JPH0839131A - 金属ワイヤの精密伸線方法およびこれを実施する装置 - Google Patents

金属ワイヤの精密伸線方法およびこれを実施する装置

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JPH0839131A
JPH0839131A JP19783094A JP19783094A JPH0839131A JP H0839131 A JPH0839131 A JP H0839131A JP 19783094 A JP19783094 A JP 19783094A JP 19783094 A JP19783094 A JP 19783094A JP H0839131 A JPH0839131 A JP H0839131A
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JP
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wire
metal wire
precision
pass line
straightening
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JP19783094A
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Takeshi Ishikawa
健 石川
Hachiro Amano
八郎 天野
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DAIDO STAINLESS KK
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
DAIDO STAINLESS KK
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属ワイヤの直径寸法、真円度、真直度の精
度を伸線工程で充分に向上させる手段を提供する。 【構成】 コイル状金属ワイヤWを引出し、矯正ローラ
群を通過させて真直に矯正した後に精密伸線ダイス17
へ送り込み、該ダイスを経て下流側に延在するワイヤを
昇降自在に対向配置した一対の無端ベルト20,20で
挟持すると共に、各ベルトの内側に走行自在に配設した
キャタピラ部45を駆動してベルトを走行させることに
より、該ワイヤをダイスから強制的に引抜いて高精度の
寸法公差と真円度との精密伸線加工を行ない、ワイヤの
パスラインに沿って所要間隔で配設した鼓形ローラ58
を備えると共に該ワイヤの周方向へ回転可能な矯正ユニ
ット46にワイヤを通過させて該ワイヤに高い真直度を
付与し、次いで金属ワイヤを所望の長さに切断して/ま
たは切断することなくワイヤ加工装置にインライン供給
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属ワイヤをダイス
から強制的に引抜いて伸線加工するに際し、寸法公差、
真円度および真直度において優れた加工がなされる金属
ワイヤの精密伸線方法と、この方法を好適に実施し得る
装置とに関するものである。
【0002】
【従来技術】各種の産業分野で、金属ワイヤを素材とし
て多種類の部品が機械加工されている。例えば、小型モ
ータ等の回転系に用いるスピンドルや、ビデオデッキに
おけるテープガイド用のピン等がそれである。これらの
小型棒状部品は、所要直径の金属ワイヤ(小径の円筒状
線材)を素材としているが、該部品の多くは精密機器へ
の用途に向けられているため、素材となる金属ワイヤ自
体の直径寸法、真円度および真直度は極めて高い精度が
要求されている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】しかるに、前記精密部
品用の素材として供給される金属ワイヤは、大量生産向
けに設計した伸線装置で伸線加工がなされ、その直径寸
法、真円度および真直度に関し前述の要求を充す精度は
確保されていなかった。例えば従来の伸線装置は、図1
8に示すように、ワイヤ供給部84から引出した金属ワ
イヤWをスケール除去装置85に通過させてスケール落
しを行なった後、ダイス86から強制引抜きすることに
より連続伸線を行ない、伸線後のワイヤWを切断装置8
7で所定寸法に切断してからポリッシング部88で光沢
肌を与え、次いで2ロール矯正機89を通過させて真直
度を付与してからワイヤ集合ステーション90へ搬出す
るようになっている。
【0004】このように量産用に開発された伸線装置で
は、金属ワイヤに得られる直径寸法の精度は±10μ以
上、かつ真円度5μ以上が限度であって、これより高い
精度を確保することは困難である。従って前記精密部品
を加工する場合は、該部品の機械加工に入る前に、余り
精度の高くない金属ワイヤを加工して該ワイヤの直径寸
法、真円度および真直度を所望の精度まで高める作業を
必要としている。すなわち素材とする金属ワイヤには、
精密部品の目標仕上げ寸法に研磨代を予めプラスした大
きめの直径寸法のものを用意し、これを切削加工した後
にセンターレスグラインダで研磨することによって、素
材自体に要求される直径寸法、真円度および真直度の精
度を向上させている。しかし、このようなセンターレス
グラインダでの研磨等に頼るときは、部品加工コストが
大幅に嵩んでしまう難点がある。
【0005】また高い精度の直径寸法、真円度および真
直度を有する金属ワイヤの使用を前提として精密切削加
工機(いわゆる“エスコマチック")を導入し、該ワイヤ
から直接精密部品を加工するようにしている場合もあ
