JPH08330111A

JPH08330111A - 抵抗器

Info

Publication number: JPH08330111A
Application number: JP13699295A
Authority: JP
Inventors: Keizo Yatabe; 敬三谷田部; Hiroyuki Murata; 浩幸村田
Original assignee: Calsonic Corp
Current assignee: Marelli Corp
Priority date: 1995-06-02
Filing date: 1995-06-02
Publication date: 1996-12-13

Abstract

(57)【要約】【目的】外力により遮断部１０を構成する通電材９ｄ
が変形しにくい抵抗器を得る。【構成】抵抗器１を構成する基板２の表面に、それぞ
れが所定の抵抗値を有する電路３ａ〜３ｃを設ける。電
路３ａの途中に設けた不連続部１１を挟む１対の中間端
部同士の間に通電材９ｄを掛け渡し、遮断部１０を構成
する。このうち、一方の中間端部に通電材９ｄの基端部
を、他方の中間端部に通電材９ｄの先端部を、それぞれ
半田により固定する。通電材９ｄは、基板２の面方向に
亙る弾力を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明の抵抗器は、例えば自動車
用空気調和装置に組み込まれ、送風ファンを駆動する電
動モータに印加する電圧を制御し、車室内に送り込む送
風量を調節する為に利用する。

【０００２】

【従来の技術】自動車室内の冷暖房を行なう為の自動車
用空気調和装置には、送風ファンが組み込まれ、冷暖房
時にはこの送風ファンにより吸引した空気を、エバポレ
ータやヒータコアを配置したダクト内に送り込む。そし
て、このダクト内で所望の温度に調整された空気（冷風
或は温風）を車室内に送り込む。又、このダクト内に
は、上記送風ファンを駆動する電動モータの回転を制御
する抵抗器を設けている。

【０００３】図３〜５は、実開平１−１２５７０７号公
報に記載された抵抗器の１例を示している。この抵抗器
１は、基板２の表面に、それぞれが所定の抵抗値を有す
る複数の電路３ａ〜３ｃを構成する、導電材製の薄膜を
添着している。そして、これら電路３ａ〜３ｃの端部
を、上記基板２の端縁に設けた複数の端子４、４の何れ
かに接続している。

【０００４】即ち、この抵抗器１は図３に示す様なモー
タ回路５に接続されており、上記電路３ａ〜３ｃにより
得られる抵抗値を、スイッチ８の切り換えに基づいて適
宜変化させる事により、送風ファン６を駆動する電動モ
ータ７への印加電圧を変化させる。そして、この電動モ
ータ７の回転速度を制御し、車室内に送り込む送風量を
調整する。

【０００５】又、上記抵抗器１を構成する基板２の一部
には、上記電動モータ７のロックやショート等の故障の
際に作動する遮断部１０を設けている。この遮断部１０
は、例えば上記電路３ａの途中に設けた不連続部１１を
挟んで設けた１対の中間端部同士の間に通電材９を設け
る事により構成している。即ち、この通電材９の基端部
は図４〜５に示す様に、基板２に対しねじにより固定
し、先端部は低融点金属である半田により上記基板２の
表面に固定して、上記不連続部１１の導通を図ってい
る。

【０００６】送風ファン６を駆動する電動モータ７がロ
ックやショートをした場合には、送風の停止により冷却
作用が低下すると共に、上記モータ回路５から抵抗器１
の端子４、４を通じて、電路３ａに過電流が流れる。そ
して、この過電流に基づくジュール発熱により、上記遮
断部１０に設けた通電材９の先端部と電路３ａの中間端
部とを固定している半田を溶かす。通電材９の先端部に
は、上記基板２から離れる方向の弾力が付与されている
為、半田の溶融と共にこの先端部が外れ、この半田及び
上記通電材９により確保されていた電路３ａの導通が断
たれる。この結果、モータ回路５の通電も遮断され上記
電動モータ７の焼き付き等を未然に防止する。

【０００７】又、上述した遮断部１０の構造に関して
は、上記図３〜５に示した構造に限らず、他にも例えば
図６（Ａ）〜（Ｃ）に示す様な構造も考えられている。
先ず、図６（Ａ）に示した第２例の構造は、通電材９ａ
を引っ張りばねとする事で、この引っ張りばねの弾性を
利用した遮断部１０を構成している。又、図６（Ｂ）に
示した第３例の構造は、通電材９ｂを波形の引っ張りば
ねとしている。更に、図６（Ｃ）に示した第４例の構造
では、湾曲した帯状の通電材９ｃにより不連続部１１を
接続すると共に、この通電材９ｃに基板２から外れる方
向の弾力を持たせている。この様な３例の構造でも、前
述した従来例の作用と同様、過電流の熱によりそれぞれ
の通電材９ａ〜９ｃの先端部と基板２とを固定している
半田が溶けると、弾力により上記通電材９ａ〜９ｃの先
端部と基板２との接続が外れ、電路３ａを遮断する。

