JPH08313161A - 連続式熱処理炉および被処理物収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 雰囲気ガスの濃度を精密に制御することがで
きるとともに、雰囲気ガスの投入量を抑え、コストダウ
ンを図ることが可能な連続式熱処理および被処理収納容
器を提供する。 【構成】 ローラーハース炉１は、炉本体２と、セラミ
ック製品３を加熱する電熱ヒータ４と、互いに並列配置
されているとともに、セラミック製品３が収納された被
処理物収納容器５を搬送する複数本のハースローラ６と
を備えている。ハースローラ６の両端は、チューブ１０
を介して雰囲気ガス供給源に接続されているとともに、
ハースローラ６の周面には、雰囲気ガス供給源より供給
された雰囲気ガスを被処理物収納容器５に設けられた開
口部１１へ向けて噴出するための雰囲気ガス噴出口１２
が設けられている。また、被処理物収納容器５は、セラ
ミック製品３を収納する匣と蓋部材とからなり、匣の側
壁部には、収納空間へ雰囲気ガスを導くための切欠部が
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、セラミックス
部品などの被処理物を熱処理する際に用いられる連続式
熱処理炉、および被処理物を熱処理する際に被処理物を
収納する被処理物収納容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、被処理物として、セラミック
電子部品などのセラミック製品に対する脱脂、本焼成な
どの熱処理を実行するに際しては、図４で横断面構造を
示すような、一般にローラハース形熱処理炉と呼ばれて
いる連続式熱処理炉（以下、ＲＨ炉という）が用いられ
ている。すなわち、このＲＨ炉は、所定厚みの断熱材か
らなる炉本体２１と、炉内の熱処理空間内を横切る水平
方向に沿って配設され、かつ、炉本体２１の長手方向
（紙面とは垂直の方向）に沿って並列配置された多数本
の筒状のハースローラ２２と、炉本体２１外にまで両端
部が突出した各ハースローラ２２を回転駆動する電動機
などの回転駆動装置２３とを備えて構成されたものであ
る。そして、これらの回転駆動装置２３はハースローラ
２２それぞれの駆動側端部に連結される一方、各ハース
ローラ２２の反駆動側端部は軸受２４によって回転自在
に支持されており、セラミック製品を収容した処理用匣
やプレートなどの被処理物収納容器Ｓはハースローラ２
２の回転動作に伴って熱処理空間内を搬送されていくこ
とになっている。なお、この際、炉本体２１と各ハース
ローラ２２との間には、熱処理空間内を気密封止するた
めの不定形な断熱ファイバー２５などが詰め込まれてい
る。

【０００３】また、このＲＨ炉は、熱処理空間内に雰囲
気ガス（または冷却ガス）Ｇを導入するためのガス導入
管２６と、搬送中の被処理物Ｓを加熱するための電熱ヒ
ータ２７とが、炉本体２１の長手方向（紙面とは垂直の
方向）に沿って、複数個が並列配置されており、炉本体
２１を貫通して熱処理空間内に突出した各ガス導入管２
６の内端は熱処理空間内に向かって開口させられてい
る。されにまた、各電熱ヒータ２７は、ハースローラ２
２の上下位置それぞれに配置されたうえで熱処理空間内
を横切る水平方向に沿って配設されており、熱処理空間
内に導入された雰囲気ガスＧを介しての対流伝熱もしく
は直接的な輻射伝熱によって被処理物収納容器Ｓを加熱
するものとなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このようなＲＨ炉によ
り、セラミック製品を熱処理するには、熱処理空間が脱
脂、本焼成などの各熱処理段階に応じた所望のガス雰囲
気となるよう熱処理空間を、その長手方向に沿って、各
熱処理段階ごとにゾーン分けしなければならないが、前
記従来構造のＲＨ炉においては、熱処理空間全域をガス
雰囲気とする方式であるため、特定のゾーンに供給され
た雰囲気ガスＧが、隣接するゾーンに入り込み、したが
って各ゾーン毎に、ガス雰囲気を精密に制御することが
困難であった。

