JPH083490B2 - ヒト癌胎児性抗原の免疫化学的測定法および試薬 - Google Patents

ヒト癌胎児性抗原の免疫化学的測定法および試薬

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JPH083490B2
JPH083490B2 JP60225293A JP22529385A JPH083490B2 JP H083490 B2 JPH083490 B2 JP H083490B2 JP 60225293 A JP60225293 A JP 60225293A JP 22529385 A JP22529385 A JP 22529385A JP H083490 B2 JPH083490 B2 JP H083490B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ヒト癌胎児性抗原(以下、CEAと略称する
こともある。)のサンドイッチ法による免疫化学的測定
法およびその試薬に関する。
従来の技術 CEAは1965年Goldらによって、ヒト大腸癌組織の過塩
素酸抽出物中に見い出され、しかも胎児期の消化管上皮
にも存在することから癌胎児性抗原(carcinoembryonic
antigen)と名付けられた。CEAは分子量約18万、約50
%の糖を含む蛋白である。CEAは胃癌、大腸癌、膵癌、
肺癌などの種々の癌患者で、癌組織や体液中に比較的高
レベルで検出される場合が多く、癌の診断ならびに予後
管理用として繁用されている。
従来より、CEAの酵素免疫測定法(以下、EIAと略称す
ることもある。)については、サンドイッチ法が繁用さ
れてきた。サンドイッチ法は一般に次のように行なわれ
る。未知量のCEAを含む被検液に担体上に保持された過
剰量の抗体を加えて反応させ(第1反応)、次に酵素で
標識した過剰量の抗体の一定量を加えて反応させる(第
2反応)。担体上に保持された酵素もしくは担体上に保
持されなかった酵素の活性を測定する。第1反応、第2
反応は同時に行なってもよいし時間をずらして行なって
もよい。
第1反応および第2反応で用いられている抗体は同一
の免疫動物で得られた抗血清、あるいは異なる免疫動物
から得られた抗血清、さらにこれらの抗体の1種類と細
胞融合法で得られた1種類のモノクローナル抗体、ある
いは2種類のモノクローナル抗体などが用いられてい
る。
発明が解決しようとする問題点 CEAは一般にKrupeyらの方法〔イムノケミストリー(I
mmunochemistry)、第9巻(1972年)、第617頁〕に準
じてヒト大腸癌組織の過塩素酸抽出物を、ゲルクロマト
グラフィー、アフィニティクロマトグラフィーもしくは
電気泳動法の各手法を組み合せて精製されていた。しか
し、これらの方法で得られたCEAは、操作中に強い酸性
溶媒にさらされているため、変性している恐れがあると
いう欠点を有する。このために緩和な条件でCEAを抽出
精製する方法が報告されているが〔キャンサー・リサー
チ(Cancer Research)、第35巻(1975年)、第2928
頁〕、繁雑であり、またその有用性も明らかでない。更
に抽出のために用いられるヒト癌化組織としては通常、
大腸癌の転移肝癌が用いられるが原発部組織と完全に一
致する性質を有するものかどうかについては解明されて
いるとは言えない。更にCEAと共通の抗原決定基を有す
るCEA関連抗原が正常組織や新生児胎便中から発見され
ており、NCA〔Nonspecific crossreacting antigen;Pro
ceedings of the National Academy of Sciences of th
e U.S.A.第69巻(1972年),第2492頁〕やNCA-2〔Nonsp
ecific cross-reacting antigen-2;Journal of Immunol
ogy,第111巻(1973年)、第1926頁〕などと名付けられ
ている。これらのCEA関連抗原と交差反応する抗CEA抗体
を利用すると、その交差反応性のためにCEA測定値に影
響を与え、正確な測定値が得られない。
また、EIAで用いられる標識用酵素としては、安定で
高感度測定が可能であり、標識化反応時に損傷を受けな
いことが望ましい。これまでにペルオキシダーゼ、β−
D−ガラクトシダーゼ,アルカリフオスフアターゼ,グ
ルコースオキシダーゼなどが用いられているが、上記の
酵素のうち、ペルオキシダーゼは分子量約4万の極めて
安定な酵素で、酵素活性も高いため最も繁用されてい
る。
ペルオキシダーゼをEIAに利用するにあたって、ペル
オキシダーゼと免疫化学的活性物質とを予め結合させる
必要があるが、通常行なわれている方法では、それぞれ
欠点を有し、改善が切望されていた。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記の事情に鑑み更に検討を重ねたと
ころ、サンドイッチ法によるEIAにおいて2種の抗CEA抗
体を用い、該2種の抗体のうち少なくとも一方がモノク
ローナル抗体を用い、該サンドイッチ法におけるEIAに
おいて標識剤としてペルオキシダーゼを用いこれと抗体
とを一般式 〔式中、nは0ないし5の整数を、Rは化学結合または
2価の6員環状炭化水素残基をそれぞれ示す。〕で表わ
される化合物で結合させたものを用いると、CEAを高感
度、高精度でしかも微量のCEAを測定できることを見い
出し、また、CEAを含有する癌化組織から非イオン性界
面活性剤を含む中性塩溶液で抽出することによりCEAを
変性させることなく精製でき、またこのようにして精製
されたCEAを用いて製造されたCEA反応性モノクローナル
抗体を上記サンドイッチ法によるEIAに用いると、さら
に高精度でCEAを測定することができることを見い出
し、さらに研究した結果、本発明を完成した。
本発明は、(1) 担体上に保持された抗体、抗原お
よび標識剤を結合させた抗体を用いるヒト癌胎児性抗原
の免疫化学的測定法において、担体上に保持される抗体
と標識剤を結合させる抗体とが互いに抗原決定部位を重
複しない2種の抗体であり、担体上に保持される抗体に
おける抗体が、ヒト癌胎児性抗原を含有する癌化組織か
ら、非イオン性界面活性剤を含む中性塩溶液で抽出し精
製されたヒト癌胎児性抗原で免疫された哺乳動物のリン
パ球とミエローマ細胞との融合細胞から得られたヒト癌
胎児性抗原反応性モノクローナル抗体のF(ab′)2
るいはFab′であり、標識剤としてペルオキシダーゼを
用いこれと抗体とを一般式 〔式中、nは0ないし5の整数を、Rは化学結合または
2価の6員環状炭化水素残基をそれぞれ示す。〕で表わ
される化合物で結合させたものを用いることを特徴とす
るヒト癌胎児性抗原の免疫化学的測定法、および (2)、ペルオキシダーゼと抗体とを一般式 〔式中、nは0ないし5の整数を、Rは化学結合または
2価の6員環状炭化水素残基をそれぞれ示す。〕で表わ
される化合物で結合させたもの、およびペルオキシダ
ーゼに結合させる抗体と互いに抗原決定部位を重複せず
ヒト癌胎児性抗原に反応するヒト癌胎児性抗原を含有す
る癌化組織から、非イオン性界面活性剤を含む中性塩溶
液で抽出し精製されたヒト癌胎児性抗原で免疫された哺
乳動物のリンパ球とミエローマ細胞との融合細胞から得
られたヒト癌胎児性抗原反応性モノクローナル抗体のF
(ab′)2あるいはFab′を担体上に保持したものを含有
するヒト癌胎児性抗原の免疫化学的測定用試薬である。
本発明におけるモノクローナル抗体は、ヒト癌胎児性
抗原を含有する癌化組織から、非イオン性界面活性剤を
含む中性塩溶液で抽出し、精製されたヒト癌胎児性抗原
で免疫された哺乳動物のリンパ球とミエローマ細胞との
融合細胞から得られたヒト癌胎児性抗原反応性モノクロ
ーナル抗体であることがさらに好ましい。
また、本発明におけるペルオキシダーゼと抗体との結
合に際し、ペルオキシダーゼにあらかじめチオール基を
導入したものを用いることがさらに好ましい。
本発明において用いられる担体上に保持された抗体に
おける担体としては、たとえば、ゲル粒子(例、アガロ
ースゲル〔例、セフアロース4B,セフアロース6B(フア
ルマシア・フアインケミカル社(スエーデン)製〕,デ
キストランゲル〔例、セフアデックスG−75,セフアデ
ックスG−100,セフアデックスG−200(フアルマシア
・フアインケミカル社製)〕,ポリアクリルアミドゲル
〔例、バイオゲルP−30,バイオゲルP−60,バイオゲル
P−100(バイオラッド・ラボラトリーズ社(米
国))〕,セルロース粒子〔例、アビセル(旭化成
製),イオン交換セルロース(例、ジエチルアミノエチ
ルセルロース,カルボキシメチルセルロース)〕,物理
的吸着剤〔例、ガラス(例、ガラス球,ガラスロッド,
アミノアルキルガラス球,アミノアルキルガラスロッ
ド),シリコン片,スチレン系樹脂(例、ポリスチレン
球,ポリスチレン粒子),イムノアッセイ用プレート
(例、ヌンク社(デンマーク)製)〕,イオン交換樹脂
{例、弱酸性陽イオン交換樹脂〔例、アンバーライトIR
C−50(ローム・アンド・ハース社(米国)製),ゼオ
カーブ226(パームチット社(西ドイツ)製)〕,弱塩
基性陰イオン交換樹脂〔例、アンバーライトIR−4B,ダ
ウエックス3(ダウケミカル社(米国)製)〕}などが
挙げられる。
担体に抗体を保持させるには、公知の常套手段を応用
し得るが、たとえば“代謝",第8巻(1971年),第696
