JPH0840Y2 - 小型電動調理装置のスイッチ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 この考案は、野菜あるいはチーズなどの各種調理材料
をすりおろしたり、スライスしたりする小型電動調理装
置、詳しくは刃物部材を覆う蓋体が世紀の状態で取り付
けられたときにのみ、スイッチ部材をON作動させること
ができるスイッチ構造に関する。

【従来技術】

出願人は、先に、例えば実開平2-86444号において、
把持可能な把持部およびこの先端部に電動モータに連結
された回転軸が回転可能に支持された駆動部が一体に形
成された本体ケース、駆動部の上面を覆う皿板、皿板を
挿通した駆動軸に取り付けられる刃物ディスク、刃物デ
ィスクを覆うように駆動部あるいは皿板に取り付けられ
る調理材料を投入するための挿入部を有した蓋体とから
なる小型電動調理装置が構成されている。 そしてこの小型電動調理装置には本体ケースに移動可
能に支持され、回動操作される蓋体の作動片に当接する
規制部材と、この規制部材を付勢する弾性部材と、弾性
部材の弾性力により移動された規制部材により回動操作
が規制されるとともに弾性部材の弾性力に抗して規制部
材が移動されたときに回動操作が可能化されるスイッチ
釦と、回動操作されたスイッチ釦によりON作動されるス
イッチ部材とからなるスイッチ構造が設けられている。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この種のスイッチ構造にあっては、規
制部材を常には弾性部材の弾性力により蓋体の装着回動
方向と反対の方向へ付勢している。このため、蓋体が装
着された状態でスイッチ釦が押下操作されていない状態
においては、規制部材に当接する作動片を介して蓋体が
非装着方向へ回動されて外れる問題を有している。 また、スイッチ釦の押下操作時には、スイッチ釦に設
けられた軸を、規制部材に設けられた孔内に挿入してス
イッチ釦の回動操作を可能化している。このため、蓋体
を装着する際には、作動片に当接する規制部材の孔がス
イッチ釦の軸と一致するように装着回動操作しなければ
ならず、作業性が悪かった。 本考案は、上記した従来の欠点を解決するために考案
されたものであり、その目的とするところは、スイッチ
釦の非押下時に蓋体が外れるのを防止するとともに蓋体
の取り付け作業を簡易化することができ、蓋体が取り付
けられたときにのみ、スイッチ部材をON作動させること
ができる小型電動調理装置のスイッチ構造を提供するこ
とにある。

【問題点を解決するための手段】

このため本考案は、把持可能な大きさの把持部および
回転軸が回転可能に支持された駆動部が設けられた本体
ケースと、回転軸に連結された電動モータと、駆動部に
回転軸を挿通して着脱可能に取り付けられる皿部材と、
皿部材を挿通した回転軸に着脱可能に取り付けられる刃
物部材と、駆動部あるいは皿部材に対して着脱可能に取
り付けられ、先端部に排出案内部および上面に内部と連
通する投入部を有した蓋体とからなる小型電動調理装置
において、把持部に移動可能に支持された作動ロッド
と、作動ロッドの一端に取り付けられたスイッチ釦と、
作動ロッドを、常にはその弾性力によりスイッチ釦側へ
付勢する第１の弾性部材と、作動ロッドの他端に対し、
スイッチ釦の移動ストロークに応じた幅の間隙を設けて
取り付けられたスイッチ部材と、間隙に応じた把持部あ
るいは駆動部に移動可能に支持され、一端に装着された
蓋体の作動片に当接する当接部および他端に間隙内へ侵
入可能なスペーサ部を有したスライド部材と、スライド
部材を、常にはそのスペーサ部が間隙外に位置するよう
に移動させる第２の弾性部材とからなり、蓋体の装着に
ともなって作動片が当接して移動するスライド部材のス
ペーサ部を間隙内に侵入させ、スイッチ釦が押圧操作さ
れたときに移動する作動ロッドによりスペーサ部を介し
てスイッチ部材をON作動可能とすることを特徴としてい
る。

