JPH08325767A - 洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

洗浄方法及び洗浄装置

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JPH08325767A
JPH08325767A JP15586696A JP15586696A JPH08325767A JP H08325767 A JPH08325767 A JP H08325767A JP 15586696 A JP15586696 A JP 15586696A JP 15586696 A JP15586696 A JP 15586696A JP H08325767 A JPH08325767 A JP H08325767A
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Michiyo Suzuki
理代 鈴木
Minoru Inada
実 稲田
Noriaki Yagi
典章 八木
Hiromi Shizu
博美 志津
Nobuhiro Saito
信宏 齊藤
Shigeo Santo
茂夫 山藤
Takashi Takahashi
隆 高橋
Akitsugu Kurita
明嗣 栗田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷、高濃度の洗浄排液を希釈することな
く、安定にかつ効率よく処理、再生することを可能にす
ると共に、すすぎ液の有効利用を図った洗浄方法を提供
する。 【解決手段】 非水系の洗浄剤が収容された洗浄槽によ
り、被洗浄物に付着する汚れ成分を除去する洗浄工程
と、非水系のすすぎ液が収容され、被洗浄物の移送方向
と逆方向にすすぎ液が順に送られるよう連結された多槽
連結式すすぎ槽により、被洗浄物に付着する洗浄剤成分
を除去するすすぎ工程とを具備し、多槽連結式すすぎ槽
の最下流側に位置するすすぎ槽から排出される洗浄排液
を、減圧蒸留し、得られる凝縮液を最上流側に位置する
すすぎ槽に循環供給しつつ、すすぎ工程を行うことを特
徴とする洗浄方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄剤やすすぎ液
による洗浄排液の再生方法および洗浄排液再生装置、さ
らにはそれらを適用した洗浄方法および洗浄装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属部品、メッキ部品、塗装部品、電子
部品、半導体部品等の各種の部品には、その製造工程や
組立工程等において、加工油や塵等をはじめとして、様
々な汚れが付着する。このような汚れを有する各種部品
の洗浄は、従来、フロン系溶剤や塩素系溶剤等により行
うことが一般的であった。しかし、これらフロン系溶剤
や塩素系溶剤は塩素を含んでおり、この塩素を含む化合
物がオゾン層を破壊することが明らかとなったため、フ
ロン系溶剤や塩素系溶剤は使用規制、さらには全廃の対
応がとられることになった。このようなことから、洗浄
工程も見直しが迫られている。
【0003】上述したようなフロン系溶剤や塩素系溶剤
の代替洗浄剤の一つとして、水系洗浄剤、すなわちケン
化剤や界面活性剤等の水溶液が検討されている。水系洗
浄剤の場合、有機系溶剤を用いた洗浄と違い、不燃性の
洗浄システムが構築でき、またアルカリや界面活性剤の
選択によっては高い脱脂力を示すため、様々な洗浄が行
える可能性が高い。ただし、水によるすすぎが必要とな
ることから、溶剤等による洗浄では不必要な排水処理の
問題を避けて通ることはできない。
【0004】ところで、従来の排水処理方法としては、
活性汚泥法、活性炭吸着法、イオン交換法、膜分離法
等、あるいはこれらの組合せによる方法等が知られてい
る。しかし、これら従来の排水処理方法は、莫大な設備
投資や繁雑な維持管理が必要であるという問題を有して
いる。さらに、上述した排水処理方法はいずれも、BO
D、COD、n-ヘキサン抽出物質、pH、SS等が高い値を
示す、いわゆる高負荷の排水を直接処理することが困難
で、このような場合にはすすぎに必要とされる量以上の
水で希釈し、負荷を低減させた上で処理しなければなら
ない。これは、希釈水の大量取水が困難となってきてい
る上に、排水の総量規制が進められている現状において
は、洗浄排水の有効な排水処理手段とはなり得ず、大き
な問題となっている。このように、従来の一般的な排水
処理方法では、高負荷の洗浄排水を低コストで効率よく
処理することはできない。
【0005】また、用途分野は異なるが、メッキ処理後
の洗浄排水、あるいは酸洗い後の水洗排水等の濃厚排水
の処理や、写真処理排液の濃縮処理等の分野において
は、蒸留による処理が検討されている(特開昭50-12847
号公報、特開平3-229688号公報等参照)。しかし、これ
らの蒸留処理を洗浄剤による洗浄操作後の排液の処理・
再生に直接適用しようとしても、洗浄排液中には界面活
性剤等が含まれていると共に、洗浄剤を用いた洗浄操作
は通常連続的であり、特にすすぎ工程からの排液は多量
に排出されることから、発泡や処理能力不足によって、
蒸留を事実上連続的に行うことはできない。よって、洗
浄排液の連続処理に蒸留を適用するためには、排液量自
体の低減を図ると共に、発泡等の処理効率の低下要因を
排除する必要があるが、現在までのところ、そのような
条件を満足する洗浄排液の処理・再生方法は見出されて
いない。
【0006】一方、電気・電子業界では、素子の小型
化、高集積化等に伴って、回路基板の高密度実装化が進
められている。これらの基板を水系洗浄剤で洗浄しよう
とした場合、リーク、Agマイグレーション、コネクタ部
分の乾燥不良等を招くおそれが大きいため、アルコー
ル、炭化水素系溶剤、シリコーン系溶剤等の、塩素を実
質的に含まない有機溶剤、あるいはこれらに界面活性剤
等を添加したもの等を洗浄剤として用いることが検討さ
れている。
【0007】このような溶剤系洗浄剤を使用した場合に
は、上記したような洗浄に関する問題や排水処理に関す
る問題は解決できるものの、使用限界に至った溶剤の処
理・再生に関する問題は依然残っている。ここで、溶剤
系洗浄剤の最も簡単な処理・再生方法としては、大気圧
下で加熱・凝縮を行う、いわゆる単蒸留法が挙げられる
が、引火性を有する溶剤系洗浄剤を沸点まで加熱するこ
とは危険極まりない。また、溶剤系洗浄剤を使用する場
合においても、すすぎ液(溶剤系)は比較的多量に使用
するため、前述した水系洗浄剤を用いた場合と同様に、
すすぎ排液を連続的に処理・再生することが求められて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、フロ
ン系溶剤や塩素系溶剤の代替洗浄剤として、水系洗浄剤
や非塩素系の溶剤系洗浄剤が検討されているが、水系洗
浄剤を実用化するにあたっては洗浄排水の処理が問題と
なっており、また溶剤系洗浄剤に関しては使用限界に至
った洗浄剤や溶剤系すすぎ液の処理、再生が問題となっ
ている。
【0009】本発明は、上述したような課題に対処する
ためになされたもので、汚れ成分や洗浄剤成分を含む高
負荷の洗浄排液を希釈することなく、大量に安定してか
つ効率よく処理、再生することを可能にした洗浄排液再
生方法および洗浄排液再生装置を提供することを目的と
している。また本発明の他の目的は、フロン系溶剤や塩
素系溶剤等の代替洗浄剤として水系洗浄剤や非塩素系の
溶剤系洗浄剤を使用する際に、洗浄排液の効率的な処理
を可能とすると共に、すすぎ液の有効利用を図った洗浄
方法および洗浄装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の洗
浄排液再生方法は、被洗浄物に付着する汚れ成分を洗浄
剤により除去する洗浄工程、および前記被洗浄物に付着
する前記洗浄剤成分をすすぎ液により除去するすすぎ工
程の少なくとも一方から排出される洗浄排液を再生する
にあたり、前記洗浄排液をシリコーン系消泡剤を用いて
減圧蒸留すると共に、得られる凝縮液を前記すすぎ工程
に循環供給することを特徴としている。また、第2の洗
浄排液再生方法は、被洗浄物に付着する汚れ成分を洗浄
剤により除去する洗浄工程、および前記被洗浄物に付着
する前記洗浄剤成分をすすぎ液により除去するすすぎ工
程の少なくとも一方から排出される洗浄排液を再生する
にあたり、シリコーン系消泡成分を含む前記洗浄剤およ
びすすぎ液の少なくとも一方を用い、かつ前記洗浄排液
を減圧蒸留すると共に、得られる凝縮液を前記すすぎ工
程に循環供給することを特徴としている。
【0011】さらに、第3の洗浄排液再生方法は、被洗
浄物に付着する汚れ成分を洗浄剤により除去する洗浄工
程、および前記被洗浄物に付着する前記洗浄剤をすすぎ
液により除去するすすぎ工程の少なくとも一方から排出
される洗浄排液を再生するにあたり、前記洗浄排液を加
熱した壁面に沿って流下させ、前記洗浄排液の薄膜を形
成しつつ減圧下で蒸留することにより、前記洗浄排液を
再生することを特徴としている。
【0012】本発明の洗浄排液再生装置は、薄膜形成部
を有する減圧容器と、洗浄排液が少なくとも導入される
液貯留部と、前記液貯留部から前記薄膜形成部の壁面に
沿って薄膜を形成しつつ流下する洗浄排液を、減圧下で
加熱、蒸発させる機構と、前記蒸発させた成分を冷却し
て凝縮させ、再生液を回収する機構とを具備することを
特徴としている。
【0013】本発明における第1の洗浄方法は、洗浄剤
が収容された洗浄槽により、被洗浄物に付着する汚れ成
分を除去する洗浄工程と、すすぎ液が収容され、前記被
洗浄物の移送方向と逆方向に前記すすぎ液が順に送られ
るよう連結された多槽連結式すすぎ槽により、前記被洗
浄物に付着する前記洗浄剤成分を除去するすすぎ工程と
を具備し、前記多槽連結式すすぎ槽の最下流側に位置す
るすすぎ槽から排出される洗浄排液を、シリコーン系消
泡剤を用いて減圧蒸留し、得られる凝縮液を最上流側に
位置するすすぎ槽に循環供給しつつ、前記すすぎ工程を
行うことを特徴としている。
【0014】また、第2の洗浄方法は、洗浄剤が収容さ
れた洗浄槽により、被洗浄物に付着する汚れ成分を除去
する洗浄工程と、すすぎ液が収容され、前記被洗浄物の
移送方向と逆方向に前記すすぎ液が順に送られるよう連
結された多槽連結式すすぎ槽により、前記被洗浄物に付
着する前記洗浄剤成分を除去するすすぎ工程とを具備
し、シリコーン系消泡成分を含む洗浄剤およびすすぎ液
の少なくとも一方を用いると共に、前記多槽連結式すす
ぎ槽の最下流側に位置するすすぎ槽から排出される洗浄
排液を減圧蒸留し、得られる凝縮液を最上流側に位置す
るすすぎ槽に循環供給しつつ、前記すすぎ工程を行うこ
とを特徴としている。
【0015】さらに、第3の洗浄方法は、洗浄剤が収容
された洗浄槽により、被洗浄物に付着する汚れ成分を除
去する洗浄工程と、すすぎ液が収容され、前記被洗浄物
の移送方向と逆方向に前記すすぎ液が順に送られるよう
連結された多槽連結式すすぎ槽により、前記被洗浄物に
付着する前記洗浄剤成分を除去するすすぎ工程とを具備
し、前記多槽連結式すすぎ槽の最下流側に位置するすす
ぎ槽から排出される洗浄排液を、加熱した壁面に沿って
流下させ、前記洗浄排液の薄膜を形成しつつ減圧下で蒸
留し、得られる凝縮液を最上流側に位置するすすぎ槽に