【０００５】また、ＲＨ炉は、被熱処理物Ｓの搬送手段
としてハースローラ２２を用いる構造上、熱処理空間が
必然的に大きくなることに加え、ハースローラ２２の熱
膨張に伴って断熱ファイバー２５が変形すると、変形し
た断熱ファイバー２５を通じて雰囲気ガスＧが炉体２１
外へ漏れ出すため、従来構造のＲＨ炉のように、炉内空
間全域をガス雰囲気とする方式では、多量の雰囲気ガス
Ｇが必要となり、コストアップの原因となるという問題
があった。

【０００６】本発明は、これらの不都合に鑑みて創案さ
れたものであって、雰囲気ガスの濃度を精密に制御する
ことができるとともに、雰囲気ガスの投入量を抑え、コ
ストダウンを図ることが可能な連続式熱処理炉および被
処理物収納容器を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の連続式熱処理炉
は、内部に熱処理空間を有する炉本体と、被処理物を加
熱する加熱手段と、前記熱処理空間の長手方向に沿って
直交するように、互いに並列配置されているとともに、
被処理物が収納された被処理物収納容器を搬送する複数
本の筒状ローラとを備え、前記筒状ローラの少なくとも
一端は雰囲気ガス供給源に接続されているとともに、前
記筒状ローラの周面には、前記雰囲気ガス供給源がら供
給された雰囲気ガスを、前記被処理物収納容器に設けら
れた開口部へ向けて噴出するためのガス噴出口が設けら
れていることを特徴とする。

【０００８】また、本発明の連続式熱処理炉は、被処理
物が載置される底面部と、底面部の周縁より直立する側
壁部とによって、被処理物を収納する収納空間を形成す
る匣と、前記底面部に対向する位置に前記収納空間を覆
うように設けられた蓋部材とからなり、前記側壁部は前
記蓋部材との接触部に切欠部を有する被処理物収納容器
を備えることを特徴とする。

【０００９】また、本発明の連続式熱処理炉は、蓋部材
が、側壁部に設けられた切欠部を水平方向外側へ越えて
前記収納空間を覆うように前記底面部よりも大きな寸法
を有することを特徴とする。

【００１０】また、本発明の被処理物収納容器は、被処
理物が載置される底面部、および底面部の周縁より直立
する側壁部とによって、被処理物を収納する収納空間を
形成する匣と、前記底面部に対向する位置に、前記収納
空間を覆うように設けられた蓋部材とからなり、前記側
壁部は前記蓋部材との接触部に切欠部を有するととも
に、前記蓋部材は前記開口部を水平方向外側へ越えて前
記収納空間を覆うように、前記底面部よりも大きな寸法
を有することを特徴とする。

【００１１】さらに、本発明の被処理物収納容器は、前
記底面部および前記蓋部材は、方形平板状であるととも
に、前記蓋部材の水平方向に対向する少なくとも１組の
辺の寸法は、これらに対し上下方向に対向する前記底面
部の１組の辺の寸法よりも大きく、前記底面部の各辺よ
り直立する側壁部には切欠部がそれぞれ形成されている
ことを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明の連続式熱処理炉によれば、筒状ローラ
の周面に設けられた雰囲気ガス噴出口より、被処理物収
納容器に設けれた開口部へ向けて、雰囲気ガスを噴出す
ることが可能である。したがって、炉内の熱処理空間を
搬送される被処理物収納容器の内部へは、被処理物収納
容器の近傍にある筒状ローラより常にその熱処理段階に
適した量の雰囲気ガスが供給されることとなる。

【００１３】また、本発明の連続式熱処理炉によれば、
筒状ローラの周面に設けられた雰囲気ガス噴出口より、
被処理物収納容器の内部へ雰囲気ガスを直接的に噴出す
ることが可能であるので、被処理物収納容器内を適当な
濃度の雰囲気ガスで満たせばよく、炉内の熱処理空間の
全域を雰囲気ガスで満たす必要がない。