頁に記載されているブロムシアン法,グルタルアルデヒ
ド法などが挙げられる。また、より簡易な方法として物
理的に担体表面に吸着させてもよい。
本発明で用いられる抗体としてはモノクローナル抗CE
A抗体もしくはポリクローナル抗CEA抗体が用いられる。
抗体の製造における免疫に用いる抗原としては、自体公
知の方法〔Krupeyら,イムノケミストリー(Immunochem
istry),第9巻(1972年),第617頁〕で精製したCEA,
更に望ましくは,ヒト癌組織から非イオン性界面活性剤
を含む中性塩溶液により抽出,精製されたCEA画分が用
いられる。
ヒト癌化組織としてはCEAを含有するヒト癌化組織な
らいずれでも用いることができるが、特にヒト大腸癌組
織が望ましい。ヒト大腸癌組織としては、あらゆる段階
の大腸癌組織を用いることができるが、デュークス(Du
kes)CもしくはDの段階のものが望ましい。
非イオン性界面活性剤としては、細胞成分を可溶化で
きるものならばいずれでも良いが、とりわけエチレンオ
キシド系非イオン界面活性剤〔例、Tween 20,Tween 40,
Tween 80,Triton N−101,TritonX−100,Lobrol WX,Brij
i96など、シグマ社(米国)製〕が用いられる。
中性塩としてはたとえば塩化ナトリウム,塩化カリウ
ム,硫酸ナトリウムなどが良好に用いられる。ヒト癌化
組織あたり、約1ないし10倍量の約0.1ないし4%エチ
レンオキシド系非イオン界面活性剤を含む約0.05Mない
し3M塩化ナトリウムもしくは塩化カリウムを抽出用溶媒
として用いることが好ましい。
更にCEAの抽出に際しては、抽出効率を向上させるた
め、攪拌、振盪、超音波処理などを行なってもよい。
上記の方法で得られたCEA抽出液は自体公知の精製手
段(例、ゲルクロマトグラフィー、アフィニティ・クロ
マトグラフィー、ゲル電気泳動法)で更に精製すること
ができる〔Immunochemistry,第9巻(1972年),第617
頁。Cancer Research,第35巻(1975年),第2928頁参
照〕。
これらの精製手段によりCEAの純度を蛋白量あたり約
数パーセントから数10パーセントまでに濃縮することが
できる。
モノクローナル抗CEA抗体はMilsteinらの方法〔ネイ
チュア(Nature),第256巻(1975年),第495頁〕と同
様の方法で作製することができる。例えば、上記精製CE
Aを抗原として免疫して得られたマウス脾細胞とマウス
のミエローマ細胞とを融合させることにより、モノクロ
ーナル抗CEA抗体を分泌する融合細胞(ハイブリドー
マ)を作製することができる。
すなわち、ハイブリドーマは精製CEAであらかじめ免
疫しておいたマウス(たとえばBALB/C系)から得られた
脾細胞と、同系マウスのミエローマ細胞(たとえばNS−
1,PS−U1など)とを細胞融合剤(たとえばポリエチレン
グリコール,センダイウィルスなど)の存在下で混合
し、融合、培養することによって得られる。脾細胞とミ
エローマ細胞との混合比は1:1ないし10:1程度が有利に
用いられる。
このようにして得られたハイブリドーマとしては、後
述の実施例1−(2)で得られたハイブリドーマM0 272
−11(モノクロナール抗体 Mo−T2)が挙げられ、該ハ
イブリドーマは、財団法人発酵研究所に昭和60年(1985
年)3月4日に受託番号IFO 50033として寄託されてい
る。
ハイブリドーマはヒポキサンチン−アミノプチリン−
チミジン培地〔HAT培地:ネイチュアー,第256巻(1975
年),第495頁〕等を用いて選択的に増殖させることが
できる。
細胞培養液中に目的とする抗体が含まれているかどう
かについては自体公知の酵素免疫測定法を用いて検定す
ることができる。CEAは特異性の高い抗体を産生するハ
イブリドーマはさらに通常の限界希釈法によりモノクロ
ーン化される。得られた目的とするハイブリドーマは通
常の液体培地または哺乳動物の腹腔内で増殖させること
ができる。ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗
体は公知の方法(たとえば硫酸アンモニウムによる塩
析、DEAEセルロースカラムクロマトグラフィーなど)に
より濃縮精製される。
モノクローナル抗体はCEAに対して反応性が高く、正
常組織や非担癌患者由来の試料に対しては反応性がはる
かに小さい性質を有する抗体が選ばれる。サンドイッチ
法によるEIA用として2種類のモノクローナル抗体が用
いられる場合、それぞれの抗体の抗原決定部位が異なっ
ているものが選ばれる。
ポリクローナル抗CEA抗体は通常の方法で調製するこ
とができる。即ち、精製CEAがヒト以外の温血動物に接
種される。ヒト以外の温血動物としては、たとえば哺乳
温血動物(例、ウサギ、ヒツジ、ラット、マウス、モル
モット、ウシ、ウマ、ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、ハ
ト、アヒル,ガチョウ、ウズラ)などが挙げられる。該
抗原をヒト以外の温血動物に接種する方法としては、動
物に接種する抗原は抗体を産生するに有効な量でよく、
たとえばウサギに1回約0.1〜10mgを等容量(1ml)の生
理食塩水およびフロインドの完全アジュバントで乳化し
て、背部ならびに後肢掌皮下に4週間おきに5回接種す
ると抗体を産生させ得る場合が多い。
このようにして、温血動物中に形成された抗体を採取
する方法としては、たとえばウサギでは、通常最終接種
後7日から12日の間に耳静脈から採血し、遠心分離して
血清として得られる。得られた抗血清は、公知の方法に
従って塩析し、通常、CEAを保持させた担体を用いるア
フィニティクロマトグラフィーで吸着した画分を回収す
ることによりポリクローナル抗CEA抗体を精製すること
ができる。
本発明で用いられる標識剤を結合させる抗体における
抗体は、モノクローナル抗CEA抗体でもポリクローナル
抗CEA抗体であってもよい。また、抗体分子はIgGでもよ
く、またはそのフラクション{例、F(ab′)2,Fab′
もしくはFab}であってもよい。また、担体上に保持さ
れた抗体における抗体としては、モノクローナル抗CEA
抗体のF(ab′)2またはFab′である。
このようにして得られた抗CEAモノクローナル抗体
は、CEAのサンドイッチ法によるEIAにおける試薬として
用いることができる。
標識剤であるペルオキシダーゼとしては、種々の起源
のものを用いることができるが、その例としてはたとえ
ば西洋わさび,パイナップル,イチジク,甘諸,ソラマ
メ,トウモロコシなどから得られるペルオキシダーゼが
挙げられ、特に西洋わさびから抽出されたホースラディ
ッシュ ペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase)
(HRP)が好ましい。
ペルオキシダーゼと抗体とを化合物〔I〕で結合する
にあたり、あらかじめペルオキシダーゼにチオール基を
導入したものを用いると好都合である。
チオール基をペルオキシダーゼに導入する方法として
は、ペルオキシダーゼのアミノ基を介してチオール基を
導入することができる。たとえば、S−アセチルメルカ
プトサクシニックアンハイドライド(AMSAと略称するこ
ともある;S−acetyl mercaptosuccinic anhydride),N
−サクシニミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオ
ネート〔SPDPと略称することもある;N−succinimidyl3
−(2−pyridyldithio)propionate〕など通常のチオ
ール基導入試薬が有利に用いられる。
したがって、チオール基をペルオキシダーゼとの間に
一定の基が入っていることとなってもよい。
AMSAを用いる場合、ペルオキシダーゼ約0.1ないし10m
gを中性の緩衝液(たとえば0.1Mリン酸緩衝液)約0.2な
いし2mlに溶解し、約0.1ないし4mgのAMSAを約0.01ない
し0.1mlかN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して加え、
約10〜120分間、約4〜35℃で反応させる。次に約0.2〜
2Mヒドロキシルアミンを加えて約4〜35℃で約1〜60分
間反応させ、ゲルクロマトグラフィーで精製してチオー
ル化ペルオキシダーゼを得ることができる。
SPDPを用いる場合、ペルオキシダーゼ約0.1ないし10m
gを中性の緩衝液(たとえば0.1Mリン酸緩衝液)約0.1〜
1mlに溶解し、約0.1〜3mgのSPDPのエタノール溶液を加
えて約4〜35℃で約10〜240分間反応させる。ゲルクロ
マトグラフィーで過剰の試薬を除去したのち、ジチオス
レイトール(dithiothreitol)などの還元用試薬を加え
て還元し、更にゲルクロマトグラフィーで精製してチオ
ール化ペルオキシダーゼを得ることができる。
ペルオキシダーゼと抗体とを結合させる化合物として、
一般式 〔式中、nおよびRは前記と同意義を有する。〕で表わ
される化合物を用いるが、上記式中、Rで表わされる2
価の6員環状炭化水素残基としては、飽和のもの、不飽
和のもののいずれでもよい。飽和の2価の6員環状炭化
水素の例としては、たとえば1,2−,1,3−,1,4−シクロ
ヘキシレンが挙げられ、不飽和の2価の6員環状炭化水
