JPH083733A - 薄膜製造方法および薄膜製造装置 - Google Patents

薄膜製造方法および薄膜製造装置

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JPH083733A
JPH083733A JP13429094A JP13429094A JPH083733A JP H083733 A JPH083733 A JP H083733A JP 13429094 A JP13429094 A JP 13429094A JP 13429094 A JP13429094 A JP 13429094A JP H083733 A JPH083733 A JP H083733A
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JP
Japan
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thin film
vacuum container
voltage
substrate
evaporation crucible
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JP13429094A
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Inventor
Koji Takei
弘次 武井
Masakatsu Senda
正勝 千田
Osamu Ishii
修 石井
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオンを加速する構成を採りつつ製造コスト
を低く抑える。 【構成】 蒸発ルツボ2と真空容器1との間にイオン加
速用電圧を印加しながら膜形成を行う。このため、基板
5を保持する基板保持機構6を真空容器1に対して絶縁
させなくてもイオンを加速させて薄膜を製造できる。し
たがって、基板保持機構6の取付構造を簡素化でき、製
造コストを低く抑えつつ通常の真空蒸着法に比べて結晶
性の良好な薄膜を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム加熱蒸着に
よる薄膜製造において、結晶性の良好な薄膜を製造する
ための薄膜製造方法および薄膜製造装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム加熱蒸着法は金属、半導体、
絶縁体等、原料の種類を問わず多種多様の薄膜を製造で
きるために広範囲に利用されている。この種の従来の薄
膜製造装置を図4によって説明する。
【0003】図4は電子ビーム加熱蒸着型の従来の薄膜
製造装置を示す構成図で、同図において、1は真空容
器、2は蒸発原料Aを保持するための蒸発ルツボ、3は
電子ビームを発生する電子銃、4は前記電子ビーム3に
給電すると共に電子ビームを加速する高圧電源としての
電子銃用電源である。この電子銃用電源4は数キロボル
ト〜十数キロボルトの電圧を印加することができるよう
に構成されている。
【0004】5は被薄膜製造物としての基板で、この基
板5は基板保持機構6によって真空容器1内における蒸
発ルツボ2と対向する位置に配置されている。7は真空
容器1内を減圧させるための排気口である。
【0005】このように構成された従来の薄膜製造装置
では、高電圧で加速された電子ビームの衝撃により蒸発
ルツボ2内の原料を加熱・蒸発させることによって、こ
の蒸発ルツボ2と対向する位置に配置された基板5上に
薄膜が形成される。
【0006】このとき、蒸発物の一部がイオン化するこ
と、さらに膜形成時にこれらのイオンを加速して基板に
入射させると堆積膜の結晶性が大幅に改善されることが
知られていた。このため、従来では、基板5と真空容器
1との間に一定の電圧を印加することによりイオンを加
速するという手法が採られていた。
【0007】イオンを加速させる構造の従来の薄膜製造
装置の構成を図5に示す。図5において符号8はイオン
加速用電源である。このイオン加速用電源8は基板5を
保持する基板保持機構6を介して基板5に電気的に接続
されていた。そして、基板保持機構6と真空容器1との
間には絶縁ガイシ9が介装されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、基板5に電
圧を印加するためには基板保持機構6と真空容器1とが
予め電気的に絶縁されている必要があるため、基板温度
制御装置や基板搬送装置等を組み込むに当たって装置が
複雑になってしまう。これは、基板の加熱、回転、移送
等の機構を基板保持機構6に構成するに当たり、基板5
と同電位になる部材は全て真空容器1に対して絶縁しな
ければならないからである。このため、製造コストが大
幅に上昇するという欠点があった。
【0009】さらに、蒸発物が導電性物質である場合に
は、その回り込み付着によって絶縁不良が発生し、基板
に電圧を印加できなくなるという障害が頻発するという
欠点もあった。
【0010】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、イオンを加速する構成を採ったとし
ても製造コストを低く抑えられ、しかも、絶縁不良障害
