JPH0849737A - ディスクブレーキのパッド構造 - Google Patents

ディスクブレーキのパッド構造

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JPH0849737A
JPH0849737A JP18472494A JP18472494A JPH0849737A JP H0849737 A JPH0849737 A JP H0849737A JP 18472494 A JP18472494 A JP 18472494A JP 18472494 A JP18472494 A JP 18472494A JP H0849737 A JPH0849737 A JP H0849737A
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JP
Japan
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pad
slit
disc
disc rotor
diameter side
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Application number
JP18472494A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Narita
克之 成田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D2069/004Profiled friction surfaces, e.g. grooves, dimples

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】非制動時の鳴き発生を防止することを目的とし
ている。 【構成】一対のパッド5が、ディスクロータを挟んで対
向配置されている。パッド5の摩擦面には、内径側5c
から外径側5dに向けてディスクロータ回転方向に沿っ
て斜めに延びるスリット10が刻設されている。このス
リット10は、下式に基づいて、最内径部位置と最外径
部位置との間のローラ回転方向の寸法Lが決定されて形
成されている。スリット10のディスクロータ回転方向
出口側の隅部は、その隅部に沿って面取り11されてい
る。 L≧[(R12・R22−R14)/{X2・(R22−R
2)+R12}]1/2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクブレーキに係
り、特に、ディスクディスクロータに対向配置されて該
ディスクディスクロータに押圧されるパッドの構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクブレーキとしては、例え
ば,特開平1−172645号公報や実開昭62−18
439号公報等に記載されているものがある。これら
は、ホィール側にディスクロータが一体的に固定され、
車体側にキャリパが支持されている。キャリパには、デ
ィスクロータの両面に対向してパッドが一対,配設さ
れ、液圧によりピストンを作動させることで、左右のパ
ッドがディスクロータに押圧され、もって制動が発現す
るようになっている。
【0003】上記パッドの摩擦面には、パッドの内径側
から外径側に向けて延びるスリットが刻設されていて、
ブレーキ作動時、即ちディスクロータにパッドを押圧し
たときに発生する鳴きを防止している。このとき、実開
昭62−18439号公報に記載の発明では、上記スリ
ットとパッド摩擦面との境界に形成される2条の隅部の
うち、ディスクロータの回転方向入口側の隅部の角を面
取りしてパッド押圧時、即ちブレーキ時の鳴き防止を向
上させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】非制動時、即ちパッド
がディスクロータに押圧されていない状態であっても、
図5に示すような、車両旋回等によって発生する横加速
度入力によるディスクロータ50の倒れと、該ディスク
ロータ50の面振れによって、ディスクロータ50がパ
ッド51に摺接して引きずりが発生する。
【0005】このとき、上記のような従来のディスクブ
レーキのパッド51構造では、図6に示すように、ディ
スクロータ50の回転方向入口側のパッド部分51aに
