JPH084586B2 - Ｃｔ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はＸ線CT装置やポジトロンCT装置において、被
検体を座位のままでもガントリのトンネル内に進入でき
るようにしたCT装置に関するものである。

「従来の技術」 第６図および第７図は最近提案された高解像度のポジ
トロンCT装置を示すもので、リング状のガントリ（１）
と、被検体（２）を固定する寝台などの保持装置（３）
とからなる。

前記ガントリ（１）はγ線を検出するための扇形の多
数の放射線検出用カセット（4a）…リング状に並べてな
るもので、１個の放射線検出用カセット（4a）にはシン
チレータ（５）と光電子増倍管（６）を対とする放射線
検出器（４）を４個収納し、またカセット（4a）を５重
にし、さらに放射線検出器（４）…の内側と外側にはシ
ールドコリメータ（７）（８）が設けられてなるもので
ある。このシールドコリメータ（７）（８）は第７図に
示すように、内側と外側にそれぞれ配置して測定部位以
外からの背景雑音（散乱線、単一γ線）の入射を提言す
るようになっているが、さらに各シンチレータ（５）毎
にスライコリメータ（９）が設けられる。

「発明が解決しようとする課題」 従来のCT装置は、仰臥位診断であって、被検体保持装
置（３）はベッド型であったので、ガントリ（１）のト
ンネル（10）への進入は容易であった。

しかるに、最近高分解頭部用ボジトロンCT装置では座
位診断の必要性が高まってきている。ところが、従来の
装置では、ガントリ（１）の移動および回転の調整と、
保持装置（３）の水平、垂直方向の移動調整とが関連な
く別個に行なわれていたので、特に、頭部用CT装置のよ
うにトンネル径の小さな装置では、座位のまま被検体の
頭部をトンネル内壁に衝突させることなく進入するのが
極めて面倒で相当の熟練を要していた。また、トンネル
内での頭部の位置決めのため投光器を設置しようとして
もトンネル径（φ）が小さいため設置できなかった。

本発明は仰臥位はもちろんのこと座位でも容易に被検
体をトンネル内に進入し位置決めをして診断できるよう
な装置を得ることを目的とするものである。

「課題を解決するための手段」 請求項１の発明は、支持本体にガントリと被検体保持
装置とを支持してなるCT装置において、ガントリは支持
本体の支持脚に上下動可能及び回転動可能に設けられ、
被検体保持装置は支持本体の軌道脚に水平動可能及び垂
直動可能に設けられ、ガントリを診断位置へ移動すると
ともに診断傾斜角度に駆動するガントリ駆動装置と、こ
のガントリ駆動装置により設定されたガントリ傾斜角度
データに基づき被検体保持装置の移動方向の制御信号を
演算して出力する演算装置と、この演算装置からの信号
で被検体保持装置を所定角度で移動する移動装置とを具
備してなるものである。

請求項２の発明は、支持本体に、ガントリと被検体保
持装置とを支持してなるCT装置において、ガントリには
被検体保持装置を移動せしめる軌道脚が一体に設けら
れ、ガントリと被検体保持装置とは支持本体の支持脚に
上下動可能及び回転可能に設けられ、被検体保持装置は
前記軌道脚に回転動可能及び直線動可能に設けられ、ガ
ントリを診断位置へ移動するとともに診断傾斜角度に駆
動するガントリ駆動装置と、このガントリ駆動装置によ
り設定されたガントリ傾斜角度データに基づき被検体保
持装置の移動方向の制御信号を演算して出力する演算装
置と、この演算装置からの信号で被検体保持装置を所定
角度で移動する移動装置とを具備してなるものである。

「作用」 被検体を座位で診断する場合、まず、被検体を椅子な
どの保持装置に座らせて体や頭部を固定し、ついで被検
体の頭部をガントリに近づける。ガントリの入口の投光
器の光を頭部のOMラインに一致させるとともに、トンネ
ル軸ラインを耳孔に一致させる。

