JPH0836072A - 電子制御時計 - Google Patents

電子制御時計

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JPH0836072A
JPH0836072A JP17281094A JP17281094A JPH0836072A JP H0836072 A JPH0836072 A JP H0836072A JP 17281094 A JP17281094 A JP 17281094A JP 17281094 A JP17281094 A JP 17281094A JP H0836072 A JPH0836072 A JP H0836072A
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smoothing capacitor
electric
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control circuit
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Akira Takakura
昭 高倉
Osamu Takahashi
理 高橋
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気回路の整流方法を変更することにより、
平滑用コンデンサの安定と電磁ブレーキの向上を図り、
電子制御電子時計に設けた水晶振動子やICの動作と発
電機の回転周期の安定化を実現する。 【構成】 発電機と平滑用コンデンサ及び制御回路を並
列に配置し、電気的整流素子を用いて平滑用コンデンサ
と制御回路で形成する電気的ループを遮断したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゼンマイが開放する時
の機械エネルギで回転する指針と、機械エネルギを電気
エネルギに変換する発電機と、電気エネルギを蓄える平
滑用コンデンサと、電磁ブレーキを可変制御する制御回
路を有するウォッチに関する。
【0002】
【従来の技術】図3に示すように、ゼンマイ1が保有す
る機械的エネルギを駆動源として、増速輪列2を介して
指針12の運針と発電機3の回転を可能にするととも
に、発電機3の回転で誘起した起電力を平滑用コンデン
サ4に一時的に蓄え、蓄電力で電気的集積回路(制御回
路5と分周回路6と発振回路7演算回路8と検出回路9
を含む:以下ICと称す)と水晶振動子10を駆動し、
発電機3のコイルに流れる電流量(図中の破線)を制御
回路5に設けたスイッチの切換で調整し、電流によって
生じる電磁ブレーキを可変して指針12と発電機3の回
転周期を調速する電子制御時計として、特開昭59−1
35388号公報、特開昭59−116078号公報に
記載されるものが知られている。
【0003】まず、上記2つの公報に開示されている技
術内容のうち、電子制御時計における発電機の回転周期
を制御する概念について、図4のブロック図を用いて説
明する。発電機3で誘起した起電力を平滑用コンデンサ
4に蓄え、平滑用コンデンサ4が所定の電圧(例えば1
V)を越えると発振回路7は水晶振動子10を駆動し
て、分周回路6にクロック信号S1を送る。
【0004】分周回路6はクロック信号S1を元に時刻
信号S2を生成する。検出回路9は、発電機3の回転周
期と同期して誘起する誘起電圧を検出して検出信号S3
を生成する。演算回路8には、分周回路6の時刻信号S
2と検出回路9の検出信号S3が入力され、2つの信号
を比較して制御信号S4を生成する。
【0005】演算回路8で生成した制御信号S4は制御
回路5に入力され、制御信号を元に制御回路5に設けた
スイッチ素子のON/OFFを行う。そして、スイッチ
素子のON/OFFにより電磁ブレーキ量を調節して、
発電機3の回転周期を調速する。その結果、指針12は
一定の回転周期数で運針するのである。
【0006】電子制御時計の調速原理について簡単に説
明する。発電機に加えた動力(入力エネルギ)に対し
て、エネルギ変換をおこない、発電機が保有する運動エ
ネルギを減少(誘起した起電力分減少する)させ、発電
機の回転周期が長くなるようにするのが、このウォッチ
で用いた調速概念である。
【0007】そして、ゼンマイと発電機の間に生じるエ
ネルギの変換は、以下の状態で起こる。ゼンマイを巻き
