共振峰を形成する。更
に、累算器106,帰還部112によってデータ循環路
102,103,104,105の組み合わせによる新
たな循環路を形成することにより、代表的な共振峰以外
(共振レベルは代表的なものより小さい)の非整数次関
係になる多くの共振峰をもつフィルタとして作用させる
ことができ、太鼓の膜の振動音に近い楽音データを合成
することができる。
【0046】本発明の第2の実施例を図面に基づいて説
明する。図6は第2の実施例における楽音合成装置の構
成を示すブロック図である。なお、基本的な動作は図1
に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様である
ので、相違点のみについて説明する。図6において、6
01はノッチフィルタである。なお、その他の回路は、
図1に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様で
ある。
【0047】図7はノッチフィルタ601の回路図であ
る。図7において、701は駆動波形データを所定時間
遅延させる遅延器、702は遅延器701から出力され
たデータのゲインを調整する乗算器、703は駆動波形
データと乗算器702の乗算結果との減算を行う減算器
である。
【0048】図8は太鼓の膜を示す模式図である。図8
(a)は膜の上面図、(b)は側面図を表す。以上のよ
うな構成要素をもつ第2の実施例における楽音合成装置
について、以下、各構成要素相互の関係と動作を説明す
る。
【0049】まず図8を用いて、太鼓の膜をたたく位置
を変更した場合の膜の動きについて説明する。図8
(a)に示すように、膜は半径aの円形(等方)のもの
とする。また端からの張力は一様であり面密度はどの点
でも等しいものとする。従ってたたく位置を変更して音
色が変わるのは、半径軸方向と考えて良い。即ち、例え
ば端からの距離が等しければどこをたたいてもほとんど
音色は変わらない。図8(b)の膜の側面図において、
A点をたたいたと仮定する。この時、膜に与えられた力
は伝搬波形1,2としてB,C点方向に伝搬する。伝搬
波形2はB点で反射して、伝搬波形1とともにC点方向
に向かって膜上を伝搬していく。即ち膜に与えられた力
を伝搬波形1と伝搬波形2の重ね合わせととらえること
ができる。また重ね合わせにより伝搬波形1,2の間に
はAB間の距離に相当する時間差が生じる。この時間差
はたたく位置Aを例えばB点のような端に近づければ小
さくなり、膜の中央に近づければ大きくなることがわか
る。なお伝搬波形2はB点の端が固定されているために
反転することとなる。またB点を支持している部材にあ
る程度振動が吸収されるので減衰をうけることとなる。
以上の膜をたたいた瞬間に生じる動きを模擬したものが
図7に示すノッチフィルタである。駆動波形データとし
て、例えば図8(b)のA点に入力された力(パルス状
の波形)とする。駆動波形データはダイレクトに減算器
703に入力されるとともに、遅延器701と乗算器7
02を介して減算器703に入力される。遅延器701
においては図8(b)の伝搬波形1,2の時間差に相当
する遅延をうけ、更に乗算器702においては図8
(b)のB点において減衰をうけることに相当するゲイ
ン調整が行われる。また減算器703においては、図8
(b)のB点における反転と伝搬波形1,2の重ね合わ
せ処理が同時に行われ、減算器703からは図8(b)
に示す伝搬波形1,2の重ね合わされた波形に相当する
波形が出力される。この波形が図6におけるループ部1
11,出力部113に入力され、楽音データを合成す
る。なおノッチフィルタ601内の遅延器701の遅延
段数の変更は遅延段数指示データに基づいて行うが、例
えば遅延器701をリングメモリとし、その書込アドレ
スが読み出しアドレスより遅延段数指示データに先行す
るように制御すればよい。なお遅延段数指示データは図
8(b)のAB間の距離に比例する。
【0050】以上のように本実施例によれば、ノッチフ
ィルタ601が、太鼓の膜をたたく位置と膜の端との距
離に相当する遅延段数分、駆動波形データを遅延させる
とともに減衰と反転をおこない、その結果出力されたデ
ータと駆動波形データを重ね合わせることにより、図8
(b)に示すような、伝搬波形1,2を重ね合わせた波
形を形成することとなり、太鼓の膜をたたく位置に応じ
た音を合成することができる。
【0051】本発明の第3の実施例を図面に基づいて説
明する。図9は第3の実施例における楽音合成装置の構
成を示すブロック図である。なお、基本的な動作は図1
に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様である
ので、相違点のみについて説明する。図9において、9
01は、膜の形状や厚みを変更指示する形状・厚み変更
データに基づき、ループ部111内のデータ循環路10
2,103,104,105の遅延器の遅延段数を制御
する遅延段数制御部である。なお、その他の回路は、図
1に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様であ
る。
【0052】図10は遅延段数制御部901の回路図で
ある。図10において、1001はループ部111内の
データ循環路102,103,104,105の遅延器
の遅延段数を予め記憶したテーブル、1002,100
3,1004,1005は、テーブル1001から読み
出された遅延段数に基づき、それぞれデータ循環路10
2,103,104,105の遅延器の書込みアドレス
と読み出しアドレスを発生するアドレス発生部である。
図11はアドレス発生部1002,1003,100
4,1005の回路図及び遅延段数のデータフォーマッ
トである。なお図11(a)がアドレス発生部100
2,1003,1004,1005の回路図であり、図
11(b)が遅延段数のデータフォーマットである。図
11(a)において、1101は書込みアドレスのカウ
ントを行うカウンタ、1102はカウンタ1101のカ
ウント値と遅延段数との減算を行う減算器である。図1
1(b)において、全体は32ビットのデータ長であ
