JP3749636B2 - メダラシンの免疫学的測定方法 - Google Patents

メダラシンの免疫学的測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光法によるメダラシンの免疫学的測定方法に関するものであり、さらに詳しくは、発光試薬としてルシゲニン電荷移動(Charge Transfer;CT)錯体を用いる化学発光法による酵素活性の測定を利用してメダラシンを酵素免疫測定方法により高感度に測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セリンプロテアーゼの一種であるメダラシンは顆粒球等に存在し、炎症、特に慢性炎症の発現を含めて広く生体防御機構において重要な役割を演じていると考えられる。顆粒球メダラシンは多くの慢性炎症性疾患の増悪期で増大し、寛解期で正常化するが、多発性硬化症の患者では増悪する数日前に著増し、寛解に先行して正常化することが認められている。多発性硬化症は、中枢神経系の白質に限局性の脱髄巣とグリオーシスの出現を特徴とし、寛解と悪化を繰り返しながら進行し、多くは、10〜15年の経過で死亡するという慢性炎症性の難病であり、原因については、未だ、はっきりとは解明されていないが、ウィルスや細菌が免疫系を刺激して抗体が自らの神経組織を攻撃する自己免疫疾患の一種ではないかと考えられている。また、その診断法はなかなか難しく、核磁気共鳴造影法(MRI)等によって行なわれているのが現状であるが、MRI等の方法は非常に大がかりな装置を用い、測定操作も熟練を要し、経費もかかるので、簡便な検査で病気の診断、病勢の把握、予後の推定等が行なえる方法の開発が検討され、血液中の顆粒球メダラシン活性の測定方法が研究され、アポーオルニチン−トランスアミナーゼに対する不活性化能による方法が開発されている。しかし、顆粒球メダラシン活性の酵素化学的方法による測定は非常に煩雑であり、簡便なポリクローナル抗体やモノクローナル抗体を用いる比色法や蛍光法による酵素免疫測定方法等の免疫学的測定方法の開発が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、比色法や蛍光法による酵素免疫測定方法は、測定感度の向上やそれに伴う短時間測定等に関しては十分とはいえないのが現状であり、メダラシン測定の高感度化や短時間測定が可能な酵素免疫測定方法の開発が望まれていたが、本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ヒトメダラシンの測定をより高感度に、又はより短時間に測定する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行なった結果、発光法、特に発光試薬としてルシゲニン電荷移動錯体を用いる化学発光法による酵素活性の測定を利用して、メダラシンを酵素免疫測定方法により測定することによりメダラシンをより高感度に、又はより短時間で測定できることを見い出し、本発明に到達したものである。
【0005】
従って、本発明の第一は、
発光反応誘導性物質で標識した抗メダラシン抗体若しくはメダラシンを、該標識抗体と同一及び/又は異なるメダラシン反応部位を有する抗メダラシン抗体の存在下に、試料中の測定すべきメダラシンと接触させ、抗原抗体反応により発光反応誘導性物質標識−抗原抗体錯体からなる免疫複合体を形成させた後、該免疫複合体中の発光反応誘導性物質に発光反応を誘導させ、次いでその発光強度を測定して試料中のメダラシン量を定量することを特徴とするメダラシンの発光法による免疫学的測定方法
に関するものである。
【0006】
また、本発明の第二は、
ペルオキシダーゼ酵素標識した抗メダラシン抗体若しくはメダラシンを、該標識抗体と同一及び/又は異なるメダラシン反応部位を有する抗メダラシン抗体の存在下に、試料中の測定すべきメダラシンと接触させ、抗原抗体反応により酵素標識−抗原抗体錯体からなる免疫複合体を形成させた後、該免疫複合体を分離して、水素受容体の存在下に、N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体を含む化学発光試薬を作用させて発光させ、次いでその発光強度を測定して免疫複合体中のペルオキシダーゼ酵素活性を測定することにより試料中のメダラシン量を定量することを特徴とするメダラシンの化学発光法による免疫学的測定方法
に関するものである。
【0007】
さらに、本発明の第三は、
試料中のヒトメダラシンを抗原抗体反応により不溶性担体上に捕捉するために用いる不溶性担体に固定化した抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体とペルオキシダーゼ酵素標識抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体とからなる抗体試薬、サンドイッチ錯体中のペルオキシダーゼ酵素活性を定量するために用いるルシゲニン電荷移動錯体を含む化学発光試薬、過酸化水素からなる水素受容体、及び試料中のメダラシン濃度決定に用いる検量線作成用のメダラシン標準物質、更に、必要により、フェノール性化合物からなる発光増強剤を組み合わせてなる化学発光酵素免疫測定方法によるヒトメダラシンの免疫学的測定用キット
に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の化学発光法によるメダラシンの免疫学的測定方法は、抗原抗体反応により測定すべき抗原又は抗体を発光反応誘導性物質で標識した免疫複合体として捕捉する免疫反応段階と、生成した該免疫複合体をその分子中に存在する標識物質を用いる化学発光法により測定する化学発光反応段階とからなる。
【0009】
免疫反応段階を構成する抗原抗体反応は下記に示されるような種々の方法によって行なうことができる。
▲1▼不溶性担体に結合した抗体に試料中の測定すべき抗原を捕捉させた後に発光反応誘導性物質による標識抗体を反応させるサンドイッチ法、
▲2▼サンドイッチ法において、不溶性担体に結合した抗体と異なる動物種に由来する抗体を用い、生成したサンドイッチ錯体に対して、更にこの抗体に対し標識した第二抗体を反応させる二抗体法、
▲3▼不溶性担体に結合した抗体に試料中の測定すべき抗原を発光反応誘導性物質標識抗原の存在下で反応させる競合法、
▲4▼測定すべき抗原又は抗体を含有する試料にこれらと特異的に反応する標識した抗体又は抗原を作用させて凝集沈殿させた後、遠心分離して分離した免疫複合体中の標識物質を検出する凝集沈殿法、
▲5▼不溶性担体に結合した抗原に試料中の測定すべき抗体を発光反応誘導性物質標識抗ヒトガンマグロブリン抗体を作用させる抗体検出法、更に、
▲6▼ビオチン標識抗体に発光反応誘導性物質標識アビジンを反応させるビオチン−アビジン法等を挙げることができる。
【0010】
上記の免疫反応段階においては、特に、不溶性担体に固定化した抗体に試料中の抗原を反応させて捕捉した後標識化した抗体を反応させて抗体−抗原−抗体からなるサンドイッチ錯体を形成させるサンドイッチ法等が好適に用いられる。このサンドイッチ法による酵素免疫測定方法においてモノクローナル抗体を用いる場合には、サンドイッチ錯体の形成には不溶性担体に固定化した固定化抗体と標識化抗体とは抗原に対する反応部位が異なることが必要であり、従って、一般的にはエピトープの異なるモノクローナル抗体の組み合わせを用いて測定系を構成するが、メダラシンの測定においては同一のモノクローナル抗体を固定化抗体及び標識抗体に用いてもヒトメダラシンの免疫学的測定系を構成することが可能な場合が存在する。これはヒトメダラシンが分子内に同一アミノ酸配列を有するエピトープを有するためである。
