JP6770567B2 - 調速システムと連携した機械式発振器を備える時計 - Google Patents

調速システムと連携した機械式発振器を備える時計 Download PDF

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Description

本発明は、その中間周波数の調速のためのシステムと連携した機械式発振器を備える時計に関する。この調速は電子式であり、即ち調速システムは、高精度電気クロック信号を供給するために配設された補助発振器に接続された、電子回路を備える。上記調速システムは、上記補助発振器に対する上記機械式発振器の潜在的な時間ドリフトを補正するよう配設される。
特に上記機械式発振器は、ヒゲゼンマイで形成された機械式共振器と、例えばスイスレバーを有する従来の脱進機で形成された維持デバイスとを備える。上記補助発振器は特に、クオーツ共振器によって、又は上記電子式調速回路と一体の共振器によって形成される。
本発明の分野において定義されている、時計を形成するムーブメントは、いくつかの先行技術文献において提案されている。1977年公開の特許文献1は、その図3を参照して、このようなムーブメントを提案している。上記ムーブメントは:ヒゲゼンマイで形成された共振器;及びアンクルと、ゼンマイを備える香箱と動力学的に連結されたガンギ車とを備える従来の維持デバイスを備える。この時計ムーブメントは、機械式発振器の周波数を調整するためのシステムを備える。この調速システムは、電子回路と、テンプのテンワの下に配設された支持体上に配設された平面コイルから、及びテンプ上に設置され、発振器の起動時にいずれもが上記コイル上を通過するように互いに近接して配設された、2つの磁石から形成された、電磁式組立体とを備える。
上記電子回路はタイムベースを備え、このタイムベースは、クオーツ生成器を備え、基準周波数信号FRを生成する役割を果たし、この基準周波数は、上記機械式発振器の周波数FGと比較される。上記発振器の周波数FGは、上記磁石のペアによって上記コイル内で生成された電気信号によって検出される。この調速回路は、磁石‐コイル間の磁気連結、及び上記コイルに接続された切り替え式負荷によって、制動トルクを瞬間的に誘発するために好適である。特許文献1は、以下の教示を提供する:「形成される共振器は、周波数FRの両側における振幅に従った、可変発振周波数(等時性の誤差)を有することになる」。従って、非等時性の共振器の発振周波数の変動が、上記共振器の発振振幅を変化させることによって得られることが教示されている。共振器の発振振幅と、回転子(これは磁石を備え、時計ムーブメントの歯車列の進行を調速するために上記歯車列内に配設される)を備える生成器の角速度との間にも同様の関係がある。制動トルクは、このような生成器の回転速度、従って上記生成器の回転周波数を低減するため、ここでは、不可避的に非等時性の共振器の発振周波数を、その発振振幅を低減する制動トルクを単に印加することによって低減できると考えられる
上記生成器の又は上記機械式発振器の周波数の電子的調速を実施するために、所与の実施形態では、制動パルス中に蓄積コンデンサに負荷をかけるトランジスタによる切り替え式整流器によって負荷を形成して、電力を取り出し、電子回路に給電することが想定される。特許文献1において与えられている、これに一致する教示は、以下のとおりである:FG>FRである場合、上記トランジスタは導電性であり;電力Paは上記生成器/発振器から引き出される。FG<FRである場合、上記トランジスタは非導電性であり;従って電力は上記生成器/発振器からもはや引き出されない。換言すれば、調速は、上記生成器/発振器の周波数が基準周波数FRを超える場合にのみ実施される。この調速は、上記生成器/発振器を、その周波数FGを低減する目的で制動することからなる。従って機械式発振器の場合、当業者であれば:調速が、香箱のゼンマイが強く巻き上げられている場合にのみ可能であること;及び選択された機械式発振器の不可避的な等時性の誤差を原因として、上記機械式発振器の自由発振周波数(自然周波数)が基準周波数より大きいことを理解する。従って二重の課題が存在する。即ち、機械式発振器は、通常は機械式ムーブメントの誤差であるもののために選択されており、また電子式調速は、この発振器の自然周波数が公称周波数より大きい場合にのみ機能する。
特許文献2もまた、ヒゲゼンマイの電子式調速に関する。この文献で提案されている調速システムは、全体的な機能について特許文献1のものと同様である。
特許文献3は、機械式発振器のいずれの発振の交替(即ち半周期又は半サイクル)中の制動モーメントにより、現在の発振周期の値を低下又は増大させることができることを教示している。これを実施するために、電磁式磁石‐コイル組立体と、ある規定の期間の間だけコイルを導電性又は非導電性とするよう配設された制御回路とを設ける。一般に、ある発振周期中の磁石‐コイル間の連結中にコイル内に電力を生成することによる、機械式発振器の制動は、機械式発振器の中立点(静止位置)の通過の前にこの制動が発生する場合には、対応する周期の増大を、又は機械式発振器の中立点の通過の後にこの制動が発生する場合には、対応する周期の減少をもたらす。この観察結果は、現時点で普及している教示に照らして、注目すべきものである。
上述の観察結果を利用した電子式調速の実装に関連して、特許文献3は、2つの実施形態を提案している。これらの2つの実施形態では、各発振周期中に脱進機のアンクルの傾斜を検出するために脱進機と連携する、圧電システムが設けられる。このような検出システムを用いて:時計の進行が前進若しくは後退のいずれを示すかを決定するために、上記発振周期をクオーツ式発振器によって定義される基準周期と比較すること;又は2回の交替毎に、そのうちの1回の交替において、機械式発振器の中立点の通過を決定することが考えられる。第1の実施形態では、時間ドリフトが前進又は後退のいずれに対応するかに応じて、ある交替中における機械式発振器の中立位置の通過前又は後それぞれのある特定の期間にわたって、コイルを導電性とすることが考えられる。換言すれば、ここでは、調速が発振周期の増大又は減少のいずれを要求するかに応じて、中立位置の通過前又は後にコイルを短絡させることが考えられる。
第2の実施形態では、電磁式組立体によって機械式発振器からエネルギを周期的に引き出すことによって、調速システムに給電することが考えられる。この目的のために、コイルを、電子回路の電力供給源として機能する蓄電器(蓄積コンデンサ)を再充電するよう配設された整流器に接続する。上記電磁式組立体はこの文書の図2、4に示されているものであり、電子回路はこの文書の図5に概略図で示されている。調速システムの機能に関して与えられる指示は以下のみである:1)機械式共振器(ヒゲゼンマイ)の中立位置(中央交替位置)の各通過時点を中点とする複数の一定の期間の間、コイルを導電性とする;2)これらの期間中に、誘導電流を整流して蓄電器に蓄積する;及び3)上記期間中に、上記誘導電流によって生成される電力を調整することにより、ヒゲゼンマイの発振周期を効果的に調速できる。更なるいずれの詳細は提供しない。
機械式共振器の中立位置を中点とするコイル導電期間の選択は、電子回路に給電するために機械式発振器からエネルギを引き出すことにより、機械式発振器の寄生時間ドリフトを誘発しないという目的を有する。中立位置の通過の前及び後の同一の持続時間にわたってコイルを導電性とすることにより、筆者は恐らく、中立位置の通過に先行する制動の効果と、この通過に続く制動の効果とのバランスを取り、これにより時間ドリフトの測定から生じる調速回路補正信号の不在下において発振周期を変更しないようにすることを考えている。これが、ここで開示されている電磁式組立体、及び蓄積コンデンサに接続された従来の整流器を用いて達成されることには、強い疑いが生じ得る。まず、この蓄積コンデンサの再充電は、所与の期間の始点におけるその初期電圧に依存する。続いて、コイル内の誘導電圧及び誘導電流の強度はヒゲゼンマイの角速度と共に変動し、この強度は、角速度が最大となる中立位置から離れるように移動する際に低下する。ここで開示されている電磁式組立体は、誘導電圧/誘導電流信号の形状を決定できる。中立位置(静止位置)に関するコイルに対する磁石の角度位置は与えられておらず、また信号位相についての教示を推定することは不可能であるものの、通常は蓄積コンデンサの再充電のほとんどが、中立位置の通過の前に行われると推定できる。従って、上記から制動が得られるが、この制動は中立位置に関して対称でなく、また時計の進行の寄生的な後退が生じる。最後に、時計の進行の調速のために想定される一定の期間の間の誘導電力の調整に関しては、何の指示も与えられていない。このような調整を行う方法は理解されず、この問題に関しては何の教示も与えられていない。
スイス特許第597636号 欧州特許第1521142号 欧州特許第1241538号
本発明をもたらす開発の範囲内における全体的な目的は、機械式ムーブメントを備える時計を製造することであり、上記機械式ムーブメントは、機械式発振器と、この機械式発振器を調速するための電子システムとを備え、上記電子システムに関して、上記機械式発振器を前進させるために上記機械式発振器を最初に離調させる必要はなく、これにより、調速システムが動作している時には(特にクオーツ式共振器を備える)補助電子発振器の精度を、そしてそれ以外の時には最も良好な標準に対応する機械式発振器の精度を有する、時計が得られる。換言すれば、電子的調速が非動作状態であるときにも機械式ムーブメントが可能な最良の進行で動作し続けるよう、できる限り高い精度で調速された機械式ムーブメントに対して、電子的調速を加えることが求められる。
本発明の第1の目的は、上述のタイプの時計を提供することであり、上記調速システムが消費する電気エネルギは比較的わずかであり、従って上記調速システムは、補正に好適であると想定される値の範囲内の、補正対象の時間ドリフトの大きさにかかわらず、上記時計の上記機械式発振器から引き出される比較的少ない電気エネルギによって、この調速システムの効果的な自己給電を可能とする。