循環供給しつつ、前記すすぎ工程を行うことを特徴とし
ている。
【0016】本発明における第1の洗浄装置は、洗浄剤
が収容された洗浄槽を有し、被洗浄物に付着する汚れ成
分を前記洗浄剤により除去する洗浄手段と、すすぎ液が
収容され、前記被洗浄物の移送方向と逆方向に前記すす
ぎ液が順に送られるよう連結された多槽連結式すすぎ槽
を有し、前記被洗浄物に付着する前記洗浄剤成分を前記
すすぎ液により除去するすすぎ手段と、前記多槽連結式
すすぎ槽の最下流側に位置するすすぎ槽から排出される
洗浄排液が少なくとも導入され、この洗浄排液を減圧下
で加熱、蒸発させる減圧加熱機構と、この減圧加熱機構
で得られる蒸気を凝縮させる凝縮機構とを有する洗浄排
液再生手段と、前記減圧加熱機構での発泡を抑制するシ
リコーン系消泡剤を、前記洗浄排液または前記すすぎ液
に供給する消泡剤供給手段と、前記凝縮機構で得られる
凝縮液を、前記多槽連結式すすぎ槽の最上流側に位置す
るすすぎ槽に供給する循環系とを具備することを特徴と
している。
【0017】また、第2の洗浄装置は、洗浄剤が収容さ
れた洗浄槽を有し、被洗浄物に付着する汚れ成分を前記
洗浄剤により除去する洗浄手段と、すすぎ液が収容さ
れ、前記被洗浄物の移送方向と逆方向に前記すすぎ液が
順に送られるよう連結された多槽連結式すすぎ槽を有
し、前記被洗浄物に付着する前記洗浄剤成分を前記すす
ぎ液により除去するすすぎ手段と、前記多槽連結式すす
ぎ槽の最下流側に位置するすすぎ槽から排出される洗浄
排液が少なくとも導入され、この洗浄排液を減圧下で加
熱、蒸発させる減圧加熱機構と、この減圧加熱機構で得
られる蒸気を凝縮させる凝縮機構とを有する洗浄排液再
生手段と、前記凝縮機構で得られる凝縮液を、前記多槽
連結式すすぎ槽の最上流側に位置するすすぎ槽に供給す
る循環系とを具備し、前記洗浄剤およびすすぎ液の少な
くとも一方は、シリコーン系消泡成分を含むことことを
特徴としている。
【0018】さらに、第3の洗浄装置は、洗浄剤が収容
された洗浄槽を有し、被洗浄物に付着する汚れ成分を前
記洗浄剤により除去する洗浄手段と、すすぎ液が収容さ
れ、前記被洗浄物の移送方向と逆方向に前記すすぎ液が
順に送られるよう連結された多槽連結式すすぎ槽を有
し、前記被洗浄物に付着する前記洗浄剤成分を前記すす
ぎ液により除去するすすぎ手段と、薄膜形成部を有する
減圧容器と、前記多槽連結式すすぎ槽の最下流側に位置
するすすぎ槽から排出される洗浄排液が少なくとも導入
される液貯留部と、前記液貯留部から前記薄膜形成部の
壁面に沿って薄膜を形成しつつ流下する洗浄排液を、減
圧下で加熱、蒸発させる加熱機構と、前記蒸発させた成
分を冷却して凝縮させる凝縮機構とを有する洗浄排液再
生手段と、前記凝縮機構で得られる凝縮液を、前記多槽
連結式すすぎ槽の最上流側に位置するすすぎ槽に供給す
る循環系とを具備することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】多槽連結式すすぎ槽を用いて、す
すぎ液を被洗浄物の移送方向とは逆方向に流下させるこ
とにより、従来の1/10から 1/100程度の液補充で最終す
すぎ槽の清浄度を維持することが可能となる。ただし、
排出される洗浄排液は、高負荷、高濃度となる。本発明
では、上記したような洗浄剤成分を含む高負荷の洗浄排
液を、減圧蒸留することによって、処理、再生してい
る。ここで、減圧蒸留は、高負荷、高濃度の排液の処
理、再生に適しているものの、本発明のように、界面活
性剤等の洗浄剤成分が含まれる洗浄排液を処理する場
合、単に減圧蒸留したのでは発泡が多量に生じる。これ
により、原液の持ち出しが発生するため、処理効率は著
しく低下する。
【0020】そこで、本発明においては、シリコーン系
消泡剤を用いて減圧蒸留したり、シリコーン系消泡成分
を含む洗浄剤やすすぎ液を用いることにより、シリコー
ン系消泡成分が予め含まれる洗浄排液を減圧蒸留した
り、あるいは洗浄排液を加熱した壁面に沿って流下さ
せ、洗浄排液の薄膜を形成しつつ減圧蒸留している。上
記したような洗浄排液の処理・再生法を適用することに
よって、界面活性剤等の洗浄剤成分が含まれる洗浄排液
の発泡を抑制しつつ、高負荷の洗浄排液を希釈すること
なく、連続的に精度および効率よく処理することが可能
となる。このように、高負荷の洗浄排液を直接処理する
ことが可能となることによって、クローズドシステムを
構築することができる。
【0021】このように、本発明によればフロン系溶剤
や塩素系溶剤等の代替洗浄剤として、水系洗浄剤や非塩
素系の溶剤系洗浄剤を使用する際に、洗浄排液の効率的
な処理が可能となると共に、すすぎ液を有効利用するこ
とができるため、洗浄品質の維持を図った上で、洗浄コ
ストの減少を図ることが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0023】図1は、本発明の洗浄排液再生方法および
洗浄方法を適用した一実施例の洗浄装置の構成を模式的
に示す図である。同図に示す洗浄装置1は、被洗浄物2
の搬送手段として、例えばバスケット搬送機構10を有
しており、上記バスケット搬送機構10の搬送順路に沿
って、洗浄手段20およびすすぎ手段30の各工程が順
に配設されて構成されている。また、洗浄装置1は、洗
浄手段20およびすすぎ手段30の少なくとも一方から
排出される洗浄排液を、処理、再生する洗浄排液再生手
段40を有している。洗浄排液再生手段40には、消泡
剤供給手段60が付随して設けられている。
【0024】上記洗浄手段20は、洗浄剤21が収容さ
れた浸漬洗浄槽22を有している。
【0025】被洗浄物2は、浸漬洗浄槽22内に浸漬さ
れることによって、付着している油系や水系、さらには
塵等の汚れが除去される。浸漬洗浄槽22は、必要に応
じて、超音波、揺動、機械的撹拌等を併用することがで
きる。なお、洗浄手段20は、シャワー洗浄との併用、
あるいはシャワー洗浄単独等とすることも可能である。
洗浄手段20における浸漬洗浄槽としては、多槽連結式
洗浄槽を用いることもできる。この場合、搬送機構10
の搬送順路とは逆方向に、順次洗浄剤21がオーバーフ
ローするような構造とすることが好ましい。
【0026】また、上記すすぎ手段30は、多槽連結式
のすすぎ槽31を有している。この多槽連結式すすぎ槽
31は、搬送機構10の搬送順路とは逆方向に順次すす
ぎ液32がオーバーフローするように、すなわち第3の
すすぎ槽31aから第2のすすぎ槽31bへ、また第2
のすすぎ槽31bから第1のすすぎ槽31cへすすぎ液
32が順にオーバーフローするように、仕切壁33の高
さが調節されている。そして、液流の最下流側に位置す
る第1のすすぎ槽31cには、オーバーフロー管34が
設置されており、このオーバーフロー管34に接続され
たすすぎ液排出配管35を介して、洗浄排液再生手段4
0の洗浄排液貯槽41に、すすぎ液32が送出されるよ
う構成されている。
【0027】多槽連結式すすぎ槽31の槽数は、 3槽に
限られるものではなく、被洗浄物2に要求される洗浄精
度、ならびに洗浄排液の汚染度によって、適宜槽数を選
択すればよい。高負荷の洗浄排液を処理する場合ほど、
すすぎ槽の槽数を多く設定することによって、ランニン
グコストをおさえることができる。
【0028】なお、上記した洗浄装置1では、すすぎ手
段30からの洗浄排液のみを洗浄排液再生手段40に送
出するよう構成しているが、洗浄手段20の浸漬洗浄槽
22からも、洗浄排液を洗浄排液再生手段40に送出す
るように構成することもできる。
【0029】洗浄排液再生手段40は、洗浄排液貯槽4
1、減圧式加熱缶42、凝縮器43、再生液貯槽44等
から主として構成されている。洗浄排液貯槽41と減圧
式加熱缶42とは、減圧式加熱缶42内に設置された液
面センサ45と連動する自動バルブ46を介して接続さ
れている。また、減圧式加熱缶42の上部には、蒸気用
配管47が接続されており、この蒸気用配管47によっ
て、減圧式加熱缶42と凝縮器43とが接続されてい
る。凝縮器43の下部には、再生液捕集配管48が設け
られており、この再生液捕集配管48は再生液貯槽44
に接続されている。 そして、再生液貯槽44には、減
圧ポンプ49が接続されており、この減圧ポンプ49に
よって、再生液貯槽44から減圧式加熱缶42までが所
定の減圧状態とされる。減圧式加熱缶42内の液面が低
下すると自動バルブ46が開き、洗浄排液貯槽41に収
容された洗浄排液50は、減圧式加熱缶42内の減圧に
伴う吸引力により、減圧式加熱缶42内に導入される。
【0030】減圧式加熱缶42の周囲には、ヒータ51
が設置されている。このヒータ51によって、減圧式加
熱缶42内に導入された洗浄排液50は、減圧下で加熱
され、回収しようとする成分が蒸気化される。なお、減
圧式加熱缶42の下部には、ドレンバルブ52が接続さ
れており、濃縮廃液はここから排出される。減圧式加熱
缶42は、飛沫同伴を防ぐような構造のものを用いるこ
とが好ましく、また必要に応じてその上部には、デミス
タ、バッフル等を設置することができる。また、減圧式
加熱缶42は、処理排液量に応じて複数並列設置するこ
ともできる。
【0031】大気圧状態より低温での加熱によって発生
した蒸気は、蒸気用配管47を介して、凝縮器43に送
られる。凝縮器43内には、図示を省略した冷却水供給
装置に接続された冷却管53が設置されている。凝縮器
43内に供給された蒸気は、冷却管53により凝縮さ
れ、凝縮液は再生すすぎ液54として再生液貯槽44に
収容される。このようにして、再生液貯槽44内には、
減圧下での蒸留操作により処理された再生すすぎ液54
が収容される。
【0032】また、減圧式加熱缶42の塔頂や蒸気用配
管47に温度センサを設置し、留出蒸気の温度変化を観
察することで、留出液(再生すすぎ液54)の純度を監
視することができる。この他、凝縮器43の下部や再生
液貯槽44に電気伝導度計(導電率計)等を設置し、凝
縮液の電気伝導度を観察することによっても、再生すす
ぎ液54の純度を監視することができる。これらは単独
で用いてもよく、さらに組合せて用いることで、効率的
に再生すすぎ液54の純度を制御することができる。
【0033】上記した洗浄排液再生手段40には、消泡
剤供給手段60が付設されている。消泡剤供給手段60
は、シリコーン系消泡剤61が収容された消泡剤貯槽6
2を有している。この消泡剤貯槽62には、添加量調整
バルブ63を介して、消泡剤供給配管64が接続されて
いる。この消泡剤供給配管64は、減圧式加熱缶42内
に挿入されており、この消泡剤供給配管64から適量の
シリコーン系消泡剤61が減圧式加熱缶42内に供給さ
れる。このシリコーン系消泡剤61の添加は、例えば減
圧式加熱缶42内の減圧に伴う吸引力により行われる。
【0034】すなわち、上述した減圧式加熱缶42内で
の洗浄排液50の減圧蒸留は、シリコーン系消泡剤61
が添加された状態で行われる。このシリコーン系消泡剤
61の添加によって、界面活性剤等を含む洗浄排液の発
泡を抑制した上で、連続的にかつ効率よく減圧蒸留する
ことが可能となる。
【0035】上述した排液処理再生手段40によって、
減圧蒸留処理された再生すすぎ液54は、再生液貯槽4
4から循環系となる循環用ポンプ71により、循環系配
管72を介して、多槽連結式すすぎ槽31の液流の最上
流側に位置する第3のすすぎ槽31aに供給され、すす