り、MSB側からそれぞれデータ循環路102,10
3,104,105の遅延器の遅延段数の値を格納す
る。各データ長は8ビットである。
【0053】図12は端を固定した円形板の代表的は振
動モードを示す模式図である。図12(a)は板の端を
節として振動するモード、図12(b)は板の同心円上
の1つの円を節として振動するモード、図12(c)は
板の同心円上の2つの円を節として振動するモードであ
る。なお図12(b),(c)において、斜線部は振動
の山、それ以外は振動の谷を表すものとする。また理論
的に、図12(a)の振動モードの周波数を1とする
と、図12(b),(c)の振動の周波数はそれぞれ
3.91,8.75となることが知られている。また、
これらの振動モード以外にも、数多くの振動モードが存
在するが、ここでは、それらの説明は省略する。
【0054】以上のような構成要素をもつ第3の実施例
における楽音合成装置について、以下、各構成要素相互
の関係と動作を説明する。図10において、テーブル1
001には厚みの無視できるある大きさの円形膜に対応
した遅延段数や、正方形の膜に対応した遅延段数や、板
のように厚みのある円形板に対応した遅延段数などを記
憶しておく。例えば厚みの無視できるある大きさの円形
膜の場合であれば、図4に示したような振動モード(周
波数の比率が1:1.59:2.14:2.30・・
・)を用いて、200h,142h,EFh,DFhの
データを記憶する。記憶のフォーマットは図11(b)
に示す通りである。また比率と遅延段数との関係は逆比
例の関係であり、またデータ循環路102の遅延段数
は、図4(a)に示す最も基本となる代表的な共振峰の
周波数(膜の大きさによって異なる)とサンプリング周
波数fsとから、理論的にだいたいの値を決めることが
できる。また解析的に膜や板の振動波形を録音したもの
の振幅スペクトルを調べることで、だいたいの値を決め
ることができる。
【0055】さて、板のように厚みのある円形板の場合
であれば、図12に示したような振動モード(周波数の
比率が1:3.91:8.75・・・)を用いて計算し
たデータや解析的に求めたデータを記憶させる。記憶さ
せたデータは形状・厚み変更データをアドレスとしてテ
ーブル1001から選択的に読み出し、図11(b)の
データフォーマット中の上位8ビットをアドレス発生部
1002、次の8ビットをアドレス発生部1003、次
の8ビットをアドレス発生部1004、最後(LSB
側)の8ビットをアドレス発生部1005に入力する。
アドレス発生部1002,1003,1004,100
5においては、図11(a)に示す回路により書込みア
ドレス及び読み出しアドレスが計算される。なお本実施
例においてはデータ循環路102,103,104,1
05の各遅延器はリングメモリとし、書込みアドレスが
読み出しアドレスよりも指定した遅延段数より先行する
形式でアドレッシングを行うことにより、データ循環路
102,103,104,105の各遅延器は、指定し
た遅延段数分データを遅延させる遅延器として機能す
る。
【0056】以上のように本実施例によれば、遅延段数
制御部901内のテーブル1001が、膜の形状や厚み
に相当する形状・厚み変更データに基づき予め記憶した
遅延段数を読みだし、アドレス発生部1002,100
3,1004,1005がループ部111のデータ循環
路102,103,104,105の遅延器の遅延段数
がテーブル1001から読みだした遅延段数となるよう
に、書き込みドレスと読みだしアドレスを設定するよう
にしたので、ループ部111の代表的な共振峰を、膜の
形状によって決まる周波数比率となるように、また板の
ように厚みをもったもの固有の周波数比率となるように
制御できる。即ち太鼓の膜の形状や厚みの違いに応じた
音色変化を実現することができる。
【0057】本発明の第4の実施例を図面に基づいて説
明する。図13は第4の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。なお、基本的な動作は図
1に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様であ
るので、相違点のみについて説明する。図13におい
て、1301は木琴指示フラグに応じてループ部111
のデータ循環路102,103,104,105内の乗
算器の乗数を変更するループゲイン制御部である。な
お、その他の回路は、図1に示す第1の実施例における
楽音合成装置と同様である。
【0058】図14はループゲイン制御部1301の回
路図及びループゲインのデータフォーマットを示すもの
である。図14(a)がループゲイン制御部1301の
回路図、図14(b)がデータフォーマットである。図
14(a)において、1401は、予めループ部111
のデータ循環路102,103,104,105内の乗
算器の乗数(以下、ループゲインとする)を記憶し常に
記憶したループゲインを読み出すとともに、ループゲイ
ン(全32ビット)の上位8ビット(ビット31〜ビッ
ト24)を、ループゲイン1としてデータ循環路102
に入力するテーブル、1402は、木琴指示フラグがア
クティブの時に値0.5を選択し、それ以外は値1.0
を選択するセレクタ、1403は、セレクタ1402の
選択結果とテーブル1401から読み出されたループゲ
インのビット23〜ビット16との乗算を行い、乗算結
果をループゲイン2としてデータ循環路103に入力す
る乗算器、1404は、セレクタ1402の選択結果と
テーブル1401から読み出されたループゲインのビッ
ト15〜ビット8との乗算を行い、乗算結果をループゲ
イン3としてデータ循環路104に入力する乗算器、1
405は、セレクタ1402の選択結果とテーブル14
01から読み出されたループゲインのビット7〜ビット
0との乗算を行い、乗算結果をループゲイン4としてデ
ータ循環路105に入力する乗算器である。
【0059】図15は木琴の板の代表的な振動モードを
示す模式図である。図15(a)は木琴の板の側面図、
図15(b)は木琴の板の基本の振動モードを表し、図