更なる目的は、規定の電磁式組立体に関して、特に時間ドリフト補正の不在下で上記調速システムの適切な動作を保証するために十分な電力供給エネルギ及び電力供給電圧を連続的に供給できる、上述のタイプの時計を提供することである。
ある特定の目的は、規定の電磁式組立体に関して、上記調速システムが実施するこの時計の上記時間ドリフト補正にかかわらず略最大に維持された電力供給電圧を連続的に供給できる、上記時計を提供することである。
更なる特定の目的は、特に時間ドリフト補正の不在下において、寄生時間ドリフトを誘発しないか、又は少なくとも、いずれの上記寄生時間ドリフトが最小かつ無視できるものに維持された、上記調速システムの自己給電を保証することである。
この目的のために、本発明は:
‐機構、特に時刻指示機構;
‐最小の機械的位置エネルギに対応する中立位置の周りで発振するために好適な、機械式共振器であって:上記機械式共振器の各発振は、発振周期を画定し、それぞれ2つの極限位置の間の、2つの連続する交替を有し;各上記極限位置は、上記機械式共振器の発振振幅を画定し;各上記交替は、中央時点において、上記機械式共振器の中立位置(静止位置/最小機械的エネルギ位置)の通過を含み、また当該交替の開始時点とその中央時点との間の第1の半交替と、この中央時点と当該交替の終了時点との間の第2の半交替とからなる、機械式共振器;
‐上記機械式共振器と共に、上記機構の進行速度を画定する機械式発振器を形成する、上記機械式共振器の維持デバイス;
‐特に上記機械式共振器が有効動作範囲内に含まれる振幅で振動する際に、上記機械式発振器からの機械的動力を電力に変換できるよう配設された、電気機械変換器であって、この電磁変換器は、上記機械式共振器とその支持体とからなる機械式組立体のある要素上に設置された少なくとも1つのコイルと、この機械式組立体の他の要素上に設置された少なくとも1つの磁石とを備える、電磁式組立体によって形成され、上記電磁式組立体は、上記機械式共振器が上記有効動作範囲内に含まれる振幅で振動する際に、上記電気機械変換器の2つの出力端子間に誘導電圧信号を供給できるように配設される、電気機械変換器;
‐上記電気機械変換器の上記2つの出力端子に、ここからの誘導電流を受信できるように接続された、電気コンバータであって、この電気コンバータは、上記電気機械変換器が供給する電気エネルギを貯蔵できるよう配設された電源ユニットを備え、この電気機械変換器と上記電気コンバータとが合わせて、上記機械式共振器の制動デバイスを形成する、電気コンバータ;
‐この電源ユニットによる給電を受けられるように、上記電源ユニットに接続された、又は上記電源ユニットに規則的に接続するために好適な、負荷;
‐上記機械式発振器の周波数を調速するためのデバイスであって、この調速デバイスは、補助発振器と、上記補助発振器に対する上記機械式発振器の潜在的な時間ドリフトを検出できるよう配設された測定デバイスとを備え、上記調速デバイスは、測定された上記時間ドリフトが少なくとも1つの特定の前進に対応するかどうかを決定できるよう配設される、デバイス
を備える、時計に関する。
本発明による上記時計は、以下を特徴とする:
‐上記電源ユニットは、いずれも上記負荷に給電するよう配設された、第1の電源コンデンサ及び第2の電源コンデンサを備え、上記電気コンバータは:上記第1の電源コンデンサを備え、またこの第1の電源コンデンサを、上記電気コンバータの入力における第1の極性を有する電圧のみによって再充電できるように配設された、第1の電気エネルギ貯蔵回路と;上記第2の電源コンデンサを備え、またこの第2の電源コンデンサを、上記電気コンバータの入力における、上記第1の極性とは反対の第2の極性を有する電圧のみによって再充電できるように配設された、第2の電気エネルギ貯蔵回路とによって形成され、上記制動デバイスは、上記第1の電源コンデンサ又は上記第2の電源コンデンサへの再充電中に供給される電気エネルギの量が、この第1の電源コンデンサ又はこの第2の電源コンデンサの電圧レベルが低下するに従って増大するように、配設されること;
‐上記制動デバイスは、上記誘導電圧信号が、上記発振振幅が上記有効動作範囲内に含まれている場合に、上記機械式発振器の各上記発振周期中に、この誘導電圧信号が上記第1の極性を有する少なくとも1つの第1の期間及びこの誘導電圧信号が上記第2の極性を有する少なくとも1つの第2の期間を有するように、配設されること;
‐上記制動デバイスは更に、上記有効動作範囲内に含まれている振幅での上記電気機械変換器の各上記振幅に関して、場合に応じて上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの一方の再充電の大半が上記2つの第1の半交替中に行われ、場合に応じて上記第1及び第2の電源コンデンサのうちのもう一方の再充電の大半が上記2つの第2の半交替中に行われるように、配設されること;
‐上記調速デバイスは、上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記一方から上記もう一方へと、要求に応じて移動させることができるように配設された、負荷ポンプを備えること;並びに
‐上記調速デバイスは更に、上記負荷ポンプを制御するための論理回路を備え、上記論理回路は、上記測定デバイスが供給する測定信号を入力として受信し、また、測定された上記時間ドリフトが上記少なくとも1つの特定の前進に対応する場合に、上記負荷ポンプが上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記一方から上記もう一方に第1の電気負荷を移動させるように、上記負荷ポンプを起動させるよう配設されること。
第1の電気負荷の移動は、少なくとも上記移動に続く1回の発振周期中に、上記第1の電気負荷の移動が発生しない仮説の場合に比べて、上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記一方の再充電を増大させる、並びに/又は上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記もう一方の再充電を低減すると考えられる。本発明による調速方法の第1のシーケンス中にこのような結果が得られない場合、上述の効果が得られるまで、この第1のシーケンスを繰り返す。上記第1の電源コンデンサの再充電と上記第2の電源コンデンサの再充電との間に、不均衡が導入され、安定した非補正段階中に生じる、即ち時間ドリフト補正を用いない場合に生じるシナリオに対して、上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記一方が強くなる。換言すれば、上記第1及び第2の電源コンデンサの再充電は、少なくとも1つの発振の上記第1の半交替中の再充電が強くなり、結果として上記機械式発振器の瞬間周波数の瞬間的な低下がもたらされるように、選択的に決定される。ある好ましい代替実施形態では、上記第1及び第2の電源コンデンサは略同一の容量値を有し、共に上記負荷に給電するように配設される。
本発明の主要な実施形態では、上記調速デバイスはまた、測定された上記時間ドリフトが、少なくとも1つの特定の後退に対応するかどうかを決定できるように配設される。この場合、上記時計は更に、以下の具体的な特徴を有する:
‐上記負荷ポンプはまた、要求に応じて、上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記もう一方から上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記一方へと電気負荷を瞬間的に移動させることができるようにも配設されること;
‐上記負荷ポンプを制御するための上記論理回路は、上記負荷ポンプが、測定された上記時間ドリフトが上記少なくとも1つの特定の後退に対応する場合に、上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記もう一方から上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記一方へと第2の電気負荷を移動させるように、上記負荷ポンプを起動させるよう配設されること。
後者の場合、第2の電気負荷の移動は、少なくとも上記移動に続く1回の発振周期中に、この第2の電気負荷の移動が発生しない仮説の場合に比べて、上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記もう一方の再充電を増大させる、並びに/又は上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記一方の再充電を低減すると考えられる。ここでもまた、本発明による調速方法の第2のシーケンス中にこのような結果が得られない場合、上述の効果が得られるまで、この第2のシーケンスを繰り返す。従って、上記第1の電源コンデンサの再充電と上記第2の電源コンデンサの再充電との間に、不均衡が導入され、安定した非補正段階中に生じる、即ち時間ドリフト補正を用いない場合に生じるシナリオに対して、上記第1及び第2の電源コンデンサのうちの上記もう一方が強くなる。換言すれば、上記第1及び第2の電源コンデンサの再充電は、少なくとも1つの発振の上記第2の半交替中の再充電が強くなり、結果として上記機械式発振器の瞬間周波数の瞬間的な上昇がもたらされるように、選択的に決定される。
上記電気コンバータの出力に配設された上記負荷は特に、上記第1及び第2の電源コンデンサそれぞれの電圧の合計に対応する電力供給電圧を送達するよう配設された上記第1及び第2の電源コンデンサによって給電される、上記調速デバイスを備える。