ぎ液32として再利用される。このようにして、すすぎ
液32は常時処理されつつ循環使用されているため、系
外に処理水を排出することなく、すすぎ液32の清浄度
が保たれる。なお、洗浄剤21も必要に応じて処理する
ことができ、系外への排出を防止することも可能であ
る。
【0036】次に、上述した洗浄装置1による被洗浄物
の洗浄方法および洗浄排液の処理・再生方法について述
べる。
【0037】被洗浄物2は、まず浸漬洗浄槽22に浸漬
されて、その表面に付着する油系、水系等の各種の汚れ
が除去される。浸漬洗浄槽22で使用する洗浄剤21と
しては、水系洗浄剤、準水系洗浄剤、溶剤系洗浄剤等、
各種の洗浄剤を使用することができる。水系洗浄剤とし
ては、無機酸、有機酸、アルカリ等の水溶液、界面活性
剤を主成分とする洗剤およびこれらの水溶液、さらには
これらに各種添加剤を加えたもの等が挙げられる。溶剤
系洗浄剤としては、シリコーン系溶剤、炭化水素系溶
剤、ペルフルオロカーボン系溶剤、テルペン系溶剤等
に、界面活性剤やアルコール等の洗浄有効成分や各種添
加剤を加えたものが挙げられる。また、アルキルアミン
オキサイド系溶剤、ポリグリコール系溶剤、テルペン系
溶剤、炭化水素系溶剤、およびこれらと界面活性剤とを
成分とする洗浄剤のように、溶剤を主成分とする組成物
で洗浄した後、その洗浄組成物を水によりすすぐことが
可能な準水系洗浄剤を用いることもできる。これらの洗
浄剤中の洗浄有効成分や添加剤の沸点は、減圧蒸留によ
り回収する成分の沸点より高いことが望ましく、また洗
浄対象汚染物質の沸点も同様である。
【0038】上述したような一般的な洗浄剤を用いる場
合には、消泡剤供給手段60から後に詳述するシリコー
ン系消泡剤を、少なくとも洗浄排液を洗浄排液再生手段
40で処理する前に添加する。ただし、上記洗浄剤21
やすすぎ液32として、シリコーン系消泡成分を含むも
のを使用する場合にはこの限りではない。
【0039】上記シリコーン系消泡成分としては、特に
限定されるものではないが、例えば 一般式: R1 n SiO (4-n)/2 ………(1) (式中、 R1 は炭素数 1〜10の置換または非置換の 1価
の炭化水素基、およびポリオキシアルキレン基から選ば
れた同一または相異なる 1価の基を、 nは平均値が 1.9
〜 2.2の値を示す)で表されるポリオルガノシロキサン
が例示される。ここで、 R1 としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル
基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル
基、トリル基等のアリール基、β- フェニルエチル基、
γ- フェニルプロピル基等のアラルキル基、これらの基
の炭素に結合した水素原子の少なくとも一部をハロゲン
原子、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル
基、アミノ基、アルコキシ基等で置換した基、ポリオキ
シアルキレン基等が例示される。中でも、メチル基、フ
ェニル基、ポリオキシアルキレン基が好ましい。また、
R1 以外に、ケイ素に結合した水酸基やアルコキシ基等
の加水分解性基を含有していてもよい。 (1)式で表され
るポリオルガノシロキサンは、 nの平均値が 1.9〜 2.2
の範囲にあり、実質的には直鎖状あるいは環状構造を有
するが、一部枝状構造を要していてもよい。
【0040】上記 (1)式で表されるシリコーン系消泡成
分のうち、水系洗浄剤に対して特に有効なものとして
は、
【化1】 で表されるシロキサン単位を 1分子中に少なくとも 1個
有するポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキ
サンが例示される。このようなポリオキシアルキレン基
含有ポリオルガノシロキサンは、消泡作用を有すると共
に、水に対して親和性を示すことから、安定な水系分散
液や水溶液を形成する成分としても機能する。また、被
洗浄物と汚れとの界面に浸透して、汚れを引剥がす作用
も有している。よって、上記ポリオキシアルキレン基含
有ポリオルガノシロキサンと、水と界面活性剤等によっ
て、水系洗浄剤を構成することができる。
【0041】上記 (2)式中における Aのポリオキシアル
キレン基としては、
【化2】 で表される 1価の基が例示される。
【0042】上記ポリオキシアルキレン基含有ポリオル
ガノシロキサンの主骨格を成すシロキサンは、特に限定
されるものではない。このシロキサンのケイ素原子に結
合する有機基は、基本的にはメチル基であるが、その効
果を損わない範囲で、エチル基、プロピル基、ブチル
基、フェニル基等の 1価の炭化水素基や、トリフロロメ
チル基のような 1価の置換炭化水素基を含有していても
よい。また、分子量や上記ポリオキシアルキレン基 1個
当りの分子量も特に限定されるものではない。ただし、
実用的にはポリオキシアルキレン基 1個当りの分子量が
100〜5000程度のものが好ましい。また、ポリオキシア
ルキレン基の量は特に限定されないが、該ポリオルガノ
シロキサンのケイ素原子に結合した全有機基中の 5mol%
以上であることが系の安定性からより好ましい。
【0043】上述したようなポリオキシアルキレン基含
有ポリオルガノシロキサンを含む洗浄剤の具体例として
は、 (2)式で表されるポリオキシアルキレン基含有ポリ
オルガノシロキサン、界面活性剤、および水を含むもの
が挙げられる。また、これらの 3成分系組成に、
【化3】 で表される直鎖状ポリジオルガノシロキサンや、
【化4】 で表される環状ポリジオルガノシロキサン等の低分子量
ポリオルガノシロキサンを配合してもよい。上記 (4)式
および (5)式中の R7 は、置換または非置換の1価の有
機基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基等のアルキル基やフェニル基のような 1価の非
置換炭化水素基、トリフロロメチル基のような 1価の置
換炭化水素基等が例示されれるが、系の安定性、揮発性
の維持等からメチル基が最も好ましい。なお、これら低
分子量ポリオルガノシロキサンは、上記 (1)式のポリオ
ルガノシロキサンに含まれるものであり、それ自体でも
消泡機能を有している。
【0044】上記した各成分の組成比は、特に限定され
るものではないが、界面活性剤をポリオキシアルキレン
基含有ポリオルガノシロキサン 100重量部に対して10〜
1000重量部の範囲で配合することが好ましい。また、低
分子量ポリオルガノシロキサンは、上記界面活性剤とポ
リオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキサンとの
合計量 100重量部に対して1000重量部以下で配合するこ
とが好ましい。界面活性剤の配合量が少なすぎると洗浄
力が弱くなり、また多すぎると浸透性が弱くなる。ま
た、低分子量ポリオルガノシロキサンの配合量が多すぎ
ると系に分散しずらくなり、また水系組成物としての安
定性が低下する。また、水の配合量は、特に限定される
ものではないが、洗浄剤の安定性の点からは全組成物中
で40重量%以上とすることが好ましい。
【0045】上記した界面活性剤としては、カチオン
系、アニオン系、ノニオン系、両性系およびこれらの複
合系等、種々のものを用いることができる。また、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アル
コールとその誘導体、および
【化5】 で表され、具体的には
【化6】
【化7】 等が例示されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レン共重合体等も、界面活性剤と同様に用いることがで
きる。
【0046】ただし、上記ポリオキシアルキレン基含有
ポリオルガノシロキサンとの組合せによる効果を考えた
場合、アニオン系、ノニオン系、両性系のいずれかの界
面活性剤の使用が好ましく、特にアニオン系/ノニオン
系の組合せあるいは両性系/ノニオン系の組合せによる
界面活性剤を使用することにより、これらによる洗浄性
と上記した低分子量ポリオルガノシロキサンやポリオキ
シアルキレン基含有ポリオルガノシロキサンによる浸透
性とに顕著な相乗効果が得られる。
【0047】また、上述した (4)式や (5)式で表される
低分子量ポリオルガノシロキサンは、溶剤系洗浄剤の主
成分の一種であるシリコーン系溶剤として機能するもの
である。従って、シリコーン系溶剤を主とする洗浄剤を
用いる場合も、シリコーン系消泡剤を添加することな
く、減圧蒸留することができる。
【0048】洗浄手段20の浸漬洗浄槽22から引上げ
られた被洗浄物2の表面には、洗浄剤21が付着してい
るため、多槽連結式すすぎ槽31の各すすぎ槽31c、
31b、31aに順に浸漬されて、すすぎ洗浄が行われ
る。すすぎ液32としては、洗浄剤21が水系や準水系
の洗浄剤である場合には水が、また溶剤系洗浄剤の場合
にはその基礎となる溶剤、例えばシリコーン系溶剤や炭
化水素系溶剤等が用いられる。これらすすぎ液32が、
前述した洗浄排液再生手段40によって処理・再生され
る。
【0049】この実施例の洗浄装置1においては、 3槽
をオーバーフローで連結した多槽連結式すすぎ槽31を
用いており、すすぎ液32は被洗浄物2の移送方向とは
逆方向に流下させている。ここで、容積50000gの浸漬洗
浄槽22と多槽連結式すすぎ槽31(各すすぎ槽31
a、31b、31cの槽容積)を用いて、汚れ成分が付
着した20枚のA4基板を被洗浄物2として洗浄実験(1タク
ト:5分)を行った。なお、洗浄剤21としては水系洗浄
剤を、またすすぎ液32としては水を用いた。また、被
洗浄物2による液の持ち込み、持ち出し量は 50gとし、
浸漬洗浄槽22のBOD、COD、n-ヘキサンの負荷の
値は 10000mg/lとした。このような条件下で、第3のす
すぎ槽31aに添加する新液(すすぎ液)の量を変化さ
せて洗浄を行い、各すすぎ槽31c、31b、31aの
負荷状態を測定した。
【0050】その結果、 1タクト毎に800g(9.6l/hr)の
新液を補充した際の各すすぎ槽31c、31b、31a
の負荷は、第1のすすぎ槽31cでは6000mg/l、第2の
すすぎ槽31bでは 360mg/l、第3のすすぎ槽31aで
は19mg/lとなった。上記した19mg/lという値は市水に近
く、 360mg/lでも一般洗浄であれば十分なレベルの清浄
度である。すなわち、すすぎ液32を被洗浄物2の移送
方向とは逆方向に流下させることによって、従来の1/10
から 1/100程度の新液補充で、最終すすぎ槽31aの清
浄度を維持することが可能となる。
【0051】また、各槽容積が42リットルおよび90リッ
トルの多槽連結式すすぎ槽(2槽式)をそれぞれ用いて、
フラックスが付着した20枚のA4基板を被洗浄物2(フラ
ックス付着量:5g)として洗浄実験を行った。なお、洗浄
剤21としては、シリコーン系溶剤にアルコールを洗浄
有効成分として添加した溶剤系洗浄剤(FRW-17:商品
名、 (株)東芝製)を、またすすぎ液32としては、シ
リコーン系溶剤(FRW-1:商品名、 (株) 東芝製)を用い
た。各すすぎ槽における洗浄成分(アルコール)の濃度
変化を、洗浄回数との関係として図2に示す。また、 3
