JPH08325435A - 抗菌性メラミン樹脂成形粉並びにその成形品 - Google Patents

抗菌性メラミン樹脂成形粉並びにその成形品

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JPH08325435A
JPH08325435A JP7158428A JP15842895A JPH08325435A JP H08325435 A JPH08325435 A JP H08325435A JP 7158428 A JP7158428 A JP 7158428A JP 15842895 A JP15842895 A JP 15842895A JP H08325435 A JPH08325435 A JP H08325435A
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antibacterial
amino resin
calcium
amino
molding powder
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JP7158428A
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Yoichi Fukuda
洋一 福田
Akio Takimoto
昭夫 滝本
Norihito Sakamoto
憲仁 坂本
Takashi Kanie
隆 蟹江
Yukimitsu Oba
幸満 大場
Kenji Kawamoto
賢治 川本
Hiroshi Sakurai
浩 櫻井
Akira Inose
昭 猪瀬
Kiminori Atsumi
公則 渥美
Keijiro Fujita
恵二郎 藤田
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Noritake Co Ltd
Sangi Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Sangi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アミン系樹脂成形粉であって、その樹脂粉末に
抗菌剤として抗菌性金属を担持させたリン酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ハイドロキシ
アパタイトから選ばれた1種又は2種以上のカルシウム
系セラミックを混入させてなることを特徴とするアミン
系樹脂成形粉及びその成形品並びにその製造方法。抗菌
性金属としては銀と亜鉛及び/又は銅を使用する。 【効果】アミン系樹脂の成形品に対して有効な優れた抗
菌特性を付与することができ、また本発明の成形品はA
g溶出や変色、変形がないためホ−ムウエア−成型品と
しても好適である。さらにカルシウム化合物のうちリン
酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイトの場合は焼成
処理をせずとも有効である。また抗菌剤をカップリング
処理することにより、さらに優れた効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性アミノ系樹脂成
形粉並びにその成形品に関し、より具体的には特にメラ
ミン系樹脂に対して、抗菌剤として抗菌性金属を担持さ
せたリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシ
ウム、ハイドロキシアパタイトから選ばれた1種又は2
種以上のカルシウム系セラミックスを混入させてなるメ
ラミン系樹脂(メラミン樹脂及びメラミン樹脂と他の樹
脂を共縮合した樹脂を含む)成形粉並びにその成形品、
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック類はかびや細菌な
どの微生物に対して抵抗性を有する物質であると考えら
れていたが、最近それらの微生物による被害が報じら
れ、その用途によっては抗微生物処理が必要とされるよ
うになった。抗微生物処理としては防かび、殺菌剤のプ
ラスチックへの添加が考えられ、例えば実開昭62−6
4377号では、合成樹脂製食器の表面にかびや病原微
生物を殆ど増殖せしめないようにするため、その表面又
はその内部と表面にアルキルベンゼンスルホン酸を3,
6−ジクロロピリダジン及び/又は3−クロロ−6−メ
チルピリダジリン誘導体と加熱反応させて得られる反応
混合物等の有機化合物を含有させている。
【0003】これまでプラスチック類の殺菌剤として
は、一般に上記例のように有機化合物が多く使用されて
いるが、有機化合物は熱に対して弱く、プラスチックの
加工温度で変質し殺菌性を失うことがあるため、有機殺
菌剤のプラスチック加工への使用は行われ難い。このた
め有機殺菌剤の代りに無機物質に抗菌性金属を担持させ
た無機殺菌剤を使用してプラスチックに抗微生物性を付
与することが検討され、開発されてきている。
【0004】例えば、特開昭62−241939号にお
いては、ポリオレフィン系樹脂の成形体に殺菌作用を有
する金属、具体的には銀、銅、亜鉛及び錫からなる金属
群より選ばれた1種又は2種以上の金属を保持させたゼ
オライトを含有させてなる抗菌及び防かび能を有するポ
リオレフィン系樹脂、具体的にはポリエチレン及びポリ
プロピレンの成形体が開示され、また実開昭62−11
4962号では、熱可塑性樹脂製の洗浄用タンクや温水
タンクにおいて、その熱可塑性樹脂にゼオライト、活性
炭、シリカゲル、粘土等の担体に抗菌性金属の化合物を
水溶液又はコロイドとして吸着、乾燥させたものを混
入、分散させることが提案されている。
【0005】このほかその担体としてゼオライトを使用
するものとしては特公昭63−54013号、実開平1
−117264号、実開平3−85965号、実開平3
