JPH08311485A - ポリ不飽和脂肪酸に富んだトリグリセリド - Google Patents

ポリ不飽和脂肪酸に富んだトリグリセリド

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JPH08311485A
JPH08311485A JP8129107A JP12910796A JPH08311485A JP H08311485 A JPH08311485 A JP H08311485A JP 8129107 A JP8129107 A JP 8129107A JP 12910796 A JP12910796 A JP 12910796A JP H08311485 A JPH08311485 A JP H08311485A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い酸化安定性、より健康的であること、低
いカロリー、構造化特性、及び消化性のような多くの利
点を示す脂肪組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも2種の長鎖ポリ不飽和脂肪酸
1 及びL2 を含み、そのうちの一方は少なくとも20重
量%の量で存在し、かつL1 :L2 の重量比率は少なく
とも2であるトリグリセリドであって、前記トリグリセ
リドは少なくとも2重量%2〜12及び/又は20〜24個の
炭素原子を有する飽和脂肪酸も含み、一方、前記トリグ
リセリド組成物は10重量%より多くの16〜18個の炭素原
子を有する飽和脂肪酸を含まず、飽和C2 〜C12又はC
20〜C24脂肪酸残基の少なくとも5重量%は少なくとも
1 及び/又はL2 が存在するトリグリセリド分子上で
結合している、トリグリセリド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ不飽和脂肪酸
に富んだトリグリセリドに関する。
【0002】
【従来の技術】欧州特許第265 699号によれば、
脂肪が、2−位において特定量のC8〜C14脂肪酸残基
を有し、かつC18又はより高級の脂肪酸の残基が1,3
−位において結合しているトリグリセリドから成る場
合、優れた消化性と吸収性を有する脂肪が得られる。C
18又はより高級の脂肪酸の典型的例は、アラキドン酸、
エイコサペンテン酸、及びドデカヘキセン酸のようなポ
リ不飽和脂肪酸である。しかしながら、脂肪中において
飽和脂肪酸残基と少なくとも2つの異なる長鎖ポリ不飽
和脂肪酸残基とを組み合わせた脂肪組成物については何
も開示されていない。国際公開パンフレットWO 90
/04012には、1,3−位において飽和C8 /C10
脂肪酸残基を含み、同時に2−位においてポリ不飽和脂
肪酸残基(特にDHA)を含むトリグリセリドが、特に
腸溶性又は非経口的目的において、好ましい栄養学的特
性を有することが記載されている。しかしながら、ここ
でも、脂肪中において特定量の飽和脂肪酸残基と2つの
異なる不飽和脂肪酸残基とを含む脂肪組成物は開示され
ていない。
【0003】国際公開パンフレットWO 94/000
44から、未硬化魚油を含む脂肪ブレンドがかなりの健
康面での利点を有することが知られている。魚油はしば
しばかなりの量の2種の異なるポリ不飽和脂肪酸、例え
ば、DHA及びEPAを含む。しかしながら、魚油は、
低い酸化安定性(例えば、環境温度での貯蔵中に風味の
変化として知覚される)のような多くの欠点を有するこ
とも知られている。さらに、魚油は構造化特性(structu
ring properties)を有しておらず、そのため、食品中に
おける脂肪の使用を可能にするのに望ましい性能を脂肪
組成物に与えるために構造化剤が必要とされる脂肪組成
物中において魚油を使用するのが難しくなる。
【0004】Bioscience Biotechn. Biochem. 57 (12)
1993、2202〜2024頁のEndo c.sから、サーディン油への
ミリスチン酸基の組み入れがわずかに改善された酸化速
度を有する生成物をもたらすが、サーディン油へのステ
アリン酸の組み入れが酸化速度にほとんど影響を与えな
いことが知られている。飽和脂肪酸のこの組み込みは、
カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea) 又は
リポジム(lypozyme)を酵素として使用して、酵素プロセ
スによって行われる。約8%のDHA及び12%のEPA
を有するサーディン油から出発して、長鎖ポリ不飽和脂
肪酸の総量が減少した生成物(C14:0が組み入れられた
場合約11%、ステアリン酸が組み入れられた場合約17.5