槽式の多槽連結式すすぎ槽を用いた場合の結果を、図3
に示す。これらから、すすぎ槽を多槽連結式とすること
によって、被洗浄物2の搬送方向の下流側に位置するす
すぎ槽ほどすすぎ液の汚れが少ないこと、またすすぎ槽
の槽数を増やすほどその汚れ具合が減少することが分か
る。また図4に、 2槽式の多槽連結式すすぎ槽を用いた
際に、最終すすぎ槽に2kg/hrで新液を補充した場合の結
果を示す。図4からは、液の管理限界がアルコール濃度
20%である場合、すすぎ液の循環量を2kg/hrとすること
ができれば、半永久的に洗浄が可能であることが分か
る。
【0052】さらに、上記した実験例と同様な条件下
で、溶剤系洗浄剤FRW-17と溶剤系すすぎ液FRW-1 とを用
いて、多槽連結式すすぎ槽の槽数が 1槽の場合、 2槽の
場合および 3槽の場合の洗浄回数をそれぞれ比較した。
その結果を表1および表2に示す。なお、表1および表
2中の結果は、それぞれ最終すすぎ槽におけるアルコー
ルの管理限界を 15%および 20%とした場合を示してい
る。また、新液による洗浄回数の欄は、洗浄剤およびす
すぎ液を全て新液とした際の洗浄回数を示している。液
交換後の洗浄回数の欄は、最終すすぎ槽のアルコール濃
度が管理限界に達した後に、例えば 3槽式の場合には第
3のすすぎ槽のすすぎ液を第2のすすぎ槽に、また第2
のすすぎ槽のすすぎ液を第1のすすぎ槽に移し、第3の
すすぎ槽には新液を補充した際の洗浄回数を示してい
る。 2槽式の場合は同様とし、 1槽式の場合は単にすす
ぎ液の交換を行った後の結果を示している。
【0053】
【表1】
【表2】 表1および表2から、すすぎ槽の槽数を多くすることに
より、洗浄回数が増大すること、およびすすぎ液の循環
を行うことにより、さらに洗浄回数の増大が図れること
が分かる。
【0054】上述した各種実験結果から、多槽連結式す
すぎ槽31を用いて、すすぎ液32を被洗浄物2の移送
方向とは逆方向に流下させることにより、従来に比較し
て僅かな液循環で、最終すすぎ槽31aの清浄度を維持
できることが分かる。さらには、洗浄回数を増大するこ
とができ、洗浄コストの低減が図れることが分かる。た
だし、上記したような液循環を行う場合には、排出され
る洗浄排液は高負荷、高濃度となる。このような高負荷
の洗浄排液を直接処理することができれば、クローズド
システムの構築が可能となる。しかしながら、活性炭吸
着法、イオン交換法、膜分離方等の従来の排液処理方法
では、上記したような高負荷の洗浄排液を直接処理する
ことはできない。
【0055】そこで、この実施例の洗浄装置1において
は、洗浄排液再生手段40として、減圧蒸留処理を適用
している。減圧式加熱缶42内の圧力は、大気圧より低
ければ本発明の目的は達成されるが、処理液によるもの
の、 5〜 200Torr程度に減圧することが好ましい。この
ような減圧蒸留処理によれば、高負荷の洗浄排液を希釈
等することなく、直接処理、再生することができると共
に、加熱処理温度を低く設定できることから、熱効率の
向上を図ることが可能となる。また、引火性を有する溶
剤を処理する場合においても、危険性が減少する。減圧
蒸留は、処理効率や熱効率を高めるのみならず、洗浄排
液中に含まれる様々な物質の蒸発や熱分解を抑制し、配
管系等へのスケールの付着を防止する。
【0056】ただし、処理液が界面活性剤等を含む洗浄
排液であるため、単に減圧蒸留を行ったのでは発泡が起
こり、到底連続処理を行うことはできない。減圧蒸留
は、常圧蒸留に比べて発泡が起こりやすく、常圧蒸留で
は発泡が生じないような処理液であっても、減圧蒸留で
は多量の発泡が起こる。また、減圧蒸留における発泡の
抑制には、消泡剤の添加が有効であるが、連続処理、30
〜 100℃程度の高温下での使用、処理液のpHが強酸から
強アルカリの広範囲にわたる等ということを考慮する必
要がある。そこで、この実施例の洗浄装置1において
は、減圧蒸留時にシリコーン系消泡剤61を使用してい
る。
【0057】上記したシリコーン系消泡剤61として
は、前述した (1)式で表されるポリオルガノシロキサン
が例示される。ここで、 (1)式中の R1 の一部として、
ポリオキシアルキレン基を含むもの、すなわち前述した
(2)式で表されるシロキサン単位を 1分子中に少なくと
も 1個有するポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノ
シロキサンは、単独で消泡剤として使用することができ
る。
【0058】また、 一般式: R2 n SiO (4-n)/2 ………(7) (式中、 R2 は同一または相異なる炭素数 1〜10の置換
または非置換の 1価の炭化水素基を、 nは平均値が 1.9
〜 2.2の値を示す)で表されるポリオルガノシロキサン
のような、一般的なシリコーンオイルを用いる場合に
は、無機質充填剤と共に使用することが好ましい。この
ような充填剤としては、煙霧質シリカ、湿式シリカ、溶
融シリカ、アルミナ、二酸化チタン、タルク、炭酸カル
シウム、窒化ケイ素、シリカアルミナ、ゼオライト、粉
砕石英、水酸化アルミニウム、ポリオルガノシルセスキ
オキサン粉末、シリコーンゴム粉末等の粉体、およびこ
れら粉体の表面をアルコール、シラン、シラザン、シロ
キサン等で処理したものが例示される。これらの中で
も、良好な消泡効果が得られることからシリカ粉が好ま
しい。
【0059】上記したシリコーンオイルは、消泡剤の主
成分となるもので、抑泡性を有している。また、無機質
充填剤は、シリコーンオイルの分散性を向上させると共
に、破泡、抑泡の補助成分として機能するものである。
【0060】また、シリコーン系消泡剤61としては、
上記 (7)式で表されるシリコーンオイルと無機質充填剤
との混合物に、さらに前述した (2)式で表されるシロキ
サン単位を 1分子中に少なくとも 1個有するポリオキシ
アルキレン基含有ポリオルガノシロキサンを配合したも
のが好適である。ポリオキシアルキレン基含有ポリオル
ガノシロキサンは、分散性の向上や抑泡性に寄与するも
のであり、特にシリコーンオイルの分散性の向上に大き
く貢献する。
【0061】上記した成分の他に、シリコーン系消泡剤
61には、 (CH3 3 SiO1/2 単位と SiO2 単位とから
本質的になり、 (CH3 3 Si O1/2 単位の SiO2 単位に
対する比が 0.4〜 1.2の範囲にあるシロキサン樹脂や、
界面活性剤を配合することもできる。上記共重合シロキ
サン樹脂は、シリコーンオイルの分散性を向上させると
共に、抑泡性を示すものである。また、界面活性剤は、
上述した各種成分の補助成分として働き、分散性の向上
や乳化状態の形成に寄与する。界面活性剤としては、前
述したような各種のものを用いることができる。
【0062】上述した各種成分の配合比は、シリコーン
オイル 1〜99重量% 、無機質充填剤0.1〜22重量% 、ポ
リオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキサン99重
量%以下とすることが好ましい。また、共重合シロキサ
ン樹脂は33重量% 以下の範囲で、界面活性剤は22重量%
以下の範囲で配合することが好ましい。シリコーンオイ
ルの配合量が 1重量% 未満では速効性が低下し、また99
重量% を超えると、分散性のよい組成物を作製すること
が困難となる。シリコーンオイルのより好ましい配合量
は 5〜50重量% の範囲である。無機質充填剤の配合量が
0.1重量% 未満であると、分散性のよい組成物を作製す
ることが困難となり、また22重量% を超えると、乳化状
態の安定な組成物を作製することが困難となり、また系
内での分散性が劣化する。無機質充填剤のより好ましい
配合量は 0.5〜10重量% の範囲である。また、ポリオキ
シアルキレン基含有ポリオルガノシロキサンの配合量が
99重量% を超えると、速効性や抑泡性が低下する。さら
に、共重合シロキサン樹脂の配合量が33重量% を超える
と、乳化状態の安定な組成物を作製することが困難とな
り、また系内での分散性が劣化する。
【0063】このようなシリコーン系消泡剤61は、処
理対象となる洗浄排水に対して0.01ppm 以上となるよう
に添加する。シリコーン系消泡剤61の添加量が0.01pp
m 未満であると十分な効果が得られない。シリコーン系
消泡剤61のより好ましい添加量は 0.1〜10000ppmの範
囲であり、さらに好ましくは 1〜1000ppm の範囲であ
る。シリコーン系消泡剤61の添加は、連続的に行って
もよいし、また処理量によっては上記添加量の範囲内で
断続的に行ってもよい。また、この実施例の洗浄装置1
では、減圧式加熱缶42内に洗浄排水50を供給する際
に、同時に減圧式加熱缶42内にシリコーン系消泡剤6
1を投入するように構成したが、シリコーン系消泡剤6
1は減圧蒸留処理前に添加されていればよい。例えば、
減圧式加熱缶42内で発泡が起こった際に、シリコーン
系消泡剤61を減圧式加熱缶42内に散布するように構
成することもできる。また、洗浄排液貯槽41内にシリ
コーン系消泡剤61を供給するよう構成してもよい。さ
らには、減圧式加熱缶42条部のデミスタやバッフル等
に、シリコーン系消泡剤61を塗布しておくこともでき
る。
【0064】なお、前述したようなシリコーン系消泡成
分を含む洗浄剤21やすすぎ液32を使用する場合に
は、シリコーン系消泡剤61を添加することなく減圧蒸
留を行うことができるが、シリコーン系消泡剤61を併
用することがより好ましい。
【0065】上記したようなシリコーン系消泡剤61
(あるいはシリコーン系消泡成分)を用いることによっ
て、界面活性剤等の洗浄成分を含む洗浄排液を減圧蒸留
する際に、発泡を効果的に抑制することが可能となる。
よって、高負荷でpHが強酸から強アルカリの広範囲にわ
たる洗浄排液50を、希釈等を行うことなく、直接連続
して精度および効率よく、減圧蒸留処理することが可能
となる。
【0066】このように、上記構成の洗浄装置1によれ
ば、多槽連結式すすぎ槽31を用いて、すすぎ液32を
被洗浄物2の移送方向とは逆方向に流下させているた
め、すすぎ液32の使用量(循環量)を削減することが
できる。これにより、排出される洗浄排液50は、高濃
度、高負荷となるが、シリコーン系消泡剤もしくは消泡
成分を併用した減圧蒸留を適用した洗浄排液再生手段4
0を有しているため、上述したような洗浄排液50を、
直接連続して処理、再生することができる。よって、す
すぎ液を循環使用した上で、すすぎ液の清浄度を保つこ
とができると共に、このような状況下で洗浄およびすす
ぎを行うことが可能となるため、従来法に比べてはるか
に低コストで高度な洗浄を行うことができる。なお、従
来の排液処理方法では、このような閉じられた系で排液
処理を行うことは不可能であった。次に、上記構成の洗
浄装置1を用いた被洗浄物2の洗浄方法および洗浄排液
の処理方法の具体例について述べる。まず、以下の実施
例で使用したシリコーン系消泡剤の製造例について述べ
る。 (シリコーン系消泡剤の製造例1)撹拌機、温度計、窒
素パージおよび滴下ロートを備えた容量1000ccの 3口フ
ラスコに、トリメチルシリル基末端封鎖ジメチルシリコ
ーンオイル(25℃での粘度:50cSt)15.5gと、シリカ粉
(サイロイド 266(商品名、富士デヴィソン社製))1.