−129373号等がある。このうち特公昭63−54
013号では、ゼオライトの中でもモレキュラ−シ−ブ
と呼ばれるSiO2/Al23 モル比の大きなゼオライ
トを除き使用できるとし、実開平1−117264号に
おいては、抗菌作用を有する金属、具体的には銀、銅又
は亜鉛をイオン交換により担持させた抗菌性ゼオライト
を0.1〜5重量%の範囲で含有させてなる樹脂製の使
い捨てコップが提案されている。
【0006】また実開平3−85965号及び実開平3
−129373号においては、ゼオライトのほか、活性
炭、シリカゲル、アルミナ等の無機化合物が同列に列挙
されており、また特開平5−140331号では、プラ
スチックに酸化亜鉛微粒子を混入することにより抗菌、
抗カビ、防臭機能を付与することが記載されている。さ
らに特開平3−84066号では、銀、銅、亜鉛、金及
び白金より選ばれる少なくとも1種の金属及び/又はそ
の酸化物を担持させる粒子として酸化チタン、酸化けい
素等の無機系粒子のほか、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリスチレン等の有機系粒子も使用し得るとしてい
る。
【0007】さらにまた、実開平2−144573号で
は、Ag又はCuイオンを含有する溶解性ガラス粉末を
含有させた抗菌性樹脂容器が記載され、また特公平4−
68935号においては、Agイオンを含有する溶解性
ガラスを少なくとも表層に分散保持させた食器が開示さ
れているが、これら両者は抗菌性金属の担持用として溶
解性ガラスを使用する点で一つの系統をなしいてるもの
と云える。
【0008】このほか特開平4−275370号では、
一般式 Agab2 c(PO4d・nH2O(式中、A:
アルカリ金属イオン等から選ばれる少なくとも1種のイ
オン、M2 :4価金属、0≦n≦6、a、b:正数、
c、d:a+mb=1のときc=2、d=3、a+mb
=2のとき、c=1、d=2、但しmはAの価数)で示
される銀含有のリン酸塩系化合物からなる抗菌剤と樹脂
とからなる抗菌性樹脂組成物が提案されており、また特
開平6−136137号においては、その担持用として
同じくリン酸塩系化合物であるリン酸カルシウム化合物
を使用している。
【0009】概略以上の諸提案によれば、それら無機系
抗菌剤は、抗菌性金属の担持用として無機物質である無
機化合物、またその中でも特にゼオライトや溶解性ガラ
スに対して、抗菌性金属を担持させてなるものであり、
これら抗菌剤をプラスチックに混合、含有させている。
しかしこのような技術では、(1)抗菌作用が未だ極め
て弱いか、若しくは長期持続性がない、(2)Agの溶
出による変色が見られる、(3)例えば15時間程度の
煮沸試験後に膨れが生じてしまう等、抗菌性の程度や持
続性に難があるばかりでなく、そのように膨れが生じる
等成形品自体としての特性についても必ずしも十分とは
云えない。
【0010】また、それら技術のうち、特開平3−84
066号ではポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレ
ン等の有機系粒子をも使用し得るとし、また実開平2−
144573号及び特公平4−68935号ではそれ自
体セラミックスである溶解性ガラスを用いているが、こ
れらを除く前記諸公報に記載の技術においては、何れも
無機系物質をそのまま使用しているだけものであり、そ
れを焼成してセラミックスとして適用するものではな
い。
【0011】他方、前掲公報中、プラスチックの種類と
しては、その一般的な例示としてはその一部に熱硬化性
樹脂をも列挙しているものもあるが(特公平4−689
35号、特開平4−275370号、特開平5−140
331号、特開平6−136137号)、これら各公報
に記載の実施例すなわち具体例をみても何れもポリプロ
ピレンやナイロン等の熱可塑性樹脂だけを対象としてお
り、アミノ系樹脂等の熱硬化性樹脂について適用した場
合の具体例は見当たらない。
【0012】ところで本発明者等は、銀、銅及び亜鉛か
ら選ばれた抗菌性金属用の担体として、そのように無機
化合物、その一種であるゼオライト、或いは溶解性ガラ
スを使用するのではなく、カルシウム系セラミックス、
すなわちリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪酸カル
シウム、ハイドロキシアパタイトから選ばれたカルシウ
ム化合物を焼成してセラミックスとして使用するように
することにより、Agの溶出がなく、優れた抗菌性及び
抗かび性を付与したポリオレフィン系樹脂成形体を先に
開発し、出願している(特開平4−142349号)。
【0013】上記特開平4−142349号の発明で
は、抗菌性金属をそのようにカルシウム系セラミックス
に担持させ、これをポリオレフィン系樹脂すなわち熱可
塑性樹脂に含有させることにより、熱可塑性樹脂に有効
な抗菌及び抗かび性を付与し、またAgの溶出がない等
優れた効果を得ることができるが、本発明者等は、抗菌
性金属を担持したカルシウム系セラミックスからなる抗
菌剤を、そのように熱可塑性樹脂に対してではなく、こ
れを熱硬化性樹脂に対して適用することの適否、またこ
れを適用する場合の諸条件等について数多くの実験を重
ね、研究を進めているうち、これがアミノ系樹脂、その
中でも特にメラミン系樹脂に対して有効に適用でき、優
れた抗菌性、防カビ性を付与し得ることを見い出した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明は、抗
菌性金属を担持したカルシウム系セラミックスからなる
抗菌剤をアミノ系樹脂(メラミン樹脂のほか、尿素、チ
オ尿素、グアニジン、アセトグアナミン、ベンゾグアナ
ミン等の各樹脂の単独又は共縮合樹脂を含む)に対して
適用し、アミノ系樹脂粉にこの抗菌剤を混入含有させて
なるアミノ系樹脂成形粉及びこのアミノ系樹脂成形粉か