込むと、角度当たりのポテンシャルエネルギ(機械エネ
ルギ)が蓄積され、ゼンマイがほどけることで、輪列を
回転する機械エネルギ(駆動力)となる。この駆動力は
輪列を介して伝達され、発電機が回転する。このとき、
発電機のコイルには電磁誘導現象により起電圧が生じ
る。そして、コイルの両端に電気的閉ループを形成する
ことでコイルに誘起電流が流れ、誘起電流と起電圧の積
が発電機に誘起する電気エネルギ(起電力)となる。上
記のように発電機が回転してコイルに誘起電流が流れれ
ば、機械エネルギから電気エネルギへのエネルギ変換が
起こるのである。
【0008】発電機の回転周期を長くする電磁ブレーキ
について説明する。発電機が回転した時、コイルの両端
に流れる誘起電流によって、発電機の回転方向と逆向き
のトルクが作用する。これが電磁ブレーキであり、ブレ
ーキトルクの大きさにより発電機の回転速度が決まる。
【0009】回転速度が低下すれば発電機の回転周期は
長くなり、回転速度が上昇すれば発電機の回転周期は短
くなる。この電磁ブレーキの可変制御は、コイルの両端
に閉ループを形成する電気的回路で、発電機に生じる起
電力を増減させれば、それに比例して電磁ブレーキも可
変できる。
【0010】電子制御時計に設けた発電機の回転周期を
一定に保つための電磁ブレーキの条件を、図5に示すト
ルクを用いて説明する。まず、この電子制御時計に生じ
るトルクは、大きく分類すると (1)回転数を調速するための電磁ブレーキトルクTb (2)電気的回路で消費される電気エネルギに相当する
発電に必ず必要なトルクTg (3)発電機が一定速度で回転したときに生じる機械的
損失トルクTsがある。これらのトルクの総和Th=T
b+Tg+Tsが、発電機の回転で生じるトルクであ
る。
【0011】ところで、TgとTsは発電機の回転数を
一定に保った時のトルクである。またコイルに誘起する
起電圧は発電機の回転数で決まる。そのため一定の周期
を必要とする電子制御時計において、TgとTsと起電
圧は可変することができない。
【0012】電磁ブレーキトルクTbは、起電力で決ま
る。発電機の回転数は一定であるため、コイルの両端の
閉ループに流れる誘起電流を可変することで起電力を制
御する。しかし誘起電流の電流量も閉ループ上のインピ
ーダンスで決まるため、無限大でない。
【0013】従って、発電機の回転で生じるトルクTh
のトルクレンジは、Thmin<Th<Thmaxとな
る。なお、制御回路上で取り出せる電力が最大の時、電
磁ブレーキの最大値Tbmaxが発生し、発電機に生じ
るトルクも最大(Thmax)となる。
【0014】一方、全く電磁ブレーキをかけない(Tb
=0)時、発電機に生じるトルクも最小(Thmin)
となる。ゼンマイトルクTzは、ゼンマイを巻き込んだ
時に発生するトルクであり、巻き込みに対応して図5の
実線に示すようなトルクカーブを描く。
【0015】発電機が定められた回転周期で回転してい
る時に生じるトルクTh(図5の破線)とゼンマイトル
クTzの関係と、電磁ブレーキの制御方法を以下に述べ
る。「Tz>Thの場合(区間A)」には、発電機の回
転周期が短くなるため、電磁ブレーキトルクTbを増加
して回転周期が長くなるようにする。
【0016】「Tz<Thの場合(区間B)」には、発
電機の回転周期が長くなるため、電磁ブレーキトルクT
bを減少して回転周期が短くなるようにする。「Tz=
Thの場合」には、現状の電磁ブレーキ値を維持すれば
よい。このような電磁ブレーキの増減を行うことで、発
電機の回転周期を一定に保つことが可能となり、電子制
御時計に設けた指針の安定した回転周期を維持する。
【0017】従って、「Thmax>Tzmax(ゼン
マイの最大トルク)」の関係を保つことが、電子制御時
計の条件となる。ところで、上記に述べた条件が「Th
max<Tzmax」となると、電磁ブレーキトルクT
bmaxでの調速制御の限界を越えており、エネルギー
バランスを保つために発電機の回転速度が増加する。そ
の結果、電子制御時計として回転周期が維持できなくな
り、時刻狂いが生じてしまう。
【0018】以上に述べたような調速原理と発電機が一
定の回転周期を保つための条件を持ち合わせる電子制御
時計について開示している前記2つの公報において、図
2に示すように発電機3と平滑用コンデンサ4と制御回
路5(トランスミッションゲート14及び抵抗素子51
を含む)は、並列に配置してある。