%)が得られることが教示されている。
【0005】従って、上述の文献は、少なくとも2%の
飽和C2 〜C12又はC20〜C24脂肪酸と組み合わされた
少なくとも20重量%の最も豊富な長鎖ポリ不飽和脂肪酸
を含むトリグリセリドを開示していない。
【0006】米国特許第5,151,291 号には、EPAに富
みさらに「高級脂肪酸残基(higherfatty acid residue
s」も含むトリグリセリドが開示されている。高級脂肪
酸残基は少なくと14個の炭素原子を有する飽和脂肪酸と
して定義されているが、DHAのそのようなものとして
考えられた。得られた生成物は、マーガリン脂肪として
適切であるためには、高いEPA濃度と高い融点を結合
させなければならない。上記の要件のために、トリグリ
セリド生成物は、少なくとも2%の飽和C2 〜C12又は
20〜C24脂肪酸をトリグリセリド中に存在させなが
ら、20%より多くの最も豊富な長鎖ポリ不飽和脂肪酸の
濃度を2番目に豊富な長鎖ポリ不飽和脂肪酸の存在とを
2より大きいこれら2つの長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LC
PUFA)の比率で組み合わせるものでは決してない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、比較的
多量のポリ不飽和脂肪酸の存在による有利な効果を保持
しながら、公知の脂肪組成物の欠点を克服できる脂肪組
成物が存在するかどうかを見出だすために研究を行っ
た。この研究は新規な脂肪の発見をもたらした。この新
規な脂肪は以下の好ましい製品特性を組み合わせる:本
発明の新規な脂肪は、同じ組成を有するが、本発明の濃
度の存在する飽和脂肪酸を含まないトリグリセリドより
も良好な酸化安定性を示す;本発明の新規な脂肪は、特
に幼児によって消費されるとき、脳の発達に対して良好
である。この効果は、本発明の脂肪中のドデカヘキセン
酸(DHA)の比較的高い濃度による;本発明の新規な
脂肪は、比較的高い濃度のエイコサペンテン酸(EP
A)も含み、EPAの心臓病に対する効果により、本発
明の脂肪はより健康的である;本発明の新規な脂肪はよ
り低い熱発生挙動を示す。これは、これは短鎖飽和脂肪
酸の存在によるものであり、短鎖飽和脂肪酸は本発明の
脂肪の分子量を減少させそれによって同時にそのカロリ
ー含有率を減少させる。ベヘン酸のような長鎖飽和脂肪
酸を含む脂肪は、人体による脂肪の吸収が少なく、従っ
て、減少した消化性を示す;本発明の新規な脂肪は、飽
和脂肪酸を含まない脂肪よりも良好な構造化特性を示
す;本発明の新規な脂肪は、エステル交換反応、特に酵
素によるエステル交換の結果として得ることができ、そ
れによって公知の脂肪よりも良好なトリグリセリド分布
を有する脂肪が得られる。同時に、本発明の脂肪は三飽
和トリグリセリドをほとんど含んでいないので、改善さ
れた溶融挙動を示す;本発明のエステル交換脂肪はポリ
不飽和脂肪酸のより良好な消化を与える。なぜならば、
短いか又は中程度の長さの脂肪酸とのエステル交換の結
果として、三ポリ不飽和トリグリセリドが本発明の脂肪
中にほとんど存在しないからである。
【0008】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の有利な効果の1つ以上を示す新規な脂肪に関する。本
発明の新規な脂肪はトリグリセリド組成物によって表わ
すことができ、少なくとも2種の長鎖ポリ不飽和脂肪酸
1 及びL2 を含み、L1 とL2 の両方が少なくとも3
つの不飽和を有し少なくとも20の炭素原子を有し、それ
からL1 は最も豊富でありL2 は2番目に豊富であり、
前記トリグリセリド組成物は少なくとも20重量%のL1
を含み、かつL1 :L2 の重量比率は少なくとも2であ
り、また前記トリグリセリド組成物は少なくとも2重量
%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少
なくとも15重量%、最も好ましくは少なくとも30重量%
の、2〜12及び/又は20〜24個の炭素原子を有する飽和
脂肪酸を含み、一方、前記トリグリセリド組成物は10重
量%より多くの16〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪酸
を含まず、飽和C2 〜C12又はC20〜C24脂肪酸残基の
少なくとも5重量%は少なくともL1 及び/又はL2
存在するトリグリセリド分子上で結合している。
【0009】
【発明の実施の形態】好ましい脂肪は、L1 の量が30重
