JPH08502811A - 伝熱管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 伝熱管伝熱管は、その完成した形態に於いて、その長さ方向に沿って延長する複数の内部フィンを囲繞する外壁を有する。内部フィン及び外壁は、単一のシート材料で形成され、内部フィンは、長手方向の共通のシーム線から該シーム線及び伝熱管の長手方向に対して横方向に互いに逆向きに延長する各組のフィンで構成される。伝熱管は通常ロール成形法によって形成され、最初にシート材料又はストリップ材料に各組のフィンが形成され、次にシート材料又はストリップ材料の長手方向の軸に関して対称的に該シート材料又はストリップ材料の部分を塑性変形させて、外壁を形成する。通常、伝熱管はアルミニウム（またはその合金）のシート又はストリップから形成され、かつ形成された後にろう付けされる。伝熱管は、自動車のラジエータ、コンデンサ、オイルクーラ等に使用するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】 伝熱管 技術分野 本発明は、伝熱管に関し、特に自動車のラジエータ、コンデンサ、オイルクー ラ、ヒータ又はこれらの類似物のような熱交換器のための伝熱管に関する。 背景技術 伝熱管は、その中に第１の流体を送りつつ、該管の外面に第２の流体が接する ように構成される。前記第１の流体と第２の流体との間に温度差がある場合、伝 熱管の熱伝導性を有する壁部を介して両者の間で熱が伝達される。 伝熱管の内部に波形のフィン又はリブを設けて、熱伝達に使用される伝導材料 の表面積を増大させ、かつ／又は伝熱管の内部を通る前記流体に乱流を生じさせ ることは知られている。いずれの場合にも、熱伝達効率が高くなる。ある周知の 構造では、ロール成形されたクラッド・アルミニウムの管にシート状の波形フィ ンの形態をなすインサート材が装着されている。シート状の波形フィンを管の中 に挿入することは極めて困難であり、かつ管とシート状波形フィンのインサート 材との間に寸法的に厳しい公差が要求されることから、人手によりのみ行われる のが通例である。別の公知の構造では、アルミニウムのビレットを押出成形する ことによって伝熱管が形成される。この構造では、内部のリブが押し出し加工に よって形成されるが、押出成形された前記管がクラッド・アルミニウムではなく アルミニウム・ビレッドから形成され、そのために、 組立済みの熱交換器をろう付けしようとする際に支障が生じる。更に、押出成形 による伝熱管は製造コストが高い。 ヨーロッパ特許第０３０２２３２号明細書には、伝熱管の更に別の構造が示さ れており、波形インサート材が、金属シート又はストリップを変形することによ って管の外壁と一体に形成されている。しかしながら、このヨーロッパ特許第０ ３０２２３２号明細書に開示される伝熱管は、実際上、特に製造の自動化が要求 されるような場合には製造が困難である。 発明の開示 本願発明者は、上述した幾つかの問題点を解決するような伝熱管の改良につい て発明を行った。 本発明の第１の側面によれば、その長手方向に延長する複数の内部フィンを囲 繞する外壁からなる伝熱管であって、前記フィン及び外壁が単一のシート材料又 はストリップ材料から形成され、該フィンが、それぞれに前記シート材料又はス トリップ材料の各成形部分からなる各組のフィンからなり、前記各組のフィンが 、長手方向の共通のシーム線から、長手方向に対して横方向に互いに逆向きに延 長することを特徴とする伝熱管が提供される。 前記長手方向の共通のシーム線は、前記各フィンの組を伝導管の内部に配置す るように形成する際に内側に曲げられる伝熱管の壁部の各部分の接合線からなる 。 一般に、前記長手方向の共通のシーム線は、接着された継ぎ目、通例ろう付け された継ぎ目から構成される。 前記伝熱管が、その横断面に於いて前記シーム線に関して好適には実質的に対 称をなすように、１対のフィンの組が、前記シーム線から横方 向に好適には実質的に同程度延長するように設けられていると好都合である。 前記各組のフィンを画定するストリップ材料又はシート材料の前記成形部分が 、フィンを設けていない連結部分によって互いに分離されていると、好都合であ る。 前記各組のフィンが、それぞれ前記シート材料又はストリップ材料の長手方向 に延長する各周縁部に隣接して形成されていると、好都合である。 伝熱管は、熱伝導性を有することが要求されるから、伝熱管を形成するための ストリップ材料又はシート材料は、一般に金属又は合金である。