本発明による時計ムーブメントの特徴により、例えばクオーツ共振器を備える補助発振器によって、機械式発振器を、これが若干高すぎる又は低すぎる周波数を瞬間的に有するかどうかにかかわらず、更に極めて正確に調速できる。周波数の調速は、上記機械式発振器の瞬間周波数を、上記機械式発振器の中間長期周波数が上記補助発振器のものと等しくなるように、瞬間的に変化させることからなる。この調速は極めて精密であり、問題となっている機構の進行からいずれの時間ドリフトを排除する。
本発明のある好ましい実施形態では、上記制動デバイス、特に上記電気機械変換器の上記電磁式組立体は:上記機械式発振器の各上記発振周期中に、上記誘導電圧信号の第1の突出が、この発振周期に関する最大の正の電圧を示し、この誘導電圧信号の第2の突出が、この発振周期に関する最大の負の電圧を示すよう;並びに上記第1の電圧突出及び上記第2の電圧突出が、上記第1の極性が正であり、上記第2の極性が負である場合には、それぞれ、問題となっている上記発振の2つの上記交替のうちの一方及び/若しくはもう一方の第1の半交替及び第2の半交替中に、並びに上記第1の極性が負であり、上記第2の極性が正である場合には、それぞれ、問題となっている上記発振の2つの上記交替のうちの一方及び/若しくはもう一方の第2の半交替及び第1の半交替中に、発生するよう、配設される。
用語「電圧突出(voltage lobe)」は、(ゼロ電圧を定義する)ゼロの値から完全に上又は完全に下にある電圧パルス、即ち正の電圧を有する(この場合、正の値は上昇した後再び下降する)又は負の電圧を有する(この場合、負の値は加工した後再び上昇する)特定の期間内の、電圧の変動を意味する。
ある一般的な代替実施形態では、上記電磁式組立体は、少なくとも1つのコイルと、少なくとも1つの磁石から形成され、極性が反対の少なくとも1ペアの磁極を有する、帯磁構造とを備え、上記1ペアの磁極はそれぞれ、上記コイルの主面の方向に磁束を生成し、この1ペアの磁極は、その各磁束が、タイムラグを有して、ただし上記コイルに入る上記磁束と上記コイルから出る上記磁束とが少なくとも部分的に同時となるように、上記コイルを通過して、上記第1及び第2の電圧突出を形成するよう、配設される。
特定の一実施形態では、上記時計の上記電磁式組立体は、2極磁石の第1のペア及び第1のコイル、並びに2極磁石の第2のペア及び第2のコイルを備え、上記2極磁石のペアはそれぞれ、極性が反対で開角度が略同一の2つの磁気軸を有し、上記2極磁石の第2のペアの中央の軸と上記第2のコイルの中心軸とは、上記2極磁石の第1のペアと上記第1のコイルとの間に設けられたものと略同一の、ゼロではない角度ラグを有する。上記電磁式組立体は、上記共振器が静止している場合に、上記2極磁石の第1及び第2のペアのうちの一方が、上記第1及び第2のコイルから等しい角度距離に位置するよう配設され、この電磁式組立体は:複数のコイルを備え、上記複数のコイルは、上記2極磁石の第1及び第2のペアの間の第1の中心軸が、上記複数のコイルに関する対称軸を画定するように配設されるか;又は2極磁石の複数のペアを備え、上記2極磁石の複数のペアは、上記第1及び第2のコイルの間の第2の中心軸が、上記2極磁石の複数のペアに関する対称軸を画定するように配設される。最後に、上記電磁式組立体の上記様々な要素は、問題となっている上記コイル中の各誘導電圧が建設的に1つに合計されるよう、配設される。
第1の好ましい代替実施形態では、上記角度ラグは略90°であり、上記電磁式組立体は、2つのコイル、即ち180°の角度だけずれた上述の第1及び第2のコイルと、上記機械式共振器のテンプ上に設置された2極磁石の2つのペア、即ちこれもまた180°の角度だけずれた上述の磁石の第1及び第2のペアとしか備えない。
第2の好ましい代替実施形態では、120°の角度だけずれた上述の第1及び第2のコイルと、間に(即ち磁石のあるペアと、磁石の他の2つのペアそれぞれとの間に)120°の角度ラグを有する上記機械式共振器の上記テンプ上に設置された2極磁石の3つのペアとが考えられる。上記2つのコイルは有利には、上記機械式発振器を組み込んだ時計ムーブメントの周縁領域に配設され、上記機械式発振器は従来、この時計ムーブメントとは中心をずらして位置決めされる。なお、枢動するテンプの上に、回転軸から等距離に径方向に配設された、磁石の3つのペアは、重量の不均衡を誘発せず、同一の磁石のこれら3つのペアの慣性中心は、上記回転軸上に位置決めされる。この第2の代替実施形態は有利である。
第3の代替実施形態では、第2の代替実施形態に関して言及した要素に加えて、これもまた他の2つのコイルに対して120°ずらされた、第3のコイルが考えられる。なおこの代替実施形態は、上述の2つの代替実施形態よりかさばるものであり、上記機械式発振器を組み込んだ機械式時計ムーブメントに設計上の課題をもたらす場合がある。
これより、本発明について、非限定的な例として与えられる添付の図面を用いて更に詳細に説明する。
図1は、本発明による時計の概略上面図である。 図2は、この時計に組み込まれる調速システムを形成する電磁変換器の第1の実施形態を示す、図1の時計の部分拡大図である。 図3は、本発明で行われる調速の物理的原理を説明するために図4A〜4Cで与えられる、簡略化された電磁変換器の電磁式組立体に関して、ヒゲゼンマイが発振している時のこの電磁式組立体のコイル中の誘導電圧、及びヒゲゼンマイがその中立位置を通過する前のある特定の交替中の第1の制動パルスの印加、並びに第1の制動パルスが発生している期間中のテンプの角速度及びテンプの角度位置を示す。 図4A〜4Cは、図3で問題とされている電磁変換器に関して、第1の制動パルスが供給されている機械式発振器のある交替の、3つの具体的な時点におけるテンプを示す。 図5は、ヒゲゼンマイがその中立位置を通過した後のある特定の交替中に第2の制動パルスが印加されている場合の、図3と同様の図である。 図6A〜6Cは、第2の制動パルスが供給されている機械式発振器のある交替の、3つの具体的な時点におけるテンプを示す。 図7は、図1の時計内に配設された、上記機械式発振器の電気コンバータ及び調速デバイスの電気回路図を示す。 図8は、図7に示されている調速デバイスを形成する負荷ポンプの電子回路を示す。 図9は、図7の電気回路図において発生する様々な電気信号を示す。 図10は、本発明による時計の進行を調速するための方法のフローチャートである。 図11は、負荷ポンプ制御の第1の代替実施形態に関する、図7の電気コンバータの2つの電源コンデンサの端子における電圧信号、電磁変換器のコイルの端子において得られる電力供給電圧及び誘導電流パルスを示す。 図12は、負荷ポンプ制御の第2の代替実施形態に関する、図11と同様の図である。 図13は、負荷ポンプ制御の第3の代替実施形態に関する、図11と同様の図である。 図14は、本発明による時計に組み込まれる電気機械変換器の第2の実施形態を示す。 図15A〜15Cは、図14の電気機械変換器が供給する様々な誘導電圧信号を示す。
これより、図1、2を参照して、本発明による時計について説明する。図1は、機械式共振器6を備える機械式ムーブメント4と、調速システム8とを備える、時計2の部分平面図である。上記機械式共振器の維持手段10は、従来のものである。これらは、駆動用のゼンマイを有する香箱12、ガンギ車及びアンクル組立体から形成された脱進機14、並びに上記香箱を上記ガンギ車に動力学的に連結する中間歯車列16を備える。共振器6は、テンプ18及び標準的なヒゲゼンマイを備え、上記テンプは、地板とバーとの間の回転軸20の周りで枢動するように設置される。機械式共振器6及び維持手段10(励起手段とも呼ばれる)は、合わせて機械式発振器を形成する。なお一般には、機械式時計発振器の定義において、脱進機のみがこの機械式発振器の維持手段/励起手段として保持され、エネルギ源及び中間歯車列は別個のものとして考えられる。上記ヒゲゼンマイは、脱進機からの機械的パルスを受信すると、軸20の周りで発振し、上記ガンギ車は上記香箱によって駆動される。歯車列16は時計ムーブメントの機構の一部であり、その進行速度は上記機械式発振器によって設定される。この機構は、歯車列16の他に、この歯車列16に動力学的に連結された更なるホイール及びアナログ式インジケータ(図示せず)を備え、これらのアナログ式インジケータの移動速度は、上記機械式発振器によって設定される。当業者に公知の様々な機構、特に時刻に関連する機構を想定してよい。
図2は、テンプ18の高さでの水平な断面に沿った、図1の部分図であり、本発明による電磁式組立体29を形成する2つの磁石22、23及びコイル28を示す。コイル28は好ましくはウェハタイプ(厚さが比較的小さいディスク状)のものである。これは時計ムーブメントの地板に配設され、従来と同様、2つの接続端部E1、E2を備える。一般に、少なくとも1つのコイルと帯磁構造とを備える電磁式組立体が考えられ、上記帯磁構造は少なくとも1つの磁石から形成され、また反対の極性の少なくとも1ペアの磁極を有し、上記磁極はそれぞれ、上記コイルの主平面の方向に磁束を生成し、この磁極のペアは、上記機械式共振器が有効動作範囲内に含まれる振幅で発振している場合に、その各磁束が、タイムラグを有して、ただし上記コイルに入る上記磁束と上記コイルから出る上記磁束とが少なくとも部分的に同時となるように、上記コイルを通過して、最大ピーク値を有する中央電圧突出を形成するよう、配設される。
図2の有利な代替実施形態では、テンプ18は、好ましくはそのテンワによって画定されるその外径の近傍に位置する領域に、反対の極性を有して軸方向に配向された磁気軸をそれぞれ有する1ペアの2極磁石を支承する。これらの磁石は、これらそれぞれとコイル28との相互作用をこれらの誘導電圧に加えることができる距離において(より具体的には上述の中央電圧突出の生成のために)、互いに近接して配設される。図示されていないある代替実施形態では、単一の2極磁石を、その磁気軸がテンプの平面と平行となり、かつ回転軸20を中心とする幾何学的円に接するように配向されるように、配設してよい。後者の場合、上記コイルの誘導電圧信号は、上述の1ペアの磁石に関して略同一のプロファイルを有してよいものの、上記共振器の発振時に上記磁石の磁束の一部分がコイルを通過することを考えると、振幅は小さくなる。しかしながら、磁束伝導要素を上記単一の磁石と連携させて、上記磁石の磁束を、概ね上記コイルの主平面の方向に配向してよい。なお、テンプによって支承された上記1つ以上の磁石の磁束を、テンプの一部によって、特に磁性部品であって、コイルの一部がこれら2つの磁性部品の間に位置するように軸方向に沿って上記磁石の両側に配設された、磁性部品によって形成されたケーシングを用いて、閉じ込めることが好ましい。