量%よりも多くかつ重量比L1 :L2 は少なくとも3で
ある請求項2のトリグリセリド、又はL1 の量が少なく
とも40重量%でありかつ重量比L1 :L2 は少なくとも
3.5 である請求項3の組成物である。
【0010】最も好ましいC2 〜C12飽和脂肪酸は、酢
酸、酪酸、オクタン酸、及びラウリン酸である。比較的
低濃度のC16〜C18飽和脂肪酸を有する脂肪が得られる
ことが判明した。C16〜C18飽和脂肪酸濃度が8重量%
より低いのが有利であり、5重量%より低いのが特に有
利である。
【0011】最も豊富なポリ不飽和脂肪酸LはDHA
(=C22:6)であるのが好ましい。2番目に豊富なポリ
不飽和脂肪酸はEPA(C20:5)であるのが有利であ
る。L1=EPAでL2 =DHAのとき、非常に有用な
トリグリセリドが得られる。
【0012】少なくとも5重量%、好ましくは少なくと
も10重量%、最も好ましくは少なくとも20重量%の飽和
2 〜C12又はC20〜C24脂肪酸残基が少なくともL1
及び/又はL2 が存在するトリグリセリド分子上で結合
している場合、最良の酸化安定性が得られることが判明
した。
【0013】本発明のトリグリセリドはそのまま食品中
で使用できる。しかしながら、使用の前に本発明の新規
な脂肪をブレンドするのも非常に適している。従って、
本発明の一部は、0.3 〜95重量%の請求項1乃至7のト
リグリセリド、及び99.7〜5重量%の補完的脂肪であっ
て、請求項1乃至7のトリグリセリドの10℃での固体脂
指数(solid fat index)(N10)よりも少なくとも5%
大きいか又は少なくとも5%小さいN10を有する脂肪、
を含むトリグリセリドのブレンドである。
【0014】上記のブレンドは、5〜80重量%、特に20
〜70重量%の請求項1乃至7のトリグリセリド、及び95
〜20重量%、特に80〜30重量%の補完的脂肪とから適宜
なることができる。
【0015】多くの種類の補完的脂肪を使用することが
できた。しかしながら、20℃において15より大きい固体
脂肪含有率(NMR−パルス法;安定化せず(n.s.と略
す))を有する補完的脂肪を使用するのが好ましく、20
℃において20より大きい固体脂肪含有率を有する補完的
脂肪を使用するのがより好ましい。N−値は、60℃で5
分、0℃で60分、測定温度で30分の温度条件にさらされ
た脂肪について測定した。
【0016】本発明のブレンドに対して非常に有用な補
完的脂肪は、カカオ脂同等物、カカオ脂、パーム油又は
それらのフラクション、パーム核油又はそれらのフラク
ション、前記脂肪又はフラクションのエステル交換混合
物、又はそれらの硬化された成分から選択でき、或いは
ヒマワリ油、高オレインヒマワリ油、大豆油、菜種油、
綿実油、サフラワー油、高オレインサフラワー油、とう
もろこし油、MCT油、又は魚油のような液体油から選
択できる。
【0017】このようにして得られたブレンドは、5℃
において0〜85、好ましくは10〜70、最も好ましくは20
〜60の固体脂肪含有率(NMR−パルス法;安定化せ
ず)を示し、35℃において30未満、好ましくは20未満、
最も好ましくは5未満の固体脂肪含有率を示す。
【0018】本発明の脂肪は既に改善された酸化安定性
を有しているが、本発明のブレンドが有効量の、天然又
は合成のトコフェロール、その他の天然酸化防止剤、B
HT、BHA、ラジカル掃去剤、酸化防止特性を有する
酵素から成る群から選択される酸化安定剤を含むとき、
酸化安定性をさらに改善できることが判明した。有効量
は(脂肪に基づいて)100 ppm から5重量%の範囲内で
よい。
【0019】本発明の一部は、また、スプレッド、マー
ガリン、クリーム代替物、幼児食、チョコレート、菓
子、ベーカリー製品、ソース、アイスクリーム、アイス
クリームコーティング、チーズ、スープ、マヨネーズ、
ドレッシング、腸溶性又は非経口的製品のような、脂肪
相を含む食品であり、脂肪相が請求項1〜13の脂肪を含
むものである。
【0020】本発明の脂肪は、純粋なトリグリセリドを
調製し、それらを必要な比率でブレンドすることによっ
て得られる。しかしながら、本発明のブレンドの非常に
有用な調製方法は、(未硬化の)魚油と飽和脂肪酸のエ
ステル交換である。このエステル交換は酵素を使用して
行うことができる。そのような場合においては、長鎖ポ
リ不飽和脂肪酸に対して飽和脂肪酸よりも特異性を示す
酵素か、又は1つの長鎖ポリ不飽和脂肪酸に対してもう
1つの長鎖ポリ不飽和脂肪酸よりも優先性を示す酵素を
適用できる。
【0021】本発明の実施例I中において、本発明の新
規な脂肪の調製のためのもう1つの可能なエステル交換
