JPH083715A - 鋼材の亀裂部の補修構造 - Google Patents

鋼材の亀裂部の補修構造

Info

Publication number
JPH083715A
JPH083715A JP14038894A JP14038894A JPH083715A JP H083715 A JPH083715 A JP H083715A JP 14038894 A JP14038894 A JP 14038894A JP 14038894 A JP14038894 A JP 14038894A JP H083715 A JPH083715 A JP H083715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel material
repair
metal layer
repairing
corrosion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14038894A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Kimura
孝明 木村
Kenichi Fukagawa
謙一 深川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP14038894A priority Critical patent/JPH083715A/ja
Publication of JPH083715A publication Critical patent/JPH083715A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】硝酸を主成分とする腐食性物質によって発生し
た鋼材の応力腐食割れ部を容易に補修し、且つ当該補修
部からの応力腐食割れの再発を防止する。 【構成】母鋼材1の応力腐食割れ部5を通常のシ−ル溶
接をした後、補修用鋼材2の凹型の内側にAl溶射によ
る耐食性金属層3と更にその上に耐熱シリコンより成る
耐酸性塗膜層4を形成された補修用鋼材2を溶接固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材に腐食性物質が接
触して発生する亀裂、所謂応力腐食割れ部の補修構造に
関するもので、更に詳しくは高炉用熱風炉の燃焼過程で
生成するNOX に起因する当該鉄皮の応力腐食割れ部の
補修構造に関する。
【0002】
【従来の技術】熱風炉を含む高炉設備の鉄皮は、通常高
温に晒されることによる材料劣化や、設備の加熱・冷却
の繰り返しもしくは鉄皮の炉内側と炉外側との温度差に
よる熱応力の発生等により亀裂が極めて生じ易い環境に
ある。しかるに高炉操業中にかかる亀裂が生じても操業
を停止することは極めて困難なため、従来から高炉設備
の鉄皮に亀裂が生じた時には亀裂部をいわゆるシ−ル溶
接またはガウジング肉盛溶接、更にこれを補強せしめる
ため補修用鋼材を溶接するなどして亀裂の再発防止や補
修を行っている。
【0003】しかしながら、上記従来方法では鉄皮亀裂
の再発防止が必ずしも万全ではないため、これまでに当
該鉄皮亀裂の補修方法あるいは再発防止方法に関して多
くの提案がある。例えば、特開昭51−112704号
公報,特開昭51−112705号公報,特開昭55−
34676号公報には亀裂の再発原因となる熱応力集中
を解除する溶接を中心とする亀裂防止方法が、特開昭5
5−41958号公報,特開平4−9416号公報には
亀裂の再発防止を目的とした鉄皮の補修方法が、また特
開昭49−94504号公報,特開昭55−14855
号公報には高炉の炉壁耐火保護材を含む鉄皮亀裂補修方
法が、更に実開平5−54526号公報には熱応力の緩
和を考慮した高炉用熱風炉鉄皮の二次クラックの発生を
防止する補修構造が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高炉設備の亀裂補修方法や再発防止方法および前記提案
は、いずれも亀裂の発生原因を熱応力のみとしたもので
あって、腐食性物質の作用を含めた応力腐食割れを考慮
しているものはない。しかるに、高炉設備の中でも特に
熱風炉においては燃焼過程で窒素酸化物NOXが発生
し、それが以下の反応により硝酸HNO3 を生成すると