5gとを入れ、撹拌しつつ 160℃の温度で 4時間加熱し
た。室温まで冷却した後、 (CH3 3 SiO1/2 / SiO2
共重合体( (CH3 3 Si O1/2 / SiO2 =0.4)8gと、
【化8】 で表されるポリオキシエチレン変性シリコーン 70gと、
ポリオキシエチレン(20モル付加)ソルビタンモノオレ
エート5gとを加え、ホモミキサを用いて均一に分散させ
た。このようにして、粘稠な淡黄色のシリコーン系消泡
剤組成物A-1 を得た。
【0067】(シリコーン系消泡剤の製造例2)撹拌
機、温度計、窒素パージおよび滴下ロートを備えた容量
1000ccの 3ツ口フラスコに、トリメチルシリル基末端封
鎖ジメチルシリコーンオイル(25℃での粘度:50cSt)15g
と、トリメチルシリル基末端封鎖ジメチルシリコーンオ
イル(25℃での粘度:2000cSt)15gと、シリカ粉・サイロ
イド 266(商品名、富士デヴィソン社製)1.6gを入れ、
撹拌しつつ 160℃の温度で 4時間加熱した。60℃まで冷
却した後、ポリオキシエチレン(5モル付加)ノニルフェ
ニルエーテル2gと、ポリオキシエチレン(20モル付加)
ステアリルエーテル1gを加え、60℃に保ちつつ10分間撹
拌した。この後、60℃に調温した水 65.4gを加え、撹拌
を続けながら30℃まで冷却した。これをコロイドミルに
て乳化(ミル間隔:30ミル)し、シリコーン系消泡剤組
成物A-2 を得た。
【0068】(シリコーン系消泡剤の製造例3〜5)上
記した製造例1あるいは製造例2と同様にして、表3に
それぞれ組成を示すシリコーン系消泡剤組成物A-3 〜A-
5 を得た
【表3】 実施例1 洗浄剤21として、ミリスチン酸モノエタノールアミン
10重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル 5重量
部、ケイ酸ナトリウム塩10重量部、および市水75重量部
からなる洗浄組成物を20重量% 含む水溶液からなる水系
洗浄剤を、すすぎ液32として水を用いて、プレス油8g
が残留するアンバー製シャドーマスクを、上記洗浄装置
1(すすぎ槽数=3槽)を用いて洗浄した。シリコーン系
消泡剤61としては、表3に示した製造例1〜5による
ものをそれぞれ用い、洗浄排液に対して有効成分で 200
ppm となるように添加した。再生液貯槽44から多槽連
結式すすぎ槽31の第3のすすぎ槽31aへの循環量、
すなわち洗浄排液の減圧蒸留処理量は、 2リットル/hr
に設定した。また、洗浄排液の減圧蒸留条件は、減圧度
25Torr、加熱缶内温度25〜30℃とした。
【0069】そして、上記条件によりそれぞれ 200時間
稼働させた後、それぞれ洗浄排液(洗浄排液貯槽41か
らサンプリング)と再生すすぎ水(再生液貯槽44から
サンプリング)のpH、BOD、COD、n-ヘキサン抽出
物質量、SSを測定した。それらの結果を表4に示す。
【0070】比較例1 シリコーン系消泡剤を使用しない以外は、上記実施例1
と同一条件で洗浄試験を行い、洗浄排液と再生すすぎ水
のpH、BOD、COD、n-ヘキサン抽出物質量、SSを測
定した。それらの結果を併せて表4に示す。
【0071】比較例2 限外ろ過、活性炭吸着およびイオン交換を併用した排液
処理を適用し、上記実施例1と同様にしてシャドーマス
クの洗浄および排液処理を行った後、洗浄排液と再生す
すぎ水の水質測定を行った。その結果を併せて表4に示
す。なお、この比較例2による排液処理では、すすぎ排
液をそのまま処理したのでは短時間のうちに目詰りを起
こして処理不能となるため、すすぎ排液を約 5倍に市水
で希釈して処理した。洗浄排液の測定結果は、希釈後の
値である。また、排液処理の詳細は以下の通りである。
限外ろ過は、ポリオレフィン系のろ過膜(除去率:油分
=100%、界面活性剤= 0%)を用いて行った。活性炭吸着
は、粒径 0.9mm、充填量54リットル、sv0.2/hrの条件で
行った。イオン交換は、強酸性樹脂と強塩基性樹脂の混
床カートリッジ(25リットル×2)を用いて行った。
【0072】
【表4】 表4から明らかなように、本発明の方法によれば、高負
荷、高濃度の洗浄排液を高精度でかつ効率よく処理、再
生できると共に、シリコーン系消泡剤は連続処理に耐え
得ることが分かる。また、洗浄品質も良好であった。こ
れに対して、比較例1(消泡剤使用せず)では、減圧蒸
留時に多量の発泡が起こり、この発泡に伴って処理排液
が凝縮液に混入したことにより、再生すすぎ液の水質は
大幅に劣化した。また、比較例2では、市水で希釈して
いるにもかかわらず、十分に洗浄排液を処理することが
できなかった。なお、一般的な市水の水質は、pH=6.9、
BOD=0.8mg/l、COD=0.7mg/l、SS=(検出されず)、
n-ヘキサン抽出物質量=(検出されず)である。
【0073】比較例3 洗浄排液の蒸留処理を常圧下で行いつつ、実施例1と同
様なシャドーマスクの洗浄を行った。ただし、常圧蒸留
処理は、消泡剤を使用せずに行った。また、蒸留処理条
件は、加熱缶内温度 135℃、蒸留処理量 0.8リットル/h
r とした。上記洗浄および排液を処理を行った後、洗浄
排液貯槽からサンプリングした洗浄排液のCOD1 と、
再生液貯槽からサンプリングした再生すすぎ水のCOD
2 とから、COD残留率(COD2 /COD1 ×100
(%))を求めた。その結果、COD残留率は1.9%であっ
た。
【0074】CODの除去効率(その他の水質測定項目
はCOD値と相関を示す)が十分とは言えないものの、
常圧下で蒸留を行っているために、例えば比較例1のよ
うに、発泡により処理排液が再生液に多量に混入するよ
うなことはなかった。しかし、処理量が少ないために、
第3のリンス槽の水質は経時的に悪化し、連続的に使用
することはできないことが確認された。さらに、原水加
熱温度が 135℃にもなるため、原水が加熱劣化や分解を
受けやすく、またソープスカム(石鹸カス)等の缶壁へ
の付着もおびただしかった。処理能力を上げるために、
加熱温度をさらに上げると、上記した問題はさらに深刻
となり、到底連続使用することはできなくなる。
【0075】実施例2 洗浄剤21として、ミリスチン酸ナトリウム10重量部、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル10重量部、
ケイ酸ナトリウム塩 5重量部、および市水75重量部から
なる洗浄組成物を20重量% 含む水溶液からなる水系洗浄
剤を、すすぎ液32として水を用いて、離型剤5gが移行
残留するダイキャスト製ギアを、上記洗浄装置1と同様
な洗浄装置(すすぎ槽数=2槽)を用いて洗浄した。シリ
コーン系消泡剤61としては、表3に示した製造例1〜
5によるものをそれぞれ用い、洗浄排液に対して有効成
分で 200ppm となるように添加した。蒸留処理量は、 5
リットル/hr に設定した。また、洗浄排液の減圧蒸留条
件は、減圧度 150Torr、加熱缶内温度75℃とした。
【0076】そして、上記条件で 500個のギアを洗浄し
たところで、洗浄排液貯槽からサンプリングした洗浄排
液のCOD1 と、再生液貯槽からサンプリングした再生
すすぎ水のCOD2 とから、COD残留率(COD2
COD1 ×100(%))を求めた。それらの結果を表5に示
す。なお、表5には実施例1におけるCOD減少率も併
せて示す。
【0077】実施例3 洗浄剤21として、ミリスチン酸ナトリウム 5重量部、
グルコン酸ナトリウム5重量部、水酸化ナトリウム 5重
量部、ケイ酸ナトリウム塩20重量部、および市水65重量
部からなる洗浄組成物を10重量% 含む水溶液からなる水
系洗浄剤を、すすぎ液32として水を用いて、打ち抜き
油1gが移行残留する42アロイ製リードフレームを、上記
洗浄装置1(すすぎ槽数=3槽)を用いて洗浄した。シリ
コーン系消泡剤61としては、表3に示した製造例1〜
5によるものをそれぞれ用い、洗浄排液に対して有効成
分で 200ppm となるように添加した。蒸留処理量は、10
リットル/hr に設定した。また、洗浄排液の減圧蒸留条
件は、減圧度40Torr、加熱缶内温度50℃とした。
【0078】そして、上記条件で 50000枚のリードフレ
ームを洗浄したところで、実施例2と同様にしてCOD
残留率を求めた。それらの結果を表5に示す。
【0079】比較例4、5 シリコーン系消泡剤を使用しない以外は、実施例2、3
とそれぞれ同様に洗浄および排液処理を行った後、実施
例2と同様にしてCOD残留率をそれぞれ求めた。それ
らの結果を、比較例1によるCOD残留率を含めて表5
に示す。
【0080】比較例6〜8 表5に示す各種の消泡剤(シリコーン系以外)を用いる
以外は、実施例1、2、3とそれぞれ同様にして洗浄お
よび排液処理を行った後、実施例2と同様にしてCOD
残留率をそれぞれ求めた。それらの結果を表5に示す。
【0081】なお、シリコーン系以外の消泡剤は、洗浄
排液に対する起泡防止度が 50%以上を示すのに必要な量
を添加した。上記起泡防止度は、下記の式から求められ
る。 起泡防止度=((ts 0 −ts )/(ts 0 (式中、ts は消泡剤を加えたときの 1mlの泡末の平均
寿命(sec)を、(ts 0 は消泡剤を加えないときの 1
mlの泡末の平均寿命(sec)を示す)
【表5】 表5から明らかなように、本発明の方法によれば、高負
荷、高濃度の洗浄排液を、連続的に(実施例1)高温下
で(実施例2)効率よく処理、再生することができると
共に、高pH(実施例3)の洗浄排液にも十分に対応でき
ることが分かる。また、洗浄品質も良好であった。
【0082】これに対して、シリコーン系以外の他の消
泡剤を使用した場合(比較例6〜8)には、連続蒸留
(蒸留時間 2.5時間:比較例6)、高温蒸留(75℃:比
較例7)、高pH排液(比較例8)のために、大半の消泡
剤が蒸留工程中に効果を失い、発泡による飛沫同伴で処
理効率が低いものとなった。
【0083】実施例4 まず、洗浄剤21として、
【化9】 で表されるポリオキシエチレン変性シリコーン 5重量部
と、ステアリン酸モノエタノールアミン10重量部と、ケ
イ酸ナトリウム塩10重量部と、市水75重量部からなる洗
浄組成物を20重量% 含む水溶液からなる水系洗浄剤を用
意した。
【0084】上記水系洗浄剤を用いると共に、シリコー