すると、ガントリの傾斜角度が設定されるので、これ
を演算装置で演算して保持装置の移動装置に送る。する
と、移動装置では、水平方向と垂直方向の合成された目
的の方向に保持装置を移動させる。つまり、トンネル軸
と一致して被検体をトンネル内に進入させる。

「実施例」 以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。

第１図において、（１）はガントリで、こんガントリ
（１）は例えば第６図に示したものと同一とする。

このガントリ（１）は支持本体（11）に駆動装置（1
2）によって上下動および回動自在に取付けられてい
る。すなわち、前記支持本体（11）に支持脚（13）が直
立して設けられ、この支持脚（13）に、ガントリ（１）
の上下駆動部（14）と回転駆動部（15）とからなる前記
駆動装置（12）が設けられている。また、前記支持本体
（11）には軌道脚（16）が水平に設けられ、この軌道脚
（16）上に、椅子や寝台となり得る被検体保持装置（以
下、単に保持装置という）（３）の移動装置（17）が設
けられている。この移動装置（17）は前記軌道脚（16）
上を水平移動する水平移動部（18）と垂直方向に伸縮移
動する垂直移動部（19）とからなる。

つぎに、制御回路部は第２図に示すように、ガントリ
（１）の傾斜角（α）を検出して電気信号に変換して出
力する傾斜角エンコーダ（20）、この傾斜角信号と操作
スイッチ（21）からの移動指令信号で移動量を演算する
演算装置（22）、水平移動部（18）、垂直移動部（1
9）、さらに水平方向（Ｈ）、垂直方向（Ｖ）およびこ
れらの合成方向（Ｓ）の移動量表示部（23）（24）（2
5）で構成されている。

以上のような構成において、椅子からなる保持装置
（３）の背もたれ（26）、ヘッドレスト（27）等の角度
を調整しつつ被検体（２）をその上に載せてベルト等で
固定する。頭部はヘッドレスト（27）でしっかりと固定
する。

ガントリ（１）の上下および回転角を駆動装置（12）
で凡そ設定し、保持装置（３）を移動装置（17）で移動
して、被検体（２）の頭部をガントリ（１）のトンネル
（10）に近づける。そして、ガントリ（１）の入口に設
けられた投光器（31）の光線を頭部のOMライン（目尻と
耳孔を結ぶライン）に一致させ、同時に、トンネル軸
（28）を耳孔に一致させる。この状態はガントリ（１）
に対し、被検体（２）の進入方向が正確に直交してセッ
トされたこととなる。そして操作スイッチ（21）を押す
と、移動指令信号が出力し、傾斜角エンコーダ（20）か
らのガントリ（１）の傾斜角信号とともに演算装置（2
2）に送られる。この演算装置（22）から移動装置（1
7）の水平移動部（18）に、第３図に示すようにある設
定された時間だけ微小距離（ｈ）を移動させるパルスが
送られて水平にわずかに移動し、ついで、垂直移動部
（19）にも微小距離（ｖ）を移動させるパルスが送られ
て垂直方向にわずかに移動する。すなわち、演算装置
（22）では傾斜角（α）のデータからtanα＝V/Hに対応
する単位パルス数ｈとｖを演算して、水平方向と垂直方
向に交互に移動する。その結果、保持装置（３）はガン
トリ（１）に対して直交方向に移動してトンネル（10）
内に頭部を進入させる。

モニタ装置の表示部（23）（24）（25）には水平方
向、垂直方向、合成方向の移動量が刻々と表示される。
そして最適位置で移動装置（17）を停止させる。

つぎに、第４図は本発明の他の実施例を示すもので、
この例では、ガントリ（１）と保持装置（３）の軌道脚
（16）とを一体に連結したのである。また、上下駆動部
（14）と回転駆動部（15）からなる駆動装置（12）によ
ってガントリ（１）のみならず保持装置（３）をも一体
に駆動される。さらに保持装置（３）の移動装置（17
a）は直線移動部（18a）と回転移動部（19a）とからな
る。