【0011】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法に用いられる不溶性担体としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子化合物、その他、ガラス、金属、磁性粒子及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。また、不溶性担体の形状としては、例えば、トレイ状、球状、繊維状、棒状、盤状、容器状、セル、マイクロプレート、試験管等の種々の形状で用いることができる。さらに、これら不溶性担体への抗原又は抗体の固定化方法は任意であるが、物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法等を用いることができる。例えば、不溶性担体固定化抗体の製造方法としては、不溶性担体の固定化用表面に抗体の緩衝液溶液を接触させて抗体を担体表面に物理的に吸着させる方法が一般的である。
【0012】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法に用いられる抗メダラシン抗体はポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれも用いることができる。また、これらの抗体のF(ab')2、Fab’、又はFab等の活性断片等を用いてもよい。抗体のクラス、サブクラスは任意である。これらの抗体の製造方法も任意であるが、例えば、ポリクローナル抗体は健常人血液から分離した顆粒球より抽出したヒトメダラシンをアジュバントとともに兎、山羊、羊等の動物に注射等により投与して免疫し、抗体価が上昇した後にその血液を採取し、抗血清を分離するか、さらに、抗血清より抗ヒトメダラシン抗体を回収することにより製造される。モノクローナル抗体は、健常人血液から分離した顆粒球より抽出したヒトメダラシンで免疫した動物から採取した抗体産生細胞と骨髄腫細胞との細胞融合によって作製したハイブリドーマを培地上で培養するか、又は動物腹腔内に投与して腹水中で増殖させた後、該培養物若しくは腹水から採取することにより製造することができる。
【0013】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法において標識抗体又は標識抗原の標識に用いられる発光反応誘導性物質としては、ペルオキシダーゼ(POD)、アルカリホスファターゼ(ALP)、β−ガラクトシダーゼ(β−GAL)、ルシフェラーゼ等の酵素類、N−メチルアクリジニウムエステル誘導体、アクリジニウムアシルスルホンアミド誘導体等の化学発光性物質、及びビオチン等のアビジンを介して酵素又は発光性物質を結合し得る物質等が挙げられる。
【0014】
発光反応誘導性物質として酵素を用いる酵素標識抗体の製造方法は任意であるが、抗体及び酵素のアミノ酸配列に存在するリジン残基の側鎖アミノ基を利用して、抗体又は酵素の何れか一方にアミノ基とは異なるチオール基等の官能基を導入し、これらの異なる官能基を有する抗体と酵素とを異官能性結合用試薬で共有結合により結合させることにより製造することができる。このようなチオール基の導入用試薬としてはS−アセチルメルカプトこはく酸無水物等が好適に用いられる。またチオール化抗体としては抗メダラシン抗体のFab’を用いることも可能である。抗体と酵素とを結合する異官能性結合用試薬としてはm−マレイミドベンゾイルN−ヒドロキシこはく酸イミドエステル(MBS)、N−サクシンイミジル−3−(2−ピリジルチオ)プロピオネ−ト(SPDP)等が好適に用いられる。
【0015】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法に用いられる発光試薬としては、標識に用いられる発光反応誘導性物質の発光基質であれば特に限定されるものではないが、発光反応誘導性物質として標識に用いられる酵素がアルカリホスファターゼの場合には4−メトキシ(3−ホスフェートフェニル)スピロ[ 1,2−ジオキセタン−3,2'−アダマンタン](AMPPD)、4−メトキシ(3−ホスフェートフェニル)スピロ[ 1,2−ジオキセタン−3,2'−(5'−クロロ)アダマンタン](CSPD)、コルチゾールりん酸/ルシゲニン、アスコルビン酸りん酸/ルシゲニン等、β−ガラクトシダーゼの場合には4−メトキシ(3−β−D−ガラクトシドフェニル)スピロ[ 1,2−ジオキセタン−3,2'−アダマンタン]等、ペルオキシダーゼの場合にはルミノール/H2O2、イソルミノール/H2O2、N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類電荷移動錯体/H2O2等、ルシフェラーゼの場合にはATP/ルシフェリン/Mg2+等が非限定的に挙げられる。特にペルオキシダーゼ−ルシゲニン電荷移動錯体/H2O2系が好適に用いられる。尚、これらの発光系には、必要に応じて発光増強剤、キレート剤、界面活性剤及びその他の添加剤等を用いることができる。
【0016】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法において用いられるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体を含む化学発光試薬は、下記一般式(1)
【化3】
Figure 0003749636
で表されるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体と下記一般式(2)で表される N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物を主成分として含有する。尚、主成分とは該化学発光試薬全重量基準で50重量%以上のものをいう。
【0017】
上記一般式(1)においてR1 及びR2 は、それぞれアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよい。アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基は、炭素数1〜20を有するものであり、好ましいアルキル基は炭素数1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基を挙げることができる。また、アリール基は炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、トリール基、キシリル基等を挙げることができ、さらにアルキル基で置換されたものでもよい。アリール基としては、特に、フェニル基が好ましい。ハロゲン化アリール基としては炭素数6〜20であり、ハロゲン化フェニル基、ハロゲン化トリル基、ハロゲン化キシリル基等を挙げることができ、特に、クロロフェニル基が好ましい。
【0018】
一般式(1)において、R3、R4、R5 及びR6 は、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでよい。これらの炭化水素基としては、炭素数1〜20のものを挙げることができる。好ましくは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、アリーロキシ基を挙げることができ、アリール基、アリーロキシ基にはアルキル基が置換されたものでもよい。
一般式(1)において、X・は、前駆体ビスアクリジニウム塩の対アニオンから電子が移動した残基である酸ラジカルである。
【0019】
化学発光試薬に含まれるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体は、紫外吸収スペクトルにおける 550nm付近に出現する極大を有する巾広い吸収帯を分光光度計を用いて測定することができる。