いわれている。 N2 +O2 →2NO NO+1/2O2 →NO2 2NO2 +H2 O→HNO2 +HNO3 2NO2 +H2 O+1/2O2 →2HNO3 本発明者らが高炉用熱風炉の鉄皮の亀裂を鋭意検討した
ところ、当該鉄皮の亀裂原因は通常の単なる熱応力とい
うよりむしろ、上記燃焼過程で生成する硝酸を主成分と
する腐食性物質を含む応力腐食割れStress Corrosion C
racking (以下「SCC」と称する)であることを見出
だした。このような硝酸を主とする腐食性物質によるS
CCに対して従来の前記補修方法や再発防止方法ではい
ずれの方法においても補修箇所から二次的なSCCが再
発するという欠点があり、且つまたこれまで当該SCC
の補修方法や再発防止方法についてはほとんど提案がな
いのが実情である。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので硝酸を主成分とする腐食性物質によって発生した鋼
材のSCCに対して、容易且つ再発防止性に優れた鋼材
の亀裂部の補修構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の補修構造の特徴とするところは、母鋼材、例
えば高炉用熱風炉の鉄皮、に発生した亀裂部を補強せし
めるために溶接固定された補修用鋼材と当該補修用鋼材
の前記母鋼材側表面に形成された耐食性金属層と、耐食
性金属層と母鋼材との間に形成されて耐酸性を有するコ
−ティング材の塗膜層および/または充填層と、を具備
することにある。
【0007】
【作用】本発明の補修構造の特徴は、高炉用熱風炉の亀
裂発生原因を熱応力と腐食との相互作用で発生するSC
Cと考え、腐食性物質に着目している点にある。そのた
め、熱応力のみの作用に着目した前記従来の構造では、
腐食性物質が補修用鋼材の溶接部および/または補修用
鋼材自体に作用することは避けられず、再度SCCが発
生する危険性が極めて高い。
【0008】即ち、SCCの再発防止を効果たらしめる
ためには、容易且つ効果的に腐食性物質と補修用鋼材の
溶接部および/または補修用鋼材自体との接触を遮断す
ることが肝要である。
【0009】通常母鋼材のSCC部をシ−ル溶接やガウ
ジング肉盛溶接すると、図2に示すように当該応力腐食
割れ部5が凸型に張り出すため、補修用鋼材2の内側を
凹型に加工して当該母鋼材1との密着性を図ることが一
般に行われる。本発明の構成の第一はこの補修用鋼材2
の内側を図1に示すように例えば溶射法やメッキ法等に
よって耐食性金属層3を形成することである。これが補
修用鋼材2と腐食性物質との接触を遮断することにある
ことはいうまでもない。耐食性金属の種類は特に限定す
るものではないが、コストや入手の容易さ等によりAl
またはNi−Cr合金が良い。このうち、溶射法に供す
るNi−Crとしては、Ni50%−Cr50%成分の
ものが最も一般的でありこれで十分である。溶射法の場
合、金属層の厚みは200〜500μm程度が良く、こ
れより薄いと腐食性物質との接触を遮断するに耐久性的
に不十分であり、逆にこれ以上厚くすることは耐久性的
には効果があると思われるが、本発明の目的に対しての
効果はほどんど変わらず、且つコスト高ともなって好ま
しくない。
【0010】しかるに、溶射法の場合には形成した耐食
性金属層3は通常多孔質となり、このままでは腐食性物
質がこの気孔を通して徐々に補修用鋼材やその溶接部と
の界面に浸透し、溶射した耐食性金属層3を剥離させた
り、当該補修用鋼材2やその溶接部11にSCCを再発
させることになる。
【0011】そこで、本発明の構成の第二は、図1およ
び図3に示すように当該耐食性金属層3の上に更に耐酸
性を有するコ−ティング材の耐酸性塗装膜層4および/
または耐酸性充填層7を形成することである。これを施
すことにより、上記気孔を閉塞せしめることができ腐食
性物質の浸透を抑止することができるため、当該補修用
鋼材2やその溶接部11と腐食性物質との接触を完全に
遮断することができる。当該塗膜層および充填層は、溶
射法で形成せしめた耐食性金属層だけでなくメッキ法等
の他の方法で形成せしめた当該金属層に対しても、特に
補修用鋼材の溶接部のSCCの再発防止に効果的であ
る。
【0012】このコ−ティング材は、前記耐食性金属層
の形成後、塗布して耐酸性塗膜層4として形成したもの
を図1に示すように当該母鋼材1の応力腐食割れ部5に
溶接固定しても良いし、図3に示すように前記耐食性金
属層を形成せしめた補修用鋼材2を溶接固定後、当該補