素残基の例としては、たとえば1,2−,1,3−,1,4−フェ
ニレンなどが挙げられる。
該化合物〔I〕において、nとしては1ないし5の整
数が好ましく、特に1が好ましい。Rとしては2価の6
員環状炭化水素残基が好ましく、特に1,4−シクロヘキ
シレンが好ましい。
本発明の方法において用いられる化合物〔I〕は、た
とえばザ・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Th
e Journal of Biochemistry)第79巻233頁(1976年),
ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(European Journal of Biochemistry)第101巻395頁
(1979年)、特開昭52−85163号公報、特開昭52−85164
号公報等に記載の方法あるいはこれらの方法に準じて製
造することができる。たとえば、一般式 〔式中、Xは水酸基またはハロゲン原子を示す。nおよ
びRは前記と同意義を有する。〕で表わされるマレイミ
ド化合物〔II〕と一般式 〔式中、Yは水素原子またはアルカリ金属原子を示
す。〕で表わされるサクシンイミド化合物〔III〕とを
脱水剤あるいは脱酸剤の存在下で反応させることにより
製造することができる。上記一般式において、ハロゲン
原子としては塩素,臭素などが挙げられ、アルカリ金属
原子としてはたとえばナトリウム,カリウムなどが挙げ
られる。また反応に用いられる脱水剤としてはたとえ
ば、硫酸,ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが、脱
酸剤としてはたとえばピリジン,トリエチルアミンなど
が挙げられる。
前記化合物〔II〕は、たとえば特開昭52−85164号公
報に記載の方法あるいはこれに準じて製造することがで
きる。たとえば一般式 〔式中、nおよびRは前記と同意義を有する。〕で表わ
される化合物〔IV〕を脱水閉環せしめることにより得ら
れる。該脱水閉環させるには、脱水剤たとえば無水酢酸
又は無水酢酸と酢酸ナトリウム(無水物)を用い、温和
に加熱することにより反応させることができる。
さらに別法として、ヘルベティカ・キミカ・アクタ(He
lvetica Chimica Acta)第58巻(1975年)531頁に記載
されている方法あるいはこれに準じて製造することがで
きる。たとえば、一般式 〔式中、Zはアルキル基を示す〕で表わされるN−アル
コキシカルボニルマレイミド〔V〕と、一般式 NH2(CH2)nRCOOH 〔VI〕 〔式中、nおよびRは前記と同意義を有する。〕で表わ
されるアミノ酸〔VI〕とを反応させて、一般式 〔式中、nおよびRは前記と同意義を有する。〕で表わ
されるマレイミド化合物〔VII〕を得る。次に一般式〔I
II〕で表わされるサクシンイミド化合物〔III〕を加え
先に述べたと同様の脱水剤もしくは脱酸剤の存在下で反
応させることにより製造することができる。
上記一般式〔V〕で表わされる化合物においてZで表
わされるアルキルとしては、たとえばメチル,エチルが
挙げられる。
ペルオキシダーゼに化合物〔I〕を反応させるには、両
者をpH約6ないし8の緩衝液中で約10ないし50℃の温度
で約10分ないし24時間反応させることによって行なわれ
る。該緩衝液としては、たとえばpH7.0の0.1Mリン酸緩
衝液,pH6.3の0.05Mリン酸緩衝液などが挙げられる。
このようにして得られたマレイミド化ペルオキシダー
ゼの精製は、たとえばゲルクロマトグラフィーなどによ
り行なうことができる。該ゲルクロマトグラフィーを行
なう際に用いられる担体としてはたとえばセファデック
スG−25〔ファルマシア・ファインケミカル社(スエー
デン)製〕,バイオゲルP−2〔バイオ・ラッド・ラボ
ラトリーズ社(米国)製〕などが挙げられる。
マレイミド化ペルオキシダーゼを抗CEA抗体と反応さ
せる場合、抗CEA抗体IgGあるいはペプシン分解して得ら
れたF(ab′)2画分を、メルカプトエチルアミン類の
存在下で還元し、ゲルクロマトグラフィーによって精製
された抗CEA抗体IgGもしくはFab′とマレイミド化ペル
オキシダーゼとを反応させる。
該反応は、両者を緩衝液中で約0℃ないし40℃の温度
で、約1ないし48時間反応させることにより行なうこと
ができる。該緩衝液としては、たとえばpH6.0の5mMエチ
レンジアミン四酢酸ナトリウム塩を含む0.1Mリン酸緩衝
液などが挙げられる。
このようにして得られたペルオキシダーゼ標識抗体
は、たとえばゲルクロマトグラフィーなどにより精製す
ることができる。該ゲルクロマトグラフィーに用いられ
る担体としては、たとえばウルトロゲルAcA44〔LKB社
(フランス)製〕,セファクリルS−200〔ファルマシ
ア・ファインケミカル(スエーデン)製〕などが挙げら
れる。
本発明の測定方法を以下に具体的に説明する。
まず、:担体に保持された抗体に、測定すべきCEA
含有の分析対象物を加えて抗原抗体反応を行った後これ
に前記で得られたペルオキシダーゼと抗CEA抗体との結
合物を加えて反応させる。
本発明の酵素免疫測定法において測定対象となるCEA
を含む被検試料としては、尿,血清,血漿,髄液あるい
は各種臓器抽出物等が挙げられ、とりわけ尿,血清およ
び血漿が繁用される。
:で得られた反応生成物にペルオキシダーゼの基質
を加え、生じた物質の吸光度もしくは蛍光強度を測定す
ることにより上記の反応生成物の酵素活性を知る。
:上記−の操作を既知量のCEAの標準溶液に対し
予め行ない、CEAと吸光度もしくは蛍光強度との関係を
標準曲線として作成しておく。
:未知量のCEAを含む分析対象物について得られた吸
光度もしくは蛍光強度を標準曲線にあてはめ、分析対象
物中のCEA含量を測定する。
本発明のサンドイッチ法によるCEAの免疫化学的測定
法に用いられる定量用キットとしては、 〔A〕主として、 (1) 担体上に保持された抗CEA抗体 (2) 本発明方法により得られたペルオキシダーゼで
標識化された抗CEA抗体(化合物〔I〕を用いて結合さ
れている。) 担体上に保持される抗体は、CEA反応性モノクローナ
ル抗体のF(ab′)2またはFab′である。
(3) 標準CEA (4) 上記(2)〜(3)の試薬および被検試料の希
釈に用いる緩衝液(血清と蛋白性物質とを共存せしめた
約10%牛血清および約1%牛血清アルブミン(以下、BS
Aと略称することもある。)を含むpH約6ないし9のリ
ン酸緩衝液またはグリシン緩衝液が挙げられる。), (5) ペルオキシダーゼ活性測定に必要な試薬。その
一例として蛍光法の場合、酵素基質としてp−ハイドロ
キシフエニル酢酸と過酸化水素、比色法の場合、o−フ
エニレンジアミンと過酸化水素。酵素基質の溶解に用い
る緩衝液(好ましくはリン酸緩衝液)および酵素反応停
止液。
が挙げられる。
〔B〕主として、 (1) 担体上に保持された抗したCEA抗体, (2) 本発明方法により得られたペルオキシダーゼで
標識化された抗CEA抗体(チオール化されたペルオキシ
ダーゼと抗CEA抗体とが化合物〔I〕を用いて結合され
ている。), (3) 標準CEA, (4) 上記(2)〜(3)の試薬および被検試料の希
釈に用いる緩衝液(血清と蛋白性物質とを共存せしめた
約10%ヒツジ血清および約1%牛血清アルブミン(以
下、BSAと略称することもある。)を含むpH約6ないし
9のリン酸緩衝液またはグリシン緩衝液が挙げられ
る。), (5) ペルオキシダーゼ活性測定に必要な試薬。その
一例として蛍光法の場合、酵素基質としてp−ハイドロ
キシフエニル酢酸と過酸化水素、比色法の場合、o−フ
エニレンジアミンと過酸化水素。酵素基質の溶解に用い
る緩衝液(好ましくはリン酸緩衝液)および酵素反応停
止液。
が挙げられる。
さらに〔C〕主として、 (1) 担体上に保持された抗CEA抗体, (2) 本発明方法により得られたペルオキシダーゼで
標識化された抗CEA抗体(チオール化されたペルオキシ
ダーゼと抗CEA抗体とが化合物〔I〕を用いて結合され
ている。) 担体上に保持される抗体は、CEA反応性モノクローナ
ル抗体のF(ab′)2またはFab′である。
(3) 標準CEA, (4) 上記(2)〜(3)の試薬および被検試料の希
釈に用いる緩衝液(血清と蛋白性物質とを共存せしめた
約10%ヒツジ血清および約1%牛血清アルブミン(以
下、BSAと略称することもある。)を含むpH約6ないし
9のリン酸緩衝液またはグリシン緩衝液が挙げられ
る。) (5) ペルオキシダーゼ活性測定に必要な試薬。その
一例として蛍光法の場合、酵素基質としてp−ハイドロ
キシフエニル酢酸と過酸化水素、比色法の場合、o−フ
エニレンジアミンと過酸化水素。酵素基質の溶解に用い
る緩衝液(好ましくはリン酸緩衝液)および酵素反応停
止液。
が挙げられる。
上記のキットは例えば下記の方法により使用すること
ができる。
標準CEAもしくは被検液約10ないし200μlに試薬
(4)を加えて希釈し、一定量の試薬(1)を加えて約
0ないし40℃で約1ないし48時間反応させる。担体を水
洗後、試薬(2)の約10ないし300μlを加えたのち、
約0ないし40℃で反応させる。約1ないし48時間反応
後、担体を洗浄し担体上に結合しているペルオキシダー
ゼ活性を測定する。即ちペルオキシダーゼの基質液約10
〜1000μlを加えて約20〜40℃で約0.2〜24時間反応さ