【００１４】また、本発明の連続式熱処理炉において、
被処理物が載置される底面部と、底面部の周縁より直立
する側壁部とによって、被処理物を収納する収納空間を
形成する匣と、前記底面部に対向する位置に前記収納空
間を覆うよう設けられた蓋部材とからなり、前記側壁部
は前記蓋部材との接触部に切欠部を有する被処理物収納
容器を備える場合には、筒状ローラの周面に設けられた
雰囲気ガス噴出口より、噴出された雰囲気ガスは、匣の
側壁部に設けられた切欠部より、被処理物収納容器の収
納空間に侵入し、収納容器は常に適当な濃度の雰囲気ガ
スにより満たされることとなる。

【００１５】また、本発明の連続式熱処理炉において、
蓋部材が側壁部に設けられた切欠部を水平方向外側へ越
えて前記収納空間を覆うように底面部よりも大きな寸法
を有している場合には、筒状ローラの周面に設けられた
雰囲気ガス噴出口より噴出された雰囲気ガスは、蓋部材
の裏面に沿って、切欠部より、被処理物収納容器の収納
空間へ侵入することとなる。

【００１６】また、本発明の被処理物収納容器によれ
ば、外部より供給される雰囲気ガスは、蓋部材の裏面に
沿って、切欠部より、被処理物収納容器の収納空間へ侵
入するとともに、収納空間は、これを覆う蓋部材によ
り、半密閉状態とされているので、雰囲気ガスの供給量
に応じて適当な雰囲気ガスの濃度を維持することが可能
である。

【００１７】また、本発明の被処理物収納容器におい
て、底面部および蓋部材が、方形平板状であるととも
に、蓋部材の水平方向に対向する少なくとも１組の辺の
寸法は、これらに対し上下方向に対向する底面部の１組
の辺の寸法よりも大きく、前記底面部の各辺より直立す
る側壁部には切欠部がそれぞれ形成されている場合に
は、上下方向に対向する底面部の辺の寸法よりも、大き
な寸法を有する蓋部材の辺が、被処理物収納容器の進行
方向に対し、垂直となるように被処理物収納容器を連続
式熱処理炉の熱処理空間内に配置することにより、外部
から供給される雰囲気ガスは被処理物収納容器の進行方
向に対し、平行となる側壁部に設けられた切欠部より、
蓋部材の裏面に沿って、収納空間内に侵入するととも
に、被処理物収納容器の進行方向に対し、垂直となる側
壁部に設けられた開口部より、収納空間外へ流出するこ
ととなる。

【００１８】

【実施例の説明】以下、本発明の実施例を図面に基づい
て説明する。

【００１９】図１は、本発明の連続式熱処理炉の一実施
例である、ローラーハース炉（以下、ＲＨ炉）１の横断
面構造を示す概略断面図である。このＲＨ炉１は、内部
に熱処理空間を有する炉本体２と、セラミック製品３な
どの被処理物を加熱する加熱手段である電熱ヒータ４
と、熱処理空間の長手方向（紙面とは垂直の方向）に沿
って並列配置されているとともに、セラミック製品３が
収納された被処理物収納容器５を搬送する複数本の筒状
のハースローラ６とを備えている。

【００２０】炉本体２は、所定厚みの断熱材からなり、
その内部に熱処理空間を形成している。

【００２１】電熱ヒータ４は、炉本体２の上端付近およ
び下端付近において、炉本体２を貫通するように、熱処
理空間の長手方向（紙面とは垂直の方向）に沿って、複
数本が並列配置されている。

