JPH083153Y2 - 回転電力機 - Google Patents

回転電力機

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JPH083153Y2
JPH083153Y2 JP1987128157U JP12815787U JPH083153Y2 JP H083153 Y2 JPH083153 Y2 JP H083153Y2 JP 1987128157 U JP1987128157 U JP 1987128157U JP 12815787 U JP12815787 U JP 12815787U JP H083153 Y2 JPH083153 Y2 JP H083153Y2
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permanent magnet
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outer peripheral
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譲次 越智
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は電動機や発電機等の回転電力機に関するも
のである。
(従来の技術) 従来、例えば電動機等の回転電力機は単体で製品化さ
れており、したがって空気調和機の室内機におけるクロ
スフローファン等の回転駆動に当たっても、例えば交流
誘導電動機等の別体の電動機を上記クロスフローファン
に隣接させて装置内に配置し、その駆動軸とファンロー
ラの回転軸とをカップリングで連結する構成となされて
いる。このため上記電動機を収納するためのスペースを
装置内に必要とし、装置が大型化する等の欠点があっ
た。そこで近年においては、直流ブラシレスモータの回
転子をファンローラの側板に直結する構成とすることに
よって、装置の小型化を図る試みがなされている。その
ような装置の具体例が例えば実開昭61-178095号公報に
記載されている。第6図にその装置を模式的に示してい
るが、同図のように、クロスフローファンのファンロー
タ80の一方の側板81の外方端面に、直流ブラシレスモー
タの回転子82のケーシング83が固着されており、このケ
ーシング83の円筒部内周面には、リング状の永久磁石84
が接着により固着されている。こうして回転子82の直結
されたファンロータ80は、その両端部から外方に延びた
回転軸で支持フレームに回転可能に支持されている。一
方、上記回転子82側の回転軸85を支持している支持フレ
ーム86には、上記回転軸85が内部を挿通すると共に上記
永久磁石84の中心貫通穴位置まで延びる円筒体87が固着
されており、その先端部に、コイル88の巻装された固定
子89が配設されている。上記コイル88への通電を制御し
て回転磁界を形成することにより、回転子82に対する回
転力が誘起され、これによりファンロータ80が回転駆動
される。上記のようにファンロータ80に回転子82を直結
する構成とすることによって、構造が簡素となり、また
軸方向長さが短くなって装置の小形化が可能となる。
(考案が解決しようとする問題点) ところで永久磁石は一般に硬質かつ脆弱な材質から成
るために、これに取付用の穴加工等を行うことは容易で
はなく、したがって通常は上記のように接着による取付
けが行われる。しかしながらこの接着による取付けを採
用して構成した上記従来装置においては、次のような問
題がある。例えば永久磁石84の外周側を覆うケーシング
83の円筒部は永久磁石84の外周側の磁路としても機能す
るものであるが、この円筒部と上記永久磁石84との間に
接着剤、すなわち非磁性層が介在することとなるために
磁路抵抗が増大し、したがって永久磁石84から固定子89
に作用する磁力が低下するのである。また空気調和機の
室内機内部においては、冷房運転時には冷風が、また暖
房運転時には温風がそれぞれ流通するために、温度の変
化幅が比較的大きく、このような温度変化による熱膨張
がケーシング83、永久磁石84、及び接着剤においてそれ
ぞれ異なるために、固着強度が徐々に低下し、したがっ