ン系消泡剤を使用しない以外は、実施例1と同一条件
で、アンバー製シャドーマスクの洗浄を行った。そし
て、上記条件で 200時間洗浄を行ったところで、洗浄排
液貯槽からサンプリングした洗浄排液のCOD1 と、再
生液貯槽からサンプリングした再生すすぎ水のCOD2
とから、COD残留率を求めた。その結果を表6に示
す。
【0085】実施例5 実施例1と同様なシリコーン系消泡剤を使用する以外
は、実施例4と同一条件(同一組成の水系洗浄剤)で、
アンバー製シャドーマスクの洗浄を行った。そして、上
記条件で 200時間洗浄を行ったところで、COD残留率
を求めた。それらの結果を表6に示す。
【0086】実施例6 まず、洗浄剤21として、
【化10】 で表されるポリオキシエチレン変性シリコーン10重量部
と、ミリスチン酸ナトリウム10重量部と、ケイ酸ナトリ
ウム塩 5重量部と、市水75重量部からなる洗浄組成物を
20重量% 含む水溶液からなる水系洗浄剤を用意した。
【0087】上記水系洗浄剤を用いると共に、シリコー
ン系消泡剤を使用しない以外は、実施例2と同一条件
で、ダイキャスト製ギアの洗浄を行った。そして、上記
条件で500個のギアを洗浄したところで、COD残留率
を求めた。それらの結果を表6に示す。
【0088】実施例7 実施例2と同様なシリコーン系消泡剤を使用する以外
は、実施例6と同一条件(同一組成の水系洗浄剤)で、
ダイキャスト製ギアの洗浄を行った。そして、上記条件
で 500個のギアを洗浄したところで、COD残留率を求
めた。それらの結果を表6に示す。
【0089】実施例8 まず、洗浄剤21として、
【化11】 で表されるポリオキシエチレン変性シリコーン 5重量部
と、ミリスチン酸ナトリウム 5重量部と、ケイ酸ナトリ
ウム塩20重量部と、市水70重量部からなる洗浄組成物を
10重量% 含む水溶液からなる水系洗浄剤を用意した。
【0090】上記水系洗浄剤を用いると共に、シリコー
ン系消泡剤を使用しない以外は、実施例3と同一条件
で、42アロイ製リードフレームの洗浄を行った。そし
て、上記条件で 50000枚リードフレームを洗浄したとこ
ろで、COD残留率を求めた。それらの結果を表6に示
す。
【0091】実施例9 実施例3と同様なシリコーン系消泡剤を使用する以外
は、実施例8と同一条件(同一組成の水系洗浄剤)で、
42アロイ製リードフレームの洗浄を行った。そして、上
記条件で 50000枚のリードフレームを洗浄したところ
で、COD残留率を求めた。それらの結果を表6に示
す。
【0092】
【表6】 次に、本発明の他の洗浄排液再生方法、およびそれを適
用した洗浄排液再生装置の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0093】図5は、本発明の洗浄排液再生方法を適用
した一実施例の洗浄排液再生装置の構成を模式的に示す
図である。同図に示す洗浄排液再生装置101は、洗浄
排液を一旦貯蔵する洗浄排液貯槽110と、洗浄排液を
減圧下で加熱・蒸発させる洗浄排液加熱部120と、得
られる蒸気を凝縮して再生液を回収する凝縮部130と
から主として構成されている。
【0094】洗浄排液貯槽110には、図示を省略した
洗浄装置の洗浄槽やすすぎ槽に接続された排液原水供給
配管111が挿入設置されており、連続的にまたは断続
的に洗浄排液Aが供給される。また、洗浄排液貯槽11
0と洗浄排液加熱部120の減圧容器121とは、減圧
容器121内に設置された液面計112と連動する自動
バルブ113が介挿された洗浄排液供給配管114を介
して接続されている。洗浄排液加熱部120は、上述し
たように減圧容器121を有している。この減圧容器1
21の中央部には、薄膜形成部として、薄膜形成パイプ
122が立設されている。この薄膜形成パイプ122の
本数は、洗浄排液の処理量に応じて設定する。薄膜形成
パイプ122の周囲には、例えば水やシリコーンオイル
等の熱媒体123が配置されており、この熱媒体123
を囲繞するように、減圧容器121の外周側に加熱機構
としてヒータ124が設置されている。薄膜形成パイプ
122は、熱媒体123を介してヒータ124により加
熱される。
【0095】また、上記薄膜形成パイプ122の上部側
には、その上端が突出配置された液貯留部125が設け
られている。上述した洗浄排液供給配管114は、液貯
留部125に向けて開口されている。液貯留部125内
に一旦蓄えられた処理液Bは、図6に示すように、液貯
留部125からオーバーフローすることにより、薄膜C
を形成しながら薄膜形成パイプ122の内壁面122a
を伝わって流下する。その際、処理液Bは減圧下にて薄
膜状態で加熱され、回収しようとする成分は蒸気化され
る。また、蒸発残液Dは、減圧容器121下部の蒸発残
液貯留部121aに収容される。蒸発残液貯留部121
aには、循環ポンプ126が介挿された液循環用配管1
27が接続されている。液循環用配管127の他端部
は、液貯留部125に向けて開口されている。これらに
より、洗浄排液は循環されて連続的に加熱される。
【0096】減圧容器121の上部には、蒸気回収配管
131が接続されており、この蒸気回収配管131を介
して凝縮部130に、加熱により生じた蒸気Eが送出さ
れる。なお、減圧容器121の下部には、ドレン配管1
28が接続されている。
【0097】処理液Bの薄膜Cは、上述したように、液
貯留部125内に蓄えられた処理液Bをオーバーフロー
させ、薄膜形成パイプ122の内壁面122aに沿って
流下させることにより形成される。薄膜形成パイプ12
2の内壁面122aに薄膜Cを一様に形成する上で、液
貯留部125内の処理液Bは、静置状態を保つようにす
ることが好ましい。このため、例えば図7に示すよう
に、洗浄排液供給配管114や液循環用配管127と、
薄膜形成パイプ122との間に遮蔽板129を設け、液
流が直接的に薄膜形成パイプ122に影響しないように
隔離することが好ましい。また、図8に示すように、洗
浄排液供給配管114や液循環用配管127の液吐出部
114a、127aが、液貯留部125の下方に位置す
るように配置することも有効である。
【0098】ところで、処理液Bの薄膜Cを形成する上
で、通常の液体ではそれぞれの凝集力により凝集し、例
えばガラスやステンレス材の表面に、均一な膜形成が困
難となるおそれがある。このため、有効な蒸発面積を得
るためには、広大な伝熱面を必要とし、装置の大型化が
避けられない。ここで、 (a)ブレードやワイパ等を利用
して強制的に薄膜を形成したり、 (b)膜厚を厚くして凝
集を防ぐ等の方法も考えられるが、 (a)の方法では駆動
部のメンテナンス等に問題が生じやすく、また(b)の方
法では薄膜蒸留の利点が大きく犠牲となってしまう。
【0099】このような点に対して、液体の表面張力が
35dyn/cm以下となると、強制手段を用いることなく、例
えばガラスやステンレス材の表面に、容易に薄膜を形成
することが可能となる。この実施例の洗浄排液再生装置
は、このような表面張力が35dyn/cm以下の液体の性質を
利用して、処理液Bの薄膜を均一に形成するものであ
る。洗浄排液の表面張力は、30dyn/cm以下であることが
より好ましい。洗浄剤は、一般に液の表面張力が低くな
るように設計されているため、薄膜蒸留が適用できる。
【0100】ここで、表面張力が35dyn/cm以下の液体と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭
化水素、ヘプタン、ヘキサン、ドデカン等の直鎖状炭化
水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、エチル
エーテル、ジオキサン等のエーテル類、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等の多価アルコールおよびそ
の誘導体、d-リモネン、d-ピネン、パイル油等のテルペ
ン類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤水溶液、ポリ
オルガノシロキサン類、ペルフルオロカーボン系化合
物、ヒドロフルオロカーボン系化合物、およびこれらを
含む組成物等が例示される。すなわち、前述の実施例で
例示した水系洗浄剤、準水系洗浄剤、溶剤系洗浄剤等
は、いずれも適用可能である。また、溶剤系のすすぎ液
や洗浄剤成分を含むすすぎ水にも、薄膜蒸留を適用する
ことができる。
【0101】また、薄膜形成パイプ122の上端面12
2bは、図9に示すように平坦状としてもよいが、パイ
プ上端面122bが平坦な場合には液の表面張力により
液面が盛り上がり、端面の状態や液の種類によっては、
液の流下が不均一となったり、薄膜の形成不良を起こす
おそれがある。このような場合には、図10に示すよう
に、薄膜形成パイプ122の上端面122bの少なくと
も一部を曲面状とすることが効果的である。パイプ上端
面122bを曲面状とすることにより、液の表面張力が
見掛上緩和され、薄膜Cをより均一に形成することがで
きる。この場合、薄膜形成パイプ122の上端面は、端
面全体をR形状としてもよいし、頂部をなだらかな面で
形成し、かつその両側に斜面を設けたような形状として
もよい。また、図11に示すように、薄膜形成パイプ1
22の上端面122bに切り欠き122cを形成するこ
とも有効である。
【0102】さらに、薄膜形成パイプ122の材質は、
洗浄排液との濡れ性および熱伝導率を考慮して選択する
ことが好ましい。処理対象となる洗浄排液は、その表面
張力が35dyn/cm以下であれば基本的には処理が可能であ
る。しかし、パイプ材質によっては、洗浄排液との濡れ
性が低い場合があり、そのような材質のパイプ122を
用いると、良好な薄膜Cを形成することができなくな
り、蒸発効率の低下を招くこととなる。よって、薄膜形
成パイプ122の材質としては、洗浄排液との濡れ性が
大きく、かつ洗浄排液に対して十分に熱を伝えることが
できるように、熱伝導率が高いものを用いることが好ま
しい。具体的には、金属パイプやセラミックスパイプが
好ましい。なお、薄膜形成パイプ122の形状は円管状
に限らず、薄膜Cが均一に形成されるように、内壁面が
曲面で形成されているものであればよい。また、薄膜C
の形成能には液供給量(循環量および新規の洗浄排液供
給量)も大きく影響するが、この点については後述す