【0020】
上記N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体の具体的な例としては、N,N'−ジメチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジエチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジプロピル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジイソプロピル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジブチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジイソブチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジフェニル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジ−m−クロロフェニル−9,9'−ビスアクリジニウム塩等の電荷移動錯体が挙げられるが、これらのなかで、特にN,N'−ジメチル−9,9'−ビスアクリジニウムジ硝酸塩(ルシゲニン)の電荷移動錯体が好ましい。
【0021】
化学発光試薬の成分として用いられる N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、次の一般式(2)
【化4】
Figure 0003749636
で表わされる化合物である。
【0022】
一般式(2)において、R1 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基又はハロゲン原子等で置換されていてもよい。R2 はメチル基及びエチル基からなる群より選択され、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択される。該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基又はハロゲン原子等で置換されていてもよい。また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。
【0023】
上記 N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の具体的な例としては、 N,N−ジメチルホルムアミド、 N,N−ジメチルアセトアミド、 N,N−ジメチルアクリルアミド、 N,N−ジメチルプロピオンアミド、 N,N−ジメチルベンズアミド、 N−メチル−2−ピロリドン等を非限定的に挙げることができる。
【0024】
また、上記化学発光試薬には必要により一般式(3)で示されるアミノアルコール化合物を含有させることもできる。
【化5】
Figure 0003749636
一般式(3)において、Rは炭素数1〜5の二価の脂肪族炭化水素を表わし、mは1〜3の整数を表わす。
上記アミノアルコール化合物の具体的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等を非限定的に挙げることができる。
【0025】
上記N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体を含む化学発光試薬は、下記一般式(4)
【化6】
Figure 0003749636
で表されるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類を上記一般式(2)で表わされる N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射下に反応させることにより得られる。さらに、N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類を N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下で光照射下に反応させる際にその反応前又は反応後に上記一般式(3)で表わされるアミノアルコール化合物を添加することもできる。該光照射は、波長領域が約290〜800nm、好ましくは400〜800nmの紫外可視部を用いることができ、光源としては水銀灯、蛍光灯も用いることができるが白熱電灯が好ましい。
【0026】
上記一般式(4)のR1 及びR2 は、それぞれアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一又は異なるものでもよい。アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基は、炭素数1〜20を有するものであり、好ましいアルキル基は炭素数1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基を挙げることができる。また、アリール基は炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、トリール基、キシリル基等を挙げることができ、さらにアルキル基で置換されたものでもよい。アリール基としては、特に、フェニル基が好ましい。ハロゲン化アリール基としてはハロゲン化フェニル基、ハロゲン化トリル基、ハロゲン化キシリル基等を挙げることができ、特に、クロロフェニル基が好ましい。
【0027】
一般式(4)において、R3、R4、R5 及びR6 は、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでよい。これらの炭化水素基としては、炭素数1〜20のものを挙げることができる。好ましくは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、アリーロキシ基を挙げることができ、アリール基、アリーロキシ基にはアルキル基が置換されたものでもよい。
【0028】
また、一般式(4)において、Xn-はN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の対イオンであって、n価の陰イオンであり、nは1又は2である。陰イオンとしては、特に限定されるものではないが、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及びカルボン酸イオン等を挙げることができる。これらの陰イオンのなかで、特に硝酸イオンが好ましい。
【0029】
上記N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の具体例を例示すると、N,N'−ジメチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジエチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジフェニル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジ−m−クロロフェニル−9,9'−ビスアクリジニウム塩等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0030】
化学発光試薬の製造に用いられる N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、上記一般式(2)で表される化合物であり、上記化学発光試薬の主成分として説明したものと同一のものでよい。また、化学発光試薬の製造の際に使用される上記一般式(3)のアミノアルコール化合物についても上記の化学発光試薬の成分として説明したものと同一のものでよい。