修用鋼材に設けた注入孔6から注入充填して耐酸性充填
層7として形成しても良い。あるいは、耐酸性塗膜層4
と耐酸性充填層7を併用すれば、更に効果的である。
【0013】コ−ティング材としては当該補修部の稼働
温度が常温あるいはこれに近い温度の場合には耐酸性を
有するのみで良いが、高温の場合、例えば高炉用熱風炉
の場合には正常な稼働状態の最外面温度として50〜8
0℃に対応できるエポキシ樹脂またはアクリル樹脂等
が、或いは内部の耐火物が破損等した異常な場合も考慮
すれば300℃程度まで対応できる耐熱シリコン樹脂等
が良い。更に、高温となる場合には、当該補修用鋼材に
前記耐食性金属を形成する代わりに、Cr/Ni比が1
8/8のステンレス鋼、例えばSUS304または31
6等をライニング加工したものを用いることも考えらる
が、これらは本目的の耐酸性に対しては必ずしも十分で
ないため好ましくはNi含有率が42%以上の高Ni耐
食鋼をライニング加工して用いるのが良い。また、図4
に示すような当該補修用鋼材2と応力腐食割れ部5の溶
接補修部との隙間に炉内操業圧力より若干高い圧力の不
活性ガス、例えば窒素ガス、をガス注入管8より注入し
内部からの腐食性物質の浸透を抑制する方法も考えられ
るが、これは配管やガス源等を要するなどで本目的には
コスト高で実用性に欠ける。
【0014】尚、本発明の方法は高炉用熱風炉の鉄皮亀
裂に限定するものではなく、硝酸のような酸性物質を主
成分とする腐食性物質によるSCCの補修には極めて効
果的である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。 実施例1 高炉用熱風炉のSCC部をシ−ル溶接により補修後、更
に図1に基づいて補修用鋼材2の凹型に加工された面に
Al溶射、およびNi−Cr溶射をいずれも300±1
00μm施して耐食性金属層3を形成後、更にその上か
ら耐熱シリコン樹脂を塗布して耐酸性塗膜層4を形成し
た。これを当該補修部に溶接固定した。尚、比較例とし
て当該金属層および塗膜層のいずれも形成しない従来の
補修用鋼材も作成し、これも当該補修部に溶接固定し
た。その結果、当該金属層および塗膜層を形成した本発
明の補修構造では、補修後24ケ月経過しても未だ何の
変化も見られないのに対して、従来の補修構造では補修
後12ケ月経過後には、補修用鋼材の溶接部より再度S
CCの発生が見られた。 実施例2 高炉用熱風炉のSCC部をシ−ル溶接により補修後、更
に図3に基づいて補修用鋼材2の凹型に加工された面に
Al溶射、およびNi−Cr溶射をいずれも300±1
00μm施して耐食性金属層3を形成後、これを当該補
修部に溶接固定した。その後、当該補修用鋼材に設けら
れた注入孔6より耐熱シリコン樹脂を圧入して、耐酸性
充填層を形成した。この後、当該注入孔6のノズルを補
修用鋼材2の付根から切断し、補修用鋼材2の表面を平
滑処理した。尚、この場合も比較例として当該金属層お
よび充填層のいずれも形成しない従来の補修用鋼材も作
成し、これも当該補修部に溶接固定した。その結果、当
該金属層および充填層を形成した本発明の補修構造で
は、補修後24ケ月経過しても未だ何の変化も見られな
いのに対して、従来の補修構造では補修後12ケ月経過
後には、補修用鋼材の溶接部より再度SCCの発生が見
られた。
【0016】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の補修構造
では高炉用熱風炉の亀裂発生原因を熱応力と腐食との相
互作用で発生するSCCと考え、腐食性物質に着目して
これと補修用鋼材の溶接部および/または補修用鋼材自
体との接触を遮断せしめるように構成することを特徴と
するため、硝酸の様な酸性物質を主成分とする腐食性物
質によって発生したSCCを容易に補修することがで
き、且つ当該補修部からのSCCの再発を効果的に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による耐食性金属層と耐酸性塗膜層より
成る補修構造を示す図。
【図2】従来のシ−ル溶接と補修用鋼材より成る補修構
造を示す図。
【図3】本発明による耐食性金属層と耐酸性充填層より
成る補修構造を示す図。
【図4】炉内操業圧力より若干高い圧力の不活性ガスを
注入し内部からの腐食性物質の浸透を抑制する方法の概
念図。
【符号の説明】
1.母鋼材,2.補修用鋼材,3.耐食性金属層,4.