前記ストリップ 材料又はシート材料が、伝熱管のろう付け及び最終製品である熱交換器のろう付 けを容易にするように、クラッド・アルミニウムからなると好都合である。前記 フィンの部分は、外壁部分との間でより熱伝導性の良い接続をするために、前記 外壁の各部分にろう付けされるのが通例である。 従って、本発明は、その第２の側面によれば、本明細書中に定義されるいずれ かの伝熱管を有する熱交換器からなる。 使用に際して、伝熱管は、熱伝達を行う流体が、その中を入口から離隔された 位置の出口へ、前記入口と出口との間に該伝熱管によって画定される流体通路に 沿って流れるように構成される。 好適には、伝導管の外面の形を、２つの実質的に平行な外側熱交換面が効率よ く設けられるように構成する。伝熱管の幅が、その厚さよりも実質的に大きいと 好都合である。 一般に、伝熱管の内部の各組のフィンは、前記外壁の各対向部分に熱伝達可能 に交互に接触する頂部と谷部とからなる波形に形成される。同様にして、前記波 形フィンは、フィン面が伝熱管の対向する外壁部分の 間を延長するようにキャスタレーション（castellatlon）即ち城郭風又はスプラ インのような形状又は他の適当な形状を有するように構成することができる。あ る好適実施例では、前記フィンに、該フィンの面を流体が通過し得るようにルー バ又はスリットが設けられている。一般に、前記波形フィンによって、前記伝熱 管の内部に沿って複数の長手方向に延長する流体通路が画定される。 一般に、前記伝熱管はロール成形法によって形成され、従って本発明は、その 第３の側面によれば、ストリップ材料又はシート材料の各変形可能な部分にそれ ぞれフィンの組を形成する過程と、次に前記ストリップ材料又はシート材料の別 の部分を変形して、前記各組のフィンを囲繞する外壁を設ける過程とからなり、 前記各組のフィンが、長手方向の共通のシーム線から、該シーム線の前記長手方 向に対して横向きに互いに逆方向に延長するようにしたことを特徴とする伝熱管 形成方法である。 前記各組のフィンの形成に続いて、前記シート材料を、その長手方向の軸に関 して対称に変形させて伝熱管を形成すると、好都合である。 前記フィンの組が設けられた前記シート材料の部分が、前記シート材料又はス トリップ材料の中間部分を前記各フィンの組に巻き付けて前記外壁を形成するよ うに（一般にロール成形により）互いに折り曲げられると、好都合である。 一般に、次に前記伝熱管を前記シーム線に沿ってろう付けして、前記フィンの 組間を連結する接合部を形成する。 図面の簡単な説明 以下に、本発明について添付図面を参照しつつ実施例を用いて詳細に説明する 。 第１図乃至第３図は、様々な構成を有する公知の伝熱管を示す図であ る。 第４図は、本発明による伝熱管の形成に於ける第１段階を示す図である。 第５図及び第６図は、本発明による伝熱管の形成に於ける中間段階を連続的に 示す図である。 第７図は、本発明による完成した伝熱管の断面図である。 第８図は、第７図に示される伝熱管の部分の好適実施例を示す図である。 第９図は、第７図に示される最終製品の伝熱管を形成するための装置を概略的 に示す図である。 発明を実施するための最良の形態 第１図乃至第３図に於いて、様々な型式の公知（従来技術）の伝熱管が示され ている。第１図は、クラッド・アルミニウムのストリップからロール成形され、 かつ長手方向の辺縁部に沿ってろう付けされる外壁１４からなる管１３を示して いる。次にフィン形状の波形インサート材１５が前記管内に挿入され、かつ外壁 １４と熱的に良好に接続されるようにろう付けされている。 第２図には、アルミニウムのビレット・ストックから一体的に押し出された押 出成形による伝熱管１６が示されている。フィン１７は、押し出しによって外壁 １８と一体的に形成される。第３図には、ビレッド・ストックから押出成形され た典型的なオイルクーラ用伝熱管１９が示されている。 本発明に関連する第４図乃至第９図には、参照符号１を付した細長い伝熱管の 断面が示されている。図示される伝熱管は、自動車のラジエータ、コンデンサ、 オイルクーラ、インタークーラ、ヒータ等のような熱 交換器に使用するのに適しており、伝熱管１の内部を送られる第１の流体（通常 、ラジエータ及びオイルクーラについては比較的高温である）と、前記伝熱管の 外面を通過する第２の流体（通常、ラジエータ及びオイルクーラについては比較 的低温である）との間で、熱が伝達されるようになっている。 