【0031】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法に用いられる化学発光試薬の一つは、N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体及び特定の N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物を必須成分とするものであるが、その成分の一つであるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体の前駆体であるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類は、もう一つの成分である N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在により自然光等により容易に電荷移動錯体に転化する現象が認められる。また、この N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、生成した電荷移動錯体のラジカルの安定性にも寄与していると考えられ、求核性の弱い酸からなるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体の形成及び安定化の必須成分として作用している。また、該化学発光試薬は、必要により特定のアミノアルコール化合物を添加することができるが、このアミノアルコール化合物の添加により発光反応のブランク値を低下させると共に、より廣いペルオキシダーゼ濃度範囲において安定した化学発光反応を実現することが可能になる。このアミノアルコール化合物の添加による作用については必ずしもはっきりはしていないが、対イオンからアクリジン環への電荷移動に関与してその反応を促進すると共に、生成する電荷移動錯体の有するラジカルを一層安定化して発光反応時における溶存酸素との反応を阻止してブランク値を高める要因を排除することにより、ブランク値の低い安定した高感度測定を可能にしているものと考えられる。
【0032】
本発明の発光法によるメダラシンの免疫学的測定方法において、化学発光試薬はpH4.5 〜13、好ましくはpH6.0 〜 9.0で過剰の過酸化水素の存在下、ペルオキシダーゼの濃度に依存した量で発光する。この発光はフェノール性化合物等によって増強されることが認められる。このような発光増強剤としては、p−ヒドロキシ桂皮酸、p−フェニルフェノール、p−(4−クロロフェニル)フェノール、p−(4−ブロモフェニル)フェノール、p−(4−ヨードフェニル)フェノール、p−ヨードフェノール、p−ブロモフェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、p−クマル酸、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−ナフトール、ホタルルシフェリン等が非限定的に挙げられる。
【0033】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法において用いられる化学発光試薬の濃度は、10-8〜1M、好ましくは10-6〜10-2M、さらに好ましくは10-4〜10-2Mの範囲であり、その使用量としては、10〜500μl、好ましくは50〜300μlの範囲が望ましい。また、発光促進剤の使用量は、化学発光試薬の量の0.01〜100 倍モル、好ましくは 0.1〜10倍モルの範囲であり、その濃度は10-6〜1M、好ましくは10-4〜10-2Mの範囲で用いるのが望ましい。
また、ペルオキシダーゼ酵素を標識物質として用い、抗体、核酸等を標識して種々の物質を定量する場合には、特に限定されるものではないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)が好ましく用いられる。
【0034】
化学発光反応に用いる塩基性緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ほう酸緩衝液、炭酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液等を任意に用いることができる。これらの緩衝液の濃度は1mM〜1Mの範囲で用いるのが望ましい。また、反応時には界面活性剤、キレート剤等の添加剤を任意に用いることもできる。
【0035】
化学発光反応に用いられる水素受容体としては、ペルオキシダーゼ酵素等の発光反応誘導性物質の基質となり得るものであれば特に限定されるものではなく、有機過酸化物、無機過酸化物等が任意に用いられるが、過酸化水素が好ましい。水素受容体の使用量は、化学発光試薬に対して充分に過剰な量で用いることが必要であり、その使用量としては化学発光試薬に対して3〜1万倍モル、好ましくは10〜1000倍モルの範囲が望ましい。
【0036】
本発明のメダラシンの免疫学的測定方法における化学発光反応の発光量の測定は、発光光度計を用いて測定することができる。その際に、発光量測定の開始点及び積算時間は用いる発光試薬の種類によるが、発光量が安定し且つ発光量の濃度依存性の高い時間を選択するのが望ましい。例えば、測定開始点は試薬混合後0〜1時間、好ましくは0〜30分、特に好ましくは0〜15分であり、測定の積算時間は1秒〜10分、好ましくは1秒〜5分、特に好ましくは1秒〜1分である。
【0037】
さらに、本発明によれば、化学発光酵素免疫測定方法によりメダラシンの免疫学的測定を行なうための測定用キットが提供される。測定用キットは、上記のメダラシンの免疫学的測定方法において用いられる試薬等を選択して構成される。
すなわち、
(a)不溶性固体に固定化した抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体とペルオキシダーゼ酵素標識抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体とからなる抗体試薬、
(b)N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体を含む化学発光試薬、
(c)水素受容体、
(d)メダラシン標準物質
及び、必要により発光増強剤
を組み合わせたものである。
上記(a)の抗体試薬は、試料中のヒトメダラシンを抗原抗体反応により不溶性担体上に捕捉するために使用され、(b)の化学発光試薬は試料と抗体試薬との反応により生ずるサンドイッチ錯体中のペルオキシダーゼ酵素活性を定量するために使用される。N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体としてはルシゲニン電荷移動錯体が好ましい。また、(c)の水素受容体としては過酸化水素が使用される。上記(d)に揚げるメダラシン標準物質は試料中のメダラシン濃度の決定に用いられる検量線の作成用のものである。発光増強剤としてはフェノール性化合物、例えば、上記に列挙した如きp−ヨードフェノール、p−フェニルフェール等が用いられる。
【0038】
【実施例】
以下、参考例と共に、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例等に限定されるものではない。尚、実施例中の%は重量%を意味する。
【0039】
(参考例1)
