JPH08322104A - 電気自動車の制動装置 - Google Patents

電気自動車の制動装置

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JPH08322104A
JPH08322104A JP12544195A JP12544195A JPH08322104A JP H08322104 A JPH08322104 A JP H08322104A JP 12544195 A JP12544195 A JP 12544195A JP 12544195 A JP12544195 A JP 12544195A JP H08322104 A JPH08322104 A JP H08322104A
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JP
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braking force
failure
hydraulic
sensor
sensors
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JP12544195A
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English (en)
Inventor
Harumi Ohori
治美 大堀
Toshiyuki Sakai
俊行 酒井
Naoyasu Enomoto
直泰 榎本
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキランプスイッチや油圧センサのばら
つきや経時変化により制動力が増減することを防止し制
動フィーリングを改善し、故障検出性能を高める。 【構成】 ブレーキランプスイッチを20及び20
の2個設け、ブレーキランプスイッチ20(及び20
)がオンするのに応じて回生優先モードに移行する。
油圧センサ26、ブレーキランプスイッチ20及び2
0の出力を相互に比較することにより、これらにおけ
る故障の有無を判断し、故障が検出された場合に回生禁
止モードに移行する。回生優先モードへの移行条件に油
圧センサ26の出力値に係る条件が含まれていないた
め、油圧センサ26がハイ故障した場合であっても良好
なフィーリングが得られる。出力相互の比較によって故
障を検出しているため故障箇所や故障モードを特定でき
る。油圧センサ26と同じ部位に1又はそれ以上の油圧
スイッチを設けてもよい。油圧センサ26に代えて油圧
スイッチを設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気自動車に搭載さ
れ、非圧縮性流体による流体圧制動力と走行エネルギの
回生による回生制動力とによって要求制動力を実現する
制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両を制動する手段としては制動油等の
非圧縮性流体を用いた流体圧制動が広く用いられてい
る。車両の駆動手段としてモータを搭載する電気自動車
においては、更に、走行エネルギの回生によって車両を
制動する回生制動をも利用することができる。回生制動
は、車両の走行エネルギの一部を制動エネルギとして車
載のバッテリ等に回生する制動手法であるため、流体圧
制動よりも車両のエネルギ効率の改善に寄与できるとい
う利点を有している。従って、流体圧制動と回生制動と
を併用可能な電気自動車においては、流体圧制動に対し
回生制動を優先的に使用することにより、車両のエネル
ギ効率を改善することができ、また車載のバッテリを外
部電力等により充電する頻度を抑制することができる。
【0003】回生制動を流体圧制動に対し優先的に使用
する際には、要求制動力の実現や駆動輪・従動輪間の制
動力配分の最適化を考慮する必要がある。すなわち、車
両走行用モータによりエネルギを回生するという性質上
回生制動力が駆動輪にしか作用し得ないのに対し、流体
圧制動力は駆動輪にも従動輪にも作用させ得るため、ブ
レーキペダルの踏込み量、ひいてはブレーキマスタシリ
ンダ(M/C)における流体圧として与えられる要求制
動力をそのまま流体圧制動力として作用させる一方で回
生制動力をも発生させると、要求制動力を超える制動力
が駆動輪に作用しまた駆動輪と従動輪の間での制動力配
分が崩れる恐れがある。このような問題を防ぐため、本
願出願人は、流体圧制動力に対し回生制動力を優先的に
使用するとともに回生制動力相当分だけ流体圧制動力の
作用を遅らせる技術を既に提案している(特開平5−1
76407号等参照)。図17には、この先提案の技術
を用いて実現することが可能なシステムの一例構成が示
されている。
【0004】この図においては、車両走行用のモータ1
0として交流モータが使用されている。モータ10の駆
動電力はインバータ12を介し車載のバッテリ14から
与えられている。インバータ12は、バッテリ14から
放電される直流電力をECU16の制御の下に交流電力
に変換しモータ10に供給する。モータ10の出力軸は
トランスミッション18等を介し図示しない駆動輪に連
結されているから、インバータ12による電力変換動作
をアクセルペダルの踏込み量等に応じて制御することに
より、車両操縦者から要求される加速を実現することが
できる。ECU16は、そのため、図示しないアクセル
ペダルの踏込み量に応じてモータ10に対するトルク指
令を決定し、得られたトルク指令に応じてインバータ1
2による電力変換動作を制御する。
【0005】回生制動は、車両加速時と同様、インバー
タ12による電力変換動作の制御により実現することが
できる。すなわち、ブレーキランプスイッチ20により
