JPH0841920A - マンホールに於ける管取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、マンホール躯体に取付管を容易かつ
機械的に取り付けることが出来る管取り付け構造を目的
としている。 【構成】取付管１２をマンホール躯体２の取付管用穴２
の周りに取り付ける構造であって、取付管１２の外径よ
りも十分に大きな内径を持った剛性ソケット３を埋込ア
ンカー４と、アンカーボルト５とを介してマンホール躯
体２に取り付け、かつ筒部８の元部及び先端部にフラン
ジ９，１０を取り付けて形成した先細形柔軟筒体７を前
記剛性ソケット３に取り付け、該先細形柔軟筒体７に挿
通された取付管１２を先端部の内周面で保持し、更に該
取付管１２に嵌着されたリング１３に前記フランジ１０
をボルト１８を介して固定して構成したマンホールに於
ける管取り付け構造である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はマンホール躯体に取付管
を取付ける構造に係り、特に、マンホール躯体に取付管
を機械的に取付けることが出来、かつ取付管が可撓性を
持って取り付けられるようにした取付け構造を提供する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の取付管の取付け方法とし
ては、予めコンクリート製ソケットをマンホール躯体に
一体的に取り付ける方法（例えば江端コンクリート工業
株式会社が開発した「エバホール」等）が公知である。
この方法は、ソケットがマンホール躯体に予め取り付け
られているので、現場では取付管をソケットの中に差し
込みかつゴムシールで接合すれば良いので、作業が簡単
であると共に、水蜜性の確保が容易である等の点で優れ
た方法である。

【０００３】しかし、この方法は、マンホール躯体に取
り付けられるソケットの位置が工場で製造される時に予
め決定されるために、多種多様のマンホール躯体を用意
しなければならない問題があった。また、施工現場で生
じる管路の施工誤差には、全く対応が出来ない等の大き
な欠点もあった。更に、一般に管路は下流から施工して
くるが、取付管をマンホール躯体に接続するときには、
一旦取付管をマンホール躯体の内部に深く差し込んでか
ら引き出して取付管とマンホール躯体との接続作業を実
施するが、コンクリートソケットが予めマンホール躯体
に取り付けられているこの種のタイプでは、このような
作業を行うことが出来ないという問題もあった。

【０００４】前述のコンクリート製ソケットを予めマン
ホール躯体に取り付ける方法の欠点を改善するために、
例えば本件特許出願人が開発した実公平４ー３２５４３
号公報に示すゴム製ソケットをマンホール躯体に取り付
ける方法が公知である。このゴム製ソケットをマンホー
ル躯体に取り付ける方法は、ソケット自体が可撓性を有
するので、施工時の誤差を充分に吸収することが出来る
点、及び取付管をマンホール躯体に差し込んで管路を施
工することが出来る点で優れた方法であり、実用化され
るようになって来ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然るに、ゴム製ソケッ
トをマンホール躯体に取り付ける方法も次のような問題
点が新たに生じるようになって来た。即ち、ゴム製ソケ
ットをマンホール躯体に取り付けるに当たっては、ブチ
ルゴム等の接着剤とボルト等を併用して取り付けるが、
現場で接合部分が湿っているような場合等の施工時の条
件が悪いと、接合部分が後から剥離して漏水が生ずる問
題があった。また、ゴム製ソケットをマンホール躯体に
機械的に固着する場合には、現場に特殊なジャッキや治
具を用意しなければならず煩雑である問題もあった。更
に、このゴム製ソケットを使用する方法に於いても、管
路の施工誤差に対応出来る範囲が狭められる問題もあっ
た。

【０００６】本発明に係る取付け構造は、前述の従来の
問題点に鑑み開発された全く新しい技術であって、特に
マンホール躯体には大きな内径を持った剛性ソケットを
取り付け、かつ、可撓性に富む先細形柔軟筒体を該剛性
ソケットに取り付け、更に取付管をこの先細形柔軟筒
体、剛性ソケット及びマンホール躯体に挿通した状態で
マンホール躯体に取付管を取り付ける全く新しい取り付
け構造の技術を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るマンホール
に於ける管取付け構造は、前述の従来の問題点を根本的
に改善した技術であって、その第１発明の要旨は、マン
ホール躯体の壁面に穿設された取付管用穴に取付管を取
付ける構造に於いて、前記取付管の外径より十分大きな
内径を持つ剛性ソケットをマンホール躯体の取付管穴の
周りに取付固定し、先端部の内径が取付管のほぼ外径に
等しい先細形柔軟筒体の元部を前記剛性ソケットに取付
固定し、更に取付管を該先細形柔軟筒体、剛性ソケット
及びマンホール躯体の取付管用穴に挿通すると共に、取
付管をマンホール躯体及び先細形柔軟筒体の先端部で支
持して構成しことを特徴としたマンホールに於ける管取
付け構造である。