て固着の信頼性に欠けるという問題もある。さらに組立
作業時においても、接着剤の調合や保存、固化する迄の
取付状態の保持等に伴う付帯作業や、固化後に接着面か
らはみ出た接着剤の除去等の追加作業も必要となり、作
業が繁雑になると共に、組立工数が増加して制作費が高
くなるという問題もある。
そこで、第6図の構成においてカップ状のケーシング
83、すなわち上記円筒部と、側板81への取付面となる取
付部とから成るケーシング83に、さらにその開口端側に
蓋体を設け、この蓋体と上記ケーシング83の取付部との
間で軸方向に挟持する構成とすることによって、接着に
よらない組立が可能となり、上記した問題を生じず、例
えば製作費を安価なものとすることができる。ところで
前記したようにケーシング83の円筒部は永久磁石84の外
周面側の磁路として機能することが必要であるために、
このケーシング83は磁性体材料で構成される。すなわち
冷間圧延鋼板等の材料コストの低廉な鋼板を用いて構成
することができる。しかしながら、ケーシング83の取付
部と共に、永久磁石84の軸方向端面を覆う上記蓋体をも
上記ケーシング83と同様に材料コストの低廉な鋼板を用
いて構成する場合には、この蓋体が、半径方向に着磁さ
れ、また周方向に多極着磁された永久磁石84の内周面と
外周面とにおける異なる磁極間の磁路として、或いは内
周面側で周方向に異なる磁極間の磁路となってしまうた
めに、永久磁石84の内周面側の、本来固定子89側に作用
すべき磁束が、上記蓋体をも介して漏洩し、このため固
定子89に作用する磁力が低下して必要な回転駆動力が得
られなくなってしまう。このため、上記のような材料費
の低廉な鋼板を用いる構成ができなくなり、例えばアル
ミニウム板やステンレス等の非磁性体材料で構成するこ
とが必要となって、製作費が高価になるという問題を生
じる。
この考案は上記に鑑みなされたものであって、その目
的は、漏洩磁束の低減をなし得ると共に、製作費を安価
になし得る回転電力機を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) そこでこの考案の回転電力機は、回転軸に略直交する
取付部17とこの取付部17の外周縁から軸方向に延びる円
筒部18とを有するケーシング15を設け、円弧状に分割構
成された複数の永久磁石20・・20を上記円筒部18の内周
部に沿わせて間隔を置いて配置し、また上記ケーシング
15の円筒部18の外周部に取付けられると共に、上記円筒
部18の開口部を覆う方向に延びる固定面37を有する蓋体
25を設け、この蓋体25を上記ケーシング15の円筒部18に
取付けることにより上記各永久磁石20を上記取付部17と
蓋体25の固定面37との間で挟持して回転子4又は固定子
5をいずれかを構成する一方、上記各永久磁石20・・20
の内側円弧面Siを上記固定子5又は回転子4のいずれか
他方の周側面に対面させて成り、さらに上記各永久磁石
20は半径方向に異極が存するよう径方向に着磁し、また
上記固定子5又は回転子4の周側面に対面する内側円弧
面Siにおいては、相隣接する永久磁石20の磁極が互いに
異極になるよう配置した回転電力機であって、上記ケー
シング15と蓋体25とを磁性体で構成し、さらに上記蓋体
25においては、その固定面37の内周縁が、上記永久磁石
20のケーシング開口側端面における内外周面間の中点よ
りも外周側で上記各永久磁石20の端面に接するべく構成
している。
(作用) 上記の回転電力機においては、永久磁石20を挟持する
ために上記永久磁石20の端面を覆う蓋体25は、永久磁石
20の内外周面間の中点、すなわち内周面と外周面との各
磁極間の磁気的な中性点よりも外側で接するようにされ
ている。したがって磁性体材料で上記蓋体25を構成した
としても、各永久磁石20間における内側円弧面Si側にお
ける蓋体25を介する漏洩磁束の発生が抑制できることに
なり、そのため永久磁石の磁力の低下を引き起こすよう
な漏洩磁束は生じない。この結果、例えば冷間圧延鋼板
等の使用が可能となるので、安価な製作費用で構成する
ことが可能となる。
(実施例) 次にこの考案の回転電力機の具体的な実施例につい
て、図面を参照しつつ詳細に説明する。
第1図には、空気調和機の室内機において用いられる
