JPH08311560A - 方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方法

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JPH08311560A
JPH08311560A JP11734695A JP11734695A JPH08311560A JP H08311560 A JPH08311560 A JP H08311560A JP 11734695 A JP11734695 A JP 11734695A JP 11734695 A JP11734695 A JP 11734695A JP H08311560 A JPH08311560 A JP H08311560A
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JP
Japan
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coil
temperature
steel sheet
electrical steel
oriented electrical
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Withdrawn
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JP11734695A
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English (en)
Inventor
Kenichi Yatsugayo
健一 八ケ代
Maremizu Ishibashi
希瑞 石橋
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】方向性電磁鋼板のコイル長手方向の磁性均一化
方法を提供する。 【構成】昇温速度均一化を図りたい温度域より50℃以
内低温側において一旦保定処理を行い、コイル内の最熱
点と最冷点の温度差ΔTが、目標とする昇温速度V、コ
イルの熱伝導度λ、熱容量C、密度ρ、コイル高さH、
コイル肉厚Wから求まる値 ΔT=a×(H/2×0.7+W/2×0.3)2 a =V×C×ρ/λ となった時点で、目標速度で再昇温を開始する焼鈍方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性がコイル長手方向
に均一に得られる方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、主にトランス、発電
機等の電気機器の鉄芯材料として使用され、磁気特性に
優れることが要求される。通常、方向性電磁鋼板は、S
iを2〜4%含有する珪素鋼スラブを熱間圧延し、熱延
板焼鈍し、その後の冷間圧延により所望の板厚とし、次
いで脱炭焼鈍で脱炭と一次再結晶をなし、更に窒化によ
りインヒビターを造り込み、最後に仕上焼鈍にて二次再
結晶を発現させることで磁性の造り込みを行っている。
【0003】二次再結晶は、目標とする磁化容易軸が圧
延面に平行に揃うよう、所謂ゴス方位のみを選択的に成
長させる操作であり、このゴス方位が優先成長する温度
域まで、結晶粒の成長をインヒビターにより抑制し、目
標温度域でインヒビターの熱分解により徐々に粒を成長
させることで達成される。従ってインヒビターの分解速
度や結晶粒の成長速度を規定する二次再結晶時のコイル
の昇温速度は、結晶方位の選択性に影響する結果、磁性
の優劣に影響する重要な因子であり、従来よりその昇温
速度自体を適正化して磁性のレベルアップを図ることが
試みられている。
【0004】例えば、特開昭54−40227号公報で
は、二次再結晶が進行する900〜1050℃の間を徐
加熱することで磁束密度の向上が図れることが開示され
ている。しかしながら、現状、仕上焼鈍はコイル状でな
されることから、その内部には温度偏差が生じる等、コ
イル内外で焼鈍条件が大きく異なるにも関わらず、二次
再結晶発現時のコイル内昇温速度の均一化には、十分な
配慮がなされることなく焼鈍サイクルが決定されてい
る。その結果、コイル長手方向に磁性格差が生じるた
め、コイルを磁性グレード別に切り分けて出荷せねばな
らない等、生産上の問題が生じることとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は二次再結晶時
の方位選択性に影響するコイルの二次再結晶時の昇温速
度を、コイルの寸法等を加味しつつ、コイル内のいかな
る点でも同一とできるヒートサイクルの設定方法の確立
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、方向性
電磁鋼板の製造方法において、仕上焼鈍を施すに当た
り、コイル内全点の昇温速度を均一化したい温度領域の
下限温度において一旦保定処理を施し、コイル内の最熱
点と最冷点の温度差ΔTが、目標とする昇温速度V、コ
イルの熱伝導率λ、熱容量C、密度ρ、コイル高さH、
コイル肉厚Wから求まる値、となった時点で目標速度で
炉の再昇温を開始することを特徴とする焼鈍方法であ
る。ΔTは、望ましくはΔT=a×(H/2×0.7+
W/2×0.3)2 、a=V×C×ρ/λである。
【0007】以下本発明について詳細に説明する。先ず
コイル内の温度上昇を均一化する場合のコイル内温度の
分布状態について一次元的に考察した。コイル内の微小
部がこの昇温速度V=dT/dθ(T:温度、θ:時
間)で上昇している場合、次の熱収支が成り立つ。 V×C×ρ×dx=λ×(dT/dx|x=0 −dT/dx|x=dx) =λ×d2 T/dx2 ×dx ここに、C:コイルの比熱、ρ:コイルの密度、x:距
離、λ:コイルの熱伝導率である。従って、コイル内の
全点で昇温速度を一定とできた場合には、 d2 T/dx2 =a (a:定数) となり、コイル内の温度勾配の位置的変化率が一定とな
ることが分かる。
【0008】これより、昇温速度均一時のコイル内温度
分布は次の放物線分布となる。 T=a×X2 +b (b:定数) 従って、コイル代表寸法をLとすると、コイル最外周、
最熱点温度a×L2 +bに対し、コイル内の最冷点温度
は、bとなり、昇温速度を均一化できた場合にコイル内