せたのち、酵素反応を停止させ、反応液中の吸光度もし
くは蛍光強度を測定する。
本発明の免疫化学的分析法用試薬を用いれば、通常の
臨床検査室において簡単な操作でCEAの高感度測定が可
能となる。
実施例 参考例1 過塩素酸抽出法による精製およびモノクロ
ーナル抗体の作製 (1) 抗原の精製 Kyupeyらの方法〔イムノケミストリー(Immuno-Chemist
ry),第9巻(1972年),第617頁〕に準じてCEAを精製
した。すなわち大腸癌組織100gを細断し、これに400ml
の蒸留水を加えてホモジナイザーで氷冷下1時間破砕し
て懸濁液を調製した。次に、等容量の2M過塩素酸を加え
て室温で30分間攪拌して抽出した。次に遠心分離し、そ
の上清について蒸留水に対して透析したのち凍結乾燥し
た。次に0.15MNaClを含む0.05Mリン酸緩衝液を用いてセ
ファロース4B〔ファルマシア製(スエーデン)〕のカラ
ム(2.3cm×100cm)にかけてゲルクロマトグラフィーを
行なった。CEAを含むフラクションを透析し、凍結乾燥
後、更にセファデックスG−200のカラム(2.3cm×100c
m)でゲルクロマトグラフィーを行ない、CEA溶出画分を
透析、凍結乾燥してCEAの精製抗原を得た(3mg)。
(2) モノクローナル抗CEA抗体の作製 前項(1)で得た精製抗原70μgを生理食塩水150μ
lに溶解し、これにフロインドの完全アジュバント〔Fr
eund′s complete adjuvant,“免疫の生化学",橘ら著,
第26頁,共立出版株式会社(1967年)〕250μlを加え
てよく混和して乳剤を作り、これをBALB/Cマウス皮下に
投与した。更に、2週毎に2回、フロインドの不完全ア
ジュバントを用いて免疫し、最終免疫として精製抗原13
0μgを生理食塩水に溶解して得た400μlを静脈投与
し、3日後脾臓を取り出した。次に、Dulbecco′s modi
fied MEM培地でよく洗浄したのち、当該脾細胞1×108
個とマウスミエローマ細胞(P3U1)2×107個とを混合
し、700rpmで15分間遠心してペレットをつくった。次に
ポリエチレングリコール6000をRPMI−1640に45%に溶解
した液0.4mlを加えて、更にRPMI−1640,15mlを徐々に加
えて希釈したのち、700rpmで15分間遠心分離し、細胞を
20%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地100mlに分散させ
た。次に24ウエルの培養プレート〔フロー社製(米
国)〕に上記細胞分散液2.0mlずつ注入し、更に2日目,
5日目,および8日目に培養上清の半量をHAT培地におき
かえた。14日後における培養上清について抗体価を測定
したところ、計120ウエル中12ウエルに陽性を認めた。
次に、これら陽性ハイブリドーマのクローニングを牛
胎児血清20%およびBALB/Cマウス胸腺細胞をフィーダー
(feeder)として加えた。RPMI−1640培地で希釈し、限
界希釈(limiting dilution)法を繰り返して行ない最
終的にはモノクローナル抗CEA抗体を産生する12種類の
ハイブリドーマが得られる。これらを鉱油で処理された
BALB/Cマウスの腹腔内に注入し、2〜3週間後に腹水を
採取することにより、モノクローナル抗CEA抗体を得
た。これらのモノクローナル抗体を硫酸アンモニウム法
で塩析し、それぞれグロブリン画分を得た(M0−K1〜M0
−K12)。
参考例2 過ヨウ素酸架橋法 仲根らの方法〔ザ・ジャーナル・オブ・ヒストケミス
トリー・アンド・サイトケミストリー(The Journal of
Histochemistry and Cytochemistry)第22巻(1974
年)第1084頁〕に従って行なった。7mgの西洋わさびペ
ルオキシダーゼを1mlの0.3M重炭酸ナトリウム溶液(pH
8.1)にとかし、0.1mlの1%1−フルオロ−2,4−ジニ
トロベンゼンを加えて室温で1時間反応させた。次に0.
06MNaIO4 1mlを加えて室温で30分間攪拌したのち、0.16
Mエチレングリコール水溶液1mlを加えて室温で1時間放
置した。0.01M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)に対して
1夜透析した。
後述の参考例3−(2)で得られたモノクローナル抗
CEA抗体ガンマ・グロブリンフラクション(Mo−T3)5mg
を0.01M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)1mlにとかし、
先に調製したアルデヒドペルオキシダーゼと混合して室
温で3時間反応させてから、5mgの水素化硼素ナトリウ
ムに加えて4℃で1夜反応させた。0.15MNaClを含む0.0
1Mリン酸緩衝液(pH7.1)に対して4℃で1夜透析した
後、ウルトロゲルAcA44を充てんしたカラム(1.5cm×4.
5cm)を用いるゲルクロマトグラフィーにかけ、0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH6.5)で溶出させた。後述の参考例4−
(1)と同様に溶出液の280および403nmの吸光度ならび
に酵素活性を測定して目的フラクションを分取した。得
られたモノクローナル抗CEA抗体−HRP複合体はBSAとし
て0.1%、マーチオレートとして0.005%になるようにし
て4℃で保存した。
参考例3 (1) 抗原の精製 大腸癌組織200gを細断し、これに600mlの1%Tween20
〔シグマ社(米国)製〕を含む0.15MNaCl溶液を加えて
ホモジナイザーで氷冷下10分間破砕して懸濁液を調製し
た。さらに超音波発生機で氷冷下1時間処理したのち、
12,000rpm20分間遠心分離した。上清を蒸留水に対して
透析したのち凍結乾燥した。次に0.2Mクエン酸緩衝液
(pH6.5)に溶解し、同じ緩衝液を用いて調製したコン
カナバリンA結合セファロース4B〔ファルマシア製(ス
エーデン)〕のカラム(2.2cm×26cm)にかけた。カラ
ムに保持された物質をα−メチル−D−マンノサイドを
含む緩衝液を用いて溶出した。蒸留水に対して透析した
のち凍結乾燥した。次に0.2Mクエン酸緩衝液(pH6.5)
を用いてウルトロゲルAcA−34〔LKB社製(フランス)〕
のカラム(2.3cm×100cm)にかけてゲルクロマトグラフ
ィーを行ない、280〜350mlの画分を蒸留水に対して透析
し、凍結乾燥してCEAの精製抗原を得た(5mg)。
(2) モノクローナル抗CEA抗体の作製 前項(1)で得た精製抗原70μgを生理食塩水150μ
lに溶解し、これにフロインドの完全アジュバント〔Fr
eund′s complete adjuvant,“免疫の生化学",橘ら著,
第26頁,共立出版株式会社(1967年)〕250μlを加え
てよく混和して乳剤を作り、これをBALB/Cマウス皮下に
投与した。更に、2週毎に2回、フロインドの不完全ア
ジュバントを用いて免疫し、最終免疫として精製抗原13
0μgを生理食塩水に溶解して得た400μlに静脈投与
し、3日後脾臓を取り出した。次に、Dulbecco′s modi
fiedMEM培地でよく洗浄したのち、当該脾細胞1×108
とマウスミエローマ細胞(P3U1)2×107個とを混合
し、700rpmで15分間遠心してペレットをつくった。次に
ポリエチレングリコール6000をRPMI−1640に45%に溶解
した液0.4mlを加えて、更にRPMI−1640 15mlを徐々に加
えて希釈したのち、700rpmで15分間遠心分離し、細胞を
20%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地100mlに分散させ
た。次に24ウエルの培養プレート〔フロー社製(米
国)〕に上記細胞分散液2.0mlずつ注入し、更に2日目,
5日目,および8日目に培養上清の半量をHAT培地におき
かえた。14日後における培養上清について抗体価を測定
したところ、計72ウエル中9ウエルに陽性を認めた。
次に、これら陽性ハイブリドーマのクローニングを牛
胎児血清20%およびBALB/Cマウス胸腺細胞をフィーダー
(feeder)として加えたRPMI−1640培地で希釈し、限界
希釈(limiting dilution)法を繰り返して行ない最終
的にはモノクローナル抗CEA抗体を産生する5種類のハ
イブリドーマが得られた。これらを鉱油で処理されたBA
LB/Cマウスの腹腔内に注入し、2〜3週間後に腹水を採
取することにより、モノクローナル抗CEA抗体を得た。
これらのモノクローナル抗体を硫酸アンモニウム法で塩
析し、それぞれグロブリン画分を得た(M0−T1〜M0−T
6)。
(3) ポリクローナル抗CEA抗体の作製 前項(1)で得た精製抗原2mgを生理食塩水1mlに溶解
し、これにフロインドの完全アジュバント1mlを加えて
よく混和して乳剤を作り、これをウサギの両大腿部筋肉
内および背部皮下数箇所に注射した。以上の操作を3週
毎に5回行ない最終免疫後1週間で採血して抗血清を得
た。硫酸アンモニウム法で塩析してグロブリン画分を調
製したのち、CEA結合セファロース4Bのカラムを用いる
アフィニティ・クロマトグラフィーに供した。カラムに
保持された抗体画分を0.17Mグリシン−塩酸緩衝液(pH
2.3)で溶出することにより、CEAに強い親和性を有する
ポリクローナル抗体を得た。
