JPH0832575B2 - 粒度を調整したポルトランドセメント - Google Patents

粒度を調整したポルトランドセメント

Info

Publication number
JPH0832575B2
JPH0832575B2 JP62180980A JP18098087A JPH0832575B2 JP H0832575 B2 JPH0832575 B2 JP H0832575B2 JP 62180980 A JP62180980 A JP 62180980A JP 18098087 A JP18098087 A JP 18098087A JP H0832575 B2 JPH0832575 B2 JP H0832575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
particle size
fine powder
portland cement
hydration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62180980A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6428254A (en
Inventor
清彦 内田
優 本田
達夫 五十畑
秀司 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP62180980A priority Critical patent/JPH0832575B2/ja
Publication of JPS6428254A publication Critical patent/JPS6428254A/ja
Publication of JPH0832575B2 publication Critical patent/JPH0832575B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、セメントの粒度を調整し、微粉部分を減少
させることによる、低発熱、低軟度水量、遅硬性であっ
て混和剤硬化の良好な、改良ポルトランドセメントに関
するものである。
〈従来の技術〉 建築構造物に対する社会的ニーズの高度化や多様化に
伴い、超高層建築物の支持や大空間の確保など、種々の
目的で建築構造物にマスコンクリートを使用する機会が
増加している。このように、コンクリート構造物の大型
化及び施工方法の進歩発展による大型急速施工の増加に
伴い、コンクリートの硬化過程で生じるセメントの水和
熱に基づく温度応力が、構造物にひび割れを生じさせた
り、残留する温度応力が、構造物の設計上無視できない
影響を与える場合がしばしば見られるようになってき
た。これまで、このような現象はコンクリートダム又は
部材寸法の大きなコンクリート構造物に特有なものと考
えられてきたが、使用材料、施工方法などによって比較
的小さな構造物でも無視できなくなってきた。
マスコンクリート用セメントでは、材令初期に水和熱
による温度上昇及びその後の温度降下が原因となって生
じる、熱応力による硬化体のひびわれを防止するため
に、水和発熱が低いことが要求される。
そこで、低発熱の水硬性セメントとして中庸熱ポルト
ランドセメント、混合セメント(高炉セメント、フライ
アッシュセメント等)が使用されてきた。
しかし、高炉セメントは、初期強度や低温強度が低い
こと、中性化抵抗性が弱い、乾燥収縮が大きい等の欠点
がある。また、高炉スラグの品質及びスラグ粉の粒度に
よっては、必ずしも水和発熱量が低くない場合もあるこ
とが、最近の研究から明らかにされてきた。
一方、フライアッシュセメントは、強度発現性が悪
く、混和剤の効きが悪い等の問題点を有している。
また、中庸熱ポルトランドセメントの場合、普通ポル
トランドセメントと異なる組成に原料を調合しなければ
ならないため、大量製造以外はコスト高になる。さら
に、ストックのためのサイロも必要である等、製造上や
流通上問題が多いため、生産量はあまり伸びていない。
また、コンクリートの耐久性向上のためには、作業で
きる範囲内において単位水量をできるだけ少なくし、密
実なコンクリートを打設することが望ましい。このよう
な背景から、「JASS5鉄筋コンクリート工事標準仕様
書」改訂に伴い、単位水量は185kg/m2以下であるこが新
たに制定された。今後低単位水量でコンクリートを打設
する場合、軟度水量が少なく、混和剤の効きが良いセメ
ントが望まれる。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明らは、以上の問題点に鑑み、水硬性セメントの
軟度水量の低減、混和剤の効果の向上、水和に伴い発生
する水和発熱速度の低減及び凝結時間の調節を計ること
を目的として鋭意研究を行った。
〈問題点を解決するための手段〉 その結果、水硬性セメント中の微粉部分を除去するこ
とにより、上記目的を達成することを見出し、本発明に
到達した。
すなわち本発明は、セメント中の微粉部分を除去、減
少させて粒度を調整したことを特徴とする改良ポルトラ
ンドセメントである。そして微粉部の減少は、分級点が
1μ〜15μの間で微粉部分を除去することによる。
従って、除去する分級点の粒径が大きくなるにつれ
て、徐々にセメント中の微粉部分の量が減少してくる。
〈作用〉 従来のポルトランドセメントは、通常、焼成クリンカ
ーをボールミルや竪型ミルにより非常に多様な粒度分布
を有する微粉末に粉砕することにより得られる。従っ
て、全ての市販のポルトランドセメントは、共通して、
その粒度分布が広い範囲にわたり、サブミクロンから約
100ミクロンの連続的粒度分布を有する。
本発明者らの研究結果より、焼成クリンカーは粉砕に
より微粉となり水和反応が早くなるばかりでなく、微粉
部分に活性な成分(カルシウムアルミネート、硫酸アル
カリ、遊離石灰、石膏など)が凝集することが明らかと
なった。
従来のポルトランドセメントの微粉部分を除去して製
造した、新しいタイプの本発明ポルトランドセメント
は、従来のポルトランドセメントの粉末度を粗くしたも
のとは、組成の上からも全く異なっており、耐久性の面
からは、従来のセメントより、密実なコンクリート硬化
体の作成が容易である。
本発明では、除去する微粉部分の粒径を変えることに
より、軟度水量、混和剤の効果、水和発熱速度、凝結時