【考案の作用】

本考案は上記のように構成されるため、駆動部あるい
は皿部材に対して蓋体が装着されていない状態において
は、スライド部材は第２の弾性部材の弾性力により、そ
のスペーサ部が間隙の外に位置するように移動されてい
る。この状態でスイッチ釦、したがって作動ロッドが第
１の弾性部材に抗して移動されたとき、間隙の幅が作動
ロッドの移動ストローク以上の幅に設定されているた
め、作動ロッドがスイッチ部材に当接することが規制さ
れてOFF状態に保持される。 反対に、蓋体が装着されると、作動片との当接により
スペーサ部材が第２の弾性部材の弾性力に抗して移動
し、そのスペーサ部を間隙内に位置させる。この状態で
スイッチ釦が押下操作されると、作動ロッドは間隙内に
位置したスペーサ部を介してスイッチ部材をON作動させ
る。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。 第１図は小型電動調理装置の概略を示す斜視図、第２
図は第１図のII-II線縦断面図、第３図はスイッチ構造
を示す略体斜視図である。 小型電動調理装置１の駆動部３の上部には平面がほぼ
円形状の取り付け部５が一体形成され、この取り付け部
５の中心には上下方向へ軸線を有した回転軸７が回転可
能に支持されている。この回転軸７は駆動部３に内蔵さ
れた電動モータ９と歯車列11を介して連結されている。 駆動部３の両側には脚部を構成する左右一対のスタン
ド部13が、駆動部３の高さと一致し、かつ取り付け部５
の中心部に応じた外周側へ延び、第２図に示す右端に開
口を有するように一体形成されている。 駆動部３の上部には把持可能な大きさの開口15aを有
した取手部15が、上方へ起立するように一体形成されて
いる。そして第２図に示す上面左側にはスイッチ釦17が
上下動可能に支持され、スイッチ釦17に応じた取手部15
内には上下方向に軸線を有し、一端がスイッチ釦17に固
定されたロッド19が、上下方向へ移動可能に支持されて
いる。このロッド19は装着された第１の弾性部材として
の圧縮ばね21の弾性力により軸線上方へ付勢されてい
る。また、ロッド19の軸下端に応じた取手部15内には間
隙23が、ロッド19の移動ストロークに応じた幅で設けら
れている。 間隙23に応じた第２図に示す取手部15の右側面には切
欠き部25が、側方から中心部へ至るように形成され、切
欠き部25に応じた取手部15内には断面がほぼコ字形の支
持部材27が取り付けられている。そして支持部材27には
スライド部材としての作動板29が、第２図に示す左右方
向へ移動可能に支持され、この作動板29は装着された第
２の弾性部材としての圧縮ばね32の弾性力により、第２
図に示す右方向へ付勢される。第２図に示す作動板29の
右端部には後述する蓋体39の作動片39fが当接する当接
部29aおよび左端部にはスペーサ部29bが一体形成され、
圧縮ばね32の弾性力により作動板29が第２図に示す右方
向へ移動されたとき、スペーサ部29bが間隙23外に位置
するように設定されている。間隙23の下方に応じた駆動
部３にはスイッチ部材としてのマイクロスイッチ31が取
り付けられている。 取り付け部５の上面にはほぼ円形状の皿板33が中心部
にて回転軸７を挿通するように取り付けられ、皿板33の
外周には所要の高さの起立壁33aが一体形成されてい
る。そして第２図に示す起立壁33aの右側には切欠き33b
が形成されている。 皿板33の中心部を挿通した回転軸７の軸上部には刃物
部材35が取り付けられている。この刃物部材35にはすり
おろし用の刃物ディスク37が偏心位置にて回転可能に支
持されている。また、刃物部材35の下面には掻き取り板
35aが、皿板33の上面に近接する高さで一体形成されて
いる。 皿板33および刃物部材35が取り付けられた取り付け部
５には蓋体39が、刃物部材35を覆うように取り付けられ
ている。蓋体39の平面部39aの外周には垂下壁39bが一体
形成され、第２図に示す垂下壁39bの右方には排出案内
部39cが、切欠き33bと一致して形成されている。また、
垂下壁39bの両側には取り付け部５の両側に延びる一対
の係合片39dが一体形成され、係合片39dの内面に形成さ
れた係合溝（図示せず）に、取り付け部５の両側面に一
体形成された係合突部（図示せず）が係合される。さら
に、第２図に示す垂下壁39bの左端面には作動片39fが、
切欠き部25へ侵入するように一体形成されている。平面
部39aにはほぼ円筒形状の投入部39gが、刃物ディスク37
と一致する偏心位置に一体形成されている。 次に、上記のように構成された小型電動調理装置１の
作用を第４図および第５図にしたがって説明する。 第４図は蓋体の非装着状態でスイッチ釦が押下された
状態を示す部分断面図、第５図はマイクロスイッチのON
状態を示す部分断面図である。 取り付け部５に蓋体39が装着されていない状態にあっ
ては、作動板29は圧縮ばね32の弾性力により第２図に示
す右方向へ移動され、そのスペーサ部29bが間隙23外に
位置している。この状態でスイッチ釦17が押下操作され
たとき、第４図に示すように、間隙23の幅がロッド19の
移動ストロークに応じて設定されているため、圧縮ばね
21の弾性力に抗して軸線下方へ移動したロッド19の軸下
端が間隙23内に位置し、マイクロスイッチ31のプランジ
ャー31aへの当接が規制されるため、マイクロスイッチ3
1がOFF状態に保たれる。 次に、調理材料をすりおろす作用を説明すると、スタ
ンド部13により小型電動調理装置１を自立させた状態で
皿板33および刃物部材35が取り付けられた取り付け部５
に蓋体39を回動操作して取り付けられると、蓋体39の回
動操作により切欠き部25内に侵入した作動片39fが作動
板29の当接部29aに当接され、この作動板29を圧縮ばね3
2の弾性力に抗して第５図に示す左方へ移動してそのス
ペーサ部29bを間隙23内に位置させる。この回動操作に
ともなって係合片39dの係合溝に係合突部5aが係合され
て取り付け部５に蓋体39が固定される。 この状態でスイッチ釦17が押下操作されると、圧縮ば
ね21の弾性力に抗して軸線下方へ移動するロッド19は間
隙23内に侵入したスペーサ部29bを弾性変形させること
によりプランジャー31aを押し下げてマイクロスイッチ3
1をON作動させる。これにより、駆動する電動モータ９
により刃物部材35が所定の方向へ回転される。 そして、取り付け部５の下方に応じたスタンド部13間
に受け皿（図示せず）を位置させた状態で投入部39gか
ら調理材料が刃物部材35の上面側へ投入されると、刃物
部材35の回転にともなって回動する刃物ディスク37は投
入された調理材料との当接により回転し、当接する調理
材料がすりおろされる。 そしてすりおろされた調理材料の一部は搬出案内部39
cを介してスタンド部13間に位置する受け皿上に、また
他の一部は皿板33上へ落下された後、刃物部材35と一体
に回転する掻き取り板35aにより皿板33上面から掻き取
られながら切欠き33bを介して受け皿上へ落下される。 このように本実施例は、蓋体39が装着されていない状
態においてスイッチ釦17が操作されたとき、間隙23によ
りロッド19がマイクロスイッチ31をON作動させることが
防止され、OFF状態に保たれる。 また、蓋体39が装着されたときにあっては、作動板29
のスペーサ部29bが間隙23内に位置されるため、スイッ
チ釦17が押下操作されたとき、移動するロッド19はスペ
ーサ部29bを介してマイクロスイッチ31をON作動させる
ことができる。これにより蓋体39が装着されたときにの
み、電動モータ９を駆動して調理することができる。 上記の説明は、刃物部材として偏心箇所に刃物ディス
クを回転可能に支持し、投入部を介して投入された調理
材料との当接にともなって刃物ディスクを回転させて調
理材料をすりおろすものとしたが、中心部から外周側に
向かって延び、回転方向と反対の方向へ向かうように刃
先を有した刃物を取り付け、投入された調理材料を所定
の厚さでスライスするものであってもよく、調理態様が
実施例に限定されるものではない。