る。
【0103】凝縮部130は、蒸気回収配管131の他
端部が接続された凝縮用タンク132を有しており、こ
の凝縮用タンク132内にはチラー133に接続された
冷却用コイル134が設置されている。また、凝縮用タ
ンク132には、真空ポンプ135が接続されており、
凝縮用タンク132内ひいては減圧容器121内が所定
の圧力に減圧される。また、減圧容器121内が減圧さ
れることにより、洗浄排液貯槽110から洗浄排液Aが
減圧容器121内に供給される。冷却用コイル134に
より冷却された蒸気Eは凝縮され、この凝縮液が再生液
Fとして再生液捕集タンク136に収容される。再生液
捕集タンク136には、再生液Fを洗浄装置に再供給す
るためのポンプ137が介挿された再生液供給配管13
8が接続されている。
【0104】なお、上記洗浄排液再生装置101におい
ては、特に消泡剤を用いなくとも、洗浄排液の連続処理
が可能であるが、シリコーン系消泡剤を併用することに
よって、洗浄排液をより効率よく処理、再生することが
できる。
【0105】次に、上述した洗浄排液再生装置101に
よる洗浄排液Aの処理再生法について述べる。まず、真
空ポンプ135を作動させて、減圧容器121内を所定
の圧力まで減圧すると共に、洗浄排液貯槽110から洗
浄排液Aを減圧容器121内に引き込む。減圧容器12
1内の圧力は、大気圧より低ければ目的は達成されるも
のの、処理しようとする洗浄排液の組成にもよるが、 5
Torr〜 200Torr程度に減圧することが好ましい。これに
より、洗浄排液A中の回収しようとする成分を、より低
温で蒸発させることができる。
【0106】液貯留部125内に一旦蓄えられた洗浄排
液Aは、液貯留部125からオーバーフローすることに
よって、薄膜形成パイプ122の内壁面122aを伝わ
って流下し、その際に内壁面122aに沿って洗浄排液
Aの薄膜Cが形成される。薄膜形成パイプ122は、ヒ
ータ124によって所定の温度に加熱されているため、
洗浄排液Aは薄膜Cの状態で、言い換えれば濡れ壁状態
で減圧下にて加熱され、回収しようとする成分が蒸気化
される。この大気圧状態より低温での加熱により発生し
た蒸気Eは、蒸気回収配管131を介して凝縮部130
に送られる。このように、洗浄排液中の汚れ成分を含む
各成分の沸点差により処理・再生を行うものであるた
め、減圧度および加熱温度は、回収しようとする成分お
よび分離しようとする他の成分の沸点に応じて、さらに
は液供給量等を考慮して設定することが重要である。
【0107】ここで、本発明で処理対象となる洗浄排液
Aは、水系洗浄剤による排液および溶剤系洗浄剤による
排液をとわず、種々の洗浄排液を処理、再生することが
できる。例えば、溶剤系洗浄剤や溶剤系すすぎ液を処理
する場合には、基礎成分となる溶剤を回収することにな
る。特に、すすぎ液は多量に使用するため、有効に再
生、再利用することができる。溶剤系の洗浄剤やすすぎ
液を再生する場合、いずれにおいても再生液Fは、主に
すすぎ液として使用される。また、水系洗浄剤を再生す
る場合には、再生液Fとして水が得られる。
【0108】洗浄排液Aは、上述したように、薄膜Cと
して薄膜形成パイプ122の内壁面122aを伝わって
流下する際に減圧下で加熱され、水や溶剤が蒸気化され
ると共に、他の成分は蒸発残液貯留部121aに収容さ
れる。蒸発残液D中には蒸発しきれない水や溶剤が残存
するため、蒸発残液Dは循環用ポンプ126により液貯
留部125に再送されて、処理液Bとして再度処理さ
れ、洗浄排液Aは連続して加熱・蒸発操作が施される。
このような加熱・蒸発操作が繰り返され、蒸発残液貯留
部121a内の液面が低下すると、液面計112と連動
する自動バルブ113が開き、新たな洗浄排液Aが減圧
容器121(液貯留部125)内に供給されて、加熱・
蒸発操作が連続して行われる。
【0109】なお、薄膜形成パイプ122の形状や本
数、および液供給量により、 1回の流下のみで蒸発が完
了するように調節することもできる。この場合には、循
環用ポンプ126等は不用となり、蒸発残液Dはそのま
ま廃棄すればよい。
【0110】加熱により生じた蒸気E、すなわち水や溶
剤の蒸気は、蒸気回収配管131を介して凝縮タンク1
32に送られ、この凝縮タンク132内で冷却されて凝
縮する。この凝縮液が再生液Fとして再生液捕集タンク
136に回収される。再生液Fは、例えばすすぎ液とし
て再利用される。なお、加熱操作により濃縮された蒸発
残液は、ドレン配管128を介して排出される。
【0111】ところで、この実施例による濡れ壁式洗浄
排液再生装置101においては、液貯留部125からの
オーバーフロー量(循環用ポンプ126による循環量お
よび洗浄排液Aの供給量)の調整が重要である。すなわ
ち、あまり多量の液を流下させると、薄膜Cの形成不良
が発生するため、蒸発効率の低下、言い換えれば液回収
量の低下を招くこととなる。よって、薄膜形成パイプ1
22の内壁面積(×本数)、減圧度、加熱温度等を考慮
して、オーバーフロー量を調整する。
【0112】図12に、液供給量を変化させた際の回収
量と処理時間との関係を調べた結果を示す。なお、図1
2は処理液(模擬洗浄排液)として、シリコーン系溶剤
であるテクノケアW1(商品名、 (株) 東芝製)とアルコ
ールとの混合液(W1=70wt%+アルコール30wt%)を3000ml
用い、20Torrの減圧下で80℃に加熱した際の、それぞれ
の液供給量(循環量)による回収量(対時間)を示して
いる。薄膜形成パイプ122はステンレス材からなるも
のであり、内径30mm、肉厚 2mm、長さ 600mmの形状のも
のを用いた。図12から、液供給量があまり多いと、回
収量が低下することが分かる。よって、薄膜Cの膜厚
(濡れ壁液の膜厚)を制御することにより、処理の最適
化を図ることが重要である。
【0113】ただし、図13に示すパイプを 2本用いた
場合の結果から明らかなように、薄膜形成パイプ122
の本数を増やすことによって、液供給量の増大に対処す
ることができる。このことは、薄膜形成パイプ122の
本数を増やすだけで、すなわち装置本体自体を大型化す
ることなく、多量の洗浄排液を効率よく処理することが
できることを意味する。これに対して、前述した実施例
で使用したようなタンク式蒸留は、処理量がタンク容量
(内面積)に大きく依存し、処理量(回収量)の増大を
図るためには、タンク容量(内面積)を大きくすると共
に、加える熱量を大きくしなければならない。
【0114】図14に、濡れ壁蒸留による回収量とタン
ク式蒸留による回収量とを比較して示す。濡れ壁式蒸留
は、上記試験例と同様に行ったものであり、タンク式蒸
留についてはタンク内面積を薄膜形成パイプ122の内
壁面積と同一とし、同一条件で蒸留操作を行ったもので
ある。また、濡れ壁式減圧蒸留と、通常の減圧蒸留およ
び常圧蒸留とを比較した結果を表7に示す。
【0115】
【表7】 図14および表7から明らかなように、濡れ壁式蒸留に
よれば高効率で再生液を回収できることが分かる。ま
た、パイプ本数の増加のみによって、容易に処理量の増
大を図ることができる。すなわち、濡れ壁式蒸留によれ
ば、小型で高効率の洗浄排液再生装置を提供することが
できる。
【0116】なお、図15に薄膜形成パイプの上端面形
状と回収量との関係を示す。なお、この試験は上記試験
例と同一の模擬洗浄排液を用い、20Torrの減圧下で80℃
に 1リットル/時間で液を供給して加熱すると共に、内
径 9.5mm、肉厚 1.5mm、長さ400mmのパイプ材質を用い
て行ったものである。図15から明らかなように、曲面
状の端面や切り欠きを有する薄膜形成パイプが処理効率
の向上に寄与することが分かる。
【0117】また、薄膜形成パイプの材質を変化させた
際の実験結果を表4に示す。なお、条件等については、
表8に結果を示した実験と同様とした。
【0118】
【表8】 表8から明らかなように、薄膜形成パイプの材質による
回収率や回収純度に大きな差はなく、各種の材質を適用
できることが分かる。ただし、鉄製パイプを使用する際
に、加熱媒体が水、あるいは処理液が水系であると、錆
びる危険性があるため、このような場合には他の材質を
使用することが好ましい。
【0119】上記したように、この実施例の洗浄排液再
生装置101においては、洗浄排液A(あるいは処理液
B)を流下させることにより薄膜Cを形成しているた
め、薄膜形成パイプ122の内壁面122a全面を伝熱
面として機能させることができる。さらに、薄膜形成パ
イプ122の設置本数により、伝熱面を処理量に応じて
容易に増大させることができる。よって、装置の小型化
が処理量や処理効率を低下させることなく行える。ま
た、薄膜形成パイプ122によって洗浄排液Aの薄膜C
を形成しているため、多量の洗浄排液Aを容易に、かつ
連続して処理することができる。そして、洗浄排液Aを
減圧下にて薄膜状態で加熱することによって、多量の高
負荷洗浄排液を希釈等を行うことなく、低温で(低コス
トで)効率および精度よく蒸留(再生)することができ
る。
【0120】上述した実施例においては、薄膜形成部と
してパイプを用いたが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。薄膜形成部としては、洗浄排液を流下させて
薄膜を形成することができ、かつ薄膜形成面を加熱し得
るものであれば、種々の形状のものを使用することがで
きる。例えば、円管や円筒の外面を薄膜形成面とするこ
とができる。このような場合には、円管もしくは円筒状
の薄膜形成部の上部から、ノズル等を用いて洗浄排液を
流下させればよい。また、洗浄排液との接触面積の増大
を図るために、途中につば等を設けることもできる。さ
らに、板状の薄膜形成部、蛇腹状の薄膜形成部等、種々
のものを使用することができる。
【0121】上述した洗浄排液再生装置101は、洗浄
装置からの洗浄排液をバッチ式に処理する際に使用する
こともできるし、また図1に示したような洗浄装置1に
組み込み、洗浄装置1のすすぎ手段30から排出される
洗浄排液を連続的に処理すると共に、再生すすぎ液を連
続的に再利用するよう構成することも可能である。
【0122】図1に示したような洗浄装置1に、上記洗
浄排液再生装置101を適用する場合には、図1に示し
た洗浄排液再生手段40に代えて、洗浄排液再生装置1
01を組み込めばよい。