【0019】電磁ブレーキを生じるための電気的閉ルー
プは、制御回路に設けたトランスミッションゲート14
をON状態にすると、発電機との間に抵抗素子51を含
む電気的閉ループを形成する。電磁ブレーキトルクの制
御は、トランスミッションゲート14のON/OFF切
換により、前記閉ループに流れる時間当たりの電流量を
可変している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子制御時計は以下の課題を有している。第1に、トラ
ンスミッションゲート14がON状態の時、平滑用コン
デンサ4と制御回路5の間が電気的閉ループ(図6の破
線で示した経路)となるため、平滑用コンデンサ4に
蓄えた電力(図6に示す経路の電力)を制御回路の抵
抗素子で消費してしまう。
【0021】その結果、図9の破線(b)に示す通りス
イッチON区間(t1からt3)において、平滑用コン
デンサ4の電位が下降してIC動作電圧を下回り、水晶
振動子やICを動作するための電力供給(図6に示す経
路)が出来ず、動作停止に至る。
【0022】ICの動作停止によりトランスミッション
ゲート14のON/OFF切換が実行できず制御不能区
間(t2からt4)となるため、発電機に生じる電磁ブ
レーキの可変が行えず、時刻狂いを招くという課題を有
した。第2に、上記の課題を解決するために制御回路5
の抵抗素子を高いインピーダンスに設定すると、電子制
御時計の条件を満足することができなくなる。
【0023】つまり、トランスミッションゲート14が
ON状態の時、平滑用コンデンサ4の電力消費を防止す
るために制御回路5に高いインピーダンスを設けると、
平滑用コンデンサ4の電力消費量(図6の破線で示す経
路での電力消費)を押さえることができる。しかし、
発電機3と制御回路5で形成した電気的閉ループに流れ
る電流(図6に示す経路の電流)は小さくなり、発電
機3の回転数を調速するための電磁ブレーキトルクを確
保できず、発電機3の回転周期が早まり、指針の時刻狂
いが生じてしまう。
【0024】第3に、先に述べた従来の電気回路では平
滑用コンデンサに蓄えた電力を制御回路にて消費してし
まうため、平滑用コンデンサ4の電圧低下を防止して安
定した電位を確保しようとすると、電気容量の大きな電
解コンデンサを使用することが必要であった。化学的反
応を利用して電荷を蓄える電解コンデンサは、使用時間
の経過とともに電気的特性の劣化(充電可能な電力量が
減少する)を招くため部品交換を要した。部品交換は時
計としての寿命を意味するため、電解コンデンサの劣化
により時計寿命が短くなり、商品としての価値を損なう
という課題を有した。
【0025】そこで電子制御時計に関する本発明は、時
計寿命が長い時計を得るとともに、平滑用コンデンサが
安定した電位を維持しながら電磁ブレーキを十分確保し
て、水晶振動子やICの動作が安定することと発電機の
回転周期を一定に保つことを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
発電機と平滑用コンデンサ及び制御回路を並列に配置
し、電気的整流素子を平滑用コンデンサと制御回路で形
成する電気的ループ中に設けたことを特徴とする。
【0027】請求項2記載の発明は、発電機と平滑用コ
ンデンサもしくは発電機と制御回路とで形成する異なる
2つの電気的ループ中に電気的整流素子を設け、一方の
電気的極性の電流のみを平滑用コンデンサに、他方の電
気的極性の電流を制御回路に供給することを特徴とす
る。
【0028】請求項3記載の発明は、平滑用コンデンサ
と発電機で形成する電気的閉ループの中に、発電機の起
電力を全波整流する整流回路を設けたことを特徴とす
る。請求項4記載の発明は、平滑用コンデンサに無電解
コンデンサを用いたことを特徴とする。
【0029】
【作用】請求項1の発明では、平滑用コンデンサで蓄え
た電力が制御回路に流れ込み、前記電力が消費されるこ
とを防止する。請求項2の発明では、発電機の交流特性
を利用して、平滑用コンデンサへ充電する電力と制御回
路に流れる起電力を電気的極性ごとに分けたため、平滑
用コンデンサへの充電効率の向上と電磁ブレーキトルク
の増加が可能になる。
【0030】請求項3の発明では、平滑用コンデンサに
流れ込む起電力の量を増加して、コンデンサの放電時間
を短くする。請求項4の発明では、化学反応による時間
経過に伴う平滑用コンデンサの電気的特性の劣化を防止
することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を図面に基づいて説明する。 〔実施例1〕図1は、本発明に於ける実施例1の回路ブ
ロック図である。
【0032】ダイオード21及び22は、発電機3で誘
起した起電力(交流電力)を整流して、平滑用コンデン
サ4側と制御回路5側に分け、電気的閉ループを形成す
る。割する。平滑用コンデンサ4はダイオード21で整
流した起電力を充電するとともに、IC11(破線でか
こった部分)と水晶振動子に充電した電力を供給する。
そして平滑用コンデンサ4に1Vの電圧が蓄えられる
と、発振回路7は水晶振動子10を駆動し、分周回路6
にクロック信号を出力する。
【0033】分周回路6は水晶振動子10のクロック信
号を元に時刻信号を生成して演算回路8に出力する。検
出回路9は発電機3の回転周期に同期した誘起電圧を検
出して検出信号を生成し、演算回路8に出力する。
【0034】演算回路8は分周回路6の時刻信号と検出
回路9の検出信号を比較し、制御信号を生成して制御回
路5のスイッチ素子52のゲート端子に出力する(スイ
ッチ素子は、図中に示すM0SFETを使用したが、電
気的制御が可能なスイッチ素子ならば、なんでもよ
い)。
【0035】制御回路5(破線でかこった部分)は制御
信号を元にスイッチ素子52のON/OFF切換を行
う。スイッチ素子52がON状態になると、発電機3と
抵抗素子51の間には、ダイオード22で整流された電
気的閉ループが形成される。スイッチ素子52がOFF
状態になると、発電機3と平滑用コンデンサ4の間に
は、ダイオード21で整流された電気的閉ループが形成
される。なお、抵抗素子51は、発電機3の回転数を制
御できるだけの電磁ブレーキを発生する電流が十分に確
保できる抵抗値であればよい。
【0036】そして、スイッチ素子のON/OFF切換
により電磁ブレーキ量を調節して、発電機3の回転数を
調速する。その結果、指針12は一定の回転周期で運針
するのである。図7は本発明の実施例1における発電機
の起電力と平滑用コンデンサの蓄電力が流れ込む電気的
閉ループについて示した図である。
【0037】制御回路5のスイッチ素子がOFF状態の
時、発電機3で誘起した起電力は経路を通過してダイ
オード21で整流され平滑用コンデンサ4に流れ込む。
制御回路5のスイッチ素子がON状態の時、発電機3で
誘起した起電力は経路とを通過してダイオード2
1、22で整流され、平滑用コンデンサ4と制御回路5
に流れ込む。
【0038】平滑用コンデンサ4に蓄えた電力は、常時
IC及び水晶振動子で消費される。以上に述べたよう
に、発電機の起電力と平滑用コンデンサの蓄電力が流れ
込む電気的閉ループを独立した3つの経路としたことが
本発明で示す実施例1である。
【0039】(実施例2)本発明の実施例2は、図8に
示す通りダイオード22の電気的極性を実施例1とは逆
にしたところにある。発電機3に有するコイルの一方の
出力端子とダイオード22のカソード端子とダイオード
21のアノード端子とを接続した。
【0040】発電機3と平滑用コンデンサ4が形成する
経路には、平均電流i1(平均電流とは1秒間に流れ
る電流の平均値)が流れる。平滑用コンデンサ4とIC
10及び水晶振動子11が形成する経路には、平均電
流i3が流れる。
【0041】平均電流i1とi3とは等しい電流値とな
り、i1=i3=Vc/Z1 (Z1は、コンデンサの
静電容量と経路に含まれる抵抗成分によるインピーダ
ンス値)となる。更に平均電流i1は、発電機の起電圧
E>コンデンサの電圧Vcの時に流れ、E<Vcの時に
は流れない。
【0042】一方、発電機3と制御回路5が形成する経
路に流れる平均電流i2は、発電機の起電圧Eによ
り、i2=E/Z2(Z2:経路に含まれる抵抗成分
によるインピーダンス値)で決まる。そのため、図8で
示す回路構成にすると、制御回路5の影響を受けないコ
ンデンサのに充電が可能となり、コンデンサ電圧の低下
を招かない電磁ブレーキの発生も可能となる。そして、
実施例2に示す電気回路は、発電機、IC、コンデンサ
の持つそれぞれの電気的役割を果たすことが可能とな
る。
【0043】以上、ダイオード22の電気的極性を実施
例1と逆にしたのが実施例2である。 (実施例3)図10は、本発明の実施例3に於ける回路
ブロック図である。
【0044】実施例3は、平滑用コンデンサ4と発電機