方法を記載した。この方法によれば、魚油に初めにリパ
ーゼの存在下にグリセロリシス(glycerolysis)にさら
す。得られた粗反応生成物は長鎖ポリ不飽和脂肪酸に富
んでいる。この粗生成物を、飽和脂肪酸に富んだ脂肪を
使用してエステル交換を行うことによって、トリグリセ
リドに再転化する。
【0022】本発明の新規な脂肪を製造するためのその
他の方法はその他の実施例によって説明する。
【0023】使用した略号とそれらの説明のリスト wf(ツナ)f=ツナf=少なくとも35%のDHAを有
する、低温溶媒分別によって得られた半精製ツナ(tuna)
油のオレインフラクション。 (BOO)s= 高オレインヒマワリ油とベヘ
ン酸の酵素によりエステル交換されたブレンドのステア
リンフラクション。 fhPO= 完全に硬化されたパーム油。 CCB= カカオ脂 POf37= 融点37℃の部分的に硬化され
たパーム油オレインフラクション。 CN= やし油(coconut oil) 。 CNs= やし油ステアリンスラクショ
ン。 nPOm= 湿式分別されたパーム油中間
フラクション。 df(PO)f= 乾式分別されたパーム油オレ
インフラクション。 HS1=ハードストック=完全に硬化されたパーム油と
完全に硬化されたパーム核オレインフラクションの化学
的にエステル交換されたブレンドのステアリンフラクシ
ョン。 SF= ヒマワリ油。 PO= パーム油。 in= エステル交換された。
【0024】
【実施例】実施例I メンハーデン(menhaden)油(第1表中に与えられている
組成)をグリセロールとシュードモナス・セパシア(Pse
udomonas cepacia)リパーゼの存在下に37℃において反
応させることによって、C20:5及びC22:6に富んだ魚油
を調製した。油のグリセロールに対する比率は3(重量
/重量)であり、リパーゼの量は油に基づいて1重量%
であった。5重量%の水がグリセロール中に存在した。
48時間後、100℃まで加熱することによって反応を止
め、グリセロールを反応混合物から分離した。部分グリ
セリドと遊離の脂肪酸(FFA)をシリカ上に吸着させ
ることによってグリセリドフラクションからトリグリセ
リドを分離して、第1表に示す組成の富化された油を得
た。この油を硬化された高エルカ酸菜種油(第1表中の
組成)とリパーゼ触媒(リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomu
cor miehei)を使用してエステル交換して、第1表中に
与えられている組成を有する最終生成物油を得た。上記
の全てのプロセスは油の劣化を防ぐために窒素雰囲気中
で行った。
【0025】
【表1】
【0026】実施例II 第2表に示した組成を有する半精製されたツナ油に対し
て、Holman R. T.らの“Progress in the chemistry of
fats and other lipids”第3巻、1995年、に記載され
ている条件下に、ツナ油1kg当たり4リットルのアセ
トンを使用して、−70℃での低温溶媒分別を行って、油
をDHAとEPAについて富化した。アセトンの除去
後、第2表に示す組成を有するツナ油のオレインフラク
ション(=wf(ツナ)f)を得た。このフラクション
を窒素雰囲気下冷凍室に保存した。
【0027】酵素によるエステル交換のための全ての成
分を少なくとも1時間環境温度で保存した。全ての油は
液体油として使用した。ツナ油オレインフラクションに
対して400 ppm の酸化防止剤(BHT)を添加した。
【0028】ツナ油オレインフラクションを幾つかの部
分に分割した。その後、液体の補完的脂肪を各々のツナ
油オレインフラクションに添加し、混合した。炭素数と
FAME(Fatty Acid Methyl Ester)分析(脂肪酸残基
をメチルエステルに転化した後ガスクロマトグラフィー
分析を行う方法)用にサンプルを採取した。酵素による
エステル交換のために、1,3−特異性リパーゼ(リゾ
ムコル・ミエヘイ)を使用した。リパーゼを混合された
油に40:1の油:リパーゼ重量比率で添加した。窒素ブ
ランケットで混合物を覆って油の劣化を防いだ。反応混
合物を磁気攪拌されているヒートブロック(heatblock)
に入れ、温度を60℃に調節した。96時間後反応を止め
た。
【0029】サンプルをアルミナカラムを通して清掃
し、FFA、モノ及びジグリセリドを除去した。リパー
ゼ処理の前後のサンプルについてGC(ガスクロマトグ
ラフィー)により炭素数及びFAME分析を行った。
【0030】2つの方法を使用して、少なくとも5%の
C2 〜C12及び/又はC20〜C24がL1 及び/又はL2
を有するトリグリセリド分子上において結合したことを
証明した。第1の方法は計算を含み、トリグリセリド分
子上でL1 及び/又はL2 と結合される最大量を与え
る。分析的方法を含む第2の方法は、同じトリグリセリ
ド分子上でL1 及び/又はL2 と結合される最小量につ
いてある程度の情報を与える。
【0031】統計的プログラムを使用して、トリグリセ
リド分子中の脂肪酸のランダム化された分布に基づいて
炭素数を計算した。このプログラムは、パーム油ステア
リン/パーム核ステアリンからの標準的エステル交換脂
肪混合物に対する(ランダムな)化学的エステル交換の
FAMEの結果を使用し、計算された炭素数のプロファ
イルと測定された炭素数のプロファイルを比較すること
によって、チェックした(第3表を参照のこと)。その
差は非常に小さかったので、プログラムは正しい結果を
与えるものと結論付けた。その後、本発明に従う酵素に
よるエステル交換も試験した。酵素によりエステル交換
された生成物のFAMEと炭素数を測定した。測定され
た炭素数は計算された炭素数に等しく、差は非常に小さ
いものであった。この理由により、本発明者らは、酵素
によるエステル交換はトリグリセリド分子中において脂
肪酸のランダムな分布をもたらすと結論付けた。ランダ
ム化されたエステル交換生成物中においては、トリグリ
セリド分子上でL1 及び/又はL2 と結合したC2 〜C
12及び/又はC20〜C24の量を計算することが可能であ
る。
【0032】第2の方法は分析的方法である。特定量の
不飽和を有する2部のサンプル(バンドa及びバンド
b)を銀イオンHPLC(Silver-ion HPLC)を使用して
回収した。バンド(band)Aは約6〜9の不飽和を有して
おり、バンドBは9〜18の不飽和を有していた。2つの
バンドのトリグリセリドについてFAMEと炭素数の分
析を行った。これらのFAME分析から、統計的プログ
ラムを使用して炭素数を計算した。この炭素数は計算さ
れた炭素数に等しかった。これらの分析と計算から、ト
リグリセリド分子上でL1 及び/又はL2 と結合したC
2 〜C12及び/又はC20〜C24の最小量を計算すること
が可能である。ただ2つの分析されたバンドより多くの
サンプルが存在するので、実際の量はさらに高いだろ
う。
【0033】エステル交換の実験は以下のブレンドにつ
いて行った: 75/25 wf(ツナ)f/トリブチリン(tributyrin) 75/25 wf(ツナ)f/トリカプリン(tricaprin) 75/25 wf(ツナ)f/(BOO)s 75/25 wf(ツナ)f/fhPO (=比較例)。
【0034】トリブチリン、トリカプリン、(BOO)
s、及びfhPOの組成は第2表に与えられている。
【0035】上述の方法に従って実験を行った。実験は
96時間後に止めた。ブレンドとエステル交換ブレンドの
炭素数とFAMEを決定した。FAME分析の結果を第
4表に示す。炭素数分析の結果を第5表に示す。
【0036】トリグリセリド分子上でL1 及び/又はL
2 と結合したC2 〜C12及び/又はC20〜C24の計算量
の結果を第6、7、及び8表に示す。トリグリセリド分
子上でL1 及び/又はL2 と結合したC2 〜C12及び/
又はC20〜C24の分析量の結果を第9表に示す。
【0037】実施例III エステル交換の実験を以下のブレンドについて行った: A:75/25 wf(ツナ)f/トリブチリン B:75/25 wf(ツナ)f/トリカプリン C:75/25 wf(ツナ)f/(BOO)s D:75/25 wf(ツナ)f/fhPO (比較例)。
【0038】トリブチリン、トリカプリン、(BOO)
s、及びfhPOは実施例IIと同じである(第2表を
参照のこと)。
【0039】実施例IIに記載した方法に従って実験を行
った。リパーゼ処理の前に、このツナオレインフラクシ
ョンをアルミナ処理して、FFA、モノ及びジグリセリ
ドを除去した。実験は96時間後に止めた。トリブチリ
ン、トリカプリン、及び(BOO)sの反応混合物の分
析を行った。これら全ての分析の結果を第10及び11表に
示す。反応混合物の一部をアルミナカラムを使用して再
び清掃して、FFA、モノ及びジグリセリド、及び酸化
された物質を除去した。この清掃された材料を1/99の
比率で快い匂い(bland smell) を有するパーム油オレイ
ンフラクションと混合した。これを環境温度で3日間貯
蔵し、パネルが評価した。得られた異なる生成物に関す
るパネルの結果は以下の通りである。
【0040】パネルは魚の匂いについてサンプルをラン
ク付けするように要請された。
【0041】