15(c)は基本振動の2.8次倍音の振動モードを表
し、図15(d)は基本振動の5.4次倍音の振動モー
ドを表す。
【0060】以上のような構成要素をもつ第4の実施例
における楽音合成装置について、以下、各構成要素相互
の関係と動作を説明する。まず図15(a)の木琴の板
の側面図において、木琴の板はA,B点で支持されてい
る。これらの点は木琴の板の全体長を1とすると、端か
ら約0.224の距離の位置となる。この位置は、図1
5(b)に示す基本振動の節にあたる点であり、また図
15(c),(d)の振動の腹の中心に近い点にあた
る。そのため支持点は図15(b)の基本振動以外、即
ち図15(c),(d)の振動を抑制する働きがあり、
結果的に木琴の板の共振音は、2.8次倍音や5.4次
倍音といった木琴の板の固有振動(基本振動に対する非
整数次倍音)の成分はほとんど聞こえない、即ち基本振
動が支配的な音となる。そのため音程感のはっきりした
音となる。
【0061】この特徴的な支持方法による非整数次倍音
の抑制作用を行うブロックが、ループゲイン制御部13
01である。ループ部111のデータ循環路102を木
琴の板の基本振動に相当するものとし、データ循環路1
03,104,105を2.8次や5.4次などの抑制
作用をうける非整数次倍音に相当するものとする。図1
4において、テーブル1401は予め記憶したループゲ
インのデフォルト値(例えば図14(b)に示すF0
h)をループゲイン1,2,3,4としてループ部11
1のデータ循環路102,103,104,105の乗
算器に与える。ここでF0hは小数以下の数値を表すも
のとするので、ループゲインは約0.94となる。セレ
クタ1402は木琴指示フラグがアクティブになった
時、即ち木琴が指示された時に値0.5を選択し、乗算
器1403,1404,1405に乗数として与える。
そのためループゲイン2,3,4の値は0.47とな
り、結果的にデータ循環路103,104,105の共
振峰の振幅レベルがデータ循環路102の共振峰のレベ
ルよりも相対的に小さくなる。なお小さくする量は予め
セレクタ1402に設定した0.5に相当するパラメー
タ値の調整によって簡単に実現できる。またレベル調整
を独立に行う場合は0.5に相当するパラメータ値を独
立にもてばよい。なお木琴指示フラグに応じて、太鼓の
膜をたたく時に与える力に相当する駆動波形データもし
くは、木琴の板をたたく時に与えられる力に相当する駆
動波形データに切り換えることとする。この動作は、入
力部101内のメモリ201には、予めそれぞれの駆動
波形データを記憶しておき、メモリ201のアドレスを
木琴指示フラグに応じて変更することにより簡単に実現
できるので、特に図面による説明は省略する。
【0062】以上のように本実施例によれば、ループゲ
イン制御部1301が木琴指示フラグに応じて、木琴の
板の基本振動を形成するデータ循環路102のループゲ
インは変更せず、抑制されるべき非整数次倍音を形成す
るデータ循環路103,104,105のループゲイン
をデータ循環路102のループゲインよりも小さくする
とともに、入力部101が、木琴指示フラグに応じて太
鼓の膜をたたく時に与えられる力に相当する駆動波形デ
ータ、もしくは木琴の板をたたく時に与えられる力に相
当する駆動波形データを、選択的にループ部111に入
力することにより、同一の回路で、パラメータの変更だ
けで太鼓の音と木琴の音とを切り換えることができる。
【0063】本発明の第5の実施例を図面に基づいて説
明する。図16は第5の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。なお、基本的な動作は図
1に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様であ
るので、相違点のみについて説明する。図16におい
て、1601はシンバル指示フラグに応じてループ部1
11のデータ循環路102,103,104,105内
のローパスフィルタのフィルタ係数の制御を行うフィル
タ係数制御部、1602はシンバル指示フラグに応じて
ループ部111のデータ循環路102,103,10
4,105内の乗算器の乗数であるループゲインの制御
を行うループゲイン制御部である。なお、その他の回路
は、図1に示す第1の実施例における楽音合成装置と同
様である。
【0064】図17はフィルタ係数制御部1601の回
路図である。図17において、1701はシンバル指示
フラグがアクティブの時に値0.5を選択し、それ以外
は値として−0.88を選択するセレクタである。
【0065】図18はループゲイン制御部1602の回
路図である。図18において、1801はシンバル指示
フラグがアクティブの時に値0.999を選択し、それ
以外は値0.9を選択するセレクタである。
【0066】図19はシンバルの横断面図である。図1
9において、1901はシンバル本体、1902はシン
バルの支持棒、1903はフェルトである。以上のよう
な構成要素をもつ第5の実施例における楽音合成装置に
ついて、以下、各構成要素相互の関係と動作を説明す
る。
【0067】まず図19において、シンバルの本体19
01は端が自由端であるので、太鼓の膜のように端の固
定部分による振動の減衰作用がない。また中央部の棒1
902による固定においてもフェルト1903によって
シンバルの本体1901から棒1902への振動のもれ
を防止しているので、この点における振動の減衰作用が
少ない。従ってシンバルの本体(板)は太鼓の膜や木琴
の板と比較すると、振動の減衰時間がながく、また高域
成分も比較的抑制作用をうけない。このことを模擬する
ために、ループゲイン制御部1602はループ部111
のデータ循環路102,103,104,105のルー
プゲインを大きくするように機能し、またフィルタ係数
制御部1601はループ部111のデータ循環路10
2,103,104,105内のローパスフィルタの低
域通過(高域遮断)周波数fcを高くするように機能す
る。図17において、シンバル指示フラグがアクティブ
の時、セレクタ1701は値0.5を選択する。ここで