3で形成する電気的閉ループの中に整流回路23を設け
た。そして、制御回路5に流れ込む電流を整流するため
にダイオード22を設けた。整流回路23は、発電機か
ら平滑用コンデンサに流れ込む電流を全波整流して、平
滑用コンデンサに入力する電気的極性を一致させる。そ
のため、従来単極性の電流のみを取り込んでいた平滑用
コンデンサは両極性の電流を取り込めるため、電流の入
力間隔が短くなり、コンデンサの放電時間の短縮と電圧
低下の防止につながる。
【0045】(実施例4)図11は、本発明の実施例4
に於ける回路ブロック図である。実施例4は、発電機3
と平滑用コンデンサ4の間に整流回路24を設けた。さ
らに、制御回路5を整流回路24の中に設けた。また、
平滑用コンデンサと制御回路5の間にダイオード25を
設けた。
【0046】(実施例5)先に述べた実施例1ないし実
施例4に設けた平滑用コンデンサに無電解コンデンサを
用いたのが実施例5である。実施例1ないし実施例4に
示す電気的回路における平滑用コンデンサ4の電力は高
インピーダンスの抵抗素子からなるICのみで消費され
る。そのため平滑用コンデンサの電圧低下はほとんど起
こらない。また、発電機3の回転周期と同期して起電力
が常時平滑用コンデンサ4に供給されるため、たくさん
の電荷をコンデンサ内部に蓄える必要がない。従って平
滑用コンデンサの電気容量は小さくて済む。
【0047】そこで本発明の実施例1ないし実施例4に
おける電気的回路を用いて、さらに、電気容量は小さい
が時間経過とともに起こる電気的特性の劣化のない無電
解コンデンサを平滑用コンデンサに用いたのが本発明の
実施例5である。なおIC外部に平滑用コンデンサを設
ける場合、セラミックコンデンサを用いると小型化に効
果的である。また、IC内部に平滑用コンデンサ4を設
ければ、一層の小型化を図ることが可能となる。
【0048】
【発明の効果】以下、各実施例ごとに発明が発揮する効
果を記載する。 (実施例1)この発明は、以上で説明してきたように、
電気的整流素子を平滑用コンデンサと制御回路で形成す
る電気的ループ中に設けたことで、従来からの技術課題
である制御回路による平滑用コンデンサの蓄電力の無駄
なエネルギ消費が防止できた。そして図9の実線(a)
に示すように、コンデンサ電圧の急激な低下がなくな
り、ICと水晶振動子への電力供給が安定した。
【0049】さらに、制御回路と発電機の間で生じる起
電力が十分確保でき、電磁ブレーキの最大トルクが高く
なった。その結果、図5に示すThminとなる以前
に、(1)ゼンマイの最大トルクTzmaxに対して、
電磁ブレーキの最大トルクThmaxが下回って回転数
が制御不能となるような状態がなく、(2)平滑用コン
デンサの電圧低下に伴うICや水晶振動子の動作停止が
するような状態がなく、持続時間が長くかつ時刻狂いが
生じない電子制御時計が実現できる。
【0050】(実施例2)請求項2記載の発明は、発電
機と平滑用コンデンサもしくは発電機と制御回路とで形
成する異なる2つの電気的ループ中に電気的整流素子を
設け、一方の電気的極性の電流のみを平滑用コンデンサ
に、他方の電気的極性の電流を制御回路に供給すること
で、平滑用コンデンサと制御回路に流れ込む発電機の起
電力が同期したタイミングでなくなった。
【0051】上記の効果としては、電気的回路全体の充
電効率が向上して、トルクが高いときに平滑用コンデン
サへの充電時間が短くなり(電磁ブレーキをかける時間
が長くなるため)、コンデンサ電圧が低くなるという欠
点も回避できる。また充電効率の向上は、ICの動作を
維持するために必要なコンデンサ電圧に対して必要以上
に起電圧を高くすることが無く、発電機の低速回転化が
可能となり、電子制御時計としての持続時間が従来技術
より長くなる効果もある。
【0052】また、使用するゼンマイのトルクが高い電
子制御時計においても、発電機の回転周期を一定に保つ
だけの電磁ブレーキを確保できるため、時刻狂いが生じ
ない電子制御時計が実現できる。 (実施例3)ないし(実施例4) 起電圧を全波整流するための電気的整流素子回路を平滑
用コンデンサと制御回路で形成する電気的ループ中に設
けたことで、充電タイミングの増加に伴う平滑用コンデ
ンサの電圧低下量を少なく押さえることが可能となる。
【0053】上記の効果は電気的回路全体の充電効率が
向上することにつながり、実施例2で述べた電子制御時
計としての持続時間が従来技術より長くなる効果と同様