テンプ18は、その回転軸20からの、回転軸20に対して垂直な半軸26を画定し、これは磁石22、23のペアの中央を通過する。上記ヒゲゼンマイがその静止位置にある場合、半軸26は、ヒゲゼンマイがある特定の周波数で、特に(脱進機によって周期的に供給されるトルク以外の)外力トルクを受けない機械式発振器の発振周波数に相当する自由周波数F0で発振し得る中立位置(0°に対応するヒゲゼンマイの角度静止位置)を画定する。図2では、(そのヒゲゼンマイが切断平面の上方に位置する状態で示されている)機械式共振器6が、共振器の最小の潜在的機械的エネルギ状態に対応する中立位置で示されている。なおこの中立位置では、半軸26は、回転軸20及びコイル28の中心軸と交わる固定された半軸50に対して角度θだけずらされた、基準半軸48を画定する。換言すれば、テンプの主表面における投影図において、コイル28の中心は、基準半軸48に対して角度ラグθを有する。図2では、この角度ラグは絶対値で120°に等しい。好ましくは、この角度ラグθは絶対値で30°〜120°である。
上記機械式共振器の各発振は発振周期を画定し、また第1の交替及びこれに続く第2の交替を有し、これらはそれぞれ、機械式共振器の発振振幅を画定する2つの極限位置の間にある(なお、ここでは発振する共振器、従って機械式発振器全体を考えており、ヒゲゼンマイの発振振幅は特に維持手段によって画定される)。各交替は、中央時点における機械式共振器の中立位置の通過と、該交替の始点及び終点それぞれにおいて機械式共振器が占める2つの極限位置によってそれぞれ画定される開始時点と終了時点との間の特定の持続時間とを示す。各交替は、上記中央時点に終了する第1の半交替と、この中央時点に開始される第2の半交替とからなる。
機械式発振器の周波数を調速するためのシステム8は、電子回路30及び補助発振器32を備え、この補助発振器は、クロック回路と、上記クロック回路に接続される、例えばクオーツ式の共振器とを備える。なお、ある代替実施形態では、補助発振器は少なくとも部分的に上記電子回路に統合される。上記調速システムは更に、上述の電磁式組立体29、即ち電子回路30に電気的に接続されたコイル28及び1ペアの2極磁石を備える。有利には、磁石のペアを除く調速システム8の様々な要素は、支持体34上に配設され、上記要素は支持体34と共に、上記時計ムーブメントの機械的に独立したモジュールを形成する。従ってこのモジュールは、機械式ムーブメント4をケース内に設置する間に、機械式ムーブメント4に組み付ける又は関連付けることができる。特に図1に示すように、上述のモジュールは、上記時計ムーブメントを取り囲むケースリング36に取り付けられる。従って調速モジュールは、上記時計ムーブメントを完全に組み立てて調整してから、上記時計ムーブメントに関連付けることができ、このモジュールの組み立て及び分解は、上記機械式ムーブメント自体に対して作業を行う必要なしに実施できることが理解される。
図3〜6Cを参照して、本発明による時計に実装される調速原理がベースとする物理的現象についてまず説明する。図1のものと同様であるものの本発明によるものではない時計をここで考える。従ってこの特定の実施形態は、関心対象の物理的現象を説明するためだけにここで与えられるものである。テンプ42のみが図4A〜4C、6A〜6Cで図示されている機械式共振器40は、単一の2極磁石44を支承し、その磁気軸は、テンプの回転軸20、即ち軸方向と略平行である。この場合、問題となっている機械式共振器40の半軸46は、回転軸20及び磁石44の中心を通過する。ここで説明される例では、基準半軸48と半軸50との間の角度θは、およそ90°の値を有する。これら2つの半軸48、50は時計ムーブメントに対して固定されているが、半軸46は、テンプと共に発振し、基準半軸に対する、このテンプ上に設置された磁石の角度位置βを与え、基準半軸は機械式共振器に関するゼロ角度位置を与える。より一般には、角度ラグθは、コイル内において、このコイルに対面する磁石の通過時に生成された誘導電圧信号が、いずれの発振の第1の交替時には、基準半軸が中央半軸を通過する前(従って第1の半交替中)に、及びいずれの発振の第2の交替中には、この中央半軸を基準半軸が通過した後(即ち従って第2の半交替中)に位置するようなものである。
図3は4つのグラフを示す。第1のグラフは、共振器40が発振する際、即ち機械式発振器が起動される際の、コイル28内の電圧を、経時的に示す。第2のグラフは、制動パルスが共振器40に印加されて、機械式発振器によって設定された機構の進行が補正される時点tP1を示す。矩形パルス(即ちバイナリ信号)の印加の時点は、ここではこのパルスの中点の時間的位置とみなされる。発振周期の変動が観察され、その間に、制動パルス、従って機械式発振器の周波数の別個の変動が発生する。実際には、それぞれ上記テンプの角速度(ラジアン角/秒(rad/s)での値)及び角度位置(ラジアン角(rad)での値)を経時的に示す図3の下2つのグラフにおいて確認できるように、時間的変動は、制動パルスが発生している単一の交替に関連する。なお、各発振は2つの連続する交替を有し、これらは本文書では、テンプがある方向の発振運動及びこれに続くもう1つの方向の発振運動を持続させる、2つの半周期として定義される。換言すれば、既に説明されているように、交替は、発振振幅を画定するテンプの2つの極限位置の間の、テンプのある方向又はもう1つの方向の揺動に対応する。
用語「制動パルス(braking pulse)」は、実質的にある限定された期間中における、機械式共振器への、上記機械式共振器を制動する特定のトルク、即ちこの機械式共振器の発振運動に対向するトルクの印加を指す。一般に制動トルクは様々なタイプのものであってよく、特に磁気的、静電気的又は機械的なものであってよい。本明細書に記載の実施形態では、制動トルクは磁石‐コイル間の連結によって得られ、従って、調速デバイスによって制御されるコイル28を介して磁石44に印加される磁気制動トルクに対応する。このような制動パルスは例えば、コイルを瞬間的に短絡させることによって生成してよい。この動作は、コイル電圧のグラフにおいて、制動パルスが印加される時間的範囲内で検出でき、この時間的範囲は、磁石の通過によってコイル内の誘導電圧パルスが出現する時であると考えられる。この時間的範囲内において、磁石‐コイル間の連結により、テンプに取り付けられた磁石に対する磁気トルクによる非接触操作が可能となることが明らかである。実際には、短絡制動パルス中にゼロに向かって低下する(磁石44によるコイル28内の誘導電圧は、上述の時間的範囲内において複数の線で示されている)。なお、本発明は調速デバイスに給電するための制動エネルギの回収を想定しているため、図3、5に示されている短絡制動パルスは、本明細書では、ここで与えられている説明の範囲内である。
図3、5では、発振周期T0は、上記時計組立体の上記機械式発振器の「自由(free)」発振(即ち調速パルスが印加されていない)に対応する。1回の発振周期の各交替は、外乱又は(特に調速パルスによる)制約がない場合、持続時間T0/2を有する。時間t=0は、第1の交替の開始をマークする。なお、上記機械式発振器の「自由」周波数F0は、これは4ヘルツにおおよそ等しく(F0=4Hz)、これによりおおよそ、周期T0=250msとなる。
図3、4A〜4Cを参照して、第1のシナリオにおける機械式発振器の挙動について説明する。第1の周期T0の後に新たな周期T1、又は新たな交替A1が発生し、その間は制動パルスP1が発生している。初期時点tP1において交替A1が開始され、次に共振器40は、磁石44が極限位置(最大の正の角度位置Am)に対応する角度位置βを占める図4Aの状態となる。そして、共振器がその中立位置を通過する中央時点tN1の前に位置する時点tP1において、制動パルスP1が発生し、図4B、4Cはそれぞれ、2つの連続する時点tP1及びtN1における共振器を示している。最後に交替A1は、終了時点tF1において終了する。
この第1の場合において、上記制動パルスは、交替の開始と、共振器による上記共振器の上記中立位置の通過との間、即ちこの交替の第1の半交替中に生成される。想定されるように、制動パルスP1の間に角速度の絶対値は低下する。これは、図3の角速度及び角度位置の2つのグラフが示すように、上記共振器の発振周期中に負のタイムラグTC1、即ち(破線で示されている)妨害されていない理論上の信号に対する後退を生成する。従って交替A1の持続時間は、期間TC1だけ増大する。従って交替A1を含む発振周期T1は、値T0に対して延長される。これは、上記機械式発振器の周波数の1回の低下、及び関連する機構の進行の瞬間的な減速を誘発する。
図5、6A〜6Cを参照して、第2のシナリオにおける機械式発振器の性能について説明する。図5のグラフは、図3と同一の変数の経時的な推移を示す。第1の周期T0の後に新たな周期T2、又は交替A2が発生し、その間は制動パルスP2が発生している。初期時点tD2において交替A2が開始され、次に共振器40は、極限位置(図示されていない最大の負の角度位置)となる。半交替に相当する1/4周期(T0/4)の後、共振器は中央時点tN2において、その中立位置に到達する(図6Aに示されている構成)。そして交替A2中、即ちこの交替の第2の半交替中に、共振器がその中立位置を通過する中央時点tN2の後に位置する時点tP2において、制動パルスP2が発生する。最後に、この交替は、共振器が再び極限位置(最大の正の角度位置)を占める終了時点tF2において終了する。図6B、6Cはそれぞれ、2つの連続する時点tN2、tF2における共振器を示す。図6Aの構成は、各発振運動の対向する方向によって、図4Cの構成とは区別されることに特に留意されたい。実際には、図4Cでは、テンプは交替A1中にテンプがその中立位置を通過する際に時計回り方向に回転するが、図6Aでは、テンプは交替A2中に中立位置を通過する際、反時計回りに回転する。
