JPH084490Y2 - 床フレーム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、床フレームに関するものである。

従来の技術 第４図は、従来における床フレームの構造を示してい
る。図において（１）（１）は、互いに平行な長辺側の
一対の溝形鋼であり、他方（２）（２）は、同じく互い
平行な短辺側の一対の溝形鋼であって、これらの溝形鋼
（１）（２）が、共にその溝部が内側となるようにして
配置されてその端部において接合されている。（３）
（３）は、長辺側の溝形鋼（１）（１）間に渡された桟
材を示している。両溝形鋼（１）（２）の接合部は、第
５図で示すように、長辺側の溝形鋼（１）のフランジ部
分を切り落としして、それによって突出したウェブ
（４）を、短辺側溝形鋼（２）の溝部へ嵌合させて、そ
のフランジからウェブ（４）の端部全周に渡って溶接し
ている。この床フレームは、その短辺側の溝形鋼（２）
を、第６図のようなＨ形鋼からなる床梁（14）へ取付け
るものであって、（５）がその取付け金具を示してい
る。この金具（５）は、垂直なプレート（６）の下端を
水平に折り曲げ、かつ、その中間部分を同じ方向に切り
起こしして、上下一対の取付け片（７）（８）を形成
し、更に、中間部分において外方に水平に切り起こしし
た床受けプレート（９）を一体に形成したものである。
そして取付け片（７）（８）を、第６図のように、床梁
（４）の上下のフランジ（10）（10）へ乗せて、ボルト
（11）で固定するとともに、短辺側溝形鋼（２）の外側
面を、その垂直プレート（６）外側面に当接するととも
に、下部フランジを水平プレート（９）上へ乗せて、垂
直プレート（６）の上端と短辺側溝形鋼（２）のウェブ
部分とを、外側から差し込んだボルト（12）によって締
め付け固定するものである。（13）は、水平プレート
（９）より突出させた位置決めピンで、この位置決めピ
ン（13）を短辺側溝形鋼（２）の下部フランジへ差し込
んで位置決めを行なうようにしている。

考案が解決しようとする課題 上記のように、床フレームの短辺側溝形鋼（２）は、
垂直プレート（６）の上端部分へボルト（12）によって
固定されるが、第５図のように、長辺側溝形鋼（１）と
短辺側溝形鋼（２）との接合部分には、隙間がなく、か
つ、第６図のように床板（16）を張り付けた状態では、
その短辺側溝形鋼（２）の裏面側に上方から手を差し込
むことができない不都合がある。そのため、ボルト（1
2）の締め付け作業を行なう場合、裏側でナット（15）
を操作することができないから、予めこのナット（15）
を溝形鋼（２）の裏面に溶接しておかなければならない
不都合がある。勿論、この場合、長辺側溝形鋼（１）と
短辺側溝形鋼（２）との接合部を、上記のように嵌合さ
せることなく、フランジ部分のみにおいて突合わせ接合
することも考えられるが、そうすると溶接長が短くな
り、接合強度が充分でないという不都合がある。

この考案は、このような従来の床フレームの不都合を
解消することを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段 そして、上記の課題を解決するため、この考案では、
方形フレームの２辺を構成する互いに平行な一対の溝形
鋼を、その溝部が内向きとなるようにして配置し、同じ
く他の２辺を構成する他方の平行な一対の溝形鋼をその
溝部が外向きとなるようにして配置して、それら他方の
溝形鋼のウエブの外側面へ前記溝部が内向きとなった溝
形鋼のフランジ及びウエブ端部を溶接し、かつ、溝部が
外向きとなった溝形鋼の上下のフランジ間に跨がって、
床梁への取付け用ボルト穴を有する取付けプレートを固
定したことを特徴とする。

作用 上記この考案の構成によれば、床梁側へ接合される溝
形鋼を、その溝部が外側となるようにして配置してお
り、そのため、その上下のフランジ間に跨がって取付け
られる取付けプレートと溝形鋼の溝部との間に空間を生
じることとなり、手を差し込んで容易にボルト及びナッ
トの締め付け作業を行なうことができる。