【0042】全てのパネルが、Dからの生成物が最悪で
あり、その他はそれよりもはるかに良好であるという点
で一致した。従って、本発明のサンプル(A、B、及び
C)は全て比較例(D)よりも良好であった。
【0043】トリグリセリド分子上でL1 及び/又はL
2 と結合したC2 〜C12及び/又はC20〜C24の計算量
の結果を第12、13、及び14表に示す。トリグリセリド分
子上でL1 及び/又はL2 と結合したC2 〜C12及び/
又はC20〜C24の分析量の結果を第15表に示す。
【0044】実施例IV 魚油濃縮物を以下の方法に従って製造した。
【0045】1.ツナ油の化学的加水分解 Ratnayake ら(Fat Sci. Tech. 90 10 1988 第381 頁)
から採用された方法。
【0046】47gの水酸化カリウムペレット、260 mlの
エタノール(96%)、及び88 ml の脱イオン水の混合物
と、ツナ油(200 g)を窒素雰囲気下1時間還流させ
た。鹸化された混合物を500 mlの水で希釈し、非鹸化物
質をヘキサンで抽出した(100ml×3回)。水性層を1 M
HClの500 mlで中和した。遊離の脂肪酸をヘキサン
中に抽出した(100 ml×3回)。蒸発によりヘキサンを
除去した。
【0047】2.ツナ酸(Tuna acids)の尿素分別 Robles Medina らのJAOCS 第72巻 第5号(1995)から採
用された方法。
【0048】脂肪酸(100 g)を、400 gの尿素と800
mlのエタノールの高温(60℃)溶液に攪拌しながら添加
した。混合物を1時間攪拌した後、温度を1℃/時間の
割合で4℃まで下げ、その温度で混合物を16時間保持し
た。混合物を分別してステアリンフラクションを除去し
た。蒸発によってオレインフラクションからエタノール
を除去した。オレインを250 mlのヘキサンおよび250 ml
の1 M HClと混合した。ヘキサン層を分離し、水性層
をさらに100 mlのヘキサンで洗浄した。ヘキサンを蒸発
によって除去した。
【0049】3.トリグリセリドへの再組み込み バッチ1 磁気攪拌機を備えた55℃のジャケット付き容器中におい
て、47gのツナ酸を約4gのグリセロール及び4gのリ
ゾムコル・ミエヘイと混合した。窒素を表面に吹き付け
て反応中に生成した水を除去した。FFAが実質的にな
くなるまで反応を10日間続けた。濾過によって酵素を除
去した後の生成物を、100 mlのヘキサン中の50gの塩基
性アルミナと60℃で攪拌した。アルミナを濾過によって
除去した。
【0050】バッチ2 遊離の脂肪酸を4つのサンプルに分割し、これらを、磁
気高温ブロック(magnetic hot block)中の55℃のガラス
バイアル中において、12〜15gのスケールでトリグリセ
リドに再組み込みした。典型的には、14gの遊離の脂肪
酸を1.3 gのグリセロール及び0.7 gのリゾムコル・ミ
エヘイと混合した。窒素を表面に吹き付けて水を除去し
た。反応を1週間続けた。濾過によって酵素を除去した
後の50g生成物を、100 mlのヘキサン中の270 gの塩基
性アルミナと60℃で攪拌した。アルミナを濾過によって
除去した。
【0051】「トリグリセリドへの再組み込み」バッチ
1からの油をD58と呼ぶ。
【0052】エステル交換の実験は以下のブレンドにつ
いて行った: 75/25 魚油濃縮物(=D58)/トリカプリン 75/25 魚油濃縮物(=D58)/(BOO)s エステル交換実験は実施例IIの方法に従って行った。
【0053】魚油濃縮物とトリカプリン及び(BOO)
sとのエステル交換実験は115 時間後に止めた。FAM
Eと炭素数の分析を行った。結果を第16及び17表に示
す。
【0054】これらのサンプルの、トリグリセリド分子
上でL1 及び/又はL2 と結合したC2 〜C12及び/又
はC20〜C24の計算量の結果を第18及び19表に示す。
【0055】実施例V エステル交換実験を実施例IIの方法に従って行った。こ
のときは、エステル交換反応を46時間後に止めた。
【0056】以下の2つのエステル交換ブレンドを使用
した: 70/30 wf(ツナ)f(=D40)/トリブチリン 70/30 wf(ツナ)f(=D40)/(BOO)s これらのエステル交換混合物のFAMEと炭素数を第20
及び21表に示す。
【0057】D40は、低温溶媒分別によって得られ
た、約38重量%のDHAを有するツナ油オレインフラク
ションである。
【0058】実施例VI 2つのエステル交換混合物(=in(魚))及び補完的
脂肪/脂肪ブレンドから以下の用途用にブレンドを製造
した。
【0059】
【表2】 参照のN−値の範囲及びブレンドに対して測定されたN