【０００８】また、第２発明の要旨は、先細形柔軟筒体
の元部と先端部との夫々の外周にフランジを突設し、元
部のフランジを剛性ソケットに取付け、かつ先端部のフ
ランジを取付管の周りに嵌着されたリングに取付けるこ
とを特徴とした第１発明のマンホールに於ける管取付け
構造である。

【０００９】更に、第３発明の要旨は、先細形柔軟筒体
は、その中央部の筒部が小さな硬度を有し、かつフラン
ジ部が大きな硬度を持って構成されていることを特徴と
した第１発明及び第２発明のマンホールに於ける管取付
け構造である。

【００１０】

【作用】第１発明の取付け構造に於いては、剛性のある
剛性ソケットをマンホール躯体に取り付けるので、ソケ
ットをマンホール躯体に容易かつ安定した状態で機械的
に取り付けることが出来る。従って、工場等に於いて予
め取り付けることが可能である。剛性ソケットは取付管
の外径より十分大きな内径を有しているので、この中に
挿入された取付管は、その方向を自在に変えることが出
来る。取付管とマンホール躯体及び剛性ソケットとの隙
間にはモルタル等を充分に充填することが出来、かつ取
付け管をこれ等のマンホール躯体と剛性ソケットとで長
距離間で支持することが出来る。剛性ソケットには先細
形柔軟筒体を機械的に取り付けるためのアンカーを予め
埋設することが出来る。可撓性に富む先細形柔軟筒体が
剛性ソケットに取り付けられており、かつこの先細形柔
軟筒体の先端部で取付管を支持しているので、取付管は
管路の施工誤差等に対して広い範囲で対応することが出
来る。

【００１１】本願の第２発明に於いては、先細形柔軟筒
体の元部と先端部との夫々の外周にフランジが突設され
ているので、これ等のフランジを介して先細形柔軟筒体
を剛性ソケットと取付管に固定されたリングとに安定し
た状態で強固に取り付けることが出来る。

【００１２】本願の第３発明に於いては、先細柔軟筒体
の中央部の筒部が小さな硬度で形成されて柔らかになっ
ているので、可撓性に富む筒体を構成することが出来、
この先細形柔軟筒体に固定される取付管の方向を大きく
変えることが出来る。また、フランジ部は大きな硬度を
有しているので、このフランジ部を剛性ソケット或いは
取付管に設けられたリングに、強固かつ安定した状態で
取り付けることが出来る。

【００１３】

【実施例】図により本発明に係るマンホールに於ける管
取り付け構造の一実施例を具体的に説明すると、図１は
本発明の方法を実施した状態の要部の縦断面図、図２は
図１の外観を示す斜視図、図３は図１の要部の正面説明
図、図４は他例の正面説明図である。

【００１４】図１乃至図３に於いて、１はマンホール躯
体であって、その所定位置には取付管用穴２が穿設され
ている。３は剛性ソケットであって、マンホール躯体１
の取付管用穴２の周りに取付固定れている。この剛性ソ
ケット３はコンクリート或いは合成樹脂等の剛性材で形
成されている。かつ、剛性ソケット３はマンホール躯体
１に予め埋め込まれた埋込アンカー４にアンカーボルト
５を螺合することによって機械的に取り付けられえると
共に、マンホール躯体１と剛性ソケット３の間には接着
剤が充填されている。この剛性ソケット３は、後述の取
付管の外径より十分大きな内径を持って形成され、かつ
その端部には埋込アンカー６が埋設されている。

【００１５】７は先細形柔軟筒体であって、先細状に形
成された中央部の筒部８と、その筒部８の元部外周に突
設されたフランジ９と、及び筒部８の先端部外周に突設
されたフランジ１０とで一体的に構成されている。筒部
８は硬度の小さい柔軟性に富むプラスチック材、合成ゴ
ム材等で形成され、かつ、その先端部は取付管の外径と
ほぼ等しい内径を有している。フランジ９，１０は、夫
々硬度の大きいＡＢＳ樹脂等のプスチック材で形成さ
れ、かつ、これ等のフランジ９，１０と筒部８とは一体
的に成形されている。前記フランジ９，１０の所定位置
には、ボルトを挿通し得るボルト穴が穿設されている。
フランジ９の外周縁には、前記剛性ソケット３の外周面
に被覆し得る突輪１１が突設されている。

【００１６】１２は取付管であって、マンホール躯体１
の取付管用穴２、剛性ソケット３及び先細形柔軟筒体７
に挿通して取り付けられる寸法を有している。この取付
管１２の外周所定位置には、取付管１２を先細形柔軟筒
体７の先端に設けられたフランジ１０に固定するための
リング１３が取り付けられている。図中１４はシールゴ
ムであって、リング１３をフランジ１０に固定する際に
両者間に挟み込まれるように構成されている。また、１
５，１６もリングであって、フランジ９及びフランジ１
０を夫々剛性ソケット３或いは前記リング１３に取り付
ける際に、これ等のフランジ９、或いはフランジ１０を
挟持し得るように構成されている。

