JPH0849276A - 貯湯タンクの排水手段 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体局部の洗浄などに使用されるトイレ装置
の貯湯タンクおよびその排水手段に関するもので、簡単
な構成で確実に操作できるとともに、無駄がなくかつ、
信頼性の高い貯湯タンクの排水手段を搭載したトイレ装
置を提供する。 【構成】 貯湯タンク下部孔１０４に水密に接続され便
器ボール部３０へ向かう略Ｌ字状ドレンパイプ１０５と
その先端に螺合されたドレンつまみ１０６からなり、排
水未操作時は、本体ケース２の傾斜部の内側に隠蔽収納
され、操作時にはドレンパイプ１０５のドレンつまみ１
０６を回転させ本体ケース２前縁の外側でかつ便器ボー
ル部３０上に露出する構成とした。上記した構成によ
り、通常の使用状態では、洗浄汚水がかかりにくいため
衛生的ある。また、排水時には、レバーを下向きに引い
てドレンつまみ１０６を半開するだけでタンク内の水を
排水できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、便器に載置固定されて
人体局部の洗浄などに使用されるトイレ装置の貯湯タン
クおよびその排水手段に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にこの種のトイレ装置１は、図６の
外観斜視図に示すように本体２と便座３と便ふた４とで
構成され便器５の後部には、ロータンク６が設置されて
いる。図７に特開平２−２１７５３４号公報にて開示さ
れたトイレ装置の貯湯タンクおよびその排水手段をしめ
し、貯湯タンク１５を便器本体５のリム面２３より上部
に位置させ、貯湯タンク１５の水抜き栓２１からの排水
管２４を便器ボール部２２に突出させた構成を示す。ま
た、図８に特開平４−６４６３１号公報にて開示された
トイレ装置の貯湯タンクおよびその排水手段をしめし、
貯湯タンク４３と、貯湯タンク４３の上部に設けた大気
遮断開放弁５２と貯湯タンク４３下部に設けた排水弁５
６と前記両弁を連動する連結ピン６２を備え、排水レバ
ー６０の排水操作によって前記５２、５６の両弁が同時
に開放し、便器３０内部へスムーズに排水する構成が示
されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の技術つまり特開平２−２１７５３４号公報の場合、
貯湯タンクを便器本体のリム面より上部に位置させ、貯
湯タンクの水抜き栓からの排水管を便器ボール部に突出
させた構成だけでは、使用中に排水管に汚水が常にかか
り不衛生である。また手動式バルブを本体内に設けても
裏（便器ボール部側）からの操作となるため操作が極め
て困難である。さらに電気的ソレノイドバルブを本体内
に用い、手を触れずに水抜き操作をする方法（図示せ
ず）も開示されているが、水抜き操作は貯湯タンクの凍
結防止や長期不在時の滞留水の腐敗防止のため行われる
操作であり、使用頻度が極めて少ない。従って、そのた
めだけに電気的ソレノイドバルブを用いるには価値が低
く無駄である。

【０００４】また、特開平４−６４６３１号公報の場
合、貯湯タンク下部に設けた排水弁は近傍にゴミや不純
物等が滞留する場合があり、万一シール部に付着した場
合、水漏れの原因となる。また、大気遮断開放弁と排水
弁を連動させるための連結ピンが長いためにタンク組立
て時に上部出湯口の孔に挿入しにくく作業性が悪いなど
の欠点も有する。

【０００５】本発明の目的は、貯湯タンクの凍結防止や
長期不在時の滞留水の腐敗防止のためだけの操作であり
頻度が極めて少ないことから、使用者に水抜き操作を委
ねるものであるから簡単な構成で確実に操作できるとと
もに、無駄がなくかつ、信頼性の高い貯湯タンクの排水
手段を搭載したトイレ装置を提供することを目的とする
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】第１の発明は、便座後部
本体基板上に設けた貯湯タンクと便座後部背面傾斜部に
相対する本体ケースの内側に前記貯湯タンク下部穴に水
密に接続され便器ボール部へ向かう略Ｌ字状ドレンパイ
プとその先端に螺合されたドレンつまみからなり、前記
ドレンパイプに把持手段と抜け止め手段と回転規制手段
とを設け、前記ドレンつまみに半開状態で貯湯タンク内
の水を便器ボール部へ排水可能な導水孔を設けてなり、
前記ドレンパイプとドレンつまみが排水未操作時は、前
記本体ケース傾斜部の内側に隠蔽収納され、操作時には
ドレンパイプの把持手段を回転させ本体ケースの外側で
かつ便器ボール部上にドレンつまみが露出する構成とし
たものである。