健常人血液 400mlに、デキストラン(分子量200,000〜300,000) の6%生理食塩水溶液を血液:デキストラン水溶液=2:1の割合で混合し、ガラス棒等で軽くかき混ぜてから、4〜8℃の温度で約1時間静置した後、沈殿した赤血球を上清と分離し、この上清を 15,000rpmで遠心分離して沈殿を採取して白血球を得た。次に、この白血球に1mMエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム塩(EDTA)、1mMp−クロロマーキュリ−安息香酸(PCMB)を含む pH7.0の1Mリン酸カリウム緩衝液(PKB)からなる抽出用液を加えて、撹拌下に37℃の温度で20分間インキュベートした後、15秒間超音波破砕機にかけて完全に細胞を破砕し、更に、37℃の温度で20分間インキュベートしてから、4℃の温度において 12,000rpmで10分間遠心分離して上清を採取し、この上清を蒸留水に対して透析し、沈渣は上記と同様の操作を数回繰り返して抽出を行なった。次いで、この抽出液を 50mM PKB(pH 6.0)で平衡化したCM−セファロースゲルカラムに通した後、同じ緩衝液で洗浄してから、 1M PKB(pH 6.0)で吸着物を溶出し、溶出液を蒸留水に対して一晩透析して脱塩してから、コロジオン膜で濃縮することにより、精製ヒトメダラシン 1.5mgが得られた。
【0040】
(参考例2)
抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体の製造
(1) 抗体産生細胞とミエローマ細胞の細胞融合によるハイブリドーマの作製
参考例1でヒト顆粒球から抽出、精製したヒトメダラシンを、フロイント完全アジュバントで乳化し、7週齢のBALB/Cマウスの皮下に50μg /匹の量で投与した。そして、4週間後にこのマウスに初回と同様の方法で追加免疫を行ない、7日後に血中に抗体量が増大したことを確認した後、更に、その7日後に最終免疫として抗原を腹腔に50μg /匹の量で投与した。一方、20%の牛胎児血清を添加したDMEM培地中で、マウスミエローマ細胞P3−X63−Ag8−U1(P3U1)を維持培養しておき、最終免疫の3日後、このマウスから脾臓細胞を採取して、これをポリエチレングリコール4000を用いてP3U1と細胞融合させ、96穴マイクロプレートに撒いた。細胞融合後、培地を100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリン、16μMチミジンを添加したDMEM(HAT培地)に置換して、2〜3週間選択培養することにより脾臓細胞とミエローマ細胞との融合体であるハイブリドーマが得られた。
【0041】
(2) 抗ヒトメダラシン抗体産生性ハイブリドーマのスクリーニング
次に、このハイブリドーマの培養液中の抗体活性を、ELISA(Enzyme Linked Immuno Sorbent Assay)でスクリーニングした。即ち、ヒトメダラシンをELISA用のマイクロプレートに吸着させ、pH7.4の10mMリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に2%の牛血清アルブミン(BSA)を添加した溶液でブロッキング処理を行なった後、ハイブリドーマ培養液50μlをこのマイクロプレートに添加して1時間放置してから、ハイブリドーマ培養液を除去して洗浄し、これにペルオキシダーゼ標識山羊抗マウスIgG−Fc特異抗体の2μg/mlPBS溶液100μlを添加し、37℃で1時間反応させた。次いで、この酵素標識抗体溶液を除去し洗浄した後、0.05%ABTS、及び0.0034%過酸化水素を含む0.1Mリン酸クエン酸緩衝液(pH 4.6)を200μl添加して発色させることにより抗ヒトメダラシン抗体産生性ハイブリドーマを選別した。
【0042】
(3) 抗体産生株のクローニング及びモノクローナル抗体の作製
この抗ヒトメダラシン抗体産生性ハイブリドーマ培養液を採取し、限界希釈法によるクローニングを行なって最終的に単一クローンのハイブリドーマ4種類を得た。このハイブリドーマを、夫々、プリスタン投与BALB/Cマウスの腹腔に投与して増殖させ、モノクローナル抗体を含む腹水を得た。次いで、得られた腹水に50%飽和硫安を加えて抗体を沈殿させ、この沈殿を分離してPBSに溶解させ、 3M NaCl含有50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.8)に対して透析してから、プロテインA−セファロースCL4Bカラム(ファルマシア社製)にかけた後、吸着した抗体を0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH 5.0)で溶出し中和して精製することにより3F03、3GO3、2E04及び 1G12 からなる4種類のモノクローナル抗体を得た。
【0043】
(4) モノクローナル抗体の性質
(ウェスタンブロッティング法)
モノクローナル抗体に特異的な抗原をウェスタンブロッティング(Western blotting)法を用いて固定した。
先ず、ヒト顆粒球由来メダラシンをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、電解液バッファーに25mMグリシン、及び20%メタノールを含む溶液を用い、電圧傾斜が7V/cm、2時間の条件でスラブゲルから蛋白をニトロセルロースシートへ移した。次に、ニトロセルロースシートの各レーンを切り離し、一方のシートをアミドブラックで蛋白染色し、他方は次の様な酵素免疫アッセイを行なった。即ち、2%BSA/PBSでブロッキング処理した後、1次抗体としてマウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体を加え、2次抗体としてペルオキシダーゼ標識山羊抗マウスIgG−Fc特異抗体を加えて反応させ、洗浄してから、0.04%3,3’−ジアミノベンジジン、及び0.0034%過酸化水素を含むPBSからなる基質溶液を加えて発色させることにより、4種のマウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体は、ヒト顆粒球由来メダラシンを認識することが確認された。
【0044】
(インヒビション・アッセイ法)
ELISA用マイクロプレートに固定したヒトメダラシンに対して、ビオチン化した第一の抗体と非標識の第二の抗体を共存させて反応させた後、アビジン化ペルオキシダーゼを反応させ、次いで、このペルオキシダーゼを基質溶液の添加により発色させてビオチン化抗体の反応量を測定するインヒビション・アッセイ(Inhibition assay)法により、いずれの2つの組み合わせにおいてもビオチン化抗体の反応量に変化がないことより、4種のモノクローナル抗体はいずれも互いに異なるエピトープ(抗原部位)を認識することが確認された。
【0045】
(参考例3)
ウサギ抗ヒトメダラシンポリクローナル抗体の調製
ヒトメダラシン1mgを0.05M酢酸緩衝液(pH 5.0)1mlに溶解し、これを同容量のフロインド完全アジュバントと混合した乳化液を家兎の皮下に注射して免疫した後、一週間毎に三回追加免疫し、最終免疫の三週間後に採血して抗血清を分離し、同容量の 10mM PBS(pH 8.0)で稀釈してプロテインA−セファロースカラムに通液し、吸着物を0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH 3.0〜4.0)で溶出し、溶出液に1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を加えることによりウサギ抗ヒトメダラシンポリクローナル抗体を得た。
【0046】
(参考例4)
