JPH08323369A - 水質改善材および水質改善材の製造方法 - Google Patents

水質改善材および水質改善材の製造方法

Info

Publication number
JPH08323369A
JPH08323369A JP15847695A JP15847695A JPH08323369A JP H08323369 A JPH08323369 A JP H08323369A JP 15847695 A JP15847695 A JP 15847695A JP 15847695 A JP15847695 A JP 15847695A JP H08323369 A JPH08323369 A JP H08323369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water quality
quality improving
improving material
water
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15847695A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Marubayashi
康則 丸林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP15847695A priority Critical patent/JPH08323369A/ja
Publication of JPH08323369A publication Critical patent/JPH08323369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の水質改善材1は、好ましくは球体の粒
状をなす多孔質焼結体で構成されている。この水質改善
材1は、花崗岩と蛭石とを所望の割合で含む粒状の鉱石
を原鉱とし、この原鉱を一次焼成して得られた焼成物の
少なくとも重質部分に対し洗浄を施し、この焼成物を粉
砕して得られた粉砕物に水およびバインダーを添加し、
混練してスラリーを得、このスラリーより粒状成形体を
製造し、これを焼成して得られたものである。水質改善
材1中には、ケイ酸塩バクテリアが所定量含まれてい
る。 【効果】自己にない物質を吸着、捕獲して水を浄化する
とともに、水のpH、酸化還元電位、電気伝導度、各種イ
オン濃度等の諸条件を調整することができ、それらの効
果に持続性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然の鉱石より得られ
る水質改善材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水中のバクテリアや藻等の発生を抑制
し、水質を改善する物質として、活性炭、麦飯石を用い
たもの、多孔質セラミックス等が知られている。これら
は、脱臭作用、制菌作用を発揮し、水垢の発生を防止し
たり、汚染物質を吸着、除去する等の浄化作用はあるも
のの、例えば処理水のpH、酸化還元電位、電気伝導度、
水中の各種イオン濃度等の諸条件を調整する作用はほと
んどない。また、このような作用があったとしても、そ
の作用が発現するのに長時間を要し、また、その作用の
持続性にも乏しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、浄化
作用に加え、天然の鉱石を用いて水中の各種イオンの濃
度等を調整することができる水質改善材およびその製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0005】(1) 花崗岩を含む粒状の鉱石の焼成物
の少なくとも重質部分を粉砕して得られた粉砕物を用い
て造粒してなることを特徴とする水質改善材。
【0006】(2) 花崗岩を含む粒状の鉱石の焼成物
の少なくとも重質部分を粉砕して得られた粉砕物と水と
バインダーとを混練して得られた半固形物の粒状成形体
を焼成してなることを特徴とする水質改善材。
【0007】(3) 前記鉱石は、蛭石を含むものであ
る上記(1)または(2)に記載の水質改善材。
【0008】(4) 前記水質改善材は、多孔質材であ
り、その平均空孔径が0.1〜80μm である上記
(1)ないし(3)のいずれかに記載の水質改善材。
【0009】(5) 前記水質改善材は、多孔質材であ
り、その比表面積が1.0〜8.0m2/gである上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の水質改善材。
【0010】(6) 内部にケイ酸塩バクテリアを含ん