【００２２】筒状のハースローラ６の両端は、炉本体２
の外部へ突出しており、ハースローラ６の一端は、ハー
スローラ６を回転駆動させる電動機などの回転駆動装置
７に連結され、ハースローラ６の他端は、軸受８によっ
て回転自在に支持されている。また、炉本体２と各ハー
スローラ６との間には、熱処理空間内を気密封止するた
めの不定形な断熱ファイバー９などが詰め込まれてい
る。

【００２３】また、ハースローラ６は、その両端におい
て、図示しない雰囲気ガス供給源に、チューブ１０を介
して、接続され、気密封止されている。

【００２４】ハースローラ６の周面には、ハースローラ
６の内部に雰囲気ガス供給源より、チューブ１０を介し
て供給される雰囲気ガスを、ハースローラ６上に配置さ
れる被処理物収納容器５に設けられた開口部１１へ向け
て噴出するための雰囲気ガス噴出口１２が形成されてい
る。この雰囲気ガス噴出口１２は、ハースローラ６の長
手方向において、被処理物収納容器５が配置される部分
の外側近傍の２箇所において、ハースローラ６の周方向
に連続して、適当な間隔をおいて、複数個が形成されて
いる。また、これらの雰囲気ガス噴出口１２は、ハース
ローラ６の端部側から供給される雰囲気ガスを、被処理
物収納容器５に設けられた開口部１１へ向かわせるた
め、ハースローラ６の内周面側から外周面側へ向かうに
従い、ハースローラ６の長手方向の中央部側へ傾斜して
いる。

【００２５】次にハースローラ６上に設けられる被処理
物収納容器５について詳述する。

【００２６】図２および図３は、本発明の被処理物収納
容器５の一実施例を示す概略斜視図である。この被処理
物収納容器５は、被処理物が載置される正方形状または
長方形状の底面部１３およびこの底面部１３の周縁より
直立する側壁部１４によって、被処理物を収納する収納
空間を形成する匣１５と、底面部１３に対向する位置
に、匣１５の収納空間を覆うように設けられた長方形平
板状の蓋部材１６とからなる。図２は、匣１５と蓋部材
１６とを組み合わせた状態を示す概略斜視図であり、図
３は匣１５と蓋部材１６とを分離した状態を示す概略斜
視図である。ＲＨ炉１の熱処理空間内で、脱脂や本焼成
等の熱処理を行なう際には、図２に示す状態で使用し、
熱処理前において被処理物の匣詰めを行なう際および熱
処理後に熱処理物を取り出す際には図３に示す状態で使
用する。

【００２７】底面部１３の各辺より直立する側壁部１４
には、蓋部材１６と接触する部分にそれぞれ切欠部１７
が形成されている。

【００２８】蓋部材１６の、水平方向に対向する１組の
辺１６ａ、１６ｂの寸法は、これらに対し上下方向にお
いて対向する匣１５の底面部１３の１組の辺１３ａ、１
３ｂの寸法と略同一である。また、蓋部材１６の水平方
向に対向する他の１組の辺１６ｃ、１６ｄの寸法は、こ
れらに対し上下方向において対向する匣１５の底面部１
３の１組の辺１３ｃ、１３ｄの寸法よりも大きい。した
がって、蓋部材１６は、匣１５ａの水平方向に対向する
１組の側壁部にそれぞれ形成された１組の切欠部１７
ａ、１７ｂを水平方向外側へ越えて匣１５の収納空間を
覆うこととなる。

【００２９】次に、本発明の連続式熱処理炉および被処
理物収納容器を用いての、被処理物の熱処理方法につい
て説明する。

【００３０】まず、被処理物３が収納された被処理物収
納容器５を熱処理空間の始端部に設けられたハースロー
ラ６上に載置する。このとき、被処理物収納容器５を、
ハースローラ６の長手方向の２ヵ所に設けられた雰囲気
ガス噴出口１２の間に載置するとともに、匣１５の底面
部１３の１組の辺１３ｃ、１３ｄよりも大きい寸法を有
する蓋部材１６の１組の辺１６ｃ、１６ｄが、ハースロ
ーラ６の長手方向と平行になるように載置する。