【０００７】第２の発明は、貯湯タンクの上部に位置
し、前記貯湯タンクと水密に固定された入水ポートと前
記入水ポートの上部にバキューム弁と下部に貯湯タンク
底部に向かう入水パイプを有し、前記入水パイプの貯湯
タンク上部接水部に小孔を設け排水時に貯湯タンク内に
大気を導入する構成としたものである。

【０００８】第３の発明は、ドレンパイプとその先端に
螺合されたドレンつまみからなり、前記ドレンつまみの
材質を水より小さい比重の合成樹脂で構成したものであ
る。

【０００９】

【作用】上記した構成により第１の発明は、排水未操作
時、つまり通常の状態では、ドレンパイプとドレンつま
みでなる排水手段が本体ケース傾斜部の内側に隠蔽収納
され便器ボール部に露出しないため、洗浄汚水により汚
れにくい。また、排水操作時は、本体ケース前縁から外
部へ一部露出したドレンパイプの把持手段を指で便器ボ
ール部側へ回転させ引き出すとドレンつまみが便器ボー
ル部上に露出し、ドレンパイプと螺合したドレンつまみ
を半開すると貯湯タンクから便器ボール部へ排水でき
る。また第２の発明は、入水ポートの上部のバキューム
弁と入水パイプの上部小孔によって排水時に貯湯タンク
内に大気を導入するので排水時間が短くなる。また第３
の発明は、万一誤って排水操作時に、ドレンつまみが便
器内へ落下しても、ボール部滞留水に浮く。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面に基
づいて説明する。

【００１１】本発明の１実施例である貯湯タンクの排水
手段を搭載したトイレ装置の外観斜視図は図６従来例で
示した構成と同様、本体２と便座３と便ふた４からな
り、本体２は便器本体５の上に設置されている。本体２
内部には貯湯タンク（図示せず）が設けられている。次
に本発明の貯湯タンクの排水装置を搭載したトイレ装置
の全体の本体内部構造を図４に、図５に排水装置を搭載
した貯湯タンクの構造を示す。

【００１２】水路の一次側から水の流れに沿って順次説
明する。洗浄用の水は水道管７０から給水管７１を通り
本体接続アダプタ７２をへて本体２内に引き込まれる。
本体接続アダプタ７２内にはストレーナ７３と逆止弁７
４を内蔵しておりこれらの部品は水抜き栓７５と一体に
なっており、水抜き栓７５を回して外すと同時に外れる
ようになっている。

【００１３】７６は止水用電磁弁であり、非洗浄時は閉
止しており洗浄時には開放している。７７はリリーフ弁
であり主水路７８側の水圧が所定圧力以上になったとき
副水路７９側へ逃がす構成となっている。副水路７９の
出口にはエアーギャップ室８０を構成しており、便器５
および副水路７９からの汚水の逆流を防止するようにし
ている。

【００１４】主水路７８の下流には、貯湯タンク８１の
上部に位置し、かつ、内側上部にオーバーフロー管８２
とバキューム弁８３と下部に貯湯タンク８１底部に向か
う入水パイプ８４を有するタンク入水ポート８５が貯湯
タンク８１と水密に固定されている。前記入水パイプ８
４の貯湯タンク８１の上部接水部には、小孔８６を設け
排水時に貯湯タンク８１内にエアーギャップ室８０、オ
ーバフロー管８２とバキューム弁８３を介して大気をス
ムーズに導入する構成としたものである。また、入水側
にバキューム弁８３を設けたことによって、リリーフ弁
７７に万一ゴミが噛んだ場合に起こるタンクからの逆サ
イフォン現象を防止する役目も同時に有する。８７は整
流板であり温水ヒータ８８で沸かした湯と入水口から入
ってきた水とが混ざらないようにしている。８９は湯温
センサーであり貯湯タンク８１内の湯温を検知し制御部
８９と連動し所定の温度となるように制御している。９
０は、温度過昇防止器、９１は温度ヒューズ、９２はフ
ロート式空焚き防止器である。９３は貯湯タンク８１の
上部にあるタンク出湯口であり、その下流に肛門洗浄ノ
ズル９５およびビデ洗浄ノズル９６のどちらかに水路を
切り換える水路切り換える機能とその流量を調節する機
能を共有する流量調節切替え弁９４を有する。流量調節
切替え弁９４の駆動は、パルスモータ９７等を用い好み
の流量に設定できる。また、流量調節切替え弁９４とノ
ズルユニット９８は一体にユニット化されている。９９
は排水手段である。