でいる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の水質
改善材。
【0011】(7) 前記ケイ酸塩バクテリアの含有量
が、1×105 〜1×1012個/mgである上記(6)に
記載の水質改善材。
【0012】(8) 粒状の水質改善材を製造する方法
であって、花崗岩を含む粒状の原鉱を焼成する第1工程
と、前記第1工程により得られた焼成物の少なくとも重
質部分に対し洗浄を施す第2工程と、前記第2工程によ
り洗浄された焼成物を粉砕する第3工程と、前記第3工
程により得られた粉砕物を用いて造粒する第4工程とを
有することを特徴とする水質改善材の製造方法。
【0013】(9) 前記原鉱は、蛭石を含むものであ
る上記(8)に記載の水質改善材の製造方法。
【0014】(10) 前記第1工程における焼成条件
は、680〜1220℃で1〜8分である上記(8)ま
たは(9)に記載の水質改善材の製造方法。
【0015】(11) 前記第2工程における洗浄は、洗
浄前の物質に対する洗浄後の物質の質量が26〜85%
となるように行われる上記(8)ないし(10)のいずれ
かに記載の水質改善材の製造方法。
【0016】(12) 前記第3工程における粉砕は、粉
砕物の平均粒径が5〜100μm となるように行われる
上記(8)ないし(11)のいずれかに記載の水質改善材
の製造方法。
【0017】(13) 前記第4工程における造粒は、前
記粉砕物に水およびバインダーを添加し、混練してスラ
リーとし、該スラリーを粒状に成形し、該粒状成形体を
焼成することにより行われる上記(8)ないし(12)の
いずれかに記載の水質改善材の製造方法。
【0018】(14) 前記粒状成形体の焼成条件は、6
50〜850℃で0.5〜6時間である上記(13)に記
載の水質改善材の製造方法。
【0019】(15) 前記原鉱中にケイ酸塩バクテリア
を含み、前記第1工程後および前記第4工程後に前記ケ
イ酸塩バクテリアの一部が生存している上記(8)ない
し(14)のいずれかに記載の水質改善材の製造方法。
【0020】
【実施例】以下、本発明の水質改善材およびその製造方
法について詳細に説明する。本発明の水質改善材は、花
崗岩を含む、特に花崗岩を主とする粒状の鉱石を焼成し
て得られた焼成物の少なくとも重質部分に対し、好まし
くは洗浄を施し、この焼成物を粉砕して得られた粉砕物
を用いて造粒したものである。
【0021】原料の鉱石(原鉱)としては、粒状をなす
花崗岩(特に風化花崗岩)を含むもの、好ましくはこの
ような花崗岩を主とするものが用いられる。また、この
原鉱には、さらに蛭石が所定量含まれているのが好まし
い。原鉱中の蛭石の含有量は、特に限定されないが、好
ましくは5〜50重量%程度、より好ましくは10〜3
0重量%程度とされる。このような蛭石を含むことによ
り、後述する本発明の効果の安定性が高まり、また、放
出するイオンの種類が豊富となる。
【0022】なお、原鉱中には、ケイ酸塩バクテリアが
含まれているのが好ましい。以上のような原鉱は、ま
ず、焼成(一次焼成)に供される(第1工程)。この焼
成の条件は、好ましくは温度680〜1220℃程度で
1〜8分程度、より好ましくは800〜1100℃程度
で1.5〜5分程度、さらに好ましくは880〜105
0℃で2〜3.5分程度とされる。焼成温度が680℃
未満または焼成時間が1分未満では、焼成が不十分とな
り、多孔質化が十分になされず、また、焼成温度が12
20℃を超えるかまたは焼成時間が8分を超えると、焼
成過多となる。
【0023】このような焼成は、通常、空気中で行われ
るが、焼成雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活
性ガスまたは該不活性ガスを含む気体や、酸素リッチな
気体中で行われてもよい。
【0024】焼成後の冷却方法は、特に限定されず、自
然空冷によればよい。また、冷却速度も特に限定されな
い。このようにして得られた焼成物は、重質部分と軽質
部分(主にバーミキュライト)とを含んでいる。本発明
では、このうちの少なくとも重質部分に対し、洗浄を施
す(第2工程)。
【0025】この場合、焼成物の全体(重質部分と軽質
部分とを含む)に対し洗浄を施す方法、焼成物を重質部
分と軽質部分とに分別し、そのうちの主に重質部分に対
し洗浄を施す方法のいずれでもよいが、洗浄効率の向上
および得られた水質改善材の品質向上の点で、後者の方
法が好ましい。
【0026】洗浄の方法としては、特に限定されない
が、水洗が好ましい。この場合、用いる洗浄水の種類
は、特に限定されず、例えば水道水、工業用水、河川
水、湖沼水、地下水等、いずれでもよく、また、任意の