ブレーキペダル22の踏込みが検出されると、ECU1
6は、M/C24における油圧(M/C圧)を駆動輪側
の油路に関し油圧センサ26を用いて検出し、検出した
M/C圧に応じた回生トルクが走行用モータ10により
得られるようインバータ12による電力変換動作を制御
する。これによって、M/C圧、ひいては車両操縦者か
らの要求制動力に応じた回生制動力を、駆動輪側のブレ
ーキホイール28aに作用させることができる。
【0006】一方、要求制動力を正確に実現しかつ駆動
輪・従動輪間の制動力配分を最適化するためには回生制
動力(回生トルク)に応じて油圧制動力を制限乃至遮断
する必要がある。そのため、M/C24から駆動輪側及
び従動輪側のホイールシリンダ(W/C)30a,30
bに至る油路上には、減圧弁32a,32bが設けられ
ている。減圧弁32a,32bは、M/C24中の対応
する油圧室内の油圧と、対応するW/C30a,30b
における油圧(W/C圧)との差圧が、所定の開弁値以
上に至るまでは油圧の伝達を遮断し当該開弁値を超える
とその時点での差圧を保持しながら油圧の伝達を開始さ
せる機能を有している。従って、このM/C圧が低い領
域(すなわちブレーキペダル22の踏込みが浅い状態)
では減圧弁32aによって油圧の伝達が遮断される結果
回生制動力のみがブレーキホイール28aに作用するこ
ととなるため、駆動輪側の制動エネルギをバッテリ14
にすべて回生することが可能になる。また、減圧弁32
aが前後の差圧が開弁値に到達した以後の状態(すなわ
ちブレーキペダル22の踏込みが深い状態)では、減圧
弁32aの開弁値相当の制動エネルギをバッテリ14に
回収しながら油圧制動力をブレーキホイール28aに作
用させているため要求制動力を確実に実現することがで
きる。従って、減圧弁32aの開弁値を適宜設定するこ
とにより、ブレーキペダル22の踏込み量に対応する要
求制動力を駆動輪側にて確実にかつ正確に実現すること
ができる。
【0007】さらに、このシステムにおいては、減圧弁
32a,32bと並列にバイパス弁34a,34bが設
けられている。バイパス弁34a,34bは例えばソレ
ノイドバルブとして実現することができる弁であり、E
CU16の制御の下オン/オフする。オンしている状態
では、バイパス弁34a,34bはその前後の油路間の
油圧伝達を遮断しており、オフしている状態では許容し
ている。従って、例えば油圧センサ26により検出され
るM/C圧が実際のM/C圧に対し所定程度以上の誤差
を有していると認められる場合にバイパス弁34a,3
4bをオフさせれば、M/C圧がW/C30a,30b
に伝達される結果、駆動輪側のブレーキホイール28a
や従動輪側のブレーキホイール28bに要求制動力に応
じた油圧制動力が作用する。これによって、油圧センサ
26の故障に好適に対処することができる。ホイールシ
リンダ30a側に設けられている油圧センサ36は、そ
の機能の一つとして、油圧センサ26の故障検出という
機能を有している。
【0008】図18には、この実施例におけるECU1
6の動作のうち、回生制動力及び油圧制動力の制御に関
する動作の流れが示されている。この図に示されるよう
に、ECU16はまずバイパス弁34a,34bのソレ
ノイドに通電しこれらの弁をオンさせる等の初期化処理
を実行する(100)。これにより、M/C24からW
/C30a,30bに至る油路上に減圧弁32a,32
bが挿入される。
【0009】ECU16は、その後、モータ10、イン
バータ12、バッテリ14等が回生制動を実行可能な状
態にあるか否かを判定する(102)。例えば、バッテ
リ14の充電状態(SOC)及び電圧等から見て回生電
力を受入れる能力がバッテリ14にないと見られる場合
や、モータ10やインバータ12の温度等から見て必要
な回生トルクを出力させ得る状態でないと見られる場合
には、ECU16は回生禁止モードに移行する。それ以
外の場合には、ECU16は、油圧センサ26及び36
の出力を互いに比較し(104)、その結果に基づき油
圧センサ26に故障が生じているか否かを判定する(1
06)。ECU16は、その結果油圧センサ26に故障
があると認められた場合には回生禁止モードに移行し、
それ以外の場合には回生優先モードに移行する。
【0010】回生優先モードにおいては、ECU16
は、まずブレーキランプスイッチ20がオンしているか
否かを判定する(108)。ブレーキランプスイッチ2
0はブレーキペダル22が踏まれた場合にオンするよう
設定されている。従って、ブレーキランプスイッチ20
がオンしていると判定された場合には、車両操縦者によ
りブレーキペダル22が踏まれていると見なすことがで
きるため、ECU16は、油圧センサ26によって検出
されるM/C圧、あるいは油圧センサ36により検出さ
れる駆動輪側のW/C圧をこのM/C圧から減じた差圧
に基づき、必要な回生制動力を求め、求めた回生制動力
がモータ10により回生トルクとして実現されるようイ
ンバータ12の制御を実行する(110)。
【0011】ECU16は、ブレーキランプスイッチ2
0がオンしていない場合には(108)、原則として回
生トルクが0となるようインバータ12による電力変換
動作を制御する(112)。すなわち、車両操縦者によ
りブレーキペダル22が踏まれていないと見なせる場合
には、回生制動を実行しない。しかし、ブレーキランプ
スイッチ20がオンしていない場合であっても、油圧セ
ンサ26により検出されるM/C圧がδ(0<δ
を上回っている場合にはブレーキペダル22が踏まれて
いると見なせるため(114)、ECU16は上述のス
テップ110を実行する。このようなステップ114を
設けるのは、ブレーキランプスイッチ20にオフ故障、
すなわちブレーキペダル22が踏まれているか否かにか
かわらず常にオフし続ける性質の故障が発生している状