る。この精密切削加工機は、複数の切削バイトやドリル
をセットしたツールヘッドを金属ワイヤの周りに回転さ
せて、該ワイヤから精密部品の直接的な切削加工を行な
い得るようにしたものである。しかしこの精密切削加工
機は、これに使用される金属ワイヤの直径寸法、真円度
および真直度につき高い精度が確保されていることを前
提条件として、該ワイヤを保持するブッシュやコレット
等の機械要素の間隙寸法が設定されている。従って、仮
に精密切削加工機に供給される金属ワイヤが前述した如
き量産品であって、直径寸法、真円度および真直度に関
して高い精度が得られていない場合は、この装置で切削
加工した後の精密部品の精度は、他の一般的な切削加工
機で加工した当該部品の精度と大差がなく、高価な精密
切削加工機を導入した意味がない等の重大な欠点も指摘
される。
【0006】
【発明の目的】この発明は、前記の従来技術が内在して
いる課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案された
ものであって、金属ワイヤを機械加工して各種の精密部
品を製造するに際し、その素材として供給される金属ワ
イヤが有している直径寸法、真円度および真直度に関す
る精度を伸線工程で充分に向上させておいて、該ワイヤ
をセンターレスグラインダ等で研磨する別工程を要する
ことなく、そのまま精密部品の加工に供し得るようにし
た精密伸線方法と、これを好適に実施し得る装置とを提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、所期
の目的を達成するため、本発明に係る金属ワイヤの精密
伸線方法は、コイル状に巻かれた金属ワイヤを引出し、
多数の矯正ローラ群を通過させて真直に矯正した後に精
密伸線ダイスへ送り込み、この精密伸線ダイスを経て下
流側に延在する該金属ワイヤを、昇降自在に対向配置し
た一対の無端ベルトで挟持すると共に、夫々の無端ベル
トの内側に走行自在に配設したキャタピラ部を駆動して
前記一対の無端ベルトを走行させることにより、該金属
ワイヤを精密伸線ダイスから強制的に引抜いて高精度の
寸法公差と真円度とを備える精密伸線加工を行ない、前
記金属ワイヤのパスラインに沿って所要間隔で配設した
鼓形ローラを備えると共に該ワイヤの周方向へ回転可能
な矯正ユニットに、前記精密伸線加工がなされた金属ワ
イヤを通過させて該ワイヤに高い真直度を付与し、次い
で前記金属ワイヤを所望の長さに切断して/または切断
することなく、精密自動旋盤等のワイヤ加工装置にイン
ライン供給するようにしたことを特徴とする。
【0008】前記金属ワイヤの精密伸線方法を好適に実
施するため本願の別の発明は、コイル状供給源から引出
されて精密伸線ダイスに供給された金属ワイヤを強制的
に引抜くための装置であって、前記金属ワイヤのパスラ
インを挟み上下に平行に延在するよう配設され、所要の
制御指令により平行関係を保持したまま該パスラインへ
の近接方向または離間方向に同期的に昇降し得る一対の
回転自在な無端ベルトと、前記夫々の無端ベルトの内側
に配設されて該ベルトと略平行に延在し、各無端ベルト
と一体的に昇降し得ると共に、前記金属ワイヤを精密伸
線ダイスから引抜く方向への駆動が与えられるキャタピ
ラ部とからなり、前記一方の無端ベルトおよびその内側
に設けたキャタピラ部と、前記金属ワイヤを挟んで対向
する他方の無端ベルトおよびその内側に設けたキャタピ
ラ部とを、平行関係を保持したまま同期的に近接させる
ことにより、該ワイヤを各無端ベルトおよび対応のキャ
タピラ部により長手方向に亘って挟圧し、該キャタピラ
部に駆動を与えることにより2つの無端ベルトで挟持し
た金属ワイヤを精密伸線ダイスから強制的に引抜き、各
対応の無端ベルトおよびキャタピラ部を同期的に金属ワ
イヤから離間させることにより、該ワイヤに対する挟持
力を解除するように構成したことを特徴とする。
【0009】同じく、前記金属ワイヤの精密伸線方法を
好適に実施するため本願の更に別の発明は、精密伸線ダ
イスを経て高精度の寸法公差および真円度に精密伸線加
工された金属ワイヤに高精度の真直度を与えるための矯
正装置であって、前記精密伸線加工を終えた金属ワイヤ
のパスラインに沿って配設され、金属ワイヤの連続的な
通過を許容すると共に、該ワイヤの周方向に回転駆動さ
れる矯正ユニットと、この矯正ユニットの長手開口部に
所要間隔でパスラインに沿って配置され、前記金属ワイ
ヤに当接すると共に該ワイヤの走行に伴い遊転する鼓形
ローラとからなり、夫々の鼓形ローラはパスラインを挟
んで交互に所要角度だけ変位するよう配置されると共
に、各鼓形ローラがパスラインに対し変位する方向は、
隣接する鼓形ローラが該パスラインに対し変位する方向
と逆向きになるよう設定され、前記矯正ユニットを金属
ワイヤの周りに回動させつつ該ワイヤを走行させること
により、前記一連の鼓形ローラが金属ワイヤに高度の真
直度を付与するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
【実施例】次に、本発明に係る金属ワイヤの精密伸線方
法およびこれを実施する装置につき、好適な実施例を挙
げて、添付図面を参照しながら以下説明する。図1は、
本発明の精密伸線方法を好適に実施するのに使用される
装置の概略的な全構成を示すもので、コイル状に巻かれ
たワイヤWに引張り力を付与することにより、該ワイヤ
Wを水平方向に繰出す給材ステーション10と、該ワイ
ヤWを真直状に矯正した後に所要直径まで精密に伸線し
て高精度の直径寸法および真円度を与えるダイス部11
と、このダイス部11を通過するワイヤWに強力な引張
り力を付与して該ダイスからの引抜きを行なう線材引抜