(4) モノクローナル抗体の反応性の比較 前項(2)および参考例1で得られた各種モノクロー
ナル抗体のCEAおよび関連抗原に対する反応性を調べ
た。
試薬: 前項(2)および参考例1で得られたモノクローナ
ル抗CEA抗体感作マイクロプレート 西洋わさびペルオキシダーゼ(以下HRPと略称す
る)標識抗CEA抗体複合体〔DAKOBiochemicals社(デン
マーク)製〕 CEAおよびCEA関連抗原 緩衝液B(10%子牛血清、0.15MNaClを含むpH7.0の
0.02Mリン酸緩衝液)、緩衝A(0.15MNaClを含むpH7.0
の0.02M リン酸緩衝液) ペルオキシダーゼ活性測定に必要な試薬 0.02%過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを含
むpH4.8の0.1Mクエン酸一リン酸二ナトリウム緩衝液お
よび反応停止液(2N−硫酸)。
抗体感作マイクロプレートの調製: EIA用イムノプレート1〔ヌンク社(デンマーク)
製〕の各ウエルに0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈して
調製した前項(2)あるいは参考例1のモノクローナル
抗CEA抗体溶液(50μg/ml)を100μlずつ注入して4℃
で一夜放置して感作させた。0.1%BSAを含む0.01Mリン
酸緩衝液(pH7.0)で洗浄したのち、用時まで冷所保存
した。
測定: 緩衝液Bに溶解させたCEAあるいはCEA関連抗原標準溶
液100μlを各ウエルに注入し、37℃で3時間反応させ
た。各ウエルを緩衝液Aで洗浄後、HRP標識抗CEA複合体
溶液(HRPとして30ng/ウエル)100μlを加えて25℃で
3.5時間さらに反応させた。緩衝液Aで洗浄し、これに
0.02%過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを含
む0.1Mクエン酸一リン酸二ナトリウム緩衝液(pH4.8)1
00μlを加えて30℃で30分間反応させ、2N−硫酸100μ
lずつ加えて反応を停止させてから、マイクロプレート
用自動比色計〔タイターテック・マルチスキャン;フロ
ー社(米国)製〕を用い、ブランクを対照にして490nm
における吸光度を測定した。
結果を第1表に示したが、前記(2)で得られたモノ
クローナル抗CEA抗体は、6抗体中4抗体でCEA関連抗原
であるNCA(nonspecific cross-reacting antigen)やN
CA−2(nonspecific cross-reacting antigen−2)
と反応せず、したがって高い確率でCEAに特異的なモノ
クローナル抗CEA抗体の得られることが分った。一方、
参考例1で得られたモノクローナル抗CEA抗体は12抗体
中1抗体(M0−K6)だけがNCAならびにNCA−2とは反応
せず残りの11抗体はこれらのCEA関連抗原と反応した。
実施例1 (1) モノクローナル抗体〔F(ab′)2フラグメン
ト)の製造 参考例3−(2)で得られたモノクローナル抗CEA抗
体γ−グロブリンフラクション(M0−T4)5mgを0.1M酢
酸緩衝液(pH3.0)1mlに溶解し、0.5mgのペプシン1:60,
000(シグマ社製,USA)を加え、37℃で1時間反応させ
た。中和後ウルトロゲルAcA44(LKB社製,スウェーデ
ン)カラム(直径2cm,長さ75cm)によるゲルクロマトで
精製し、モノクローナル抗CEA抗体(F(ab′)2フラグ
メント)を得た。
(2) モノクローナル抗CEA抗体(Fab′フラグメン
ト)の製造 前項(1)で得られたモノクローナル抗CEA抗体(F
(ab′)2フラグメント)を1mMエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム塩を含む0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)で一夜透
析した後、透析液10mlに対し0.15M2メルカプトエチルア
ミン1mlを加え、37℃で2時間反応させた。反応後セフ
ァデックスG−25カラム(直径1.5cm,長さ25cm)による
ゲルクロマトグラフィーで精製し、モノクローナル抗CE
A抗体(Fab′フラグメントを得た。
参考例4 (1) ポリクローナル抗CEA抗体(Fab′)−HRP複合
体の製造 (a) マレイミド基の導入 6mgの西洋わさびペルオキシダーゼ〔ベーリンガーマ
ンハイム社(西ドイツ)製〕を1mlの0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.0)に溶解し、50μlのN,N−ジメチルホルムアミ
ドにとかした結合試薬MMC(一般式〔I〕において、n
=1,R=シクロヘキシレンである化合物)4.8mgを加えて
30℃で60分間攪拌しながら反応させた。生成した沈殿を
遠心分離して除去し、上清をセフアデックスG−25のカ
ラム(1.0×45cm)に通し、0.1Mリン酸緩衝液で溶出さ
せた。タンパクを含む画分を分取し、コロジオン膜を用
いて濃縮した。このようにして調製したマレイミド化ペ
ルオキシダーゼにおいてペルオキシダーゼ1分子あたり
導入されたマレイミド基の数は1.0〜1.2個であった(ペ
ルオキシダーゼの分子量を40,000,▲E280nm 1%▼=22.7
5として計算)。
(b) マレイミド化ペルオキシダーゼと抗CEA抗体(F
ab′フラグメント)との複合体の製造 参考例3−(3)で得られたポリクローナル抗CEA抗
体5mgに0.1mgのペプシンを加え30℃で一夜反応後、セフ
ァデックスG−150カラム(直径2.5cm,長さ55cm)で精
製した。得られた抗体F(ab′)2画分を2−メルカプ
トエチルアミンで還元し、セファデックスG−25のカラ
ムによるゲルクロマトグラフィーで精製してウサギ抗CE
A抗体(Fab′フラグメント)を得た。
上記(a)で調製したマレイミド化ペルオキシダーゼ
1.5mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.15mlに溶解し、先
に得た抗CEA抗体(Fab′フラグメント)1.8mgをとかし
た5mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩を含む0.1M
リン酸緩衝液(pH6.0)0.15mlを加えて4℃で20時間反
応させた。反応後、ウルトロゲルAcA44を充てんしたカ
ラム(1.5×45cm)を用いるゲルクロマトグラフィーに
かけ、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で溶出させた。溶出
液の280nmの吸光度ならびに酵素活性を測定した。ペル
オキシダーゼとウサギ抗CEA抗体(Fab′フラグメント)
との複合体が生成していることを、以下の方法で確認し
た。
まず、酵素活性の測定はギルバルトらの方法〔アナリ
ティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry),第
40巻(1968年),1256頁〕で行なった。即ち、溶出液の
各フラクションを0.1%ウシ血清アルブミンを含む0.1M
リン酸緩衝液(pH7.0)で1800倍に希釈した。この10μ
lに0.1%ウシ血清アルブミンを含む0.05M酢酸ナトリウ
ム緩衝液(pH5.0)に溶解した0.5%p−ハイドロキシフ
エニル酢酸0.25mlを加えて混合し30℃で5分間インキュ
ベートした。次に0.01%過酸化水素0.05mlを加えて30℃
で20分反応させた。0.1Mグリシン緩衝液(pH10.3)2.5m
lを加えて酵素反応を停止させ、1μg/mlのキニンの蛍
光強度を100とし励起光320nmにおける405nmの蛍光強度
を測定した。結果を第1図に示す。第1図において、 は280nmにおける吸光度を、 はペルオキシダーゼ活性(蛍光強度として)をそれぞれ
示す。フラクション38付近においてペルオキシダーゼと
抗CEA抗体(Fab′フラグメント)との複合体の生成が極
めて良好であることが分かった。
(2) モノクローナル抗CEA抗体(Fab′)−HRP複合
体の製造 参考例3−(2)で得られたモノクローナル抗CEA抗
体γ−グロブリンフラクション(M0−T3)5mgを0.1M酢
酸緩衝液(pH4.2)1mlに溶解し0.25mgのペプシンを加え
37℃で一夜反応させる。中和後セファデックスG−150
カラム(直径2.5cm,長さ55cm)で精製した。得られたF
(ab′)2画分を2−メルカプトエチルアミンで還元
し、セファデックスG−25のカラムによるゲルクロマト
グラフィーで精製してモノクローナル抗CEA抗体(Fab′
フラグメント)を得た。
次に前項(1)−(a)で調製したマレイミド化ペル
オキシダーゼ1.5mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.15ml
に溶解し、先に得たモノクローナル抗CEA抗体(Fab′フ
ラグメント)1.8mgをとかした5mMエチレンジアミン四酢
酸ナトリウム塩を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.15m
lを加えて4℃で一夜反応させた。反応後、ウルトロゲ
ルAcA44を充てんしたカラム(1.5×45cm)を用いるゲル
クロマトグラフィーにかけ、0.05Mリン酸緩衝液(pH6.