況に好適に対処し確実に制動力を発生させるためであ
る。
【0012】ステップ102において回生制動を実行で
きないと判定された場合やステップ106において油圧
センサ26に故障があると判定された場合には、ECU
16は、前述のように回生禁止モードを実行する。この
モードにおいては、ECU16は、バイパス弁34aの
ソレノイドへの通電を断ち当該バイパス弁34aをオフ
させる(116)。これにより、M/C圧がそのままW
/C30aに伝達される状態となるため、回生制動能力
のいかんにかかわらず、また油圧センサ26の故障の有
無にかからわず要求制動力を実現可能な状態になる。こ
の状態では、さらに、ECU16は回生トルクが0とな
るようインバータ12による電力変換動作を制御すると
ともに、車両操縦者に状況を報知すべく図示しない異常
ランプを点灯させ、また回生禁止モードに移行したこと
等を示すダイアグをその内部に記憶する。ECU16
は、回生能力が回復するまで又は油圧センサ26の故障
が解消されるまで(118)、回生禁止モードを継続す
る。
【0013】図19には、ステップ104及び106に
おいて油圧センサ26の故障を検出する際使用される原
理が示されている。この図の横軸は実際のM/C圧を、
縦軸は油圧センサ26の出力を、それぞれ示している。
油圧センサ26の理想出力は図中一点鎖線で示される特
性となるはずであるから、油圧センサ26の実際の出力
がこの一点鎖線から大きくずれていることを検出できれ
ば、当該油圧センサ26の故障を検出できることにな
る。ステップ104においては、油圧センサ26の実際
の出力が一点鎖線で示される理想出力から大きくずれた
ことを、W/C30a側の油圧センサ36の出力を用い
て検出している。この油圧センサ36の理想出力は、図
19中二点鎖線で示されるように、油圧センサ26の理
想出力に対し減圧弁32aの開弁値分だけ図中右側にシ
フトした特性となる。このとき、油圧センサ36の誤
差、減圧弁32aの特性のヒステリシス、誤差及びバラ
ツキも影響し、ステップ104において検出可能な油圧
センサ26の故障領域は図中斜線で示される2箇所の領
域となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このシステムにおいて
は、ブレーキランプスイッチにオフ故障が生じた場合で
あってもM/C側油圧センサの出力を用いて回生制動を
開始させることができ、またW/C側油圧センサの出力
を用いてM/C側油圧センサの故障を検出することがで
きる。しかしながら、ブレーキランプスイッチに何ら故
障が生じていない場合であってもM/C側油圧センサに
故障が発生すると回生制動力が作用し始め、結果とし
て、要求制動力より若干大きめの制動力が発生するとい
う問題がある。すなわち、M/C側油圧センサにおいて
実際のM/C圧よりもやや大きめの値を出力するような
モードの故障(ハイ故障)が経時変化等により生じる
と、車両操縦者がブレーキペダルを踏んでいないにもか
かわらず前述のステップ114の条件が成立してしま
い、ステップ110により回生トルクが発生することが
ある。ただし、ECUの動作がステップ100実行後ス
テップ102を経てステップ104及び106に戻った
時点でM/C側油圧センサの故障が検出され回生禁止モ
ードに移行することや、発生する回生トルクが車両の操
縦になんら影響を与えない小さい値であることを併せて
考えると、上述のような故障が操縦性能等に何ら影響を
与えないことは明らかである。しかし、M/C側油圧セ
ンサのハイ故障によって若干ではあれ回生トルクが発生
することは、車両操縦者に対し違和感を与えフィーリン
グを悪化させる。
【0015】さらに、上述のシステムではM/C側及び
W/C側油圧センサとして線形特性を有する油圧センサ
を用いている。しかしながら、この種のセンサには、そ
の価格が高いという問題の他、固体間のバラツキがある
ため図19に示されるように比較的広い誤差を許容しな
ければならないという問題がある。更に、M/C側油圧
センサとW/C側油圧センサの間に介在する減圧弁は通
常は大きなヒステリシス特性を有しており、さらに特性
の誤差やバラツキも有している。従って、W/C側油圧
センサの出力を用いてM/C側油圧センサの故障を検出
する処理は、さほど正確には実行することができない。
すなわち、図19に示されるようにM/C側油圧センサ
の理想出力から遠く離れた領域の故障しか検出すること
ができない。
【0016】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、ブレーキペダルが
踏まれているか否かを検出する踏込みセンサ(例えばブ
レーキランプスイッチ)の故障を油圧センサを用いるこ
となく検出することにより、油圧センサ等における故障
の有無によらず適切に回生制動力を発生させることが可
能な制動装置を実現することを目的とする。本発明は、
更に、要求制動力を検出する要求制動力センサ(例えば
油圧センサ)をその間に減圧弁等の部材を介在させるこ
となく複数個配設しこれらの要求制動力センサの出力を
用いて当該要求制動力センサの故障を検出することによ
り、減圧弁のヒステリシス特性や特性の誤差乃至ばらつ
きに左右されることなく要求制動力センサの故障を検出
可能にすることを目的とする。本発明は、さらに、踏込
みセンサと要求制動力センサの出力を比較照合すること
によりこれらのセンサの故障を検出し少なくとも部分的
には故障箇所及び故障モードを特定可能にすることを目
的とする。本発明は、そして、上述の目的の達成を通
じ、よりフェイルセーフ性能が高く故障検出性能が高く
かつフィーリングのよい車両を実現することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の第1の構成に係り電気自動車に搭載