ら成形した成形体(成形品)を提供することを目的と
し、またそれらの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、アミノ系樹脂
成形粉であって、その樹脂粉末に抗菌剤として抗菌性金
属を担持させたリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケ
イ酸カルシウム、ハイドロキシアパタイトから選ばれた
1種又は2種以上のカルシウム系セラミックを混入させ
てなることを特徴とするアミノ系樹脂成形粉を提供し、
またアミノ系樹脂成形粉末に対して、抗菌剤として抗菌
性金属を担持させたリン酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ハイドロキシアパタイトから選
ばれた1種又は2種以上のカルシウム系セラミックを混
入させたアミノ系樹脂成形粉を成形してなることを特徴
とするアミノ系樹脂成形品を提供する。
【0016】また本発明は、アミノ系樹脂成形体に対し
て、その表面に薄くコ−トするグレ−ズ層中のアミノ
系樹脂、その表面層である単色着色紙に含浸したアミ
ノ系樹脂又はその表面層である化粧プリントに含浸し
たアミノ系樹脂を有するアミノ系樹脂成形体であって、
該アミノ系樹脂に抗菌性金属を担持させたリン酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ハイドロキ
シアパタイトから選ばれた1種又は2種以上のカルシウ
ム系セラミックを含有させたことを特徴とするその表面
にグレ−ズ層、単色着色紙又は化粧プリントを有するア
ミノ系樹脂成形品を提供するものである。
【0017】これらの一例として、メラミン樹脂化粧板
の場合について述べると、この化粧板は、通常その基体
として紙、メラミン樹脂又はフェノ−ル樹脂が用いら
れ、その表面層の1枚が単色着色紙もしくは化粧プリン
トにメラミン樹脂を含浸させたもので構成される。また
その表面層の下側の層は大部分がフェノ−ル樹脂を含浸
させた紙の積層で形成されており、このうち特に後で曲
げ加工が可能ないわゆるポストホ−ム用化粧板の場合に
は、そのフェノ−ル樹脂層にアニリン変性フェノ−ル樹
脂が使用される例もあるが、本発明においては前記特徴
とする構成を例えばこれらグレ−ズ層、単色着色紙又は
化粧プリントに適用するものである。
【0018】また本発明は、少なくとも銀を含有し、銅
及び/又は亜鉛を含む抗菌性金属をリン酸カルシウム、
炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム及びハイドロキシア
パタイトから選ばれたカルシウム系化合物に担持させた
後、該化合物を温度800℃以上で焼成した後、平均粒
度10μm以下に粉砕し、得られたカルシウム系セラミ
ックの微粉末とアミノ系樹脂とを該微粉末の含量が少な
くとも0.03重量%になるように混合することを含む
アミノ系樹脂成形体の製造方法を提供する。
【0019】ここで、本発明における上記アミノ系樹脂
としては、アミノ基を含む化合物とアルデヒドの縮合反
応によって得られる樹脂であるアニリンアルデヒド樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂を使用し、特に好ましくは
メラミン系樹脂(メラミン樹脂又はメラミン樹脂と他の
樹脂との共縮合樹脂)を使用する。メラミン樹脂はメラ
ミンとアルデヒド類(主としてホルムアルデヒド)との
付加縮合反応により得られ、この反応によりメラミン分
子が橋かけされ、最終的に三次元構造をとる高分子量の
合成樹脂であり、不燃性、耐熱性、電気特性(特に耐ア
−ク性)に優れ、着色自由の無色透明で且つ硬い樹脂
で、尿素樹脂と比較しても硬度が大きく、さらに耐水
性、耐薬品性、耐熱性、耐炎性にも優れた特性を有する
ものである。
【0020】本発明においては、上記アミノ系樹脂に対
して抗菌性金属を担持させたカルシウム系セラミックス
を添加、混入し、含有させるものである。またその抗菌
性金属としては、銀、銅及び亜鉛から選ばれた1種又は
2種以上を使用するが、好ましくは、少なくとも銀を含
有し、この銀に銅及び亜鉛から選ばれた1種又は2種を
含有させたものを使用し、特に好ましくは銀と亜鉛を併
用して使用する。これらの金属は抗菌性のほか、抗かび
性及び防臭性をも合わせもつものであり、本明細書中
「抗菌性」とは、抗菌性自体に加え、抗かび性、防臭性
を含めた意味で使用している。
【0021】次に、本発明で使用する抗菌剤すなわち抗
菌性金属を担持させたカルシウム系セラミックスは、上
記抗菌性を有する金属をその塩の形とし、これをリン酸
カルシウム〔Ca3(PO42、Ca227 等〕、炭
酸カルシウム(CaCO3)、ケイ酸カルシウム(Ca
O/SiO2 =1〜3)、ハイドロキシアパタイトから
選ばれる一種又は二種以上のカルシウム化合物に対して
担持させた後、焼成して製造することができる。
【0022】本発明における上記カルシウム化合物とし
ては、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カル
シウム及びハイドロキシアパタイトから選ばれる1種又
は2種以上のカルシウム化合物を使用するが、特に好ま
しくはリン酸三カルシウムもしくはハイドロキシアパタ
イト(=水酸アパタイト)又はこれらを含有したものを
使用する。このうちハイドロキシアパタイトは骨や歯等
の主成分であり、弱アルカリ性(pH=7〜9)で蛋
白、脂質をよく吸着するほか、生体成分との親和性も良
好であり、さらにイオン交換能を有している点等から、
抗菌性金属の担体として特に有効である。
【0023】ハイドロキシアパタイトは、Ca10(PO
46(OH)2〔=Ca5(PO43(OH)〕の化学組
成を有するが、その化学量論Ca/Pモル比が正に10
/6(=5/3)のもののほか、Ca/Pモル比が1.
