JPH0845356A - フラットケーブルの折曲部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フラットケーブルの折曲部を堅固に固定し、
安定して保持する。 【構成】 フラットケーブル１０の側縁の折曲中心線Ｓ
付近には、絶縁シート１１から延在して突出片１２、１
３が設けられ、突出片１２の一辺L1と突出片１３の一辺
L2は折曲中心線Ｓとほぼ平行に形成される。このフラッ
トケーブル１０を折曲中心線Ｓより２つに折り曲げて、
突出片１２の辺L1と突出片１３の辺L2を重ねるようにし
て積層部を形成し、積層部をテープにより強固に固定
し、安定して保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気機器等の配線に使
用される際に、特にその配線方向を変更するための折曲
部を安定して保持することのできるフラットケーブルの
折曲部に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、フラットケーブルを実装配線
する際に、フラットケーブルを折り曲げて方向変更をす
ることがある。例えば、図１１に示すようにコネクタ１
を有するフラットケーブル２を折曲線Ｓで折り曲げ、図
１２に示すようにコネクタ１の位置を変更して使用する
場合に、折曲部３の形状を固定的に保持するために、図
１３に示すように塩化ビニール等のテープ４を折曲部３
に巻装して固定することが多い。

【０００３】また、別の方式として図１４に示すよう
に、フラットケーブル２の両側縁に、折曲線Ｓで折り曲
げた際にその位置が一致するように孔５を設けた舌片６
を設け、折曲線Ｓにより折り曲げた際に、図１５に示す
ようにこの孔５同志にプラスチック製の帯バンド７を通
して固定することも行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来例のように、折曲部３をテープ４で巻装すると、折り
曲げた内側の部分でテープが皺になり、外観上好ましく
なく、また堅固に固定できないという問題がある。一
方、所定部に舌片６を設け、舌片６の孔５に帯バンド７
を通して固定する方式では、孔５の位置が合わなかった
り折曲による垂みが生じたり、更には帯バンド８が比較
的高価である等の問題点がある。

【０００５】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
フラットケーブルを折り曲げて使用する際に、その折曲
部を簡単にかつ強固に固定できるフラットケーブルの折
曲部を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るフラットケーブルの折曲部は、導体を絶
縁シートにより挟着したフラットケーブルの所定位置を
折曲して配線の方向を変更する場合において、前記所定
位置の折曲中心線の付近の少なくとも折曲状態で内角側
となる前記絶縁シートから延在し、前記折曲中心線とほ
ぼ平行な辺を有する突出片を設け、前記絶縁シートを前
記導体と共に前記折曲中心線を中心に折曲し、前記突出
片の平行片と前記折曲中心線を含む外側辺との間をテー
プにより巻回したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】上述の構成を有するフラットケーブルの折曲部
は、折曲中心線の付近の絶縁シートから延在した突出片
を設け、折曲中心線において偏平導体、絶縁シートを折
り曲げて、折り曲げた外側辺とこれに平行な突出片の一
辺との間の折曲部をテープにより固定し安定的に保持す
る。

【０００８】

【実施例】本発明を図１〜図６に図示の実施例に基づい
て詳細に説明する。図１は本実施例のフラットケーブル
１０を折り曲げる前の平面図、図２は折り曲げた後の平
面図である。偏平導体C1、C2を絶縁シート１１により挟
着したフラットケーブル１０の折曲中心線Ｓ付近の、折
曲状態において内角側となる両側には、絶縁シート１１
から延在した三角形状の突出片１２、１３が設けられ、
突出片１２の一辺L1と、突出片１３の一辺L2が折曲中心
線Ｓを中心に対称的にかつ折曲中心線Ｓと平行に形成さ
れている。

【０００９】フラットケーブル１０の方向を変更する場
合に、フラットケーブル１０をその折曲中心線Ｓにおい
て２つに折り曲げると図２に示すような形状となり、突
出片１２の辺L1と突出片１３の辺L2が重なって辺Ｌとな
り、折曲中心線Ｓの位置が折り曲げたフラットケーブル
の外側辺Ｓ’となり、この外側辺Ｓ’と辺Ｌとの間に積
層部１４が形成され、辺L1と辺L2が重なる辺Ｌと辺Ｓ’
とは平行になる。