クロスフローファンのファン駆動用電動機にこの考案を
適用して構成した一実施例における装置の組立断面図を
示している。同図において、1はクロスフローファンの
ファンロータであり、このファンロータ1の一方の側板
2に、合成ゴム等の弾性体より成る連結部材3を介し
て、回転子4が取着され、またこの回転子4内部に、固
定子5の固着された固定軸6が挿通されている。そして
この固定軸6の右側端部にはエンドブラケット7がさら
に固着されている。このエンドブラケット7の端面に
は、適当箇所に固定ねじ穴が穿設されており、このエン
ドブラケット7端面を、空気調和機の室内機内部の取付
面であるファンハウジングの左右側板の、第1図に二点
鎖線で図示した右側板8にねじ固定するようになされて
いる。なお室内側熱交換器はファンハウジング内のファ
ンロータ1の上流側に配設されており、左右側板間に支
持されている。
上記連結部材3は、上記ファンロータ1に生ずる回転
振れによって室内機全体が振動することを防止する防振
を目的として配設しているものであって、その中心部に
軸方向に貫通する貫通穴11を有するリング状の部品であ
り、またその断面は略U字状に形成されている。つまり
上記貫通穴11を囲繞する円筒部12と、この円筒部12の軸
方向両端部位置からそれぞれ半径方向に広がる側板側固
着面13及び回転子側固着面14とから構成されている。上
記側板側固着面13は、側板2の端面に形成している凹部
に嵌入されてこの側板2との同心位置を与えられ、この
状態で接着等により固着される。一方、上記回転子側固
着面14には、回転子4を構成するケーシング15における
取付部(図において垂直面として図示された面)17が固
着される。この取付部17の軸心位置には、ファンロータ
1側に突出する中心膨出部16が形成されている。この中
心膨出部16の機能については後で説明するが、この中心
膨出部16を上記貫通穴11に挿通し、両者の同心位置状態
を維持した状態で、上記回転子側固着面14とケーシング
15の取付部17との接着等による固着取付けが行われる。
次に上記回転子4の構成を、第4図の分解斜視図を参
照して説明する。この回転子4は、上記ケーシング15
と、4箇の永久磁石20と、略円筒状の蓋体25とから構成
されている。上記ケーシング15は、前記したように連結
部材3を介してファンロータ1の側板2に固着される前
記取付部17と、この取付部17の外周縁から、図において
右側へと延びて右端面において開口する円筒部18とから
成るカップ状に形成されている。そして上記円筒部18に
沿わせて、上記各永久磁石20を固定するために、上記取
付部17には、上記円筒部18より内方の同心の円周を4等
分する位置で上記開口端側にそれぞれ切起こされた4個
の略弓状の係止片26・・26と、これらの係止片26・・26
間の円周上各2箇所の位置でそれぞれ切起こされた短寸
の爪状の突起27・・27とが形成されている。一方、上記
各永久磁石20は、第2図に示すように、ケーシング15の
円筒部18の内周を略4等分する円弧長を有する形状に構
成されている。その形状については、後で詳述するが、
周方向両端部には半径方向に対して傾斜する傾斜面52、
52がそれぞれ形成されており、隣合う永久磁石20の各傾
斜面52間には、径方向外方に向かって徐々に狭小となる
テーパ状の隙間が形成される。そしてこのテーパ状隙間
に上記各弓状係止片26が軸心側より嵌入して、上記永久
磁石20の傾斜面52に当接するようになされている。また
上記各係止片26の切り起こし点は上記当接位置より外周
面側に形成されており、この結果上記当接状態において
は、各係止片26は半径方向内方へと撓み変形を生じた状
態となり、その弾性反力が上記各永久磁石20を外周面側
へ押圧する力として作用する。そしてこの押圧力は、上
記のように傾斜面52、52に作用する結果、各永久磁石20
を半径方向外方へと押圧してケーシング15の円筒部18の
内周面に密着させる力として作用すると共に、円周方向
にも押圧する力として作用する。このような押圧力が各
永久磁石20の両端部にそれぞれ与えられる結果、各永久
磁石20の半径方向の位置固定及び周方向の位置固定が同
時に、かつ精度良く与えられる。