される制動装置は、ブレーキペダルが踏まれているか否
かをそれぞれ検出する複数の踏込みセンサ(例えばブレ
ーキランプスイッチ)と、検出結果を相互に比較するこ
とにより、上記複数の踏込みセンサに関しその故障を検
出する手段と、いずれの踏込みセンサに関しても故障が
検出されていない場合に、非圧縮性流体による流体圧制
動力と走行エネルギの回生による回生制動力とに配分し
ながら、要求制動力を駆動輪に作用させる手段と、を備
えることを特徴とする。
【0018】また、本発明の第2の構成に係り電気自動
車に搭載される制動装置は、ブレーキペダルの踏込み量
に応じた流体圧にて与えられる要求制動力をそれぞれ検
出する複数の要求制動力センサ(例えば油圧センサ、油
圧スイッチ、ストロークセンサ)と、検出結果を相互に
比較することにより、上記複数の要求制動力センサに関
しその故障を検出する手段と、いずれの要求制動力セン
サに関しても故障が検出されていない場合に、非圧縮性
流体による流体圧制動力と走行エネルギの回生による回
生制動力とに配分しながら、少なくともいずれかの要求
制動力センサによる検出の結果に応じた制動力を、駆動
輪に作用させる手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】本発明の第3の構成に係り電気自動車に搭
載される制動装置は、上述の踏込みセンサ及び要求制動
力センサをそれぞれ複数個備え、更に、検出結果を相互
に比較することにより、上記複数の踏込みセンサ及び上
記複数の要求制動力センサに関しその故障を検出する手
段と、いずれの踏込みセンサ及び要求制動力センサに関
しても故障が検出されていない場合に、非圧縮性流体に
よる流体圧制動力と走行エネルギの回生による回生制動
力とに配分しながら、少なくともいずれかの要求制動力
センサによる検出の結果に応じた制動力を、駆動輪に作
用させる手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】本発明に係る制動装置は、上述の第1乃至
第3の構成において、上記故障が検出された場合に、要
求制動力をすべて流体圧制動力として駆動輪に作用させ
る一方で、回生制動力が駆動輪に作用することを禁止す
る手段を備えることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明の第1の構成においては、踏込みセンサ
が複数個設けられ、ブレーキペダルが踏まれているか否
かが各踏込みセンサによりそれぞれ検出される。さら
に、各踏込みセンサの検出結果は相互に比較され、これ
により各踏込みセンサに故障が生じているか否かが判定
される。すなわち、複数の踏込みセンサの出力の間に矛
盾が生じている場合には、この矛盾に関連している踏込
みセンサのうちいずれかが故障していると見なすことが
できるため、各踏込みセンサの検出結果を相互に比較す
ることにより上述の複数の踏込みセンサにおける故障の
有無に関しては検出することができる。従って、本構成
においては、油圧センサ等の要求制動力センサの出力を
利用することなく踏込みセンサの故障を検出することが
でき、その結果に応じて回生制動優先の制動力制御を実
行することができる。加えて、検出結果の相互比較によ
って、少なくとも部分的には、いずれの踏込みセンサが
故障したのかという情報や、その故障のモードがどのよ
うなモードかという情報を得ることができる。
【0022】本発明の第2の構成においては、要求制動
力センサが複数個設けられ、各要求制動力センサによっ
て要求制動力がそれぞれ検出される。さらに、その検出
結果は相互に比較され、複数の要求制動力センサに関し
その故障が検出される。すなわち、複数の要求制動力セ
ンサの検出結果の間で矛盾が生じている場合には当該矛
盾に関わるいずれかの要求制動力センサにおいて故障が
発生していると見なすことができる。従って、本構成に
おいては、いずれの要求制動力センサに関しても故障が
検出されていない場合に回生優先制御を実行することが
可能になる。また、前述の従来の技術においては要求制
動力を示すM/C圧とこのM/C圧から減圧弁により保
持されている差圧を減じた値のW/C圧が検出され両者
の比較によってM/C側油圧センサの故障が検出されて
いたが、本発明における要求制動力センサはいずれも要
求制動力(従来技術でいえばM/C圧に対応)を検出し
ているため、流体圧制動力の伝達路(油路)上に減圧弁
等の部材が設けられているか否かに関わらず故障が正確
に検出される。
【0023】本発明の第3の構成においては、第1の構
成における作用及び第2の構成における作用がいずれも
生じる。更に、本構成においては、例えばある踏込みセ
ンサの検出結果とある要求制動力センサの検出結果の間
に矛盾が生じている場合にこれらのセンサのうちいずれ
かに故障があると判定される。従って、本構成において
は、第1及び第2の構成に比べ更に緻密に故障を検出
し、また故障したセンサや故障モードをより詳細に特定
可能になる。
【0024】本発明においては、更に、踏込みセンサや
要求制動力センサの故障が検出された場合に、回生制動
力が駆動輪に作用することが禁止され、要求制動力が全
て流体圧制動力として実現される。従って、本構成にお
いては、踏込みセンサや要求制動力センサに故障が生じ
ている場合であっても、確実に要求制動力が実現され
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図17〜図19に示される従来
例と同様の又は対応する構成には同一の符号を付し、説
明を省略する。
【0026】図1及び図2には、それぞれ、本発明の第
1実施例に係る電気自動車のシステム構成及びこの実施
例におけるECU16の動作のうち制動力制御に係る動