4〜1.8の範囲内のものであれば本発明において抗菌
性金属用担体として有効に使用される。特に合成による
ハイドロキシアパタイトの場合、そのモル比が正に10
/6のものを得るには、その原料組成、製造条件等上あ
る種の困難を伴うが、本発明においてはそのモル比が上
記範囲のものであれば使用できるため、この点でも有利
である。
【0024】前記のとおり抗菌剤は一種又は二種以上の
カルシウム化合物に対して抗菌性を有する金属をその塩
の形として担持させ、次いで焼成してセラミックスとす
ることにより製造するが、特にリン酸三カルシウム及び
ハイドロキシアパタイトの場合には、上述優れた特性か
ら、焼成をしないままでも、すなわちセラミックスとし
ないでも本発明の抗菌剤として有効に使用することがで
きる。そしてこの場合にもリン酸三カルシウム及びハイ
ドロキシアパタイトの単独組成物のほか、混合組成物、
例えばwhitlockite〔ウイトロック石:Ca
3(PO42〕、二リン酸カルシウム(Ca227
及びハイドロキシアパタイトの混合組成物として適用す
ることができる。
【0025】次に、カルシウム化合物に対して抗菌性金
属を担持させる手法としては、例えば抗菌性を有する
金属をその塩(硝酸塩、酢酸塩等)の水溶液とし、これ
に上記カルシウム化合物の1種又は2種以上の粉末を投
入混合してイオン交換吸着させ、固定化する、抗菌性
を有する金属をその塩の水溶液又は懸濁液とし、これに
カルシウム化合物の1種又は2種以上の粉末を投入混合
してその金属塩を含浸吸着させ、固定化する等の態様で
行うことができる。この点特にハイドロキシアパタイト
の場合には、上記〜等の態様のほか、その合成時
に抗菌性金属の塩を共存させて担持させるようにするこ
ともできる。この合成法には乾式法、水熱法、湿式法、
メカノケミカル法、アルコキシド法等があるが、上記抗
菌性金属の塩の共存、担持は、これら何れの合成法でも
適用することができる。
【0026】この態様の場合一例を述べると、抗菌性
金属を例えば硝酸塩、酢酸塩等の塩の形とし、これを塩
化カルシウム等のカルシウム塩とリン酸二ナトリウム等
のリン酸塩の水溶液に対して共存させることにより担持
させることができる。ハイドロキシアパタイトの場合に
は、抗菌性金属を上記〜の何れの態様で担持させた
場合にも、焼成をすることなく所期の抗菌効果が得られ
る。しかし、さらにこれを焼成処理してセラミックスと
することにより、抗菌性金属をさらに強固に担持させ、
アミノ系樹脂への混入成形後、抗菌性金属の溶出や変色
等を一層有効に防止し、それらを実質上皆無とすること
ができる。
【0027】次いで、前記のような態様で抗菌性金属を
担持させたカルシウム化合物を焼成をするが(リン酸三
カルシウムもしくはハイドロキシアパタイトを焼成しな
いで使用する場合を除く)、この焼成によりセラミック
スとするものである。その焼成温度は、各カルシウム化
合物の種類により幾分異なるが、それら何れの場合も好
ましくは約800℃以上で行われる。これは、例えば銀
をリン酸カルシウムに含有させて加熱して行くと、約8
00℃から白色へ変化し該金属を強固に保持することと
なり、また、ハイドロキシアパタイトは約800℃から
焼成収縮を起こし、これにより金属を強固に保持し、金
属イオンの溶出をより起り難くすることとなるからであ
る。
【0028】なお本発明者等は、ハイドロキシアパタイ
トに対して抗菌性金属イオンを担持させた抗菌性ハイド
ロキシアパタイト及びその製造方法については先に開発
し出願しているが(特開平2−180270号)、本発
明においては、この(1)抗菌性ハイドロキシアパタイ
トを含有する抗菌剤、また(2)これを焼成してなる抗
菌性ハイドロキシアパタイトセラミックスを含有する抗
菌剤をアミノ系樹脂、そのうちでも特にメラミン樹脂粉
末に混入し、成形することにより抗菌性に優れたメラミ
ン樹脂成形品とすることができるものである。
【0029】また、抗菌剤として上記(1)抗菌性リン
酸三カルシウム及び抗菌性ハイドロキシアパタイトのう
ちの何れか又は両者を含有した抗菌剤、或いは(2)こ
れを焼成してなる抗菌性リン酸三カルシウムセラミック
ス及び抗菌性ハイドロキシアパタイトセラミックスのう
ちの何れか又は両者を含有した抗菌剤を用いる場合に
は、カップリング剤を添加するのが望ましい。これによ
りこれら抗菌剤を樹脂と混合させるに際して結合性を高
め、均一且つ強固に存在させることができる。このカッ
プリング剤としては、特に限定はないが、例えばエポキ
シシラン、アミノシラン等を挙げることができる。この
場合、そのカップリング作用はリン酸三カルシウム、ハ
イドロキシアパタイト又はそれらのセラミックス中のC
a成分によるものであり、更にハイドロキシアパタイト
又はハイドロキシアパタイトセラミックスを使用した場
合には、ハイドロキシアパタイト又はハイドロキシアパ
タイトセラミックス中の「OH基」により更なる効果が
ある。
【0030】また抗菌性金属の担持量としては、抗菌剤
中50重量%以下、好ましくは0.001〜30重量%
の範囲、更に好ましくは0.01〜10重量%の範囲で
使用する。その担持量が0.001重量%以上であれば
抗菌剤として有効に作用し適用できるが、さらに0.0
1重量%以上であれば十分に有効である。他方、その上
限は50重量%までは担持させることができるが、10
