JPH08339792A - 防爆安全機能を有する電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価な材料を用いずに対腐食性と十分なかし
め強度が得られ封口性及び組立性の向上が図れる防爆安
全機能を有する電池を提供する。 【構成】 内部端子板６は保持リング９の内周に嵌入さ
れ、内部端子板６の上面に内側ガスケット８が載置さ
れ、内側ガスケット８の鍔部上に中間感圧板７とＰＴＣ
素子１１と外部端子板５とが積層され内側ガスケット８
の内周に中間感圧板７と外部端子板５とが挟み込まれ、
中間感圧板７と内部端子板６とは中間感圧板７の突部７
ａで両者が接続して両者が導通し、保持リング９、内部
端子板６、内側ガスケット８、中間感圧板７、及び外部
端子板５の積層物がかしめリング１０の内周にかしめ付
けられることで一体的な蓋要素が構成され、所定の電池
内圧に達することにより膨出した中間感圧板７によって
突部７ａが内部端子板６から離間して外部との電池内導
電経路が遮断される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、防爆安全機能を有す
る電池に関し、特に、リチウムイオン二次電池などの大
きい電池電圧を有する電池を対象とした技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】電池の防爆安全機能としては内圧解放
機能、感圧遮断機能、感温遮断機能がある。内圧解
放機能は、電池ケース内の圧力が異常に上昇した時に電
池内のガスを安全に外部に放出して爆発を防ぐものであ
り、感圧遮断機能は、電池ケース内の圧力が異常に上昇
した時に充電電流または放電電流を電池内部で遮断し、
異常充電または異常放電が継続するのを防ぐものであ
り、感温遮断機能は、電池内部の温度が異常に上昇した
のに感応し、電池の内部抵抗を急上昇させて充電電流ま
たは放電電流を絞り、異常充電または異常放電が継続す
るのを防ぐものである。

【０００３】高エネルギー密度のリチウムイオン二次電
池の多くは、内圧解放機能を備えているとともに感圧遮
断機能を有しており、短絡や過充電などの異常な状態に
なったとき、感圧遮断機能が働いて充電または放電を停
止させるとともに内圧解放機能が働くように設計されて
いる。

【０００４】感圧遮断機能と内圧解放機能を備えた電池
の代表的な構造が特開平６−１４００１１号公報に示さ
れている。この電池は、図４に示すように、有底円筒形
の金属製電池ケース２０と、この電池ケース２０に収納
された発電要素２１と、電池ケース２０の開口部を塞ぐ
蓋要素とから基本的に構成されるが、感圧遮断機能と内
圧解放機能は蓋要素に備えられている。蓋要素は、ガス
抜き穴２２ａのある外部端子板２２と、破断しやすい可
撓性の薄い金属板からなる中間感圧板２３と、内側ガス
ケット２４と、ガス抜き穴２５ａのあるかしめ板２５と
呼ぶ金属板を備えている。

【０００５】中間感圧板２３とかしめ板２５とは中間感
圧板２３の中央部分に形成された下方へ突出する突部２
３ａで両者が溶接されて接続しており、この接続部分で
のみ両者が導通している。電池の内圧が異常に上昇する
と、中間感圧板２３が上方に膨らむように変形するた
め、中間感圧板２３の突部２３ａとかしめ板２５との溶
接が剥離して外部端子板２２につながる電池内導電経路
が遮断される。これが感圧遮断機能である。

【０００６】また、電池内圧がさらに上昇すると、中間
感圧板２３が破断し、外部端子板２２のガス抜き穴２２
ａからガスが安全に放出される。これが内圧解放機能で
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前述したような図４に
示す防爆機能を有する電池にあっては、かしめ板２５の
材料として、かしめ強度や組立性、製造費用等の面から
は鉄やステンレスなどが好適である。

【０００８】しかしながら、例えばリチウムイオン二次
電池の場合には、その電池電圧が３．６Ｖと比較的大き
いとともにかしめ板２５はリードタブ２６に接続されて
正の電位を有している。このため、鉄やステンレスなど
を用いると腐食が発生してしまい採用できない。

【０００９】そこで、正の高電位でも腐食しにくい金や
白金等の貴金属を用いることが考えられるが高価である
ため採用できない。また、これら貴金属の他にチタンや
アルミニウムを用いることが挙げられるが、チタンは比
較的硬質なためかしめにくいとともに高価であり組立性
や製造費用の面で問題がある。一方、アルミニウムは比
較的軟質なため必要な強度でかしめようとすると傷がつ
いたり誤って変形したりするので十分なかしめ強度が得
られない。このため、密封性が低下して漏液してしまう
可能性がある。

