JPH083412A - 難燃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性スチレン系樹脂組成物

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JPH083412A
JPH083412A JP13905294A JP13905294A JPH083412A JP H083412 A JPH083412 A JP H083412A JP 13905294 A JP13905294 A JP 13905294A JP 13905294 A JP13905294 A JP 13905294A JP H083412 A JPH083412 A JP H083412A
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JP
Japan
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styrene
flame
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rubber
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JP13905294A
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English (en)
Inventor
Bunho Se
文 峯 施
Koyo Sho
宏 揚 簫
Yoshinobu Furubayashi
林 義 信 古
Noriaki Nishio
尾 紀 昭 西
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KIBI JITSUGYO KOFUN YUUGENKOUS
KIBI JITSUGYO KOFUN YUUGENKOUSHI
Mitsubishi Chemical Corp
Chi Mei Industrial Co Ltd
Original Assignee
KIBI JITSUGYO KOFUN YUUGENKOUS
KIBI JITSUGYO KOFUN YUUGENKOUSHI
Mitsubishi Chemical Corp
Chi Mei Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時における良好な熱安定性及び流動安定
性、成形品の耐熱性、外観並びに耐衝撃性に優れた難燃
性スチレン系樹脂組成物を提供する。 【構成】 下記の成分(A)〜成分(E)からなること
を特徴とする、難燃性スチレン系樹脂組成物。 成分(A): ゴム変性スチレン系樹脂 100重量部 成分(B): スチレン・共役ジエンブロック共重合体 2〜20重量部 成分(C): 臭素化ジフェニルアルカン系難燃剤 4〜30重量部 成分(D): 三酸化アンチモン 1〜10重量部 成分(E): フェノール系酸化防止剤 0.1〜1.5重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形時における良好な
熱安定性及び流動安定性とを有し、かつ成形品の耐熱
性、外観並びに耐衝撃性に優れる難燃性スチレン系樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は、耐衝撃性及び剛性に
優れ、また、成形加工性が良好なことから、従来より、
種々の広範囲な用途において使用されている。しかし、
スチレン系樹脂を始め有機高分子材料は燃焼し易いため
一般に難燃性が要求される分野への用途への展開が制限
されている。具体的には、この様な難燃性が要求される
分野である家電分野、OA機器分野等においては、近
年、火災に対する安全性の必要性から、難燃化の要求が
富にクローズアップされて来て、種々の難燃化の手段が
検討されている。スチレン系樹脂の難燃剤としては、一
般にテトラブロモビスフェノールA(以下、単に「TB
A」と略記する。)、或いは、これを分子骨格成分とし
て有する臭素化エポキシ樹脂オリゴマー又はポリカーボ
ネートオリゴマー、デカブロモジフェニルエーテル(以
下、単に「DBDPE」と略記する。)等が知られてお
り、これら難燃剤は難燃助剤である三酸化アンチモンと
併用して使用されている。
【0003】しかしながら、難燃剤としてTBAを使用
した場合には、成形時における熱焼けによる成形品の変
色や成形品の耐熱性の低下が起こると言った欠点があ
り、また、臭素化エポキシ樹脂オリゴマー系難燃剤を使
用した場合は、成形品の耐熱性と耐光性には優れている
ものの、その反面、耐衝撃性の著しい低下を引き起こす
と言った欠点がある。この様な欠点は、臭素化エポキシ
樹脂オリゴマー系難燃剤の分子量を調整すればある程度
は改良することができるが、その反面、耐熱性が低下す
る。更に、上記DBDPEを難燃剤として使用した場合