目的で添加剤を添加したものでもよい。また、洗浄水の
pHは、特に限定されないが、pH=5〜9程度、特にpH=
6.5〜7.5程度とするのが好ましい。
【0027】また、洗浄の程度は、洗浄前の物質に対す
る洗浄後の物質の質量が26〜85%となるように行わ
れるのが好ましく、特に焼成物中の主に重質部分に対し
洗浄を施す場合、洗浄前の物質に対する洗浄後の物質の
質量が40〜72%となるように行われるのが好まし
い。洗浄後の質量の比率が少な過ぎると洗浄過剰とな
り、得られた水質改善材の使用時に、各種イオンの放出
量が減少し、また、洗浄後の質量の比率が少な過ぎると
洗浄不足となり、不純物の残存量が多くなる。
【0028】以上のような洗浄の後、必要に応じ乾燥を
行う。この場合、乾燥方法は、特に限定されず、自然乾
燥の他、冷風または温風の吹き付けによる乾燥や、オー
ブン等を用いた加熱乾燥を行ってもよい。
【0029】次に、洗浄、乾燥済の焼成物を例えば粉砕
機を用いて粉砕する(第3工程)。粉砕物の平均粒径
は、5〜100μm 程度であるのが好ましく、5〜50
μm 程度であるのがより好ましい。
【0030】次に、このような粉砕物を用いて造粒する
(第4工程)。すなわち、まず、粉砕物に水およびバイ
ンダー(結合剤)を添加し、混練してスラリー(半固形
物)を得る。
【0031】バインダーとしては、例えば、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリ
ウム等の各種金属酸化物、ケイ酸塩、アルミン酸塩、チ
タン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、石灰、カオリン、モンモリ
ロナイトまたはこれらのうちの1種以上含む無機物質等
の各種無機バインダーが好適に使用される。
【0032】バインダーの添加量は、その種類により異
なるが、通常、粉砕物に対し5〜30重量%程度が好ま
しく、10〜15重量%程度がより好ましい。
【0033】スラリーの粘度は、造粒をし易くするため
に、適度に調整される。この調整は、水の添加量により
調整することができる。このようなスラリーを例えば造
粒装置を用いて粒状、好ましくはほぼ球状に成形し、粒
状成形体を得る。
【0034】得られた粒状成形体は、前記と同様の方法
で乾燥された後、焼成(二次焼成)に供される。この焼
成の条件は、好ましくは温度650〜850℃程度で
0.5〜6時間程度、より好ましくは700〜850℃
程度で2〜5時間程度、さらに好ましくは750〜83
0℃で3〜4.5時間程度とされる。焼成温度が650
℃未満または焼成時間が0.5時間未満では、焼成によ
る多孔質化等の効果が不十分となり、また、焼成温度が
850℃を超えるかまたは焼成時間が6時間を超える
と、焼成物が脆くなり、また、組成によってはガラス化
することがある。
【0035】このようにして得られた焼成物を冷却し
て、本発明の粒状の水質改善材を得る。このときの冷却
方法は、特に限定されず、例えば自然空冷によればよ
い。また、冷却速度は、特に限定されないが、好ましく
は1〜50℃/分程度、より好ましくは3〜10℃/分
程度とされる。このような範囲であれば、冷却の際にワ
レ等を生じることなく、また、残留応力も除去され、減
少するので、焼成物の形状の均一性、安定性が向上す
る。なお、後述する水質改善材の平均空孔径および比表
面積は、前記一次焼成および二次焼成における前記各焼
成条件の設定により適宜調整することができる。
【0036】前述したように、原鉱にケイ酸塩バクテリ
アを含んでいる場合、前記一次焼成および二次焼成によ
りその大半が死滅するが、前記各焼成条件の範囲では、
ケイ酸塩バクテリアの一部が生存する。ケイ酸塩バクテ
リアは、繁殖力が旺盛であり、しかも、本発明の水質改
善材の内部は、繁殖のための水分、養分等が豊富にある
環境であるため、焼成直後の生存菌数が少なくても、最
終的に得られる水質改善材中には、後述するような菌数
のケイ酸塩バクテリアが存在することとなる。
【0037】以上のようにして得られた本発明の水質改
善材は、多孔質材で構成されている。この多孔質材にお
ける平均空孔径は、特に限定されないが、好ましくは
0.1〜80μm 程度、より好ましくは1〜50μm 程
度、さらに好ましくは3〜20μm 程度とされる。平均
空孔径をこのような範囲とすることにより、特に優れた
物質の吸着捕獲作用を持続的に発揮することができる。
【0038】多孔質材よりなる水質改善材の比表面積
は、特に限定されないが、好ましくは1.0〜8.0m2
/g程度、より好ましくは1.5〜6.0m2/g程度、さら
に好ましくは1.5〜5.0m2/g程度とされる。比表面