【００１０】この発明は以上のような従来の問題点に鑑
み、封口部材の材料ではなく封口部の構成に着目するこ
とによりなされたものであり、その目的は、高価な材料
を用いることなく対腐食性と十分なかしめ強度が得られ
て封口性及び組立性の向上が図れる防爆安全機能を有す
る電池を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明では、有底筒形の金属製電池ケースと、この電池
ケースに収納された発電要素と、この発電要素の一方の
電極に接続されたリードタブと、前記リードタブと電気
的に接続されるとともに絶縁性の外側ガスケットを介し
て前記電池ケースの開口部に装着されて前記開口部を塞
ぐ蓋要素とからなる電池において、前記蓋要素は、それ
ぞれガス抜き穴が形成されて剛性の比較的大きな金属製
の外部端子板および内部端子板と、破断しやすい可撓性
の金属板からなる中間感圧板と、絶縁性の内側ガスケッ
トと、外周端部が断面Ｌ字形の絶縁性の保持リングと、
かしめリングとを有し、前記内部端子板は前記保持リン
グの内周に嵌入され、前記内部端子板の上面には前記内
側ガスケットが載置され、前記内側ガスケットは下端に
おいて内方に延出する鍔部を有し、前記鍔部の上方に前
記中間感圧板と前記外部端子板とが順次積層されて前記
内側ガスケットの内周に前記中間感圧板と前記外部端子
板とが挟み込まれ、前記中間感圧板と前記内部端子板と
は前記中間感圧板の中央部分に形成された下方へ突出す
る突部で両者が接続してこの接続部分でのみ両者が導通
しており、これら保持リング、内部端子板、内側ガスケ
ット、中間感圧板、および外部端子板の積層物が前記か
しめリングの内周に嵌入されてかしめ付けられることで
一体的な前記蓋要素が構成され、前記電池ケースの開口
部分の内周に装着された前記外側ガスケットの内周に一
体的な前記蓋要素が嵌入され、前記電池ケースの開口部
分が内側にかしめられ前記外側ガスケットが圧縮されて
前記電池ケースが密封されてなり、前記電池ケースの内
部が所定の内圧に達することにより上方に膨出した前記
中間感圧板によって前記中間感圧板の前記突部が前記内
部端子板から離間することにより前記リードタブと前記
外部端子板との電池内導電経路が遮断されるようにして
なるのである。

【００１２】好ましくは、前記中間感圧板と前記外部端
子板との間に、中央部分が切り欠かれた正温度係数感温
素子が挟み込まれ、この正温度係数感温素子を介して前
記中間感圧板と前記外部端子板とが電気的に接続されて
なるのである。

【００１３】

【作用】電池ケース内の圧力は前記内部端子板の前記ガ
ス抜き穴を通じて前記中間感圧板に作用する。内圧が異
常に上昇すると、前記中間感圧板が上方へ膨らむように
変形し、前記中間感圧板の前記突部と前記内部端子板と
の接続点が離間することにより、前記リードタブと前記
外部端子板との電池内導電経路が遮断される（感圧遮断
機能）。そして、中間感圧板がさらに大きく変形すると
ついには破断し、電池ケース内のガスが安全に外部に放
出される（内圧解放機能）。

【００１４】また、本発明の電池では、前記かしめリン
グに接触する部材としては、前記保持リング、前記内側
ガスケット、および前記外側ガスケットのみであるが、
これらはすべて絶縁性のものである。したがって、前記
かしめリングは前記発電要素や前記外部端子と電気的に
絶縁状態にある。このため、前記かしめリングの電気的
な原因による腐食の発生を確実に防止することができ
る。

【００１５】さらに、前記かしめリングの内周部は前記
保持リングと前記内側ガスケットとの二つの部材の外周
部が接した状態となっている。したがって、万一、電池
内部の電解液や外部からの液体が前記かしめリングの内
周部を伝わってきたり電池内圧が異常に上昇しても、こ
れら二つの部材の接続部分によって伝わってきた液体や
ガスを阻止することができる。

【００１６】さらにまた、保持リング、内部端子板、内
側ガスケット、中間感圧板、および外部端子板の積層物
が前記かしめリングの内部に嵌入されて前記蓋要素とし
て一体的化された構成となっている。したがって、予め
前記蓋要素を組み立てておき、電池の組立時には、この
蓋要素を前記電池ケースの開口部分に前記外側ガスケッ
トを介して装着するだけでよい。

【００１７】尚、前記正温度係数感温素子を付加したも
のでは、電池の温度が異常に上昇すると、前記リードタ
ブと前記外部端子との電池内導電経路中に挿入された前
記正温度係数感温素子の抵抗値が増大し、充電または放
電時の電流を絞り込む。

【００１８】

【実施例】本願発明の好適な一実施例による感温遮断機
能を含む防爆安全機能を備えた電池の要部構造を図１に
示す。この電池の基本構成は、有底円筒形の金属製電池
ケース１と、この電池ケース１の開口部の内周に装着さ
れたポリプロピレン製外側ガスケット４と、電池ケース
１に収納された発電要素２と、この発電要素２の正極に
接続されたアルミニウム製リードタブ３と、このリード
タブ３と電気的に接続された蓋要素とからなる。そし
て、外側ガスケット４の内周に蓋要素が装着されて電池
ケース１の開口部を密封している。

【００１９】この蓋要素は、外部端子板５、アルミニウ
ム製内部端子板６、可撓性のアルミニウム製中間感圧板
７と、ポリプロピレン製内側ガスケット８、絶縁性の保
持リング９と、ステンレス製かしめリング１０、および
リング状正温度係数感温素子、即ちＰＴＣ（Positive T
emperature Coeffcient ）素子１１を有している。

【００２０】外部端子板５および内部端子板６にはそれ
ぞれガス抜き穴５ａ、６ａが形成され、中間感圧板７は
中央部分に下方へ突出する突部７ａと薄肉部７ｂとが形
成されている。内側ガスケット８は下端において内方に
延出する鍔部８ａを有し、保持リング９は外周端部９ａ
が断面Ｌ字形に形成されている。

【００２１】上記蓋要素の組立手順を図２（ａ）、
（ｂ）を参照にして説明する。先ず、図２（ａ）に示す
ように、かしめリング１０の内周に保持リング９を嵌入
した後、保持リング９の内周に内部端子板６を嵌入す
る。そして、内部端子板６の上面に内側ガスケット８を
載置した後、内側ガスケット８の鍔部８ａの上面に中間
感圧板７を載置する。次に、中間感圧板７の突部７ａと
内部端子板６とを図中矢印で示すように超音波溶接す
る。そして、内側ガスケット８の内周にＰＴＣ素子１
１、外部端子板５を順次嵌入して積層した後、かしめリ
ング１０の上端部を内側にカールすることにより、図２
（ｂ）に示すように、内側ガスケット８の内周に中間感
圧板７、ＰＴＣ素子１１、および外部端子板５とを挟み
込み、一体的な蓋要素とする。

【００２２】上記蓋要素を構成する内部端子板６の下面
中央部に対して発電要素２から引き出されたリードタブ
３の一端をスポット溶接する。そして、外側ガスケット
４の内周に前記蓋要素を嵌入した後、電池ケース１の開
口部分を内側にカールしてかしめ付け、外側ガスケット
４を圧縮して電池ケース１を密封する。

【００２３】以上の構成において、中間感圧板７と内部
端子板６とは中間感圧板７の突部７ａで両者が接続して
この接続部分でのみ両者が導通し、中間感圧板７と外部
端子板５とはＰＴＣ素子１１を介して電気的に接続され
ている。

【００２４】前述したような構成の電池の使用にあた
り、過放電、過充電等により内部にガスが発生すると、
電池ケース１内のガス圧力は内部端子板６のガス抜き穴
６ａを通じて中間感圧板７に作用する。電池内圧が異常
に上昇すると、図３（ａ）に示すように、中間感圧板７
が上方へ膨らむように変形し、突部７ａと内部端子板６
との溶接点が剥がれ両者が離間した状態となる。このこ
とにより、外部端子板５につながる電池内導電経路が遮
断される（感圧遮断機能）。

【００２５】電池の温度が異常に上昇すると、外部端子
板５につながる電池内導電経路中に挿入されているＰＴ
Ｃ素子１１の抵抗値が増大し、充電または放電電流を絞
り込む（感温遮断機能）。感圧、及び感温遮断機能は、
その時の電池の状態によって、働く順序が変わるが、い
ずれの機能が先に働いても電池の安全は確保される。