重量%までの範囲で使用するのが望ましく、この理由は
10重量%を越えると例えばリン酸カルシウムが銀塩に
なってしまうなど、返って不具合いとなることからであ
る。
【0031】本発明では、以上の抗菌剤をアミノ系樹脂
粉に対して添加混入し、含有させるが、その含量として
はその樹脂粉中に少なくとも0.03重量%を加える。
このように少なくとも0.03重量%以上を混合してそ
の樹脂粉を成形すると、アミノ系樹脂成形体は微生物に
より汚染されることがなくアミノ系樹脂成形体に対して
有効な抗菌機能、抗かび機能及び防臭機能を付与するこ
とができる。
【0032】また、本発明における成形体は、化粧板、
各種積層板、食器類、家庭什器類、各種電気部品や配線
器具等用の成型体として適用できるが、特に繰り返し使
用されるホ−ムウェア−用成型体として有利に適用する
ことができる。その具体例としては例えば家庭用、学校
給食用、ホテル用、レストラン用、或いは航空機用のカ
ップや皿等の食器類、灰皿やトレ−類、お盆、トレ−・
スプ−ン、箸類等を挙げることができる。本明細書で云
うホ−ムウェア−用成型体とはこれらを含む意味であ
る。
【0033】さらに本発明に係るアミノ系樹脂成形粉、
またこの樹脂成形粉を成形した成形品や表面にグレ−ズ
層、単色着色紙又は化粧プリントを有するアミノ系樹脂
成形品とする場合、その主成分としてのアミノ系樹脂に
対し、その補強のために「基材」或いは「充填材」とよ
ばれる材料を配合することができ、これによりそれ単独
での脆さを補強することができる。また硬化剤、可塑
剤、顔料(着色剤)なども適宜添加することができ、こ
れにより所望の性質を付与することができる。
【0034】上記「充填材(基材)」としてはセルロ−
ス(α−セルロ−ス)、木炭、サルファイトパルプ、
紙、糸屑、布切れなどの有機充填材やアスベスト、雲
母、ガラス繊維などの無機充填材が成形品の用途、特徴
に応じて使用される。メラミン樹脂は彩度が高く自由な
着色ができるという特徴を有するものであり、この特徴
を生かした装飾的な用途に対して、高純度のα−セルロ
−ズを含む溶解パルプ(レ−ヨンパルプ)が最も広く使
用されている。このα−セルロ−ズは木炭や他の充填材
と比較して、半透明性を示すばかりでなく、その繊維の
性質から高い機械強度が得られる。
【0035】次に上記硬化剤としては、無機酸、有機
酸、酸性硫酸ソ−ダのごとき酸性塩、しゅう酸ジメチル
エステルのようなカルボン酸エステル類、マレイン酸無
水物やフタル酸無水物のような酸無水物、モノクロロ酢
酸のナトリウム塩やα、α’−ジクロロヒドリンのよう
な有機ハロゲン化物、エチルアミン塩酸塩やトリエタノ
−ルアミン酸のようなアミン類の塩酸類、塩化アンモニ
ウム、硫酸アンモニウムのようなアンモニウム塩や尿素
誘導体、イミドスルフォン酸二アンモニウム、サリチル
酸尿素アダクト、ステアリン酸尿素アダクト、ヘプタン
酸尿素アダクト、トリアジン誘導体、N−トリメチルタ
ウリン等を挙げることができる。
【0036】また前記可塑剤としては、水、一価及び多
価のアルコ−ル類、ケトン類、トリフェニルホスフェ−
ト、グリセリルフタレ−ト樹脂、乾燥油又は半乾燥油の
脂肪酸の一価アルコ−ルエステル、高級アルコ−ル酸性
硫酸エステル類又はその塩類と多価アルコ−ルとの混合
物、モノクレジルグリセリルエ−テル等が使用でき、そ
の量的割合としては0.5〜2重量%程度の範囲で使用
する。さらに離型剤としてはステアリン酸とその各種の
金属塩(Zn、Mg、Ca、Al)、脂肪酸、ワックス
等を挙げることができ、この場合の量的割合はおよそ
0.1〜0.5重量%の範囲で適用される。
【0037】さらに、前記着色剤(顔料)としては、必
要な色の種類毎に例えば以下の例を挙げることができ、
これら顔料は1種又は2種以上を該樹脂粉末に対して均
一に添加、混合することにより加えることができる。白
色:チタン白等、黒色:カ−ボンブラック等、黄色:カ
ドミウムイエロ−、ベンジジンイエロ−、ハンザイエロ
−等、橙色:クロムバミリオン、カドミウムオレンジ
等、赤色:パ−マネントレッド4R、レ−キレッドC、
カ−ミン6B、ウォッチングレッド、ロ−ダミンレ−
キ、マルン:ボンマル−ン、ボルド−10B、弁柄、バ
ンドシェンナ−、イエロ−オ−カ−、カドミウムマルン
等、青色:コバルトブル−、フタロシアニンブル−、ス
カイブル−、ミネラルバイオレット等。
【0038】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明がこの実施例に限定されるもので
はないことは勿論である。先ず実施例1では、抗菌性ハ
イドロオキシアパタイト含有セラミックスの製造例を記
載し、次いでこれを添加含有させたメラミン樹脂につい
て行った変色試験(含:形状変化の有無等)及び抗菌力
試験を比較例1〜5と対比して記載している。また実施
例2では、抗菌性リン酸三カルシウムセラミックスの製
造例を記載し、変色試験、抗菌力試験等については実施
例1と同様に行い、比較例1〜5と対比して記載してい
る。
【0039】《実施例1》〈抗菌性ハイドロオキシアパ
タイト含有セラミックスの製造例〉 10l(10リットル)の蒸留水にハイドロオキシアパ
タイト1.0kg、硝酸銀47g及び硝酸亜鉛110g
を加えて十分に攪拌、混合してイオン交換させた後、得