ディスクロータ50が摺接したとき、パッド51は、デ
ィスクロータ50に追従しようとして、ディスクロータ
50の回転方向出口側の部分51bが、ディスクロータ
50側に持ち上がる姿勢変化が発生する。
【0006】このため、スリット52におけるディスク
ロータ50回転方向出口側の隅部53が相対的に出っ張
り、その隅部53の角部がディスクロータ50に引っ掛
かって引きずり力が急激に増加することによって自励振
動が起こり、もって、非制動時における異音発生の原因
となるという問題がある。特に、上記のような従来のパ
ッド構造では、スリット52におけるディスクロータ5
0回転方向出口側の隅部53の角が尖っているので、引
っ掛かり易い。
【0007】また、スリット52を挟んだディスクロー
タ50回転方向入口側のパッド51部分から偏って摩耗
していくことは事実上,回避できないため、スリット5
2におけるディスクロータ50回転方向出口側の隅部5
3が相対的に出っ張った状態となり、これによっても、
上記現象が発生し易くなる。なお、上記スリット52に
よる2条の隅部53のうち、上記実開昭62−1843
9号公報記載のように、ディスクロータ50の回転方向
入口側の隅部53を面取りしたパッド51押圧時の鳴き
防止は、上記非制動時の鳴きの防止には役立たない。
【0008】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、非制動時の鳴き発生を防止することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のディスクブレーキのパッド構造は、パッド
の摩擦面に対して内径側から外径側に向けて延びるスリ
ットが刻設されているディスクブレーキのパッドにおい
て、該スリットは、パッドの内径位置から外径位置に向
けてディスクロータの回転方向に沿って斜めに延在する
と共に、該スリットにおけるパッド最内径位置からパッ
ド最外径位置までのディスクロータ回転方向に相当する
パッド幅方向の寸法をLとし、パッドの幅方向中央位置
であるパッド中心線からのスリットのパッド最内径位置
までの寸法と該パッド中心線からのスリットのパッド最
外径位置までの寸法との比をX:(1−X)、ディスク
ロータ回転中心からのスリットのパッド最内径位置まで
の距離をR1、ディスクロータ回転中心からのスリット
のパッド最外径位置までの距離をR2としたときに、上
記スリットのパッド幅方向の寸法Lが、下式に従って設
定されることを特徴としている。
【0010】L≧[(R12・R22−R14)/{X2・(R
2−R12)+R12}]1/2
【0011】また、請求項1に記載された構成に対し
て、請求項2に記載されているように、上記スリットと
パッド摩擦面との境界に形成される2条の隅部のうち、
ディスクロータ回転方向における出口側の隅部の角をそ
の延在方向に沿って面取りしたことを特徴とする。ま
た、請求項2に記載された構成に対して、請求項3に記
載されているように、上記面取りを内径側から外径側に
向けて大きくなるように設定したことを特徴とする。
【0012】また、請求項2又は請求項3に記載された
構成に対して、請求項4に記載されているように、上記
面取りを、パッドの有効厚さより裏金寄りの位置まで形
成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】ディスクロータの面振れは、回転軸を中心とし
て左右方向、即ちパッドに向けて周期的に振れるため、
パッドの外径部側に対する面振れ量が一番大きく、該パ
ッドの最外径部位置が一番問題となる。また、通常、パ
ッドスプリングによってパッドにある程度の拘束力が与
えられているため、面振れ量の増加に伴ってパッドが充
分に逃げることが出来ず引きずり生じる。
【0014】その引きずりの過程で、スリットの回転方
向出口側の隅部の角に引っ掛かって引きずり力が急激に
増加する。これによって、パッドに自励振動が発生して
非制動時における鳴きの原因となる。そこで、本願発明
では、拘束力及び面振れ量が小さいパッド内径側から外
径側に向けてディスクロータの引きずりが発生し易くす
るために、スリットを、パッドの内径位置から外径位置
に向けてディスクロータの回転方向に沿って、即ち、ス
リットの内径側の方が外径側よりもディスクロータ回転
方向入口に近い位置に設定して、スリットを上記の傾き
を持たせて斜めに延在させている。