には、成形品の耐熱性は良好であるものの、その反面、
耐光性が著しく損なわれ、黒着色された製品以外には、
家電製品やOA機器ハウジング等の材料として使用する
ことができない場合が多いと言った欠点がある。
【0004】一方、最近開発された後記の一般式(I)
で表わされる臭化ジフェニルアルカン系難燃剤について
検討したところ、成形品の耐衝撃性、耐熱性及び耐光性
には優れているものの、樹脂成形時の熱安定性と流動安
定性が低下して、成形品の外観が悪化するため、製品の
美麗さが要求されるハウジング等の材料への使用は大き
な制限を受けることが多いと言った欠点を有するもので
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
様な従来の難燃性スチレン系樹脂が有している欠点を克
服して、成形時における良好な熱安定性及び流動安定性
とを有し、かつ成形品の耐熱性、耐衝撃性並びに耐光性
に優れ、更に良好な成形品外観を有する難燃性スチレン
系樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 [発明の概要]本発明者等は、スチレン系樹脂の難燃化
に伴う上記問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、ゴム変性スチレン系樹脂に特定の臭素化ジフェニル
アルカン系難燃剤とフェノール系酸化防止剤とを組み合
わせて、難燃助剤の三酸化アンチモンと共に添加するこ
とによって、上記の目的が達成されることを見出して、
本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発
明の難燃性スチレン系樹脂組成物は、下記の成分(A)
〜成分(E)の各成分からなることを特徴とするもので
ある。 成分(A): ゴム変性スチレン系樹脂 100重量部 成分(B): スチレン・共役ジエンブロック共重合体 2〜20重量部 成分(C): 下記の一般式(I)で表わされる臭素化ジフェニルアルカン系 難燃剤 4〜30重量部 一般式(I)
【0007】
【化4】
【0008】[式中、m及びnは互いに同じであっても
異なっていても良い1〜5の整数、Xは直鎖又は分岐し
た炭素数1〜10のアルキレン鎖を表わす。] 成分(D): 三酸化アンチモン 1〜10重量部 成分(E): 下記の一般式(II)で表わされるフェノール系酸化防止剤 0.1〜1.5重量部 一般式(II)
【0009】
【化5】
【0010】[式中、R1 は互いに同じであっても異な
っていても良い炭素数1〜5のアルキル基、R2 は互い
に同じであっても異なっていても良い炭素数1〜8のア
ルキル基、R3 は水素又は炭素数1〜8のアルキル基、
Yは
【0011】
【化6】
【0012】(ここでR4 は水素又はメチル基であ
る。)を表わす。] [式中、R1 は互いに同じであっても異なっていても良
い炭素数1〜5のアルキル基、R2 は互いに同じであっ
ても異なっていても良い炭素数1〜8のアルキル基、R
3 は水素又は炭素数1〜8のアルキル基、Yは−O−C
O−C(R4 )=CH2 (ここでR4 は水素又はメチル
基である。)を表わす。]
【0013】[発明の具体的説明] [I] 難燃性スチレン系樹脂組成物 (1) 構成成分 (a) 成分(A):ゴム変性スチレン系樹脂 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物を構成する成分
(A)のゴム変性スチレン系樹脂は、マトリックスであ
るスチレン系ポリマー中に、スチレン系ポリマーがグラ
フトしたゴム状弾性体の粒子が分散相として含有されて
いる樹脂である。この様なゴム変性スチレン系樹脂とし
て知られる代表的なものとしては、ゴム状弾性体粒子の
存在下でスチレン系単量体を重合条件に付して得られた
ゴム状弾性体粒子樹脂分散型のスチレン系樹脂(以下、
「Gポリマー」と略記する。)、又は、このGポリマー
及びスチレン系ポリマー(以下、「Sポリマー」と略記
する。)の混合物である。上記Gポリマーは、通常、ス
チレン系単量体にゴム状弾性体を溶解又は混合して分散
させたものを重合して得られるものが好ましく、中でも
ゴム状弾性体の含有量が5〜30重量%、好ましくは7
〜25重量%のものが好ましい。また、上記Sポリマー
は、スチレン系単量体を重合して得られるものである。
【0014】上記スチレン系単量体としては、スチレ
ン、α−スチレン、p−メチルスチレン等のスチレン又
はその誘導体のビニル単量体であり、これらスチレン単
量体は、これらと共重合可能な他のビニル単量体と併用
し混合して使用することもできる。該他のビニル単量体
としては、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、フェニルマレイミド等を挙げることが
でき、これらは二種以上を併用して使用することができ
る。スチレン系単量体と他のビニル単量体とを併用する
場合には、一般に、他のビニル単量体の量を50重量%
以下、好ましくは40重量%以下にする。
【0015】また、ゴム状弾性体としては、例えば、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン
系共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、
スチレン・イソプレン系共重合体、エチレン・プロピレ
ン系共重合体(エチレン・プロピレン・エチリデンノル
ボルネン共重合体等)、その他アクリル酸エステル又は
メタクリル酸エステルを含有するゴム等を挙げることが
でき、これらは二種以上を併用して使用することができ
る。これらの中ではポリブタジエンを使用することが特
に好ましい。該ポリブタジエンは、低シス含量でも高シ
ス含量のものでもいずれでも良く、これらの混合物でも
良い。また、ポリブタジエンは、例えば、スチレン・ブ
タジエン系ブロック共重合体等と併用しても良い。
【0016】Gポリマーの別の製造方法としては、水性
のエマルジョン状のゴム状弾性体から製造する方法があ
る。その代表的な方法としては、水性のエマルジョン状
のゴム状弾性体にスチレン系単量体を添加して、乳化状
で重合し、ポリマーを得る方法を挙げることができる
(以下、この方法で得られたGポリマーを特に「Eポリ
マー」と称する。)。このEポリマーを製造するのに用
いるゴム状弾性体成分としては、前記したゴム状弾性体
と同様のものを使用することができるが、通常、架橋し
た部分(ゲル分)を40〜90重量%程度含むものを使
用するのが好適である。好ましいゴム状弾性体として
は、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン系共重合体
(ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリ
ロニトリル共重合体等)、エチレン・プロピレン系共重
合体(エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン
共重合体等)を挙げることができる。ここで用いられる
ポリブタジエンやブタジエン系共重合体としては、乳化
重合法で製造したものを使用するのが特に好ましい。
【0017】通常、Eポリマーにおけるスチレン系単量
体とゴム状弾性体との含有割合は、両者の合計100重
量部に対して、ゴム状弾性体が20〜90重量部、好ま
しくは40〜85重量部(残量がスチレン系単量体)で
ある。上記Eポリマーは、通常、スチレン系ポリマーと
混合してゴム変性スチレン系樹脂として使用される。こ
の他、水性エマルジョン状のゴム状弾性体からGポリマ
ーを製造する方法としては、乳化塊状重合法や乳化懸濁
重合法等の方法も採用することができる。このようにし
て得られるゴム変性スチレン系樹脂は、一般に、ゴム状
弾性体の含有量が3〜25重量%、200℃で測定した
メルトフローレート(MFR)が2〜30g/10分の
ものが好適に使用することができる。
【0018】(b) 成分(B):スチレン・共役ジエンブ
ロック共重合体 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物を構成する成分
(B)のスチレン・共役ジエンブロック共重合体は、 一般式 (III) (A−B) 一般式 (IV) A−(B−A) 一般式 (V) B−(A−B) [ここで、Aはスチレンで形成される重合体ブロックで
あり、Bは共役ジエンで形成される重合体ブロックであ
る。nは1以上の整数である。]で表わされる線状ブロ
ック共重合体、又は、一般式(VI)
【0019】
【化7】
【0020】一般式 (VII)
【0021】
【化8】
【0022】一般式 (VIII)
【0023】
【化9】
【0024】[ここで、Aはスチレンで形成される重合
体ブロックであり、Bは共役ジエンで形成される重合体
ブロックである。Zは、例えば四塩化珪素、四塩化錫等
のカップリング剤の残基又は多官能性有機リチウム化合
物等の開始剤の残基である。m及びnは1以上の整数で
ある。]で表わされるラジアルブロック共重合体であ
る。なお、このブロック共重合体には、完全ブロック共
重合体もテーバー型ブロック共重合体も含み得る。これ
らブロック共重合体を構成する共役ジエンは、炭素数が
4〜8のジオレフィンであり、代表的なものとして1,
3−ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。該共役ジ
エンの分子量は、耐衝撃性、成形時の流動性の点から5
0,000〜500,000の範囲にあり、かつ、スチ
レンで形成される重合体ブロックAの含有量は、ベース
樹脂である上記ゴム変性スチレン系樹脂との相溶性、光
沢、耐衝撃性の点から20〜60重量%の範囲にあるも
のが好ましい。
【0025】(c) 成分(C):臭化ジフェニルアルカン
系難燃剤 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物を構成する成分
(C)の臭化ジフェニルアルカン系難燃剤成分は、一般
式(I)
【0026】
【化10】
【0027】[式中、m及びnは互いに同じであっても
異なっていても良い1〜5の整数、Xは直鎖又は分岐し
た炭素数1〜10のアルキレン鎖を表わす。]で表わさ
れる化合物である。Xの具体例としては、例えば、メチ
レン、エチレン、メチルエチレン、ブチレン、ジメチル
エチレン等を挙げることができる。これらの中でも耐熱
性の観点からメチレン及びエチレンが好ましい。また、
臭素含有量は70重量%以上、好ましくは80重量%以
上が好ましい。この様な難燃剤は各種の方法で製造する
ことができる。具体的には、エチレンビスペンタブロモ
ジフェニルは、ベンゼンと1,2−ジクロルエタンをル
イス酸触媒の存在下に連続して反応させて得られるジフ
ェニルエタンを臭素化させることによって製造すること
ができる。これら成分(C)の臭化ジフェニルアルカン
系難燃剤は、具体的には、エチレンビスペンタブロモジ
フェニル(アルベマール社「Saytex 801
0」」として市販されている。)を挙げることができ
る。
【0028】(d) 成分(D):三酸化アンチモン 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物を構成する成分
(D)の三酸化アンチモンは、難燃助剤として作用する
ものであって、通常の市販品、例えば、日本精鉱社製
「ATOX−S」(商品名)等を用いることができる
【0029】(e) 成分(E):フェノール系酸化防止剤 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物を構成する成分
(E)のフェノール系酸化防止剤は、一般式(II)
【0030】
【化11】 [式中、R1 は互いに同じであっても異なっていても良
い炭素数1〜5のアルキル基、R2 は互いに同じであっ
ても異なっていても良い炭素数1〜8のアルキル基、R
3 は水素又は炭素数1〜8のアルキル基、Yは
【0031】
【化12】 (ここでR4 は水素又はメチル基である。)を表わ
す。]で表わされる化合物である。上記式中のR1 は、
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブ
チル基、2,2−ジメチルプロピル基等であり、中でも
熱安定性の観点からメチル基、エチル基が好ましい。R
2 は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、
t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基等であ
り、中でも熱安定性の観点からメチル基、t−ブチル
基、t−ペンチル基が好ましく、特にt−ペンチル基が
好ましい。R3 は、具体的には、水素、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基
等であり、中でも熱安定性の観点からメチル基が好まし
い。R4 は、具体的には、水素、メチル基であるが、熱
安定性の観点から水素が好ましい。これら成分(E)の
フェノール系酸化防止剤は、具体的には、2−t−ブチ
ル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友
化学工業(株)製 「スミライザーGM」として市販さ
れている。)、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−
ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]4,6−ジ−ペン
チルフェニルアクリレート(住友化学工業(株)製
「スミライザーGS」として市販されている。)等を挙
げることができる。
【0032】(2) 構成比(配合割合) 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物を構成する上記各
成分の構成比(配合割合)は、次に示す通りである。本
発明の難燃性スチレン系樹脂組成物は、成分(A)のゴ
ム変性スチレン系樹脂100重量部を基準として成分
(B)〜成分(E)がそれぞれ配合されて構成されてい
る。 成分(A):ゴム変性スチレン系樹脂100重量部 成分(B):スチレン・共役ジエンブロック共重合体2
〜20重量部、好ましくは3〜10重量部 成分(C):臭化ジフェニルアルカン系難燃剤4〜30
重量部、好ましくは5〜25重量部 成分(D):三酸化アンチモン1〜10重量部、好まし
くは3〜7重量部 成分(E):フェノール系酸化防止剤0.1〜1.5重
量部、好ましくは0.2〜0.8重量部
【0033】ここで、成分(B)のスチレン・共役ジエ
ンブロック共重合体の配合割合が上記範囲より少な過ぎ
ると耐衝撃性の改良効果が不十分であり、一方、多過ぎ
ると剛性、表面硬度が低下するので好ましくない。ま
た、成分(C)の臭化ジフェニルアルカン系難燃剤の配
合割合が上記範囲より少な過ぎると難燃効果が期待でき