間等の性能を適宜改善したポルトランドセメントを製造
することができる。
セメントペーストの軟度水量の低減及び混和剤の効果
の向上は、ポルトランドセメント中に0〜5%程度存在
する、分級点1〜5μ以下の微粒子を除去することによ
り達成できる。
水和発熱速度は、分級点5〜15μ以下の微粒子を除去
することにより、著しく低下させることができる。さら
に、分級点を変えることにより、任意の水和発熱速度を
持ったポルトランドセメントを製造することができる。
凝結時間は、分級点を変えることにより、適宜調節す
ることができる。
〈実施例〉 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
るが、その要旨を越えない限り、本発明はこれらの実施
例に制約されるものではない。
実施例1 市販の普通ポルトランドセメントA,B(住友セメント
(株)製)の微粉部分を分級点1μ,3μ,5μで除去した
セメントの粒度分布及び粉末度を第1表に示す。微粉部
分の除去により、n値が増加し、k値が減少している。
また、粒度分布は連続的に変化しており、分級点以下の
微粉も僅かに残存している。
実施例2 実施例1のセメントA,Bを使用し、コンダクションカ
ロリーメーターにより水和発熱速度及び積算水和発熱量
を測定した。測定条件は、20℃、水−セメント比50%で
行った。結果を第1図及び第2図に示す。図中、曲線
元,1,3,5はそれぞれ元セメント,1μカット,3μカット,5
μカットである。
セメントの微粉部分がなくなることにより、水和発熱
速度及び水和発熱量を低減することができる。5μ以下
を除去したセメントBと、B種高炉セメントの水和発熱
量を比較すると、第3図のように、材令5日までは、前
者の方が水和発熱量が低い。
実施例3 実施例1で使用したセメントA,Bを用いて、セメント
の流動性を検討し、結果を第4図に示す。流動性の指標
として、パットエリア(数値の大きいものほど流動性が
よい)を用いた。
セメントの流動性は、セメント中の1ミクロン以下の
微粒子を取り除くことにより、著しく改善される。これ
は、微粒子の除去により混和剤の効果が良くなっている
ためと考えられる。
実施例4 第5図に、微粉部分の除去による鉱物組成の変化を示
す。実施例1で使用したセメントA,Bは、C3A,C4AFの鉱
物成分及び石膏が微粉部分の除去により減少し、C3S,C
2Sが増加している。
実施例5 実施例1で使用したセメントA,Bを用いて、セメント
の凝結試験を行った。標準軟度水量及び凝結時間の変化
を第6図及び第7図に示す。
標準軟度水量は、1μ及び3μ以下を除去した場合減
少しており、これは反応性の高い微粉部分の除去による
減水効果と考えられる。一方、5μ以下を除去した場合
標準軟度水量は増加しており、第1表に示したn値の増
加による水量増加と考えられる。
凝結時間は、除去する微粉部分の粒径が粗くなるほど
遅くなる。この特徴から、遅硬性のセメントとしての利
用も考えられる。
実施例6 実施例1で使用したセメントA,Bを用いて、JIS R-520
1-1981によるモルタル強さ試験を行った。モルタル圧縮
強度の測定結果を、第8図に示す。
反応が早い、セメントの微粉部分を除去することによ
り、材令1日,3日といった短期材令の強さは低下する
が、材令28日,91日といった長期材令の強さは特に1μ
カットで増加する。
実施例7 実施例6で強度を測定したセメントBのモルタル硬化
体の破片を使用し、水銀圧入法により硬化体の細孔容積
を測定した。微粉部分の除去による材令7日,91日の細
孔容積の変化を第9図に示す。
セメント中の微粉部分の除去により細孔容積が減少
し、硬化体が密になっていることがわかる。
実施例8 実施例1で使用したセメントB及び5μ以下,15μ以
下を除去した上記セメントを用いて、コンクリートの断
熱温度上昇曲線を第10図に示す。除去する粒径を大きく
することによって、断熱温度上昇量を低下させることが
できる。
〈発明の効果〉 以上に述べたように、本発明の粒度を調整したポルト
ランドセメントは、低発熱、低軟度水量、遅硬性で、さ
らに混和剤の効き目が良好であるなどの効果を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、分級したセメントのそれぞれ水和
発熱速度及び水和発熱量、第3図は高炉セメントとの水
和発熱量の比較、第4図は試料セメントのパットエリ
ア、第5図、第6図、第7図及び第8図は、試料セメン
トのそれぞれ鉱物組成変化、標準軟度水量の変化、凝結
時間の変化及びモルタル圧縮強度の変化、第9図は微粉
部分の除去による細孔容積の変化、第10図は試料セメン
トの断熱温度上昇曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−162457(JP,A) 新井康夫著セメントの材料化学昭和61年 10月31日大日本図書株式会社発行183−187 頁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント中の微粉部分を除去、減少させて
    粒度を調整したことを特徴とする改良ポルトランドセメ
    ント。
  2. 【請求項2】微粉部分の分級点が1μ〜15μの間である
    特許請求の範囲第(1)項記載のセメント。
JP62180980A 1987-07-22 1987-07-22 粒度を調整したポルトランドセメント Expired - Fee Related JPH0832575B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62180980A JPH0832575B2 (ja) 1987-07-22 1987-07-22 粒度を調整したポルトランドセメント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62180980A JPH0832575B2 (ja) 1987-07-22 1987-07-22 粒度を調整したポルトランドセメント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6428254A JPS6428254A (en) 1989-01-30
JPH0832575B2 true JPH0832575B2 (ja) 1996-03-29