考察対象のこの第2のシナリオでは、制動パルスはこのように、ある交替中において、共振器がその中立位置を通過する中央時点と、この交替が終了する終了時点との間に生成される。想定されるように、角速度の絶対値は制動パルスP2中に減少する。顕著なことに、制動パルスはここでは、図5の角速度及び角度位置の2つのグラフによって示されているように、共振器の発振周期に、正のタイムラグTC2、即ち(破線で示されている)妨害されていない理論上の信号に対する前進を導入する。従って、交替A2の持続時間は期間TC2だけ減少する。従って交替A2を含む発振周期T2は、値T0より短くなる。従ってこれは、機械式発振器の周波数の「個別の(isolated)」減少、及び関連する機構の進行の瞬間的な加速を誘発する。
上述の図1、2と、図7〜13とを参照して、本発明による時計の第1の実施形態について以下に説明する。この時計2は:
‐機構12、16(部分的に図示);
‐最小の機械的位置エネルギに対応する中立位置の周りで発振するために好適な、機械式共振器6(ヒゲゼンマイ)であって:連続する発振の各交替は、中央時点において、上記機械式共振器の中立位置の通過を有し、また当該交替の開始時点とその中央時点との間の第1の半交替と、上記中央時点とその終了時点との間の第2の半交替とからなる、機械式共振器6;
‐この機械式共振器と共に、上記機構の進行速度を設定する機械式発振器を形成する、上記機械式共振器の維持デバイス14;
‐特に機械式発振器6が有効動作範囲内に含まれる振幅で振動する際に、上記機械式発振器からの機械的動力を電力に変換できるよう配設された、電気機械変換器であって、この電磁変換器は、電磁式組立体29によって形成され、これは、上記機械式共振器の支持体(特にムーブメント4の地板)上に設置されたコイル28(図7で概略的に示されている電磁組立体の唯一の要素)と、上記機械式共振器上に設置された1ペアの磁石22、23とを備え、電磁式組立体29は、上記機械式共振器が上記有効動作範囲内に含まれる振幅で振動する際に、上記電気機械変換器の2つの出力端子E1、E2間に誘導電圧信号Ui(t)を供給できるように配設され、上記誘導電圧信号は、上記機械式共振器の各発振中に、対応する発振周期の少なくとも1つの第1の部分においては正であり、この発振周期の少なくとも1つの第2の部分においては負である、電気機械変換器;
‐上記電気機械変換器の上記出力に、上記誘導電力を受信するように配設された、電気コンバータ56であって、この電気コンバータは、上記電気機械変換器が供給する電気エネルギを貯蔵できるよう配設された電源ユニットC1、C2を備え、この電気機械変換器と上記電気コンバータとが合わせて、上記機械式共振器の制動デバイスを形成する、電気コンバータ56;
‐上記機械式発振器の周波数を調速するためのデバイス52であって、この調速デバイスは、補助発振器58、CLKと、上記補助発振器に対する上記機械式発振器の潜在的な時間ドリフトを測定できるよう配設された測定デバイスとを備え、上記調速デバイスは、測定された上記時間ドリフトが少なくとも1つの特定の前進又は少なくとも1つの特定の後退に対応するかどうかを決定できるよう配設される、デバイス52
を備える。
好ましくは、電磁式組立体29も部分的に上記測定デバイスを形成する。この測定デバイスは更に、双方向性カウンタCB及び(シュミットトリガタイプの)比較器64を備える。上記比較器は、その一方の入力において誘導電圧信号Ui(t)を受信し、もう一方の入力において閾値電圧信号Uthを受信し、上記閾値電圧信号Uthの値は、本例では正である。第1の実施形態と同様、誘導電圧信号Ui(t)は、共振器6の各発振に関して、値Uthを超える単一の正の突出LU1を有し、上記比較器は、発振周期あたり1つのパルス70を有する信号「Comp」を出力として供給し、この信号は、一方では双方向性カウンタCBの第1の入力「UP」に、そしてもう一方では論理制御回路62に供給される。上記双方向性カウンタは第2の入力「Down」を備え、これは、発振周波数に関する公称周波数/設定点周波数のクロック信号Shorを受信し、このクロック信号は、基準周波数を画定するデジタル基準信号を供給する上記補助発振器に由来するものである。上記補助発振器は、クオーツ式共振器58を励起して、上記クオーツ式共振器の発振周波数にそれぞれ対応する一連のパルスからなる基準信号を返信として供給する役割を果たす、クロック回路CLKを備える。
上記クロック信号は、その基準信号を分割器DIVに供給し、この分割器DIVは、この基準信号中のパルスの数を、機械式発振器の公称周期と補助発振器の公称基準周期との比で除算する。従って上記分割器は、設定点周波数(例えば4Hz)を画定して、設定点周期(例えば250ms)あたり1パルスをカウンタCBに提示する、クロック信号Shorを供給する。従ってカウンタCBの状態は、補助発振器に対する、機械式発振器による経時的に蓄積された前進(上記数が正の場合)又は後退(上記数が負の場合)を、設定点周期に略対応する分解能で決定する。上記カウンタの状態は、この状態が少なくとも1つの特定の前進(CB>N1、N1は自然数)又は少なくとも1つの特定の後退(CB<−N2、N2は自然数)のいずれに対応するかを決定するよう配設された、論理制御回路62に供給される。
電気コンバータ56は、電気コンバータの正の入力電圧のみを用いて電源ユニットの第1の電源コンデンサC1を再充電できるように配設された、電気エネルギを貯蔵するための第1の回路D1、C1と、電気コンバータの負の入力電圧のみを用いて電源ユニットの第2の電源コンデンサC2を再充電できるように配設された、電気エネルギを貯蔵するための第2の回路D2、C2とを備える。再充電中、制動デバイスが第1の電源コンデンサ又は第2の電源コンデンサに供給する電気エネルギの量は、この第1の電源コンデンサ又は第2の電源コンデンサの電圧レベルの絶対値が低下するに従って上昇する。
負荷は、電気コンバータ56の出力に接続されるか、又は周期的に接続するために好適であり、電力供給電圧VDD、VSSを供給する電源ユニットによって給電され、この負荷は特に、電源ユニットによって給電される調速回路54を備える。好ましくは、上記第1及び第2の電源コンデンサは略同一の容量値を有する。
時計2は、調速デバイスの調速回路54が、第1の電源コンデンサC1から第2の電源コンデンサC2へ、及びその逆に、要求に応じて電気負荷を移動させることができるよう配設された、負荷ポンプ60を備える点で、際立ったものである。このような負荷ポンプの代替実施形態を図8に示す。この負荷ポンプは、2つのスイッチS1、S2から形成された多重化回路66と、スイッチS3、スイッチS4及び2つの切り替え式コンデンサCT1、CT2を備える電気負荷移動回路とを備える。当業者に公知であるこの負荷ポンプの動作は、本明細書では説明しない。スイッチS3及びスイッチS1、S2、S4は、以下で説明される本発明による調速方法(図10)に従って、論理制御回路62によって制御される。
第1の一般的な代替実施形態では、制動デバイスは、有効動作範囲内での電気機械変換器の各交替に関して、電源コンデンサC2の再充電の大半が2つの第1の半交替TM1‐TN1、TM3‐TN3中に発生し、電源コンデンサC1の再充電の大半が2つの第2の半交替TN0‐TM1、TN2‐TM3中に発生するように配設される。第2の一般的な代替実施形態では、制動デバイスは、有効動作範囲内での電気機械変換器の各交替に関して、コンデンサC1の再充電の大半が2つの第1の半交替TM1‐TN1、TM3‐TN3中に発生し、コンデンサC2の再充電の大半が2つの第2の半交替TN0‐TM1、TN2‐TM3中に発生するように配設される。論理制御回路62は、実装される上記第1又は第2の一般的な代替実施形態に従って、負荷ポンプを制御するよう配設され、これら2つの電源コンデンサ間での移動は、測定されたいずれの時間ドリフトに関して、上記第1の一般的な代替実施形態と上記第2の一般的な代替実施形態との間で逆転する。
図9、10の場合に対応する上記第1の一般的な代替実施形態の範囲内において、負荷ポンプの論理制御回路62は、負荷ポンプ60を起動させることにより、測定された時間ドリフトが少なくとも1つの特定の前進に対応する(CB>N1)場合に、負荷ポンプ60が第2の電源コンデンサC2から第1の電源コンデンサC1への特定の電気負荷の移動を実施し、これにより、少なくとも上記移動後のある発振周期において、上記特定の電気負荷の上記移動が発生しない仮説の場合に比べて第2のコンデンサC2の再充電を(図9に示すように)増大させるよう、配設される。そして、負荷ポンプの論理制御回路62はまた、負荷ポンプ60を起動させることにより、測定された時間ドリフトが少なくとも1つの特定の後退に対応する(CB<−N2)場合に、負荷ポンプ60が第1の電源コンデンサC1から第2の電源コンデンサC2への特定の電気負荷の移動を実施し、これにより、少なくとも上記移動後のある発振周期において、上記特定の電気負荷の上記移動が発生しない仮説の場合に比べて第1のコンデンサC1の再充電を増大させるよう、配設される。
図9には、上記第1の一般的な代替実施形態に関して、時計の進行の前進に対応する時間ドリフトの検出後に発生する、即ち設定点周波数より大きい機械式発振器の周波数において発生する、シナリオが示されている。誘導電圧信号Ui(t)は、図1に関して上述されている電磁式組立体29によって生成されるものに対応する。時間軸[t]上には、有効動作範囲内の複数の発振中の、機械式共振器6の中立位置の一連の通過に対応する中央時点TNn(ただしn=0、1、2、・・・)と、機械式共振器の角速度がゼロとなって機械式共振器の揺動が反転する、機械式共振器の極限位置の交互の一連の通過に対応する時点TMn(ただしn=0、1、2、・・・)とが示されている。コイル28の巻き方向、及び2つの磁石22、23の極性は、機械式発振器の各発振において、誘導電圧信号Ui(t)の第1の電圧突出LU1が、該発振周期に関する最大の正電圧UM1を示し、この誘導電圧信号の第2の電圧突出LU2が、該発振周期に関する最大の負電圧UM2を示すようなものとして想定される。
