JPH083191A - 抗血栓性ペプチドおよびこれを固定化した医療用具 - Google Patents

抗血栓性ペプチドおよびこれを固定化した医療用具

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JPH083191A
JPH083191A JP6158014A JP15801494A JPH083191A JP H083191 A JPH083191 A JP H083191A JP 6158014 A JP6158014 A JP 6158014A JP 15801494 A JP15801494 A JP 15801494A JP H083191 A JPH083191 A JP H083191A
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peptide
lys
gln
asn
glu
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JP6158014A
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English (en)
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Koji Inai
公二 稲井
Yoshimi Shioda
好海 塩田
Shuhei Nakaji
修平 中路
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式:H X Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gl
n Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala
Y Z (式中、X 及びY は単結合、又はArg 、Lys 、As
n、Asp 、Gln 、Glu 、His 、Gly 、Ile 、Pro 、Ala
、Ser からなる群より選択される単一のアミノ酸若し
くは上記アミノ酸を構成成分とする残基数2〜10のペ
プチド断片を表し、Z は水酸基又はアミノ基を表わ
す。)で表わされるペプチド及び該ペプチドが固定化さ
れていることを特徴とする抗血栓性医療用具。 【効果】本発明のペプチドは、血液凝固に対する高い阻
害活性を有しており、医薬品用途または医療用具の抗血
栓化用途に適している。また、本発明のペプチドを固定
化した抗血栓性医療用具も、長期間血液と接触するあら
ゆる医療用具として好適なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗血栓性作用を有する
ペプチドに関するものである。さらに詳しくは、本発明
は、血液中の凝固因子に作用し、血液凝固に対する阻害
作用を示すペプチドおよびこれを固定化してなる抗血栓
性医療用具に関するものであり、さらに詳しくは医薬品
用途または医療用具の抗血栓化処理用途に使用するペプ
チドおよび血液と接触する医療用具に関する。
【0002】
【従来の技術】トロンボモジュリンあるいはその類似ペ
プチドについては、以下に示す例を始め多くの研究がな
されてきた。Esmonら(J.Biol.Chem.
256,859(1982))は、ウサギ肺から精製し
たトロンボモジュリンがトロンビンによりプロテインC
を活性化することを記載している。また、Salemら
(J.Biol.Chem.259,12246(19
84))は、ヒト胎盤より分離したトロンボモジュリン
がトロンビンと結合しプロテインCを活性化するのにカ
ルシウムイオンが必要であることを記載している。Zu
shiら(J.Biol.Chem.264,1035
1(1989))は、ヒトトロンボモジュリン由来の1
15個のアミノ酸残基からなるペプチドがトロンビンに
よりプロテインCを活性化することを記載している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トロンボモジュリンあ
るいは上記のトロンボモジュリン由来のペプチドは血液
凝固阻害活性の安定性が十分ではなく、医薬品あるいは
医療用具の抗血栓化用途に使用するためには、血液凝固
阻害活性のより高活性で安定なペプチドの提供が望まれ
ている。
【0004】本発明の目的は、医薬品用途又は医療用具
の抗血栓化用途に使用する、血液凝固作用に対して阻害
作用を有する安定なペプチドを提供することにある。そ
して本発明の他の目的は、それを固定化した抗血栓性医
療用具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
(1)一般式: H−X−Tyr −Gln −Cys −Gln −Pro −Leu −Asn −
Gln −Thr −Ser −Tyr−Leu −Cys −Val −Cys −Ala
−Glu −Gly −Phe −Ala −Y−Z (式中、XおよびYは単結合、またはArg 、Lys 、Asn
、Asp 、Gln 、Glu 、His 、Gly 、Ile 、Pro 、Ala
、Ser からなる群より選択される単一のアミノ酸また
はこれらのアミノ酸を構成成分とするアミノ酸残基数2
〜10のペプチド断片をそれぞれ表わし、Zは水酸基ま
たはアミノ基を表わす。)で表わされるペプチド、
(2)XおよびYが、共に酸性のペプチド断片、共に塩
基性のペプチド断片、または一方が中性のペプチド断片
で他方が酸性または塩基性のペプチド断片であり、か
つ、それぞれLys −Lys −Lys 、Lys −Lys −Lys −Ly
s −Lys 、Asp −Asp −Asp 、Asp −Asp −Asp −Asp
−Asp 、Asn −Asn −Asn 、Asn −Asn −Asn −Asn −
Asn 、Glu −Glu −Glu 、Glu −Glu −Glu −Glu −Gl
u 、Gln −Gln −Gln 、Gln −Gln −Gln −Gln −Gln
からなる群より選択されるペプチド断片またはそれを含
むペプチド断片である前記(1)記載のペプチド、
(3)基材として高分子材料を用いた医療用具であっ
て、使用に際して血液と接触する該医療用具の表面に前
記(1)又は(2)記載のペプチドが固定化されている
ことを特徴とする抗血栓性医療用具、(4)抗血栓性医
療用具が、ポリウレタンもしくはポリ塩化ビニール製の
血液バッグ,血液回路,もしくはカテーテル、ポリカー
ボネート,メチルメタクリレート,もしくはポリプロピ
レン製の注射器もしくは医療用容器、ポリアミド製の人
工血管、又はポリスルホン,セルロース,もしくはポリ
ビニルアルコール製の人工腎臓用血液処理膜である前記
(3)記載の抗血栓性医療用具、に関する。
【0006】本明細書においてアミノ酸残基の略号は下
記の通りのものである。 Ala :L−アラニン残基 Arg :L−アルギニン残基 Asn :L−アスパラギン残基 Asp :L−アスパラギン酸残基 Cys :L−システイン残基 Gln :L−グルタミン残基 Glu :L−グルタミン酸残基 Gly :L−グリシン残基 His :L−ヒスチジン残基 Ile :L−イソロイシン残基 Leu :L−ロイシン残基 Lys :L−リジン残基 Met :L−メチオニン残基 Phe :L−フェニルアラニン残基 Pro :L−プロリン残基 Ser :L−セリン残基 Thr :L−スレオニン残基 Trp :L−トリプトファン残基 Tyr :L−チロシン残基 Val :L−バリン残基
【0007】また、本明細書においては、常法にしたが
ってペプチドのアミノ酸配列をそのN末端のアミノ酸残
基が左側に位置し、C末端のアミノ酸残基が右側に位置
するように記述する。
【0008】本発明のペプチドは、一般式:H−X−Ty
r −Gln −Cys −Gln −Pro −Leu−Asn −Gln −Thr
−Ser −Tyr −Leu −Cys −Val −Cys −Ala −Glu −
Gly−Phe −Ala −Y−Zで表される。ここで、Xおよ
びYは単結合、またはArg 、Lys 、Asn 、Asp 、Gln 、
Glu 、His 、Gly 、Ile 、Pro 、Ala 、Ser からなる群
より選択される単一のアミノ酸またはこれらのアミノ酸
を構成成分とするアミノ酸残基数2〜10のペプチド断
片をそれぞれ表わし、Zは水酸基またはアミノ基を表わ
す。
【0009】XおよびYが単結合でZが水酸基である配
列番号:1のペプチドは十分な血液凝固の阻害作用を示
すが、このアミノ酸配列のペプチドのN末端および/ま
たはC末端側に、前記の一般式においてXまたはYで表
されている、Arg 、Lys 、Asn 、Asp 、Gln 、Glu 、Hi
s 、Gly 、Ile 、Pro 、Ala 、Ser からなる群より選ば
れる単一のアミノ酸またはこれらのアミノ酸を構成成分
とするペプチド断片を付加することによってより優れた
血液凝固阻害作用を示すものが得られる。これらの単一
のアミノ酸又はペプチド断片の付加は、N末端側、C末
端側のいずれでもよく、また両方であってもよい。ま
た、一方が単一のアミノ酸の付加で他方がペプチド断片
の付加であってもよい。この場合、付加するアミノ酸と
してArg 、Lys 、Asp 、Glu 、Asn 、Gln 等のアミノ酸
残基を用いる場合には、ペプチドをより親水化すること
ができ、血液への溶解性が高くなる。その結果、より血
液凝固阻害活性が高くなり好ましい。さらには、Lys 残
基のアミノ基あるいはAsp 残基のカルボキシル基等を利
用して、これを血液と接触する医療用容器類等の表面に
固定化することにより、優れた抗血栓性医療用具を製造
でき特に好ましい。
【0010】このようなペプチド断片XまたはYは、ア
ミノ酸残基数2〜10、好ましくは2〜5からなり、そ
の好適な例としては、特に限定されるものではないが、
例えばLys −Lys −Lys 、Lys −Lys −Lys −Lys −Ly
s のような塩基性のペプチド、Asp −Asp −Asp 、Asp
−Asp −Asp −Asp −Asp 、Glu −Glu −Glu 、Glu−G
lu −Glu −Glu −Glu のような酸性のペプチド、およ
び Asn −Asn −Asn、Asn −Asn −Asn −Asn −Asn
、Gln −Gln −Gln 、Gln −Gln −Gln −Gln−Gln 等
の中性ペプチド等が挙げられる。
【0011】本発明におけるペプチド断片XまたはY
は、上記のように同一の複数のアミノ酸からなるペプチ
ド断片に限定されるものではなく、2種以上のアミノ酸
からなるペプチド断片であってもよい。例えば、これら
の例示のペプチドを含んで2種以上のアミノ酸からなる
ようなペプチド断片も本願におけるペプチド断片に含ま
れる。例えば、Lys −Lys −Lys −Ser −Asn −Ala −
Ile −Pro 、Asp −Gly−Arg −Ser −Ser −Lys −Lys
−Lys −Lys −Lys 、Lys −Lys −Lys −Lys−Lys −
Ser −Asn −Ala −Ile −Pro 等が挙げられる。また、
ペプチド断片としてアミノ酸残基数が10を越えると、
合成が煩雑となり、また人体に対する抗原性が発現する
危険性があり、好ましくない。また、ペプチド断片X、
Yは同一のものであってもよく、異なるペプチド断片で
あってもよい。これらのペプチド断片Xおよび/または
Yの付加により、ペプチド全体の親水性が増せば、血液
凝固阻害活性の増大が期待できる。従って、ペプチド断
片XおよびYが共に酸性または塩基性のペプチド断片で
ある場合、XまたはYの一方が中性で他方が酸性または
塩基性のペプチド断片である場合が特に好ましい。
【0012】また、上記の一般式において、Zは水酸基
またはアミノ基のいずれでもよい。即ち、C末端のアミ
ノ酸が通常のアミノ酸でもアミノ酸アミドでも血液凝固
阻害活性を有する。
【0013】一般に、化学合成法あるいは遺伝子操作法
による生物学的合成法を用いた場合には、システイン残
基同士のジスルフィド結合がランダムに生じることが多
く、このような合成法の場合必ずしも高活性で安定なペ
プチドを得ることができない。天然のトロンボモジュリ
ンや従来の技術の項で述べたペプチドの場合、システイ
ン残基の数が多いため血液凝固阻害活性の安定性に問題
があった。そのため、本発明におけるペプチドのシステ
イン残基数は3残基であることが好ましい。
【0014】本発明により提供されるペプチドの代表例
を次に示すが、本発明のペプチドはこれらに何ら限定さ
れるものではない。 式(1)Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Ty
r Leu Cys Val Cys AlaGlu Gly Phe Ala (配列番号:
1) 式(2)Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gl
n Thr Ser Tyr Leu CysVal Cys Ala Glu Gly Phe Ala L
ys Lys Lys (配列番号:2) 式(3)Asn Asn Asn Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gl
n Thr Ser Tyr Leu CysVal Cys Ala Glu Gly Phe Ala A
sp Asp Asp (配列番号:3) 式(4)Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gl
n Thr Ser Tyr Leu CysVal Cys Ala Glu Gly Phe Ala A
sp Gly Arg Ser Ser Lys Lys Lys (配列番号:4) 式(5)Lys Lys Lys Lys Asn Ala Ile Pro Tyr Gln Cy
s Gln Pro Leu Asn GlnThr Ser Tyr Leu Cys Val Cys A
la Glu Gly Phe Ala Lys Lys Lys (配列番号:5) 式(6)Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Le
u Asn Gln Thr Ser TyrLeu Cys Val Cys Ala Glu Gly P
he Ala Asp Gly Arg Ser Ser Lys Lys Lys LysLys (配
列番号:6) 式(7)Lys Lys Lys Lys Lys Ser Asn Ala Ile Pro Ty
r Gln Cys Gln Pro LeuAsn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys V
al Cys Ala Glu Gly Phe Ala Lys Lys Lys LysLys (配
列番号:7) 式(8)Glu Glu Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gl
n Thr Ser Tyr Leu CysVal Cys Ala Glu Gly Phe Ala G
lu Glu Glu (配列番号:8) 式(9)Asp Asp Asp Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gl
n Thr Ser Tyr Leu CysVal Cys Ala Glu Gly Phe Ala G
lu Glu Glu (配列番号:9) 式(10)Glu Glu Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn
Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Al
a Asp Asp Asp (配列番号:10) 式(11)Asp Glu Asp Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn
Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Al
a Glu Asp Glu (配列番号:11) 式(12)Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro
Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gl
y Phe Ala His Lys Lys Lys Lys Lys (配列番号:1
2) 式(13)Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn
Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Al
a Lys Lys Lys −NH2 (配列番号:13) 式(14)Asn Asn Asn Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn
Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Al
a Asp Asp Asp −NH2 (配列番号:14) 式(15)Lys Lys Lys Asn Ala Ile Pro Tyr Gln Cys
Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Al
a Glu Gly Phe Ala Lys Lys Lys −NH2 (配列番号:1
5)
【0015】ペプチドは公知の方法によって合成され
る。例えば、化学的合成法としては固相合成法、又は段
階的伸張法、フラグメント縮合法のような液相合成法等
が用いられるが、固相合成法により行うのが操作上簡便
である。[Journal of the American Chemical Society
85 2149(1963);日本生化学会編「生化
学実験講座1 タンパク質の化学IV 化学修飾とペプチ
ド合成」(昭和52年11月15日(株)東京化学同人
発行);日本生化学会編「続生化学実験講座2タンパク
質の化学(下)」(昭和62年5月20日(株)東京化
学同人発行)参照]。また、遺伝子操作による生物学的
な合成法も可能である。
【0016】こうして得られる本発明のペプチドは、ヒ
ト血漿の凝固を顕著に阻害することができる。従って、
医療において、血液に微量添加することにより、または
血液と接触する医療用具の接触面を本発明のペプチドで
処理することにより、血液の凝固を防止するのに有用で
ある。即ち、使用に際して血液と接触する表面に本発明
のペプチドを固定化することにより、血液の凝固を防止
するのに有用な抗血栓性医療用具とすることができる。
【0017】また、本発明において血液の凝固性は公知
の方法、即ち、活性化部分トロンボプラスチン時間、血
漿カルシウム再加時間又は全血凝固時間の測定により評
価することができる。具体的には、活性化部分トロンボ
プラスチン時間は、ヒト血漿100μl(ペプチドの効
果を測定する際には15nモルのペプチドを加える。)
をガラス製試験管に入れ、37℃で10分間インキュベ
ーションした後、活性化部分トロンボプラスチン(オー
ソ社製)100μlを加え、更に3分間インキュベーシ
ョンし、25mM塩化カルシウム液100μlを加えた
後、凝固するまでの時間を測定することで求めることが
できる。また、血漿カルシウム再加時間は、ヒト血漿1
00μl(ペプチドの効果を測定する際には15nモル
のペプチドを加える。)をガラス製試験管に加え、37
℃で10分間インキュベーションし、25mM塩化カル
シウム液100μlを加えた後、凝固するまでの時間を
測定することで求めることができる。全血凝固時間は、
採血直後のヒト全血1ml(ペプチドの効果を測定する
際には150nモルのペプチドを加える。)をガラス製
試験管に入れ、凝固するまでの時間を測定することによ
り求めることができる。
【0018】本発明のペプチドを固定化する抗血栓性医
療用具の基材としては、公知の医療材料である合成樹脂
等の高分子材料であれば問題なく、特に表面に水酸基、
アミノ基、カルボキシル基を有しているものが好まし
い。また、表面にこれらの官能基を有しないものに、表
面処理により水酸基、アミノ基、カルボキシル基を導入
したものも使用することができる。このような医療用具
としては、例えば、ポリウレタン類やポリ塩化ビニール
類で製造された血液バッグ、血液回路、カテーテル等;
ポリカーボネート類、メチルメタクリレート等のアクリ
ル類、またはポリプロピレン等のポリオレフィン類で製
造された注射器、医療用容器等;ナイロン等のポリアミ
ド類で製造された人工血管等;ポリスルホン類、セルロ
ース、セルロースアセテート等のセルロース類、エチレ
ン−ビニルアルコール等のポリビニルアルコール類で製
造された人工腎臓等の血液処理膜等を挙げることができ
る。
【0019】上記の抗血栓性医療用具の基材の表面処理
は、公知の方法により行うことができる。例えば、酸素
ガス、または窒素ガスおよびアンモニアガスを含む気体
中でプラズマ処理する方法、または過マンガン酸塩を含
む硫酸溶液等で化学処理する方法が挙げられる。プラズ
マ処理する方法は、医療用具を短時間で大量に処理する
ことができ、さらにガス中で処理するために医療用具を
清浄に保つことができるため好ましい。化学処理する方
法は、複雑な形状を有するもの、容器内面などのプラズ
マ処理できないものをも処理することができ、適用範囲
が広い。一般に、使用に際して血液と接触する医療用材
料は、チューブ、中空糸およびボトルなどの複雑な形状
をしたものが多く、化学処理する方法が有利である。
【0020】酸素ガス中でプラズマ処理した場合には、
主に水酸基が表面に導入され、窒素ガスおよびアンモニ
アガス中でプラズマ処理した場合には、主にアミノ基が
表面に導入され、過マンガン酸塩を含む硫酸溶液等で化
学処理した場合には、主に水酸基とカルボキシル基が導
入される。
【0021】このように処理すれば、両末端にエポキシ
基を有する試薬、エポキシ基を有するシランカップリン
グ剤等を介して、基材表面にペプチドを固定化すること
ができる。基材表面に水酸基が存在する場合には、両末
端にエポキシ基を有する試薬やエポキシ基を有するシラ
ンカップリング剤を用いることにより共有結合で固定化
でき、基材表面にアミノ基やカルボキシル基が存在する
場合には、両末端にエポキシ基を有する試薬を用いるこ
とにより同様に共有結合で固定化することが可能であ
る。即ち、具体的にはシランカップリング剤を用いる場
合には、通常エポキシ基を有するシランカップリング剤
(例えば、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシ
シラン)の0.5〜5%溶液(水または有機溶媒溶液)
に高分子材料を1〜30分接触させ、それを1分〜2日
間加熱乾燥後、架橋していないシランカップリング剤を
洗浄除去し、エポキシ基を導入した高分子材料を作製す
る。また、両末端にエポキシ基を有する試薬を用いる場
合には、両末端にエポキシ基を有する試薬(例えば、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル)の1〜
20%水溶液(pH10〜13)に高分子材料を1時間
〜2日間接触させ、そのあと洗浄し、エポキシ基を導入
した高分子材料を作製する。
【0022】このようにして作製した高分子材料に0.
001〜2%ペプチド水溶液(pH10〜12)を1時
間〜2日間接触させ、ペプチドのアミノ基またはカルボ
キシル基と高分子材料に導入されたエポキシ基とを共有
結合し、ペプチド固定化材料を得る。本発明のペプチド
の固定化量は、特に限定されるものではないが、通常1
cm2 当たり0.01nモル〜20nモルであり、好ま
しくは0.1nモル〜5nモルである。
【0023】また、本発明のペプチドを固定化したもの
として、抗血栓性医療用具について述べたが、本発明に
おいてはこれに限定されるものではなく、使用に際して
血液と接触することのある医療用の各種の素材に本発明
のペプチドを固定化して抗血栓性材料としたものも本発
明の態様に含まれる。この場合、抗血栓性材料はそのま
まで、あるいは所望の形状に加工して適宜使用すること
ができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例および参考例
に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0025】実施例1 Tyr −Gln −Cys −Gln −Pro −Leu −Asn −Gln −Th
r −Ser −Tyr −Leu −Cys −Val −Cys −Ala −Glu
−Gly −Phe −Ala (配列番号:1)を以下に示す方法
で合成した。
【0026】ペプチドの合成は自動ペプチド合成装置
(米国アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて固
相合成法により合成した。ベンジルオキシベンジルアル
コールタイプ樹脂にFmoc−Alaを結合させたFm
oc−Ala−レジン(島津社製)を0.29g用い、
これに表1に示す一連の操作に従って、目的とするペプ
チドのC末端側からN末端方向に向かって対応する順序
で結合させた。尚、本実施例及び以下の実施例、比較例
において用いたアミノ酸は、全てL−アミノ酸で、α位
アミノ基をFmoc基で保護されたものであり、更に他
の置換基の保護を必要とするアミノ酸については、Ar
gは4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンス
ルホニル(Mtr)基、Asp、Cys、Glu、Se
rはt−ブチル(tBu)基、Lysはt−ブトキシカ
ルボニル(Boc)基でそれぞれ保護されたもの(ペプ
チド研究所製)を用いた。
【0027】
【表1】
【0028】全てのアミノ酸についての反応操作が終了
した後、得られた樹脂をグラスフィルター上でジクロロ
メタン及びメタノールを用いて順次洗浄し、次いで真空
乾燥することにより約600mgの乾燥樹脂を得た。バ
イアル瓶中で乾燥樹脂600mgとトリフルオロ酢酸1
0ml、水0.5ml、チオアニソール0.5ml、エ
タンジオール0.25mlおよびフェノール0.75g
を混合した。室温で20時間放置後混合物をグラスフィ
ルターで濾過し、濾液にジエチルエーテルを加え遠心分
離することにより白い沈殿物を得た。得られた沈殿物を
真空乾燥した後、2規定の酢酸水溶液で抽出し、抽出液
を凍結乾燥することによりペプチドを得た。
【0029】得られたペプチドを分取用高速液体クロマ
トグラフ[装置:ミリポアウォーターズ社製]で精製し
た。得られたペプチドについてFAB法マススペクトル
により求めた分子量は2238であった(理論値:22
38.5)。
【0030】このペプチドの活性化部分トロンボプラス
チン時間(以下、APTTと略す)を測定した結果、5
1.2秒であった(また血漿カルシウム再加時間は23
2秒であった。)。この結果は下記参考例1の結果と比
較すると、本発明のペプチド(配列番号:1)が血液凝
固を顕著に阻害することを示している。なお、APTT
は、当該ペプチド15nモルとヒト血漿100μlとを
ガラス製試験管に入れ、37℃で10分間インキュベー
ションした後、活性化部分トロンボプラスチン(オーソ
社製)100μlを加え、更に3分間インキュベーショ
ンし、25mM塩化カルシウム液100μlを加えた
後、凝固するまでの時間を測定して求めた。また、血漿
カルシウム再加時間は、当該ペプチド15nモルとヒト
血漿100μlをガラス製試験管に入れ、37℃で10
分間インキュベーションし、25mM塩化カルシウム液
100μlを加えた後、凝固するまでの時間を測定して
求めた。以下の実施例、参考例、比較例においても同じ
方法で測定した。
【0031】参考例1 本発明のペプチドを添加していないヒト血漿のAPTT
は、26.3秒であった。また血漿カルシウム再加時間
は、124秒であった。全血凝固時間は7分であった。
なお、全血凝固時間は、採血直後のヒト全血1mlと当
該ペプチドをガラス製試験管に入れ、凝固するまでの時
間を測定することで求めた。以下の実施例においても同
じ方法で測定した。
【0032】実施例2 Fmoc−Ala−レジン(島津社製)の代わりに、ベ
ンジルオキシベンジルアルコールタイプ樹脂にFmoc
−Lys(Boc)を結合させたFmoc−Lys(B
oc)−レジン(島津社製)を使用した以外は実施例1
と同様の方法で、下記の配列番号:2のペプチドを合成
した。FAB法マススペクトルにより求めた分子量は3
008であった(理論値:3007.5)。 Lys −Lys −Lys −Tyr −Gln −Cys −Gln −Pro −Le
u −Asn −Gln −Thr −Ser −Tyr −Leu −Cys −Val
−Cys −Ala −Glu −Gly −Phe −Ala −Lys −Lys −
Lys (配列番号:2)
【0033】このペプチド15nモルをヒト血漿100
μlに加え、APTTを測定したところ、64.2秒で
あり血漿カルシウム再加時間は249.5秒、全血凝固
時間は10.5分であった。この結果は配列番号:1の
ペプチドの両端にLys-Lys-Lys を付加することにより、
血液凝固阻害活性がさらに増強されたことを示す。
【0034】実施例3 Fmoc−Ala−レジン(島津社製)の代わりに、ベ
ンジルオキシベンジルアルコールタイプ樹脂にFmoc
−Asp(OtBu)を結合させたFmoc−Asp
(OtBu)−レジン(島津社製)を使用した以外は実
施例1と同様の方法で、下記のペプチドを合成した。F
AB法マススペクトルにより求めた分子量は2926で
あった(理論値:2926.0)。 Asn −Asn −Asn −Tyr −Gln −Cys −Gln −Pro −Le
u −Asn −Gln −Thr −Ser −Tyr −Leu −Cys −Val
−Cys −Ala −Glu −Gly −Phe −Ala −Asp −Asp −
Asp (配列番号:3)
【0035】このペプチド15nモルをヒト血漿100
μlに加え、APTTを測定したところ、63.1秒で
あった。この結果は、配列番号:1のペプチドの両端に
中性のペプチドと酸性のペプチドを付加しても、全体と
して酸性ペプチドとなれば親水性が増し、血液凝固阻害
活性はさらに増強されることを示す。
【0036】実施例4 実施例2で合成したペプチドをオートクレーブ滅菌(1
21℃,20分間)した後、ペプチド15nモルをヒト
血漿100μlに加え、APTTを測定したところ、6
3.0秒であり血漿カルシウム再加時間は245.0
秒、全血凝固時間は10.5分であった。この結果は、
本発明のペプチド(配列番号:2)が121℃、20分
間の条件下でも血液凝固阻害活性をほぼ完全に保持して
いることを示す。この性質は、本発明のペプチドを血液
と接触させる前に滅菌処理することを可能とするもので
あり、また使用前の滅菌処理を不可欠とする医療用具に
固定化して使用する場合にも極めて有利な特長といえ
る。
【0037】比較例1 Fmoc−Ala−レジン(島津社製)の代わりに、ベ
ンジルオキシベンジルアルコールタイプ樹脂にFmoc
−Lys(Boc)を結合させたFmoc−Lys(B
oc)−レジン(島津社製)を使用した以外は実施例1
と同様の方法で、下記のペプチドを合成した。FAB法
マススペクトルにより求めた分子量は3378であった
(理論値:3377.9)。 Lys −Lys −Cys −Asn −Ala −Ile −Pro −Tyr −Gl
n −Cys −Gln −Pro −Leu −Asn −Gln −Thr −Ser
−Tyr −Leu −Cys −Val −Cys −Ala −Glu −Gly −
Phe −Ala −Lys −Lys −Lys (配列番号:16)
【0038】このペプチド15nモルをヒト血漿100
μlに加え、APTTを測定したところ、28.1秒で
あり血漿カルシウム再加時間は128秒、全血凝固時間
は7.5分であった。このペプチドは、分子内に4個の
Cys 残基を持つため、ランダムにジスルフィド結合が生
じ、血液凝固阻害活性に不利なコンフォーメーションを
多く形成したものと考えられる。
【0039】比較例2 Fmoc−Ala−レジン(島津社製)の代わりに、ベ
ンジルオキシベンジルアルコールタイプ樹脂にFmoc
−Lys(Boc)を結合させたFmoc−Lys(B
oc)−レジン(島津社製)を使用した以外は実施例1
と同様の方法で、下記のペプチドを合成した。FAB法
マススペクトルにより求めた分子量は3711であった
(理論値:3711.2)。 Lys −Lys −Cys −Ile −Pro −Tyr −Gln −Cys −Gl
n −Pro −Leu −Asn −Gln −Thr −Ser −Tyr −Leu
−Cys −Val −Cys −Ala −Glu −Gly −Phe −Ala −
Asp −Gly −Arg −Ser −Cys −Lys −Lys −Lys (配
列番号:17) このペプチド15nモルをヒト血漿100μlに加え、
APTTを測定したところ、26.6秒であった。この
ペプチドも、配列番号:16のペプチドと同様に分子内
に5個のCys 残基を持つため、ランダムにジスルフィド
結合が生じ、血液凝固阻害活性に不利なコンフォーメー
ションを多く形成したものと考えられる。
【0040】実施例5 内径10mmの塩化ビニル製のチューブ内面を、0.4
%過マンガン酸カリウムを含む濃硫酸溶液で処理(25
℃で5分間浸漬)した後、蒸留水で30分間洗浄した。
この処理により、チューブ内面には水酸基が導入された
ことがX線光電子分光法(ESCA法)で確認された。
次に、2%(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシ
シラン水溶液をチューブ内面に25℃で5分間接触させ
た後、50℃で2時間乾燥させ、蒸留水で2時間洗浄し
た。実施例2で得られた配列番号:2のペプチド10m
gを蒸留水10mlに溶解しpHを11に調整して得た
液をチューブ内に入れ、37℃で12時間放置して、ペ
プチド固定化チューブを得た。このチューブを10cm
の長さに切り、その片端を閉じて試験用のチューブを作
製した。その中に健常人の新鮮血2mlを注ぎ、25℃
において30秒毎に血液の状態を観察し、血液の流動性
が失われる時間(凝固時間)を測定したところ、約24
分であった。この結果と比較例3の結果とを比較する
と、本発明のペプチド固定化チューブの血液凝固阻害能
は顕著であるといえる。
【0041】比較例3 本発明のペプチドによる表面処理をしていない内径10
mmの塩化ビニル製のチューブを10cmの長さに切
り、その片端を閉じて試験用のチューブを作製した。そ
の中に健常人の新鮮血2mlを注ぎ、実施例5と同様の
方法で凝固時間を測定したところ、約14分であった。
【0042】
【発明の効果】本発明のペプチドは、血液凝固に対する
高い阻害活性を有しており、この活性は滅菌条件下でも
極めて安定であり、医薬品用途または医療用具の抗血栓
化用途に適している。また、本発明の上記ペプチドを固
定化してなる抗血栓性医療用具も、高い抗凝固活性と安
定性を有しており、カテーテル、血液回路、血液バッ
グ、血液透析膜、人工血管等のように、長期にわたって
血液と接触して使用されるあらゆる医療用具として好適
なものである。
【0043】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala 1 5 10 15 Glu Gly Phe Ala 20
【0044】配列番号:2 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Lys Lys Lys 20 25
【0045】配列番号:3 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Asn Asn Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Asp Asp Asp 20 25
【0046】配列番号:4 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Asp Gly Arg Ser Ser Lys Lys Lys 20 25 30
【0047】配列番号:5 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Asn Ala Ile Pro Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln 1 5 10 15 Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Lys Lys Lys 20 25 30
【0048】配列番号:6 配列の長さ:35 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr 1 5 10 15 Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Asp Gly Arg Ser Ser Lys Lys 20 25 30 Lys Lys Lys 35
【0049】配列番号:7 配列の長さ:35 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Lys Ser Asn Ala Ile Pro Tyr Gln Cys Gln Pro Leu 1 5 10 15 Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Lys Lys 20 25 30 Lys Lys Lys 35
【0050】配列番号:8 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Glu Glu Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Glu Glu Glu 20 25
【0051】配列番号:9 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Asp Asp Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Glu Glu Glu 20 25
【0052】配列番号:10 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Glu Glu Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Asp Asp Asp 20 25
【0053】配列番号:11 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Glu Asp Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Glu Asp Glu 20 25
【0054】配列番号:12 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr 1 5 10 15 Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala His Lys Lys Lys Lys Lys 20 25 30
【0055】配列番号:13 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表わす記号:modified site 存在位置:26 他の情報:Lys-NH2 配列 Lys Lys Lys Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Lys Lys Xaa 20 25
【0056】配列番号:14 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表わす記号:modified site 存在位置:26 他の情報:Asp-NH2 配列 Asn Asn Asn Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 1 5 10 15 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Asp Asp Xaa 20 25