【００２６】また、中間感圧板７がさらに大きく変形す
るとついにはその薄肉部７ｂが破断し、電池ケース１内
のガスが安全に外部に放出される（内圧解放機能）。

【００２７】なお、ＰＴＣ素子１１を廃止して、中間感
圧板７の上に直接、外部端子板５を重ねる構成にすれ
ば、感温遮断機能の無いタイプの防爆安全機能となる。

【００２８】電池が異常に温度上昇する場合は内圧も異
常に上昇するため、感温遮断機能の無いタイプであって
も十分に安全は確保される。

【００２９】かしめリング１０に接触する部材として
は、保持リング９、内側ガスケット８、および外側ガス
ケット４のみであるが、これらはすべて絶縁性のもので
ある。したがって、かしめリング１０は発電要素２や外
部端子５と電気的に絶縁状態にある。このため、かしめ
リング１０の電気的な原因による腐食の発生を確実に防
止することができる。

【００３０】このため、かしめリング１０の材料選択の
自由度が大きくなり本実施例のようにステンレスを用い
ることができる。このため、金や白金などの高価な貴金
属や十分なかしめ力を得られないアルミニウム等を用い
なくて済む。

【００３１】そして、かしめリング１０にステンレスを
用いることで、蓋要素に十分な強度を持たせることがで
きる。したがって、組立工程における電池ケース１のカ
ール時に水平方向のストレスが加わっても、十分に耐え
うることができる。したがって、このストレスによって
中間感圧板７の突部７ａと内部端子板６との溶接部分に
有害なストレスを与えることがなく、感圧遮断機能の信
頼性を向上させることができる。

【００３２】さらに、かしめリング１０の内周部は保持
リング９と内側ガスケット８との二つの部材の外周部が
接した状態となっている。したがって、万一、電池内部
の電解液や外部からの液体がかしめリング１０の内周部
を伝わってきたり電池内圧が異常に上昇しても、これら
二つの部材８、９の接続部分によって、伝わってきた液
体やガスを阻止することができる。

【００３３】このため、各部材の間を伝わってガスが漏
れることを防止し、電池内圧が中間感圧板７に安定して
確実に作用するため中間感圧板７の突部７ａと内部端子
板６との溶接の剥離が電池内圧の上昇に対して高精度に
行われ、感圧遮断精度が極めて向上する。

【００３４】さらにまた、保持リング９、内部端子板
６、内側ガスケット８、中間感圧板７、および外部端子
板５の積層物がかしめリング１０の内部に嵌入されて蓋
要素として一体的化された構成となっている。したがっ
て、予め蓋要素を組み立てておき、電池の組立時には、
この蓋要素を電池ケース１の開口部分に外側ガスケット
４を介して装着するだけでよいため組立性が向上する。

【００３５】ここで、本実施例による電池の漏液特性を
確認するため、本実施例および従来例の遮断作動圧を測
定した。具体的には、本実施例と従来例とでそれぞれ５
０個の電池を用意し、６０℃の雰囲気下で１ヶ月、３ヶ
月、および６ヶ月の保存日数を経たものについて、漏液
発生の個数を調べた。

【００３６】

【表１】 その結果、表１に示すように、従来のものは保存３ヶ月
で１個、保存６ヶ月で５個の電池が漏液したのに対し、
本実施例では６ヶ月経過しても漏液したものはなかっ
た。したがって、本実施例の電池にあっては、対漏液
性、即ち封口性に極めて優れており、電池内部の電解液
が外部へ漏洩したりすることを確実に防止できることが
確認された。

【００３７】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
防爆安全機能を有する電池にあっては、前記かしめリン
グの材料の選定にあたって、電気的な原因による腐食を
気にする必要がなくなり設計自由度が向上する。したが
って、かしめリングに金や白金などの貴金属を用いる必
要もなく高価格化を防げる。

【００３８】さらに、前記かしめリングの材料として鉄
やステンレスを使用しても電気的な原因による腐食の心
配がないため十分なかしめ強度を得ることができ、封口
性が向上して防爆機能の作動性を向上できるとともに対
漏液性を向上できる。

【００３９】したがって、電池内部の電解液やガスが外
部へ漏洩したり、外部の液体が内部へ浸入することを確
実に防止でき、対漏液性および感圧遮断精度が極めて向
上し、以て安全性が向上する。