N,N' −ジメチル− 9,9' −ビスアクリジニウムジ硝酸塩の電荷移動錯体及び N,N −ジメチルアセトアミドを含む化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これに N,N−ジメチルアセトアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射することによりN,N'−ジメチル−9,9'−ビスアクリジニウムジ硝酸塩の電荷移動錯体を調製した後、この反応溶液にトリエタノールアミン0.5mlを添加し混合して化学発光試薬を得る。次に、この化学発光試薬を8×10-4Mのp−ヨードフェノール75mMトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)溶液で 500倍に希釈することにより化学発光試薬溶液を調製した。
【0047】
(実施例1)
ヒトメダラシンの免疫学的測定方法による高感度測定
(1) 不溶性担体固定化モノクローナル抗体の製造
参考例2で調製したマウス由来のモノクローナル抗体(3F03)を10 mM リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH 7.4)に10mg/mlの濃度で溶解した溶液を、白色マイクロプレート(ラボシステム社)の各ウェルに 0.1mlずつ加え、37℃の温度で1時間放置した後、PBSで洗浄してから、1%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を0.3 mlずつ加えて37℃の温度で1時間放置してポストコーティング処理を実施してポリクローナル抗体固定化白色マイクロプレートを得た。
【0048】
(2) ペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体の調製
マウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(2E04)1.0 mg/mlを含むPBS溶液に、N−(m−マレイミド安息香酸)−N−サクシンイミドエステル(MBS)の10mg/mlの濃度のジメチルホルムアミド溶液 0.1mlを添加し、25℃の温度で30分間反応させる。次いで、この反応混合液をセファデックスG−25を充填したカラムを用い、0.1Mリン酸緩衝液(pH 6.O)でゲル濾過を行ない、マレイミド化モノクローナル抗体を得た。
【0049】
一方、ペルオキシダーゼ酵素としてホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)の 1.0mg/mlのPBS溶 液に、N−サクシンイミジル−3−(2−ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)の 10 mg/mlの濃度のエタノール溶液を添加し、25℃の温度で30分間反応させる。次いで、この反応混合液をセファデックスG−25を充填したカラムを用い、10mM酢酸緩衝液(pH 4.5)でゲル濾過して精製、ピリジルジスルフィド化HRPを含有する画分を採取し、これをコロジオンバック中において氷冷下に約10倍に濃縮する。次に、これに 0.1M ジチオスレイトールを含有する 0.1M 酢酸緩衝生理食塩水(pH 4.5)1mlを添加して、25℃の温度で30分間撹拌してHRP分子中に導入したピリジルジスルフィド基を還元した後、この反応混合液をセファデックスG−25を充填したカラムを用いてゲル濾過し、チオール化HRPを含有する画分が得られた。
【0050】
次に、マレイミド化モノクローナル抗体とチオール化HRPとを混合し、コロジオンバックを用いて氷冷下に4mg/mlの蛋白質濃度まで濃縮し、4℃で一昼夜放置した後、ウルトロゲルAcA44(SEPRACOR社)を充填したカラムを用いてゲル濾過し、ペルオキシダーゼ酵素標識モノクローナル抗体が得られた。
【0051】
(3) ヒトメダラシンのサンドイッチ酵素免疫測定方法
(1) の方法で調製したマウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(3F03)を固定化した白色マイクロプレートに、精製ヒトメダラシン(標準物質)0、 0.01、0.1、 1、 10、 100 ng/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH 7.4)50μlと (2)の方法で調製したペルオキシダーゼ酵素標識マウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(2E04)を約3μg /mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH 7.4)100μlとを加え、37℃の温度で30分間インキュベートする。次に、ウェル内の溶液を吸引除去した後、ウェル内を生理食塩水で洗浄してから、各ウェルに 75mM トリス塩酸緩衝液(pH 7.8)100 μlを加え、次いでこれに参考例4で調製した化学発光試薬 100μl及び0.0017%過酸化水素を含む75mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.8)50μlを順次注入して発光させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナス CT-9000 D)で1〜5秒間積算して測定し、この値を標準物質濃度に対してプロットすることにより、図1に示される濃度依存性の良い検量線を得た。この検量線を用いて血液検体中のヒトメダラシンを0.01ng/mlの濃度まで測定することが可能であった。
【0052】
(実施例2)
ヒトメダラシンの免疫学的測定方法による短時間測定
実施例1-(1)の方法で調製したマウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(3F03)を固定化した白色マイクロプレートの各ウェルに、実施例1-(2)の方法で調製したペルオキシダーゼ酵素標識マウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(2E04)を約3μg /mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH 7.4)100 μlを加え、これに精製ヒトメダラシン(標準物質)をそれぞれ0、 1、 10、 100 ng/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH 7.4)50μlを加えて37℃の温度で5分間インキュベートする。次に、ウェル内の溶液を吸引除去した後、ウェル内を生理食塩水で洗浄してから、各ウェルに 75mM トリス塩酸緩衝液(pH 7.8)100μlを加え、次いでこれに参考例4で調製した化学発光試薬100μl及び0.0017%過酸化水素を含む75mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.8)50μlを順次注入して発光させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナス CT-9000D )で1〜5秒間積算して測定し、この値を標準物質濃度に対してプロットすることにより、図2に示される濃度依存性の良い検量線を得た。この検量線を用いて血液検体中のヒトメダラシンを1ng/mlの濃度まで測定することが可能であった。
【0053】
(実施例3)
ヒトメダラシンのN−メチルアクリジニウムエステル誘導体標識抗体を用いた免疫学的測定方法による測定
(1) N−メチルアクリジニウムエステル誘導体標識モノクローナル抗体の調製
10 -メチル -9-{4-[2-(サクシンイミジルオキシカルボニル)エチル]フェニルオキシカルボニル}アクリジニウムフルオロスルフォネートの 0.5mM DMF溶液 350μlと0.5mg/mlの濃度のマウス由来の抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(3F03)の 0.1M PBS(pH 8.0)溶液1mlとを混合して室温で15分間インキュベートして反応させた後、0.1M PBS(pH 6.3)を用いてセファデックスG- 25カラムに通液してゲル濾過により精製することにより40μg/mlのN−メチルアクリジニウムエステル誘導体標識モノクローナル抗体溶液約10mlを得る。