図9に示されている第1の特定の代替実施形態では、第1の電圧突出及び第2の電圧突出はそれぞれ、各発振周期の交替A01、A11の第2の半交替TNn−TMn、(ただしn=0、1、2、・・・)、及びこの発振周期の他の交替A02、A12の第1の半交替TMn−TNn、(ただしn=0、1、2、・・・)において発生する。第2の特定の代替実施形態では、第2の電圧突出及び第1の電圧突出はそれぞれ、各発振周期のある交替の第2の半交替TNn−TMn、(ただしn=0、1、2、・・・)、及びこの発振周期の他の交替の第1の半交替 TMn−TNn、(ただしn=0、1、2、・・・)において発生する。なお、コイルの端子E1、E2、又は同様にこのコイルを形成する線の巻き方向を反転させると、誘導電圧の極性の変化が誘発され、従って上記反転は、上記第1の代替実施形態を上記第2の代替実施形態に、又はその逆に切り替えることができる。
第1の実施形態では、既に部分的に上述したように、電磁式組立体29は、テンプ上に設置された、反対の極性を有する磁気軸を有する1ペアの2極磁石と、機械式共振器の支持体に堅固に接続されたコイルとを備える。テンプの回転軸20を始点とし、この磁石のペアの中点を通過する、中央半軸26は、共振器が静止しており従ってその中立位置にあるときに、基準半軸48を画定する。図9に示すように、磁石のペア及びコイルは、このコイルに対面する上記磁石のペアの通過時に上記コイルの端子E1、E2において生成される誘導電圧信号Ui(t)が、上記磁石のペアが上記コイルと同時に連結することによって生じる最大振幅を有する中央突出LU1、LU2を有するように、配設される。そしてコイル28はその中央に、基準半軸48に対するゼロではない角度ラグθを有し、これにより、上で開示されているように、機械式共振器の各発振周期において、それぞれ(図9の場合には)第2及び第1の半交替中、又はそれぞれ第1及び第2の半交替中に、第1及び第2の電圧突出を誘発する。角度ラグθの絶対値は、有利には30°〜120°である。
また図9には、電源コンデンサC1の上側端子における正電圧VC1(VDDを画定)と、電源コンデンサC2の下側端子における負電圧VC2(VSSを画定)とが示されている(ゼロ電圧は、上記コイルの端子E1の電圧と考えられる)。従って、得られる電力供給電圧VALは、VC1−VC2、即ち第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2の各電圧の合計よって与えられる。本発明の範囲において、負荷は電気コンバータの出力に配置される。これは特に、電力供給電圧VALを送達する上記第1及び第2の電源コンデンサによって給電される、調速回路を備える。よって、上記電源コンデンサのうちの一方又は他方の短い再充電周期の外側には、電圧VC1及びVC2(の絶対値)の特定の経時的漸減が存在する。それぞれ最大の正の誘導電圧UM1及び最大の負の誘導電圧UM2(の絶対値)を示す電圧突出LU1、LU2は、それぞれコンデンサC1、C2を再充電する役割を果たす。
調速イベントが発生しない第1の周期T0において、誘導電流ピークI11はコンデンサC1を第2の半交替中に再充電し、誘導電流ピークI12はコンデンサC2を第1の半交替中に再充電する。これらの誘導電流ピークは、電磁式組立体29内の電気機械変換器が誘導して電気コンバータ56が吸収する電力に相当する。従ってこれらの電力は、機械式発振器が供給する機械的動力に相当する。これらの電力は電気コンバータによって変換され、上記電気コンバータと連携した負荷によって消費される。従って、電気機械変換器によって電気コンバータに供給される各誘導電流ピークIN1、IN2(ただしN=1、2、・・・)は、制動パルスに相当し、従って機械式発振器に印加される特定の瞬間的制動トルクに相当する。図3〜6を参照して上で開示された物理的現象によると、誘導電流ピークIN1は、それが発生する交替の持続時間の減少、従って機械式発振器の瞬間周波数の増大を誘発し、その一方で誘導電流ピークIN2は、それが発生する交替の持続時間の増大、従って機械式発振器の瞬間周波数の低下を誘発する。
調速イベント及びこのような調速イベントによって得られる特定の実行が発生しない動作の周期、即ち調速が行われない通常動作に対応する周期、従って図9の第1の発振周期中に現れるシナリオは、電圧VC1、VC2と、それぞれ誘導電流パルスI11、I12によるコンデンサC1、C2の再充電パルスとに関して発生し、即ち、概ね上記2つの第1の半交替中に電気コンバータが吸収する第1の電気エネルギが、概ね各発振周期の上記2つの第2の半交替中に電気コンバータが吸収する第2の電気エネルギと略同一である、平衡状態のシナリオに関して発生する。従って、概ね上記2つの第2の半交替中に発生する正のタイムラグは、概ね各発振周期の上記2つの第1の半交替中に発生する負のタイムラグによって補償される。図9に示されている特定の場合では、第1の交替A01中に発生する正のタイムラグは、対応する発振周期の第2の交替A02中に発生する負のタイムラグによって補償される。従って、上記第1の交替の持続時間は上記第2の交替の持続時間とは異なるものの、その合計は、調速動作を受けていない発振器の自然発振周期T0に等しいことが理解される。
第1の周期T0の間、論理制御回路は、測定デバイスが測定した時間ドリフトが時計の進行の特定の前進に対応することを検出する。次に論理制御回路は、コンデンサC2からコンデンサC1に特定の電気負荷を移動させることからなる調速動作を実施する。これを行うために、調速デバイスは好ましくは、誘導電圧信号中の所定のイベントを検出するための回路と、論理制御回路に接続されたタイマー回路とを備え、上記論理制御回路は、有利には、誘導電圧信号の第1の突出LU1及び第2の突出LU2の出現時以外の時間的範囲内に負荷ポンプを起動するよう配設される。この目的のために、比較器64の信号「Comp」が論理制御回路に供給され、上記所定のイベントとは、この信号中でのパルス70の出現である。パルス70の立ち下がりエッジにおいて、上記タイマーが起動され、そしてこのタイマーは所定の期間TDを計量した後、負荷ポンプを起動させて特定の電気負荷を移動させ、これは、電圧VC1の上昇AV及びこれと共に電圧VC2 (の絶対値)の低下DVを誘発する。これにより、電圧VC1と電圧VC2 との間に不均衡が誘発され、一方の電圧VC1は、部分的にしか放電されない他方の電圧VC2 に損害を与える。誘導電圧パルスが経時的に同一(発振振幅の低減がない、又は非等時性を有しない)のままであるため、VC1と最大の正電圧UM1との間の絶対差は減少し、VC2 と最大の負電圧UM2との間の絶対差は増大し、VC2 の絶対値は減少する。その結果、図9の最下部のグラフで確認できるように、交替A11中の電圧突出LU1の生成中、誘導電流I21は比較的小さいかゼロでさえあり、交替A12中の電圧突出LU2の生成中、誘導電流I22は比較的大きい。
交替A11中に電気コンバータが抽出する電気エネルギを低減することにより、第2の半交替中の発振器の制動は1つ前の周期T0に比べて低減され、これは正のタイムラグの減少に対応する。更に、交替A12中に電気コンバータが抽出する電気エネルギを増大させることにより、第1の半交替中の発振器の制動は1つ前の周期T0に比べて増大し、これは負のタイムラグの増大に対応する。従って、これら2つの変動は一貫した効果を有する。従って一般に、1つ前の周期に比べて、電気負荷の移動は、負のタイムラグと、これに伴う上記移動の後の発振周期の持続時間の増大とを誘発する。発振器の瞬間周波数の低下が観察され、これにより、この制動動作につながった、検出された上記特定の前進を少なくとも部分的に補正できる。図10のフローチャートは、論理制御回路内で実装される調速方法を要約したものである。上述の内容と同様に、測定デバイスが測定した時間ドリフトが時計の進行の特定の後退に対応することを論理制御回路が検出すると、論理制御回路は続いて、コンデンサC1からコンデンサC2に特定の電気負荷を移動させることからなる調速動作を実施する。その効果は上記のものとは逆であり、即ち、1つ前の周期に対して、電気負荷の移動は、一般に正のタイムラグと、これに伴う上記移動の後の発振周期の持続時間の減少とを誘発する。これにより、検出された後退を少なくとも部分的に補正できる発振器の瞬間周波数の増大が観察される。
図11は、上記第1の実施形態の代替実施形態の動作のシミュレーションを示し、ここでは、負荷ポンプの構成により、サイクルあたりの電気負荷移動を制限でき、これにより負荷ポンプは、特定の時間ドリフトが検出された場合に、一連の迅速な複数の電気負荷移動サイクルを実施するよう制御される。図11の特定の例では、電圧VC1の段階的上昇AV1、又は電圧VC2の対応する減少DV1が、1回の交替より短い持続時間にわたって誘発される。曲線72a、74aは、電圧VC1、VC2の推移を表す。曲線76aは電力供給電圧を表し、これは略安定したままである。図11の最下部のグラフは誘導電流Iindを示し、これは既に説明したように、パルスIN1、IN2(ただしN=1、2、…)の連続を示す。より具体的には、調速周期の外側に、上述のようにパルスI11、I12が交互に存在する。電気負荷移動(AV1、DV1)に続いて、上記移動の直後の発振周期中に、上述のようなパルスI21、I22が得られる。最後に、(例えば問題となっているグラフにおけるように、3つの発振周期の持続時間の)移行周期が観察され、その間に、パルスI31、I32によって観察されるように、コンデンサC1、C2の再充電において更なる不均衡が発生し、従って電気負荷移動に関連する更なる特定のタイムラグが発生する。