き部12と、精密伸線が施されたワイヤWに高精度の真
直度を与える矯正部13とを基本的に備えている。なお
矯正部13の下流側には、必要に応じて該ワイヤWを所
要寸法に切断するワイヤ切断部14と、該ワイヤ切断部
14で切断された所定長のワイヤWを集合させる集材ス
テーション15とが配設されている。なお、前記矯正部
13を経た金属ワイヤWには高精度の直径寸法、真円度
および真直度が既に確保されているので、該矯正部13
の直ぐ下流に前記精密切削加工機(図示せず)をインライ
ンで配設し、金属ワイヤWの精密伸線およびこれに引き
続く精密部品の直接加工を連続的に行なうようにしても
よい。
【0011】(ダイス部の構成について)図2は、金属
ワイヤの精密伸線を行なうダイス部11の側面図で、図
3は、該ダイス部11の平面図である。このダイス部1
1は、前記給材ステーション10のワイヤ供給方向の下
流側に配設され、対向し合う溝付ローラ群を水平方向お
よび垂直方向に配設した多ローラ型矯正部16と、この
矯正部16の下流側に設けたダイス17とから基本的に
構成される。金属ワイヤWは、対向配置した引出しロー
ラ83により給材ステーション10から引出され、多ロ
ーラ型矯正部16を通過することにより巻回時の巻き癖
を矯正され、略真直となった状態で前記ダイス17を通
過する。このダイス17は、例えばダイヤモンドを素材
とする精密伸線用ダイスが好適に使用され、回転型や固
定型の何れであっても選択的に使用される。そして金属
ワイヤWは、ダイス17の下流に配設した後述の線材引
抜き部12により強力に引抜かれることにより、高い精
度の直径寸法および真円度を付与される。
【0012】(金属ワイヤ引抜き装置について)図4は、
線材引抜き部12を外装カバーの取外し状態で示す概略
側面図であり、図5は、この線材引抜き部12の概略平
面図である。図6は、線材引抜き部12において、金属
ワイヤWのパスラインを挟んで上下に対向する無端ベル
ト20,20を相互に近接・離間駆動する機構の概略構
成図であって、両無端ベルト20,20を相互に離間さ
せた状態を示している。また図7は、当該機構におい
て、上下の無端ベルト20,20を相互に近接させて、
両ベルト20,20により金属ワイヤWを挟みこんだ状
態を示している。
【0013】線材引抜き部12は、金属ワイヤWの走給
方向に沿って工場床面に設置した矩形状のベース44を
備え、この矩形状ベース44の上面には、該ワイヤWの
パスラインを挟んで上下の関係で対向する一対の無端ベ
ルト20,20と、夫々の無端ベルト20の内側に配置
したキャタピラ部45とが設けられている。各無端ベル
ト20は、後述する如く、昇降フレーム18の両端部近
傍に遊転可能に設けた2つのプーリ19,19に巻き掛
けられ、該無端ベルト20の内側に対応的に配設したキ
ャタピラ部45を当接状態で駆動することにより、該無
端ベルト20を強制走行させ得るようになっている。す
なわち、各キャタピラ部45は、図5に示す駆動源2
6により駆動されると共に、金属ワイヤWのパスライ
ンを挟んで対向する無端ベルト20とキャタピラ部45
と各組合わせは、所要の指令により該パスラインに相互
に近接する方向および離間する方向に昇降駆動されるよ
うになっている。なお、前記パスラインの上方に位置す
る無端ベルト20とキャタピラ部45の組合わせは、該
パスラインの下方に位置で対向する無端ベルト20とキ
ャタピラ部45の組合わせと同一の構成になっている。
従って、線材引抜き部12の主要部を構成する「無端ベ
ルト20とキャタピラ部45の組合わせ」に関しては、
パスラインの上方に位置する構成の説明に留める。
【0014】(昇降フレームと無端ベルト)図4および図
5に示す如く、矩形状ベース44の略中央にフレーム支
持箱43が固定されている。このフレーム支持箱43に
おける一方の側面(すなわち操作側)には、水平に所要間
隔だけ離間して左右2つの軸受42,42が設けられ、
これら軸受42,42に枢支した回動軸38,38の端部
に第2レバー39,39(後述)の基部が固定されてい
る。そして左右2つの第2レバー39,39の自由端か
ら水平に張出した支持棒40,40に、昇降フレーム1
8が軸受29,29を介して水平姿勢を保持して支持さ
れている。この昇降フレーム18は、前記の組合わせか
らなる無端ベルト20およびキャタピラ部45の取付け
を許容するものである。また前記回動軸38,38は、
図6で後述する流体圧シリンダ34を付勢することによ
り時計方向または反時計方向に回動され、そのリンク作
用下に前記昇降フレーム18を平行姿勢のままパスライ
ンに対し昇降させ得るようになっている。すなわち図4
および図5に示す如く、昇降フレーム18は平行な一対
の板材からなり、その両端部に配設した軸受30および
可動軸受31に夫々プーリ19,19が回転自在に枢支
されている。これら2つのプーリ19,19には、耐摩
耗性に優れた合成ゴム等を材質とする無端ベルト20が
遊転自在に巻き掛けられている。該無端ベルト20の張
力調節は、昇降フレーム18の右側(図4において)に設
けた可動軸受31を軸方向へ進退移動させることにより
達成される。また無端ベルト20の幅寸法は、図8〜図
10に示すように、金属ワイヤWを該ベルトの中央に位
置させた際に、左右に充分の余地を有し得る値に設定さ
れている。
【0015】(キャタピラ部)次に、夫々の無端ベルト2
0の内側に配設され、金属ワイヤWの引抜き方向へ駆動
されるキャタピラ部45の構成を説明する。図4および
図5に示す如く、無端ベルト20が配設される昇降フレ
ーム18には、前記プーリ19,19の取付け位置より
内側に位置して軸受32および可動軸受33が配設され