作の流れが示されている。図1に示されているように、
この実施例では、W/C30a側の油圧センサ36が廃
止される一方でブレーキランプスイッチとして20及
び20の合計2個が設けられている。更に、図2に示
されているように、ステップ102において回生制動が
可能であると判定された場合には油圧センサ26の出
力、ブレーキランプスイッチ20の出力及びブレーキ
ランプスイッチ20の出力が比較され(104A)、
その結果に基づきこれらのセンサ又はスイッチにおける
故障の有無が検出される(106A)。いずれかのセン
サ又はスイッチに故障が検出された場合には回生禁止モ
ードが実行され、それ以外の場合、すなわち油圧センサ
26、ブレーキランプスイッチ20及び20のいず
れにも故障が認められなかった場合には回生優先モード
が実行される。回生優先モードにおいては、まずステッ
プ108Aにおいてブレーキランプスイッチ20がオ
ンしているか否かの判定が実行され、この判定が成立し
た場合にはM/C圧に基づき求めた回生トルクが得られ
るようインバータ12による電力変換動作が制御され
(110A)、それ以外の場合には前述のステップ11
4を経ることなくステップ112が実行される。
【0027】図3には、この実施例におけるブレーキラ
ンプスイッチ20及び20の特性設定の一例が示さ
れている。この図に示されるように、ブレーキランプス
イッチ20は、ブレーキペダル22の踏込み量がM/
C圧でいえば所定の微小値δに至った時点でオンする
よう設定されており、ブレーキランプスイッチ20は
所定の微小値δに至った時点でオンするよう設定され
ている。これらの微小値の間には、0<δ<δの関
係が成立している。従って、ブレーキペダル22が踏ま
れておらず又はその踏込みが非常に浅い領域(M/C圧
<δ)では、ブレーキランプスイッチ20及び20
がいずれもオフしており、逆に車両操縦者がブレーキ
ングを意図していると見なせる程度にブレーキペダル2
2が踏まれている領域(M/C圧>δ)ではブレーキ
ランプスイッチ20及び20がともにオンしてい
る。この間の領域、すなわちδ<M/C圧<δの領
域ではブレーキランプスイッチ20のみがオンしブレ
ーキランプスイッチ20はオフしている。
【0028】図4には、この実施例においてステップ1
04A及び106Aにて実行される故障検出の論理が示
されている。図中(a)〜(c)に示されているのは、
それぞれ、油圧センサ26の出力とブレーキランプスイ
ッチ20の組み合わせ、油圧センサ26の出力とブレ
ーキランプスイッチ20の出力の組み合わせ、及びブ
レーキランプスイッチ20の出力とブレーキランプス
イッチ20の出力の組み合わせである。
【0029】図4(a)中Aで表されている組み合わ
せ、すなわち油圧センサ26の出力がδ以上でかつブ
レーキランプスイッチ20がオフしている状態は、油
圧センサ26及びブレーキランプスイッチ20がいず
れも正常に動作している場合には生じることがない。こ
のような状態が生じるのは、油圧センサ26にハイ故
障、すなわち実際のM/C圧に比べ高い検出値を出力す
るモードの故障が生じている場合か、あるいはブレーキ
ランプスイッチ20にオフ故障、すなわちブレーキペ
ダル22が十分深く踏まれているにも関わらずオフし続
けるモードの故障が生じている場合である。また、図4
(b)中Bで表される組み合わせ、すなわち油圧センサ
26の出力がδ以上でブレーキランプスイッチ20
がオンしている状態は、油圧センサ26にハイ故障が生
じているかあるいはブレーキランプスイッチ20にオ
フ故障が生じている場合に発生する。そして、図4
(c)中Cで示されている組み合わせ、すなわちブレー
キランプスイッチ20がオフしておりかつブレーキラ
ンプスイッチ20がオンしている状態は、ブレーキラ
ンプスイッチ20にオフ故障が生じている場合かある
いはブレーキランプスイッチ20にオン故障、すなわ
ちブレーキペダル22がさほど深く踏まれていないにも
関わらずオフし続けるモードの故障が生じている場合で
ある。この実施例において使用している3種類のセンサ
乃至スイッチ、すなわち油圧センサ26、ブレーキラン
プスイッチ20及び20のうち2乃至3個が同時に
故障するといった事態が通常は稀有であることを考え併
せると、上述のA及びBがともに成立している場合には
油圧センサ26がハイ故障している可能性が高いという
ことができ、またA及びCがともに成立している場合に
はブレーキランプスイッチ20がオフ故障している可
能性が高いということができる。前述のステップ104
A及び106Aにおいては、このような論理に従い、油
圧センサ26、ブレーキランプスイッチ20及び20
の故障を検出している。
【0030】このように油圧センサ26、ブレーキラン
プスイッチ20及び20の出力を相互に比較してそ
れぞれの故障を検出するようにしたため、本実施例によ
れば、油圧センサ26、ブレーキランプスイッチ20
及び20における故障の発生を的確に検出することが
でき、またこれらのうちいずれが故障したのかやその故
障モードはどのようなモードかを少なくとも部分的には
特定することができる。従って、ステップ116等にお
いてこの故障に対しより適切に対処することが可能にな
る。更に、前述の従来例においては油圧センサ26の出
力が所定条件を満たした場合にステップ110が実行さ
れていたが、本実施例においては油圧センサ26の出力
いかんによらず、すなわちブレーキランプスイッチ20
の出力がオンした場合にのみステップ110Aが実行
されるため、従来に比べフィーリングのよい車両が得ら
れる。すなわち、油圧センサ26における故障の有無に
より制動力が増減するといった不具合は生じなくなる。
加えて、線形特性を有する油圧センサを1個(26)用
いるのみで足りる一方で、本実施例で2個設けているブ
レーキランプスイッチのうち少なくとも20に関して