られた生成物を蒸留水でよく洗浄した後、乾燥させた。
次いでこの乾燥物を温度900℃で焼成し、得られた焼
成物を粉砕して銀及び亜鉛を担持したハイドロオキシア
パタイト含有セラミックスの粉末を得、これを実施例用
の抗菌剤とした。この粉末に対する銀及び亜鉛の担持量
は、それぞれ2.9重量%及び3.2重量%(内数、すな
わち混合後の全体量100中、以下同じ)であった。
【0040】一方、比較例1〜5用の各抗菌剤は、上記
製造例に準じて製造した。抗菌金属としてAgとZnを
使用し〔各比較例1〜5における両金属Ag、Znの担
持割合(重量%)は表1に示すとおりである〕、担体と
しては、比較例1ではA型ゼオライトを、比較例2では
A型ゼオライトと酸化亜鉛との同量を、比較例3では酸
化亜鉛を使用し、また比較例4〜5では共に無定形シリ
カを使用したが、この比較例4と比較例5ではAgとZ
nを異なる量比で使用している。
【0041】《実施例2》〈抗菌性リン酸三カルシウム
セラミックスの製造例〉 実施例1と同様に10l(10リットル)の蒸留水にリ
ン酸三カルシウム1.0kg、硝酸銀47g及び硝酸亜
鉛110gを加えて十分に攪拌、混合してイオン交換さ
せた後、得られた生成物を蒸留水でよく洗浄した後、乾
燥させた。次いでこの乾燥物を温度1200℃で焼成
し、得られた焼成物を粉砕して銀及び亜鉛を担持したリ
ン酸三カルシウムセラミックスの粉末を得、これを実施
例2用の抗菌剤とした。
【0042】〈変色試験、抗菌力試験等〉メラミン樹脂
系透明グレ−ズ部に使用する市販のメラミン系樹脂粉末
(主成分:メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、日本
カ−バイド工業社製、商品名「ニカグレ−ズ」)に対し
て、上記製造例で得た抗菌性ハイドロオキシアパタイト
含有セラミックスを重量で2%(内数、すなわち混合後
の全体量100中、以下同じ)になるように混合し、そ
のメラミン系透明グレ−ズ部を既に成形されたメラミン
樹脂成形体の上に被覆してメラミン樹脂製品を作製し
た。このメラミン樹脂製品の変色の有無、成形体として
の形状変化の有無等を成形時(成形終了時)、15時間
煮沸時及び一箇月後の変色の度合を調べるとともに、こ
のメラミン樹脂に対して抗菌力試験をシェイクフラスコ
法で行なった。表1はこれらの結果である。
【0043】
【表 1】
【0044】抗菌力試験は以下(1)〜(7)のように
実施した。(1)細菌として大腸菌を使用し、予め高圧
蒸気殺菌したブロス(DIFCO社製、ニュ−トリエン
トブロス、以下NBという)60mlに大腸菌を接種
し、温度37℃で18時間振盪培養した。(2)1mM
(1ミリモル)リン酸緩衝液にNB水溶液を加えて1/
1000NB溶液とした(最終濃度1mMリン酸緩衝
液、1/1000NB)。(3)、(1)で培養した大
腸菌液を(2)の溶液で希釈して生菌数を2.0×10
5 個/mlとし、これを大腸菌試験液とした。(4)試
験試料を0.1g滅菌チュ−ブに秤取りし、(2)で調
整したリン酸緩衝液を加えて2%(重量%、以下同じ)
試験溶液を作り、これを超音波に5〜10分間かけた
後、(2)で調整したリン酸緩衝液で0.2%、0.1
%、0.02%、0.01%・・・と10段階の希釈を
した。
【0045】(5)、(4)の希釈液に(3)で調整し
た大腸菌試験液を同量加えて蓋を閉め、チュ−ブをよく
振り、試験液と菌液を混ぜた。(6)試験試料を25
℃、振幅2cm、水平方向150r.p.mで振盪した。
対照として菌液のみについても同時に行った。(7)試
験開始時の大腸菌試験液の菌数を混釈平板培養法により
求めた。また、振盪開始6時間後に各チュ−ブ内の液を
1ml滅菌シャ−レに蒔き、予め高圧蒸気滅菌した普通
寒天倍地(日水製薬社製)を15ml加えて固めた。こ
れを37℃インキュベ−タ−で48時間培養し菌数を測
定した。
【0046】表1から明らかなとおり、まず変色の有無
については、実施例1では成形時、煮沸15時間経過後
及び経日(1箇月)後においても何らの変化も認められ
なかった。これに対して比較例1、2、4、5では、既
に成形時に変色してしまっている。また比較例3におい
ては、成形時以降変色はないが、煮沸15時間後には膨
れが生じてしまい(表1中には記載していないが、それ
以降も同じ)、成形品として不適当であることを示して
いる。
【0047】また、抗菌試験については、ブランク、2
%(重量%)添加品及び対照生菌数について、実施例1
及び比較例1〜5ともに同じ値を示している。しかし、
これを表1に示す「変色の有無」及び「形状変化の有
無」についての試験結果と併わせて判断すると、比較例
1〜5に対して、実施例1すなわち本発明によれば優れ
た効果が得られることが明らかである。なお上記抗菌試
験では試験菌株として大腸菌を使用しているが、黄色ブ
ドウ球菌を用いた同じ実験によっても同様に優れた抗菌
性が認められた。
【0048】《実施例3〜5》実施例1においては、メ
ラミン樹脂系透明グレ−ズ部に使用する市販のメラミン
系樹脂(主成分:メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、日本カ−バイド工業社製、商品名「ニカグレ−
ズ」)粉末に対して、抗菌剤として抗菌性金属イオンを
担持させた抗菌性セラミックスを2重量%になるように