【０００８】次に、図７は、やはり実開平１−１２５７
０７号公報に記載された従来構造の第５例を示してい
る。この第５例の構造では、上記通電材９の代りに、抵
抗器１を構成する基板２の不連続部１１に凹部１２を形
成し、この凹部１２に鋼球１３を設けている。そして、
この鋼球１３の重力に基づく落下を利用し、半田が溶け
た際に、この鋼球１３が落下する事で電路３ａを遮断す
る様にしている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した様
な従来構造のうち、図３〜５に示した第１例の構造で
は、基板２に取付後の通電材９が、図４〜５に示す様に
基板２表面から大きく突出してしまう。この為、この通
電材９を備えた抵抗器１をモータの制御回路中に組み付
ける場合に、上記突出部分がダクトの挿入口に引っ掛か
ったり、他の部品との接触による外力の影響により、変
形してしまう恐れがある。この様な外力により、通電材
９にねじれ（或は伸び）等の変形が生じてしまうと、基
板２と通電材９の先端部とを固定している半田が剥離し
たりする事により、前述した様な電動モータ７の故障が
発生していないにも拘らず、回路を遮断する可能性があ
る。

【００１０】又、図６（Ａ）〜（Ｃ）に示した第２〜４
例の遮断部１０を構成する通電材９ａ〜９ｃでも、上述
した通電材９と同様、基板２表面から突出している為、
やはり、他の部品との接触や外力の影響により変形し、
半田が剥離してしまう恐れがある。

【００１１】一方、図７に示した第５例では、通電材に
小型の鋼球１３を使用する為、取付スペースが小さく作
業性の良い、且つ基板２表面から突出しない構造となっ
ている。しかし、この構造では基板２表面に上記鋼球１
３を設ける凹部１２を形成する作業が必要になり製造作
業が面倒である。本発明の抵抗器は、上述の様な問題点
を解消すべく考えられたものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の抵抗器は、少な
くとも表面を絶縁材により覆われた基板と、この基板の
少なくとも片面に添着された導電材製の薄膜により構成
され、それぞれが所定の抵抗値を有する複数の電路と、
それぞれが何れかの電路の端部に導通した状態で上記基
板の端縁に設けられた複数の端子と、少なくとも１本の
電路の途中に設けられて過電流が流れると当該電路を遮
断する遮断部とを備えている。そして、上記遮断部は、
当該電路の途中に設けられた不連続部と、上記電路の途
中でこの不連続部を挟む部分に存在する１対の中間端部
と、弾性及び導電性を有する線材により造られて、一方
の中間端部にその基端部を接続固定され、他方の中間端
部にその先端部を低融点金属により接続固定された通電
材とを備え、この通電材は、上記先端部を上記他方の中
間端部から外す、上記基板の面方向に亙る弾力を有す
る。

【００１３】

【作用】本発明の抵抗器に使用する通電材は、線材によ
り造られ、しかも基板の面方向に亙る弾力を有する為、
この基板表面から突出しない。この為、外力により影響
を受けにくく装着前に変形しにくい。この結果、遮断部
としての機能を十分に発揮できる。

【００１４】

【実施例】図１〜２は、本発明の抵抗器の実施例を示し
ている。本発明の抵抗器１は、少なくとも表面をセラミ
ック或はホーロー等の絶縁材により覆われた基板２の表
面に、導電材製の薄膜を添着する事で、それぞれが（互
いに異なる）所定の抵抗値を有する複数の電路３ａ、３
ｂ、３ｃを設ける事により造られている。本発明の特徴
は、この様な抵抗器１の遮断部１０の構造に特徴があ
る。その他の部分の構成及び作用は前述した従来構造と
同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する
説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分
を中心に説明する。

【００１５】上記遮断部１０を構成する通電材９ｄは、
弾性及び導電性を有する金属製の線材により造られてい
る。この通電材９ｄは、その基端部（図１〜２の下側）
を湾曲させており、全体をＪ字形に形成している。そし
て、この様に形成された通電材９ｄを、導電材製の薄膜
（図１の斜格子部分）により構成される電路３ａの不連
続部１１に、掛け渡す様に接続している。即ち、上記電
路３ａの途中に上記不連続部１１を挟んで設けられた、
１対の中間端部のうちの一方（図１〜２の下方）の中間
端部に上記通電材９ｄの基端部を固定し、他方（図１〜
２の上方）の中間端部にこの通電材９ｄの先端部を固定
している。上述の様な通電材９ｄを基板２に固定するに
は、先ず、通電材９ｄの基端部を上記一方の中間端部に
半田付け固定する。次いで、この通電材９ｄをその湾曲
部を支点として、図１で時計方向に弾性変形させなが
ら、この通電材９ｄの先端部を、上記他方の中間端部に
半田付け固定する。