はクルーズコントロール車用の安価なスイッチを用いる
ことができるため、全体としてより安価にシステムを構
成することができる。
【0031】なお、本実施例では、油圧センサ26、ブ
レーキランプスイッチ20及び20のいずれか1個
が故障した場合に回生禁止モードに移行するようにして
いる。しかし、例えばブレーキランプスイッチ20及
び油圧センサ26が故障しておらずかつブレーキランプ
スイッチ20が故障していると見なせる場合には回生
優先モードに移行するようにしてもよい。このようにす
ると、上述の実施例に比べ回生制動力が作用する機会が
増加するためよりエネルギ効率のよい車両が得られる。
ただし、フェイルセーフ性能の面では、上述の実施例の
ように、油圧センサ26、ブレーキランプスイッチ20
及び20のうちいずれか1個でも故障したら回生禁
止モードに移行する、とする方がよい。
【0032】図5には、本発明の第2実施例に係る電気
自動車のシステム構成の要部が示されている。この実施
例は、図1に示される第1実施例に更に油圧スイッチ3
8を付加した構成を有している。油圧スイッチ38は油
圧センサ26と同じ箇所、すなわち減圧弁32a及びバ
イパス弁34aから見てM/C24側に設けられてい
る。油圧スイッチ38は、例えば図6に示されるよう
に、M/C圧が高まっていき所定値Pを上回った時点
でオンし、逆にM/C圧が低くなっていき所定値P
下回った時点でオフするよう設定されている(P<P
)。
【0033】油圧スイッチ38の出力はECU16に供
給されている。図7に示されるように、本実施例におい
ては、前述のステップ104Aに対応する104Bにお
いてこの油圧スイッチ38の出力が比較の対象に含まれ
ており、また前述のステップ106Aに対応するステッ
プ106Bにおいてこの油圧スイッチ38も故障検出の
対象とされている。
【0034】図8には、本実施例のステップ104B及
び106Bにて採用されている故障検出論理が示されて
いる。図中(a)〜(c)は第1実施例に係る図4
(a)〜(c)と同じ内容である。図8(d)は油圧セ
ンサ26の出力と油圧スイッチ38の出力の組み合わせ
を、(e)はブレーキランプスイッチ20の出力と油
圧スイッチ38の出力の組み合わせを、(f)はブレー
キランプスイッチ20の出力と油圧スイッチ38の出
力の組み合わせを、それぞれ示している。図8(d)中
Dで表される組み合わせ、すなわち油圧センサ26の出
力がP(>P)以上でかつ油圧スイッチ38がオフ
している状態は、油圧センサ26がハイ故障しているか
あるいは油圧スイッチ38がオフ故障している状態であ
ると見なすことができる。また、Eの組み合わせ、すな
わち油圧センサ26の出力がP4(<P)未満でかつ
油圧スイッチ38がオンしている状態は、油圧センサ2
6がロー故障、すなわち実際のM/C圧よりも低い値を
出力するモードの故障であるか、あるいは油圧スイッチ
38がオン故障している状態であると見なすことができ
る。図8(e)中Fの組み合わせ、すなわちブレーキラ
ンプスイッチ20がオフしておりかつ油圧スイッチ3
8がオンしている状態は、ブレーキランプスイッチ20
がオフ故障しているか又は油圧スイッチ38がオン故
障している状態であると見なすことができる。そして、
図8(f)中Gの組み合わせ、すなわちブレーキランプ
スイッチ20がオフしておりかつ油圧スイッチ38が
オンしている状態は、ブレーキランプスイッチ20が
オフ故障しているか又は油圧スイッチ38がオン故障し
ている状態であると見なすことができる。
【0035】従って、本実施例によれば、第1実施例に
比べ更に緻密に故障箇所を特定しまた故障モードを特定
することができる。例えば、A、B及びDがいずれも成
立している場合には、A及びBがともに成立している場
合に油圧センサ26がハイ故障していると判断する第1
実施例に比べより高い確度で油圧センサ26のハイ故障
を検出することができる。更に、油圧スイッチ38は、
線形特性が要求される油圧センサ26に比べ安価な要求
制動力センサであるから、さほどコスト増を発生させる
ことなく上述の効果を得ることができる。加えて、本実
施例においては、前述の第1実施例において得られる効
果はいずれも得ることができる。
【0036】図9には、本発明の第3実施例に係る電気
自動車のシステム構成、特にその要部が示されている。
この実施例は、前述の第2実施例における油圧スイッチ
38に代え2個の油圧スイッチ38及び38を設け
た構成を有している。油圧スイッチ38及び38が
オン/オフするM/C圧は、図10に示されるように若
干の差を有するよう設定されている。
【0037】ECU16は、油圧センサ26、ブレーキ
ランプスイッチ20及び20並びに油圧スイッチ3
8及び38の出力に基づき図7に示される手順を実
行する。その際に採用する故障検出論理は図8に示され
る論理と同様の論理である。ただし、図8(d)〜
(f)については油圧スイッチ38及び38のいず
れについても実行するほか、油圧スイッチ38の出力
と油圧スイッチ38の出力の組み合わせを考慮した論
理も追加する。
【0038】従って、本実施例によれば、前述の第2実
施例に比べ更に緻密な故障検出を実行することができ
る。
【0039】図11には、本発明の第4実施例に係る電
気自動車のシステム構成、特にその要部が示されてい
る。この実施例においては、第3実施例にて用いられて
いた油圧センサ26が廃止されている。また、図12に
示されるように、この実施例においては前述のステップ
104B及び106Bに対応するステップ104C及び
106Cの対象から油圧センサ26が除外されているほ
か、前述のステップ110Aに対応するステップ110
Bにおいて出力すべき回生トルクが油圧スイッチ38
及び38の出力に基づき決定される。