積をこのような範囲とすることにより、特に優れた物質
の吸着捕獲作用およびイオン放出作用を迅速かつ持続的
に発揮することができる。
【0039】本発明の水質改善材の平均粒径は、特に限
定されないが、取扱性や効果の即効性、持続性等を考慮
して、1〜10mm程度であるのが好ましく、2〜7mm程
度であるのがより好ましい。水質改善材の粒径は、均一
でも不均一でもよい。水質改善材の粒径が不均一、すな
わち所定の粒度分布(バラツキ)を有する場合には、容
器等への充填率が向上し、好ましい。
【0040】また、本発明の水質改善材は、内部にケイ
酸塩バクテリアを含んでいるのが好ましい。この場合、
ケイ酸塩バクテリアの含有量(菌数)は、1×105
1×1012個/mgであるのが好ましく、1×107 〜1
×1012個/mgであるのがより好ましく、1×108
1×1011個/mgであるのがさらに好ましい。このよう
な含有量において、後述する作用が特に有効に発揮され
る。
【0041】このような本発明の水質改善材は、原水
(処理すべき水)と接触させた際、自己にない物質(例
えば、水道水中の次塩素酸ナトリウム、水垢の原因とな
るタンパク質等)を吸着、捕獲するとともに、例えばカ
ルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオ
ン、ナトリウムイオン、鉄イオン、ケイ素イオン、硫酸
イオン、塩素イオン等の各種イオンを適度に放出(徐
放)する作用を有する。さらに、原水の酸化還元電位を
下げ、pHを上げ、電気伝導度を上げる作用を有する。そ
して、このような作用は、原水の温度依存性が少なく、
かつ瞬時に生じ、しかもその持続性に優れる。
【0042】また、水質改善材がケイ酸塩バクテリアを
含んでいる場合には、そのケイ酸塩バクテリアが、吸
着、捕獲した物質を分解する作用を有する。これによ
り、水処理の休止時等に、自己にない物質の吸着、捕獲
能が復元し、上述したような作用(性能)を長期間維持
することができる。また、ケイ酸塩バクテリアの存在
は、原水の酸化還元電位を下げることにも寄与する。
【0043】なお、本発明の水質改善材は、焼結物であ
るため、通常の鉱石のように、微粉が粘土化されていな
いので、処理された水が濁らないという利点を有し、例
えば飲料水としても適している。さらに、本発明の水質
改善材は、微量のα線、遠赤外線が放射されるので、水
の分子集団を小さくする作用を有する。
【0044】次に、本発明の水質改善材の具体的実施例
について説明する。 (実施例)福島県小野町で産出された鉱石(いわゆる
「小野鉱石」と呼ばれる)を原鉱として用いた。この原
鉱は、風化花崗岩を主とし、蛭石を約20重量%含むも
のである。また、原鉱中には、ケイ酸塩バクテリアが含
まれていた。
【0045】次に、前記原鉱に対し、炉を用いて、空気
中で温度990℃、約3分間焼成した後、空冷した。得
られた焼成物を撹拌しつつ、これに高速の空気流を吹き
付けて軽質部分を吹き飛ばし、残った重質部分を回収し
た。
【0046】次に、回収された焼成物の重質部分20Kg
を、水道水(pH=7.1)で洗浄した。洗浄後の物質
(洗浄物)の重量は、10.7Kgであった。前記洗浄物
を自然乾燥し、ボールミルにて平均粒径50μm に粉砕
した。この粉砕物に対し、水を50重量%、バインダー
として粉末状のカオリンを5重量%の割合で添加し、こ
れらを混練して、所望の粘度に調整されたスラリーを得
た。
【0047】さらに、このスラリーから、造粒装置を用
いて、ほぼ球状の粒状成形体を製造し、これを自然乾燥
した。次に、粒状成形体を、炉を用いて、空気中で温度
750℃、約4時間焼成した後、冷却速度4℃/分で空
冷した。
【0048】以上のようにして、粒径が約2.5〜8mm
(平均粒径:約5mm)の粒状の水質改善材を得た。この
水質改善材の平均空孔径は、約20μm 、比表面積は、
約5m2/gであった。また、この水質改善材中に含まれる
ケイ酸塩バクテリアの菌数(安定時)を分析したとこ
ろ、約1×1010個/mgであった。
【0049】[実験1]図1に示されている水の流入口
3および流出口4を有するカラム2に、前記実施例の水
質改善材1を6.5Kg充填し、流入口3より水道水(原
水)を供給し、カラム2内の水質改善材1と接触させた
後、流出口4より流出させた。なお、水道水の供給量
は、毎分5リットルとした。
【0050】カラムへの通水開始から30分経過した時
点で、カラム通過前の水道水(原水)およびカラムから
流出した水(処理水)をサンプリングし、それぞれにつ
いて、共立理化学研究所社製の分析器を用い、水質分析