図11と同一の物理量を示す図12の代替実施形態では、論理制御回路は、測定された時間ドリフトが少なくとも1つの特定の前進に対応する場合に、機械式発振器の複数の発振それぞれの間に、コンデンサC2からコンデンサC1への、第1の電気負荷の(電圧VC1(グラフ72b)、及び電圧VC2(グラフ74b)それぞれに関する電圧変動AV2m、DV2m(ただしm=1、2、3、…)に対応する)複数の別個の移動が実施されるように、配設される。そしてこの調速周期中に、上述のパルスI21、I22の第1のペアに続いて、頂上/ピーク値を有するパルスI41、I42のペアを有する第1の移行周期が観察され、上記頂上/ピーク値は上記2つのパルスの間の差を漸増させ、その後、頂上/ピーク値間の比が最大となるパルスI51、I52のペアを有する静止状態/静止周期が発生する。ここでもまた、電力供給電圧VAL(グラフ76b)が略安定していることを観察できる。
より複雑な調速方法では、測定された時間ドリフトに応じて、特定の電気負荷の移動が実施される発振周期の数を変更することを考えることができる。よって、第1のドリフトが観察されるとすぐに、本調速方法のシーケンス中に1回の電気負荷の移動が単一の発振周期で実施され、その一方で、第1のドリフトより大きい第2の時間ドリフトが観察されるとすぐに、本調速方法のシーケンス中に複数回の電気負荷の移動が複数の発振周期で実施される。時間ドリフトに関する複数の所定の値を調速回路のメモリに記憶させてよいことは明らかであり、負荷ポンプによる特定の電気負荷の移動サイクルの回数が、これに従って所定の値を検出するものとして想定される。
図13は、図12に示されているものと同一の調速方法、従って同一の時計に関する、調速回路が時計の進行の少なくとも1つの特定の後退を検出するシナリオを示す。この場合、正のタイムラグを誘発するために、電気負荷の移動がコンデンサC1からコンデンサC2へと連続して実施される。このようにして、自発的な正のタイムラグと、これに伴う、この移動に続く数回の発振周期の持続時間の減少とが誘発される。続いて発振器の瞬間周波数の増大が得られ、これにより、この調速動作につながった、検出された上記特定の後退を少なくとも部分的に補正できる。より具体的には、論理制御回路は、測定された時間ドリフトが少なくとも1つの特定の後退に対応する場合に、機械式発振器の複数の発振それぞれの間に、コンデンサC1からコンデンサC2への、第2の電気負荷の(電圧VC2(グラフ74c)、及び電圧VC1(グラフ72c)それぞれに関する電圧変動AV3m、DV3m(ただしm=1、2、3、…)に対応する)複数の別個の移動が実施されるように、配設される。予想されるように、電力供給電圧VALのグラフ76cは、これが略安定していることを示す。調速周期中の誘導電流IindのパルスI61、I62のペア、パルスI71、I72のペア、パルスI81、I82のペア、及びパルスI91、I92のペアは、その頂上/ピーク値のレベルにおいて、図12の対応するペアに対する(それぞれパルスI21、I22のペア、パルスI41、I42のペア、パルスI51、I52のペア、及びパルスI31、I32ペアに対する)絶対値の反転を示す。
誘導電圧と、これに伴って電力供給電圧とを上昇させるために、第2の実施形態では、ヒゲゼンマイの支持体上に配設された2つのコイルと、テンプ上に設置された2極磁石の2つのペアとを、電磁式組立体に設けることが考えられ、上記磁石の各ペアは、図1、2に示されている構成を有する。有利には、磁石の第2のペアは、磁石の第1のペアと略同一の開角度を有する。更に、第2のコイルと磁石の第2のペアとは、これらの間に、第1のコイルと磁石の第1のペアとの間の第1の角度ラグと略同一の第2の角度ラグを有する。第1及び第2のコイルの巻き方向、並びにこれらの間の、及び/又はコンバータへの接続は、第1及び第2のコイル中の2つの誘導電圧を1つに合計するようなものとして想定される。
この第2の実施形態は、電気機械変換器を形成する電磁式組立体の構成によって、第1の実施形態とは本質的に異なる。図14、15A〜15Cを参照して、本発明による時計の第2の実施形態の具体的な代替実施形態について、以下に説明する。電気コンバータ、調速回路及び調速方法は第1の実施形態のものと同様であるため、ここでは説明しない。電気機械変換器82の電磁式組立体はまず、第1及び第2の角度ラグそれぞれが90°に略等しい値を有する点で特徴的である。そして、2極磁石の第1のペア22A、23A及び第2のペア22B、23Bは、その間に面対称性を示し、対称面を通る幾何学的平面は、機械式共振器の回転軸20と、上記2つのコイルの中心を通過する幾何学的軸とを含む。最後に、第1のコイル28A及び第2のコイル28Bは、中央主平面での投影図において逆向きの巻方向を有し、これら第1及び第2のコイルは、回転の中心20を通過する直線上に整列されて(それぞれ端子E21、E12に)接続され、これにより、上記コイルそれぞれの誘導電圧は電気機械変換器の2つの出力端子E11、E22において1つに合計される。
図15A〜15Cに示すように、この特別な構成により、電圧コンバータに供給される誘導電圧を上昇させるだけでなく、それぞれ最大の正電圧及び最大の負電圧を示す第1及び第2の誘導電圧突出を倍加させることができる。各電圧突出の上方には、磁石のペアを、問題となっているコイルに対面する2つの磁石が順次出現する方向と共に示している。この特別な電磁式組立体により、機械式共振器の発振周期の2回の交替A01、A02の第1の半交替それぞれにおいて2回の正の電圧突出が得られ、また2回の交替A01、A02の第2の半交替それぞれにおいて2回の負の電圧突出が得られる。コイル28A、28Bによって供給される誘導電圧信号U1、U2は、図15Cに示すように1つに合計され、ピーク電圧Uiの倍加をもたらす。よって、誘導電圧の各突出(図15A、15B)は、電気コンバータの2つのコンデンサの再充電、及びこれらと連携した負荷の電力供給に寄与する。これにより、2つのコンデンサの間での電気負荷の移動後に、1回又は複数回の発振周期の2回の交替中に実施できる、時計の進行の調速が得られる。なお、測定デバイスの比較器は、発振周期あたり2つのパルスを生成し、これら2つのパルスのうちの1つは双方向性カウンタに供給される。
2 時計
6 機械式共振器
8、52 調速デバイス
14 維持デバイス
22、23 磁石
28 コイル
29 電磁式組立体
54 負荷
56 電気コンバータ
58 補助発振器
60 負荷ポンプ
62 論理回路
64、CB 測定デバイス
C1 第1の電源コンデンサ
C2 第2の電源コンデンサ
E1、E2 出力端子
Ui(t) 誘導電圧信号

Claims (15)

  1. ‐機構;
    ‐最小の機械的位置エネルギに対応する中立位置の周りで発振するために好適な、機械式共振器(6)であって:前記機械式共振器の各発振は、発振周期を画定し、それぞれ2つの極限位置の間の、2つの連続する交替を有し;前記極限位置は、前記機械式共振器の発振振幅を画定し;各前記交替は、中央時点において、前記機械式共振器の中立位置の通過を含み、また前記交替の開始時点と前記交替の中央時点との間の第1の半交替と、前記中央時点と前記交替の終了時点との間の第2の半交替とからなる、機械式共振器(6);
    ‐前記機械式共振器と共に、前記機構の進行速度を画定する機械式発振器を形成する、前記機械式共振器の維持デバイス(14);
    ‐前記機械式共振器が有効動作範囲内の振幅で振動する際に、前記機械式発振器からの機械的動力を電力に変換できるよう配設された、電気機械変換器であって、前記電気機械変換器は、前記機械式共振器と前記機械式共振器の支持体とからなる機械式組立体のある要素上に設置された少なくとも1つのコイル(28)と、前記機械式組立体の他の要素上に設置された少なくとも1つの磁石(22、23)とを備える、電磁式組立体(29)によって形成され、前記電磁式組立体は、前記機械式共振器が前記有効動作範囲内の振幅で振動する際に、前記電気機械変換器の2つの出力端子(E1、E2)間に誘導電圧信号(Ui(t))を供給できるように配設される、電気機械変換器;
    ‐前記電気機械変換器の前記2つの出力端子に、前記電気機械変換器からの誘導電流を受信できるように接続された、電気コンバータ(56)であって、前記電気コンバータは、前記電気機械変換器が供給する電気エネルギを貯蔵できるよう配設された電源ユニットを備え、前記電気機械変換器と前記電気コンバータとが合わせて、前記機械式共振器の制動デバイスを形成する、電気コンバータ(56);
    ‐前記電源ユニットによる給電を受けられるように、前記電気コンバータに接続された、又は前記電気コンバータに規則的に接続するために好適な、負荷(54);
    ‐前記機械式発振器の周波数を調速するための調速デバイス(8、52)であって、前記調速デバイスは、補助発振器(58)と、前記補助発振器に対する前記機械式発振器の潜在的な時間ドリフトを検出できるよう配設された測定デバイス(64、CB)とを備え、前記調速デバイスは、測定された前記時間ドリフトが少なくとも1つの特定の前進に対応するかどうかを決定できるよう配設される、前記調速デバイス(8、52)
    を備える、時計(2)であって、
    前記時計は:
    ‐前記電源ユニットは、いずれも前記負荷に給電できるよう配設された、第1の電源コンデンサ(C1)及び第2の電源コンデンサ(C2)を備え、前記電気コンバータは:前記第1の電源コンデンサを備え、また前記第1の電源コンデンサ(C1)を、前記電気コンバータの入力における第1の極性を有する電圧のみによって再充電できるように配設された、第1の電気エネルギ貯蔵回路と;前記第2の電源コンデンサを備え、また前記第2の電源コンデンサ(C2)を、前記電気コンバータの入力における、前記第1の極性とは反対の第2の極性を有する電圧のみによって再充電できるように配設された、第2の電気エネルギ貯蔵回路とによって形成され、前記制動デバイスは、前記第1の電源コンデンサ又は前記第2の電源コンデンサへの再充電中に供給される電気エネルギの量が、前記第1の電源コンデンサ又は前記第2の電源コンデンサの電圧レベルが低下するに従って増大するように、配設されること;