ず、一方、多過ぎると流動性が低下するので好ましくな
い。更に、成分(D)の三酸化アンチモンの配合割合が
上記範囲より少な過ぎると十分な難燃性が付与されず、
一方、多過ぎると耐衝撃性が低下するので好ましくな
い。また、成分(E)のフェノール系酸化防止剤の配合
割合が上記範囲より少な過ぎると本発明の熱安定性、流
動安定性、成形品の外観等の効果が奏されず、一方、多
過ぎてもそれらに見合う効果の向上が得られず、経済的
に不利となる。なお、意外なことに、この成分(E)以
外のフェノール系酸化防止剤やその他リン系、イオウ系
等の酸化防止剤を使用しても、成形品の外観の改良効果
は全く又は殆ど認められない。
【0034】(3) 任意の配合成分 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物は、上記各構成成
分の他に本発明の効果を著しく損なわない範囲で他の成
分を配合することができる。更に、本発明の効果を著し
く損なわない範囲で他の難燃剤を配合することができ
る。また、熱安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、増粘剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着
色剤、充填剤、導電剤等の添加剤を適宜配合することが
できる。更に、本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物に
は、各種の他のポリマー、例えば、ポリアミド、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリ[(2,6−ジメチルフェ
ニレン)エーテル]、芳香族ポリカーボネート、塩化ビ
ニル樹脂、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート
樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等を、本発明
の効果を著しく損なわない範囲で適宜配合することがで
きる。該他のポリマーの配合量は、好ましくは、上記必
須成分及びこれら任意成分の合計量に対し2〜70重量
%の範囲で配合することができる。
【0035】(4) 難燃性スチレン系樹脂組成物の製造 本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物は、上記成分
(A)〜(E)の各構成成分を上記配合割合で配合し、
ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニ
ーダーブレンダー、ロール、一軸又は二軸押出機等の通
常の混合混練機により混合・混練することにより製造さ
れる。通常は、これら押出機等により混合・混練して、
押し出された押出物を冷却しペレット化する方法によっ
て得ることができる。上記混練は、一般に180〜25
0℃、好ましくは200〜230℃の温度で行なわれ
る。なお、各配合成分の混合・混練順序は、特に制限さ
れないが、混練時に成分(C)の臭素化ジフェニルアル
カン系難燃剤と成分(E)のフェノール系酸化防止剤と
を同時に添加するのが好ましい。
【0036】[II] 用 途 この様にして得られた本発明の難燃性スチレン系樹脂組
成物は、難燃性を有し、成形時における良好な熱安定性
及び流動安定性と、成形品の耐熱性、外観並びに耐衝撃
性に優れていることから、各種工業品、特に家電分野、
OA機器分野等での使用に期待が持たれる。
【0037】
【実施例】以下に示す実験例によって、本発明を更に具
体的に説明する。 [I] 評価方法 種々の難燃性スチレン系樹脂組成物の諸性質を下記の方
法により測定し、評価した。 (1) 成形品の外観 射出成形機(型締力100トン)を用い、成形温度22
0℃、射出成形圧力700kg/cm2 、金型温度35
℃の条件下で25mm×300mm×3mm厚のシート
状試験片を作成し、得られた成形品の表面を肉眼で観察
して、次の基準により評価した。 ○:表面外観良好 ×: シルバーストリーク、フローマークが発生 (2) 耐衝撃性 (a) ASTM−D256に準拠してアイゾット衝撃強度
を測定した(23℃、試験片厚み1/4インチ、ノッチ
付き試験片)。 (b) 上記外観評価用試験片を用い、デュポン衝撃試験機
による面衝撃強度を測定した(衝撃箇所はゲート近
傍)。 (3) 耐熱性 ASTM−D648に準じて加熱変形温度を測定した
(試験片:厚み1/4インチ、アニール処理なし)。 (4) 流動性 ASTM−D648により、200℃、5kgのメルト
フローレート(MFR)を測定した。 (5) 燃焼性 UL94安全規格に準じて、94V−0、94V−1、
94V−2の材料分類の垂直燃焼試験により評価した
(試験片厚み:1/10インチ)。
【0038】[II] 実験例 実施例1〜4及び比較例1〜6 ポリブタジエン変性ポリスチレン(ゴム含有量7.6重
量%、ゴム平均粒子径1.1μm、MFR4.0g/1