【００１０】この積層部１４上の辺Ｌと辺Ｓ’の間を図
３に示すように、例えば塩化ビニル等の粘着テープ１５
によって巻装すれば、積層部１４を堅固に固定して、ず
れないように安定させて保持することができる。

【００１１】なお、絶縁シート１１の厚みが大きい場合
には、突出片１２、１３は必ずしも図１のようにフラッ
トケーブル１０の両側縁に設ける必要はなく、図４、図
５に示すように突出片１５を一方の側縁に設けて、それ
ぞれ図６、図７に示すように折り曲げても、図３と同様
の方式で積層部１４を粘着テープにより堅固に固定し、
保持することができる。

【００１２】更に、上述の実施例では突出片を二等辺三
角形として形成しているが、これを図８に示すのような
突出片１２、１３から成る直角三角形でもよく、また直
角三角形と四角形を組み合わせた図９に示すような台形
状としてもよい。更に、図１０に示すように突出片１
２、１３の大きさは自在に設定でき、折曲中心線Ｓの長
さよりも短い平行線L3を一辺とする形状に形成し、折曲
部の中心のみをテープにより固定するようにすれば、突
出片１２、１３は小さくなり、使用する材料も節約でき
る。

【００１３】また、実施例ではフラットケーブル１０を
直角に折り曲げることについてのみ説明したが、直角以
外の方向に折り返すことも可能である。

【００１４】フラットケーブル１０の仕様が決定された
時点で、折曲位置付近にこのような突出片を設けること
により、正確な位置でフラットケーブル１０を折り曲
げ、折曲部を堅固に固定することができるので、容易に
かつ正確な実装配線を行うことができ、外観上も整然と
仕上げることが可能である。

【００１５】なお、図１〜図３、図９、図１０の実施例
は折曲部全体が二層構造となるため、絶縁シート１１が
薄くても折曲部の強度は確保されるので有利である。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るフラッ
トケーブルの折曲部は、その側縁に絶縁シートから延在
して突出片を設け、突出片の一辺を折曲中心線とほぼ平
行にすることにより、正確な位置での折曲が可能で、か
つその折曲部をテープにより堅固に固定することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の折曲部の平面図である。

【図２】折曲した状態の平面図である。

【図３】折曲部にテープを巻装した状態の平面図であ
る。

【図４】他の実施例の折曲部の平面図である。

【図５】更に他の実施例の平面図である。

【図６】折曲した状態の平面図である。

【図７】折曲した状態の平面図である。

【図８】他の実施例の平面図である。

【図９】他の実施例の平面図である。

【図１０】他の実施例の平面図である。

【図１１】従来例の折曲部の平面図である。

【図１２】折曲した状態の平面図である。

【図１３】折曲部にテープを巻回した状態の平面図であ
る。

【図１４】他の従来例の折曲部の平面図である。

【図１５】折曲した状態の平面図である。

【符号の説明】

１０ フラットケーブル １１ 絶縁シート １２、１３、１５ 突出片 １４ 積層部 １５ 粘着テープ Ｓ 折曲中心線

フロントページの続き (72)発明者 赤穂 浩正 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 渡辺 健司 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 高橋 恒行 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 導体を絶縁シートにより挟着したフラッ
   トケーブルの所定位置を折曲して配線の方向を変更する
   場合において、前記所定位置の折曲中心線の付近の少な
   くとも折曲状態で内角側となる前記絶縁シートから延在
   し、前記折曲中心線とほぼ平行な辺を有する突出片を設
   け、前記絶縁シートを前記導体と共に前記折曲中心線を
   中心に折曲し、前記突出片の平行片と前記折曲中心線を
   含む外側辺との間をテープにより巻回したことを特徴と
   するフラットケーブルの折曲部。
2. 【請求項２】 前記突出片の前記折曲中心線に対して線
   対称となる位置で前記突出片の形成された側縁とは反対
   の側縁に、前記折曲中心線とほぼ平行な辺を有する突出
   片を更に設け、前記両突出片の平行片同志が互いに重な
   るように前記絶縁シートを折曲した請求項１に記載のフ
   ラットケーブルの折曲部。