JPH08501987A - ボールロックパンチ保持器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ボールロックパンチとその保持器は、パンチ用に解放された（３０）平らな底（２４）の穿孔（２２）を備えた、焼入れを完了した高強度工具鋼の単一の本体（１０）からなる。パンチ孔（２２）をもつ端部と反対側の保持器の外側側壁（１０）は実質的に半シリンダー状である。

Description

【発明の詳細な説明】 ボールロックパンチ保持器背景技術 本願発明の技術分野は、種々の材料を成形したり穿孔したりする押し型工業（ stamping industry）におけるパンチプレスに使用されるパンチのための保持器 に関する。パンチ保持器は、パンチが補足的ダイスに対して正確に配置されるの を可能とし、かつ設置（set-up）において正確なパンチ位置を間違うことなく、 迅速にかつ容易に取替えるのを可能とする。 パンチ保持器は数多くの特許や他の文献に開示されている。米国特許第２，３ ６４，７３３号は環状パンチ（circular punch）と、パンチまたはダイスを所定 位置に固定する（wedging）、斜めに貫通するロッキングピンをもつダイ保持器 とを開示する。さらに古い米国特許第１，６２１，８１１号は、パンチと、斜め のスプリングで負荷したボール室をもつダイ保持器とを開示する。このボールは 、保持器内にパンチまたはダイスを保持するようにパンチまたはダイスを押し下 げながら、パンチまたはダイスと係合せしめられる。このボールは、保持器内の 小さいポートを通って挿入される器具によって係合を解除される。前者の米国特 許では、パンチとダイスはそれぞれ直接プレスプラテンと突き合され、後者の米 国特許では、パンチとダイスは、プレスプラテン内のソケット内に設けられた焼 入れ鋼の裏張りプレートに突き合される。 米国特許第３，５６３，１２４号は、パンチと、保持器内で裏張りプレートと して働く独特に形成されたプラグをもつダイ保持器とを開示する。この裏張りプ ラグはまたプラグパンチと保持器とのための中心出し器具（centering device） をも含む。米国特許第３，５８９，２２６号は、プレスプラテンと突き合わされ るパンチをもつボール止め金保持器（ball detent retainer）を示す。このボー ル止め金スプリングは、ボールおよびスプリングが斜めの穿孔内に固定されるよ うに、特異な形に成形される。 さらに最近発行された米国特許第４，５５８，６２０号および米国特許第５， ０ ３８，５９９号は、保持器をプレスプラテンから完全に分離する、焼入れされた 裏張りプレートをもつパンチ保持器を開示する。位置決めダボピンはプレスプラ テンに対して裏張りプレートを位置決めし、他の位置決めダボピンと保持器本体 の孔とは前者における裏張りプレートに対して保持器本体を位置決めする。後者 における裏張りプレートは、ダボピンのための保持器内の通路の前で保持器本体 に永久的に固定され、かつパンチは仕上げ精度に研削される。 上記のほとんどの開示において裏張りプレートに形状を付加することは、パン チの水平位置に不正確となる要素を付与することとなる。さらに、付加的な裏張 りプレートは製造時間と組立て時間の実質部分とを、完成した保持器の製造に付 加する。 保持器の外部形状は、複合パンチが使用される場合は、保持器の万能性（vers atility）に対して重要である。利用し得るほとんどの保持器は、丸いか、実質 的に三角形かまたは五角形である。商業的に利用し得る保持器の形状の概略は、 レーン パンチ コーポレーション（Lane Punch Corporation）の商標名ＴＲＵ ＬＯＣＫの仕様書およびデイトン プレス コーポレーション（Dayton PressCo rporation）の商標名ＦＤＳ保持器の仕様書に示されている。保持器の形状は、 複合パンチがいかに接近してプレスプラテンに固定されるかを決定する。 以下に開示される本願発明は、パンチ保持器に対する一層の改良を含む。上に 特に述べたように、最近のパンチ保持器は、パンチのための裏張りプラグまたは プレートを備えている。裏張りプラグまたはプレートは、プレスプラテンまたは ダイセットを摩耗および衝撃による損傷から防ぐために焼入れ鋼で作られる。