実施例 第２図は、この考案の床フレーム（21）の平面を示し
ており、長辺側の溝形鋼（22）（22）は、その溝部が内
側となるようにして配置されるが、それらに接合される
短辺側の溝形鋼（23）（23）は、第３図で示すようにそ
の溝部（24）が外向きとなるようにして配置されて、こ
の短辺側溝形鋼（24）のウェブ背面に、長辺側溝形鋼
（22）の端部が、そのフランジからウェブに跨がって全
周突き合わせ溶接されている。そして、第３図で示すよ
うに、短辺側溝形鋼（23）の端部には、コの字型に折り
曲げられた取付けプレート（25）が、その上下のフラン
ジ（26）（26）間に嵌合されて、短辺側溝形鋼（23）の
ウェブ（27）とこのとプレート（25）との間に空間を形
成している。この取付けプレート（25）には取付け用ボ
ルト穴（28）が予め形成されている。（29）は、取付け
金具であり、その垂直プレート（30）の下端を内方へ水
平に折り曲げて下部取付け片（31）とし、更にその中間
部分に同じ方向の水平な上部取付け片（32）が固着され
ている。（33）は、上・下部取付け片（31）（32）間に
跨がって渡された補強リブを示している。上部取付け片
（32）より上端側において、垂直プレート（30）の上端
部分には、前記取付けプレート（25）のボルト穴（28）
に一致するボルト穴（34）が予め形成されている。同じ
く垂直プレート（30）の外側面には、Ｌ型の支持プレー
ト（35）が、その垂直部において接合固着されて、この
支持プレート（35）の上面より位置決めピン（36）が突
設されている。この位置決めピン（36）に対応して、短
辺側溝形鋼（23）の下部フランジ（26）及び取付けプレ
ート（25）の下側水平部に、位置決め穴（37）が予め形
成されている。

第１図は、上記取付け金具（29）及び床フレーム（2
1）の取付け構造を示している。取付け金具（29）は、
上下の取付け片（32）（31）を、Ｈ型鋼からなる床梁
（39）の上下のフランジ（40）（40）間へ差し込み、夫
々ボルト（41）によって固定されている。そして、床フ
レーム（21）は、その短辺側の溝形鋼（23）の下部フラ
ンジ（26）に形成した位置決め穴（37）を、支持プレー
ト（35）の位置決めピン（36）へ差し込んで、この支持
プレート（35）上へ設置すると、固定金具（29）のボル
ト穴（34）と取付けプレート（25）のボルト穴（28）と
が一致しているので、これにボルト（42）を外側から差
し込み、取付けプレート（25）と短辺側溝形鋼（23）の
ウェブ（27）との空間より手を差し込んで、このボルト
（40）の先端にナット（43）を螺合させて締め付け固定
するものである。なお、床フレーム（21）には、従来と
同様に予め床板（44）が張り付けられている。

考案の効果 以上のように、この考案では、床梁側へ取付けられる
溝形鋼を、その溝部が外向きとなるようにして配置し
て、その上下のフランジ間に跨がって取付けプレートを
設けており、それ故、その取付けプレートの裏側に手を
差し込んでナットとボルトとの締めつけ作業を容易に行
なうことができるため、従来のように裏ナットを予め溶
接しておく必要がないという利点がある。しかも、この
ように溝部が外向きとなるように配置することによっ
て、これに接合される相手方の溝形鋼の端部は、従来の
ようにその溝形鋼へ嵌合させる必要がないことから、前
記第３図で示すように、単純に直角に切断するだけでよ
く、相手方溝形鋼の接合端部の加工が簡単になるという
効果が得られる。そして、梁側へ固定されない一対の平
行な溝形鋼はその溝部が内向きとなっているので、複数
の床フレームを梁方向に並列して、そのフレーム同士を
ボルト接合する場合に、隣接する溝形鋼はウエブ同士が
離れることなく相互に背中合わせに対向するので、かか
るボルトでの接合が容易となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例における床フレームの取付
け状態の要部縦断面図、第２図はこの考案の床フレーム
の平面図、第３図は同じく床フレームと取付け金具の要
部の斜視図、第４図は従来の床フレームの平面図、第５
図は同じく従来の床フレームと取付け金具の斜視図、第
６図は同じく従来における床フレームの取付け構造を示
す要部縦断面図である。 （21）……床フレーム、（23）……溝形鋼、（24）……
溝部、（25）……取付けプレート、（26）……フラン
ジ、（27）……ウエブ、（28）……ボルト穴、（39）…
…床梁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】方形フレームの２辺を構成する互いに平行
   な一対の溝形鋼を、その溝部が内向きとなるようにして
   配置し、同じく他の２辺を構成する他方の平行な一対の
   溝形鋼をその溝部が外向きとなるようにして配置して、
   それら他方の溝形鋼のウエブの外側面へ前記溝部が内向
   きとなった溝形鋼のフランジ及びウエブ端部を溶接し、
   かつ、溝部が外向きとなった溝形鋼の上下のフランジ間
   に跨がって、床梁への取付け用ボルト穴を有する取付け
   プレートを固定したことを特徴とする床フレーム。