を行った。その結果を下記表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】上記表1に示すように、実施例の水質改善
材から各種ミネラル成分(イオン)が溶出し、処理水に
付与されることが確認された。
【0053】[実験2]前記実施例の水質改善材約6.
5Kgを前記と同様のカラムに充填し、このカラムに対し
同様にして毎分1リットルで1日8時間水道水(原水)
を通水し、これを毎日繰り返し行った。
【0054】カラムへの通水開始から2日、30日、6
0日、90日および120日経過した時点で、それぞ
れ、カラムから流出した水(処理水)をサンプリング
し、その酸化還元電位、導電率およびpH値を測定した。
その結果を下記表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2に示すように、本発明の水質改善材に
よれば、原水の酸化還元電位が低下し、導電率およびpH
が上昇するように水質が改善され、しかも、その効果の
持続性にも優れていることがわかる。
【0057】[実験3]前記実験2において、水質改善
効果が持続する原因についてさらに詳細に調べるための
実験を行った。
【0058】前記実施例の水質改善材1を2.0Kg充填
した前記と同構造の小型のカラム2に、水道水(原水)
を所定量通水し(第1回通水)、33日間通水を停止し
た後、同様にして表3中に示す条件で、通水の再開・停
止を繰り返し行った。
【0059】所定の通水量毎に、カラム通過前の水道水
(原水)およびカラムから流出した水(処理水)をサン
プリングし、それぞれについて、前記と同様の分析器を
用い、残留塩素濃度(次亜塩素酸ナトリウムの濃度)を
測定した。その結果を下記表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】表3に示すように、本発明の水質改善材で
は、第1回通水〜第4回通水の各通水時において、積算
通水量の増加に伴って次亜塩素酸ナトリウムの吸着、捕
獲能が低下するが、所定日数通水を停止した後、通水を
再開したとき(第2回、第3回、第4回の通水開始時)
には、次亜塩素酸ナトリウムの吸着、捕獲能が復元する
ことが確認された。これは、通水停止中に、水質改善材
中に存在するケイ酸塩バクテリアが、吸着、捕獲した次
亜塩素酸ナトリウム等の物質を分解し、さらにその分解
物が処理水中に放散されるためであると推定される。こ
のようなことから、本発明の水質改善材は、上述した水
質改善効果を長期間に渡り得ることができる。
【0062】本発明の水質改善材の用途は、特に限定さ
れず、例えば、水道水(飲料水)、工業用水、農業用水
の水質改善に用いることができ、また、例えば、貯水タ
ンク、浴槽、池、水槽、養魚場、浄化槽等の内部や水供
給配管または水循環系に設置することができる。この場
合、水質改善材をそのまま槽の底部に敷設(沈積)する
か、あるいは所望の容器または包材(通水性を有する袋
体)に収納した状態で設置することができる。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による水質改
善材は、自己にない物質を吸着、捕獲して水を浄化する
とともに、水のpH、酸化還元電位、電気伝導度、各種イ
オン濃度等の諸条件を調整することができる。しかも、
このような作用効果の発現速度が速く、かつその持続性
に優れる。
【0064】特に、水質改善材の平均空孔径が0.1〜
80μm である場合や、比表面積が1.0〜8.0m2/g
である場合には、上記効果がより顕著となる。また、原
鉱が蛭石を含むものである場合、第1工程における焼成
条件を温度680〜1220℃で1〜8分とした場合、
第4工程における焼成条件を温度650〜850℃で
0.5〜6時間とした場合、洗浄前の物質に対する洗浄
後の物質の質量が26〜85%となるように洗浄を行っ
た場合には、水質改善材の性状が均一化し、上記効果が
より顕著にまたは安定的に得られる。
【0065】また、水質改善材がケイ酸塩バクテリアを
含んでいる場合、特に、その含有量(菌数)が、1×1
5 〜1×1012個/mgである場合には、自己にない物
質の吸着、捕獲能等の復元力を有するため、優れた水質
改善効果を長期間に渡り得ることができる。
【0066】そして、本発明の水質改善材は、焼結物で
あるため、処理された水が濁らない。また、本発明の水
質改善材の製造方法によれば、天然の鉱石より上述のご
とき優れた効果を発揮する水質改善材を安定した品質で
製造することができ、しかもその製造が容易であり、製