0分)100重量部に対して、スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合体(旭化成工業(株)製:タフプレン12
6)、難燃剤としてエチレンビスペンタブロモジフェニ
ル(アルベマール社製:Saytex8010)、難燃
助剤としてSb2 3 、安定剤としてMgO、及び、酸
化防止剤として2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル
−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチル
フェニルアクリレート(住友化学工業(株)製:スミラ
イザーGM)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル(吉富製薬(株)製:ヨシノックス BHT)、ジス
テアリル−3,3−チオジプロピオネート(住友化学工
業(株)製:スミライザーTPS)のそれぞれを表1に
示した割合で所定量混合し、高速ミキサーでブレンドし
た。その後、二軸押出機(スクリュー径:30mmφ)
を用いて220℃で溶融混練し、ペレット化して難燃樹
脂組成物ペレットを得た。このペレットを用いて射出成
形して試験片を作成し、前記評価方法に従って測定及び
評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0039】実施例5〜6比較例7〜8 実施例1において、ポリブタジエン変性ポリスチレン
(ゴム含有量9.0重量%、ゴム平均粒子径1.3μ
m、MFR3.6g/10分)及び酸化防止剤としての
2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチ
ルフェニル)エチル]4,6−ジ−ペンチルフェニルア
クリレート(住友化学工業(株)製:スミライザーG
S)を変更して用い、表2に示した配合割合で実施例1
と同様に試験片を作成して各評価を行なった。その結果
を表2に示す。
【0040】実施例7〜8及び比較例9〜10 実施例1において、難燃剤としてSaytex 801
0と臭素化エポキシ樹脂オリゴマー(大日本インキ化学
工業(株)製:EC−14)を用い、表3に示した配合
割合で実施例1と同様に試験片を作成して各評価を行な
った。その結果を表3に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】このような本発明の難燃性スチレン系樹
脂組成物は、成形時における良好な熱安定性及び流動安
定性とを有し、かつ成形品の耐熱性、外観並びに耐衝撃
性に優れたもので、産業上に極めて有用な材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53:02) (72)発明者 古 林 義 信 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 西 尾 紀 昭 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)〜成分(E)からなるこ
    とを特徴とする、難燃性スチレン系樹脂組成物。 成分(A): ゴム変性スチレン系樹脂 100重量部 成分(B): スチレン・共役ジエンブロック共重合体 2〜20重量部 成分(C): 下記の一般式(I)で表わされる臭素化ジフェニルアルカン系 難燃剤 4〜30重量部 一般式(I) 【化1】 [式中、m及びnは互いに同じであっても異なっていて
    も良い1〜5の整数、Xは直鎖又は分岐した炭素数1〜
    10のアルキレン鎖を表わす。] 成分(D): 三酸化アンチモン 1〜10重量部 成分(E): 下記の一般式(II)で表わされるフェノール系酸化防止剤 0.1〜1.5重量部 一般式(II) 【化2】 [式中、R1 は互いに同じであっても異なっていても良
    い炭素数1〜5のアルキル基、R2 は互いに同じであっ
    ても異なっていても良い炭素数1〜8のアルキル基、R
    3 は水素又は炭素数1〜8のアルキル基、Yは 【化3】 (ここでR4 は水素又はメチル基である。)を表わ
    す。]
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10130608A (ja) * 1996-09-05 1998-05-19 Tokai Rubber Ind Ltd ホットメルト型難燃性接着剤組成物およびそれを用いて得られる絶縁テープ
WO2005000927A1 (ja) * 2003-06-30 2005-01-06 Kaneka Corporation 硬化性組成物
JP2015081340A (ja) * 2013-10-24 2015-04-27 東洋スチレン株式会社 樹脂組成物およびそれからなる成形体

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