上記弓状係止片26は、第1図に示しているように、ケ
ーシング15の開口端(図において右端)側が軸心方向へ
と湾曲するような略弓形形状に形成されており、したが
って上記各永久磁石20は、上記ケーシング15の開口端側
からこのケーシング15の円筒部18に沿わせて軸方向左方
へと押し込んでいくことにより、上記係止片26は徐々に
軸心方向へと湾曲されて上記した組付状態となる。一方
この組付状態における軸方向の固定は、同図において固
定軸6より下側の断面図に示しているように、各永久磁
石20の左端面が前記した爪状突起27の先端部に当接する
ことによってまず左端側での位置決めがなされる。なお
この状態において上記係止片26は、その軸方向中央部が
各永久磁石20の軸方向中央箇所に当接する。上記爪状突
起27は、第2図に示しているように、各永久磁石20に対
し、両端部側の各2点にそれぞれ当接するようになされ
ている。そしてこのとき、第1図のように、各永久磁石
20の右側端面は、ケーシング15の開口端と略同一位置に
位置する。上記のような各永久磁石20の組付け後、上記
ケーシング15の円筒部18の外周と略同径の内周面を有す
る前記蓋体25がケーシング15に覆せられる。この蓋体25
にはその周側面の適当箇所に嵌合穴35が穿設されてお
り、一方上記円筒部18には、上記嵌合穴35にそれぞれ応
ずる位置に、半径方向外方へと突出成形された円弧状の
係止片36が形成されている。上記蓋体25を軸方向に押し
込み、上記係止片36を上記嵌合穴35内に嵌入させること
によって、上記ケーシング15への蓋体25の固定取付けが
なされ、回転子4の組立が完了する。つまり上記、蓋体
25は、その右側端面部箇所に径方向内方へと曲げ成形さ
れると共に各永久磁石20端面の外周側を全周に渡ってわ
ずかに覆う固定面37を有しており、この固定面37と上記
爪状突起27との間で各永久磁石20が挟持されることとな
って、永久磁石20の軸方向の固定が行われるのである。
このように、従来は接着によって行われていた永久磁石
の取付けを、極めて簡単な組立作業でより確実かつ精度
良く行うことが可能となっている。
上記各永久磁石20は、半径方向に着磁されている。ま
た固定子4に対面する内周面において隣合う面が相互に
異なる極となるように、つまりNSNSの4極の界磁状態と
なるように回転子4は構成されている。そして上記のよ
うな各永久磁石20は、例えばフェライトより成る異方性
磁石で構成されている。このように、各磁極毎に一様に
着磁される分割磁石で構成すると共に、それぞれ異方性
磁石で構成する結果、磁力を従来よりも大幅に強くする
ことができ、そのため、これらの永久磁石20の内周面
と、後述する固定子5の外周面との間の隙間、すなわち
エアーギャップを1.5〜2mmと比較的大きく与えて構成す
ることが可能となっている。
また上記各永久磁石20はそれぞれ同一形状に構成され
ているものであって、またそれぞれ周方向両端部には、
第3図に示すような対称形の端面形状が与えられてい
る。この端面形状について、第3図に基づいて説明す
る。同図には、永久磁石20を左右対称に位置させ、その
ときの対称軸となる中心線l、またこの中心線lを中心
にして中心角90°で延びる半径方向線m、m、上記中心
線lに垂直で永久磁石20の外周面Soに接する水平面pを
付記している。永久磁石20の両端部には、それぞれ外周
面Soから内周面Siに向かって、上記中心線lに平行な平
行面50、上記半径方向線mよりわずかに中心線l側で上
記半径方向線mに平行な最小隙間付与間51、上記水平面
pに平行に中心線l側に延びる傾斜面52が順次形成さ
れ、そして上記半径方向線mに平行であると共に上記最
小隙間付与面51よりは半径方向線mから離間した嵌入面
53が形成されて上記内周面Siに連なっている。このよう
な端面形状を与えていることにより、ケーシング15内周
面に沿って各永久磁石20が配設された場合に、隣合う各
永久磁石20、20間には、上記最小隙間付与面51、51間で
最小隙間a(1mm)が与えられる。この最小隙間を与え
ることによって、各永久磁石20等の形状加工誤差を許容
し得る組立が可能となる。上記傾斜面52は、内周面Siと
外周面Soとの半径方向中間点(以下、中性点と言う)の