を回避できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜製造方
法は、蒸発ルツボと真空容器との間にイオン加速用電圧
を印加しながら膜形成を行うものである。
【0012】本発明に係る薄膜製造装置は、蒸発ルツボ
を真空容器とは電気的に絶縁し、この蒸発ルツボと真空
容器とにこれら両者間にイオン加速用電圧を印加する電
圧発生器を接続したものである。また、別の発明の薄膜
製造装置は、前記薄膜製造装置において、蒸発ルツボの
底部と真空容器との間に絶縁材を介装することによって
これら両者どうしを絶縁したものである。
【0013】
【作用】本発明によれば、被薄膜製造物を保持する保持
機構を真空容器に対して絶縁させなくてもイオンを加速
させて薄膜を製造できる。また、蒸発ルツボの底部側に
は蒸発物が飛散し難いので、蒸発ルツボと真空容器との
間に介装された絶縁材に蒸発物が付着し難い。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図3に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る薄膜製造方
法を実施するに当たり使用する薄膜製造装置の構成図、
図2は薄膜製造装置の要部を拡大して示す斜視図、図3
は本発明に係る薄膜製造方法によって製造したコバルト
・クロム薄膜の(022)面に対するX線回析強度とル
ツボ電圧との関係を示すグラフである。これらの図にお
いて前記図4および図5で説明したものと同一もしくは
同等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略
する。
【0015】図1〜図3において、符号11はイオン加
速用電源で、このイオン加速用電源11は、蒸発ルツボ
2と真空容器1とに接続され、これら両者の間に一定の
電圧を印加するように構成されている。なお、電圧につ
いては後述する。
【0016】図2において符号12は電子ビーム偏向用
磁石で、これは電子銃3の構成部品である。13は蒸発
ルツボ2に電圧を印加するための電極である。この電極
13は本実施例では2本設けられており、その上端に蒸
発ルツボ2が接続されている。そして、この電極13の
下部は、真空容器1の底部となる真空フランジ14を貫
通して真空容器1外に導出され、前記イオン加速用電源
11に接続されている。
【0017】また、この電極13が真空フランジ14を
貫通する部分には、電極13の外面と真空フランジ14
との間に位置して絶縁ガイシ15が介装されている。さ
らに、本実施例では、この電極13は蒸発ルツボ2に冷
却水を流すための冷却水導入管を兼ねている。
【0018】なお、基板5を真空容器1内に保持する基
板保持機構6は、真空容器1とは同電位になっている。
【0019】次に、上述したように構成された薄膜製造
装置を用いて本発明に係る薄膜製造方法を説明する。先
ず、基板保持機構6に基板5を保持させると共に蒸発ル
ツボ2内に蒸発原料Aを装填した状態で真空容器1内を
所定の圧力に減圧させる。そして、電子銃用電源4を用
いて蒸発ルツボ2と電子銃3との間に高電圧を印加す
る。このとき、電子銃3が発する電子ビームは、この高
電圧により加速されると共に電子ビーム偏向用磁石12
が発する磁界の作用で偏向され、蒸発ルツボ2に配置さ
れた蒸発原料に衝突する。これにより蒸発ルツボ2内の
原料は加熱され、蒸発するようになる。
【0020】一方、この操作とは別に、イオン加速用電
源11を用いて真空容器1と蒸発ルツボ2との間に一定
の電圧を印加する。その結果、蒸発物に含まれるイオン
は真空容器1と蒸発ルツボ2の間に印加された電圧の値
に応じて加速され、基板5に到達する。
【0021】したがって、基板5に電圧を印加すること
なく蒸発物に含まれるイオンを加速することができる。
すなわち、基板保持機構6を真空容器1に対して絶縁さ
せなくてもイオンを加速させて薄膜を製造することがで
きる。
【0022】図3は本実施例の薄膜製造装置によって製
造したコバルト・クロム合金薄膜(Co80 Cr2
0) の(002)面に対するX線回析強度と蒸発ルツ
ボ2に印加した電圧(ルツボ電圧)との関係を示したグ
ラフである。このとき、電子銃3に印加した電圧および
電流は4KV,200mAで一定に保った。また、基板5の
材質は石英ガラスで、真空容器1とは導通状態のステン
レス製ホルダ(基板保持機構6)によって保持した。
【0023】膜形成時の真空度は2×10-7Torr、堆積
速度は毎分30nm、基板温度は25℃とし、膜厚250
nmのコバルト・クロム合金薄膜を製造した。図3には、
適度なルツボ電圧を印加することによりX線回析強度が
顕著に増大することが示されている。ルツボ電圧を約1
KVに設定した場合、X線回析強度はルツボに電圧を印加
しない場合に比べて約15倍にまで増大した。なお、特
定のルツボ電圧(本実施例においては約1KV)において
薄膜の結晶性が顕著に改善されるという現象は、基板に
電圧を印加する従来法においても見られるものであり、
適度なイオン加速電圧のもとで結晶性が最も顕著に改善
され得ることを示している。この現象は次のように理解
されている。
【0024】すなわち、加速されたイオンが堆積膜面に
入射したときの作用として、 (1)表面に付着する不純物の除去 (2)イオンが薄膜結晶内に潜り込むことによる原子配