な効果を得られる。 (実施例5)平滑用コンデンサに無電解コンデンサを用
いることで、時間経過とともに化学反応が原因で起こる
コンデンサの電気的特性の劣化を回避したため、平滑用
コンデンサの部品交換がなくなった。これにより時計と
しての商品寿命が延び、商品性の向上につながった。
【0054】以上で述べた以外にも、回路上の電気的素
子の個数を大幅に増やすことなく、最少限に追加した部
品の配置や極性の変更で、電子制御時計の時刻精度を高
め、長時間安定した指針の運針を実現できる。以上で述
べた以外にも、回路上の電気的素子の個数を大幅に増や
すことなく、最少限に追加した部品の配置や極性の変更
で、電子制御時計の時刻精度を高め、長時間安定した指
針の運針を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子制御時計の実施例1の回路ブロッ
ク図。
【図2】従来の電子制御時計の回路ブロック図。
【図3】電子制御時計のエネルギ伝達を示すブロック
図。
【図4】発電機の回転周期を調速するための制御信号を
生成するまでのブロック図。
【図5】電子制御時計のゼンマイトルクとほどけ量、及
び発電機に生じるトルクを示す図である。
【図6】従来例における発電機の起電力と平滑用コンデ
ンサの蓄電力が流れ込む電気的閉ループについて示した
図である。
【図7】本発明の実施例1における発電機の起電力と平
滑用コンデンサの蓄電力が流れ込む電気的閉ループにつ
いて示した図である。
【図8】本発明の実施例2における発電機の起電力と平
滑用コンデンサの蓄電力が流れ込む電気的閉ループにつ
いて示した図である。
【図9】コンデンサ電圧の経過時間に対する変動を示し
た図である。
【図10】本発明の実施例3における回路ブロック図で
ある。
【図11】本発明の実施例4における回路ブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 ゼンマイ 2 増速輪列 3 発電機 4 平滑用コンデンサ 5 制御回路 6 分周回路 7 水晶発振回路 8 演算回路 9 検出回路 10 水晶振動子 11 電気的集積回路(IC) 12 指針 13 積分回路 14 トランスミッションゲート 21 22、ダイオード 51 抵抗素子 52 スイッチ素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼンマイ(1)と、ゼンマイ(1)の機
    械エネルギを増速輪列(2)を介して電気エネルギに変
    換する発電機(3)と、変換した電気エネルギを一時的
    に蓄える平滑用コンデンサ(4)と、平滑用コンデンサ
    (4)に蓄えた電力で駆動する制御回路(5)ないし分
    周回路(6)ないし発振回路(7)ないし演算回路
    (8)ないし検出回路(9)を含む電気的集積回路(1
    1)と水晶振動子(10)を設け、演算回路(8)で生
    成した信号に応じて制御回路(5)で電気エネルギの変
    換量を可変し、発電機(3)の回転周期を一定に調整
    し、増速輪列(2)に結合する指針(12)の回転周期
    を一定にした電子制御時計に於いて、発電機(3)と平
    滑用コンデンサ(4)及び制御回路(5)を並列に配置
    し、電気的整流素子を平滑用コンデンサ(4)と制御回
    路(5)で形成する電気的ループ中に設けたことを特徴
    とする電子制御時計。
  2. 【請求項2】 発電機(3)と平滑用コンデンサ(4)
    もしくは発電機(3)と制御回路(5)とで形成する異
    なる2つの電気的ループ中に電気的整流素子を設け、一
    方の電気的極性の電流のみを平滑用コンデンサ(4)
    に、他方の電気的極性の電流を制御回路(5)に供給す
    る請求項1記載の電子制御時計。
  3. 【請求項3】 平滑用コンデンサ(4)と発電機(3)
    で形成する電気的閉ループの中に、発電機(3)の起電
    力を全波整流する整流回路を設けた請求項1記載の電子
    制御時計。
  4. 【請求項4】 平滑用コンデンサ(4)に無電解コンデ
    ンサを用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項3
    記載の電子制御時計。
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