データ循環路102,103,104,105内のロー
パスフィルタとして双1次型を使用するものとする。こ
の場合、フィルタ係数0.5の時、fcは約1kHzと
なる。シンバル指示フラグがアクティブでない時はセレ
クタ1701は値として−0.88を選択する。この時
はfcは約20kHzとなる。選択されたデータは、デ
ータ循環路102,103,104,105内のローパ
スフィルタのフィルタ係数として与えられる。
【0068】一方、図18において、シンバル指示フラ
グがアクティブの時、セレクタ1801は値0.999
を選択し、それ以外は0.9を選択する。そして選択さ
れたデータはデータ循環路102,103,104,1
05内の乗算器のループゲインとして与えられる。なお
シンバル指示フラグに応じて、太鼓の膜をたたく時に与
える力に相当する駆動波形データもしくは、シンバルの
板をたたく時に与えられる力に相当する駆動波形データ
に切り換えることとする。この動作は、入力部101内
のメモリ201には、予めそれぞれの駆動波形データを
記憶しておき、メモリ201のアドレスを木琴指示フラ
グに応じて変更することにより簡単に実現できるので、
特に図面による説明は省略する。
【0069】以上のように本実施例によれば、シンバル
指示フラグに応じて、フィルタ係数制御部1601が、
ループ部111のデータ循環路102,103,10
4,105内のローパスフィルタのfcを、太鼓の膜の
場合よりも高くなるように設定し、またループゲイン制
御部1602が、ループ部111のデータ循環路10
2,103,104,105内のループゲインをを太鼓
の膜の場合よりも大きくなるように設定するとともに、
入力部101が、シンバル指示フラグに応じて太鼓の膜
をたたく時に与えられる力に相当する駆動波形データ、
もしくはシンバルの板をたたく時に与えられる力に相当
する駆動波形データを、選択的にループ部111に入力
することにより、同一の回路で、パラメータの変更だけ
で太鼓の音とシンバルの音とを切り換えることができ
る。
【0070】本発明の第6の実施例を図面に基づいて説
明する。図20は第6の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。なお、基本的な動作は図
1に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様であ
るので、相違点のみについて説明する。図20におい
て、2001は、音色指示データに基づき、ループ部1
11のデータ循環路102,103,104,105が
形成する共振峰の基本周波数の比率を表す比率データを
出力する遅延段数比率制御部、2002は、音高データ
及び比率データに基づき、ループ部111のデータ循環
路102,103,104,105が形成する共振峰の
基本周波数に相当する基本ピッチデータを出力する基本
ピッチ制御部、2003は、比率データに基づき、ルー
プ部111のデータ循環路102,103,104,1
05の遅延器の遅延段数の補正データを計算する補正デ
ータ演算部、2004は、基本ピッチデータ及び補正デ
ータに基づき、ループ部111のデータ循環路102,
103,104,105の遅延器の遅延段数を制御する
遅延段数制御部である。なお、その他の回路は、図1に
示す第1の実施例における楽音合成装置と同様である。
【0071】図21は遅延段数制御部2004の回路図
である。図21において、2101,2102,210
3,2104は基本ピッチデータ1,2,3,4と補正
データ1,2,3,4との減算を行う減算器、210
5,2106,2107,2108は減算器2101,
2102,2103,2104の減算結果に基づき遅延
段数を読み出すテーブルである。
【0072】図22はデータ循環路中の遅延器の遅延段
数と音程との関係を説明するための回路図である。図2
2において、2201はデータ循環路102の遅延器3
02の入力線路と出力部113の出力線路との間に入っ
てくる各種回路をまとめて表した仮想的なデジタルフィ
ルタである。これはデータ循環路103,104,10
5についても同じように仮想的なデジタルフィルタ22
01が遅延器302の前段に挿入されているものととら
えることができる。
【0073】なお遅延段数比率制御部2001,基本ピ
ッチ制御部2002,補正データ演算部2003は、演
算頻度は少ないが1回あたりの演算が複雑となるので、
マイコンを用いて実現するものとする。
【0074】以上のような構成要素をもつ第6の実施例
における楽音合成装置について、以下、各構成要素相互
の関係と動作を説明する。なお、比率データなどのパラ
メータを表1に示すような記号を用いて説明する。また
パラメータはデータ循環路102,103,104,1
05のどれに対応したかを明確にするために、アルファ
ベットに番号をつけた表現にしているが、以下の説明に
おいて、データ循環路を特定しない、一般的な説明のも
のは番号なしの記号で説明する。
【0075】
【表1】
【0076】まず図22において、仮想的なデジタルフ
ィルタ2201の説明を行う。データ循環路102,1
03,104,105において図3に示す加算器305
がループ中になく、データ循環路どうしでの信号の乗り
入れがなければ、仮想的なデジタルフィルタ2201は
考えなくて良い。本実施例においてはデータ循環路どう
しでの信号の乗り入れが実際に生じる。この場合におい
て、正確な音高制御を行うためには、仮想的なデジタル
フィルタ2201の位相遅延量Nは聴感上識別できる大
きさであるので無視することはできない。なお説明を簡
単にするために、まずローパスフィルタ303の位相遅
延量は無視した説明を行い、後で無視しない場合の説明
を行う。図22に示すデータ循環路の共振峰の基本周波
数をf、データ循環路全体のループ長をL、遅延器30
2の遅延段数をM、仮想的なデジタルフィルタ2201
の位相遅延量をNとする。なおL,M,Nともに単位は
段数(サンプリングの回数)であり実数とする。サンプ
リング周波数をfsとすると、fs,f,L,M,Nの
間には式5,式6に示す関係が成り立つ。
【0077】
【数5】
【0078】