    ‐前記制動デバイスは、前記誘導電圧信号が、前記発振振幅が前記有効動作範囲内に含まれている場合に、前記機械式発振器の各前記発振周期中に、前記誘導電圧信号が前記第1の極性を有する、前記2つの第1の半交替中に位置する少なくとも1つの第1の期間と、前記誘導電圧信号が前記第2の極性を有する、前記2つの第2の半交替中に位置する少なくとも1つの第2の期間とを有するように、配設されること;
    ‐前記制動デバイスは更に、前記有効動作範囲内に含まれている振幅での前記電気機械変換器の各前記振幅に関して、記第1の電源コンデンサの再充電の大半が前記2つの第1の半交替中に行われ、記第2の電源コンデンサの再充電の大半が前記2つの第2の半交替中に行われるように、配設されること;
    ‐前記調速デバイスは、前記第1の電源コンデンサから前記第2の電源コンデンサへと、要求に応じて電気負荷を移動させることができるように配設された、負荷ポンプ(60)を備えること;並びに
    ‐前記調速デバイスは更に、前記負荷ポンプを制御するための論理制御回路(62)を備え、前記論理制御回路は、前記測定デバイスが供給する測定信号を入力として受信し、また、測定された前記時間ドリフトが前記少なくとも1つの特定の前進に対応する場合に、前記負荷ポンプが前記第1の電源コンデンサから前記第2の電源コンデンサに第1の電気負荷を移動させるように、前記負荷ポンプを起動させるよう配設されること
    を特徴とする、時計(2)。
  2. 前記論理制御回路は、測定された前記時間ドリフトが前記少なくとも1つの特定の前進又は前記少なくとも1つの特定の前進より大きい少なくとも1つの前進に対応する場合に、前記機械式共振器の複数の発振中に、前記第1の電源コンデンサから前記第2の電源コンデンサへの複数の第1の電気負荷の移動を実施できるように配設されることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
  3. 前記調速デバイスはまた、測定された前記時間ドリフトが少なくとも1つの特定の後退に対応するかどうかを決定できるように配設されること;
    前記負荷ポンプ(60)はまた、要求に応じて、前記第2の電源コンデンサから前記第1の電源コンデンサに、電気負荷を瞬間的に移動させることができるように配設されること;並びに
    前記負荷ポンプの前記論理制御回路(62)は測定された前記時間ドリフトが前記少なくとも1つの特定の後退に対応する場合に、前記負荷ポンプが、前記第2の電源コンデンサから前記第1の電源コンデンサへの第2の電気負荷の移動を実施するように、前記負荷ポンプを起動させるよう、配設されること
    を特徴とする、請求項1又は2に記載の時計。
  4. 前記論理制御回路は、測定された前記時間ドリフトが前記少なくとも1つの特定の後退又は前記少なくとも1つの特定の後退より大きい少なくとも1つの後退に対応する場合に、前記機械式共振器の複数の発振中に、前記第2の電源コンデンサから前記第1の電源コンデンサへの複数の第2の電気負荷の移動を実施できるように配設されることを特徴とする、請求項3に記載の時計。
  5. 前記第1の電源コンデンサ(C1)及び前記第2の電源コンデンサ(C2)は、略同一の容量値を有し、共に前記負荷に給電するように配設されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の時計。
  6. 前記電気コンバータの出力に配設された前記負荷は特に、前記第1の電源コンデンサ及び前記第2の電源コンデンサそれぞれの電圧の合計に対応する電力供給電圧を送達するよう配設された前記第1の電源コンデンサ及び前記第2の電源コンデンサによって給電される、前記調速デバイス(8、52)を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の時計。
  7. 前記制動デバイスは:前記機械式発振器の各前記発振周期中に、前記機械式共振器の前記発振周期が前記有効動作範囲内にある場合に、前記誘導電圧信号の第1の突出(LU1)が、問題となっている前記発振周期に関する最大の正の電圧(UM1)を示し、前記誘導電圧信号の第2の突出(LU2)が、前記発振周期に関する最大の負の電圧(UM2)を示すよう;並びに前記第1の電圧突出及び前記第2の電圧突出が、前記第1の極性が正であり、前記第2の極性が負である場合には、それぞれ、問題となっている前記発振の2つの前記交替のうちの一方及び/若しくはもう一方の第1の半交替及び第2の半交替中に、並びに前記第1の極性が負であり、前記第2の極性が正である場合には、それぞれ、問題となっている前記発振の2つの前記交替のうちの一方及び/若しくはもう一方の第2の半交替及び第1の半交替中に、発生するよう、配設されることを特徴とする、請求項6に記載の時計。
  8. 前記電磁式組立体は、少なくとも1つの磁石から形成され、極性が反対の少なくとも1ペアの磁極を有する、帯磁構造を備え、
    前記1ペアの磁極はそれぞれ、前記少なくとも1つのコイルの主面の方向に磁束を生成し、この1ペアの磁極は、その各前記磁極が、タイムラグを有して、ただし入って来る前記磁束と出てゆく前記磁束とが少なくとも部分的に同時となるように、前記コイルを通過して、前記第1の電圧突出及び前記第2の電圧突出を形成するよう、配設される
    ことを特徴とする、請求項7に記載の時計。
  9. 前記電磁式組立体(29)は、前記機械式共振器のテンプ(18)上に設置された、反対の極性を有する磁気軸を有する1ペアの2極磁石(22、23)を備え、前記2極磁石のペアは前記磁極のペアを画定し、前記コイルは、前記機械式共振器の支持体に堅固に接続され;前記テンプの回転軸を始点とし、前記磁石のペアの中点を通過する、中央半軸(26)は、前記機械式共振器が静止しており従って前記機械式共振器の中立位置にあるときに、基準半軸(48)を画定し;前記磁石のペア及び前記コイルは、前記コイルに対面する前記磁石のペアの通過時に前記コイルの前記2つの出力端子の間で生成される誘導電圧パルスが、前記磁石のペアの前記2つの磁石が前記コイルと同時に連結することによって生じる最大振幅を有する中央突出を有するように、配設されること;並びに
    前記コイルは、前記コイルの中央に、前記基準半軸に対する角度ラグ(θ)を有し、これにより、前記有効動作範囲内の前記機械式共振器の各前記発振周期中に誘発された前記2つの中央突出は、前記誘導電圧信号の前記第1の突出及び前記第2の突出を画定すること
    を特徴とする、請求項8に記載の時計。
  10. 前記角度ラグ(θ)の絶対値は30°〜120°であることを特徴とする、請求項9に記載の時計。
  11. 前記2極磁石のペアは第1のペア(22A、23A)であり、前記コイルは第1のコイル(28A)であり、前記角度ラグは第1の角度ラグであり;
    前記電磁式組立体は更に:前記回転軸から前記2極磁石の第1のペアと同一の径方向距離において前記テンプ上に設置され、それぞれ反対の極性の磁気軸と、前記2極磁石の第1のペアと略同一の開角度とを有する、少なくとも1つの2極磁石の第2のペア(22B、23B)と;前記機械式共振器の前記支持体に堅固に接続された、少なくとも1つの第2のコイル(28B)とを備え、前記中央は、前記2極磁石の第2のペアの基準軸に対して、前記第1の角度ラグと略同一の第2の角度ラグを示すこと;
    前記機械式共振器が静止している場合に、前記2極磁石の第1のペア及び前記2極磁石の第2のペアのうちの一方が、前記第1のコイル及び前記第2のコイルから等しい角度距離に位置するよう配設され、前記電磁式組立体は:複数のコイルを備え、前記複数のコイルは、前記2極磁石の第1のペア及び前記2極磁石の第2のペアの間の第1の中心軸が、前記複数のコイルに関する対称軸を画定するように配設されるか;又は2極磁石の複数のペアを備え、前記2極磁石の複数のペアは、第2の中心軸が、複数の前記2極磁石に関する対称軸を画定すること;並びに
    前記電磁式組立体の前記第1のコイル(28A)及び前記第2のコイル(28B)の巻き方向、並びにこれらの間の、及び/又は前記電気コンバータ(56)への接続は、問題となっている前記第1のコイル(28A)及び第2のコイル(28B)中の各誘導電圧が建設的に1つに合計されるよう、配設されること
    を特徴とする、請求項9又は10に記載の時計。
  12. 前記第1の角度ラグ及び前記第2の角度ラグはそれぞれ、略90°の値を有し、
    前記電磁式組立体は、180°の角度だけずれた前記第1のコイル及び前記第2のコイルのみ、並びにこれもまた180°の角度だけずれた前記2極磁石の第1のペア及び前記2極磁石の第2のペアのみを備える
    ことを特徴とする、請求項11に記載の時計。
  13. 前記電磁式組立体は、120°の角度だけずれた前記第1のコイル及び前記第2のコイルと、3ペアの2極磁石であって、1つの前記ペアが他の2つと120°だけずれた、3ペアの2極磁石とを備えることを特徴とする、請求項11に記載の時計。
  14. 前記電磁式組立体もまた、前記測定デバイスの一部を形成することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の時計。
  15. 前記調速デバイスは、前記誘導電圧信号中の所定のイベントを検出するための回路(64)と、前記誘導電圧信号の前記第1の突出及び前記第2の突出以外の時間的範囲内において前記負荷ポンプを起動するよう配設される、前記論理制御回路と連携するタイマー回路とを備えることを特徴とする、請求項7〜13のいずれか1項に記載の時計。
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