混合したものを用いたが、本実施例3〜5では、これと
同じ抗菌剤、樹脂を使用し、その添加量を6.0重量
%、8.0重量%、10.0重量%と変えて、実施例1
と同様にしてシェイクフラスコ法による抗菌試験を実施
した。表2はこれらの結果である。
【0049】
【表 2】
【0050】なお、表2中「耐久試験後」とは、耐酸試
験として、4%酢酸水溶液中24時間浸漬(室温)の
後、耐アルカリ試験として0.5%Na2CO3水溶液中
2時間煮沸の後、煮沸15時間経過後の意味である(つ
まり同一試料について、耐酸テスト+耐アルカリテスト
+煮沸テストを行った。この点表3についても同じ)。
表2から明らかなとおり、メラミン樹脂に対して抗菌剤
を各々6.0、8.0及び10.0重量%添加した場
合、滅菌率は耐久試験前で100%、煮沸15時間経過
後でも99%を示し、優れた抗菌効果が得られているこ
とが分かる。
【0051】《実施例6》本実施例6では、実施例1で
得た抗菌性ハイドロオキシアパタイト含有セラミックス
に対してエポキシシランカップリング剤(KBM40
3、信越化学工業社製、商品名)を3重量%(外数、す
なわち該セラミックス100に対する)添加したものを
使用し、試験方法として静置法を適用した点を除き、使
用樹脂その他の点は実施例1と同様にして抗菌試験を実
施した。試験操作は次のとおりに行った。まず菌液の調
整は、大腸菌を普通寒天斜面培地(SCDLP寒天培
地、日水製薬社製)で35℃一夜培養した試験菌株の菌
体を減菌1/1000濃度普通ブイヨンに浮遊させ、1
ml当たりの菌数が約106となるように調整した。
【0052】次いで検体に上記菌液0.2mlを接種し
て、ポリエチレンフィルムを密着させた後、35℃で保
存し、保存開始時及び24時間後にSCDLP寒天培地
で生残菌を洗い出した。この洗い出し液の生菌数を、菌
数測定用培地を用いた寒天平板培養法(35℃、1日
間)により測定して、検体1枚当たりの生菌数に換算し
た。また、検体に接種したものと同量の菌数をシャ−レ
に分注して、ポリエチレンフィルムを密着させて保存
し、生菌数を測定して対照とした。
【0053】《実施例7〜9》実施例7では、実施例2
で得た抗菌性リン酸三カルシウムセラミックスに対して
実施例6と同様にしてカップリング剤処理を行い、実施
例6と同様に試料を作製し、抗菌試験を行った。また実
施例8では、尿素樹脂粉末に実施例6で得た抗菌性セラ
ミックスを用いて、実施例6と同様な方法で試料を作製
し、その抗菌試験を行った。さらに実施例9では、アニ
リンアルデヒド樹脂粉末に実施例6で得た抗菌性セラミ
ックスを用いて、実施例6と同様な方法で試料を作製
し、その抗菌試験を行った。表3にこれら実施例6〜9
の結果を記載している。
【0054】表3のとおり、樹脂との混合に際してカッ
プリング剤を使用することにより、優れた抗菌性を付与
していることが明らかであり、また何れの実施例でも、
1箇月経過後でも変色や銀及び亜鉛の溶出も全く見られ
なかった。また、菌液として黄色ブドウ球菌を使用して
同様に試験したが、この場合にも上記大腸菌の場合とほ
ぼ同様の効果が得られた。この試験での菌液の調整は、
黄色ブドウ球菌を普通寒天斜面培地で温度35℃、一夜
培養した試験菌株の菌体を減菌1/100濃度の普通ブ
イヨンに浮遊させ、1ml当たりの菌数が約106 とな
るように調整したものである。
【0055】
【発明の効果】以上のとおり、本発明では抗菌剤として
抗菌性金属を担持させたリン酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム、ケイ酸カルシウム、ハイドロキシアパタイトから
選ばれた1種又は2種以上のカルシウム系セラミックス
を使用することにより、アミン系樹脂の成形品に対して
有効な優れた抗菌性を付与することができる。また本発
明による成形品は、変色や成形品として膨れ等の変形が
なく、金属の溶出がないため、繰り返し洗浄使用される
ホ−ムウエア−成型品その他各種成形品としてもきわめ
て有効に適用することができる。
【0056】また、カルシウム化合物としてリン酸三カ
ルシウムもしくはハイドロキシアパタイトを使用する場
合には、その優れた特性から、焼成をしないままでも有
効であり、焼成によりその特性をさらに確実にすること
ができる。このリン酸三カルシウムもしくはハイドロキ
シアパタイトは、焼成の有無を問わず、単独組成物とし
ては勿論、他のカルシウム化合物をも含む混合組成物と
して使用される。
【0057】
【表 3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/18 C08K 7/18 (72)発明者 滝本 昭夫 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 坂本 憲仁 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 蟹江 隆 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 大場 幸満 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 川本 賢治 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 内 (72)発明者 櫻井 浩 東京都中央区築地3−11−6 株式会社サ ンギ内 (72)発明者 猪瀬 昭 東京都中央区築地3−11−6 株式会社サ ンギ内 (72)発明者 渥美 公則 東京都中央区築地3−11−6 株式会社サ ンギ内 (72)発明者 藤田 恵二郎 東京都中央区築地3−11−6 株式会社サ ンギ内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ系樹脂成形粉であって、その樹脂粉