【数6】
【0079】さて、遅延段数比率制御部2001は音色
指示データに基づき比率データrを出力する。例えばメ
モリなどに予め記憶した比率データrを音色指示データ
に基づいて読み出すことにより簡単に実現できる。音色
指示データとして太鼓(膜)を指示した場合は、r1が
1、r2が1.59、r3が2.14、r4が2.3と
なるデータセットを、基本ピッチ制御部2002及び補
正データ演算部2003に出力する。基本ピッチ制御部
2002において、音高データXと比率データrに基づ
き基本ピッチデータPを計算する。音高データX、比率
データr、基本ピッチデータPは、式7に示す関係とな
る。但し、音高データX及び基本ピッチデータPの単位
はセントとし、基準の周波数を1Hzとする。即ち0セ
ントが1Hzに相当するように仮定する。
【0080】
【数7】
【0081】また音高データXに対応する周波数をfと
するとXとfとの関係は式8のようになる。
【0082】
【数8】
【0083】補正データ演算部2003において、仮想
的なデジタルフィルタ2201の位相遅延量Pの計算が
行われる。ここでデータ循環路102の場合の仮想的な
デジタルフィルタ2201の伝達関数H1は式9で与え
られる。
【0084】
【数9】
【0085】またH1の位相遅延量は式10で与えられ
る。
【0086】
【数10】
【0087】なお、wは角周波数,Tsは1サンプリン
グ時間を表す。また記号∠は、伝達関数の位相遅れ角度
[rad]をかえす関数として作用する。一方、遅延段
数制御部2004が制御する遅延器302の遅延段数を
1周期とする振動の音高をCM1とすると、CM1とf
sとL1,P1の関係は式11で与えられる。
【0088】
【数11】
【0089】L1は式12で与えられ、式10と式12
を式11に代入して整理すると、式13が得られる。但
しこの場合、式10に示す仮想的なデジタルフィルタの
位相遅延量P1は周波数がf1の場合の位相遅延量とす
る。その理由は、太鼓などの打楽器において、音程を最
も強く感じる周波数は、1次の振動モードの基本周波数
である場合が多い。正確な音程感を得るためには、少な
くともデータ循環路102の基本の共振峰の周波数に対
応する位相遅延量を求めることが必要だからである。
【0090】
【数12】
【0091】
【数13】
【0092】式13の第2項はg、即ち比率データrの
関数となっており、音高に関係なく音色だけで決まるパ
ラメータである。これを補正データh1とし、補正デー
タ演算部2003が計算して出力する。式13の第1項
は単位がセントのデータであり、例えばf1をfとする
と音高データXになる。基本ピッチ制御部2002が式
7を実行した後に遅延段数制御部2004に対して、こ
の第1項を基本ピッチデータとして出力する。遅延段数
制御部2004内の加算器2101,2102,210
3,2104は基本ピッチデータPと補正データhとを
加算しCMを算出する。テーブル2105,2106,
2107,2108は単位がセントであるデータCMを
単位が段数である遅延段数Mに変換する。
【0093】さて、ローパスフィルタ303の位相遅延
が無視できない場合は、遅延段数制御部2004内のテ
ーブル2105,2106,2107,2108の後段
にフィルタ係数に基づきローパスフィルタ303の位相
遅延を計算し、計算結果をテーブル2105,210
6,2107,2108の出力から減算することで対応
することができる。
【0094】以上のように本実施例によれば、遅延段数
比率制御部2001が、音色指示データに基づきメモリ
の読み出しなどによって比率データrを出力し、基本ピ
ッチ制御部2002が比率データrと音高データXに基
づき単位がセントの基本ピッチデータを計算により求
め、補正データ演算部2003が比率データrに基づ
き、仮想的なデジタルフィルタ2201の位相遅延量に
対応する単位がセントの補正データhを計算により求
め、遅延段数制御部2004が、データ循環路102,
103,104,105のループ長Lに相当する基本ピ
ッチデータから仮想的なデジタルフィルタ2201の位
相遅延量Nに対応する補正データhを減算するととも
に、減算結果を遅延器302の遅延段数として決定する
ことにより、太鼓やシンバルや木琴などの打楽器音に対
して、正確な音高制御を行うことができる。
【0095】本発明の第7の実施例を図面に基づいて説
明する。図23は第7の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。なお、基本的な動作は図
1に示す第1の実施例における楽音合成装置と同様であ
るので、相違点のみについて説明する。図23におい
て、2301は例えばピアノやギターの弦を模擬した第
1のループ部を構成するデータ循環路、2302は、累
算器106の累算結果と乗算器2303の乗算結果との
乗算を行い、乗算結果をデータ循環路2301に帰還す
る乗算器、2303は予め設定した値として−0.5と
0.001との乗算を行う乗算器、2304は帰還ゲイ
ン制御部、2305は帰還部である。なお、その他の回
路は、図1に示す第1の実施例における楽音合成装置と
同様である。またデータ循環路2301は図1に示す第
1の実施例における楽音合成装置のデータ循環路10
2,103,104,105と同じ構成である。但しル
ープゲインやローパスフィルタの係数などのパラメータ
は、弦を最もよく近似する値に設定しておくものとす
る。
【0096】図24はピアノの発音機構を表す模式図で
ある。図24において、2401は弦、2402は響板
である。以上のような構成要素をもつ第7の実施例にお
ける楽音合成装置について、以下、各構成要素相互の関
係と動作を説明する。
【0097】まず図24において、ハンマが弦のA点を
たたくことにより、弦に力が与えられる。この力が弦上
の伝搬と端での反射を繰り返すことにより弦の振動が生
じる。
【0098】この振動は、例えば右端の固定点を介し
て、響板に伝えられる。伝えられた振動が響板上の伝搬
と端での反射を繰り返すことにより響板の振動が生じ
る。そして響板の振動も、例えば右端の固定点を介し