列規則度の低下 がある。ここで、(1)の作用はイオン加速電圧が大き
いほど強く、したがってイオン加速電圧の増加と共に結
晶性が向上するという現象をもたらす。しかし、イオン
加速電圧があまりに大きくなると、(2)の作用がより
強く働くようになり、今度はイオン加速電圧の増加と共
に結晶性が低下するようになる。こうして、特定のイオ
ン加速電圧のもとで結晶性が最も顕著に改善されるとい
う現象が生じるわけである。
【0025】このように、本実施例が、基板に電圧を印
加して膜形成を行う従来の方法と同様に、顕著なイオン
加速機能を有し、その結果として薄膜の結晶性改善に顕
著な効果をもつことは明らかである。
【0026】また、従来法では基板に電圧を印加するた
めに基板保持機構と真空容器とが絶縁材を介して機械的
に接続されていた。しかし、蒸発物の一部がこの絶縁材
表面に回り込み付着するために、蒸発物が導電性物質で
ある場合には数回の蒸着操作で基板保持部材と真空容器
とが電気的に導通状態となってしまい、基板に電圧を印
加できなくなった。これに対し、本発明の手法を採る
と、基板保持部材6が真空容器1と同電位であること
と、真空容器1と蒸発ルツボ2とを電気的に絶縁してい
る絶縁ガイシ15は蒸発物が飛散する方向とは全く逆の
位置に設置された構造であることにより、少なくとも5
0回以上の繰り返し蒸着操作後もなんら絶縁不良障害を
起こすことなく、正常に動作した。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る薄膜製
造方法は、蒸発ルツボと真空容器との間にイオン加速用
電圧を印加しながら膜形成を行うものであり、本発明に
係る薄膜製造装置は、蒸発ルツボを真空容器とは電気的
に絶縁し、この蒸発ルツボと真空容器とにこれら両者間
にイオン加速用電圧を印加する電圧発生器を接続したも
のであるため、被薄膜製造物を保持する保持機構を真空
容器に対して絶縁させなくてもイオンを加速させて薄膜
を製造できる。
【0028】したがって、基板保持機構を真空容器に取
付けるに当たり取付部が単純な構造で済むから、製造コ
ストを低く抑えながらも通常の真空蒸着法に比べて結晶
性の良好な薄膜を製造することができる。
【0029】また、蒸発ルツボの底部と真空容器との間
に絶縁材を介装してこれら両者どうしを絶縁すると、蒸
発ルツボの底部側には蒸発物が飛散し難いので、蒸発ル
ツボと真空容器との間に介装された絶縁材に蒸発物が付
着し難くなる。このため、蒸発物の回り込み付着による
絶縁不良障害も発生し難い。
【0030】したがって本発明によれば、特性の良好な
磁気記録用薄膜テープの製造や、耐久性の高いLSI配
線電極膜の形成等の応用分野において、簡便かつ実用的
な薄膜形成手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る薄膜製造方法を実施するに当た
り使用する薄膜製造装置の構成図である。
【図2】 薄膜製造装置の要部を拡大して示す斜視図で
ある。
【図3】 本発明に係る薄膜製造方法によって製造した
コバルト・クロム薄膜の(022)面に対するX線回析
強度とルツボ電圧との関係を示すグラフである。
【図4】 電子ビーム加熱蒸着型の従来の薄膜製造装置
を示す構成図である。
【図5】 イオンを加速させる構造の従来の薄膜製造装
置を示す構成図である。
【符号の説明】
1…真空容器、2…蒸発ルツボ、3…電子銃、5…基
板、6…基板保持機構、11…イオン加速用電源、13
…電極、14…真空フランジ、15…絶縁ガイシ、A…
蒸発原料。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム加熱蒸着による薄膜製造方法
    において、蒸発ルツボと真空容器との間にイオン加速用
    電圧を印加しながら膜形成を行うことを特徴とする薄膜
    製造方法。
  2. 【請求項2】 電子ビーム加熱蒸着による薄膜製造装置
    において、蒸発ルツボを真空容器とは電気的に絶縁し、
    この蒸発ルツボと真空容器とにこれら両者間にイオン加
    速用電圧を印加する電圧発生器を接続したことを特徴と
    する薄膜製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の薄膜製造装置において、
    蒸発ルツボの底部と真空容器との間に絶縁材を介装する
    ことによってこれら両者どうしを絶縁したことを特徴と
    する薄膜製造装置。
JP13429094A 1994-06-16 1994-06-16 薄膜製造方法および薄膜製造装置 Pending JPH083733A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6699152B2 (en) 2001-04-18 2004-03-02 Teijin Seiki Co., Ltd. Speed reduction gear

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6699152B2 (en) 2001-04-18 2004-03-02 Teijin Seiki Co., Ltd. Speed reduction gear

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