JPH08312121A - 壁部への配線・配管類の収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気密・断熱性を損なうことのない壁部分への
配線・配管類の収納装置を提供する。 【構成】 軸組の外側に断熱層を設けた外断熱構造にお
いて、その断熱層の内側に空間(19)を設けて、電気配線
(20)やガス管類を収容するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、住宅などの建築物に
おいて、室内へ供給される電気・ガスなどの配線・配管
類の収納装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】住宅やその他の建築物において、居室内
で使用する電気器具やガス器具をつなぐためのコンセン
ト或いはコネクタを、その居室の壁面へ配置する場合、
これらのコンセントやコネクタを壁面へ埋め込み状に取
り付けるとともに、配線及び配管を壁面内を通すように
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、上記のよ
うに、配線や配管を通した壁には、それらの配線類を通
す空間やコンセント及びコネクタのための開口が形成さ
れることになるが、断熱構造の壁を用いたものでは、こ
の断熱壁にそのような空間及び開口が形成されることと
なって、気密・断熱性能が低下し、また、その結果とし
て壁内に結露が発生しやすくなる欠点がある。

【０００４】この発明は、このような従来の欠点を解消
して、気密・断熱性を損なうことのない壁部分への配線
・配管類の収納装置を提供することを目的とするもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、柱・梁等からなる軸組の外側に断熱
層を設けるとともに、前記断熱層の内側の前記軸組構成
材によって囲まれる空間を、配線及び配管類を収納する
収納空間として、この空間の室内側を内壁板で覆ってな
ることを特徴とするものである。

【０００６】また、内壁板は、断熱層の内側に内壁枠を
取り付けて、この内壁の室内側の面に取り付けることが
考えられる。

【０００７】

【作用】上記のように、断熱層よりも内側に配線・配管
類の収納空間が設けられるので、断熱層の断熱性能を損
なうことがない。

【０００８】

【実施例】図１において、(１)は、コンクリートの布基
礎であって、図３でも示すように、この布基礎(１)の天
端に防腐処理を施した木製の土台(２)が設置されてい
る。図２及び図３に示す(３)は、同じく木材製の通し柱
であり、前記土台(２)の上面にその下端部分を固着され
るものである。通し柱(３)には、図１のような胴差(４)
の端部が取付けられて、これらによって、木造の骨組が
構成されるようになっている。

【０００９】図１〜図３において、(５)が外壁パネルで
あって、この外壁パネル(５)は、発泡ポリスチレンの芯
材(６)の表面に構造用合板からなる表面材(７)(７)と石
膏ボード(10)を張り付けたサンドイッチ構造のストレス
トスキンパネルであって、前記土台(２)、通し柱(３)及
び胴差(４)からなる骨組の外側に、この外壁パネル(５)
の外側から、枠材(８)を介するか又は直接にねじ込んだ
ボルト(９)によって固定するようにしている。

【００１０】この場合、骨組部分とこの外壁パネル(５)
との間には、気密シート(11)が介装されている。同じく
外壁パネル(５)の外側には、外気が流通するための流通
空間(12)をおいて、外装材(13)が、図２で示すように、
外壁パネル(15)の外側面に取付け枠材(24)を介して取付
けられている。なお、外壁パネル(５)の外側面には、そ
の表面材(７)の外表面に透湿性の防水シート(14)が張り
付けてある。

【００１１】前記胴差(４)と土台(２)との間における外
壁パネル(５)の内側には、気密シート(16)の表面側に内
壁枠(17)(17)が、それら外壁パネル(５)、胴差(４)及び
土台(２)へ打ちつけられて取付けられるとともに、この
内壁枠(17)の室内側の面に石膏ボードからなる内壁下地
板(18)が張り付けられている。

【００１２】そして、この内壁下地板(18)と内壁枠(17)
(17)及び外壁パネル(５)とによって形成される空間(19)
が、電気配線或いはガス管等の各種配線・配管の配置空
間となるものである。たとえば、電気配線(20)は、空間
(19)内に収納されて張り巡らされ、内壁下地板(18)に形
成される開口(22)にコンセント(21)が取り付けられてい
る。なお、図示していないがガス配管及びそのコネクタ
なども同様に構成される。したがって、断熱構造を有す
る外壁パネル(５)には、それら配線(20)や配管用の穴を
設ける必要がなく、気密・断熱性が損なわれるという虞
がない。

【００１３】なお、土台(２)の上面には、内壁下地板(1
8)の内側において、ストレストスキンパネルからなる床
パネル(23)が設置される。

【００１４】(26)は、同様に外壁パネル(５)と同一構造
のストレストスキン断熱パネルからなる屋根パネルあっ
て、その上に前記と同様の通気空間(27)をおいて、野地
板(28)、屋根材(29)等からなる屋根が葺かれている。

【００１５】

【発明の効果】上記のように、この発明によれば、断熱
板からなる外壁パネルの等の断熱層内側に空間を設けて
配線・配管類の収納空間としているから、それら配線や
配管のための空間或いは開口を断熱層に形成する必要が
なく、気密・断熱性に優れたものが得られるという効果
がある。

【００１６】また、断熱層は軸組の外側にある外断熱構
造であり、室内側に断熱層を設ける内断熱に比較して、
室内のスペースを狭くすることがなく、また、内壁部分
と室内との温度差が少ないので、この部分の結露の発生
を防止できるという効果がある。

【００１７】しかも、上記配線・配管類の収納空間は、
軸組構成部材に囲まれる空間部分に設けているので、こ
の空間のために不当に室内が狭くなるという不都合がな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す建物の外壁の要部縦断
面図である。

【図２】同じく外壁の要部横断面図である。

【図３】同じく布基礎部分における外壁と床の取付け構
造を示す要部切欠斜視図である。

【符号の説明】

(５) 外壁パネル (17) 内壁枠 (18) 内壁下地材 (19) 配線類の収納空間 (20) 電気配線 (21) コンセント

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 2/56 ６０５ Ｅ０４Ｂ 2/56 ６０５Ｚ ６１１ ６１１Ｃ ６２２ ６２２Ｃ ６２２Ｈ ６３２ ６３２Ｄ ６３２Ｂ ６３２Ｈ ６４１ ６４１Ｇ ６４５ ６４５Ｃ ６４５Ｂ Ｈ０２Ｇ 3/28 Ｈ０２Ｇ 3/28 Ｂ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柱・梁等からなる軸組の外側に断熱層を
   設けるとともに、前記断熱層の内側の前記軸組構成材に
   よって囲まれる空間を、配線及び配管類を収納する収納
   空間として、この空間の室内側を内壁板で覆ってなるこ
   とを特徴とする壁部への配線・配管類の収納装置。
2. 【請求項２】 断熱層の内側に内壁枠を取り付けて、こ
   の内壁の室内側の面に内壁板を取り付けた請求項１の壁
   部への配線・配管類の収納装置。