【００１５】次に本発明のトイレ装置の１実施例である
の貯湯タンクの排水手段の構成を図１から図３にて説明
する。図１は、本発明の貯湯タンクの排水手段を搭載し
た排水操作をする寸前のトイレ装置の断面を示し、図３
は、本発明の貯湯タンクの排水手段を搭載した排水未操
作時（通常の状態）のトイレ装置の断面を示し、図２
は、本発明の排水手段の半断面図である。

【００１６】便座１００後部の本体基板１０１上に設け
た貯湯タンク８１と便座後部背面傾斜部１０２に相対す
る本体ケースの内側１０３に前記貯湯タンク８１下部孔
１０４にＯリング１１３によって水密に接続され便器ボ
ール部３０へ向かう略Ｌ字状ドレンパイプ１０５とその
先端に螺合されたドレンつまみ１０６から排水手段を構
成する。

【００１７】前記ドレンパイプ１０５は、ドレンパイプ
の軸方向と直角に把持手段であるレバー部１０７を突設
し、本体基板１０１の角孔１０８とで構成するリング状
つば部１０９の抜け止め手段と、さらに本体基板１０１
に設けた突起１１５と前記リング状つば部１０９から突
設したリブ１１０とで約９０°の範囲可動する回転規制
手段を有している。

【００１８】前記ドレンつまみ１０６は、図１、図２の
矢印方向に回転させ戻すと、ドレンつまみ１０６の先端
のＯリング１１２のシール部が後退しタンク８１内の水
が導水孔１１１を通じ半開状態でも貯湯タンク８１内の
水を便器ボール部３０へ排水可能となる。

【００１９】本発明の排水手段は、図３のように未操作
時（通常の状態）は、前記本体ケース傾斜部の内側１０
３に隠蔽収納され、操作時には便ふた４および便座１０
０をあげ便器ボール部３０を覗くとドレンパイプ１０５
のレバー部１０７の先端だけが見えている。この把持手
段を矢印方向に回転させ本体ケース前縁１１６の外側ま
で引き出すと便器ボール部３０上にドレンつまみ１０６
が露出する構成である。

【００２０】また、ドレンつまみ１０６の操作は、でき
るだけ便器ボール部３０に中央に近くなるほうが操作性
がよいのはいうまでもなく、そこでドレンパイプ１０５
の屈曲角度を貯湯タンク８１の排水角度より大きくなる
ように鈍角に屈曲させることにより、ドレンつまみ１０
６が前方にくるような構成にしている。また、万一、誤
ってドレンつまみ１０６を便器ボール部３０の滞留水に
落とすことが容易にありえるので、ドレンつまみ１０６
の材質を水の比重より小さい樹脂材料を選択し、浮くよ
うにすれば容易に回収することができ、流してしまうこ
とがない。

【００２１】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば第１の発明の効果は、以下の通りである。

【００２２】（１）簡単な構成により、排水未操作時に
はドレンパイプとドレンつまみが、本体ケース傾斜部の
内側に隠蔽収納できるので、汚水等で汚れにくい。

【００２３】（２）本体ケース傾斜部の内側に隠蔽収納
されたドレンパイプとドレンつまみが、本体ケース外部
へ露出したドレンパイプの保持手段を指で便器ボール部
側へ回転し引き出すだけで便器ボール部上に露出するの
で排水操作が本体外部でよく見えるので操作性が良い。

【００２４】（３）ドレンつまみに設けた導水孔によっ
てを便器ボール部上に露出したドレンつまみを、半開す
るだけで貯湯タンク内の水を排水できるので、全開する
必要がなく、ドレンつまみを誤って便器内へ落とすこと
を防止できる。