ている。一方の軸受32には、軸方向に所定間隔離間さ
せて2枚のスプロケット21,21が回転自在に枢支さ
れ、また他方の軸受33にも同じく2枚のスプロケット
21,21が回転自在に枢支されている。そして操作側
に位置する左右のスプロケット21,21に無端チェン
22が巻き掛けられると共に、駆動側に位置する左右の
スプロケット21,21にも無端チェン22が巻き掛け
られている。更に2つの無端チェン22,22の間に
は、多数の覆帯セグメント23からなるキャタピラ部4
5が取付けられている。すなわち図8に示す如く、2つ
の無端チェン22,22の各リンク素子の間に個々の覆
帯セグメント23がピン接続され、全体として無端のキ
ャタピラ部45を形成している。なお図4に示すよう
に、前記無端ベルト20とその内側に位置する無端チェ
ン22とは、その自由状態において、両者が僅かに接触
する程度に設定されている。また無端チェン22の張力
は、昇降フレーム18の右側(図4において)に設けた可
動軸受33を進退移動させることにより調節される。
【0016】(ローラとガイドバーおよびキャタピラ駆
動部)図8に示すように、パスラインの上方に位置する
無端チェン22,22の各リンク素子には、その外側に
ローラ27が自由回転状態で多数枢着されている。これ
らのローラ群27は、昇降フレーム18の上端縁部およ
び下端縁部に若干延出するよう固定したガイドバー2
8,28に沿って走行可能となっている。但し、パスラ
インを挟んで対向し合う2つの昇降フレーム18,18
を、該パスラインから離間させたときは、図9に示すよ
うに、前記ローラ群27はガイドバー28から僅かに間
隔を保持している。そして後述する如く、2つの昇降フ
レーム18,18をパスラインに向けて近接させると、
図10に示すように、ガイドバー28はローラ群27に
接触して、これにより一方のキャタピラ部45および無
端ベルト20は、対向する他方のキャタピラ部45およ
び無端ベルト20と共に、金属ワイヤWを極めて大きな
力で挟圧することになる。前記キャタピラ部45におけ
る一方のスプロケット21は、モータ26により駆動さ
れて金属ワイヤW金属ワイヤWの引抜き方向へ走行させ
られる。すなわち図5に示すように、矩形状ベース44
にモータ26が設置され、このモータ26の回転軸は減
速機25の一方の入力軸に接続され、この減速機25の
出力軸は回転伝達機構24を介してキャタピラ部45の
一方のスプロケット21に接続されている。従ってモー
タ26を回転させると、回転伝達機構24から動力がス
プロケット21に伝達され、無端チェン22および多数
の覆帯セグメント23からなるキャタピラ部45が一方
向(ワイヤWを強制的に下流側に向けて引出す方向)へ走
行させられる。この場合に回転伝達機構24は、後述す
る如くキャタピラ部45を支持する昇降フレーム18
が、パスラインを挟んで平行状態を保持しつつ昇降動作
するため、該昇降フレーム18の昇降動作に追従して伸
縮する機構となっている。
【0017】(フレームの平行昇降構構)次に、昇降フレ
ーム18をパスラインに対し平行姿勢を保持した状態で
昇降させる構構につき説明する。このフレーム昇降機構
は、図5に示すように、左右に2基配設され、左方の機
構が上下の昇降フレーム18,18の左側を支持し、ま
た右方の機構が上下の昇降フレーム18,18の右側を
支持し、両機構は同期的に駆動される結果として、両フ
レーム18,18をパスラインに対し近接させる動作ま
たは離間させる動作を付与するようになっている。この
ように2基のフレーム昇降機構は基本的に同一構造にな
っているので、一方の機構についてのみ説明する。図5
および図6において、前記フレーム支持箱43の駆動側
(昇降フレーム18の配設側と反対側)に、流体圧シリン
ダ34の後端部に設けたクレビス35がピン82を介し
て枢着されている。フレーム支持箱43の駆動側および
操作側の側面に軸受42,42が対向的に配設され、両
軸受42,42に回動軸38が回転自在に枢支されてい
る。この回動軸38の駆動側の端部に第1レバー37が
固定され、該第1レバー37の自由端に前記流体圧シリ
ンダ34のピストンロッド36が枢着されている。また
回動軸38の操作側の端部に第2レバー39が固定さ
れ、この第2レバー39の自由端に支持棒40が固定さ
れて操作側へ水平に延出している。この支持棒40は、
図5に示すように、昇降フレーム18に配置した2つの
軸受29,29に共通的に挿通されることにより、上方
側の昇降フレーム18を支持している。なお図に示すよ
うに、パスラインを挟む下方側も同様の機構となってい
て、下方側の支持棒40は下方側の昇降フレーム18を
支持している。そして上下の回動軸38,38には、フ
レーム支持箱43の内部において歯車41,41が夫々
固定され、これら歯車41,41は相互に噛み合うよう
になっている。
【0018】図6および図7は、パスラインを挟んで対
向する上下2つの昇降フレーム18,18を同期的に昇
降させる機構の左側部分を示すもので、これと同一の機
構が図示してないが右側部分にも設けられている。また
上側の昇降フレーム18を昇降させる機構と、下側の昇
降フレーム18を昇降させる機構とは、前述の如く上下
の回動軸38,38に固定した歯車41,41の噛み合い
により連結されている。そして図6に示すように、流体
圧シリンダ34を矢印方向に付勢すれば、該シリンダ3
4から延出するピストンロッド36が第1レバー37を
反時計方向に回動させ、この第1レバー37に固定した
回動軸38を介して第2レバー39を反時計方向に回動
させる。このため第2レバー39から水平に延出する支