【0040】このような構成によっても、前述の第3実
施例と同様の効果を得ることができる。ただし、線形特
性を有する油圧センサ26ではなくオン/オフ特性を有
する油圧スイッチ38及び38を用いて回生トルク
を決定しているため、回生優先モードにおける回生制動
特性はややステップ的なフィーリングになる。このフィ
ーリングを改善しよりリニアな制動特性を実現するため
には、油圧スイッチの個数をさらに多数とすればよい。
【0041】図13には、本発明の第5実施例に係る電
気自動車のシステム構成、特にその要部が示されてい
る。この実施例においては、第1実施例にて使用されて
いた油圧センサ26に代え2個の油圧センサ26及び
26が設けられてる。ECU16のうち制動に係る動
作は第1実施例の動作(図2)中のステップ110Aを
図14に示されるステップ110Cにて置き換えた動作
である。ステップ110Cにおいては、ECU16は、
油圧センサ26及び26により検出される2種類の
M/C圧の平均を求め、求めた平均値に相当する回生ト
ルクがモータ10にて得られるようインバータ12によ
る電力変換動作を制御している。
【0042】図15には、この実施例のステップ104
A及び106Aにて採用されている故障検出論理が示さ
れている。特に、図15(a)〜(c)、(a)´〜
(b)´は第1実施例に係る図4(a)〜(c)と同内
容である。ただし、油圧センサとして26及び26
の合計2個が使用されているため、図4(a)に対応し
て図15(a)及び(a)´が、図4(b)に対応して
図15(b)及び(b)´が生じている。更に、油圧セ
ンサ26の出力と油圧センサ26の出力の組み合わ
せに係る図15(d)が新たに生じている。
【0043】従って、本実施例によれば、前述の第1実
施例に比べより緻密に故障箇所や故障モードを特定する
ことができる。また、前述の従来例と同様2個の油圧セ
ンサを用いてはいるものの、これらの油圧センサ26
及び26はいずれも同じ箇所、すなわちM/C24側
に設けられているから、減圧弁32aの特性等の影響を
受けることはない。さらに、ステップ110Cにおいて
油圧センサ26及び26双方の出力を利用した回生
トルク決定が実行されているため、油圧センサ26及
び26のうち一方に有意な誤差が発生した場合であっ
てもその影響を半減することができ、正確な回生トルク
を発生させることが可能になる。加えて、油圧センサ2
6及び26のうちいずれかの特性が、故障とは見な
し得ない程度の範囲内で劣化した場合であっても、この
油圧センサ(26又は26)をいわばだましながら
使い続けることができるため、油圧センサの交換費用等
のランニングコストを低減することができる。
【0044】図16には、本発明の第6実施例に係る電
気自動車においてECU16により実行される制御の流
れが示されている。この図においては、図2に示される
動作と同様の動作については図示が省略されている。
【0045】この実施例においては、回生優先モードに
おいてブレーキランプスイッチ20がオンしていると
判定された場合に(108A)更にブレーキランプスイ
ッチ20がオンしているか否かが判定され(108
B)、オンしていると判定された場合に初めてステップ
110Aが実行される。すなわち、ブレーキランプスイ
ッチ20及び20の双方がオンした場合にのみステ
ップ110Aが実行され、それ以外の場合にはステップ
112が実行される。このような手順にて回生トルクの
制御を実行するようにした場合にも前述の第1実施例と
同様の効果を得ることができる。なお、同様の変形を第
2〜第5実施例に施すことも可能である。
【0046】以上の説明では、ブレーキペダル22が踏
まれたか否かを検出する踏込みセンサの例としてブレー
キランプスイッチを示したが、本発明はブレーキランプ
スイッチに限定を要するものではない。また、ブレーキ
ペダル22の踏込み量として与えられる要求制動力を検
出する要求制動力センサとしてM/C圧をリニアに検出
する油圧センサやオン/オフ検出する油圧スイッチを示
したが、本発明はこれらのセンサ乃至スイッチに限定さ
れるものではない。例えば、ブレーキペダル22のスト
ロークを検出するストロークセンサを対象として本発明
を実施することもできる。加えて、上述の各実施例では
前後輪のいずれが駆動輪かを明示していなかったが、本
発明は前輪駆動であっても後輪駆動であっても適用する
ことができ、さらに4輪駆動であっても適用することが
できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の構
成によれば、ブレーキペダルが踏まれているか否かを検
出する踏込みセンサを複数個設け、その検出結果の相互
比較によって当該踏込みセンサの故障を検出するように
したため、従来に比べ故障検出性能を向上させることが
できる。また、油圧センサ等の要求制動力センサにおけ
る故障の有無に関わらず回生優先の制動力配分制御を開
始することができるため、従来に比べフィーリングが良
好な電気自動車を実現することができる。さらに、少な
くとも部分的には、いずれの踏込みセンサが故障したの
か、またその故障モードはどのようなモードかを知るこ
とができるため、検出した故障により適切に対処するこ
とが可能になる。
【0048】本発明の第2の構成によれば、要求制動力
を検出する要求制動力センサを複数個設け、その検出結
果を相互比較して故障を検出するようにしたため、従来
のように2個の油圧センサ間に減圧弁が介在する構成に
比べ適確に要求制動力センサの故障を検出することがで
き、要求制動力センサの出力の経時変化やばらつきに好
適に対処することができる。さらに、少なくとも部分的
には、いずれの要求制動力センサが故障したのか、また
その故障モードはどのようなモードかを特定することが
できるため、検出した故障に対してより適切に対処する