−値を第22a 表及び第22b 表に示す。
【0060】実施例VII レンジスタイル(range style) ドレッシングを以下の組
成に従って製造した:
【0061】上述の組成においては3種の異なる液体油
を使用した。参照用の液体油はヒマワリ油であった。本
発明による液体油は以下の通りであった: −ヒマワリ油/in(D40/トリブチリン) 90/10 −ヒマワリ油/in(D40/(BOO)s) 90/10 in(D40/トリブチリン)とin(D40/(BO
O)s)のFAMEの結果を第20表に示す。本発明によ
る2つのブレンドのNMR測定の結果を第22b表に示
す。
【0062】水性相の大きなバッチを製造し、全てのド
レッシング用に使用した。シルバーソン・ミキサー(Sil
verson mixer) を使用して水とマルトデキストリンを初
めにブレンドした。卵黄、キサンタンガム、及び酢を続
いて添加したが、その間、完全に混合するまで、シルバ
ーソン・ミキサーで攪拌を続けた。この段階でpHは3.
25であり、従って、pHの調製はもう行わなかった。
【0063】シルバーソン・ミキサーで混合しながら、
油をゆっくりと水性相に添加した。全ての油が分散する
まで混合を続けた。ドレッシングを200 mlのプラスチッ
ク製無菌容器に移した。
【0064】10 rpmで回転する4号のスピンドルを取り
付けたブルックフィールド粘度計(Brookfield Viscome
ter)を使用してサンプルの粘度を測定した。サンプルは
同じ200 mlのプラスチック製容器に入れてあったので、
粘度はお互いに直接比較することができる。各々のサン
プルについ3回の測定の平均を取り、サンプルは各1分
間の剪断の間に1分間緩和させた。ドレッシングの粘度
の結果を第23表に示す。
【0065】45 mm のフィルターを使用するマルバーン
・マスターサイザー(Malvern Mastersizer) を使用して
油滴サイズ分布を測定した。これらの分析の結果をザウ
タ平均(Sauter-mean) 粒子直径として第23表に示す。
【0066】実施例VIII 以下の組成に従ってスプレッドを製造した:脂肪相 脂肪ブレンド 40% ハイモノ(Hymono) 7804 0.3% 着色剤(2%β−カロチン) 0.02 % 合計 40.32 %水性相(pH5.1 まで) 水 56.44 % スキムミルク粉末 1.5% ゼラチン(270 ブルーム) 1.5% ソルビン酸カリウム 0.15 % クエン酸粉末 0.07 % 合計 59.66 %
【0067】上述の組成においては3種の異なる脂肪ブ
レンドを使用した。参照用の脂肪ブレンドはHS1/ヒ
マワリ油 13/87であった。本発明による脂肪ブレンド
は以下の通りであった: −HS1/ヒマワリ油/in(D40/トリブチリン) 13/77/10 −HS1/ヒマワリ油/in(D40/(BOO)s) 13/77/10 in(D40/トリブチリン)とin(D40/(BO
O)s)のFAMEの結果を第20表に示す。本発明によ
る2つのブレンドのNMR測定の結果を第22a表に示
す。
【0068】以下の手順に従ってスプレッドを製造し
た。
【0069】2kgの材料を調製し処理した。
【0070】ミクロ−ボテーター(micro-votator) 加工
ラインを以下のように設定した: プレミックス条件 攪拌機速度60 rpm 温度50℃ ポンプ 定量ポンプを60%(30g/分)に設定 A1 条件 シャフト速度1000 rpm 温度 8℃に設定 C1 条件 シャフト速度1000 rpm 温度 10℃に設定 A2 条件 シャフト速度1000 rpm 温度 10℃に設定 C2 条件 シャフト速度1000 rpm 温度 13℃に設定
【0071】必要量の水を約80℃まで加熱し、その後、
シルバーソン・ミキサーを使用して成分をゆっくり混合
することによって水性相を調製した。必要に応じて20%
乳酸溶液を添加することによって系のpHを5.1 に調節
した。
【0072】プレミックスタンク中で脂肪相を攪拌し、
その後水性相にゆっくりと添加することによってプレミ
ックスを調製した。添加が終了した後、ミックスをさら
に5分間攪拌し、そのごラインにポンプ輸送した。プロ
セスが安定化したとき(約20分)、生成物を回収して貯
蔵及び評価を行った。
【0073】典型的なプロセスの条件は以下の通りであ
った。
【0074】
【表3】 3つの系全てについて、この系を使用して非常に良好な
油連続低脂肪スプレッドが製造された。
【0075】評価はC−値と導電率について行った。g
/cm2 単位のC−値はコーン(cone)針入度計を使用して