【0015】さらに、本願発明では、パッド拘束力が大
きく且つディスクロータの面振れ量が大きい、パッド外
径側位置でのスリット隅部に対する局部的な引きずり
を、より拘束力の小さいパッド内径側から徐々に、或い
は同時に、ディスクロータの面振れを当てることによっ
て上記非制動時の鳴きを低減する。このパッド内径側か
ら、或いは同時に面振れの当接が発生する条件を求めた
ところ、下記式に合うようにスリットの位置を設定すれ
ばよいことが判明した。
【0016】 L≧[(R12・R22−R14)/{X2・(R22−R12)+R12}]1/2…(1)
【0017】この式の成立理由を次に説明する。まず、
図4を参考として、パッドにおけるスリットの内径側端
部をAとし、スリットの外径側端部をBとし、ディスク
ロータの回転中心からAまでの距離(アッド内径側の半
径)をR1、ディスクロータの回転中心からBまでの距
離(パッド外径側の半径)をR2とし、また、スリット
におけるパッド最内径位置からパッド最外径位置までの
パッド幅方向の長さをL、パッド幅方向中心からのB及
びAまでの距離を比を(1−X):X、ディスクロータ
回転中心を中心としたA点からB点までの振れ角をa、
ディスクロータ回転中心を中心としたパッド中心線から
のA点までの振れ角をa1、ディスクロータ回転中心を
中心としたパッド中心線からのB点までの振れ角をa2
とする。
【0018】そして、スリットにおける最外径部である
B点位置での面振れの最大量をPとすると、スリットに
おける最外径部であるA点位置での面振れの最大量は、
ディスクロータ中心からの半径の比から、P・(R1/
R2)で表される。また、ディスクロータの面振れは、
パッド摩擦面における所定位置に対してコサインカーブ
を描いて周期的に接近・離脱をすると考えられる。従っ
て、A点位置でのディスクロータ面の振れは、下式で表
される。
【0019】(R1/R2)・P・cos θ なお、θはディスクロータ回転方向における任意の位置
からの振れ角である。同様に、B点位置でのディスクロ
ータ面の振れは、A点からB点までの位相の進みがaで
あるので、下式で表される。 P・cos (θ+a) このとき、B点位置での面振れ量がA点位置の面振れ量
に等しいか小さければ、ディスクロータはスリットのA
点側からB点側に向けて(または同時に)面振れ最大点
が摺動していくこととなる。
【0020】この条件を式で表すと、下式のように表さ
れる。 P・cos (θ+a) ≦(R1/R2)・P・cos θ ……(2) なお、上記(2)式で左右の値が等しい場合が、同時に
当接する場合である。ここで、A点位置でのディスクロ
ータ面振れが最大となるときを考えると、θ=πである
ので、この条件を上記(2)式に代入すると、下式とな
る。
【0021】cos a ≦(R1/R2)……(3) 一方、図4における幾何学的な条件から、 (R1・cos a1)2 +(L・X)2 =R12 (R2・cos a2)2 +(L・(1−X))2 =R22 と表され、この2式から次の式が導ける。
【0022】 cos a1=√(R12 −L2 ・X2 )/R1 ……(4) cos a2=√(R22 −L2 ・(1−X)2 )/R2 ……(5) 同様にして、 sin a1=L・X/R1 ……(6) sin a2=L・(X−1)/R2 ……(7) ここで、cos a=cos (a1+a2) =cos a1・cos a2 − sin a1・sin a2 であるから、この式に(4)から(7)式を代入する
と、 cos a=(√(R12 −L2 ・X2 )/R1) ・(√(R22 −L2 ・(1−X)2 )/R2 ) − X・(1−X)・L2 /(R1・R2) ……(8) この(8)式を上記(3)式に代入して整理すると、下
式となる。
【0023】(X2 ・R22 −X2 ・R12 +R12
・L2≧ R12 ・R22 −R14 従って、
【0024】L≧[(R12・R22−R14)/{X2・(R
2−R12)+R12}]1/2
【0025】と表される。この式に合う値にスリットを
設定することで、拘束力の大きいパッド外径部位置のス
リットの隅部だけに直接,ディスクロータが引っ掛かる
ことが防止される。これによって、非制動時における異
音発生が低減する。
【0026】なお、(1)式は、上記面振れ量Pに依存
しないので、ディスクロータの面振れ精度に依存せずに
スリットの位置を決定することができることが分かる。