ことが可能になる。
【0049】本発明の第3の構成によれば、第1の構成
及び第2の構成における効果がいずれも得られる。更
に、要求制動力センサの故障を踏込みセンサの出力にて
検出するといった処理が可能になるため、第1及び第2
の構成の単純な組み合わせに比べ更に緻密に慎重に対処
することが可能になる。
【0050】そして、本発明によれば、故障が検出され
た場合に専ら流体圧制動力にて要求制動力を実現するよ
うにしたため、要求制動力を確実に実現することがで
き、かつさらに高いフェイルセーフ性能を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る電気自動車のシス
テム構成を示すブロック図である。
【図2】 この実施例におけるECUの動作の流れを示
すフローチャートである。
【図3】 この実施例におけるブレーキランプスイッチ
の特性設定の一例を示す図である。
【図4】 この実施例における故障検出論理を示す概念
図である。
【図5】 本発明の第2実施例に係る電気自動車のシス
テム構成の要部を示すブロック図である。
【図6】 この実施例におけるブレーキランプスイッチ
及び油圧スイッチの特性設定の一例を示す図である。
【図7】 この実施例におけるECUの動作の流れを示
すフローチャートである。
【図8】 この実施例における故障検出論理を示す概念
図である。
【図9】 本発明の第3実施例に係る電気自動車のシス
テム構成の要部を示すブロック図である。
【図10】 この実施例におけるブレーキランプスイッ
チ及び油圧スイッチの特性設定の一例を示す図である。
【図11】 本発明の第4実施例に係る電気自動車のシ
ステム構成の要部を示すブロック図である。
【図12】 この実施例におけるECUの動作の流れを
示すフローチャートである。
【図13】 本発明の第5実施例に係る電気自動車のシ
ステム構成の要部を示すブロック図である。
【図14】 この実施例におけるECUの動作の流れを
示すフローチャートである。
【図15】 この実施例における故障検出論理を示す概
念図である。
【図16】 本発明の第6実施例に係る電気自動車にお
けるECUの動作の流れを示すフローチャートである。
【図17】 一従来例に係る電気自動車のシステム構成
を示すブロック図である。
【図18】 従来例におけるECUの動作の流れを示す
フローチャートである。
【図19】 この従来例における故障検出原理を示す概
念図である。
【符号の説明】
10 モータ、12 インバータ、14 バッテリ、1
6 ECU、20,20 ブレーキランプスイッ
チ、22 ブレーキペダル、24 マスタシリンダ(M
/C)、26,26 油圧センサ、28a,28b
ブレーキホイール、30a,30b ホイールシリン
ダ(W/C)、32a,32b 減圧弁、34a,34
b バイパス弁、38,38,38 油圧スイッ
チ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 直泰 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルが踏まれているか否かを
    それぞれ検出する複数の踏込みセンサと、 検出結果を相互に比較することにより、上記複数の踏込
    みセンサに関しその故障を検出する手段と、 いずれの踏込みセンサに関しても故障が検出されていな
    い場合に、非圧縮性流体による流体圧制動力と走行エネ
    ルギの回生による回生制動力とに配分しながら、要求制
    動力を駆動輪に作用させる手段と、 を備え、電気自動車に搭載されることを特徴とする制動
    装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキペダルの踏込み量に応じた流体
    圧にて与えられる要求制動力をそれぞれ検出する複数の
    要求制動力センサと、 検出結果を相互に比較することにより、上記複数の要求
    制動力センサに関しその故障を検出する手段と、 いずれの要求制動力センサに関しても故障が検出されて
    いない場合に、非圧縮性流体による流体圧制動力と走行
    エネルギの回生による回生制動力とに配分しながら、少
    なくともいずれかの要求制動力センサによる検出の結果
    に応じた制動力を、駆動輪に作用させる手段と、 を備え、電気自動車に搭載されることを特徴とする制動
    装置。
  3. 【請求項3】 ブレーキペダルが踏まれているか否かを
    それぞれ検出する複数の踏込みセンサと、 ブレーキペダルの踏込み量に応じた流体圧として与えら
    れる要求制動力をそれぞれ検出する複数の要求制動力セ
    ンサと、 検出結果を相互に比較することにより、上記複数の踏込
    みセンサ及び上記複数の要求制動力センサに関しその故
    障を検出する手段と、 いずれの踏込みセンサ及び要求制動力センサに関しても
    故障が検出されていない場合に、非圧縮性流体による流
    体圧制動力と走行エネルギの回生による回生制動力とに
    配分しながら、少なくともいずれかの要求制動力センサ
    による検出の結果に応じた制動力を、駆動輪に作用させ
    る手段と、 を備え、電気自動車に搭載されることを特徴とする制動
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の制動装置におい
    て、 上記故障が検出された場合に、要求制動力を全て流体圧
    制動力として駆動輪に作用させる一方で、回生制動力が
    駆動輪に作用することを禁止する手段を備えることを特
    徴とする制動装置。
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