【００１７】本発明に係る管取り付け構造の実施に当た
っては、剛性ソケット３を，マンホール躯体１の所定位
置に穿設された取付管用穴２の周りに、ボルト５と埋込
アンカー４とを介して取付固定する。次に剛性ソケット
３の端面に先細形柔軟筒体７のフランジ９を当接し、同
時に突輪１１を剛性ソケット３の外周部に被覆し、か
つ、このフランジ９の外側にリング１５を重ね、ボルト
１７と埋込アンカー６とを利用して両者を機械的に固定
する。その後で、先細形柔軟筒体７の先端部から剛性ソ
ケット３、取付管用穴２及びマンホール躯体１の内部迄
取付管１２を深く挿入した後、この取付管１２を図示せ
ざる管路に連結する。

【００１８】かつ、取付管１２の外周に嵌め込まれて取
り付けられたリング１３と、先細形柔軟筒体７のフラン
ジ１０とを当接すると共に、両者間にシールゴム１４を
介在し、フランジ１０の背面にリング１６を重ね、この
状態で複数個のボルト１８を介してフランジ１０と、そ
の両側面に当接されたリング１３，１６とをボルト１８
で固定して取付間１２を先細形柔軟筒体７に機械的に取
付固定する。また、取付管１２とマンホール躯体１及び
剛性ソケット３との隙間には、バックアップ材やモルタ
ルを充填する。このようにして、本発明に係る管取付け
構造を構成することが出来る。

【００１９】上記実施例に於いては、剛性ソケット３の
外周部に３個の三角形突出部３ａを突設し、この部分に
アンカーボルト５を挿通するように構成したが、図４に
示す如く、剛性ソケット３の外周を大径に形成し、その
所定位置に穴を穿設して、アンカーボルト５をこの穴に
挿通するように構成することも可能である。

【００２０】

【発明の効果】本発明に係るマンホールに於ける管取り
付け構造は、前述の如き構造と作用とを有するので、次
のような多大な効果を有している。

【００２１】（１）取付管は先細形柔軟筒体で支持され
ると共に、取付管より十分大きな内径を持った剛性ソケ
ット内に挿入されるので、マンホール躯体に取り付けら
れる取付け管は、その取り付け方向を大きく変えること
が出来る。（２）取付け管をマンホール躯体内に深く挿
入することが出来る。（３）取付け管はマンホール躯体
及び剛性ソケットで長距離間を安定した状態で支持する
ことが出来る。

【００２２】（４）躯体マンホールと先細形柔軟筒体と
の間に剛性ソケットを介在させるので、これ等を安定し
た状態で機械的に結合させることが出来る。（５）先細
形柔軟筒体の元部及び先端部に夫々フランジを設けたの
で、このフランジを介して先細形柔軟筒体を剛性ソケッ
ト、或いは取付管に嵌合されたグランジに容易かつ確実
に取り付け固定することが出来る。（６）先細形柔軟筒
体は、その先端部の内径が取付管の外径とほぼ等しいの
で、この先端部で取付管を支持することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の方法を実施した状態の要部の縦断面図
である。

【図２】図１の外観を示す斜視図である。

【図３】図１の要部の正面説明図である。

【図４】他例の正面説明図である。

【符号の説明】

１ マンホール躯体 ２ 取付管用
穴 ３ 剛性ソケット ４ 埋込アン
カー ５ アンカーボルト ６ 埋込アン
カー ７ 先細形柔軟筒体 ８ 筒部 9,10 フランジ 11 突輪 12 取付管 13 リング 14 シールゴム 15,16 リング 17,18 ボルト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 端 伸 夫 東京都新宿区西新宿１丁目22番２号 羽田 ヒューム管株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】マンホール躯体の壁面に穿設された取付管
   用穴に取付管を取付ける構造に於いて、前記取付管の外
   径より十分大きな内径を持つ剛性ソケットをマンホール
   躯体の取付管穴の周りに取付固定し、先端部の内径が取
   付管のほぼ外径に等しい先細形柔軟筒体の元部を前記剛
   性ソケットに取付固定し、更に取付管を該先細形柔軟筒
   体、剛性ソケット及びマンホール躯体の取付管用穴に挿
   通すると共に、取付管をマンホール躯体及び先細形柔軟
   筒体の先端部で支持して構成しことを特徴としたマンホ
   ールに於ける管取付け構造。
2. 【請求項２】先細形柔軟筒体の元部と先端部との夫々の
   外周にフランジを突設し、元部のフランジを剛性ソケッ
   トに取付け、かつ先端部のフランジを取付管の周りに嵌
   着されたリングに取付けることを特徴とした請求項１の
   マンホールに於ける管取付け構造。
3. 【請求項３】先細形柔軟筒体は、その中央部の筒部が小
   さな硬度を有し、かつフランジ部が大きな硬度を持って
   構成されていることを特徴とした請求項１及び２のマン
   ホールに於ける管取付け構造。