また、上記異音は、スリットにおける隅部の角に引っ掛
ることによる引きずり力の増加で発生する。これに鑑み
て、請求項2に記載されているように、非制動時の引っ
掛かりが起こるディスクロータ回転方向出口側に隅部の
角を面取りすると、ディスクロータに引っ掛かる部分が
鈍角となることで引っ掛かり力が低減され、非制動時に
おける異音発生を更に低減することができる。
【0027】また、上記のように設定することで、面取
り部分がガイドとなり、引きずりがスリットに沿って進
行していく。従って、該スリットに沿った移動がスムー
ズに進行する方が異音発生の防止に有効である。このた
めには、請求項3に記載のように、内径側から外径側に
向けて、即ちディスクロータの回転方向に沿って面取り
を深くした方がスムーズとなる。
【0028】この理由は、上記(1)式から分かるよう
に、スリットの位置をディスクロータ回転方向にずらす
程、即ちXが小さくなる程、上記Lが大きくなりスリッ
トの傾きが大きくなることから、スリットにおけるディ
スクロータ回転出口側の隅部における面取りは、内径側
を小さく且つ外径側に向けて大きく面取りし、該面取り
のラインの傾きがスリット自体よりも大きくなることと
なり、該面取り部分がスムーズなガイドの役割も備える
こととなる。
【0029】また、請求項4に記載した構成とすること
で、スリットよりもディスクロータ回転方向入口側のパ
ッドが摩耗しても、ブレーキが有効な状態では、ディス
クロータとの当接する隅部を鈍角に維持することができ
る。
【0030】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例のディスクブレーキでは、図1に示すような、
1ピストン式のキャリパ浮動型のディスクブレーキを例
として説明する。まず構成を説明すると、ディスクロー
タ1は、ホィールハブに固定されホィールと共に一体と
なって回転する。
【0031】2はキャリパであって、車体に固定された
フローティングブラケットにスライドピンを介してボデ
ィ2aが支持されている。これによって、該ボディ2a
はディスクロータ1の軸方向に移動可能となっている。
そのボディ2aにはシリンダ3が形成され、そのシリン
ダ3内のピストン4が、ディスクロータ1の軸方向に摺
動可能となっている。
【0032】また、一対のパッド5が、ディスクロータ
1を挟んで対向配置され、一方のパッド5aが上記ピス
トン4の先端部に固着されていると共に、他方のパッド
5bがキャリパ2の足部2bに固着されている。なお、
6はダストブーツで、7はピストンシールである。ピス
トンシール7は、ゴム製であって、シリンダ3内の液圧
を保持すると共にブレーキパッド5とディスクロータ1
との間隙を調整する機能を持つ。
【0033】また、パッド5の摩擦面には、図2に示す
ように、内径側5cから外径側5dに向けてディスクロ
ータ1回転方向に沿って斜めに延びるスリット10が刻
設されている。このスリット10は、作用の項で説明し
た上記(1)式に基づいて、最内径部位置と最外径部位
置との間のローラ回転方向の寸法Lが決定されて形成さ
れている。
【0034】例えば、ディスクロータ1の回転中心から
パッド5内径側5cまでの距離を105mm、ディスクロ
ータ1の回転中心からパッド5外径側5dまでの距離を
140mmに設定されて配置されるパッド5に対しては、
パッド中心線Pからのスリット10の最外径位置までの
寸法とパッド中心線Pからのスリット10の最内径位置
までの寸法とを等しい値(即ち、(1)式におけるXを
0.5とした値)に設定する場合には、(1)式に代入
することで次の式が求まる。
【0035】L≧84.7mmとなる。従って、上記式に
合わせて、パッド中心線Pからそれぞれ左右に42.3
5mmだけ離れた位置に、スリット10の最外径位置及び
最内径位置が来るようにしてスリット10を形成すれば
よい。このようにスリット10の位置及び傾きを設定す
ることで、非制動時にディスクロータ1が面振れした
際、ディスクロータ1がスリット10の隅部全面に同時
に当接することとなる。
【0036】また、スリット10のディスクロータ1回
転方向出口側の隅部は、その隅部に沿って面取り11さ
れている。その面取り11は、パッド有効厚さDより裏
金20位置まで深く設ける。また、該面取り11は、パ
ッド5の内径側5cから外径側5dに向けて連続的に大
きくなるように設定する。この面取り11は、例えば、