近傍に形成されており、前記したように弓状係止片26が
当接する面となっている。そして上記嵌入面53は、上記
弓状係止片26が径方向内方より上記傾斜面52方向へと嵌
入する隙間を与えると共に、その間隔bは、前記エアー
ギャップを超える隙間(3mm)となされており、このた
め隣合う永久磁石20、20間の内周面側における上記隙間
bを介する漏洩磁束が低減され、固定子5側により有効
に磁力が作用するようになされている。
次に、上記回転子4への固定子5の組付けについて説
明する。前記したケーシング15の取付部17における軸心
側の中心膨出部16は、第1図のように、その内部空間が
軸受収納室39となされている。つまりこの軸受収納室39
内に軸受41が圧入等によって挿着されている。この軸受
41に、前記固定軸6の先端側を挿通させることによっ
て、上記回転子4の内部空間部に、第2図に示すよう
に、星形に成形された6極の磁極を有する固定子5が同
心状に配設されることとなり、ファン駆動用電動機が構
成される。なお同図中40は、固定子5の各磁極に巻装さ
れているコイルである。上記固定子5は、第1図に示す
ように固定軸6の略中央部位置に固着されている。この
固定軸6は、第1図において左端側の先端がテーパ状に
形成されると共に、そのテーパ部から基端側は小径部と
なされ、さらに段部を有して上記固定子5が固着される
軸部として形成されている。そして前記した蓋体25の固
定面37の中心開口を通して軸心上を上記固定軸6を挿入
していくことで、前記したケーシング15の中心膨出部16
内面に取着されている軸受41の中心穴に、固定軸6の小
径部が挿通することとなる。このとき上記固定軸6先端
のテーパ部で案内されて、小径部が容易に挿通するよう
になされている。
上記固定軸6の右側端部位置には、皿状のエンドブラ
ケット7が同心状に固着されている。このエンドブラケ
ット7の外周には、固定子5側に延びる短寸の円筒部42
が形成されており、この円筒部42に囲繞される空間は、
制御回路部品収納室43となされている。この収納室43内
には円板状のプリント基板44が配設されており、このプ
リント基板44に、このファン駆動用電動機の回転制御に
必要な制御回路部品が取付けられている。つまり上記プ
リント基板44に、抵抗素子、コンデンサ、ダイオード等
の制御回路部品を、上記エンドブラケット7側に位置す
るようにマウントしている。このとき収納室43の軸方向
高さよりも高い寸法を有するコンデンサ等の素子につい
ては、そのリード部を曲げ成形して上記プリント基板44
の面に沿わせて収納している。また図のように、パワー
トランジスタ45や制御IC46等の高発熱素子においては、
それらの冷却フィンを上記エンドブラケット7の内面
に、絶縁シート47を介して密着取付けしている。すなわ
ち上記のような高発熱素子に対しては、エンドブラケッ
ト7全体がそれらの放熱フィンとして作用するようにな
されているのである。以上のようなプリント基板44にお
ける各素子の配置、及び放熱構造とすることによって、
軸方向寸法の小さな空間内に回転制御に必要な制御回路
を構成し、これにより装置のコンパクト化、及び外部引
出配線数の低減を図っている。なお上記プリント基板44
から3箇のホール素子H(図には1箇のみ図示)は、固
定子5側に延びて、回転子4の回転位置に応じた磁場の
変化を検出し得るようになされている。
上記のようにファンロータ1に回転子4と固定子5と
を組立てた後、この組立体は空気調和機の室内機に組付
けられる。第5図には、上記ファンロータ1の、上記側
板2とは反対側の側板(以下、左側板と言う)60の室内
機への取付構造を示している。同図のように、上記左側
板60の軸心位置には回転軸61が固着されており、この回
転軸61を、室内機の本体フレーム62に取着されている軸
受63に挿通させることによって、上記左側板60側の取付
けが行われる。上記軸受63は、本体フレーム62の取付穴
に圧入されている軸受外体64内に装着されているもので
あって、上記軸受外体64は合成ゴム等の弾性材料より構
成されると共に、内部には球面座が形成されており、こ
の球面座に沿って摺動自在に、球状外周面を有する上記
軸受63が装着されている。したがって、後述するよう
に、上記ファンロータ1の回転振れによって上記回転軸
61に水平取付状態から傾斜させるような力が生ずる場合
には、その傾斜方向に応じた回転動作が上記軸受63に生
ずることとなる。このようにファンロータ1の回転振れ
を機械的に拘束せず、回転振れを許容する組立構造とす
ることによって、拘束取付時の反力が本体フレーム62に
生じず、この結果、本体フレーム62への上記ファンロー
タ1の回転振れによる振動の伝播が防止される。さらに
上記においては、軸受63を囲う軸受外体64を弾性材料よ
り構成していることによって、さらに振動の伝播をより
確実に防止することができる。上記左側板60側の取付
後、前記固定軸6の端部に固着されているエンドブラケ
ット7を本体フレームの取付面にねじ固定する。これに
よって、固定軸6と、この固定軸6に固着されている固
定子5との位置固定が与えられると共に、ファンローラ
1と回転子4との回転体も、上記固定軸6によって回転
自在に支持されることとなる。
次に上記構成のファン駆動用電動機の作動状態につい
て説明する。
前記した3つのホール素子H1〜H3は、第2図に示して
いるように、固定子5の隣り合う3つの極の先端部側
に、それぞれ配置されており、これらのホール素子H1〜
H3によって上記回転子4の回転位置に応じた各永久磁石
20による磁場の変化が検出される。そしてその検出信号
を受けて、所定のタイミングで前記制御IC46によって駆
動信号が発生され、これにより各コイル40への通電が周
期的に制御されて固定子5側に回転磁界が発生される。
こうして回転子4が上記固定子5側の回転磁界によって
回転駆動され、この回転子4の回転が前記ファンロータ
1に伝達されてファンロータ1が回転駆動される。
ところで上記ファンロータ1は軸方向長さが長く、ま
た金属材料に比べて剛性の小さな合成樹脂材料で構成さ
れている。さらに詳しくは、例えば実公昭57-30471号公
報に記載されているように、円形の羽根支持板の間に多
数の羽根を円筒状に架設して短尺の羽根ユニットを構成
し、そしてこの羽根ユニットを接着等により接続してい
くことによって、所定の軸方向長を有する長尺の組立体
を構成し、次いでこの組立体の両端面に位置する上記羽
根支持板に、回転軸を固着し、或いは連結部材3の取付
けに必要な端面加工を行ってファンロータ1を構成す
る。したがって、上記組立体の重心を回転軸に一致させ
て構成することは容易ではなく、このため中央部側が外
方へと偏心するようなそりを伴う回転振れが、回転子
4、軸受41、固定軸6を伝って装置の取付面に伝播する
場合には、装置全体の振動や異音の発生を生ずることと
なるが、上記実施例においては、ファンロータ1の側板
2と回転子4のケーシング15とを前記した弾性体より成
る連結部材3を介して連結すると共に、ファンロータ1
の左側板60も、前記のように防振取付構造となされてお
り、このため、装置全体の振動や異音の発生を抑えた運
転が可能となる。
しかしながら上記回転子4は、上記ファンロータ1側
の回転振れによって、例えば前記軸受41の内外輪の組立
精度等の範囲内で許容される偏心を生じるために、固定
子5との間のエアギャップは全周に渡って均一には維持
されなくなる。そしてこのようなエアギャップの変動を
許容した運転を可能とするために、永久磁石20を分割形
の異方性磁石で構成して磁気力を高め、前記のように通
常のモータ構成よりも大きなエアギャップを与えてい
る。さらに上記永久磁石20の磁気力を固定子5側に、よ
り有効に作用させるためには、上記永久磁石20の磁束の
漏洩を極力小さくする必要がある。そこで上記実施例で
は、永久磁石20を軸方向に固定するために上記永久磁石
20の軸方向端面に接して組立てられる蓋体25において、
その接触領域が上記永久磁石20の外周面側の狭小部分と
なるように構成されている。つまり半径方向に着磁され
ている上記永久磁石20においては、内周面側と外周面側
とは内外周面間の中間点を磁気的な中性点としてこの中
性点を境に異なる極になっている訳であるが、上記蓋体
25の固定面37は、上記中性点よりも外周側の極の領域の
みに接するようになされているのである。したがってこ
の蓋体25を磁性体材料で構成する場合にも、上記蓋体25