て、弦に伝えられる。これらの動作を繰り返すことのよ
り、弦の振動と響板の振動が融合した音が生成される。
【0099】以上の動作を実現したものが、図23に示
す楽音合成装置である。入力部101は、ピアノの弦を
たたく時に与えられる力に相当する駆動波形データをデ
ータ循環路2301に入力する。データ循環路2301
は駆動波形データを循環させることにり、弦上の力の伝
搬,反射で生じる弦の振動に相当するデータを出力す
る。このデータは、累算器106及び乗算器107,1
08,109,110を介して、第2のループ部として
のループ部111に入力される。ループ部111は、第
3の実施例で説明したように、板のような厚みをもった
面を模擬することができるので、ピアノの響板にも応用
できる。ループ部111において響板の振動に相当する
データが生成され、このデータは累算器106及び乗算
器2302を介してデータ循環路2301に入力され
る。
【0100】ここで、乗算器2302,107,10
8,109,110による帰還ゲインについて説明す
る。乗算器107,108,109,110は、響板の
代表的な各振動モード間での振動の干渉度合い(結合度
合い)を表すものであり、同じ材質内での干渉なので非
常に密な結合となり、乗数(帰還ゲイン)の絶対値は大
きな値となる。これに対して、乗算器2302の乗数
(帰還ゲイン)は、弦と響板間での振動の干渉度合い
(結合度合い)に材質などの種類が異なることによる機
械的なインピーダンスのミスマッチがあり、小さな値と
なる。
【0101】なお本実施例の楽音合成装置はピアノだけ
でなく、例えばエレクトリックギターの弦とボディの干
渉作用も模擬することが可能である。また、太鼓の膜に
弦をはったような世の中にないようなモデルも模擬する
ことが可能である。
【0102】以上のように本実施例によれば、データ循
環路2301がピアノの弦の振動に相当するデータを生
成し、ループ部111がピアノの響板の振動に相当する
データを生成し、これらのデータを累算器106及び乗
算器2302,107,108,109,110がデー
タ循環路2301とループ部111間で干渉させあうよ
うにし、さらに帰還ゲイン制御部2304がピアノの弦
と響板の結合状態に適合するように帰還部2305の帰
還ゲインを制御するようにしたので、ピアノのような弦
に響板をつけたような発音機構の楽音を合成することが
できる。
【0103】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、入力部
が、太鼓の膜をたたく時に与えられる力に相当する駆動
波形データをループ部内の複数のデータ循環路に入力
し、累算部及び帰還部が、各データ循環路を循環した駆
動波形データを再び同じデータ循環路や異なるデータ循
環路に帰還させる。このようにして、入力された駆動波
形データは複数のデータ循環路間で形成された新たな循
環路を循環する。そして、ループ部は太鼓の膜のように
非整数次倍音関係となる多くの共振峰をもつ共鳴器とし
て作用することができる。
【0104】そのため、例えば太鼓などのように、非整
数次倍音に非常に多くの共振峰をもつ楽音を合成するこ
とができる。また、ノッチフィルタが、入力部から読み
出された駆動波形データの振幅スペクトルに対して、太
鼓の膜をたたく位置に対応した周波数位置にノッチを形
成するようにフィルタリングを行い、更にフィルタリン
グ結果を用いて、ループ部と累算部と帰還部が楽音デー
タを合成する。このようにして、太鼓の膜をたたく位置
に応じた音を合成することができる。また、遅延段数制
御部が、太鼓の膜の形状や厚みの違いに対応して、異な
るループ部内の各データ循環路の遅延段数を変更するこ
とができる。
【0105】そのため、例えば太鼓において、膜のたた
く位置を変えた場合や、膜の形状や厚みを変えた場合な
どに生じる音色の変化に対応した楽音を合成することが
できる。
【0106】また、入力部が、太鼓の膜をたたく時もし
くは木琴の板をたたく時に与えられる力に相当する駆動
波形データをループ部に入力し、ループゲイン制御部
が、ループ部の複数のデータ循環路において、遅延器の
遅延段数が最も長いデータ循環路以外の乗算器の乗数の
値を小さくし、基本となる共振峰より高い周波数の共振
峰を抑制するように、ループ部を変更する。このループ
部が、基本となる共振峰以外の共振峰を抑制するよう
に、支持した木琴の板を模擬することができる。また、
入力部が、太鼓の膜をたたく時もしくはシンバルの板を
たたく時に与えられる力に相当する駆動波形データをル
ープ部に入力し、ループゲイン制御部が、ループ部の複
数のデータ循環路内の乗算器の乗数の値を、太鼓の場合
の乗数値より大きくし、更に、フィルタ係数制御部が、
このループ部の複数のデータ循環路内のローパスフィル
タのフィルタ係数を、低域通過周波数の値が大きくなる
ように制御し、音の減衰時間を長くするとともに、高域
まで共振峰をもつようにループ部を変更する。このルー
プ部が、板の端を固定せずしかも中央の固定点にはフェ
ルトなどを挿入することにより、板以外への部材への振
動のもれを極度に小さくし、減衰と高域遮断量を小さく
したようなシンバルの板を模擬することができる。
【0107】そのため、同一の回路において、簡単なパ
ラメータ変更のみで、容易に太鼓の音や木琴の音やシン
バルの音などを切り換えて楽音を合成することができ
る。また、入力部が、太鼓の膜もしくは木琴の板もしく
はシンバルの板をたたく時に与えられる力に相当する駆
動波形データをループ部に入力し、遅延段数比率制御部
がループ部の音色指示データに応じて出力したループ部
の各データ循環路内の遅延器の遅延段数の比率データに
基づき、補正データ演算部がループ部の複数のデータ循
環路内の遅延器の遅延段数の補正データを計算し、基本
ピッチ制御部が音高データと比率データに基づき基本ピ
ッチデータを計算し、遅延段数制御部は、基本ピッチデ
ータと補正データに基づき、ループ部の複数のデータ循
環路内の遅延器の遅延段数を決定することができる。
【0108】そのため、例えば太鼓や木琴やシンバルな