持棒40に枢支した上方の昇降フレーム18が、前記パ
スラインから離間する方向に上昇移動することになる。
また上方の回動軸38に固定した歯車41と、下方の回
動軸38に固定した歯車41とは噛合しているから、パ
スラインの下方に位置するフレーム昇降機構は同期的に
逆方向に作動し、下方の第2レバー39から水平に張出
した支持棒40が枢支する下方の昇降フレーム18を、
該パスラインに対し離間する方向へ下降移動させる。な
お、前述の如く同一のフレーム昇降機構が右側部分にも
設けられていて、該機構も別の流体圧シリンダ34によ
り同期的に駆動されるので、結果として上下の昇降フレ
ーム18,18は、パスラインを挟んで平行姿勢を保持
したまま相互に離間する動作を行なうことになる。また
図6の状態から流体圧シリンダ34を逆付勢すると、図
7に示すように2つの昇降フレーム18,18は、パス
ラインに対し平行姿勢を保持したまま相互に近接する方
向に移動することになる。
【0019】図9および図10に、パスラインを挟んで
対向し合う2つの昇降フレーム18,18の相互に離間
した状態および近接した状態を概略的に示す。すなわち
昇降フレーム18,18をパスラインから離間させる方
向に移動させれば、図9に示す如く、無端ベルト20,
20は金属ワイヤWから離間する。このとき多数の覆帯
セグメント23は、無端ベルト20から若干の隙間を保
持して離間することになる。また先に述べた如く、無端
チェン22の外側リンク素子に設けた多数のローラ27
は、昇降フレーム18の長手端縁部に固定したガイドバ
ー28に対し所要の間隙を介して位置する。しかるに両
昇降フレーム18,18を、相互に近接する方向へ移動
させると、図10に示すように、昇降フレーム18に固
定したガイドバー28が無端チェン22に設けた多数の
ローラ群27に接触するに至る。このため無端チェン2
2に設けた覆帯セグメント23からなるキャタピラ部4
5は、無端ベルト20を金属ワイヤWの側へ向けて押圧
することになる。パスラインを挟んで他方に位置するキ
ャタピラ部45も、対応の無端ベルト20を金属ワイヤ
Wの側へ向けて押圧するので、結果として金属ワイヤW
は上下両方向から無端ベルト20,20(キャタピラ部4
5,45)により強力に挟圧されることになる。この状態
で前記モータ26を駆動し、その回転力を上下の無端チ
ェン22,22を介してキャタピラ部45,45に伝達す
れば、両無端ベルト20,20は所要方向へ走行して、
これにより挟持した金属ワイヤWを前記精密伸線ダイス
17から強制的に引抜き得るものである。この場合に、
精密伸線ダイス17から引抜かれた金属ワイヤWの直径
に関する寸法公差は5μ以下で、かつ真円度は2μ以下
の高精度が確保されている。
【0020】(金属ワイヤの矯正装置について)図11
は、精密伸線加工を終えた金属ワイヤWに、更に高精度
の真直度を付与する矯正装置の概略側面を示し、また図
12は矯正装置の概略平面を示している。この矯正装置
は工場床面に設置した箱型フレーム47を備え、該フレ
ーム47の上面に2つの矯正ユニット46,46が金属
ワイヤWのパスラインに沿って直列に2基配列されてい
る。なおフレーム47のおける前記矯正ユニット46,
46の直ぐ上流および直ぐ下流には、金属ワイヤWを下
流側へ送り出すための送りローラ52,52が夫々設け
られている。上流側の送りローラ52は、図11に示す
ように、モータ53から駆動用チェン54を介して伝達
される動力により回転駆動される。また下流側の送りロ
ーラ52も、別の駆動用チェン55を介して上流側の送
りローラ52から分岐供給される動力により回転駆動さ
れる。また、下流側の送りローラ52の直ぐ下流には切
断部14が設けられ、高精度の真直度を付与された金属
ワイヤWを所要寸法に切断し得るようになっている。こ
の切断部14に対する動力は、図12に示すように、モ
ータ70の回転をベルト72を介して減速歯車73に伝
達することにより行なわれる。
【0021】(矯正ユニットの基本構造)夫々の矯正ユニ
ット46は、図17に概略的に示すように、所要数の鼓
形ローラ58をパスラインに沿って交互に設けた回転矯
正部57を備え、この回転矯正部57の両端部は、フレ
ーム47に所要間隔で固定した軸支部56,56により
回転自在に枢支されている。回転矯正部57の一方の端
部にはプーリ51が固定され、フレーム47の内部に配
設したモータ48のプーリ49と前記プーリ51との間
に巻き掛けたベルト50を介して、該回転矯正部57は
パスラインの周りを回転駆動される。なお、夫々の矯正
ユニット46は独立したモータ48により回転されるの
で、各対応のモータ48の回転方向を制御することによ
り、2つの矯正ユニット46,46を同一方向に回転さ
せてもよいし、また逆方向に回転させるようにしてもよ
い。
【0022】(回転矯正部)図13は、矯正ユニット46
の要部を一部切欠状態で示す斜視図、図14は、回転矯
正部57を一部切欠いた縦断面で示す側面図、図15
は、図14に示す回転矯正部57の平面図である。図に
おいて矯正ユニット46の主要部を構成する回転矯正部
57は、その軸方向に精密伸線加工の終了した金属ワイ
ヤWが下流側に向け供給されるようになっている。回転
矯正部57は基本的に円筒状の本体部からなり、そのパ
スラインを挟む長手方向の周側面に平坦な切欠部59,
59が形成されている。この切欠部59には矩形状をな
す開口部60が開設され、該開口部60中に前述した鼓
形ローラ58が、図17に示す配列状態で総計5個収納
されている。
【0023】(鼓形ローラ)夫々の鼓形ローラ58は、図
13および図14に示す如く、円筒状支持体61の一方
の開放端に凹設した凹部61aに収納され、回転軸62