伝熱管１は、最初平坦な一枚のクラッド・アルミニウムのストリップから、（ 後述する）ロール成形法によって、伝熱管１の内部に一体的な波形フィン２が形 成されるように一体的に形成される。次に前記伝熱管は、通常のろう付け法を用 いて（通常組立済みの熱交換器の他の部分と一致するように）ろう付けされ、長 手方向のシーム３に沿って一本の長手方向のろう接管接合部が形成され、かつ波 形フィン２の頂部及び谷部と外側を囲繞する管壁部４の内面との間を良好な熱伝 導性が得られるようにろう付けする。 第９図に於いて、クラッド・アルミニウムの連続ストリップ１１がリール５か らマルチステーション・ロール成形装置６の第１ステーションに供給される。一 般に、ロール成形装置６は１０乃至４０のステーションを有し、各ステーション が一般に、前記アルミニウムストリップの各部分を所定のパターン又は形状に対 称的に塑性変形させるように構成されたロール対によって構成されている。例え ば、最初の一連のロールステーションは、第４図に示されるそれぞれ連続する波 形フィンに（第４図及び第５図には一方の周辺部分のみが図示されている）が得 られるように、前記ストリップの長手方向の周辺部分を連続的に変形させるよう に構成される。ロール成形装置６の中間ステーションは、前記ストリップを第５ 図及び第６図に示されるような形状に、前記ストリップの形状がロール成形装置 ６を離れる際に、伝導管の最終的な形状である第７図に示される形状に変形され るまで、連続的に変形する。前記アルミニウ ムストリップは、その長手方向の軸２０に関して対称的な所望の形状に変形され るようになっているので、一連の「インライン形」ロール成形ステーション６を 用いた製造方法は特に好都合である。従って、単一のシート材から内部のフィン を一体的に成形した完全に連続する伝熱管を都合良く形成することが可能である 。伝熱管１はろう付けされたシーム３に関して対称であることから、該伝熱管に ついてその形状維持及び剛性を最大にすることができる。 前記連続管は、ロール成形装置６を離れる際に切断ステーション７に於いて所 望の長さに切断された後、コンベア８に載せて熱交換器ジグ９に搬送され、そこ で、切り出された前記伝熱管１を蛇腹形フィン１０の層状体１１（第２の流体の 流通マトリクス（matrix）を画定する）と交互に配置された後、一回のろう付け 作業で組立済みの熱交換器にろう付けされる。 第８図に於いて、前記ロール成形装置の所定のステーションには、波形フィン ２に穴開きルーバ又はスリット１２を形成するための穿孔手段を設けることがで きる。ルーバ１２によって伝動管１内を通過する流体の乱流が増加し、それによ って両流体管に於ける熱伝達効率が向上する。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年７月５日 【補正内容】 請求の範囲 １．外壁とその長手方向に延長する複数の内部フィンとからなり、前記フィン及 び外壁が単一のシート材料又はストリップ材料で形成され、かつ前記各フィンが 、前記シート材料又はストリップ材料の波形部分からなる伝熱管であって、 前記フィンが、第１のフィン列及び第２のフィン列からなり、前記各フィン列 が、それぞれ長手方向の共通のシーム線から、前記伝熱管の長手方向に対して横 方向に互いに逆向きに離隔された連続する複数のフィンからなり、前記伝熱管の 内部に於いて前記各フィンが、その頂部及び谷部に於いて交互に前記外壁の対向 する内而の部分と熱伝達可能に接することを特徴とする伝熱管。 ２．前記長手方向の共通のシーム線が接着された継き泪からなることを特徴とす る第１請求項記載の伝熱管。 ３．横断而に於いて前記シーム線に関して実質的に対称であることを特徴とする 第１請求項又は第２請求項に記載の伝熱管。 ４．前記各フィン列を画定する前記ストリップ材料又はシート材料の前記成形部 分が、フィンを設けていない連結部分によって互いに分離されていることを特徴 とする第１請求項乃至第３請求項いずれか記載の伝熱管。 ５．前記各フィン列が、それぞれ前記シート材料又はストリップ材料の長手方向 に延長する各周縁部に隣接して形成されていることを特徴とする第１請求項乃至 第４請求項のいずれか記載の伝熱管。 ６．前記フィンに、該フィンの面を流体が通過し得るようにルーバ又はスリット が設けられていることを特徴とする第１請求項乃至第５請求項のいずれか記載の 伝熱管。 ７．