JPH0839784A - インキつぼにインキディスペンサから印刷インキを供給する方法並びにこの方法を実施する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷作業終了時にまたは意図したインキ交換
の際に、インキつぼに残存するインキのクリーニングの
手間を著しく減少することにある。 【構成】 印刷機のインキ装置のインキ調量部材及びイ
ンキつぼローラを有するインキつぼに、インキディスペ
ンサから印刷インキを供給する方法及び装置において、
印刷作業終了前にインキ供給を停止し、まだ残存する最
低限のインキストックを印刷作業終了時にほぼ消費す
る。また本発明の装置は、回路技術的にインキディスペ
ンサに接続されたプリセレクションカウンタを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印刷機のインキ装置の
インキ調量部材及びインキつぼローラを有するインキつ
ぼに、インキディスペンサから印刷インキを供給する方
法並びにこの方法を実施する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式の装置は、ドイツ連邦共
和国実用新案第１９４４８３２号明細書から公知であ
る。この装置では、インキディスペンサがインキつぼロ
ーラの上方に移動可能に配置されていて、このインキデ
ィスペンサからインキが圧力下で直接インキつぼローラ
の外周面に押し出される。インキつぼから残余インキを
除去する措置については記載されてない。

【０００３】ヨーロッパ特許公開第０４５９７５５号明
細書からは、オフセット印刷機用の、インキつぼのイン
キ充填レベルコントローラが公知である。センサを用い
て、インキつぼの充填レベルが音響測深原理に従って検
出されて、必要なインキ供給量がマイクロプロセッサを
使用して、印刷インキの慣性を考慮して算定される。

【０００４】印刷インキの消費量を規定するための方法
が、ドイツ連邦共和国特許第３８３５２２１号明細書か
ら公知である。印刷開始前に実施される、予測される必
要インキ量の算定に付加的に、インキ消費量が継続的に
算定されかつ消費されたインキ量がインキつぼに供給さ
れたインキ量と常に比較される。印刷作業実施中に使用
されるインキ量の後充填は行われない。この手段は、非
常に多くのデータを検出し、処理しなければならないの
で、比較的面倒である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、印刷
作業終了時にまたは意図したインキ交換の際に、インキ
つぼに残存するインキのクリーニングの手間を著しく減
少することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この課題は、特許請求の
範囲第１項及び第２項に記載の本発明の方法及び装置に
よって解決された。

【０００７】

【発明の効果】本発明の利点は、印刷開始時からインキ
つぼに常に最低限のインキストックが設けられていて、
このインキストックは、インキディスペンサからインキ
を制御して配量することによってほぼ一定に維持され
る。バッファー・ストア（ｂｕｆｆｅｒ ｓｔｏｒｅ）
の最低限のインキストックは、量的に、インキつぼの従
来のインキストック量よりも著しく少ない。この量は、
インキつぼローラ上のインキ膜の引き剥がしを回避する
のに、十分である。

【０００８】本発明によれば、インキつぼに供給された
インキを最良に消費でき、インキつぼに残存する残余イ
ンキの除去問題を著しく減じることができる。インキデ
ィスペンサからのインキの供給は、バッファー・ストア
において、インキを消費するインキ調量部材に対して直
接的になされる。本発明は、ウエブオフセット印刷機及
び枚葉紙オフセット印刷機に適用される。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面につき詳しく説
明する。

【００１０】図１では、給紙装置２と、各１つのインキ
装置４を有する２つの印刷装置１と、排紙装置３とを備
えた、列型構造の枚葉紙輪転印刷機が図示されている。

【００１１】図２には主としてインキつぼ５と、これに
対応する、インキ装置４のインキつぼローラ７とが示さ
れている。このインキつぼ５はインキつぼ底板６を有し
ていて、このインキつぼ底板６には、下方で、インキつ
ぼローラ７に対して求心的にインキ調量部材８が、有利
にはインキスライダが配属されている。インキ調量部材
８は、インキつぼローラ７の全長にわたって延びてい
る。

【００１２】インキつぼ５内には、インキ調量部材８の
すぐ近くで、インキつぼ底板６とインキつぼローラ７と
の間に、最小限のインキストックを形成するためのバッ
ファー・ストア（ｂｕｆｆｅｒ ｓｔｏｒｅ）９が設け
られている。図２のインキつぼ５には、通常の充填レベ
ル１０が一点鎖線で示されている。