    末に抗菌剤として抗菌性金属を担持させたリン酸カルシ
    ウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ハイドロキ
    シアパタイトから選ばれた1種又は2種以上のカルシウ
    ム系セラミックを混入させてなることを特徴とするアミ
    ノ系樹脂成形粉。
  2. 【請求項2】上記抗菌性金属が、少なくとも銀を含有
    し、銀、銅及び亜鉛から選ばれた1種又は2種以上の金
    属である請求項1記載のアミノ系樹脂成形粉。
  3. 【請求項3】上記抗菌性金属を担持させたカルシウム系
    セラミックが、抗菌性金属を担持させたリン酸三カルシ
    ウム及び抗菌性金属を担持させたハイドロキシアパタイ
    トのうちの何れか又は両者を含有したセラミックスであ
    る請求項1又は2記載のアミノ系樹脂成形粉。
  4. 【請求項4】上記抗菌性金属を担持させたリン酸三カル
    シウム及び抗菌性金属を担持させたハイドロキシアパタ
    イトのうちの何れか又は両者を含有するセラミックスか
    らなる抗菌剤がカップリング剤で処理された抗菌剤であ
    る請求項3記載のアミノ系樹脂成形粉。
  5. 【請求項5】上記アミノ系樹脂成形粉が、メラミン系樹
    脂である請求項1、2、3又は4記載のアミノ系樹脂成
    形粉。
  6. 【請求項6】アミノ系樹脂成形粉末に対して、抗菌剤と
    して抗菌性金属を担持させたリン酸カルシウム、炭酸カ
    ルシウム、ケイ酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト
    から選ばれた1種又は2種以上のカルシウム系セラミッ
    クを混入させたアミノ系樹脂成形粉を成形してなること
    を特徴とするアミノ系樹脂成形品。
  7. 【請求項7】上記成形品が、ホ−ムウェア−成型体であ
    る請求項6記載のアミノ系樹脂成形品。
  8. 【請求項8】アミノ系樹脂成形体に対して、その表面
    に薄くコ−トするグレ−ズ層中のアミノ系樹脂、その
    表面層である単色着色紙に含浸したアミノ系樹脂又は
    その表面層である化粧プリントに含浸したアミノ系樹脂
    を有するアミノ系樹脂成形体であって、該アミノ系樹脂
    に抗菌性金属を担持させたリン酸カルシウム、炭酸カル
    シウム、ケイ酸カルシウム、ハイドロキシアパタイトか
    ら選ばれた1種又は2種以上のカルシウム系セラミック
    を含有させたことを特徴とするその表面にグレ−ズ層、
    単色着色紙又は化粧プリントを有するアミノ系樹脂成形
    品。
  9. 【請求項9】上記アミノ系樹脂成形品のアミノ系樹脂
    が、メラミン系樹脂である請求項6、7及び8記載のア
    ミノ系樹脂成形品。
  10. 【請求項10】少なくとも銀を含有し、銅及び/又は亜
    鉛を含む抗菌性金属をリン酸カルシウム、炭酸カルシウ
    ム、ケイ酸カルシウム及びハイドロキシアパタイトから
    選ばれたカルシウム系化合物に担持させた後、該化合物
    を温度800℃以上で焼成した後、平均粒度10μm以
    下に粉砕し、得られたカルシウム系セラミックの微粉末
    とアミノ系樹脂とを該微粉末の含量が少なくとも0.0
    3重量%になるように混合することを含むアミノ系樹脂
    成形体の製造方法。
  11. 【請求項11】上記アミノ系樹脂が、メラミン系樹脂で
    ある請求項10記載のアミノ系樹脂成形体の製造方法。
  12. 【請求項12】アミノ系樹脂成形粉であって、その樹脂
    成形粉末に抗菌性金属を担持させたリン酸三カルシウム
    及び抗菌性金属を担持させたハイドロキシアパタイトの
    うちの何れか又は両者を含有する抗菌剤をカップリング
    剤で処理してなる抗菌剤を混入させてなることを特徴と
    するアミノ系樹脂成形粉。
  13. 【請求項13】上記アミノ系樹脂成形粉がメラミン系樹
    脂成形粉末である請求項12記載のアミノ系樹脂成形
    粉。
  14. 【請求項14】アミノ系樹脂粉末に対して、抗菌性金属
    を担持させたリン酸三カルシウム及び抗菌性金属を担持
    させたハイドロキシアパタイトのうちの何れか又は両者
    を含有する抗菌剤をカップリング剤で処理してなる抗菌
    剤を混入させてなるアミノ系樹脂成形粉を成形してなる
    ことを特徴とするアミノ系樹脂成形品。
  15. 【請求項15】上記アミノ系樹脂成形品がメラミン系樹
    脂成形品である請求項14記載のアミノ系樹脂成形品。
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