前記ストリップ材料又はシート材料がクラッド・アルミニウム又はクラッド ・アルミニウム合金からなることを特徴とする第１請求項乃至第６請求項いずれ か記載の伝熱管。 ８．ストリップ材料又はシート材料の各変形可能な部分にそれぞれフィン列を形 成する過程と、次に前記ストリップ材料又はシート材料の別の部分を変形して、 前記各フィン列を囲繞する外壁を設ける過程とからなり、前記各フィン列が、長 手方向の共通のシーム線から、該シーム線の前記長手方向に対して横向きに互い に逆方向に延長するようにしたことを特徴とする伝熱管形成方法。 ９．前記ストリップ材料又はシート材料を、その長手方向の軸に関して対称に変 形させて伝熱管を形成することを特徴とする第８請求項記載の方法。 １０．２組のフィン列を、それぞれ前記ストリップ材料又はシート材料の長手方 向に延長する周縁部の領域に形成することを特徴とする第８請求項又は第９請求 項記載の方法。 １１．前記フィン列が設けられた前記シート材料の変形可能な部分が、前記シー ト材料又はストリップ材料の中間部分を前記各フィン列に巻き付けて前記外壁を 形成するように互いに折り曲げられることを特徴とする第８請求項乃至第１０請 求項のいずれか記載の方法。 １２．前記伝熱管を前記シーム線に沿ってろう付けして、前記フィン列間を連結 する接合部を形成することを特徴とする第８請求項乃至第１２請求項のいずれか 記載の方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．その長手方向に延長する複数の内部フィンを囲繞する外壁からなる伝熱管で あって、前記フィン及び外壁が単一のシート材料又はストリップ材料から形成さ れ、前記フィンが、それぞれに前記シート材料又はストリップ材料の各成形部分 からなる各組のフィンからなり、前記各組のフィンが、長手方向の共通のシーム 線から、前記長手方向に対して横方向に互いに逆向きに延長することを特徴とす る伝熱管。 ２．前記長手方向の共通のシーム線が接着された継ぎ目からなることを特徴とす る第１請求項記載の伝熱管。 ３．横断面に於いて前記シーム線に関して実質的に対称であることを特徴とする 第１請求項又は第２請求項に記載の伝熱管。 ４．前記各組のフィンを画定する前記ストリップ材料又はシート材料の前記成形 部分が、フィンを設けていない連結部分によって互いに分離されていることを特 徴とする第１請求項乃至第３請求項いずれか記載の伝熱管。 ５．前記各組のフィンが、それぞれ前記シート材料又はストリップ材料の長手方 向に延長する各周縁部に隣接して形成されていることを特徴とする第１請求項乃 至第４請求項のいずれか記載の伝熱管。 ６．前記各組のフィンが、前記外壁の各対向部分に熱伝達可能に交互に接触する 頂部と谷部とからなる波形に形成されていることを特徴とする第１請求項乃至第 ５請求項いずれか記載の伝熱管。 ７．前記フィンに、該フィンの面を流体が通過し得るようにルーバ又はスリット が設けられていることを特徴とする第１請求項乃至第６請求項のいずれか記載の 伝熱管。 ８．前記ストリップ材料又はシート材料がクラッド・アルミニウム又は クラッド・アルミニウム合金からなることを特徴とする第１請求項乃至第７請求 項いずれか記載の伝熱管。 ９．第１請求項乃至第８請求項いずれか記載の伝熱管を有することを特徴とする 熱交換器。 １０．ストリップ材料又はシート材料の各変形可能な部分にそれぞれフィンの組 を形成する過程と、次に前記ストリップ材料又はシート材料の別の部分を変形し て、前記各組のフィンを囲繞する外壁を設ける過程とからなり、前記各組のフィ ンが、長手方向の共通のシーム線から、該シーム線の前記長手方向に対して横向 きに互いに逆方向に延長するようにしたことを特徴とする伝熱管形成方法。 １１．前記シート材料を、その長手方向の軸に関して対称に変形させて伝熱管を 形成することを特徴とする第１０請求項記載の方法。 １２．２組のフィンを、それぞれ前記ストリップ材料又はシート材料の長手方向 に延長する周縁部の領域に形成することを特徴とする第１０又は第１１請求項記 載の方法。 １３．前記フィンの組が設けられた前記シート材料の部分が、前記シート材料又 はストリップ材料の中間部分を前記各フィンの組に巻き付けて前記外壁を形成す るように互いに折り曲げられることを特徴とする第１０請求項乃至第１２請求項 のいずれか記載の方法。 １４．前記伝熱管を前記シーム線に沿ってろう付けして、前記フィンの組間を連 結する接合部を形成することを特徴とする第１０請求項乃至第１３請求項のいず れか記載の方法。