【００１３】バッファー・ストア９を形成するために、
インキディスペンサ１３がその流出開口部でインキつぼ
５内に突入している。インキディスペンサ１３の流出開
口部の領域にセンサ１２が配置されていて、このセンサ
１２はインキディスペンサ１３と回路技術的に接続され
ている。センサ１２はバッファー・ストア９の充填レベ
ルを制御する。

【００１４】インキディスペンサ１３は、インキつぼロ
ーラ７に対して平行に、インキつぼ５の内部で移動可能
である（図示しない）。このことは、例えば、適当な直
線ガイドを有するガントリまたはクロスメンバを介して
実現される。有利には、クロスメンバまたはガントリは
インキディスペンサと同時に鉛直に移動可能である。

【００１５】インキディスペンサ１３は、処理すべき枚
葉紙の数を選択するためのプリセレクションカウンタ１
１に回路技術的に連結されている。プリセレクションカ
ウンタ１１は、給紙装置２の領域に、または、コントロ
ールデスクに組み込まれて配置されてよい。

【００１６】作用形式：オフセット印刷インキはインキ
ディスペンサ１３からインキつぼ５のバッファー・スト
ア９に圧力下で、最低限のインキストックが形成される
まで供給される。インキ消費に応じて、バッファー・ス
トア９に再びインキがインキディスペンサ１３から配量
される。

【００１７】このために、インキディスペンサ１３が、
インキつぼローラ７に対して平行に、インキ調量部材８
に配属された必要な位置に移動される。この実施例で
は、インキ調量部材８の位置８．２；８．３；８．５；
８．６；８．９において、インキ調量部材８のその他の
位置におけるよりも多くのインキが配量される（図３、
図４参照）。

【００１８】印刷作業終了前にまたは差し迫ったインキ
交換前に、インキディスペンサ１３からバッファー・ス
トア９へのインキ供給が停止されるが、この場合、処理
すべき残りの枚葉紙は引き続き印刷されるので、バッフ
ァー・ストア９に残存する最低限のインキストックは、
インキ作業終了時にほぼ消費される。

【００１９】プリセレクションカウンタ１１は、処理す
べき印刷物量に、例えば、時間または枚葉紙数を基準と
して、調節可能である。印刷終了前または印刷中断（例
えばインキ交換）前の制御信号によって、インキディス
ペンサ１３からのインキ供給が終了せしめられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】列型構造の枚葉紙輪転印刷機の一般的な構成を
示す図である。

【図２】本発明による装置の構成を示す図である。

【図３】インキつぼローラを有するインキつぼの平面図
である。

【図４】図３のインキ調量部材の位置に応じたインキ分
布を示す図である。

【符号の説明】

１ 印刷装置、 ２ 給紙装置、 ３ 排紙装置、 ４
インキ装置、 ５インキつぼ、 ６ インキつぼ底
板、 ７ インキつぼローラ、 ８，８．１，−８．１
２ インキ調量部材、 ９ バッファー・ストア、 １
０ 充填レベル、 １１ プリセレクションカウンタ、
１２ センサ、 １３ インキディスペンサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機のインキ装置のインキ調量部材及
   びインキつぼローラを有するインキつぼに、インキディ
   スペンサから印刷インキを供給する方法において、イン
   キつぼ内でインキ調量部材の近傍に、最低限のインキス
   トックとしてバッファー・ストアを形成し、このバッフ
   ァー・ストアにインキ消費に関連して印刷インキをイン
   キディスペンサから制御して供給し、印刷作業終了前ま
   たはインキ交換直前にインキ供給を停止して、バッファ
   ー・ストアの最低限のインキストックを印刷作業終了時
   にほぼ消費することを特徴とする、インキつぼにインキ
   ディスペンサから印刷インキを供給する方法。
2. 【請求項２】 プリセレクションカウンタ（１１）が回
   路技術的にインキディスペンサ（１３）に接続されてい
   て、このプリセレクションカウンタ（１１）が、インキ
   供給停止後、引き続き処理すべき印刷物量に調節可能で
   あることを特徴とする、請求項１記載の方法を実施する
   ための装置。