最熱点と最冷点温度の差ΔTは ΔT=a×L2 となることが分かる。更にaは、先の熱収支の関係式よ
り次式のように規定される。 a=V×C×ρ/λ
【0009】以上の考察より、二次再結晶温度域100
0〜1100℃でコイル内の昇温速度を均一化する方法
としては、この温度域に入る前に、コイル内の最熱点と
最冷点の温度差が、先に述べた計算式群から求まる値Δ
T=a×L2 となるよう、一旦保定処理を行った後、目
標昇温速度Vで再昇温を開始することが最も効率的であ
ると考えた。しかし実際のコイルは二次元的な伝熱が生
じており且つ、コイル板間には、熱伝導率の小さいMg
Oが塗布されており、コイル縦方向と横方向で伝熱特性
が異なる等の理論検討との差異があることから、実際の
コイル内伝熱をシミュレーションし得る二次元のコイル
内伝熱モデルを作成し、先の昇温速度均一化の考え方の
実コイルへの適用方法を検討した。
【0010】その結果、コイルの代表寸法を次のように
決めることで、寸法の異なるコイルに対しても普遍的に
上述の考え方が適用できることを確認した。即ち、 L=H/2×0.7+W/2×0.3 ここに、H:コイル高さ、W:コイル肉厚である。
【0011】この関係式は、コイル内部の温度上昇は、
MgOによる伝熱抵抗層のあるコイル肉厚方向の熱伝導
よりも、コイル高さ方向の鋼板内の熱伝導による熱供給
が支配的であることを示している。従って、実コイルの
場合の、再昇温開始の目安となる温度差ΔTは、 ΔT=a×(H/2×0.7+W/2×0.3)2 となる。
【0012】また、一旦保定する温度レベルについて
は、昇温速度均一化を図りたい温度レベル下限において
保定しても、再昇温を開始した際のコイル内全点の昇温
速度均一化効果は、十分であることも確認した。尚、保
定時間については、保定温度までのヒートサイクルが特
定されれば、コイル寸法との関係においてこれを定量化
できるが、現時点では、保定までの温度レベルとその後
の昇温速度等の与条件に応じて、先の伝熱モデルより最
冷点と最熱点温度の挙動をシミュレーションして保定時
間を決定することとなる。
【0013】
【実施例】C:0.055%、Si:3.22%、M
n:0.016%、S:0.007%、Al:0.02
69%、N:0.008%、Sn:0.017%とその
他鉄分及び不可避的不純物からなるスラブを1220℃
で加熱して、2.3mmに熱間圧延し、これを熱延板焼鈍
後0.3mmに冷延し、脱炭処理と窒化を施してMgOを
塗布したコイル(高さ1000mm、肉厚400mm)を2
組用意した。これらの仕上焼鈍を行うに当たり、1組は
図1に示す従来の仕上焼鈍サイクルで処理した。
【0014】また、もう1組は1000〜1100℃域
でのコイル内昇温速度を均一化する目的でヒートサイク
ルを図2のように決定した。即ち先ず最熱点と最冷点の
温度差の目標ΔTを、コイルの昇温速度目標V=10℃
/Hr、熱伝導率λ=20kcal/m/Hr/℃、熱容量C=
0.15kcal/kg/℃、密度ρ=7650kg/m3 、コ
イル高さH=1m、コイル肉厚W=0.4mを用いて次
のように計算した。
【0015】 a =V×C×ρ/λ=574℃/m2 ΔT=a×(H/2×0.7+W/2×0.3)2 =96.5℃
【0016】次に、1000℃までのヒートサイクルを
基に最熱点と最冷点の温度挙動を伝熱モデルによるシミ
ュレーションから、その温度差約100℃とするための
保定時間、約17Hrを求めた。従って1000℃で17
Hr保定後目標昇温速度10℃/Hrで昇温する焼鈍処理を
実施した。これら2つのヒートサイクルにより焼鈍した
際の各コイルの最熱点及び最冷点の1000〜1100
℃域の昇温速度実測値と焼鈍後の磁性のコイル長手方向
の変動を実測した結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】現状サイクルでの焼鈍の場合、最熱点と最
冷点の昇温速度に差異が見られ、その結果としてコイル
長手方向の磁性に変動が生じたと考えられるのに対し、
本発明に基づくヒートサイクルを用いた場合は、コイル
内最熱点と最冷点の昇温速度がほぼ等しくできており、
磁性の均一化を図ることが可能となった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、コイル長手方向に磁性
の均一な方向性電磁鋼板を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において現状の焼鈍のヒートサ
イクルを示すグラフ。
【図2】本発明の実施例において本発明に基づいて求め
た焼鈍のヒートサイクルを示すグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性電磁鋼板の仕上焼鈍を行うに当た
    り、コイル内全点の昇温速度を均一化したい温度領域の
    下限温度で一旦、温度保定処理を施し、コイル内の最熱
    点と最冷点の温度差が、目標昇温速度、コイルの熱伝導
    率、熱容量、密度、コイル高さ、コイル肉厚を基に予め
    求めた値となった時点で目標昇温速度で炉の再昇温を開
    始することを特徴とする方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方
    法。
  2. 【請求項2】 方向性電磁鋼板の仕上焼鈍を行うに当た
    り、コイル内全点の昇温速度を均一化したい温度領域の
    下限温度で一旦温度保定処理を施し、コイル内の最熱点
    と最冷点の温度差が、目標とする昇温速度V、コイルの
    熱伝導率λ、熱容量C、密度ρ、コイル高さH、コイル
    肉厚Wから求まる値。 ΔT=a×(H/2×0.7+W/2×0.3)2 但し、a=V×C×ρ/λ となった時点で目標昇温速度で炉の再昇温を開始するこ
    とを特徴とする方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方法。
JP11734695A 1995-05-16 1995-05-16 方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方法 Withdrawn JPH08311560A (ja)

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