どのような打楽器音に対して正確な音高制御を行うこと
ができる。また、入力部が、ピアノの弦などをたたく時
に与えられる力に相当する駆動波形データを弦を模擬し
た第1のループ部に入力し、第1のループ部がピアノの
弦の振動に相当する駆動波形データを形成し、累算部が
累算した波形データを、帰還部が、第1のループとピア
ノの響板などを模擬した第2のループ部に帰還し、帰還
ゲイン制御部が、第1のループ部への楽音データの帰還
ゲインを、第2のループ部への楽音データの帰還ゲイン
よりも小さくなるように制御し、ピアノの響板に対して
弦からの入力インピーダンスがきわめて大きい物理状態
を実現することができる。
【0109】そのため、例えばピアノのように弦に響板
をつけたような発音機構の楽器音に対応する楽音を合成
することができる。以上のように、それぞれを可能とす
ることにより、簡単な構成および操作によって、電子的
に、非整数次倍音に非常に多くの共振峰をもつ多くの自
然楽器の発音機構を、容易にかつ高精度に近似すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の楽音合成装置の構成図
【図2】同実施例の入力部の回路図
【図3】同実施例のデータ循環路の回路図
【図4】同実施例の太鼓の膜の代表的な振動モードを示
す模式図
【図5】同実施例のループ部の伝達特性を示す振幅スペ
クトル図
【図6】本発明の第2の実施例の楽音合成装置の構成図
【図7】同実施例のノッチフィルタの回路図
【図8】同実施例の太鼓の膜を示す模式図
【図9】本発明の第3の実施例の楽音合成装置の構成図
【図10】同実施例の遅延段数制御部の回路図
【図11】同実施例のアドレス発生部の回路図と遅延段
数のデータフォーマット
【図12】同実施例の板の代表的な振動モードを示す模
式図
【図13】本発明の第4の実施例の楽音合成装置の構成
【図14】同実施例のループゲイン制御部の回路図とデ
ータフォーマット
【図15】同実施例の木琴の板の代表的な振動モードを
示す模式図
【図16】本発明の第5の実施例の楽音合成装置の構成
【図17】同実施例のフィルタ係数制御部の回路図
【図18】同実施例のループゲイン制御部の回路図
【図19】同実施例のシンバルの横断面図
【図20】本発明の第6の実施例の楽音合成装置の構成
【図21】同実施例の遅延段数制御部の回路図
【図22】同実施例の遅延器の遅延段数と音程との関係
の説明図
【図23】本発明の第7の実施例の楽音合成装置の構成
【図24】同実施例のピアノの発音機構を表わす模式図
【図25】従来の楽音合成装置のブロック図
【図26】弦楽器の発音機構を表わす模式図
【図27】同従来例の楽音データの振幅スペクトル図
【符号の説明】
101 入力部 111 ループ部 106 累算器 112,2305 帰還部 601 ノッチフィルタ 901,2004 遅延段数制御部 1301,1602 ループゲイン制御部 1601 フィルタ係数制御部 2001 遅延段数比率制御部 2002 基本ピッチ制御部 2003 補正データ演算部 2304 帰還ゲイン制御部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然楽器の発音機構を電子的に近似する
    楽音合成装置において、前記自然楽器の発音機構に基づ
    く駆動波形データを記憶し、演奏操作に応じて前記駆動
    波形データを読み出す入力部と、遅延器,乗算器,デジ
    タルフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環路を複
    数有し、前記複数のデータ循環路を介して前記入力部か
    ら読み出された駆動波形データを循環させ、循環中の前
    記駆動波形データに基づくデータを取り出すループ部
    と、前記ループ部から取り出されたデータの総和を所望
    の楽音データとして出力する累算部と、前記累算部から
    出力された前記楽音データを前記ループ部に帰還する帰
    還部とを備えた楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 帰還部を、ループ部に対して、楽音デー
    タに所定のゲインを乗じたデータを帰還するよう構成し
    た請求項1に記載の楽音合成装置。
  3. 【請求項3】 自然楽器の発音機構を電子的に近似する
    楽音合成装置において、前記自然楽器の発音機構に基づ
    く駆動波形データを記憶し、演奏操作に応じて前記駆動
    波形データを読み出す入力部と、前記入力部から読み出
    された前記駆動波形データに対してフィルタリングした
    データを出力するノッチフィルタと、遅延器,乗算器,
    デジタルフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環路
    を複数有し、前記複数のデータ循環路を介して前記ノッ
    チフィルタから出力されたデータを循環させ、循環中の
    データを取り出すループ部と、前記ループ部から取り出
    されたデータの総和を所望の楽音データとして出力する
    累算部と、前記累算部から出力された前記楽音データを
    前記ループ部に帰還する帰還部とを備えた楽音合成装
    置。
  4. 【請求項4】 ノッチフィルタを、入力部から入力され
    た駆動波形データと前記駆動波形データが所定時間遅延
    したデータとの減算値を出力するよう構成した請求項3
    に記載の楽音合成装置。
  5. 【請求項5】 自然楽器の発音機構を電子的に近似する
    楽音合成装置において、前記自然楽器の発音機構に基づ
    く駆動波形データを記憶し、演奏操作に応じて前記駆動
    波形データを読み出す入力部と、遅延器,乗算器,デジ
    タルフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環路を複
    数有し、前記複数のデータ循環路を介して前記入力部か
    ら読み出された駆動波形データを循環させ、循環中の前
    記駆動波形データに基づくデータを取り出すループ部