5)で溶出させた。前項(1)と同様に溶出液の280nmの
吸光度ならびに酵素活性を測定して目的フラクションを
分取した。得られたモノクローナル抗CEA抗体(Fab′)
−HRP複合体はBSAとして0.1%、マーチオレートとして
0.005%になるように調整して4℃で保存した。
(3) モノクローナル抗CEA抗体(IgG)−HRP複合体
の製造 参考例3−(2)で得られたモノクローナル抗CEA抗
体ガンマグロブリンフラクション(M0−T2)5mgを0.1M
リン酸緩衝液(pH6.5)1mlに溶解し40μlのN,N−ジメ
チルホルムアミドにとかした結合試薬MMC(一般式
〔I〕において、n=1,R=シクロヘキシレンである化
合物)0.22mgを加えて25℃で45分間攪拌しながら反応さ
せた。生成した沈殿を遠心分離して除去し、上清をセフ
ァデックスG−25のカラム(1.0×45cm)に通し、0.1M
リン酸緩衝液(pH6.8)で溶出させた。タンパクを含む
画分を分取し、コロジオン膜を用いて濃縮した。このよ
うにして調製したマレイミド化IgGにおいてIgG1分子あ
たり導入されたマレイミド基の数は5.9個であった。
別に、10mgのHRPを1.4mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH6.
5)に溶解し、100μlのエタノールにとかした結合試薬
SPDP〔N−サクシニミジル−3−(2−ピリジルジチ
オ)−プロピオネート;N−succinimidyl−3−(2−py
ridyldithio−propionate)1.25mgを加えて25℃で30分
間攪拌しながら反応させた。反応液はセファデックスG
−25のカラム(1.0×45cm)に通し0.1M酢酸緩衝液(pH
5.0)で溶出させてSPDPを除去した。次にジチオスレイ
トール(dithiothreitol)17mgを加えて還元し、再びセ
ファデックスG−25のカラム(1.0cm×45cm)を用いる
ゲルクロマトグラフィーで精製してチオール化HRPを得
た。
次に先に調製し0.2mlに濃縮したマレイミド化IgG3mg
と、0.2mlに濃縮したチオール化HRP6mgとを4℃で16時
間反応させた。反応後、ウルトロゲルAcA44〔LKB社製
(フランス)〕を充てんしたカラム(1.5cm×45cm)を
用いるゲルクロマトグラフィーにかけ、0.1Mリン酸緩衝
液(pH6.5)で溶出させた。前項(1)と同様に溶出液
の280nmの吸光度ならびに酵素活性を測定して目的フラ
クションを分取した。得られたモノクローナル抗CEA抗
体(IgG)−HRP複合体はBSAとして0.1%、マーチオレー
トとして0.005%になるように調整して4℃で保存し
た。
(4) モノクローナル抗CEA抗体(IgG)−HRP複合体
の製造 参考例3−(2)で得られたモノクローナル抗CEA抗
体ガンマグロブリンフラクション(M0−T2)5mgを0.1M
リン酸緩衝液(pH6.5)1mlに溶解し、0.6mgのS−アセ
チルメルカプトサクシニックアンハイドライド(S−ac
etylmercapto succinic anhydride)を40μlのN,N−ジ
メチルホルムアミドに溶解して加え30分間25℃で反応さ
せた。0.1Mトリス緩衝液(pH7.0)0.2mlおよび1Mヒドロ
キシルアミン0.2mlを加えて、さらに5分間30℃で反応
させたのち、セファデックスG−25のカラム(1.0×45c
m)を用いるゲルクロマトグラフィーで精製してチオー
ル化モノクローナル抗CEA抗体(IgG)を得た。
次に前項(1)−(a)で調製したマレイミド化ペル
オキシダーゼ1.5mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.2ml
に溶解し、先に得たチオール化モノクローナル抗CEA抗
体(IgG)3mgと5mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム
塩とを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.2mlを加えて4
℃で一夜反応させた。反応後、ウルトロゲルAcA34を充
てんしたカラム(1.5×45cm)を用いるゲルクロマトフ
ラフィーにかけ、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で溶出さ
せた。前項(1)と同様に溶出後の280nmの吸光度なら
びに酵素活性を測定して目的フラクションを分取した。
得られたモノクローナル抗CEA(IgG)−HRP複合体はBSA
として0.1%、マーチオレートとして0.005%になるよう
に調整して4℃に保存した。
(5)モノクローナル抗CEA抗体(F(ab′)2)−HRP
複合体の製造 参考例3−(2)で得られたモノクローナル抗CEA抗
体γ−グロブリンフラクション(Mo−T2)25mgを0.1M酢
酸緩衝液(pH3.0)5mlに溶解し、2.5mgのペプシンを加
え、37℃で1時間反応させた。中和後ウルトロゲルAcA4
4カラム(直径2cm,長さ75cm)によるゲルクロマトで精
製し、モノクローナル抗CEA抗体(F(ab′)2フラグメ
ント)を得た。
次に、モノクローナル抗CEA抗体(F(ab′)2フラグ
メント)5mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)1mlに溶解し4
0μlのN,Nジメチルホルムアミドにとかした結合試薬MM
C(一般式〔I〕において、n=1,R=シクロヘキシレン
である化合物)0.22mgを加えて25℃で45分間攪拌しなが
ら反応させた。生成した沈殿を遠心分離して除去し、上
清をセファデックスG−25のカラム(1.0cm×45cm)に
通し、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)で溶出させた。タン
パクを含む画分を分取し、コロジオン膜を用いて濃縮し
マレイミド化F(ab′)2を得た。
別に、10mgのHRPを1.4mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH6.
5)に溶解し、100μlのエタノールにとかした結合試薬
SPDP〔N−サクシニミジル−3−(2−ピリジルジチ
オ)−プロピオネート;N−succinimidy1−3−(2−py
ridyldithio)−propionate〕1.25mgを加えて25℃で30
分間攪拌しながら反応させた。反応液はセファデックス
G−25のカラム(1.0cm×45cm)に通し0.1M酢酸緩衝液
(pH5.0)で溶出させてSPDPを除去した。次にジチオス
レイトール(dithiothreitol)17mgを加えて還元し、再
びセファデックスG−25のカラム(1.0cm×45cm)を用
いるゲルクロマトグラフィーで精製してチオール化HRP
を得た。
次に先に調製し0.2mlに濃縮したマレイミド化F(a
b′)23mgと、0.2mlに濃縮したチオール化HRP6mgとを4
℃で16時間反応させた。反応後、ウルトロゲルAcA44〔L
KB社製(フランス)〕を充てんしたカラム(1.5cm×45c
m)を用いるゲルクロマトグラフィーにかけ、0.1Mリン
酸緩衝液(pH6.5)で溶出させた。前項(1)と同様に
溶出液の280nmの吸光度ならびに酵素活性を測定して目
的フラクションを分取した。得られたモノクローナル抗
CEA抗体F(ab′)2−HRP複合体はBSAとして0.1%、マ
ーチオレートとして0.005%になるように調整して4℃
で保存した。
参考例5 各種HRP複合体の比較(感度、非特異的吸着) 参考例4で得られたHRP複合体の性能について調べる
ためEIAを行なった。EIA用の試薬として、次のものを用
いた。
試薬: 抗CEA抗体感作マイクロプレート 参考例2および4で得られたHRP複合体、あるいはD
AKOイムノグロブリン社製(デンマーク)抗CEA抗体HRP
複合体 標準CEA 緩衝液B(10%子牛血清、0.15MNaClを含むpH 7.0
の0.02Mリン酸緩衝剤),緩衝液A(0.15MNaClを含むpH
7.0の0.02Mリン酸緩衝液) ペルオキシダーゼ活性測定に必要な試薬0.02%過酸
化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを含むpH4.8の
0.1Mクエン酸一リン酸二ナトリウム緩衝液および反応停
止液(2N−硫酸) 抗体感作マイクロプレートの調製: EIA用イムノプレートI〔ヌンク社(デンマーク)
製〕の各ウエルにポリクローナル抗CEA抗体〔ダコ・イ
ムノグロブリン社(デンマーク)製〕を0.1M炭酸緩衝液
(pH9.6)で希釈して調製した抗体溶液(50μg/ml)を1
00μlずつ注入して4℃で一夜放置して感作させた。0.