は隣合う永久磁石20、20間の各外周面側の磁極間の磁路
として作用するのみであって、永久磁石20の内周面側か
ら固定子5側に作用する磁力の強さが弱められることは
なく、したがって上記蓋体25を例えば冷間圧延鋼板等の
材料コストの低廉な材料で構成することができ、これに
より漏洩磁束の小さな、かつ製作費の安価な構成が可能
となっているのである。またこのとき上記実施例におい
ては、永久磁石20の外周面側を、前記ケーシング15の円
筒部18と共に上記蓋体25の円筒部によって二重に覆う構
成となされている。これによりケーシング15の厚さを薄
くして構成することが可能となり、これによっても漏洩
磁束の低減と製作費用の低減とが可能となっている。つ
まり上記ケーシング15の円筒部18を薄く構成しても、上
記蓋体25の円筒部と共に、永久磁石20の外周側で磁束密
度を飽和させない磁路が与えられ、これにより固定子5
側に作用する磁気力が損なわれず、安定した回転駆動力
が得られることとなる。そして上記のように、円筒部18
を薄くし得ることによって、この円筒部18に連なるケー
シング15の取付部17の厚さも当然に薄くなり、その結
果、ケーシング15を磁性体材料で一体的に構成した場合
にも、上記取付部17における磁気抵抗が大きくなるの
で、この取付部17を介する漏洩磁束が低減されることと
なる。そして上記のようなケーシング15は、例えば深絞
用冷間圧延鋼板等を用いて、深絞り加工により円筒部17
と取付部18、さらに中心膨出部16を一体的に製作するこ
とができるので、安価な材料費及び加工費での製作が可
能となる。
さらに上記実施例においては、上記ケーシング15の取
付部17からは、爪状突起27によって永久磁石20を離間し
た状態で取付けており、これによっても上記取付部17を
介しての磁束の漏洩がさらに抑えられる。特に上記爪状
突起27の先端部は半円状に形成されており、したがって
各永久磁石20とは点接触状態で当接する。このように各
永久磁石20の軸方向端面への接触面積を極力小さくする
ことによっても、漏洩磁束が低減される。さらに上記爪
状突起27と、前記した弓状係止片26とは、前記した中性
点の近傍で接するようになされていることによっても漏
洩磁束の低減が図られ、また隣合う異極の永久磁石20間
の位置における上記ケーシング15の取付部17には、上記
弓状係止片26の切起こし跡のスリット開口が半径方向に
延びており、このためこの取付部17を介しての漏洩磁束
がさらに低減する構成となっている。
また上記実施例においては、蓋体25を永久磁石20の軸
方向の固定機能と共に、ケーシング15の円筒部18の軸方
向長さと略同寸の長さを有する円筒部を設けることによ
って、上記のような磁路部材としての機能も兼用する構
成となされており、また前記爪状突起27や弓状係止片2
6、中心膨出部16等も上記取付部17からの切起こし、或
いは深絞りの加工により一体的に形成できるので、さら
に構成を簡素になし得ると共に、製作費の低減が可能と
なっている。
以上の説明のように上記実施例においては、蓋体25を
永久磁石20における中性点より外周側で接するように構
成しているので、この蓋体25を介する磁束の漏洩を生じ
ず、したがって上記蓋体25をケーシング15と共に材料コ
ストの低廉な鋼板等で形成することができ、このため漏
洩磁束の低減された回転子4を安価な費用で製作するこ
とが可能となる。
また上記のファン装置においては、上記中心膨出部16
内に軸受41を設け、この軸受41を介して回転子4を固定
軸6で回転可能に支持する構成である。つまり上記ファ
ンロータ1と回転子4との連結を連結部材3によって軸
心より離れた外周側で行うと共に、その軸心側で上記回
転子4を固定軸6によって回転支持する構成であり、軸
方向スペースが連結と回転支持とで共用される構成であ
るので、軸方向の装置の小形化がさらに可能である。ま
た上記実施例においては、固定子5の固着された固定軸
6の先端側で、回転子4をも回転可能に支持する構成で
あり、従来装置のように固定軸と回転軸とを並設する必
要がないので、構成がさらに簡素になると共に、組立工
数の低減や組立作業性の向上が可能となっている。
なお上記実施例はこの考案を限定するものではなくこ