【００３１】ハースローラ６上の被処理物収納容器５
は、回転駆動装置７によるハースローラ６の回転によっ
て、ＲＨ炉１の熱処理空間内をその終端部まで搬送され
る。ハースローラ６によって搬送される被処理収納容器
５内の被処理物３は、熱処理空間の長手方向に沿って設
けられた複数本の電熱ヒータ４によって、所定のプロフ
ァイルで脱脂、本焼成等の熱処理が行なわれる。また、
熱処理空間の長手方向に沿って設けられたハースローラ
６の、周面に設けられた雰囲気ガス噴出口１２より噴出
される雰囲気ガスは、蓋部材１６の裏面に沿って、ハー
スローラ６の長手方向とは垂直（被処理物収納容器５の
進行方向と平行）となる側壁部１４に設けられた切欠部
１７ａ、１７ｂより収納空間内に侵入し、一定時間滞留
した後、ハースローラ６の長手方向とは平行（被処理物
収納容器５の進行方向と垂直）となる側壁部１４に設け
られた切欠部１７ｃ、１７ｄより流出することになる。
したがって、搬送中の被処理収納容器の収納空間内は、
常に脱脂、本焼成などの各熱処理段階に応じた所望のガ
ス雰囲気で満たされていることとなる。

【００３２】以上のように、本発明の連続式熱処理炉及
び被処理物収納容器について、一実施例に基づいて詳述
したが、本発明はこのような一実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能で
ある。

【００３３】例えば、上記実施例においては、雰囲気ガ
ス噴出口１２は、ハースローラ６の長手方向において、
被処理物収納容器５が載置される部分の両側２ヵ所に設
けることとしたが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、両側４ヵ所、６ヵ所、８ヵ所 ・・・であってもよ
い。この場合、雰囲気ガス噴出口１２のそれぞれから噴
出された雰囲気ガスを、被処理物収納容器５の開口部１
１に向わせるためには、各雰囲気ガス噴出口１２の傾斜
角を調整すればよい。

【００３４】また、必ずしも複数のハースローラ６の全
てに、雰囲気ガス噴出口１２を設ける必要はなく、一定
の間隔おきに設けてもよい。

【００３５】また、上記実施例においては、蓋部材１６
の１組の辺１６ｃ、１６ｄの寸法が、これに対向する匣
１５の底面部の１組の辺１３ｃ、１３ｄの寸法より大き
いとしたが、２組の辺の寸法がいずれも、これに対向す
る底面部の辺の寸法よりも大きくてもよい。

【００３６】また、匣１５の側壁部１４に設ける切欠部
１７の形状や形成ヵ所についても、適宜設定することが
できる。

【００３７】さらに、上記の実施例においては、ハース
ローラ６の両端より、チューブ１０により雰囲気ガス供
給源に接続することとしたが、設備を簡略化するために
は、ハースローラ６の一端を雰囲気ガス供給源に接続
し、他端を閉塞することも可能である。但、被処理物収
納容器５の進行方向両側より均一に雰囲気ガスを供給す
ることを考慮すると、上記実施例のように設定する方が
好ましい。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の連続式熱
処理炉および被処理物収納容器によれば、雰囲気ガスの
濃度を精密に制御することができるとともに、雰囲気ガ
スの投入量を抑え、コストダウンを図ることが可能とな
る。

【００３９】また、本発明の連続式熱処理炉は、被処理
物が載置される底面部と、底面部の周縁より直立する側
壁部とによって、被処理物を収納する収納空間を形成す
る匣と、前記底面分に対向する位置に前記収納空間を覆
うよう設けられた平板状の蓋部材とからなり、前記側壁
部は前記蓋部材との接触部に切欠部を有する被処理物収
納容器を備えていることが望ましい。