により遊転自在に枢支されている。この円筒状支持体6
1は、回転矯正部57における矩形開口部60中に収納
され、金属ワイヤWのパスラインに対する角度および該
パスラインに対する高さ位置を調節可能になっている。
例えば円筒状支持体61は、その上部円周面(凹部61
aの凹設側と反対側)にピニオン64が形成され、かつ
矩形開口部60にブリッジさせた板状の支持部材63に
調整ボルト68を介して支持されている。すなわち支持
部材63は、図15に示すように、回転矯正部57の矩
形開口部60をブリッジするよう配設され、2つの取付
けボルト66,66により切欠部59に固定されてい
る。この支持部材63の略中央部分に通孔81が穿設さ
れ、該通孔81に遊転状態で挿通した調整ボルト68を
円筒状支持体61の中心に螺切した雌ねじ80にねじ込
むことにより、該円筒状支持体61は支持部材63に対
して高さ調節自在に支持される。従って鼓形ローラ58
のローラ面は、パスラインを走行する金属ワイヤWと最
も適切な高さで当接するように、該調整ボルト68の回
動操作により調節される。
【0024】(回転矯正部の回動角度調節機構)また図1
3および図15に示すように、前記支持部材63と隣接
して、一側面にラック歯65aを形成したラック65が
回転矯正部57の切欠部59に固定され、前記円筒状支
持体61のピニオン64との噛合位置を調節し得るよう
になっている。すなわちラック65には長形をなすスロ
ット75が穿設され、該スロット75に挿通した固定ボ
ルト74を回転矯正部57の切欠部59にねじ込み得る
ようになっている。そしてラック65の固定時に、その
ラック歯65aが円筒状支持体61の周面に形成したピ
ニオン64と噛み合うようになっている。従って前記ボ
ルト74を緩めた後に、ラック65をそのスロット75
の範囲内で摺動させれば、ラック歯65aとピニオン6
4との噛み合い作用下に円筒状支持体61は所要回転角
内で回動し、鼓形ローラ58がパスラインに対してなす
角度を微調節することができる。そして最も適切な値に
調節した後に、前記スロット75を挿通している固定ボ
ルト74を締め上げることにより、ラック65は摺動不
能に固定されるので、以後は鼓形ローラ58を枢支する
円筒状支持体61が回動することはない。また図16の
如く、固定ボルト67を支持部材63にねじ込むことに
よって、高さ調節および回動位置調節の終了した円筒状
支持体61を移動不能に固定することができる。
【0025】(鼓形ローラの配列パターン)夫々の円筒状
支持体61に枢支した鼓形ローラ58は、図13、図1
5および図17に示すように、パスラインを挟んで交
互に所要角度だけ変位するよう配置されると共に、各
鼓形ローラ58がパスラインに対し変位する方向と、そ
の上流側または下流側で隣接する鼓形ローラ58が該パ
スラインに対し変位する方向とは相互に逆向きになるよ
う設定されている。すなわち図13において、その中央
に位置する円筒状支持体61の鼓形ローラ58はパスラ
インの下方に位置しているに対し、上流側および下流側
に隣接して位置する円筒状支持体61,61の鼓形ロー
ラ58,58は何れもパスラインの上方に位置してい
る。また、パスラインに対し夫々の鼓形ローラ58は所
要の角度で変位しているが、その変位する方向は隣接し
合う鼓形ローラ58の変位方向とは逆向きになってい
る。例えば図17に示すように、最も左側の鼓形ローラ
58はパスラインの上方にあって右に変位し、その右側
で隣接する鼓形ローラ58はパスラインの下方にあって
左に変位し、更にその右側で隣接する鼓形ローラ58は
パスラインの上方にあって右に変位している、という関
係がこれである。夫々の鼓形ローラ58のローラ面が金
属ワイヤWに当接する高さおよび変位角は、前述した調
整ボルト68の回動角度や、円筒状支持体61のピニオ
ン64に噛合するラック65の位置を微調節することに
より最適値に設定される。なお図13に示すように、回
転矯正部57の切欠部59に目盛69を設け、鼓形ロー
ラ58がパスラインに対して形成する変位角を視認し得
るよう構成するのが好ましい。
【0026】図示しないが、回転矯正部57の軸方向に
おける両端面には、金属ワイヤWの通過を許容する通孔
が穿設されている。そして矯正ユニット46は、精密伸
線加工を終えた金属ワイヤWの連続的な通過を許容する
と共に、該ワイヤWの周方向に回転駆動される。しかも
矯正ユニット46の長手開口部60には、金属ワイヤW
に当接すると共に該ワイヤWの走行に伴い遊転する鼓形
ローラ58が所要間隔でパスラインに沿って配置され、
夫々の鼓形ローラ58はパスラインを挟んで交互に所要
角度だけ変位すると共に、各鼓形ローラ58がパスライ
ンに対し変位する方向は、隣接する鼓形ローラ58が該
パスラインに対し変位する方向と逆向きになるよう設定
されている。従って、矯正ユニット46を金属ワイヤW
の周りに回転させつつ該ワイヤWを走行させると、前記
一連の鼓形ローラ58は金属ワイヤWを全方向から均一
に摺動・摩擦することになる。このため、精密伸線加工
を終えてはいるが真直度の点で完全でなかった金属ワイ
ヤWに、極めて高い精度の真直度を付与することができ
る。なお図示の実施例では、矯正ユニット46をフレー
ム47の上面に2基直列に配設する構成としたが、この
配列数は所望に応じて適宜変更し得るものである。従っ
て、矯正すべき金属ワイヤWの素材程度に応じて、矯正
ユニット46を1基だけ配設するようにしたり、3基以
上を配設するようにしたりすることができる。更に前述
の如く複数基の矯正ユニット46は、同一方向に回転さ
せるようにしても、逆方向に回転させるようにしてもよ
い。