【考案の効果】

このため本考案は、スイッチ釦の非押下時に蓋体が外
れるのを防止するとともに蓋体の取り付け作業を簡易化
することができ、蓋体が取り付けられたときにのみ、ス
イッチ部材をON作動させることができる小型電動調理装
置のスイッチ構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は小型電動調理装置の概略を示す斜視図、第２図
は第１図のII-II線縦断面図、第３図はスイッチ構造を
示す略体斜視図、第４図および第５図は作用を示す説明
図である。 1:小型電動調理装置 3:駆動部 5:取り付け部 7:回転軸 9:電動モータ 17:スイッチ釦 19:作動ロッド 21:第１の弾性部材としての圧縮ばね 23:間隙 29:スライド部材としての作動板 29a:当接部 29b:スペーサ部 31:スイッチ部材としてのマイクロスイッチ 32:第２の弾性部材としての圧縮ばね 33:皿板 35:刃物部材 39:蓋体 39g:投入部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】把持可能な大きさの把持部および回転軸が
   回転可能に支持された駆動部が設けられた本体ケース
   と、回転軸に連結された電動モータと、駆動部に回転軸
   を挿通して着脱可能に取り付けられる皿部材と、皿部材
   を挿通した回転軸に着脱可能に取り付けられる刃物部材
   と、駆動部あるいは皿部材に対して着脱可能に取り付け
   られ、先端部に排出案内部および上面に内部と連通する
   投入部を有した蓋体とからなる小型電動調理装置におい
   て、 把持部に移動可能に支持された作動ロッドと、 作動ロッドの一端に取り付けられたスイッチ釦と、 作動ロッドを、常にはその弾性力によりスイッチ釦側へ
   付勢する第１の弾性部材と、 作動ロッドの他端に対し、スイッチ釦の移動ストローク
   に応じた幅の間隙を設けて取り付けられたスイッチ部材
   と、 間隙に応じた把持部あるいは駆動部に移動可能に支持さ
   れ、一端に装着された蓋体の作動片に当接する当接部お
   よび他端に間隙内へ侵入可能なスペーサ部を有したスラ
   イド部材と、 スライド部材を、常にはそのスペーサ部が間隙外に位置
   するように移動させる第２の弾性部材と、 からなり、蓋体の装着にともなって作動片が当接して移
   動するスライド部材のスペーサ部を間隙内に侵入させ、
   スイッチ釦が押圧操作されたときに移動する作動ロッド
   によりスペーサ部を介してスイッチ部材をON作動可能と
   したことを特徴とするスイッチ構造。