【００１６】従って、この状態で上記通電材９ｄの先端
部には反時計方向の弾力が付与されている。言い換える
と、この通電材９ｄの先端部には、上記他方の中間端部
から外れる方向の、基板２の面方向に亙る弾力が付与さ
れている。尚、通電材９ｄと上記１対の中間端部との固
定は、それぞれ低融点金属である半田により行なうが、
通電材９ｄの先端部を固定する半田は、基端部を固定す
る半田よりも融点の低い半田を使用する方が、本発明の
構造上好ましい。但し、通電材９ｄの先端部側に他の電
路（例えば３ｂ）を近接させる等により、先端部の温度
上昇が基端部の温度上昇よりも著しくなる様にすれば、
通電材９ｄの両端部を同種の半田により固定しても良
い。

【００１７】この様な、通電材９ｄを備えた本発明の抵
抗器の作用は、次の通りである。送風ファン６（図３）
を駆動する電動モータ７のロック等により、送風ファン
６の停止による冷却作用がなくなると共に、この抵抗器
１に端子４、４を通じ過電流が流れると、この過電流に
基づくジュール発熱により、通電材９ｄの先端部を基板
２に固定していた半田が溶け、この通電材９ｄが自身の
弾力により図１の鎖線で示す様に、その先端部を同図で
反時計方向に変位させる。この結果、上記他方の中間端
部と通電材９ｄの先端部との接続が外れ、この通電材９
ｄにより接続されていた電路３ａが遮断される。この結
果、モータ回路５（図３）への通電も遮断され、故障し
た電動モータ７の焼き付き等を未然に防止できる。

【００１８】本発明の抵抗器１の遮断部１０を構成する
通電材９ｄは、図２に示す様に、基板２の表面から極く
僅か（通電材９ｄを構成する線材の太さ分）しか突出し
ない。従って、基板２表面は、ほぼ平坦になっている。
この為、この通電材９ｄが他の部品と接触したり、車体
に設置する際に周囲と干渉したりする事もない。この結
果、この通電材９ｄが外力による影響を受けにくく、こ
の通電材９ｄが不用意に変形する可能性を殆どなくせる
為、遮断部１０としての機能を十分に発揮する事ができ
る。この為、不必要に上記遮断部１０が電路３ａを遮断
する可能性が低くなる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の抵抗器は、以上の通り構成され
作用するので、安定した機能を得て、抵抗器を設けた電
気機器の信頼性向上を図る事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の抵抗器の実施例を示す正面図。

【図２】図１の右方から見た側面図。

【図３】従来の抵抗器を組み込んだ送風機の制御回路を
示す回路図。

【図４】従来の遮断部の第１例を示す、図３の拡大Ａ−
Ａ断面図。

【図５】図４のＢ−Ｂ断面図。

【図６】従来の遮断部の第２〜４例を示す平面図及び断
面図。

【図７】従来構造の遮断部の第５例を示す、図５と同様
の図。

【符号の説明】

１抵抗器２基板３ａ、３ｂ、３ｃ電路４端子５モータ回路６送風ファン７電動モータ８スイッチ９、９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ通電材１０遮断部１１不連続部１２凹部１３鋼球

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも表面を絶縁材により覆われた
基板と、この基板の少なくとも片面に添着された導電材
製の薄膜により構成され、それぞれが所定の抵抗値を有
する複数の電路と、それぞれが何れかの電路の端部に導
通した状態で上記基板の端縁に設けられた複数の端子
と、少なくとも１本の電路の途中に設けられて過電流が
流れると当該電路を遮断する遮断部とを備えた抵抗器に
於いて、上記遮断部は、当該電路の途中に設けられた不
連続部と、上記電路の途中でこの不連続部を挟む部分に
存在する１対の中間端部と、弾性及び導電性を有する線
材により造られて、一方の中間端部にその基端部を接続
固定され、他方の中間端部にその先端部を低融点金属に
より接続固定された通電材とを備え、この通電材は、上
記先端部を上記他方の中間端部から外す、上記基板の面
方向に亙る弾力を有する事を特徴とする抵抗器。