保 持器の分割体は、種々の孔を形成するコストと時間とを低減するために合金鋼で 製造され、かつ引続き仕上げ研削工程に先立って肌焼入れされる。本願発明の要約 この新規な保持器は、パンチ受容のための平底の盲孔をもつ焼入れ工具鋼で作 られた一つの一体保持器からなる。盲孔の底は、プレスプラテンまたはダイセッ トを摩耗および衝撃による損傷から保護する。このパンチ孔は、側壁をもつすみ 肉（fillet）を除去しかつ周辺に対して完全に平坦な研削を可能にするように、 底部において対向的に穿孔されている。パンチのセンターライン上に中心をもつ ダボピンの孔は保持器本体内に直接形成され、かくて、上述の分離裏張りプラグ と裏張りプレートから生ずる不正確性の原因を除去する。 この新規な保持器の独特な外部形状は、実質的に保持器の狭いパンチの鼻に対 向する半円または半円筒（半シリンダー）を含む。この半円形状は、保持器がプ ラテン上により近接して置かれるのを可能とし、かつ保持器が原料棒からより容 易にかつ安価に製造されるのを可能とする。図面の簡単な説明 図１は、新規なパンチ保持器の平面図であり； 図２は、新規なパンチ保持器の底面図であり； 図３は、新規なパンチ保持器の正面図であり； 図４は、新規なパンチ保持器の背面図であり； 図５は、図１の線５−５に沿った断面図であり； 図６は、一対のパンチに対する新規な保持器の代替の長方形の態様の平面図で あり；そして 図７は、図６の代替的保持器の断面図である。好適な実施例の説明 図１〜５は、焼入れされた工具鋼で作られた本体１０を含む新規な保持器を示 す。図示の保持器は異なる寸法の保持器から成る大きな同種類の群の中の典型的 な一つである。本体１０は好ましくは、種々の目的のために多数の孔が穿孔され る。孔１２と孔１４はダボピンが位置される孔であり、そのうちの１個は任意の ものである。孔１６と孔１８は、保持器の平らな表面１９をプレスプラテンまた はダイセットに保持するボルトのために、沈み穴ぐり（Counterbore）される。 このダボピン位置設定用の孔１２および１４は保持器を、緊密なダボピンから解 放して保持器を持ち上げるためのジャッキねじ用に一部ねじ切り２０されている 。ねじ部２０は付属部品の付設場所としても利用し得る。 本体１０の鼻部４２に向って、本体内の環状の平らな底２４で終るパンチ孔２ ２が存在する。この平らな底２４には、本体１０を通る通路を完成するより小さ めの孔２６が穿孔される。孔２６はパンチ孔２２の中心線２８上に非常に正確に 中心を合わされたダボピン孔をも含む。バンチ孔２２を完成させるために、アン ダーカットされた助溝（relief groove）３０が平底２４の直上のパンチ孔２２ の側壁内に向けて沈み穴ぐりされる。この助溝３０は、さもなければパンチが平 らな底部２４上に適当に着座するのを妨げるすみ肉を除去し、かつ、平らな底部 がパンチ孔側壁における底部の周囲に向けて充分平らに研磨されるのを可能にす る。 斜孔３２はパンチ孔２２と交差する。ボール３４は、ばね３６によって、図１ と５に良く開示されるように、パンチ孔２２の穿孔の中に一部入るように付勢さ れる。小さな孔３８は、スプリング３６に向ってボール３４を動かす器具を挿入 するために、斜孔３２と通じるように延びており、それによってパンチ孔２２内 に位置するパンチを解放する。 焼入れされた工具鋼本体１０の使用によって、平らな底部２４は、それに向っ て位置するパンチの苛酷な衝撃力を受けることができ、そして分離した焼入れ鋼 の裏張りプレートまたはプラグは必要とされない。それにもかかわらず、工具鋼 の本体１０は、パンチ孔２２とダボピン孔１２、１４および２６を焼入れ完了し ついで仕上げ研削する前に、各種の孔あけとダボピン孔１２および１４のねじ切 りによって形成され得る。分離した裏張り板の必要性はなくなるが、プレスプラ テンまたはダイセットは適当に保護される。 本体１０の鼻４２の反対側に、実質的に完全な半シリンダーに近い半円状側壁 ４０がある。この半シリンダーの形は二つの利点を生ずる。第１には、半シリン ダー４０は、重大な強度損失なしに沈み穴ぐりボルト孔１６および１８に接近す る。第２には、本体１０は、半シリンダーと同じ半径の丸棒材料から成形でき、 それによって半シリンダー表面の成形の費用と材料の浪費を抑える。棒状材料は 限定された製造工程に最も経済的な形の工具鋼である。 