1%BSAを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄したの
ち、用時まで冷所保存した。
測定: 緩衝液Bに溶解させたCEA標準溶液100μlを各ウエル
に注入し、37℃で3時間反応させた。各ウエルを緩衝液
Aで洗浄後、参考例4で得られたHRP複合体あるいはダ
コ・イムノグロブリン(DAKO Immunoglobulins)社製ポ
リクローナル抗CEA抗体−HRP複合体溶液(それぞれ酵素
活性一定;HRPとして30ng/ウエル)100μlを加えて25℃
で3.5時間さらに反応させた緩衝液Aで洗浄し、これに
0.02%過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを含
む0.1Mクエン酸一リン酸二ナトリウム緩衝液(pH4.8)1
00μlを加えて30℃で30分間反応させ、2N−硫酸100μ
lずつ加えて反応を停止させてから、マイクロプレート
用自動比色計〔タイターテック・マルチスキャン・フロ
ー社(米国)製〕を用い、ブランクを対照にして490nm
における吸光度を測定した。結果を第2表に示したが、
参考例2で得られたHRP複合体およびダコ・イムノグロ
ブリン社製HRP複合体〔2ステップ グルタルアルデヒ
ド法;イムノケミストリー(Immuno-chemistry)、第8
巻(1971年)、第1175頁〕と比べて参考例4で得られた
HRP複合体はそれぞれウエルへの非特異的吸着は極めて
小さく、また高感度を与えた。
実施例2 (a) 各種担体保持抗体の比較(添加回収試験) 実施例1および参考例3で得られた各種担体保持抵抗
の性能にについて調べるためEIAを行なった。EIA用の試
薬として、下記のものを用い、正常な人血清について添
加回収試験を行なった。
試薬 (1) 実施例1および参考例3で得られた各種抗CEA
抗体の感作ポリスチレン球 (2) 参考例4、(3)で得られたペルオキシダーゼ
標識抗CEA抗体複合体 (3) 標準CEA (4) 上記(2),(3)の試薬の希釈上用いる緩衝
液E:10%羊血清,0.1%牛血清アルブミン,0.1MNaClを含
むpH7.2の0.01Mリン酸緩衝液 (5) O−フェニレンジアミン (6) 上記(5)の溶解に用いる緩衝液D:0.02%過酸
化水素,0.002%メルチオレートを含むpH4.8の0.1Mクエ
ン酸緩衝液 (7)停止液:2N硫酸 各種抗CEA抗体感作ポリスチレン球の調製: 0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈して調製した参考例
3(2),実施例1の(1),(2)項のモノクローナ
ル抗CEA抗体溶液(100μg/ml)100ml中にポリスチレン
球(直径6.5mm,株式会社イチコ)700個を浸し、5℃で
3日間放置して感作させた。更に、1%BSAを含む0.02M
リン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄した後、用時まで冷却保
存した。
操作: 標準CEA溶液あるいは被検試料50μlに試薬(1)1
個および試薬(4)で希釈した試薬(2)250μl(複
合体として約200ng)を添加し、37℃で1時間反応させ
た。ポリスチレン球を精製水で水洗し、試薬(6)で溶
解した0.2%の試薬(5)500μlを加えて、室温で30分
間反応させた後、2NH2SO4 1.5mlを添加して反応を停止
させ、492nmの吸光度を測定した。
上記の操作方法により、正常人血清検体にCEAを10ng/
ml添加して添加回収試験を行なった。その際、血清検体
について前処理(56℃,30分間加温)した場合と前処理
しない場合について添加回収率を比較検討した。結果を
表3表に示す。血清検体を前処理した場合、いずれの担
体保持抗体も良い添加回収率を示した。しかし前処理し
ない場合、モノクローナル抗CEA抗体γ−グロブリンで
は血清中のインヒビターの影響のためか添加回収率は低
かったが、F(ab′)2−1およびFab′フラグメントで
は良い添加回収率を示した。
(b) CEAの免疫化学的測定キットおよびCEAの測定 下記のCEA免疫化学的測定キットを用い、下記の操作
法に従って正常人および担癌患者血清中のCEA濃度を測
定した。
CEAの免疫化学的測定キット: (1) 実施例1−(1)で得られたモノクローナル抗
CEA抗体F(ab′)2フラグメント(M0−T4)の100μg/m
l 0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)100ml中にポリス
チレン球(直径6.5mm,株式会社イチコ製)700個を浸
し、5℃で3日間インキュベートし、更に1%BSAを含
む0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄してなる抗体感作
ポリスチレン球 (2) 参考例4−(5)で得られるペルオキシダーゼ
標識抗CEA抗体複合体 (3) 0〜200ngの標準CEA (4) 上記(2),(3)の試薬および被検試料の希
釈上用いる緩衝液E:10%羊血清,0.1%牛血清アルブミ
ン,0.1M NaClを含むpH7.2の0.01Mリン酸緩衝液 (5) O−フェニレンジアミン (6) 上記(5)の溶解に用いる緩衝液D:0.02%過酸
化水素,0.002%メルチオレートを含むpH4.8の0.1Mクエ
ン酸緩衝液 (7) 停止液:2N硫酸 操作方法 標準CEA溶液あるいは被検試料50μlに試薬(1)1
個および試薬(4)で希釈した試薬(2)250μl(複
合体として約200ng)を添加し、37℃で1時間反応させ
た。ポリスチレン球を精製水で水洗し、試薬(6)で溶
解した0.2%の試薬(5)500μlを加えて、室温で30分
間反応させた後、2NH2SO41.5mlを添加して反応を停止さ
せ、492nmの吸光度を測定した。
上記の方法により、正常人および担癌患者血清中のCE
A濃度を測定した。
結果は第4表に示される。
測定の結果、正常人血清のCEA値は0.5〜2.5ng/ml(平
均1.4ng/ml)であったが各種癌患者血清のCEA値は高値
を示し、最大138ng/mlとなった。
(c) CEAの免疫化学的測定キットおよびCEAの測定 下記のCEA免疫化学的測定キットを用い、下記の操作
法に従って正常人および担癌患者血清中のCEA濃度を測
定した。
CEAの免疫化学的測定キット: (1) 実施例1−(1)で得られたモノクローナル抗
CEA抗体F(ab′)2フラグメント(M0−T4)の100μg/m
l 0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)100ml中にポリス
チレン球(直径6.5mm,株式会社イチコ製)700個を浸
し、5℃で3日間インキュベートし、更に1%BSAを含
む0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄してなる抗体感作
ポリスチレン球 (2) 参考例4−(3)で得られるペルオキシダーゼ
標識抗CEA抗体複合体 (3) 0〜200ngの標準CEA (4) 上記(2),(3)の試薬および被検試料の希
釈上用いる緩衝液E:10%羊血清,0.1%牛血清アルブミ
ン,0.1M NaClを含むpH7.2の0.01Mリン酸緩衝液 (5) O−フェニレンジアミン (6) 上記(5)の溶解に用いる緩衝液D:0.02%過酸
化水素,0.002%メルチオレートを含むpH4.8の0.1Mクエ
ン酸緩衝液 (7)停止液:2N硫酸 操作方法 標準CEA溶液あるいは被検試料50μlに試薬(1)1
個および試薬(4)で希釈した試薬(2)250μl(複
合体として約200ng)を添加し、37℃で1時間反応させ
た。ポリスチレン球を精製水で水洗し、試薬(6)で溶
解した0.2%の試薬(5)500μlを加えて、室温で30分
間反応させた後、2NH2SO41.5mlを添加して反応を停止さ
せ、492nmの吸光度を測定した。
上記の方法により、正常人および担癌患者血清中のCE
A濃度を測定し、第4表と同様の結果が得られた。
参考例6 CEAの免疫化学的測定キットおよびCEAの測定 下記のCEA免疫化学的測定キットを用い、下記の操作
法に従って正常人および担癌患者血清中のCEA濃度を測
定した。
CEAの免疫化学的測定キット: (1) 参考例3.(2)で得られたモノクローナル抗CE
A抗体ガンマグロブリンフラクション(M0−T4)の15μg
/ml0.01M NaCl−0.01Mリン酸緩衝液(pH8.0)100ml中に
ポリスチレン球(直径4.8mm、Precision Plastics Ball
Co.,Chicago,U.S.A.)1500個を浸し、5℃で1夜イン
キュベートし、更に0.1%BSAを含む0.05Mリン酸緩衝液
(pH7.0)で洗浄してなる抗体感作ポリスチレン球 (2) 参考例4.(3)で得られるペルオキシダーゼ標
識抗CEA抗体複合体 (3) 0〜200ngの標準CEA (4) 上記(3)の試薬および被検試料の希釈上用い
る緩衝液Bおよび緩衝液A(参考例5参照) (5) o−フェニレンジアミン (6)上記(2)の試薬の希釈に用いる緩衝液C;0.1%
ウシ血清アルブミン,0.002%メルチオレートを含むpH7.
5の0.1Mリン酸緩衝液 (7) 上記(5)の溶解に用いる緩衝液D;0.02%過酸
化水素0.002%メルチオレートを含むpH4.8の0.1Mクエン
酸緩衝液 (8) 停止液;2N硫酸 操作方法 標準CEA溶液あるいは被検試料50μl(非働化したも
の)に試薬(4)緩衝液B250μlおよび試薬(1)1個
を添加し、室温で1日間反応させた。ポリスチレン球を
緩衝液Aで水洗後、試薬(6)で希釈した試薬(2)30
0μl(複合体として約30ng)を添加し、4℃で1日間
反応させた。ポリスチレン球を緩衝液Aで水洗し、試薬
(7)で溶解した0.15%の試薬(5)500μlを加えて
室温で40分間反応させたのち、2N硫酸1.5mlを添加して
反応を停止させ、492nmの吸光度を測定した。
上記の方法により、正常人および担癌患者血清中のCE
A濃度を測定した。結果は第5表に示される。
測定の結果、正常人血清のCEA値は0.5〜1.2ng/ml(平
均1.0ng/ml)であったが各種癌患者血清のCEA値は高値
を与え最大565ng/mlとなった。
参考例7 CEA測定用免疫化学的測定試薬: CEAを測定するための試薬として、次のものが挙げら
れ、また測定方法として次のものが挙げられる。
試薬: 抗CEA抗体感作マイクロプレート 参考例4−(4)で得られた抗CEA抵抗HRP複合体 標準CEA 緩衝液B(10%子牛血清、0.15M NaClを含むpH7.0
の0.02Mリン酸緩衝液),緩衝液A(0.15M NaClを含むp
H7.0の0.02Mリン酸緩衝液) ペルオキシダーゼ活性測定に必要な試薬: 0.02%過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを
含むpH4.8の0.1Mクエン酸−リン酸二ナトリウム緩衝液
および反応停止液(2N−硫酸) 抗体感作マイクロプレートの調製: EIA用イムノプレート1〔ヌンク社(デンマーク)
製〕の各ウエルにモノクローナル抗CEA抗体γ−グロブ
リン・フラクション(M0−K5)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.