Family

ID=16092641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62180980A Expired - Fee Related JPH0832575B2 (ja) 1987-07-22 1987-07-22 粒度を調整したポルトランドセメント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0832575B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0130593D0 (en) 2001-12-21 2002-02-06 British Nuclear Fuels Plc Treatment of waste products
JP4564330B2 (ja) * 2004-10-19 2010-10-20 住友大阪セメント株式会社 高強度コンクリートの初期乾燥ひび割れ防止方法
JP5822421B2 (ja) * 2008-03-19 2015-11-24 宇部興産株式会社 セメント組成物
JP5178554B2 (ja) * 2009-01-27 2013-04-10 太平洋セメント株式会社 セメント組成物
JP5455832B2 (ja) * 2010-07-28 2014-03-26 太平洋セメント株式会社 セメント組成物
JP2019119656A (ja) * 2018-01-10 2019-07-22 デンカ株式会社 膨張セメント組成物
JPWO2019142775A1 (ja) * 2018-01-16 2021-01-14 デンカ株式会社 高強度グラウト材組成物及びそれを用いた高強度グラウトモルタル
JP2019123650A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 デンカ株式会社 高強度セメント及び高強度コンクリート

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55162457A (en) * 1979-05-31 1980-12-17 Osaka Cement Manufacture of low hydration heat high strength cement

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
新井康夫著セメントの材料化学昭和61年10月31日大日本図書株式会社発行183−187頁

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6428254A (en) 1989-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4834574B2 (ja) 高流動性コンクリート用セメント組成物および高流動性コンクリート組成物
JP4861930B2 (ja) 超高強度高流動性セメント組成物及び超高強度高流動性セメント硬化体
JP2008254963A (ja) セメント・コンクリート用混和材及び低収縮高強度コンクリート並びに高強度セメント組成物
JPH11209159A (ja) セメントコンクリート製品およびその製造方法
JPH0832575B2 (ja) 粒度を調整したポルトランドセメント
JP7093189B2 (ja) セメント組成物の製造方法
JPH0231026B2 (ja)
JP3267895B2 (ja) セメントクリンカー及びセメント組成物
JP5133504B2 (ja) 長期強度制御されたセメントの製造方法およびセメントの長期強度制御方法
JPH07144941A (ja) ポルトランドセメント組成物
JPH11314947A (ja) セメント組成物
JP2007269607A (ja) 高強度コンクリート用セメントの製造方法および当該方法により得られた高強度コンクリート用セメント
JP3183730B2 (ja) 改良ポルトランドセメントおよびalcの製造方法
Bayer Influence of retempering with superplasticizer on fresh and hardened properties of prolonged mixed concretes containing supplementary cementitious materials
JPH0676235B2 (ja) 水硬性セメント組成物
JPH06199549A (ja) 高強度コンクリート用セメント組成物
JP3273883B2 (ja) 水硬性セメント組成物及びその製造方法
JPH05238787A (ja) 高強度セメント組成物
JPH08277157A (ja) コンクリート組成物
JP2869489B2 (ja) 球状化セメント硬化物及びその製造方法並びにその製造用組成物
JP2001019529A (ja) セメント硬化体
JPS61178462A (ja) 高強度セメント組成物
JP2008239403A (ja) 水硬性組成物
JPH06199547A (ja) 高強度セメント組成物
JP4086328B2 (ja) ノロ低減材、それを用いた遠心力成形体、及びその製造 方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees