JPH08318361A - 差圧鋳造方法及びこの方法に用いる差圧鋳造鋳型 - Google Patents

差圧鋳造方法及びこの方法に用いる差圧鋳造鋳型

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JPH08318361A
JPH08318361A JP13080495A JP13080495A JPH08318361A JP H08318361 A JPH08318361 A JP H08318361A JP 13080495 A JP13080495 A JP 13080495A JP 13080495 A JP13080495 A JP 13080495A JP H08318361 A JPH08318361 A JP H08318361A
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JP
Japan
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mold
chamber
cavity
differential pressure
liquid material
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JP13080495A
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Minoru Uozumi
稔 魚住
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】サイクルタイムの短縮と、確実かつ簡易な押し
湯とを実現可能とする。 【構成】上下に連通する小径かつ多数の連通孔が形成さ
れたプラグ部材7でストーク2を覆い、キャビティC内
の溶湯の固化進行時、プラグ部材7をヒータ線8により
加熱する。プラグ部材7の小径の連通孔による表面張力
と差圧とで溶湯の重力流降を防止しつつ、連通孔内に存
する溶湯の液体状を維持して押し湯を確実かつ自動的に
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は差圧鋳造方法及びこの方
法に用いる差圧鋳造鋳型に関する。この差圧鋳造方法及
び差圧鋳造鋳型は鋳鉄、アルミニウム合金等の鋳造に供
して好適である。
【0002】
【従来の技術】例えば、鋳鉄からなる鋳造品は、差圧鋳
造方法により鋳造され得る。この差圧鋳造方法の一例で
ある吸引鋳造方法(低圧鋳造方法)では、まず通気性を
有する砂型によりキャビティを画成する。そして、この
砂型を気密チャンバで密閉し、砂型を密閉状態の第1室
内に確保する。また、砂型の下方に大気に開放された状
態で溶湯を貯溜し、キャビティと溶湯とを連通させるス
トークを砂型から下方に延在させる。この状態で第1室
内を減圧すれば、溶湯がストークを介してキャビティ内
に重力に抗して充填される。このとき、溶湯の湯面を安
定的に保ちながら充填できるという利点がある。そし
て、キャビティ内に充填された溶湯を固化させれば、鋳
造品が得られる。
【0003】また、他の差圧鋳造方法として、溶湯を密
閉状態の第2室内に確保すべく、溶湯を他の気密チャン
バで密閉し、この状態で第1室内を減圧するとともに第
2室内を加圧する吸引加圧鋳造法も知られている。さら
に、溶湯の凝固進行時にも第1室内の減圧又は第1、2
室の差圧を継続すれば、凝固に伴う収縮に応じて溶湯が
ストークを介してキャビティ内に補充されるため、押し
湯が可能となることも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のよ
うに、押し湯のためにキャビティで溶湯等の液体状材料
が固化するまでストークによる連通を停止することがで
きない。このため、この場合には、一の差圧鋳造鋳型で
液体状材料の固化を行っている間に他の差圧鋳造鋳型で
液体状材料の充填を行うことができず、サイクルタイム
が長いものとなってしまう。特に、砂型等の通気性を有
する鋳型を使用する場合は、造型速度と鋳造速度とが異
なるため、鋳造時に造型能力を無駄にし、サイクルタイ
ムがより長いものとなる。そして、造型ラインに合わせ
て多数の鋳造ラインを設置するとすれば、設備の過大な
投資をもたらすことになってしまう。
【0005】この点、特開昭61−182867号公報
に記載されているように、液体状材料の固化進行時にお
いてストーク内で液体状材料を強制的に固化させれば、
ストークによる連通の停止からサイクルタイムの短縮が
可能とはなる。しかしながら、この手段では、収縮に応
じて液体状材料がキャビティ内に補充されず、押し湯が
得られなくなってしまう。
【0006】また、特開昭61−195770号公報に
記載されているように、液体状材料の固化進行時におい
てストークの一部を押し潰せば、ストークによる連通の
停止からサイクルタイムの短縮が可能になるとともに、
確実に押し湯をも行い得る。しかしながら、この手段で
は、ストークの押し潰し速度でその押し湯を行わなけれ
ばならないことから、同期制御等により、装置全体が複
雑化してしまう。
【0007】さらに、特開平2−99258号公報に記
載されているように、小径の連通孔をもつプラグ部材を
充填口に配するとともに、第1室内の減圧を継続しつつ
差圧鋳造鋳型の上下を反転させることとすれば、やはり
ストークによる連通の停止からサイクルタイムの短縮が
可能にはなる。しかしながら、この手段では、ストーク
による連通の停止時に大気に触れる連通孔内の液体状材
料がキャビティ内の液体状材料よりも固化しやすく、収
縮に応じて液体状材料がキャビティ内に補充されにくい
ことから、押し湯が得られにくくなってしまう。
【0008】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たものであって、サイクルタイムの短縮と、確実かつ簡
易な押し湯とを実現可能な差圧鋳造方法及びこの方法に
用いる差圧鋳造鋳型を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の差圧鋳造方法は、キャビティを画成す
る砂型又は金型を第1室内に設け、該砂型又は金型の下
方の第2室内に液体状材料を貯溜し、かつ該キャビティ
と該液体状材料とを充填口により連通させる予備工程
と、該第1室内及び該第2室内の少なくとも一方を密閉
状態に維持し、該第2室内を該第1室内よりも高圧とす
る差圧を付与し、該充填口を介して該キャビティ内に該
液体状材料を重力に抗して充填させる充填工程と、該キ
ャビティ内に充填された該液体状材料を固化させる固化
工程と、を有する差圧鋳造方法において、前記予備工程
では、上下に連通する小径かつ多数の連通孔が形成され
たプラグ部材を前記充填口に設け、前記固化工程では、
前記キャビティ内の前記液体状材料の固化進行時、該プ
ラグ部材を加熱することにより該連通孔内に存する該液
体状材料の液体状を維持するとともに、前記差圧を維持
することを特徴とする。
【0010】プラグ部材の連通孔の長さは必要な押し湯
分以上は必要である。また、連通孔の直径は、その上に
あるキャビティ内の液体状材料の重力が作用するため、
重力加速度下における液体状材料の表面張力を考慮し、
小さい程液体状材料の重力流降に対して有効である。し
かし、かかる直径があまりに小さいと、全体の開口面積
の減少により充填時の抵抗が増大する。例えば、鉄系の
溶湯数10cm分を毛細管のみで支える場合には100
μm以下の間隙でなければならず、これでは充填時の抵
抗が大きすぎ、実用に耐えない。このため、この場合に
は、液体状材料のキャビティ内への廻りに悪影響を及ぼ
すとともに、充填時間の延長をももたらす。つまり、連
通孔の直径は、維持される差圧により液体状材料が重力
流降しない範囲で可及的に大きいことが好ましい。した
がって、連通孔の直径及び数等は鋳造せんとする液体状
材料及びキャビティの形状等により実験等で選定するこ
とが有効である。
【0011】プラグ部材を加熱する手段としては、ヒー
タ線、バーナ等を採用することができる。 (2)請求項2の差圧鋳造方法は、請求項1記載の差圧
鋳造方法において、固化工程では、キャビティ内の液体
状材料の固化進行時、第1室内を大気圧よりも低圧とす
る差圧を維持して充填口による連通を停止した直後、内
部を大気圧よりも高圧に維持した加圧チャンバにより該
充填口を閉塞することを特徴とする。
【0012】請求項1、2における充填口としては、砂
型又は金型に直接設ける開口や、砂型又は金型の底面に
気密定盤とともに設けるストークを採用することができ
る。 (3)請求項3の差圧鋳造方法に用いる差圧鋳造鋳型
は、キャビティを画成し、下面に該キャビティと連通す
る開口をもつ砂型又は金型と、該開口内に設けられ、上
下に連通する小径かつ多数の連通孔が形成されたプラグ
部材と、該プラグ部材の近傍に設けられ、該プラグ部材
を加熱することにより該連通孔内に存し得る液体状材料
の液体状を維持可能な加熱手段と、該砂型又は金型の上
面及び側面の少なくとも一部を密閉する気密チャンバ
と、該砂型又は金型の側面の残部及び該プラグ部材を除
く底面に形成され、該気密チャンバとともに該砂型又は
金型を密閉状態の第1室内に確保する気密性の被膜と、
からなることを特徴とする。
【0013】気密性の被膜としては、鋳造すべき液体状
材料の融点により種々のものが選択される。例えば、鋳
鉄の鋳造品を得るのであれば、セラミックスコート等を
採用することができ、アルミニウム合金の鋳造品を得る
のであれば、鉄箔、セラミックスコート、ガラスコート
等を採用することができる。
【0014】
【作用】
(1)請求項1の差圧鋳造方法では、まず予備工程にお
いて、キャビティを画成する砂型又は金型を第1室内に
設け、砂型又は金型の下方の第2室内に液体状材料を貯
溜する。また、プラグ部材を充填口に設け、プラグ部材
の上下に連通して多数形成された連通孔を介してキャビ
ティと液体状材料とを連通させる。
【0015】次いで、充填工程において、第1室内及び
第2室内の少なくとも一方を密閉状態に維持し、第2室
内を第1室内よりも高圧とする差圧を付与する。このと
き、吸引鋳造方法(低圧鋳造方法)を行うのであれば、
砂型又は金型を密閉状態の第1室内に確保すべく、砂型
又は金型を気密チャンバで密閉し、この状態で第1室内
を減圧する。また、吸引加圧鋳造法を行うのであれば、
液体状材料を密閉状態の第2室内に確保すべく、液体状
材料を他の気密チャンバで密閉し、この状態で第1室内
を減圧するとともに第2室内を加圧する。こうして、液
体状材料がプラグ部材の連通孔を介してキャビティ内に
重力に抗して充填される。このとき、液体状材料の液面
を安定的に保ちながら充填できるという利点がある。
【0016】そして、固化工程において、キャビティ内
に充填された液体状材料を固化させる。かかるキャビテ
ィ内の液体状材料の固化進行時、プラグ部材を加熱する
ことにより連通孔内に存する液体状材料の液体状を維持
するとともに、差圧を維持する。このとき、プラグ部材
の連通孔は小径であるため連通孔内の液体状材料には表
面張力が作用している。このため、キャビティで液体状
材料が固化していなくても、その重力流降が表面張力と
差圧とにより抑制され、充填口による連通を停止するこ
とができる。このため、一の差圧鋳造鋳型で液体状材料
の固化を行っている間に他の差圧鋳造鋳型で液体状材料
の充填を行うことができる。
【0017】また、連通孔内の液体状材料は液体状を維
持しているため、収縮に応じて液体状材料がキャビティ
内に自動的に補充され、複雑な同期制御等を行わなくて
も押し湯が得られる。また、第1室内を減圧することに
より差圧を維持するのであれば、砂型中子の燃焼ガスを
外部に排出できるため、キャビティ内の液体状材料に混
入してガス気泡となることを防止する効果もある。こう
して、内部欠陥のない鋳造品が得られる。
【0018】(2)請求項2の差圧鋳造方法では、請求
項1の固化工程におけるキャビティ内の液体状材料の固
化進行時、第1室内を大気圧よりも低圧とする差圧を維
持し、充填口による連通を停止する。ここで、第1室を
気密チャンバで構成すれば、砂型又は金型が気密チャン
バ内であるため、固化進行時、砂型又は金型の冷却等を
全てこの気密チャンバを介して行なう必要があり、品質
向上のための固化の促進の実現が難しかった。
【0019】この点、請求項2の差圧鋳造方法では、こ
うして充填口による連通を停止した直後、内部を大気圧
よりも高圧に維持した加圧チャンバにより充填口を閉塞
する。このため、プラグ部材の連通孔は下端が大気圧よ
りも高圧に維持され、小型の設備でキャビティ内の液体
状材料が固化するまでの時間の経過を待つことができ
る。このため、砂型又は金型を大気下に露出可能とな
り、水冷、特にシャワー等の直接水冷等の手段の付加が
容易になる。また、この間、プラグ部材の連通孔から付
与される高圧は、キャビティ内の液体状材料が含有し得
る気泡の成長を抑制し、ひいては気泡を押し潰す。こう
して、より内部欠陥のない鋳造品が得られる。
【0020】(3)請求項3の差圧鋳造鋳型を用いて差
圧鋳造方法を行う場合、鋳造すべき液体状材料を用意
し、差圧鋳造鋳型の下端を液体状材料の液面以下にし、
第1室内を減圧すれば、液体状材料がプラグ部材を介し
てキャビティ内に充填される。また、液体状材料の液面
よりもキャビティを下方に位置させれば、第1室内を減
圧しなくても、液体状材料がプラグ部材を介してキャビ
ティ内に充填される。
【0021】そして、第1室内を減圧しておれば、液体
状材料の重力流降は連通孔による表面張力と差圧とによ
り抑制され、開口による連通を停止することができる。
このため、一の差圧鋳造鋳型で液体状材料の固化を行っ
ている間に他の差圧鋳造鋳型で液体状材料の充填を行う
ことができる。また、連通孔内の液体状材料は液体状を
維持しているため、収縮に応じて液体状材料がキャビテ
ィ内に自動的に補充され、複雑な同期制御等を行わなく
ても押し湯が得られる。また、第1室内を減圧すること
により差圧を維持すれば、砂型中子の燃焼ガス等の液体
状材料内への混入を防止できる効果もある。こうして、
内部欠陥のない鋳造品が得られる。
【0022】さらに、この差圧鋳造鋳型を用いれば、形
状の自由度が高い被膜により砂型又は金型を密閉状態に
確保可能であるため、砂型又は金型の底面に予め気密定
盤を設ける必要がなく、作業を簡易に行うことができ
る。なお、特開平6−154993号公報において、底
面に直接開口を設けた鋳型が開示されている。しかし、
この鋳型は、開口以外の部分を気密性の被膜で覆うこと
としておらず、かつ開口が直接液体状材料の充填を行っ
ているため、開口部の第2の容器からの離脱時に液体状
材料の差圧の作用が不十分であり、重力流降の抑制には
開口面積等を一定範囲に制限し、早期の固化を必要とす
る。これに対し、請求項3の差圧鋳造鋳型は、開口以外
の部分を気密チャンバ及び気密性の被膜で覆い、かつ液
体状材料を充填する開口に小径の連通孔をもつプラグ部
材を設けているため、連通孔の表面張力と、他の部分の
密閉性とにより差圧の作用が十分であり、液体状材料の
重力流降を抑制することができる。このため、請求項3
の差圧鋳造鋳型では、開口自体の開口面積等を制限する
必要がなく、幅広い設計を可能とする。
【0023】また、砂型は、液体状材料としての溶湯内
に浸漬する時間が長ければ、形状保持が困難であった。
これに対し、請求項3の差圧鋳造鋳型では、充填時のみ
の浸漬でよく、この問題を解消できる。また、請求項3
の差圧鋳造鋳型では、固化までの差圧保持も被膜による
砂型の形状保持により安定する。
【0024】
【実施例】以下、各請求項1〜3の発明を差圧鋳造方法
に具体化した実施例1〜9を図面を参照しつつ説明す
る。 (実施例1)実施例1では鋳鋼部品を得る吸引鋳造方法
により請求項1を具体化している。
【0025】まず、実施例1の吸引鋳造方法に用いた図
1に示す吸引鋳造鋳型について説明する。かかる吸引鋳
造鋳型では、気密定盤1の中央に貫通孔1aが上下に貫
設されており、この貫通孔1a内にはそのフランジによ
りストーク2が気密に挿通されている。気密定盤1上に
は通気性を有する砂型3が載置されている。この砂型3
は下型4と上型5と中子6とにより構成されており、こ
れら下型4、上型5及び中子6によりキャビティCが画
成されている。上型5にはキャビティC(容量3000
cc)と連通する湯道5aが形成され、下型4には湯道
5aと連通し、下面に開いてストーク2内と連通する開
口4aが形成されている。
【0026】開口4aにはプラグ部材7が設けられてい
る。このプラグ部材7は、アルミナ製ハニカム体(直径
60mm、長さ150mm)からなり、上下に連通する
小径かつ多数の連通孔(孔の直径10mm、孔数19
個、孔内の容量150cc)が形成されている。また、
下型4の開口4aの周囲にはヒータ線8が埋設され、こ
のヒータ線8は図示しない電源と接続されている。
【0027】気密定盤1上には砂型3を第1室R1 内に
確保する気密チャンバ9が気密に載置されており、気密
チャンバ9には低圧管路10が取り付けられている。低
圧管路10は図示しない真空ポンプと接続されている。 「予備工程」上記吸引鋳造鋳型を組付けつつ吸引鋳造方
法を行う場合、まず図2(A)に示すように、気密定盤
1を用意し、図2(B)に示すように、気密定盤1にス
トーク2及びプラグ部材7を組付ける。次いで、図2
(C)に示すように、気密定盤1上に砂型3を載置し、
図2(D)に示すように、気密定盤1上に気密チャンバ
9を載置する。
【0028】一方、吸引鋳造鋳型の下方において、大気
(第2室)に開放された溶湯をルツボ11により貯溜す
る。そして、図2(E)に示すように、吸引鋳造鋳型の
ストーク2をルツボ11内の溶湯に漬け、プラグ部材7
を介してキャビティCと溶湯とを連通させる。 「充填工程」次いで、低圧管路10で第1室R1 内を減
圧して差圧を付与する。こうして、溶湯がプラグ部材7
の連通孔を介してキャビティC内に重力に抗して充填さ
れる。このとき、溶湯の湯面を安定的に保ちながら充填
できるという利点がある。
【0029】「固化工程」そして、図2(F)に示すよ
うに、差圧を維持しつつ、吸引鋳造鋳型を溶湯から引き
上げる。このとき、ストーク2内の溶湯はルツボ11内
に戻されるものの、プラグ部材7の連通孔は小径である
ため連通孔内の溶湯には表面張力が作用している。この
ため、キャビティCで溶湯が凝固していなくても、その
重力流降が差圧でキャビティC内の溶湯のヘッド圧を補
償するとともに表面張力の作用で抑制され、ストーク2
による連通を停止することができる。このため、実施例
1の吸引鋳造方法では、一の吸引鋳造鋳型で溶湯の凝固
を行っている間に他の吸引鋳造鋳型を組付け、その後に
溶湯の充填を行うことができる。
【0030】また、図2(G)に示すように、差圧を維
持しつつ時間の経過を待ち、キャビティC内に充填され
た溶湯を凝固させる。かかるキャビティC内の溶湯の凝
固進行時、ヒータ線8でプラグ部材7を加熱することに
より連通孔内に存する溶湯の液体状を維持する。このと
き、連通孔内の溶湯は液体状を維持しているため、収縮
に応じて溶湯がキャビティC内に自動的に補充され、複
雑な同期制御等を行わなくても押し湯が得られる。ま
た、第1室R1 内を減圧することにより差圧を維持して
いるため、中子6等の燃焼ガスが外部に排出され、溶湯
内に混入することはない。
【0031】キャビティC内の溶湯の凝固が完了すれ
ば、ヒータ線8による加熱及び第1室R1 内の減圧を停
止する。そして、図2(H)に示すように、気密チャン
バ9を気密定盤1から外す。気密チャンバ9は図2
(D)に搬送される。また、図2(I)に示すように、
砂型3を気密定盤1から外す。こうして、内部欠陥のな
い鋳造品が得られる。気密定盤1は図2(A)に搬送さ
れる。
【0032】このように、実施例1の吸引鋳造方法で
は、充填時にのみルツボ11上に吸引鋳造鋳型を停止さ
せておれば足りる。このため、凝固まで吸引鋳造鋳型を
ルツボ11上に停止させていた従来と比べれば、停止時
間を単位として設定した全体のラインのタクトを10倍
以上も早くすることができた。実際上、約20kgの鋳
鋼部品を鋳造したところ、上記従来の約180秒から約
10秒へと短縮することができた。かかる10秒間は生
砂からの造型タクトに匹敵し、ライン全体で無駄な時間
をほとんど無くすことができた。
【0033】したがって、実施例1の吸引鋳造方法で
は、サイクルタイムの短縮と、確実かつ簡易な押し湯と
を実現できることがわかる。また、凝固まで吸引鋳造鋳
型をルツボ11上に停止させていた従来では、ストーク
内で溶湯が凝固しやすく、この分だけ歩留まりが低下し
ていた。これに対し、実施例1の吸引鋳造方法では、ス
トーク2内の溶湯をルツボ11内に戻し、歩留まりを向
上させることができる。実際上、従来では歩留まりが約
40%であったのに対し、実施例1の吸引鋳造方法で
は、開口(湯口)4a内で凝固する溶湯の重量が約10
kg、製品重量が約12kgであり、歩留まりが約60
%に向上した。このため、実施例1の吸引鋳造方法で
は、同一量の溶湯からの製品数が1.5倍程度増加し
た。
【0034】さらに、鋳鋼部品を鋳造品として鋳造する
場合、従来はストークとして消耗性の鉄パイプを採用し
ていたが、実施例1の吸引鋳造方法では、ストーク2内
の溶湯をルツボ11内に戻すため、ストーク2の再使用
が可能である。さらに、凝固まで吸引鋳造鋳型をルツボ
11上に停止させていた従来では、ルツボ11からの熱
の対流で凝固が遅れてキャビティC内の組織が過大とな
り、品質面で問題であった。これに対し、実施例1の吸
引鋳造方法では、押し湯に必要な熱量でプラグ部材7の
みを加熱できるため、不必要にキャビティC内を加熱す
ることがなく、凝固も早くなってその組織は微細かつ均
一なものとなり、高い品質の鋳造品が得られた。 (実施例2)実施例2では鋳鋼部品を得る吸引鋳造方法
(但し、凝固時に加圧)により請求項1、2を具体化し
ている。
【0035】まず、実施例2の吸引鋳造方法に用いた図
3に示す吸引鋳造鋳型について説明する。かかる吸引鋳
造鋳型では、気密定盤1の下面にストーク7を囲む加圧
チャンバ12が気密に取り付けられ、加圧チャンバ12
には高圧管路13が取り付けられている。高圧管路13
は図示しない加圧ポンプと接続されている。他の構成は
実施例1の吸引鋳造鋳型と同一であるため、同一の構成
については同一符号を付して説明を省略する。
【0036】「予備工程・充填工程」上記吸引鋳造鋳型
を組付けつつ吸引鋳造方法を行う場合、実施例1と同様
に図4(A)〜(E)を行う。 「固化工程」そして、差圧を維持しつつ、吸引鋳造鋳型
を溶湯から引き上げる。この直後、図4(F)に示すよ
うに、気密定盤1の下面に加圧チャンバ12を気密に取
り付ける。また、気密チャンバ9を気密定盤1から外し
て第1室R1 内の減圧を大気圧に開放する。そして、図
4(G)に示すように、高圧管路13により加圧チャン
バ12内を大気圧よりも高圧に維持する。
【0037】これにより、プラグ部材7の連通孔は下端
が大気圧よりも高圧に維持され、小型の設備でキャビテ
ィC内の溶湯が凝固するまでの時間の経過を待つことが
できる。この間、実施例1と同様、キャビティC内の溶
湯の凝固進行時、ヒータ線8でプラグ部材7を加熱する
ことにより連通孔内に存する溶湯の液体状を維持する。
また、この間、プラグ部材7の連通孔から付与される高
圧は、キャビティC内の溶湯が含有し得る気泡の成長を
抑制し、ひいては気泡を押し潰す。さらに、この間、大
気圧より減圧された状態で溶湯が凝固する実施例1と比
較し、キャビティC内の溶湯が大気圧で押圧されるた
め、キャビティC内の溶湯が気泡を含有しにくい。
【0038】この後、図4(H)に示すように、加圧チ
ャンバ12を気密定盤1から外す。加圧チャンバ12は
図4(F)に搬送される。また、図4(I)に示すよう
に、砂型3を気密定盤1から外す。こうして、より内部
欠陥のない鋳造品が得られる。したがって、実施例2の
吸引鋳造方法においては、上記実施例1と同様の作用及
び効果を奏することができるとともに、より高品質の鋳
造品を得ることができる。 (実施例3)実施例3ではアルミニウム合金の鋳造品を
得る吸引加圧鋳造方法により請求項1を具体化してい
る。
【0039】まず、実施例3の吸引加圧鋳造方法に用い
た図5に示す吸引加圧鋳造装置について説明する。かか
る吸引加圧鋳造装置は鋳造鋳型14と貯溜装置15とか
らなる。鋳造鋳型14では、気密定盤16の中央に貫通
孔16aが上下に貫設されており、この貫通孔16aの
下面側周囲には実施例1と同様のヒータ線17が埋設さ
れ、貫通孔16a内には実施例1と同様のプラグ部材1
8が上面にやや突出されて挿入されている。
【0040】気密定盤16上には上下分割金型19が載
置されている。この金型19は下型20と上型21と中
子22とにより構成されており、これら下型20、上型
21及び中子22によりキャビティCが画成されてい
る。下型20には、キャビティCと連通する湯道20a
が形成されているとともに、湯道20aと連通し、プラ
グ部材18を介して貫通孔16aと連通する開口20b
が形成されている。
【0041】また、気密定盤16上には金型19を第1
室R1 内に確保する気密チャンバ23が気密に載置され
ており、気密チャンバ23には低圧管路24が取り付け
られている。低圧管路24は図示しない真空ポンプと接
続されている。一方、貯溜装置15では、ルツボ25内
に溶湯が貯溜されており、ルツボ25の上面には溶湯を
密閉状態の第2室R2 内に確保すべく、気密定盤26が
気密に載置されている。ルツボ25の上方には高圧管路
28が取り付けられ、高圧管路28は図示しない加圧ポ
ンプと接続されている。気密定盤26の中央には貫通孔
26aがすりこぎ状に上下に貫設されており、この貫通
孔26a内にはその円錐状のフランジによりストーク2
7が気密に挿通されている。このストーク27は下端が
溶湯内に漬かっている。
【0042】「予備工程」上記鋳造鋳型14を組付けつ
つ吸引加圧鋳造方法を行う場合、まず図6(A)に示す
ように、気密定盤16を用意し、図6(B)に示すよう
に、気密定盤16上にプラグ部材18を載置する。次い
で、図6(C)に示すように、気密定盤16上に金型1
9を載置し、図6(D)に示すように、気密定盤16上
に気密チャンバ23を載置する。
【0043】一方、鋳造鋳型14の下方に貯溜装置15
を用意し、図6(E)に示すように、鋳造鋳型14の気
密定盤16と貯溜装置15の気密定盤26とを気密に合
わせ、プラグ部材18を介してキャビティCと溶湯とを
連通させる。 「充填工程」次いで、低圧管路24で第1室R1 内を減
圧するとともに高圧管路28で第2室R2 内を加圧して
差圧を付与する。こうして、溶湯がプラグ部材18の連
通孔を介してキャビティC内に重力に抗して充填され
る。
【0044】「固化工程」そして、図6(F)に示すよ
うに、第1室R1 内の減圧を維持しつつ鋳造鋳型14を
貯溜装置15から離す。また、図6(G)に示すよう
に、差圧を維持しつつ時間の経過を待ち、キャビティC
内に充填された溶湯を凝固させる。かかるキャビティC
内の溶湯の凝固進行時、やはりヒータ線17でプラグ部
材18を加熱することにより連通孔内に存する溶湯の液
体状を維持する。
【0045】この後、図6(H)に示すように、気密チ
ャンバ23を気密定盤16から外す。また、図6(I)
に示すように、金型19を気密定盤16から外す。こう
して、内部欠陥のない鋳造品が得られる。実際上、約6
kgの自動車用アルミニウム合金部品を2個取りで鋳造
したところ、凝固まで吸引鋳造鋳型を溶湯上に停止させ
ていた従来の約8分から、約30秒へと約16倍短縮し
て鋳造品を得ることができた。
【0046】したがって、実施例3の吸引加圧鋳造方法
においても、実施例1と同様の作用及び効果を奏するこ
とができる。また、実施例3の吸引加圧鋳造方法では、
ストーク27をルツボ25内で継続して使用できるた
め、作業が簡単である。 (実施例4)実施例4ではアルミニウム合金の鋳造品を
得る吸引鋳造方法により請求項1、3を具体化してい
る。
【0047】まず、実施例4の吸引鋳造方法に用いた図
7に示す吸引鋳造鋳型について説明する。かかる吸引鋳
造鋳型では、下型30と上型31とにより通気性を有す
る砂型29が構成されており、これら下型30及び上型
31によりキャビティCが画成されている。下型30に
は、キャビティCと連通し、下面に開く開口30aが複
数個形成されている。
【0048】開口30aには実施例1と同様のプラグ部
材32が閉塞されている。但し、このプラグ部材32の
材質は実施例1と異なり、アルミナ−シリカ製のもので
ある。下型30の開口30aの周囲には実施例1と同様
のヒータ線33が埋設されている。また、上型31の上
面及び側面並びに下型30の側面の上方側には気密チャ
ンバ34が取り付けられており、気密チャンバ34には
低圧管路35が取り付けられている。低圧管路35は図
示しない真空ポンプと接続されている。
【0049】さらに、下型30の側面の残部及び底面に
はガラス製の被膜36が形成されており、被膜36は気
密チャンバ34とともに砂型29を密閉状態の第1室R
1 内に確保している。但し、被膜36はプラグ部材32
には形成していない。 「予備工程」上記吸引鋳造鋳型を組付けつつ吸引鋳造方
法を行う場合、まず図8(A)に示すように、砂型29
に気密チャンバ34を被せる。そして、図8(B)に示
すように、溶融状態のガラスを貯溜したルツボ37を用
意し、下型30の側面の残部及び底面に溶融状態のガラ
スを付着させる。このとき、プラグ部材32にガラスが
付着しないように金属製の蓋等によりマスキングを施し
ておく。この後、マスキングを外し、図8(C)に示す
ように、冷却装置38によりガラスを固化させ、被膜3
6を形成する。かかる作業は大気下において容易に行い
得る。
【0050】一方、吸引鋳造鋳型の下方において、大気
(第2室)に開放された溶湯をルツボ39により貯溜す
る。 「充填工程」次いで、図8(D)に示すように、吸引鋳
造鋳型の下端を溶湯の湯面以下にし、低圧管路35で第
1室R1 内を減圧する。これにより溶湯がプラグ部材3
2を介してキャビティC内に充填される。
【0051】「固化工程」そして、図8(E)に示すよ
うに、差圧を維持しつつ、吸引鋳造鋳型を溶湯から引き
上げる。また、図8(F)に示すように、差圧を維持し
つつ時間の経過を待ち、キャビティC内に充填された溶
湯を凝固させる。かかるキャビティC内の溶湯の凝固進
行時、やはりヒータ線33でプラグ部材32を加熱する
ことにより連通孔内に存する溶湯の液体状を維持する。
【0052】この後、第1室R1 内の減圧を開放し、図
8(G)に示すように、気密チャンバ34を砂型29か
ら外す。こうして、内部欠陥のない鋳造品が得られる。
したがって、実施例4の吸引加圧鋳造方法においても、
実施例1と同様の作用及び効果を奏することができる。
また、実施例4の吸引鋳造鋳型を用いれば、形状の自由
度が高い被膜36により砂型29を密閉状態に確保でき
るため、砂型29の底面に予め気密定盤を設ける必要が
なく、作業を簡易に行うことができる。
【0053】さらに、実施例4の吸引鋳造鋳型は、開口
30a以外の部分を気密チャンバ34及び気密性の被膜
36で覆い、かつ溶湯を充填する開口30aに小径の連
通孔をもつプラグ部材32を設けているため、連通孔に
よる表面張力と、他の部分の密閉性とにより溶湯の重力
流降を抑制することができる。このため、実施例4の吸
引鋳造鋳型では、開口30a自体の開口面積等を制限す
る必要がなく、幅広い設計が可能である。 (実施例5)実施例5の吸引鋳造鋳型では、図9に示す
ように、プラグ部材として上方に開く連通孔40aをも
つ鋳鉄製入れ子40を採用し、この入れ子40を気密定
盤41に組付けている。砂型42、ヒータ線43等は実
施例1の吸引鋳造鋳型と同様である。
【0054】実施例5の吸引鋳造鋳型を用いても実施例
1と同様の作用及び効果を奏することができる。 (実施例6)実施例6の吸引鋳造鋳型では、図10に示
すように、プラグ部材として上方に開く連通孔44aを
砂型44に一体に形成している。ヒータ線45、被膜4
6等は実施例1、4の吸引鋳造鋳型と同様である。
【0055】実施例6の吸引鋳造鋳型を用いても実施例
1と同様の作用及び効果を奏することができる。 (実施例7)実施例7の吸引鋳造鋳型では、図11に示
すように、キャビティCを画成する砂型47が上型48
と下型49とにより構成されており、上型48にはキャ
ビティCの上端と連通する補助空間50が形成されてい
る。気密定盤51、ストーク52、プラグ部材53、ヒ
ータ線54、気密チャンバ55、低圧管路56、第1室
1 等は実施例1と同様である。
【0056】上記実施例1〜6の吸引鋳造鋳型では、図
12(A)に示すように、充填完了時に溶湯57がプラ
グ部材7等の下端に位置して各連通孔を跨いでしまい、
表面張力による重力流降抑制効果が低下している。これ
に対し、実施例7の吸引鋳造鋳型では、図11に示すキ
ャビティCの充填のみが完了した時点でストーク52の
連通を停止すれば、第1室R1 の減圧の継続でプラグ部
材53内の溶湯57で補助空間50が充填されることと
なる。このため、実施例7の吸引鋳造鋳型では、図12
(B)に示すように、溶湯57がプラグ部材53の各連
通孔内に止まり、表面張力による重力流降抑制効果を最
大限発揮することができる。また、実施例1と同様の作
用及び効果を奏することもできる。 (実施例8)実施例8の吸引鋳造鋳型では、図13に示
すように、キャビティCを画成する砂型58が上型59
と下型60とにより構成されており、上型59にはキャ
ビティCの上端と連通する貫通孔61が貫設されてい
る。貫通孔61内には下端に引抜入れ子62をもつロッ
ド63が上下動可能に設けられ、ロッド63は第1室R
1 内を気密に保持しつつ気密チャンバ68を貫通してい
る。気密定盤64、ストーク65、プラグ部材66、ヒ
ータ線67、気密チャンバ68、低圧管路69、第1室
1 等は実施例1と同様である。
【0057】実施例8の吸引鋳造鋳型では、キャビティ
Cの充填のみが完了した時点でストーク65の連通を停
止し、その後にロッド63を介して引抜入れ子62を上
昇させる。これにより、第1室R1 の減圧の継続でプラ
グ部材66内の溶湯が貫通孔61内に充填される。この
ため、実施例8の吸引鋳造鋳型を用いても実施例7と同
様の作用及び効果を奏することができる。 (実施例9)実施例9の吸引鋳造鋳型では、図14
(A)及び(B)に示すように、実施例1の吸引鋳造鋳
型における気密定盤2の下面に距離センサ70が設けら
れている。他の構成は実施例1と同様である。
【0058】実施例9の吸引鋳造鋳型では、実施例1と
同様、図14(A)に示すように、溶湯71内にストー
ク2を漬けてキャビティ内への溶湯の充填を行なう。そ
して、充填の完了直前になれば、図14(B)に示すよ
うに、距離センサ70により測定される溶湯71との距
離lが所定値になるように吸引鋳造鋳型を引き上げる。
これによりストーク2の連通が停止され、第1室の減圧
の継続でプラグ部材内の溶湯71が各連通孔の下端から
上昇する。
【0059】このため、実施例9の吸引鋳造鋳型を用い
ても実施例7と同様の作用及び効果を奏することができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、各請求項記載の差
圧鋳造方法又は差圧鋳造鋳型では、各請求項記載の構成
を採用しているため、サイクルタイムの短縮と、確実か
つ簡易な押し湯とを実現することができる。したがっ
て、この差圧鋳造方法又は差圧鋳造鋳型では、最小の設
備投資で優れた鋳造品を鋳造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係り、吸引鋳造鋳型を示す断面図で
ある。
【図2】実施例1に係り、吸引鋳造方法を示す模式図で
ある。
【図3】実施例2に係り、吸引加圧鋳造鋳型を示す断面
図である。
【図4】実施例2に係り、吸引加圧鋳造方法を示す模式
図である。
【図5】実施例3に係り、吸引加圧鋳造装置を示す断面
図である。
【図6】実施例3に係り、吸引加圧鋳造方法を示す模式
図である。
【図7】実施例4に係り、吸引鋳造鋳型を示す断面図で
ある。
【図8】実施例4に係り、吸引鋳造方法を示す模式図で
ある。
【図9】実施例5に係り、差圧鋳造鋳型の要部を示す断
面図である。
【図10】実施例6に係り、差圧鋳造鋳型の要部を示す
断面図である。
【図11】実施例7に係り、差圧鋳造鋳型を示す断面図
である。
【図12】(A)は実施例1〜6に係り、(B)は実施
例7に係る充填中のプラグ部材の断面図である。
【図13】実施例8に係り、差圧鋳造鋳型を示す断面図
である。
【図14】実施例9の差圧鋳造鋳型に係り、(A)は充
填中、(B)は充填完了直前の断面図である。
【符号の説明】
C…キャビティ 3、29、42、44、47…
砂型 19…金型 R1 …第1室 4a、20b、30a、2、27、52、65…充填口
(4a、20b、30a…開口、2、27、52、65
…ストーク) 7、18、32、40、53、66…プラグ部材 8、17、33、43、45、54、67…加熱手段
(ヒータ線) 12…加圧チャンバ 9、23、34、55、68…
気密チャンバ 36、46…被膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティを画成する砂型又は金型を第1
    室内に設け、該砂型又は金型の下方の第2室内に液体状
    材料を貯溜し、かつ該キャビティと該液体状材料とを充
    填口により連通させる予備工程と、 該第1室内及び該第2室内の少なくとも一方を密閉状態
    に維持し、該第2室内を該第1室内よりも高圧とする差
    圧を付与し、該充填口を介して該キャビティ内に該液体
    状材料を重力に抗して充填させる充填工程と、 該キャビティ内に充填された該液体状材料を固化させる
    固化工程と、を有する差圧鋳造方法において、 前記予備工程では、上下に連通する小径かつ多数の連通
    孔が形成されたプラグ部材を前記充填口に設け、 前記固化工程では、前記キャビティ内の前記液体状材料
    の固化進行時、該プラグ部材を加熱することにより該連
    通孔内に存する該液体状材料の液体状を維持するととも
    に、前記差圧を維持することを特徴とする差圧鋳造方
    法。
  2. 【請求項2】固化工程では、キャビティ内の液体状材料
    の固化進行時、第1室内を大気圧よりも低圧とする差圧
    を維持して充填口による連通を停止した直後、内部を大
    気圧よりも高圧に維持した加圧チャンバにより該充填口
    を覆うことを特徴とする請求項1記載の差圧鋳造方法。
  3. 【請求項3】キャビティを画成し、下面に該キャビティ
    と連通する開口をもつ砂型又は金型と、 該開口内に設けられ、上下に連通する小径かつ多数の連
    通孔が形成されたプラグ部材と、 該プラグ部材の近傍に設けられ、該プラグ部材を加熱す
    ることにより該連通孔内に存し得る液体状材料の液体状
    を維持可能な加熱手段と、 該砂型又は金型の上面及び側面の少なくとも一部を密閉
    する気密チャンバと、 該砂型又は金型の側面の残部及び該プラグ部材を除く底
    面に形成され、該気密チャンバとともに該砂型又は金型
    を密閉状態の第1室内に確保する気密性の被膜と、から
    なることを特徴とする差圧鋳造方法に用いる差圧鋳造鋳
    型。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009255133A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Tanida Gokin Kk 差圧鋳造装置
CN102114528A (zh) * 2009-12-31 2011-07-06 北京航空航天大学 金属管材制作方法和装置
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