【0027】好適な実施例に係る精密伸線加工装置で
は、コイル状供給源10から繰り出した金属ワイヤWを
精密伸線ダイス17に供給すると共に、無端ベルト20
およびキャタピラ部45からなる線材引抜き部で強制的
に引抜くことにより、該ワイヤWに高精度の寸法公差と
真円度とを付与する。そして、この精密伸線加工の終了
した金属ワイヤWを、下流側に直列に配置した2つの矯
正ユニット46,46に通過させ、ここで多数の鼓形ロ
ーラ58に当接させると共に該ローラ群58を該ワイヤ
Wの周囲に回転させることによって、この金属ワイヤW
に高精度の真直度も付与することができる。なお図示の
実施例では、図11に示すように、高精度の真直度が得
られた金属ワイヤWを、切断部14で所望の長さに切断
した後に、図1で示す集材部15へ供給するようになっ
ている。しかし切断は必ずしも条件ではなく、真直度を
確保した金属ワイヤWを下流側に設けた精密切削加工機
(“エスコマチック")にインラインで供給して、該ワイ
ヤWから高精度の精密部品を連続的に加工するようにし
てもよい。
【0028】
【発明の効果】以上に説明した如く、精密部品の機械加
工を行なうに当り従来は、素材としての金属ワイヤに充
分な精度の直径寸法、真円度および真直度が得られてい
なかったために、精密部品加工に入るに先立ちグライン
ダ等で該ワイヤを別途切削する工程を要していた。しか
るに本発明に係る精密伸線加工方法およびその装置によ
れば、精密部品を機械加工するため供給される金属ワイ
ヤには、既に高精度の直径寸法、真円度および真直度が
確保されているので、繁雑でコストの嵩む前記別工程を
要することなく、該ワイヤからそのまま精密部品の機械
加工を行なうことができる。すなわち、本発明に係る精
密伸線を施した金属ワイヤをそのまま精密切削加工に供
し得るために、生産効率を大きく向上させることがで
き、しかも製造コストの増大を有効に抑制し得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る金属ワイヤの精密伸線方法を好
適に実施するのに使用される装置の全構成を示す概略説
明図である。
【図2】 金属ワイヤの精密伸線を行なうダイス部の概
略側面図である。
【図3】 金属ワイヤの精密伸線を行なうダイス部の概
略平面図である。
【図4】 線材引抜き部を、カバーを外した状態で観察
した概略側面図である。
【図5】 線材引抜き部を、カバーを外した状態で観察
した概略平面図である。
【図6】 線材引抜き部において、金属ワイヤのパスラ
インを挟んで対向する上下の無端ベルトを相互に近接・
離間駆動する機構の概略構成図であって、上下の無端ベ
ルトを相互に離間させた状態を示している。
【図7】 線材引抜き部において、金属ワイヤのパスラ
インを挟んで対向する上下の無端ベルトを相互に近接・
離間駆動する機構の概略構成図であって、上下の無端ベ
ルトを相互に近接させた状態を示している。
【図8】 線材引抜き部において、無端ベルトとその内
側に設けられるキャタピラ部との位置関係を示す一部拡
大斜視図である。
【図9】 線材引抜き部において、パスラインを挟んで
対向する上下の無端ベルトおよび履帯セグメントを相互
に離間させて、金属ワイヤとの接触を解除した状態を示
す説明図である。
【図10】 線材引抜き部において、パスラインを挟ん
で対向する上下の無端ベルトおよび履帯セグメントを相
互に近接させて、金属ワイヤを挟圧した状態を示す説明
図である。
【図11】 精密伸線加工を終えた金属ワイヤに、高精
度の真直度を付与する矯正装置の概略側面図である。
【図12】 精密伸線加工を終えた金属ワイヤに、高精
度の真直度を付与する矯正装置の概略平面図である。
【図13】 矯正ユニットにおける回転矯正部の要部を
一部切欠状態で示す斜視図である。
【図14】 矯正ユニットにおける回転矯正部を一部切
欠き縦断面で示す側面図である。
【図15】 図14に示す回転矯正部の平面図である。
【図16】 回転矯正部を軸方向に対し直角に切断した
状態で示す断面図である。
【図17】 矯正ユニットにおける鼓形ローラの配列状
態を概略的に示す説明図である。
【図18】 従来の伸線装置の概略構成を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
10 コイル状供給源 17 精密伸線ダイス 18 昇降フレーム 20 無端ベルト 22 無端チェン 23 履帯セグメント 27 ローラ 28 ガイドバー 45 キャタピラ部 46 矯正ユニット 58 鼓形ローラ 60 長手開口部 W 金属ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23Q 7/14 B65H 51/14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル状に巻かれた金属ワイヤ(W)を引
    出し、多数の矯正ローラ群を通過させて真直に矯正した
    後に精密伸線ダイス(17)へ送り込み、 この精密伸線ダイス(17)を経て下流側に延在する該金属
    ワイヤ(W)を、昇降自在に対向配置した一対の無端ベル
    ト(20,20)で挟持すると共に、夫々の無端ベルト(20)の
    内側に走行自在に配設したキャタピラ部(45)を駆動して
    前記一対の無端ベルト(20,20)を走行させることによ
    り、該金属ワイヤ(W)を精密伸線ダイス(17)から強制的
    に引抜いて高精度の寸法公差と真円度とを備える精密伸
    線加工を行ない、 前記金属ワイヤ(W)のパスラインに沿って所要間隔で配
    設した鼓形ローラ(58)を備えると共に該ワイヤ(W)の周