この第４図の場合の制御回路部は第５図に示すよう
に、傾斜角エンコーダ（20）、演算装置（22）、操作ス
イッチ（21）、傾斜方向移動のための直線移動部（18
a）、表示部（29）とからなる。

以上のような構成において、ガントリ（１）の傾斜角
（α）すなわち、トンネル軸（28）と、保持装置（３）
の背もたれ（26）およびヘッドレスト（27）が平行にセ
ットされるように調整をする。また座部（30）の回転角
度（α）とガントリ（１）の回転角度（α）を一致させ
るように両者の回転駆動部（15）と回転移動部（19a）
とを連動して操作することもできる。調整後は移動装置
（17a）の直線移動部（18a）だけで頭部をトンネル（1
0）へ進入させ、進入距離を表示部（29）で表示する。

「発明の効果」 本発明によればガントリのトンネル内の測定視野への
位置決めが熟練を要せずに安全で、かつ信沿に行なえ
る。また、トンネル軸に一致して進入されるので、トン
ネルを可及的に狭くでき高感度の測定ができる。

さらに、仰臥位、座位などどのような本位でよいなど
すぐれた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるCT装置の第１実施例の正面図、第
２図は同上制御回路部のブロック図、第３図は移動方向
の説明図、第４図は本発明の第２実施例の正面図、第５
図は同上制御回路部のブロック図、第６図はガントリの
側面図、第７図は従来の装置の正面図である。 （１）……ガントリ、（２）……被検体、（３）……被
検体保持装置、（４）……放射線検出器、（4a）……放
射線検出用カセット、（５）……シンチレータ、（６）
……光電子増倍管、（７），（８）……シールドコリメ
ータ、（９）……スライスコリメータ、（10）……トン
ネル、（11）……支持本体、（12）……駆動装置、（1
3）……支持脚、（14）……上下駆動部、（15）……回
転駆動部、（16）……軌道脚、（17）……移動装置、
（18）……水平移動部、（19）……垂直移動部、（20）
……傾斜角エンコード、（21）……操作スイッチ、（2
2）……演算装置、（23）（24）（25）（29）……表示
部、（26）……背もたれ、（27）……ヘッドレスト、
（28）……トンネル軸、（30）……座部、（31）……投
光器。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】支持本体に、ガントリと被検体保持装置と
   を支持してなるCT装置において、前記ガントリは前記支
   持本体の支持脚に上下動可能及び回転動可能に設けら
   れ、前記被検体保持装置は前記支持本体の軌道脚に水平
   動可能及び垂直動可能に設けられ、前記ガントリを診断
   位置へ移動するとともに診断傾斜角度に駆動するガント
   リ駆動装置と、このガントリ駆動装置により設定された
   ガントリ傾斜角度データに基づき前記被検体保持装置の
   移動方向の制御信号を演算して出力する演算装置と、こ
   の演算装置からの信号で前記被検体保持装置を所定角度
   で移動する移動装置とを具備してなるCT装置。
2. 【請求項２】支持本体に、ガントリと被検体保持装置と
   を支持してなるCT装置において、前記ガントリには前記
   被検体保持装置を移動せしめる軌道脚が一体に設けら
   れ、前記ガントリと前記被検体保持装置とは前記支持本
   体の支持脚に上下動可能及び回転可能に設けられ、前記
   被検体保持装置は前記軌道脚に回転動可能及び直線動可
   能に設けられ、前記ガントリを診断位置へ移動するとと
   もに診断傾斜角度に駆動するガントリ駆動装置と、この
   ガントリ駆動装置により設定されたガントリ傾斜角度デ
   ータに基づき前記被検体保持装置の移動方向の制御信号
   を演算して出力する演算装置と、この演算装置からの信
   号で前記被検体保持装置を所定角度で移動する移動装置
   とを具備してなるCT装置。
3. 【請求項３】被検体保持装置は、座部と背もたれ部を直
   線上に伸ばしたとき寝台として兼用される椅子からなる
   請求項（１）または（２）記載のCT装置。