【0057】配列番号:15 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表わす記号:modified site 存在位置:30 他の情報:Lys-NH2 配列 Lys Lys Lys Asn Ala Ile Pro Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr 1 5 10 15 Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Lys Lys Xaa 20 25 30
【0058】配列番号:16 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Cys Asn Ala Ile Pro Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr 1 5 10 15 Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Lys Lys Lys 20 25 30
【0059】配列番号:17 配列の長さ:33 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Lys Cys Ile Pro Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr 1 5 10 15 Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Asp Gly Arg Ser Cys Lys Lys 20 25 30 Lys
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 71/40 9538−4D 71/50 9538−4D 71/54 9538−4D 71/64 9538−4D 71/68 9538−4D C07K 14/745 17/08 // A61K 38/00 ACB

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: H−X−Tyr −Gln −Cys −Gln −Pro −Leu −Asn −
    Gln −Thr −Ser −Tyr−Leu −Cys −Val −Cys −Ala
    −Glu −Gly −Phe −Ala −Y−Z (式中、XおよびYは単結合、またはArg 、Lys 、Asn
    、Asp 、Gln 、Glu 、His 、Gly 、Ile 、Pro 、Ala
    、Ser からなる群より選択される単一のアミノ酸また
    はこれらのアミノ酸を構成成分とするアミノ酸残基数2
    〜10のペプチド断片をそれぞれ表わし、Zは水酸基ま
    たはアミノ基を表わす。)で表わされるペプチド。
  2. 【請求項2】 XおよびYが、共に酸性のペプチド断
    片、共に塩基性のペプチド断片、または一方が中性のペ
    プチド断片で他方が酸性または塩基性のペプチド断片で
    あり、かつ、それぞれLys −Lys −Lys 、Lys −Lys −
    Lys −Lys −Lys 、Asp −Asp −Asp 、Asp −Asp −As
    p −Asp −Asp 、Asn −Asn −Asn 、Asn −Asn −Asn
    −Asn −Asn 、Glu −Glu −Glu 、Glu −Glu −Glu −
    Glu −Glu 、Gln −Gln −Gln 、Gln −Gln −Gln −Gl
    n −Gln からなる群より選択されるペプチド断片または
    それを含むペプチド断片である請求項1記載のペプチ
    ド。
  3. 【請求項3】 基材として高分子材料を用いた医療用具
    であって、使用に際して血液と接触する該医療用具の表
    面に請求項1又は2記載のペプチドが固定化されている
    ことを特徴とする抗血栓性医療用具。
  4. 【請求項4】 抗血栓性医療用具が、ポリウレタンもし
    くはポリ塩化ビニール製の血液バッグ,血液回路,もし
    くはカテーテル、ポリカーボネート,メチルメタクリレ
    ート,もしくはポリプロピレン製の注射器もしくは医療
    用容器、ポリアミド製の人工血管、又はポリスルホン,
    セルロース,もしくはポリビニルアルコール製の人工腎
    臓用血液処理膜である請求項3記載の抗血栓性医療用
    具。
JP6158014A 1994-06-15 1994-06-15 抗血栓性ペプチドおよびこれを固定化した医療用具 Pending JPH083191A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10476354B2 (en) 2011-09-16 2019-11-12 Persimmon Technologies Corp. Robot drive with isolated optical encoder
JPWO2020261990A1 (ja) * 2019-06-28 2020-12-30
CN112794879A (zh) * 2015-06-23 2021-05-14 首都医科大学 Glu-Leu-Phe-Tyr-Val五肽的合成及应用

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CN112794879B (zh) * 2015-06-23 2022-09-02 首都医科大学 Glu-Leu-Phe-Tyr-Val五肽的合成及应用
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