面取り11位置のパッド中心線Pからのディスクロータ
1回転方向のオフセットを0.45にとると、(1)式
からL≧86.1となり、86.1mmを55:45で左
右に振り分けることで、内径部側がパッド中心線Pから
38.75mmの位置、外径部側がパッド中心線Pから4
7.35ミリの位置となるように面取り11を実施す
る。
【0037】上記構成のディスクブレーキでは、制動時
には、ブレーキペダルを踏むという制動動作に基づいて
発生するシリンダ3内の液圧によって、ピストン4がデ
ィスクロータ1方向に押されて、一方のパッド5aの摩
擦面がディスクロータ1の片面に圧着する。同時に、シ
リンダ3底部にも同様な圧力が作用し、キャリパ2の足
部2bがディスクロータ1に向けて押されて反ピストン
4側のパッド5bの摩擦面もディスクロータ1に押しつ
けられる。
【0038】これによってディスクロータ1とパッド5
間の摩擦力によって制動力が発生すると共に、スリット
10によって鳴きが防止される。また、ブレーキ・ペダ
ルを離し、シリンダ3内の圧力が無くなると、ピストン
4に強く押しつけられていたゴム製のピストンシール7
が元の形状に戻ろうとする力によって、ピストン4は作
動前の状態に戻る。この結果、ディスクロータ1に圧着
していた左右のパッド5は、ピストンシール7の変形量
だけ引き戻され、ディスクロータ1との間に間隙が形成
されブレーキの引きずりが防止されている。
【0039】このとき、ディスクロータ1は、その取付
け精度による所定の面振れ精度をもち、ホィールの回転
に追従してパッド5側に周期的に振れる。車両が直進走
行をしている状態では、この面振れによってディスクロ
ータ1とパッド5が接触することは、該ディスクロータ
1とパッド5の間の間隙の初期設定によって回避可能で
ある。しかし、車両が旋回する等、横加速度が入力され
ると、該横力によってディスクロータ1に倒れが発生
し、該ディスクロータ1の倒れと、上記ディスクロータ
1の面振れによって、ディスクロータ1とパッド5との
間に、一時的な引きずりが発生する。なお、上記面振れ
は、所定位置に対して360度回転する度に1回最大と
なり、その時に引きずりが発生する。
【0040】このとき、従来では、スリット10のディ
スクロータ1回転方向出口側の隅部は尖っていたので、
拘束力の大きい外径側5dのスリット10隅部の角に、
引きずりが発生しているディスクロータ1が、局所的
に、所定の引っ掛かり力をもって引っ掛かって異音を発
生した。本実施例では、上記のようにディスクロータ1
とパッド5摩擦面との間に引きずりが発生しても、スリ
ット10のディスクロータ1回転方向出口側の隅部全面
に、面振れしたディスクロータ1の面が同時に当たるこ
とで、異音が小さくなる。
【0041】また、該隅部の角を面取り11したので、
隅部におけるディスクロータ1との接触部が鈍角状とな
り、ディスクロータ1の引っ掛かりによる引っ掛かり力
が小さくなって、さらに異音発生が有効に防止される。
実際に、上記位置にスリットを設定したパッドを使用し
て確認したところ、非制動時の鳴きが低減していること
を確認した。
【0042】なお、上記実施例では、スリット10のデ
ィスクロータ1回転出口側の隅部全体に対して、面振れ
したディスクロータ1の面が同時に当たるように設定し
ているが、スリット10の延び方向の角度を上記位置よ
り寝かすことで、スリット10の内径側5cから徐々
に、面振れしたディスクロータ1の面が当たるように設
定してもよい。
【0043】このようにしても、異音発生に一番影響の
あるスリット10の隅部の外径部分に直接、ディスクロ
ータ1の面振れが当接することが回避されて異音発生が
低減する。また、上記実施例では、隅部の角の面取り1
1を直線状に実施しているが、図3に示すように、所定
のRをもって曲線状に面取り11してもよい。この場合
には、Rの中心をパッドの有効厚さよりも裏金20側に
設定する。
【0044】また、面取り11位置がパッド5の有効厚
さより深くなるように設定しているが、パッド5の有効
厚さより浅い位置に設定してもよい。上記実施例で、面
取り11をパッド5の有効厚さより深く設定したのは、
スリット10よりもディスクロータ1回転方向入口側パ
ッド5部分が摩耗しても、該パッド5部分が有効厚さ以
下とならない限り、即ち、ブレーキが有効に作用してい
る限り、ディスクロータ1との接触部分を鈍角に維持さ
せるためである。