【0054】
(2) ヒトメダラシンのサンドイッチ酵素免疫測定方法
実施例1-(1)の方法で調製したマウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(3F03)を固定化した白色マイクロプレートに、精製ヒトメダラシン(標準物質)0、 0.01、 0.1、 1、 10、 100ng/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH 7.4)50μlと (1)の方法で調製したN−メチルアクリジニウムエステル誘導体酵素標識マウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(2E04)を約3μg/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH 7.4)100μlとを加え、37℃の温度で30分間インキュベートする。次に、ウェル内の溶液を吸引除去した後、ウェル内を生理食塩水で洗浄してから、各ウェルに蒸留水50μl1N水酸化ナトリウム水溶液 40 μl及び0.03%過酸化水素水溶液 50 μlを順次注入して発光させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナス CT-9000 D)で0〜5秒間積算して測定し、この値を標準物質濃度に対してプロットすることにより、図3に示される濃度依存性の良い検量線を得た。この検量線を用いて血液検体中のヒトメダラシンを 0.1ng/mlの濃度まで測定することが可能であった。
【0055】
(実施例4)
ヒトメダラシンのAMPPDを用いた化学発光酵素免疫測定方法による測定
(1) アルカリホスファダーゼ標識抗体の調製
参考例3で調製しウサギ抗ヒトメダラシンポリクローナル抗体をペプシン処理してF(ab')2とした後、
更に、メルカプトエチルアミン溶液で還元してFab’を調製する。
一方、1.0 mg/mlの濃度のアルカリホスファダーゼを含有する 50mM ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 7.6)0.5mlに、N−(m−マレイミド安息香酸)−N−サクシンイミドエステル(MBS)の 20mg/mlのジメチルホルムアミド溶液0.1mlを添加し、25℃の温度で90分間反応させる。次いで、この反応混合液を0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH 7.O)を用い、セファデックスG−25を充填したカラムでゲル濾過を行ない、マレイミド化アルカリホスファダーゼと未反応MBSとを分離した。
【0056】
次に、マレイミド化アルカリホスファダーゼとウサギ抗ヒトメダラシンポリクローナル抗体溶液Fab’とを混合し、コロジオンバックを用いて氷冷下に4 mg/mlの蛋白質濃度まで濃縮し、4℃で一昼夜放置した後、10 mM トリス−塩酸緩衝液(pH 7.4)を用いてセファデックスG200 を充填したカラムに通液してゲル濾過し、活性画分を採取することによりアルカリホスファダーゼ標識抗ヒトメダラシンポリクローナル抗体Fab’溶液が得られた。
【0057】
(2) ヒトメダラシンの化学発光酵素免疫測定方法による測定
実施例1-(1)の方法で調製したマウス抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体(3F03)を固定化した白色マイクロプレートの各ウェルに、精製ヒトメダラシン(標準物質)0、 0.01、 0.1、 1、 10、 100ng/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH 7.4)50μlと (1)の方法で調製したアルカリホスファダーゼ標識抗ヒトメダラシンポリクローナル抗体Fab’を約3μg/mlの濃度で含有する10 mM トリス−塩酸緩衝液(pH 7.4)100 μlとを加え、37℃の温度で30分間インキュベートする。次に、ウェル内の溶液を吸引除去した後、ウェル内を生理食塩水で洗浄してから、各ウェルに 0.4 mM の 4−メトキシ(3−ホスフェートフェニル)スピロ[1,2−ジオキセタン−3,2'−アダマンタン](AMPPD)及び発光増強剤のポリ[ビニルベンジル(ジメチルアンモニウムクロライド)]を含有する0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH 9.8)溶液 100μlを添加して発光反応させ、10分間経過した後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナス CT-9000 D)で5秒間積算して測定し、この値を標準物質濃度に対してプロットすることにより、図4に示される濃度依存性の良い検量線を得た。この検量線を用いて血液検体中のヒトメダラシンを 0.1ng/mlの濃度まで測定することが可能であった。
【0058】
【発明の効果】
本発明のメダラシンの発光法を用いる免疫学的測定方法は、多発性硬化症の血液診断等への応用等の可能性を有するメダラシンの血液中の濃度を、免疫学的に高感度又は短時間に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1記載のペルオキシダーゼ(POD)/ルシゲニン電荷移動(CT)錯体−過酸化水素からなる発光系を用いた化学発光量をヒトメダラシン(標準物質)の濃度の関数としてプロットして作成したヒトメダラシン高感度測定用の検量線である。
【図2】 実施例2記載のペルオキシダーゼ(POD)/ルシゲニン電荷移動(CT)錯体−過酸化水素からなる発光系を用いて化学発光させた化学発光量をヒトメダラシン(標準物質)の濃度の関数としてプロットして作成したヒトメダラシン短時間測定用の検量線である。
【図3】 実施例3記載のN−メチルアクリジニウムエステル標識抗体を用いる反応系による化学発光量をヒトメダラシン(標準物質)の濃度の関数としてプロットして作成したヒトメダラシン高感度測定用の検量線である。
【図4】 実施例4記載のアルカリホスファターゼ(ALP)/4−メトキシ(3−ホスフェートフェニル)スピロ[1,2−ジオキセタン−3,2'−アダマンタン](AMPPD)からなる発光系を用いた化学発光量をヒトメダラシン(標準物質)の濃度の関数としてプロットして作成したヒトメダラシン高感度測定用の検量線である。

Claims (7)

  1. ペルオキシダーゼ酵素で標識した抗メダラシン抗体若しくはメダラシンを、該標識抗体と同一及び/又は異なるメダラシン反応部位を有する抗メダラシン抗体の存在下に、試料中の測定すべきメダラシンと接触させ、抗原抗体反応によりペルオキシダーゼ酵素標識−抗原抗体錯体からなる免疫複合体を形成させた後、該免疫複合体を分離して、水素受容体の存在下に、N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体を含む化学発光試薬であって、下記一般式(1)
    Figure 0003749636
    (前記一般式(1)において、R1 及びR2 は、それぞれアルキル基、
    アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互
    いに同一でも又は異なるものでもよく、R3、R4、R5 及びR6 は、
    それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
    ーロキシ基及びハロゲン基からなる群より選択され、互いに同一で
    も又は異なるものでもよく、X・は、前駆体ビスアクリジニウム塩
    の対アニオンから電子が移動した残基である酸ラジカルを示す。)
    で表わされるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体、下記一般式(2)
    Figure 0003749636
    (前記一般式(2)において、R1 は、炭素数1〜10のアルキル基、
    炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基か
    らなる群より選択され、アリール基は、アルキル基、ハロゲン基、
    ニトロ基、水酸基及びアミノ基等で置換されていてもよく、R2 は、
    メチル基及びエチル基からなる群より選択され、R3 は、炭素数1
    〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6
    〜20のアリール基からなる群より選択され、アリール基は、アル
    キル基、ハロゲン基、ニトロ基、水酸基及びアミノ基等で置換され
    ていてもよく、又、R1 及びR3 は、互いに結合して、それぞれが
    結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共
    に環を形成していてもよい。)
    で表わされるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及び下記一般式(3)
    (HOR)NH3- (3)
    (前記一般式(3)において、R は、炭素数1〜5の二価の脂肪族
    炭化水素を表し、mは1〜3の整数を表す。)
    で表されるアミノアルコール化合物
    を含有してなる化学発光試薬を作用させて発光させ、次いで、その発光強度を測定して免疫複合体中のペルオキシダーゼ酵素活性を測定することにより試料中のメダラシン量を定量することを特徴とするメダラシンの化学発光法による免疫学的測定方法。
  2. 前記N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体は、前記N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類を前記 N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射に供することにより得られる生成物である請求項1に記載のメダラシンの化学発光法による免疫学的測定方法。
  3. 前記アミノアルコール化合物が、前記N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類を、前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において、光照射下に反応させる際にその反応前又は反応後に添加されたものである請求項1又は2に記載のメダラシンの化学発光法による免疫学的測定方法。
  4. 標識抗体と同一及び/又は異なるメダラシン反応部位を有する抗メダラシン抗体が、不溶性担体に固定化された抗ヒトメダラシン抗体である請求項1に記載のメダラシンの化学発光法による免疫学的測定方法。
  5. 標識抗体及び標識抗体と同一及び/又は異なるメダラシン反応部位を有する抗メダラシン抗体が抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体であり、N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体がルシゲニン電荷移動錯体であり、 N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物が N,N−ジメチルホルムアミド又は N,N−ジメチルアセトアミドであり、水素受容体が過酸化水素である請求項1に記載のメダラシンの化学発光法による免疫学的測定方法。
  6. 試料中のヒトメダラシンを抗原抗体反応により不溶性担体上に捕捉するために用いる不溶性担体に固定化した抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体とペルオキシダーゼ酵素標識抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体とからなる抗体試薬、サンドイッチ錯体中のペルオキシダーゼ酵素活性を定量するために用いる下記記載の一般式(1)〜(3);
    一般式(1)
    Figure 0003749636
    (前記一般式(1)において、R1 及びR2 は、それぞれアルキル基、
    アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互
    いに同一でも又は異なるものでもよく、R3、R4、R5 及びR6 は、
    それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
    ーロキシ基及びハロゲン基からなる群より選択され、互いに同一で
    も又は異なるものでもよく、X・は、前駆体ビスアクリジニウム塩
    の対アニオンから電子が移動した残基である酸ラジカルを示す。)
    で表わされるN,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類の電荷移動錯体、
    一般式(2)
    Figure 0003749636
    (前記一般式(2)において、R1 は、炭素数1〜10のアルキル基、
    炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基か
    らなる群より選択され、アリール基は、アルキル基、ハロゲン基、
    ニトロ基、水酸基及びアミノ基等で置換されていてもよく、R2 は、
    メチル基及びエチル基からなる群より選択され、R3 は、炭素数1
    〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6
    〜20のアリール基からなる群より選択され、アリール基は、アル
    キル基、ハロゲン基、ニトロ基、水酸基及びアミノ基等で置換され
    ていてもよく、又、R1 及びR3 は、互いに結合して、それぞれが
    結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共
    に環を形成していてもよい。)
    で表わされるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及び
    一般式(3)
    (HOR)NH3- (3)
    (前記一般式(3)において、R は、炭素数1〜5の二価の脂肪族
    炭化水素を表し、mは1〜3の整数を表す。)
    で表わされるアミノアルコール化合物を含む化学発光試薬、過酸化水素からなる水素受容体、及び試料中のメダラシン濃度決定に用いる検量線作成用のメダラシン標準物質、更に、必要により、フェノール性化合物からなる発光増強剤を組み合わせてなる化学発光酵素免疫測定方法によるヒトメダラシンの免疫学的測定用キット。
  7. 前記化学発光試薬がさらに前記アミノアルコール化合物を含有してなる発光物質である請求項6に記載のヒトメダラシンの免疫学的測定用キット。
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