の考案の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば上記
実施例においては、蓋体25を永久磁石20の端面に接する
固定面37と上記永久磁石20の外周側に位置する円筒部と
を有する形状として構成した例について説明したが、例
えば永久磁石20の端面に接するリング状の平板形状と
し、一方カップ状のケーシングの開口端には半径方向外
方に延びるフランジ部をさらに設けて、このフランジ部
に上記平板状の蓋体をねじ固定する等の構成とすること
等も可能である。また上記ではケーシング15等の材質を
冷間圧延鋼板を例に挙げて説明したが、硅素鋼板等のそ
の他の軟質磁性材料で構成することもできる。さらに上
記は、クロスフローファンを回転駆動するための直流ブ
ラシレスモータ形式のファンモータとして構成した例に
ついての説明であるが、その他の形式の電動機、さらに
は発電機においてこの考案の適用が可能である。
(考案の効果) 上記のようにこの考案の回転電力機においては、永久
磁石の軸方向に固定するための蓋体を、上記永久磁石に
おける異なる磁極間の中性点よりも外側の磁極領域のみ
に接するように構成しているので、各永久磁石の内側円
弧面側における漏洩磁束の発生が抑制でき、したがって
ケーシングと共に上記蓋体を冷間圧延鋼板等の安価な材
料で構成することができるので、漏洩磁束の低減された
回転子等を安価な費用で製作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案を適用してファン装置として構成した
一実施例における装置の要部断面図、第2図は第1図の
II-II線における断面図、第3図は上記ファン装置にお
いて用いた永久磁石の正面図、第4図は上記ファン装置
の分解斜視図、第5図は上記ファン装置におけるファン
ロータの左側板の取付構造を示す断面図、第6図は従来
装置の断面図である。 4……回転子、15……ケーシング、17……取付部、18…
…円筒部、20……永久磁石、25……蓋体。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に略直交する取付部(17)とこの取
    付部(17)の外周縁から軸方向に延びる円筒部(18)と
    を有するケーシング(15)を設け、円弧状に分割構成さ
    れた複数の永久磁石(20・・20)を上記円筒部(18)の
    内周部に沿わせて間隔を置いて配置し、また上記ケーシ
    ング(15)の円筒部(18)の外周部に取付けられると共
    に、上記円筒部(18)の開口部を覆う方向に延びる固定
    面(37)を有する蓋体(25)を設け、この蓋体(25)を
    上記ケーシング(15)の円筒部(18)に取付けることに
    より上記各永久磁石(20)を上記取付部(17)と蓋体
    (25)の固定面(37)との間で挟持して回転子(4)又
    は固定子(5)をいずれかを構成する一方、上記各永久
    磁石(20・・20)の内側円弧面(Si)を上記固定子
    (5)又は回転子(4)のいずれか他方の周側面に対面
    させて成り、さらに上記各永久磁石(20)は半径方向に
    異極が存するよう径方向に着磁し、また上記固定子
    (5)又は回転子(4)の周側面に対面する内側円弧面
    (Si)においては、相隣接する永久磁石(20)の磁極が
    互いに異極になるよう配置した回転電力機であって、上
    記ケーシング(15)と蓋体(25)とを磁性体で構成し、
    さらに上記蓋体(25)においては、その固定面(37)の
    内周縁が、上記永久磁石(20)のケーシング開口側端面
    における内外周面間の中点よりも外周側で上記各永久磁
    石(20)の端面に接するべく構成していることを特徴と
    する回転電力機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60118042A (ja) * 1983-11-30 1985-06-25 Hitachi Ltd 磁石発電機の回転子

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