6)で希釈して調製した抗体溶液(50μg/ml)を100μl
ずつ注入して4℃で一夜放置して感作させる。0.1%BSA
を含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄したのち、用
時まで冷所保存する。
測定: 緩衝液Bに溶解させたCEA標準溶液あるいは被検試料1
00μl(あらかじめ非働化した被検試料を希釈した液)
を各ウエルに注入し、37℃で3時間反応させる。各ウエ
ルを緩衝液Aで洗浄後、参考例4−(4)で得られた抗
CEA抗体−HRP複合体溶液100μlを加えて25℃で3.5時間
さらに反応させる。ウエルを緩衝液Aで洗浄し、これに
0.02%過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを含
む0.1Mクエン酸一リン酸二ナトリウム緩衝液(pH4.8)1
00μlを加えて30℃で30分間反応させ、2N−硫酸100μ
lずつ加えて反応を停止させてから、マイクロプレート
用自動比色計〔タイターテック・マルチスキャン・フロ
ー社(米国)製〕を用い、490nmにおける吸光度を測定
する。
参考例8 CEA測定用免疫化学的測定試薬およびCEAの測定: 次に挙げるCEA測定用免疫化学的測定試薬を用い、次
に述べる方法で正常人と担癌患者との血清中のCEAを測
定した。
試薬: 抗CEA抗体感作マイクロプレート 参考例4−(3)で得られた抗CEA抗体HRP複合体 標準CEA 緩衝液B(10%子牛血清、0.15M NaClを含むpH7.0
の0.02Mリン酸緩衝液),緩衝液A(0.15M NaClを含むp
H7.0の0.02Mリン酸緩衝液) ペルオキシダーゼ活性測定に必要な試薬: 0.02%過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを
含むpH4.8の0.1Mクエン酸一リン酸二ナトリウム緩衝液
および反応停止液(2N−硫酸) 抗体感作マイクロプレートの調製: EIA用イムノプレート1〔ヌンク社(デンマーク)
製〕の各ウエルに参考例1−(2)で得られたモノクロ
ーナル抗CEA抗体γ−グロブリン・フラクション(M0−K
5)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈して調製した抗体
溶液(50μg/ml)を100μlずつ注入して4℃で一夜放
置して感作させた。0.1%BSAを含む0.01Mリン酸緩衝液
(pH7.0)で洗浄したのち、用時まで冷所保存した。
測定: 緩衝液Bに溶解させたCEA標準溶液あるいは被検試料1
00μl(あらかじめ非働化した被検試料を希釈した液)
を各ウエルに注入し、37℃で3時間反応させた。各ウエ
ルを緩衝液Aで洗浄後、参考例4−(3)で得られた抗
CEA抗体−HRP複合体溶液100μlを加えて25℃で3.5時間
さらに反応させた。ウエルを緩衝液Aで洗浄し、これに
0.02%過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを含
む0.1Mクエン酸一リン酸二ナトリウム緩衝液(pH4.8)1
00μlを加えて30℃で30分間反応させ、2N−硫酸100μ
lずつ加えて反応を停止させてから、マイクロプレート
用自動比色計〔タイターテック・マルチスキャン・フロ
ー社(米国)製〕を用い、ブランクを対照にして490nm
における吸光度を測定した。結果を第6表に示した。
参考例9 CEA測定用免疫化学的測定試薬: CEAを測定するための試薬として、次のものが挙げら
れ、また測定方法として次のものが挙げられる。
試薬: (1) 参考例1(2)で得られたモノクローナル抗CE
A抗体ガンマグロブリンフラクション(M0−K5)の15μg
/ml0.01M NaCl−0.01Mリン酸緩衝液(pH8.0)100ml中に
ポリスチレン球(直径4.8mm、Precision Plastics Ball
Co.,Chicago,U.S.A.)1500個を浸し、5℃で1夜イン
キュベートし、更に0.1%BSAを含む0.05Mリン酸緩衝液
(pH7.0)で洗浄してなる抗体感作ポリスチレン球 (2) 参考例4.(3)で得られたペルオキシダーゼ標
識抗CEA抗体複合体 (3) 0〜200ngの標準CEA (4) 上記(3)の試薬および被検試料の希釈上用い
る緩衝液Bおよび緩衝液A(参考例5参照) (5) o−フェニレンジアミン (6) 上記(2)の試薬の希釈に用いる緩衝液C;0.1
%ウシ血清アルブミン,0.002%メルチオレートを含むpH
7.5の0.1Mリン酸緩衝液 (7) 上記(5)の溶解に用いる緩衝液D;0.02%過酸
化水素0.002%メルチオレートを含むpH4.8の0.1Mクエン
酸緩衝液 (8) 停止液;2N硫酸 操作方法 標準CEA溶液あるいは被検試料50μl(非働化したも
の)に試薬(4)緩衝液B250μlおよび試薬(1)1個
を添加し、室温で1日間反応させる。ポリスチレン球を
緩衝液Aで水洗後、試薬(6)で希釈した試薬(2)30
0μl(複合体として約30ng)を添加し、4℃で1日間
反応させる。ポリスチレン球を緩衝液Aで水洗し、試薬
(7)で溶解した0.15%の試薬(5)500μlを加えて
室温で40分間反応させたのち、2N硫酸1.5mlを添加して
反応を停止させ、492nmの吸光度を測定する。
発明の効果 本発明の試薬を用いると、高感度かつ正確にCEAが測
定され、大腸癌などの消化器癌や他の癌などの診断、予
後管理などに対して極めて有用である。すなわち、本発
明におけるチオール基を導入したペルオキシダーゼで標
識された抗体を用いた場合は、固相に対する非特異的な
吸着が小さいのでCEAの測定の盲検値が小さくしたがっ
て測定の信頼性が増大する。また、本発明で得られたモ
ノクローナル抗体はCEAに対して親和性が強く、他のCEA
関連抗原に対する交差反応性がはるかに小さいので被検
液に同時に存在するCEA関連抗原からの影響を受け難
い。更に、モノクローナル抗体を試薬の構成成分として
いるので製品の供給が容易であり、測定の再現性が高
い。
また、本発明の方法で得られたCEAを免疫原として作
製されたモノクローナル抗CEA抗体は、CEAに対する反応
性が高くしかもCEA関連抗原NCA,NCA−2との交差反応を
有しないモノクローナル抗CEA抗体である頻度が高く、
従ってモノクローナル抗CEA抗体作製方法として有用で
ある。
これらの選択されたモノクローナル抗CEA抗体は免疫
化学的診断剤を構成する成分として利用することができ
る。例えばサンドイッチ法による酵素免疫試験法におい
ては担体上に保持された抗体および(もしくは)酵素で
標識された抗体におけるモノクローナル抗CEA抗体とし
て用いることができる。これらの診断剤は大腸癌などの
消化器癌や他の癌の診断、予後管理などに利用できる。
更にこれらの抗体は治療目的にも利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、参考例4−(1)で得られたペルオキシダー
ゼとポリクローナル抗CEA抗体(Fab′フラグメント)と
の反応生成物のゲルクロマトグラフィーにおける溶出パ
ターンを表わす。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/28 6807−4B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体上に保持された抗体、抗原および標識
    剤を結合させた抗体を用いるヒト癌胎児性抗原の免疫化
    学的測定法において、担体上に保持される抗体と標識剤
    を結合させる抗体とが互いに抗原決定部位を重複しない
    2種の抗体であり、担体上に保持される抗体における抗
    体が、ヒト癌胎児性抗原を含有する癌化組織から、非イ
    オン性界面活性剤を含む中性塩溶液で抽出し精製された
    ヒト癌胎児性抗原で免疫された哺乳動物のリンパ球とミ
    エローマ細胞との融合細胞から得られたヒト癌胎児性抗
    原反応性モノクローナル抗体のF(ab′)2あるいはFa
    b′であり、標識剤としてペルオキシダーゼを用い、こ
    れと抗体とを一般式 〔式中、nは0ないし5の整数を、Rは化学結合または
    2価の6員環状炭化水素残基をそれぞれ示す。〕で表わ
    される化合物で結合させたものを用いることを特徴とす
    るヒト癌胎児性抗原の免疫化学的測定法。
  2. 【請求項2】ペルオキシダーゼと抗体との結合に際し、
    ペルオキシダーゼにあらかじめチオール基を導入したも
    のを用いる特許請求の範囲第1項記載のヒト癌胎児性抗
    原の免疫化学的測定法。
  3. 【請求項3】ペルオキシダーゼと抗体とを一般式 〔式中、nは0ないし5の整数を、Rは化学結合または
    2価の6員環状炭化水素残基をそれぞれ示す。〕で表わ
    される化合物で結合させたもの、およびペルオキシダ
    ーゼに結合させる抗体と互いに抗原決定部位を重複せず
    ヒト癌胎児性抗原に反応するヒト癌胎児性抗原を含有す
    る癌化組織から、非イオン性界面活性剤を含む中性塩溶
    液で抽出し精製されたヒト癌胎児性抗原で免疫された哺
    乳動物のリンパ球とミエローマ細胞との融合細胞から得
    られたヒト癌胎児性抗原反応性モノクローナル抗体のF
    (ab′)2あるいはFab′を担体上に保持したものを含有
    するヒト癌胎児性抗原の免疫化学的測定用試薬。
  4. 【請求項4】ペルオキシダーゼと抗体との結合に際し、
    ペルオキシダーゼにあらかじめチオール基を導入したも
    のを用いる特許請求の範囲第3項記載のヒト癌胎児性抗
    原の免疫化学的測定用試薬。
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