【0045】このため、面取り位置をパッド5の有効厚
さより浅い位置に設定した場合には、ブレーキが有効に
作用している状態で、非制動時の鳴き防止効果が低減す
ることになる。また、パッド摩擦面とスリットとの境界
に形成される隅部のうち、ディスクロータ回転方向入口
側の隅部側も面取りして、制動時における鳴き防止も実
施してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のディ
スクブレーキのパッド構造では、拘束力の大きい外径側
位置のスリット位置の局部的な引きずりを、拘束力の小
さい内径側から徐々に、あるいは同時に、ディスクロー
タの面振れを当接させることで、非制動時の異音発生が
低減するという効果がある。
【0047】このとき、請求項2に記載されているよう
な構成を採用することで、スリットとパッド摩擦面との
境界に形成される隅部とディスクロータとの間の引っ掛
かりが低減して、さらに、非制動時の異音発生を低減す
るという効果がある。また、請求項3に記載されている
ような構成とすることで、スリットにおける内径側から
外径側へのディスクロータによる引きずりの移動がスム
ーズに実施されるようになり、さらに、非制動時の異音
発生を低減することができるという効果がある。
【0048】また、請求項4に記載されているような構
成とすることで、スリットよりもディスクロータ回転方
向入口側のパッド部分が偏って摩耗しても、スリットの
隅部とディスクロータとの引っ掛かりの低減を保持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のディスクブレーキを示す
側面図である。
【図2】本発明に係る実施例のパッドの摩擦面を示す図
である。
【図3】本発明に係る実施例の面取りの別例を示す図で
ある。
【図4】本発明の(1)式を説明するための図である。
【図5】ディスクロータの倒れを示す図である。
【図6】ディスクロータに対するパッドの追従を示す図
である。
【符号の説明】
1 ディスクロータ 2 キャリパ 4 ピストン 5 パッド 10 スリット 11 面取り 20 裏金 P パッド中心線 D パッド有効厚さ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッドの摩擦面に対して内径側から外径
    側に向けて延びるスリットが刻設されているディスクブ
    レーキのパッドにおいて、該スリットは、パッドの内径
    位置から外径位置に向けてディスクロータの回転方向に
    沿って斜めに延在すると共に、該スリットにおけるパッ
    ド最内径位置からパッド最外径位置までのディスクロー
    タ回転方向に相当するパッド幅方向の寸法をLとし、パ
    ッドの幅方向中央位置であるパッド中心線からのスリッ
    トのパッド最内径位置までの寸法と該パッド中心線から
    のスリットのパッド最外径位置までの寸法との比をX:
    (1−X)、ディスクロータ回転中心からのスリットの
    パッド最内径位置までの距離をR1、ディスクロータ回
    転中心からのスリットのパッド最外径位置までの距離を
    R2としたときに、上記スリットのパッド幅方向の寸法
    Lが、下式に従って設定されることを特徴とするディス
    クブレーキのパッド構造。 L≧[(R12・R22−R14)/{X2・(R22−R12
    +R12}]1/2
  2. 【請求項2】 上記スリットとパッド摩擦面との境界に
    形成される2条の隅部のうち、ディスクロータ回転方向
    における出口側の隅部の角をその延在方向に沿って面取
    りしたことを特徴とする請求項1に記載されたディスク
    ブレーキのパッド構造。
  3. 【請求項3】 上記面取りを内径側から外径側に向けて
    大きくなるように設定したことを特徴とする請求項2に
    記載されたディスクブレーキのパッド構造。
  4. 【請求項4】 上記面取りを、パッドの有効厚さより裏
    金寄りの位置まで形成したことを特徴とする請求項2又
    は請求項3に記載されたディスクブレーキのパッド構
    造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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