耐酸性塗膜層,5.応力腐食割れ部,6.注入孔,7.
耐酸性充填層,8.ガス注入管,9.不活性ガス本管,
10.監視用圧力計,11.溶接部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母鋼材に発生した亀裂部を補強せしめるた
    めに溶接固定された補修用鋼材と当該補修用鋼材の前記
    母鋼材側表面に形成された耐食性金属層と、耐食性金属
    層と母鋼材との間に形成されて耐酸性を有するコ−ティ
    ング材の塗膜層および/または充填層と、を具備するこ
    とを特徴とする鋼材の亀裂部の補修構造。
  2. 【請求項2】前記母鋼材が高炉用熱風炉の鉄皮であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の鋼材の亀裂部の補修構
    造。
JP14038894A 1994-06-22 1994-06-22 鋼材の亀裂部の補修構造 Pending JPH083715A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14038894A JPH083715A (ja) 1994-06-22 1994-06-22 鋼材の亀裂部の補修構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14038894A JPH083715A (ja) 1994-06-22 1994-06-22 鋼材の亀裂部の補修構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH083715A true JPH083715A (ja) 1996-01-09

Family

ID=15267655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14038894A Pending JPH083715A (ja) 1994-06-22 1994-06-22 鋼材の亀裂部の補修構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH083715A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3027005B2 (ja) 腐食した超合金または耐熱鋼製部材の再研磨方法および再研磨された部材
JP2006062080A (ja) 金属部品のクラック修繕方法および修繕された金属部品
JPH083715A (ja) 鋼材の亀裂部の補修構造
US10037822B2 (en) Method for the in situ passivation of the steel surfaces of a nuclear reactor
JP2007039745A (ja) フェライト系耐熱鋼の耐水蒸気酸化性改善方法及び耐水蒸気酸化性に優れたフェライト系耐熱鋼並びにボイラ用耐熱鋼
JP2018091333A (ja) 垂直亀裂遮熱コーティングを形成する方法および垂直亀裂遮熱コーティングを含む物品
JP3576479B2 (ja) 水冷式鉄鋼製構造物
JP3801442B2 (ja) 耐熱性・耐磨耗性ベンド管の製造方法
JP3706554B2 (ja) 高温部材表面の耐酸化性膜の除去方法
JPH04354822A (ja) 焼なまし加熱炉用ラジアントチューブ
JPH07102996A (ja) ガスタービン動翼の補修法
JPS6018293A (ja) オ−ステナイト系ステンレス鋼の多層盛溶接方法
JP2002018594A (ja) 燃焼室構造物、腐食防止材コーティング方法
JP2006265588A (ja) 被覆材料、ならびに耐食性、耐摩耗性および耐ヒートクラック性を有する鉄鋼製構造物
JPS6055226B2 (ja) オ−ステナイトステンレス鋼の溶接方法
JPH0610354B2 (ja) セラミツク被覆耐熱部材およびその製造方法
JPS5976869A (ja) ボイラ伝熱管の高温腐食防止法
JPS61186166A (ja) 溶接部の浸炭防止法
JPS6045033B2 (ja) 溶接鋭敏化部の応力腐食割れ防止方法
JPS6142492A (ja) 蒸気タ−ビン主蒸気管とケ−シングとの溶接構造
JPS62210328A (ja) セラミツク被覆ジエツトエンジン燃焼器及びその製造方法
JPS5499047A (en) Repair welding method for austenitic stainless steel tube
JPH01268853A (ja) クリープ温度域で使用される装置のクリープ脆化防止方法
JPH041595A (ja) 原子炉ノズル二重管部の補修方法
CN103952656A (zh) 高炉风口煤气在线带压堵漏的方法及形成的堵漏层