    と、音色変更指示に従い前記ループ部の複数のデータ循
    環路内の遅延器の遅延段数の変更を行う遅延段数制御部
    と、前記ループ部から取り出されたデータの総和を所望
    の楽音データとして出力する累算部と、前記累算部から
    出力された前記楽音データを前記ループ部に帰還する帰
    還部とを備えた楽音合成装置。
  6. 【請求項6】 遅延段数制御部に、予めループ部の複数
    のデータ循環路の遅延器の遅延段数を記憶したテーブル
    を設け、遅延段数制御部を、前記複数のデータ循環路の
    遅延器への書込みアドレスを読み出しアドレスよりも前
    記テーブルから読み出した遅延段数分だけ先行して出力
    するよう構成した請求項5に記載の楽音合成装置。
  7. 【請求項7】 自然楽器の発音機構を電子的に近似する
    楽音合成装置において、前記自然楽器の発音機構に基づ
    く駆動波形データを記憶し、演奏操作に応じて前記駆動
    波形データを読み出す入力部と、遅延器,乗算器,デジ
    タルフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環路を複
    数有し、前記複数のデータ循環路を介して前記入力部か
    ら読み出された駆動波形データを循環させ、循環中の前
    記駆動波形データに基づくデータを取り出すループ部
    と、音色変更指示に従い前記ループ部の複数のデータ循
    環路において遅延器の遅延段数が最も長いデータ循環路
    以外の乗算器の乗数の値を小さくするループゲイン制御
    部と、前記ループ部から取り出されたデータの総和を所
    望の楽音データとして出力する累算部と、前記累算部か
    ら出力された前記楽音データを前記ループ部に帰還する
    帰還部とを備えた楽音合成装置。
  8. 【請求項8】 自然楽器の発音機構を電子的に近似する
    楽音合成装置において、前記自然楽器の発音機構に基づ
    く駆動波形データを記憶し、演奏操作に応じて前記駆動
    波形データを読み出す入力部と、遅延器,乗算器,ロー
    パスフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環路を複
    数有し、前記複数のデータ循環路を介して前記入力部か
    ら読み出された駆動波形データを循環させ、循環中の前
    記駆動波形データに基づくデータを取り出すループ部
    と、音色変更指示に従い前記ループ部の複数のデータ循
    環路内の乗算器の乗数の値を制御するループゲイン制御
    部と、音色変更指示に従い前記ループ部の複数のデータ
    循環路内のローパスフィルタのフィルタ係数を低域通過
    周波数の値が大きくなるように制御するフィルタ係数制
    御部と、前記ループ部から取り出されたデータの総和を
    所望の楽音データとして出力する累算部と、前記累算部
    から出力された前記楽音データを前記ループ部に帰還す
    る帰還部とを備えた楽音合成装置。
  9. 【請求項9】 自然楽器の発音機構を電子的に近似する
    楽音合成装置において、前記自然楽器の発音機構に基づ
    く駆動波形データを記憶し、演奏操作に応じて前記駆動
    波形データを読み出す入力部と、遅延器,乗算器,デジ
    タルフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環路を複
    数有し、前記複数のデータ循環路を介して前記入力部か
    ら読み出された駆動波形データを循環させ、循環中の前
    記駆動波形データに基づくデータを取り出すループ部
    と、音色指示データに従い前記ループ部の複数のデータ
    循環路内の遅延器の遅延段数の比率データを出力する遅
    延段数比率制御部と、音高データと前記遅延段数比率制
    御部が出力した比率データに基づき、基本ピッチデータ
    を出力する基本ピッチ制御部と、前記遅延段数比率制御
    部が出力した比率データに基づき、前記ループ部の複数
    のデータ循環路内の遅延器の遅延段数の補正データを計
    算する補正データ演算部と、前記音高データと前記補正
    データ演算部が計算した前記補正データに基づき、前記
    複数のデータ循環路の遅延器の遅延段数の制御を行う遅
    延段数制御部と、前記ループ部から取り出されたデータ
    の総和を所望の楽音データとして出力する累算部と、前
    記累算部から出力された前記楽音データを前記ループ部
    に帰還する帰還部とを備えた楽音合成装置。
  10. 【請求項10】 自然楽器の発音機構を電子的に近似す
    る楽音合成装置において、前記自然楽器の発音機構に基
    づく駆動波形データを記憶し、演奏操作に応じて前記駆
    動波形データを読み出す入力部と、遅延器,乗算器,デ
    ジタルフィルタを閉ループ状に接続したデータ循環路を
    有し、前記データ循環路を介して前記入力部から読み出
    された駆動波形データを循環させ、循環中の前記駆動波
    形データに基づくデータを取り出す第1のループ部と、
    前記データ循環路を複数有し、前記複数のデータ循環路
    を介して前記入力部から読み出された駆動波形データを
    循環させ、循環中の前記駆動波形データに基づくデータ
    を取り出すようにした第2のループ部と、前記第1のル
    ープ部と前記第2のループ部とから取り出されたデータ
    の総和を所望の楽音データとして出力する累算部と、前
    記累算部から出力された前記楽音データを前記第1のル
    ープ部と第2のループ部に帰還する帰還部と、前記第1
    のループ部への楽音データの帰還ゲインを、前記第2の
    ループ部への楽音データの帰還ゲインよりも小さくなる
    ように制御する帰還ゲイン制御部とを備えた楽音合成装
    置。
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