【００４０】また、本発明の連続式熱処理炉は、蓋部材
が側壁部に設けられた開口部を水平方向外側へ越えて前
記収納空間を覆うように底面部よりも大きな寸法を有し
ていることがより望ましい。

【００４１】また、本発明の被処理物収納容器は、底面
部および蓋部材が、方形平板状であるとともに、蓋部材
の水平方向に対向する少なくとも１組の辺の寸法は、こ
れらに対し上下方向に対向する底面部の１組の辺の寸法
よりも大きく、前記底面部の各辺より直立する側壁部に
は開口部がそれぞれ形成されていることが望ましい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るＲＨ炉の横断面構造を
示す概略断面図である。

【図２】本発明の一実施例に係る被処理物収納容器であ
って、匣と蓋部材とが組み合わされた状態を示す斜視図
である。

【図３】本発明の一実施例に係る被処理物収納容器であ
って、匣と蓋部材とが分離された状態を示す斜視図であ
る。

【図４】本発明の従来例に係るＲＨ炉の横断面構造を示
す概略断面図である。

【符号の説明】

１ ＲＨ炉 ２ 炉本体 ３ セラミック製品（被処理物） ４ 電熱ヒータ（加熱手段） ５ 被処理物収納容器 ６ ハースローラ（筒状ローラー） ７ 回転駆動装置 １１ 開口部 １２ 雰囲気ガス噴出口 １３ 底面部 １４ 側壁部 １５ 匣 １６ 蓋部材 １７ 切欠部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に熱処理空間を有する炉本体と、 被処理物を加熱する加熱手段と、 前記熱処理空間の長手方向に沿って直交するように、互
   いに並列配置されているとともに、被処理物が収納され
   た被処理物収納容器を搬送する複数本の筒状ローラとを
   備え、 前記筒状ローラの少なくとも一端は雰囲気ガス供給源に
   接続されているとともに、前記筒状ローラの周面には、
   前記雰囲気ガス供給源から供給された雰囲気ガスを、前
   記被処理物収納容器に設けられた開口部へ向けて噴出す
   るための雰囲気ガス噴出口が設けられていることを特徴
   とする連続式熱処理炉。
2. 【請求項２】 被処理物収納容器を備えることを特徴と
   する請求項１に記載の連続式熱処理炉であって、 前記被処理物収納容器は、被処理物が載置される底面部
   と、底面部の周縁より直立する側壁部とによって、被処
   理物を収納する収納空間を形成する匣と、 前記底面部に対向する位置に前記収納空間を覆うように
   設けられた蓋部材とからなり、 前記側壁部は前記蓋部材との接触部に切欠部を有する。
3. 【請求項３】 前記蓋部材は、前記側壁部に設けられた
   前記切欠部を水平方向外側へ越えて前記収納空間を覆う
   ように前記底面部よりも大きな寸法を有することを特徴
   とする請求項２に記載の連続式熱処理炉。
4. 【請求項４】 連続式熱処理炉により、被処理物を熱処
   理する際に用いられる被処理物収納容器であって、 被処理物が載置される底面部および底面部の周縁より直
   立する側壁部とによって、被処理物を収納する収納空間
   を形成する匣と、 前記底面部に対向する位置に、前記収納空間を覆うよう
   に設けられた蓋部材とからなり、 前記側壁部は前記蓋部材との接触部に切欠部を有すると
   ともに、前記蓋部材は前記切欠部を水平方向外側へ越え
   て前記収納空間を覆うように、前記底面部よりも大きな
   寸法を有することを特徴とする被処理物収納容器。
5. 【請求項５】 前記底面部および前記蓋部材は、方形平
   板状であるとともに、前記蓋部材の水平方向に対向する
   少なくとも一組の辺の寸法は、これらに対し上下方向に
   対向する前記底面部の一組の辺の寸法よりも大きく、前
   記底面部の各辺より直立する側壁部には切欠部がそれぞ
   れ形成されていることを特徴とする請求項４に記載の被
   処理物収納容器。