【００２５】（４）Ｌ字状ドレンパイプに設けた抜け止
め手段と回転規制手段とで貯湯タンクに異常な水圧がか
かってもドレン部が外れる恐れがなく、必要以上に回転
してノズルの伸縮等に影響を与えることがない。

【００２６】（５）貯湯タンク下部に排水弁を設けてい
ないので滞留ゴミが、シール部等に付着して、水漏れが
発生する可能性がない。

【００２７】（６）ドレンつまみに設けた導水孔によっ
てを便器ボール部上に露出したドレンつまみを、半開す
るだけで貯湯タンク内の水を排水できるので、掃除用の
水もしくは湯として利用できる。

【００２８】第２の発明の効果は以下の通りである。 （１）入水ポートの上部のバキューム弁と入水パイプの
上部小孔によって排水時に貯湯タンク内に大気を導入す
るので排水時間が短くなる。

【００２９】（２）入水側に設けたバキューム弁と入水
パイプに設けた小孔によって、貯湯タンク内が常に大気
圧と同圧になるので洗浄待機中にリリーフ弁がごみ噛み
してもサイフォン作用によって貯湯タンク内の湯または
水が主水路から副水路へ吸い出されて水位が低下するよ
うなこともない。

【００３０】（３）バキューム弁は、入水側にを設け水
としか接水しないので、耐熱的に配慮する必要がない。

【００３１】第３の発明の効果は以下の通りである。 （１）ドレンつまみの材質を水の比重より小さい樹脂材
料を選択し、誤ってドレンつまみを便器ボール部の滞留
水に落とすことがあっても、浮くので容易に回収するこ
とができ、流してしまうことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における断面構成図

【図２】同実施例の排水手段の斜視図

【図３】本発明の一実施例における断面構成図

【図４】本発明の一実施例におけるトイレ装置全体の水
路構成図

【図５】本発明の一実施例における貯湯タンクの断面構
成図

【図６】従来および本発明のトイレ装置の設置斜視図

【図７】同従来例の貯湯タンクの排水手段の断面構成図

【図８】同従来例の貯湯タンクの排水手段の断面構成図

【符号の説明】

２ 本体ケース ３０ 便器ボール部 ８１ 貯湯タンク １００ 便座 １０１ 本体基板 １０２ 便座後部背面傾斜部 １０４ タンク下部孔 １０５ ドレンパイプ １０６ ドレンつまみ １１６ 本体ケース前縁

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】便座後部本体基板上に設けた貯湯タンクと
   便座後部背面傾斜部に相対する本体ケースの内側に前記
   貯湯タンク下部孔に水密に接続され便器ボール部へ向か
   う略Ｌ字状ドレンパイプとその先端に螺合されたドレン
   つまみからなり、前記ドレンパイプに把持手段と抜け止
   め手段と回転規制手段とを設け、前記ドレンつまみに半
   開状態で貯湯タンク内の水を便器ボール部へ排水可能な
   導水孔を設けてなり、前記ドレンパイプとドレンつまみ
   が排水未操作時は、前記本体ケース傾斜部の内側に隠蔽
   収納され、操作時にはドレンパイプの把持手段を回転さ
   せ本体ケース前縁の外側でかつ便器ボール部上に露出す
   る構成とした貯湯タンクの排水手段。
2. 【請求項２】貯湯タンクの上部に位置し、前記貯湯タン
   クと水密に固定された入水ポートと前記入水ポートの内
   側上部にオーバーフローおよびバキューム弁と下部に貯
   湯タンク底部に向かう入水パイプを有し、前記入水パイ
   プの貯湯タンク上部接水部に小孔を設け排水時に貯湯タ
   ンク内に大気を導入する構成の貯湯タンクの排水手段。
3. 【請求項３】便座後部本体基板上に設けた貯湯タンクと
   便座後部背面傾斜部に相対する本体ケースの内側に前記
   貯湯タンク下部孔に水密に接続され便器ボール部へ向か
   う略Ｌ字状ドレンパイプとその先端に螺合されたドレン
   つまみからなり、前記ドレンつまみの材質を水より小さ
   い比重の合成樹脂とした貯湯タンクの排水手段。