【0123】次に、上記洗浄排液再生装置101を組み
込んだ洗浄装置1を用いた具体的な洗浄例およびその評
価結果につい述べる。
【0124】実施例10 濡れ壁式減圧蒸留を適用した洗浄排液再生装置101を
組み込んだ洗浄装置(すすぎ槽数=2槽)を用いて、実施
例2と同様にして、ダイキャスト製ギアの洗浄を行っ
た。洗浄剤は、実施例2と同一組成のものを使用し、ま
たシリコーン系消泡剤も同様とした。濡れ壁式減圧蒸留
の処理条件は、処理速度15リットル/hr 、減圧度 140To
rr、加熱温度50℃とした。また、シリコーン系消泡剤を
使用しない場合についても、同様に洗浄および排液処理
を行った。
【0125】上記条件で 500個のギアを洗浄したところ
で、洗浄排液貯槽110からサンプリングした洗浄排液
のCOD1 と、再生液捕集タンク136からサンプリン
グした再生すすぎ水のCOD2 とから、COD残留率
(COD2 /COD1 ×100(%))を求めた。それらの結
果を表9に示す。
【0126】
【表9】 表9から明らかなように、濡れ壁式蒸留は、同スケール
のタンク式蒸留に比べて加熱効果が高いため、加熱温度
を50℃と低くしているにもかかわらず、十分に蒸留が可
能であることが分かる。また、処理速度についても、15
リットル/hr と速くしているにもかかわらず、高精度に
蒸留処理ができることを確認した。これらのことは、表
5に示した実施例2(処理速度 5リットル/hr 、減圧度
150Torr、加熱温度75℃)の結果と比べれは明らかであ
る。このように、濡れ壁式減圧蒸留によれば、処理速度
を速くすることができ、短時間で蒸留が行えるようにな
ると共に、より低温での蒸留が可能となる。これらによ
って、例えばすすぎ液の清浄度をより一層高めることが
できると共に、シリコーン系消泡剤に対する負荷も低減
することができる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の洗浄排水
再生方法によれば、洗浄剤成分を含む高負荷の洗浄排水
を、希釈等することなく、直接的に連続してかつ低コス
トで効率よく再生することが可能となる。また、本発明
の洗浄方法および洗浄装置によれば、すすぎ液の供給循
環量を低減した上で、すすぎ液の清浄度を保つことがで
きるため、これらに上記洗浄排水再生方法を適用すれ
ば、例えばすすぎ液を効率よく使用することができ、よ
ってフロン系溶剤や塩素系溶剤等の代替洗浄剤として、
水系洗浄剤や溶剤系洗浄剤を使用する際に、高精度の洗
浄を低コストで実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による洗浄装置の構成を模式
的に示す図である。
【図2】多槽連結式すすぎ槽の槽数とすすぎ液の汚れ具
合との関係を表す実験結果を示す図である。
【図3】多槽連結式すすぎ槽の槽数とすすぎ液の汚れ具
合との関係を表す他の実験結果を示す図である。
【図4】多槽連結式すすぎ槽中のすすぎ液を順次流下さ
せた際のすすぎ液の汚れ具合を表す実験結果を示す図で
ある。
【図5】本発明の一実施例による濡れ壁式洗浄排液再生
装置の構成を模式的に示す図である。
【図6】図5に示す濡れ壁式洗浄排液再生装置の要部を
拡大して示す図である。
【図7】図5に示す濡れ壁式洗浄排液再生装置における
液供給に関する改良例を示す図である。
【図8】図5に示す濡れ壁式洗浄排液再生装置における
液供給に関する他の改良例を示す図である。
【図9】本発明の濡れ壁式洗浄排液再生装置における薄
膜形成パイプの一例を示す図である。
【図10】薄膜形成パイプの他の例を示す図である。
【図11】薄膜形成パイプのさらに他の例を示す図であ
る。
【図12】濡れ壁式洗浄排液再生装置における液供給量
を変化させた際の再生液回収量と処理時間との関係を示
す図である。
【図13】濡れ壁式減圧蒸留法とタンク式減圧蒸留法と
の再生液回収量を比較して示す図である。
【図14】濡れ壁式洗浄排液再生装置における薄膜形成
パイプの上端部形状を変化させた際の再生液回収量と処
理時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…………洗浄装置 2…………被洗浄物 20………洗浄手段 21………洗浄剤 22………浸漬洗浄槽 30………すすぎ手段 31………多槽連結式すすぎ槽 32………すすぎ液 40………洗浄排液再生手段 42………減圧式加熱缶 43………凝縮器 49………減圧ポンプ 60………消泡剤供給手段 61………シリコーン系消泡剤 71………循環用ポンプ 120……洗浄排液加熱部 121……減圧容器 122……薄膜形成パイプ 125……液貯留部 130……凝縮部 A…………洗浄排液 C…………薄膜 E…………蒸気
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 3/37 C11D 3/37 C23G 3/00 C23G 3/00 Z 5/04 5/04 (72)発明者 稲田 実 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 八木 典章 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 志津 博美 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 齊藤 信宏 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 山藤 茂夫 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 高橋 隆 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 栗田 明嗣 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水系の洗浄剤が収容された洗浄槽によ
    り、被洗浄物に付着する汚れ成分を除去する洗浄工程
    と、 非水系のすすぎ液が収容され、前記被洗浄物の移送方向
    と逆方向に前記すすぎ液が順に送られるよう連結された
    多槽連結式すすぎ槽により、前記被洗浄物に付着する前
    記洗浄剤成分を除去するすすぎ工程とを具備し、 前記多槽連結式すすぎ槽の最下流側に位置するすすぎ槽
    から排出される洗浄排液を、減圧蒸留し、得られる凝縮
    液を最上流側に位置するすすぎ槽に循環供給しつつ、前
    記すすぎ工程を行うことを特徴とする洗浄方法。
  2. 【請求項2】 非水系の洗浄剤が収容された洗浄槽によ
    り、被洗浄物に付着する汚れ成分を除去する洗浄工程
    と、 非水系のすすぎ液が収容され、前記被洗浄物の移送方向
    と逆方向に前記すすぎ液が順に送られるよう連結された
    多槽連結式すすぎ槽により、前記被洗浄物に付着する前
    記洗浄剤成分を除去するすすぎ工程とを具備し、 シリコーン系消泡成分を含む洗浄剤およびすすぎ液の少
    なくとも一方を用いると共に、前記多槽連結式すすぎ槽
    の最下流側に位置するすすぎ槽から排出される洗浄排液
    を減圧蒸留し、得られる凝縮液を最上流側に位置するす
    すぎ槽に循環供給しつつ、前記すすぎ工程を行うことを
    特徴とする洗浄方法。
  3. 【請求項3】 非水系の洗浄剤が収容された洗浄槽を有
    し、被洗浄物に付着する汚れ成分を前記洗浄剤により除
    去する洗浄手段と、 非水系のすすぎ液が収容され、前記被洗浄物の移送方向
    と逆方向に前記すすぎ液が順に送られるよう連結された
    多槽連結式すすぎ槽を有し、前記被洗浄物に付着する前
    記洗浄剤成分を前記すすぎ液により除去するすすぎ手段
    と、 前記多槽連結式すすぎ槽の最下流側に位置するすすぎ槽
    から排出される洗浄排液が少なくとも導入され、この洗
    浄排液を減圧下で加熱、蒸発させる減圧加熱機構と、こ
    の減圧加熱機構で得られる蒸気を凝縮させる凝縮機構と
    を有する洗浄排液再生手段と、 前記減圧加熱機構での発泡を抑制するシリコーン系消泡
    剤を前記洗浄排液に供給する消泡剤供給手段と、 前記凝縮機構で得られる凝縮液を、前記多槽連結式すす
    ぎ槽の最上流側に位置するすすぎ槽に供給する循環系と
    を具備することを特徴とする洗浄装置。
  4. 【請求項4】 非水系の洗浄剤が収容された洗浄槽を有
    し、被洗浄物に付着する汚れ成分を前記洗浄剤により除
    去する洗浄手段と、 非水系のすすぎ液が収容され、前記被洗浄物の移送方向
    と逆方向に前記すすぎ液が順に送られるよう連結された
    多槽連結式すすぎ槽を有し、前記被洗浄物に付着する前
    記洗浄剤成分を前記すすぎ液により除去するすすぎ手段
    と、 前記多槽連結式すすぎ槽の最下流側に位置するすすぎ槽
    から排出される洗浄排液が少なくとも導入され、この洗
    浄排液を減圧下で加熱、蒸発させる減圧加熱機構と、こ
    の減圧加熱機構で得られる蒸気を凝縮させる凝縮機構と
    を有する洗浄排液再生手段と、 前記凝縮機構で得られる凝縮液を、前記多槽連結式すす
    ぎ槽の最上流側に位置するすすぎ槽に供給する循環系と
    を具備し、 前記洗浄剤およびすすぎ液の少なくとも一方は、シリコ
    ーン系消泡成分を含むことを特徴とする洗浄装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の洗浄方法において、 前記シリコ−ン系消泡成分は、前記洗浄剤を構成する成
    分と同一であることを特徴とする洗浄方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の洗浄装置において、 前記シリコ−ン系消泡剤は、前記洗浄剤を構成する成分
    と同一であることを特徴とする洗浄装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の洗浄装置において、 前記シリコ−ン系消泡成分は、前記洗浄剤を構成する成
    分と同一であることを特徴とする洗浄装置。
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