【００４０】さらに、前記外側ガスケットの内周に一体
的な前記蓋要素が嵌入された構成であるため組立性が向
上し、以て量産性を極めて向上させることができる。

【００４１】さらにまた、前記中間感圧板と前記外部端
子板との間に前記正温度係数感温素子が挟み込まれた構
成とした場合には、防爆安全機能を向上させるだけでな
く、万一、電池内部の電解液や外部からの液体が前記内
側ガスケットの内周部を伝わってきても、前記中間感圧
板、前記外部端子板、および／または前記正温度係数感
温素子との接続部分により、伝わってきた液体を阻止す
ることができる。

【００４２】したがって、電池内部の電解液が外部へ漏
洩したり、外部の液体が内部へ浸入することをより確実
に防止でき、より極めて封口性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による防爆安全機能を有する
電池の要部断面図である。

【図２】図１の電池の蓋要素の組立手順を示す要部断面
図であり、（ａ）はかしめリング１０をカールする前の
状態を示し、（ｂ）は蓋要素が完成した状態を示す。

【図３】図１の電池において防爆機能が働いた様子を示
した要部断面図であり、（ａ）は感圧遮断機能が働いた
状態を示し、（ｂ）は内圧解放機能が働いた様子を示
す。

【図４】従来の防爆安全機能を有する電池の要部断面図
である。

【符号の説明】

１ 電池ケース ２ 発電要素 ３ リードタブ ４ 外側ガスケット ５ 外部端子板 ５ａ ガス抜き穴 ６ 内部端子板 ６ａ ガス抜き穴 ７ 中間感圧板 ７ａ 突部 ７ｂ 薄肉部 ８ 内側ガスケット ８ａ 鍔部 ９ 保持リング ９ａ 外周端部 １０ かしめリング １１ ＰＴＣ素子（正温度係数感温素子）

フロントページの続き (72)発明者 山本 浩平 東京都港区新橋５丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底筒形の金属製電池ケース（１）と、
   この電池ケース（１）に収納された発電要素（２）と、
   この発電要素（２）の一方の電極に接続されたリードタ
   ブ（３）と、該リードタブ（３）と電気的に接続される
   とともに絶縁性の外側ガスケット（４）を介して該電池
   ケース（１）の開口部に装着されて該開口部を塞ぐ蓋要
   素とからなる電池において、該蓋要素は、それぞれガス
   抜き穴が形成されて剛性の比較的大きな金属製の外部端
   子板（５）および内部端子板（６）と、破断しやすい可
   撓性の金属板からなる中間感圧板（７）と、絶縁性の内
   側ガスケット（８）と、外周端部が断面Ｌ字形の絶縁性
   の保持リング（９）と、かしめリング（１０）とを有
   し、該内部端子板（６）は該保持リング（９）の内周に
   嵌入され、該内部端子板（６）の上面には該内側ガスケ
   ット（８）が載置され、該内側ガスケット（８）は下端
   において内方に延出する鍔部を有し、該鍔部の上方に該
   中間感圧板（７）と該外部端子板（５）とが順次積層さ
   れて該内側ガスケット（８）の内周に該中間感圧板
   （７）と該外部端子板（５）とが挟み込まれ、該中間感
   圧板（７）と該内部端子板（６）とは該中間感圧板
   （７）の中央部分に形成された下方へ突出する突部で両
   者が接続してこの接続部分でのみ両者が導通しており、
   これら保持リング（９）、内部端子板（６）、内側ガス
   ケット（８）、中間感圧板（７）、および外部端子板
   （５）の積層物が該かしめリング（１０）の内周に嵌入
   されてかしめ付けられることで一体的な該蓋要素が構成
   され、該電池ケース（１）の開口部分の内周に装着され
   た該外側ガスケット（４）の内周に一体的な該蓋要素が
   嵌入され、該電池ケース（１）の開口部分が内側にかし
   められ該外側ガスケット（４）が圧縮されて該電池ケー
   ス（１）が密封されてなり、該電池ケース（１）の内部
   が所定の内圧に達することにより上方に膨出した該中間
   感圧板（７）によって該中間感圧板（７）の該突部が該
   内部端子板（６）から離間することにより該リードタブ
   （３）と該外部端子板（５）との電池内導電経路が遮断
   されるようにしてなることを特徴とする防爆安全機能を
   有する電池。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の防爆安全機能を有する
   電池において、前記中間感圧板（７）と前記外部端子板
   （５）との間に、中央部分が切り欠かれた正温度係数感
   温素子（１１）が挟み込まれ、この正温度係数感温素子
   （１１）を介して該中間感圧板（７）と該外部端子板
   （５）とが電気的に接続されていることを特徴とする防
   爆安全機能を有する電池。