造コストも安価であることから、量産にも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水質改善材の実験装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 水質改善材 2 カラム 3 流入口 4 流出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/00 C02F 1/00 U 1/28 1/28 G 3/34 3/34 Z

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 花崗岩を含む粒状の鉱石の焼成物の少な
    くとも重質部分を粉砕して得られた粉砕物を用いて造粒
    してなることを特徴とする水質改善材。
  2. 【請求項2】 花崗岩を含む粒状の鉱石の焼成物の少な
    くとも重質部分を粉砕して得られた粉砕物と水とバイン
    ダーとを混練して得られた半固形物の粒状成形体を焼成
    してなることを特徴とする水質改善材。
  3. 【請求項3】 前記鉱石は、蛭石を含むものである請求
    項1または2に記載の水質改善材。
  4. 【請求項4】 前記水質改善材は、多孔質材であり、そ
    の平均空孔径が0.1〜80μm である請求項1ないし
    3のいずれかに記載の水質改善材。
  5. 【請求項5】 前記水質改善材は、多孔質材であり、そ
    の比表面積が1.0〜8.0m2/gである請求項1ないし
    4のいずれかに記載の水質改善材。
  6. 【請求項6】 内部にケイ酸塩バクテリアを含んでいる
    請求項1ないし5のいずれかに記載の水質改善材。
  7. 【請求項7】 前記ケイ酸塩バクテリアの含有量が、1
    ×105 〜1×1012個/mgである請求項6に記載の水
    質改善材。
  8. 【請求項8】 粒状の水質改善材を製造する方法であっ
    て、 花崗岩を含む粒状の原鉱を焼成する第1工程と、 前記第1工程により得られた焼成物の少なくとも重質部
    分に対し洗浄を施す第2工程と、 前記第2工程により洗浄された焼成物を粉砕する第3工
    程と、 前記第3工程により得られた粉砕物を用いて造粒する第
    4工程とを有することを特徴とする水質改善材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記原鉱は、蛭石を含むものである請求
    項8に記載の水質改善材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1工程における焼成条件は、6
    80〜1220℃で1〜8分である請求項8または9に
    記載の水質改善材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第2工程における洗浄は、洗浄前
    の物質に対する洗浄後の物質の質量が26〜85%とな
    るように行われる請求項8ないし10のいずれかに記載
    の水質改善材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第3工程における粉砕は、粉砕物
    の平均粒径が5〜100μm となるように行われる請求
    項8ないし11のいずれかに記載の水質改善材の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記第4工程における造粒は、前記粉
    砕物に水およびバインダーを添加し、混練してスラリー
    とし、該スラリーを粒状に成形し、該粒状成形体を焼成
    することにより行われる請求項8ないし12のいずれか
    に記載の水質改善材の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記粒状成形体の焼成条件は、650
    〜850℃で0.5〜6時間である請求項13に記載の
    水質改善材の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記原鉱中にケイ酸塩バクテリアを含
    み、前記第1工程後および前記第4工程後に前記ケイ酸
    塩バクテリアの一部が生存している請求項8ないし14
    のいずれかに記載の水質改善材の製造方法。
JP15847695A 1995-05-31 1995-05-31 水質改善材および水質改善材の製造方法 Pending JPH08323369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15847695A JPH08323369A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 水質改善材および水質改善材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15847695A JPH08323369A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 水質改善材および水質改善材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08323369A true JPH08323369A (ja) 1996-12-10

Family

ID=15672580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15847695A Pending JPH08323369A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 水質改善材および水質改善材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08323369A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209912A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sage Corporation 塩素処理水の水質改善用のセラミックス粒子の製造方法、および塩素処理水の水質改善方法
CN107176692A (zh) * 2017-06-08 2017-09-19 合肥慧明瀚生态农业科技有限公司 一种虾蟹养殖用的水质改良剂及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209912A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sage Corporation 塩素処理水の水質改善用のセラミックス粒子の製造方法、および塩素処理水の水質改善方法
CN107176692A (zh) * 2017-06-08 2017-09-19 合肥慧明瀚生态农业科技有限公司 一种虾蟹养殖用的水质改良剂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007506535A (ja) 焼結破砕ガラスからなる粒状体
KR100839589B1 (ko) 부유물질, 질소, 인 및 악취제거용 액상 수처리제의 제조방법
JP3705500B2 (ja) 活性水の生成方法
KR20140055174A (ko) 오폐수 내에 함유된 중금속 제거용 세라믹파우더를 이용한 수처리 방법
WO2010134573A1 (ja) 処理剤及びその製造方法、並びに、処理方法
JPH08323369A (ja) 水質改善材および水質改善材の製造方法
JP2868425B2 (ja) 水質改善材および水質改善材の製造方法
JPH07313868A (ja) 汚水処理用吸着剤及びその製造方法
JP3794003B2 (ja) リン酸イオン吸着ろ材及び製造方法
JP3131678B2 (ja) 微生物担体の製造方法
JP2001261426A (ja) 遠赤外線放射セラミック
JP2003144820A (ja) 多孔質焼成濾材
JP2002355552A (ja) 窒素酸化物処理材、窒素酸化物の処理方法、および排煙の処理方法
JP3494791B2 (ja) 食品添加物およびその製造方法
KR100993120B1 (ko) 바텀 애쉬를 이용한 수질 정화체 및 그 제조방법
KR100863755B1 (ko) 가돌리늄 산화물을 함유한 수질 정화용 촉매흡착조성물 및 이를 이용한 수질 정화 방법
JPH0739887A (ja) セラミック系活水材とその製造方法
JP2000042538A (ja) 水中のリン除去方法
JP4467998B2 (ja) 重金属を含む土壌の処理方法
JP3382914B2 (ja) 脱臭濾過材及びその製造方法
RU2735839C1 (ru) Способ получения сорбента для очистки сточных вод от ионов никеля
CN108636997B (zh) 用于修复含氰地下水污染的可渗透反应墙介质材料及其制备方法
JP3408701B2 (ja) 有機塩素化合物含有廃液・排水の処理方法及びその装置
JPH067958B2 (ja) 下水汚泥焼却灰を利用した微生物活性化材とその製造方法
JP2007216121A (ja) 有害成分含有被処理気体の浄化方法及び浄化装置