    方向へ回転可能な矯正ユニット(46)に、前記精密伸線加
    工がなされた金属ワイヤ(W)を通過させて該ワイヤ(W)に
    高い真直度を付与し、 次いで前記金属ワイヤ(W)を所望の長さに切断して/また
    は切断することなく、精密自動旋盤等のワイヤ加工装置
    にインライン供給するようにしたことを特徴とする金属
    ワイヤの精密伸線方法。
  2. 【請求項2】 前記精密伸線加工により達成される寸法
    公差は±5μ以下で、真円度は2μ以下である請求項1
    記載のワイヤの精密伸線方法。
  3. 【請求項3】 コイル状供給源(10)から引出されて精密
    伸線ダイス(17)に供給された金属ワイヤ(W)を強制的に
    引抜くための装置であって、 前記金属ワイヤ(W)のパスラインを挟み上下に平行に延
    在するよう配設され、所要の制御指令により平行関係を
    保持したまま該パスラインへの近接方向または離間方向
    に同期的に昇降し得る一対の回転自在な無端ベルト(20,
    20)と、 前記夫々の無端ベルト(20)の内側に配設されて該ベルト
    (20)と略平行に延在し、各無端ベルト(20)と一体的に昇
    降し得ると共に、前記金属ワイヤ(W)を精密伸線ダイス
    (17)から引抜く方向への駆動が与えられるキャタピラ部
    (45)とからなり、 前記一方の無端ベルト(20)およびその内側に設けたキャ
    タピラ部(45)と、前記金属ワイヤ(W)を挟んで対向する
    他方の無端ベルト(20)およびその内側に設けたキャタピ
    ラ部(45)とを、平行関係を保持したまま同期的に近接さ
    せることにより、該ワイヤ(W)を各無端ベルト(20)およ
    び対応のキャタピラ部(45)により長手方向に亘って挟圧
    し、該キャタピラ部(45)に駆動を与えることにより2つ
    の無端ベルト(20,20)で挟持した金属ワイヤ(W)を精密伸
    線ダイス(17)から強制的に引抜き、 各対応の無端ベルト(20)およびキャタピラ部(45)を同期
    的に金属ワイヤ(W)から離間させることにより、該ワイ
    ヤ(W)に対する挟持力を解除するよう構成したことを特
    徴とする金属ワイヤ引抜き装置。
  4. 【請求項4】 前記キャタピラ部(45)は、一対の無端チ
    ェン(22,22)の間に位置して相互に連結された多数の履
    帯セグメント(23)からなる請求項3記載の金属ワイヤ引
    抜き装置。
  5. 【請求項5】 前記無端ベルト(20)およびキャタピラ部
    (45)は、対応の昇降フレーム(18)に走行自在に支持され
    る請求項3記載の金属ワイヤ引抜き装置。
  6. 【請求項6】 前記無端チェン(22)における各リンク接
    続部の一側にローラ(27)が回転自在に枢支され、前記無
    端ベルト(20)およびキャタピラ部(45)を前記金属ワイヤ
    (W)に向けて同期的に近接させた際に、これらローラ群
    (27)は前記昇降フレーム(18)に固定したガイドバー(28)
    に当接して、該無端ベルト(20)およびキャタピラ部(45)
    の位置規制を行なうようになっている請求項5記載の金
    属ワイヤ引抜き装置。
  7. 【請求項7】 精密伸線ダイス(17)を経て高精度の寸法
    公差および真円度に精密伸線加工された金属ワイヤ(W)
    に高精度の真直度を与えるための矯正装置であって、 前記精密伸線加工を終えた金属ワイヤ(W)のパスライン
    に沿って配設され、金属ワイヤ(W)の連続的な通過を許
    容すると共に、該ワイヤ(W)の周方向に回転駆動される
    矯正ユニット(46)と、 この矯正ユニット(46)の長手開口部(60)に所要間隔でパ
    スラインに沿って配置され、前記金属ワイヤ(W)に当接
    すると共に該ワイヤ(W)の走行に伴い遊転する鼓形ロー
    ラ(58)とからなり、 夫々の鼓形ローラ(58)はパスラインを挟んで交互に所要
    角度だけ変位するよう配置されると共に、各鼓形ローラ
    (58)がパスラインに対し変位する方向は、隣接する鼓形
    ローラ(58)が該パスラインに対し変位する方向と逆向き
    になるよう設定され、 前記矯正ユニット(46)を金属ワイヤ(W)の周りに回動さ
    せつつ該ワイヤ(W)を走行させることにより、前記一連
    の鼓形ローラ(58)が金属ワイヤ(W)に高度の真直度を付
    与するよう構成したことを特徴とする金属ワイヤの矯正
    装置。
  8. 【請求項8】 前記夫々の鼓形ローラ(58)は、矯正ユニ
    ット(46)の長手開口部(60)において前記パスラインに対
    する変位角を調節可能に配設されている請求項7記載の
    金属ワイヤの矯正装置。
  9. 【請求項9】 前記矯正ユニット(46)は、金属ワイヤ
    (W)のパスラインに沿って少なくとも2基配設され、各
    矯正ユニット(46)は該ワイヤ(W)の周りを同期的に同一
    方向へ回転されるようになっている請求項7記載の金属
    ワイヤ(W)の矯正装置。
  10. 【請求項10】 前記矯正ユニット(46)は、金属ワイヤ
    (W)のパスラインに沿って少なくとも2基配設され、各
    矯正ユニット(46)は該ワイヤ(W)の周りを同期的に相互
    に逆方向へ回転されるようになっている請求項7記載の
    金属ワイヤの矯正装置。
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