利用し得る保持器と比較して、新規な保持器は材料を少ししか無駄にせず、パ ンチ保持器としての寿命および万能性について妥協することなく、非常に少ない 組立て作業しか必要としない。新規な保持器は、所定寸法のパンチ用のより小さ な足あと（foot print）をもち、かつより正確である。 図６と７は、一対のパンチ用の一対のパンチ孔１２２をもつ本体１１０を含む パンチ保持器の代替的態様を示す。本体１１０は長方形であり、一対の沈み穴ぐ りボルト孔１１６と１１８、および一対のねじ切り（１２０）をしたダボピン孔 １１２と１１４を含む。一対の斜め孔１３２はパンチ孔１２２と交差し、それぞ れはボール１３４とバネ１３６を含む。より小さい孔１２６はパンチ孔１２２の 製造のための助穴（relief holes）を含む。上述のように、各パンチ孔１２２は 平らな底１２４と助溝１３０によって形成されている。小孔３８は、ボールをパ ンチから離脱させるように駆動するためのねじが使えるようにねじが切ってある 。保持器の長方形タイプは半シリンダー４０に第１具体例の利益をもたらさない が、パンチ用の裏張りプレートまたはプラグの必要がなくなる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９３年１２月１４日 【補正内容】 補正された請求の範囲 １．焼入れを完了した工具鋼の一つの一体の本体、 パンチプラテンおよび該本体上の周囲の側壁と係合する該本体上の平らな表面 、 保持器をプレスプラテンに固定する手段のための本体内の少なくとも一個の孔 、 該本体中にありかつ該平らな表面と交差する少なくとも一個のダボピン孔、 パンチの受容のための、該本体内に側壁をもつ少なくとも一個のパンチ孔、お よび該パンチ孔と交差する孔、ここで該交差孔は、ボールとその中のバネとをも ち、該バネは該ボールを少なくとも一部該パンチ孔内へ侵入させるものである、 を含むパンチ保持器において； 該パンチ孔を終らせかつ小孔の周囲に沿って拡がる本体内の平らな底と、該平 らな底に隣接した該パンチ孔側壁内の助溝と をもち、該小孔は該平らな表面まで 延びている点で改良されたパンチ保持器。 ２．パンチ孔が本体の一端に近接しており、かつ該本体の周囲側壁が前記平らな 表面に垂直であり、該パンチ孔から最も離れた該本体の端部における側壁は実質 的に半シリンダー状であることを特徴とする、請求項１記載のパンチ保持器。 ３．少なくとも一個のダボピン孔が部分的にねじ切りされていることを特徴とす る、請求項１記載のパンチ保持器。 ４．（削除） ５．複数個のパンチ孔を含み、それぞれのパンチ孔はその中の平らな底と該平ら な表面を貫通する孔とをもつことを特徴とする、請求項１記載のパンチ保持器。 ６．各パンチ孔の側壁がその平らな底付近で溝付けされていることを特徴とする 、請求項５記載のパンチ保持器。 ７．より小径の孔がダボピン孔を含むことを特徴とする、請求項１記載のパンチ 保持器。 ８．鋼の一つの一体の本体、 パンチプレスプラテンと係合する該本体上の平らな表面、 保持器をプレスプラテンに固定する手段のための本体内の少なくとも一個の孔 、 少なくとも一個のダボピン孔、 パンチの受容のための少なくとも一個のパンチ孔およびパンチをその中に保持 するための手段、 該本体の比較的狭い端部付近に位置するパンチ孔をもつ本体の周りの側壁、お よび 該狭い端部から最も離れた端部における該本体上の実質的に半シリンダー状の 側壁表面（ここで、該半シリンダー状表面は平らな表面に対して垂直である）、 を含む、パンチ保持器。 ９．該本体の平らな表面に平行な該本体の長さの最大寸法が半シリンダーの表面 の半径の２倍より大きくないことを特徴とする、請求項８記載のパンチ保持器。 １０．固定手段のための一対の孔の各孔は、半シリンダー状の側壁表面と本体の狭い端部の方へ延びている周囲側壁の残りの部分 との接合点付近に位置すること を特徴とする、請求項８記載の保持器。 １１．焼入れを完了した工具鋼の一つの一体の本体、 パンチプレスプラテンおよび該本体上の周囲側壁と係合する該本体上の平らな 表面、 保持器をプレスプラテンに取付ける手段のための、本体内の少なくとも一個の 孔、 該本体内にありかつ該平らな表面と交差する少なくとも一個のダボピン孔、 パンチの受容のための少なくとも一個のパンチ孔および該パンチ孔内に延長可 能な パンチを保持する手段、 からなるパンチ保持器において； 本体内にあるパンチ孔を終らせる平らな底と、該平らな底部付近のパンチ孔の 側壁内に形成される助溝とを備えていることを特徴とする、改良されたパンチ保 持器。 １２．前記の平らな底而と該本体上の平らな表面との間に延びる小径の孔を含む ことを特徴とする、請求項１１記載のパンチ保持器。 １３．該小径の孔がパンチ孔と共軸であり、かつダボピン孔として形成されてい ることを特徴とする、請求項１２記載のパンチ保持器。 １４．前記のパンチ孔が本体の一端に近接しておりかつ該本体の周囲側壁が該平 らな表面に垂直であり、該パンチ孔から最も離れた該本体の端部における側壁は 実質的に半シリンダー状であることを特徴とする、請求項１１記載のパンチ保持 器。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＪＰ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．焼入れを完了した工具鋼の一つの一体の本体、 パンチプレスプラテンと係合する平らな表面、 保持器を該プレスプラテンに固定する手段のための本体内の少なくとも一個の 孔、 少なくとも一個のダボピン孔、 パンチの受容のための少なくとも一個のパンチ孔および該パンチ孔と交差する 孔、ここで該交差孔は、ボールとその中のバネとをもち、該バネは該ボールを少 なくとも一部該パンチ孔内へ侵入させるものである、 を含むパンチ保持器において； 該パンチ孔を終らせかつ小孔の周囲に沿って拡がる本体内の平らな底をもち、 該小孔は該平らな表面まで延びている点で改良されたパンチ保持器。 ２．パンチ孔が本体の一端に近接しており、かつ該本体の側壁が前記平らな表面 に垂直であり、本体の反対側の端部における側壁は実質的に半シリンダー状であ ることを特徴とする、請求項１記載のパンチ保持器。 ３．少なくとも一個のダボピン孔が部分的にねじ切りされていることを特徴とす る、請求項１記載のパンチ保持器。 ４．パンチ孔の側壁が前記平らな底の近傍で溝付けされていることを特徴とする 、請求項１記載のパンチ保持器。 ５．複数個のパンチ孔を含み、それぞれのパンチ孔はその中の平らな底と該平ら な表面を貫通する孔とをもつことを特徴とする、請求項１記載のパンチ保持器。 ６．各パンチ孔の側壁がその平らな底付近で溝付けされていることを特徴とする 、請求項５記載のパンチ保持器。 ７．より小径の孔がダボピン孔を含むことを特徴とする、請求項１記載のパンチ 保持器。 ８．鋼の一つの一体の本体、 パンチプレスプラテンと係合する平らな表面、 保持器をプレスプラテンに固定する手段のための本体内の少なくとも一個の孔 、 少なくとも一個のダボピン孔、 パンチの受容のための少なくとも一個のパンチ孔およびパンチをその中に保持 するための手段、 該本体の比較的狭い端部付近に位置するパンチ孔をもつ本体の周りの側壁、お よび パンチ孔端部の反対側の端部における該本体上の実質的に半シリンダー状の側 壁表面（ここで、該半シリンダー状表面は平らな表面に対して垂直である）、を 含む、パンチ保持器。 ９．本体の長さが半シリンダーの表面の半径の２倍より大きくないことを特徴と する、請求項８記載のパンチ保持器。 １０．固定手段のための一対の孔の各孔は、半シリンダー状の側壁と本体の他の 側壁との接合点付近に位置することを特徴とする、請求項８記載の保持器。 １１．焼入れを完了した工具鋼の一つの一体の本体、 パンチプレスプラテンと係合する平らな表面、 保持器をプレスプラテンに取付ける手段のための、本体内の少なくとも一個の 孔、 少なくとも一個のダボピン孔、 パンチの受容のための少なくとも一個のパンチ孔およびその中にパンチを保持 する手段、 からなるパンチ保持器において； 本体内にあるパンチ孔を終らせる平らな底と、該平らな底部付近のパンチ孔の 側壁内に形成される助溝とを備えていることを特徴とする、改良されたパンチ保 持器。 １２．前記の平らな底面と該本体の平らな表面との間に延びる小径の孔を含むこ とを特徴とする、請求項１１記載のパンチ保持器。 １３．該小径の孔がパンチ孔と共軸であり、かつダボピン孔として形成されてい ることを特徴とする、請求項１２記載のパンチ保持器。 １４．前記のパンチ孔が本体の一端に近接しておりかつ該本体の側壁が該平らな 表面に垂直であり、該本体の反対側の端部における側壁は実質的に半シリンダー 状であることを特徴とする、請求項１１記載のパンチ保持器。