測定した。μジーメンス/cm単位の導電率はウェイン・
カー(Wayne Kerr)を使用して測定した。
【0076】
【表4】
【0077】全てのサンプルは、水の損失の明らかな徴
候を示すことなく、耐グリース紙上で非常に容易に広が
った。
【0078】実施例IX 以下の組成に従ってアイスクリームを製造した: 重量% 脂肪ブレンド 10.0 スキムミルク粉末 10.0 アイシングシュガー 12.0 コーンシロップ固体 4.0 デキストロースモノハイドレート 2.0 シェレックス(Sherex)IC9330(登録商標) 0.6 水 61.4 合計 100.0
【0079】シェレックスIC9330(登録商標)はクエ
スト・インターナショナル(Quest International) の製
品であり、異なる安定化剤と組み合わされたモノ−及び
ジグリセリドを含む。
【0080】上述の組成においては3種の異なる脂肪ブ
レンドを使用した。参照用の脂肪ブレンドはPO/ヒマ
ワリ油 90/10であった。本発明による脂肪ブレンドは
以下の通りであった: −PO/in(D40/トリブチリン) 90/10 −PO/in(D40/(BOO)s) 90/10 in(D40/トリブチリン)とin(D40/(BO
O)s)のFAMEの結果を第20表に示す。本発明によ
る2つのブレンドのNMR測定の結果を第22a表に示
す。
【0081】水と脂肪を除く全ての成分を混合した。そ
の後、冷水をこの混合物に添加した。この混合物を水浴
中で70℃の温度まで加熱した。その後、完全に液体のパ
ーム油を、ウルトラ−チューラックス(ultra-turrax)中
で攪拌されている混合物に添加した。このエマルジョン
を20℃の水浴中において30℃の温度になるまで冷却し
た。このエマルジョンをウルトラ−チューラックス中で
再び攪拌した。バッチ式アイスクリームマシーンを使用
の前に−28℃において24時間保持した。エマルジョンを
バッチ式アイスクリームマシーンに入れ15分間攪拌し
た。得られたアイスクリームを−20℃で24時間貯蔵し、
その後評価した。
【0082】冷凍の前に、アイスクリームエマルジョン
の粘度を測定した。オーバーラン(overrun)と硬度を測
定した。粘度はハーケ・ビスコメーター(Haake vicomet
er)を使用して測定した。硬度はスティーブンス・テク
スチャー・アナライザー(Stevens texture analyzer)を
使用して45°のコーン角度で2mmの深さまで0.5 mm/秒
の速度で測定した。
【0083】
【表5】 エマルジョンの粘度は同様であった。
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】
【表10】
【0089】
【表11】
【0090】
【表12】
【0091】
【表13】
【0092】
【表14】
【0093】
【表15】
【0094】
【表16】
【0095】
【表17】
【0096】
【表18】
【0097】
【表19】
【0098】
【表20】
【0099】
【表21】
【0100】
【表22】
【0101】
【表23】
【0102】
【表24】
【0103】
【表25】
【0104】
【表26】
【0105】
【表27】
【0106】
【表28】
【0107】
【表29】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23G 3/00 A23L 1/24 A 9/02 C11C 3/06 A23L 1/24 A23D 7/00 502 C11C 3/06 9/00 516 (72)発明者 ステファン・レイモンド・ムーア 英国、エヌエヌ14・4ユーエイチ、ノーザ ンプトンシャー、スラプストン、ウェイン ライト・アベニュー 2

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種の長鎖ポリ不飽和脂肪酸
    1 及びL2 を含み、L1 とL2 の両方が少なくとも3
    つの不飽和を有し少なくとも20の炭素原子を有し、それ
    からL1 は最も豊富でありL2 は2番目に豊富である、
    トリグリセリド組成物であって、前記トリグリセリド組
    成物は少なくとも20重量%のL1 を含み、かつL1 :L
    2 の重量比率は少なくとも2であり、また前記トリグリ
    セリド組成物は少なくとも2重量%、好ましくは少なく
    とも5重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、最
    も好ましくは少なくとも30重量%の、2〜12及び/又は
    20〜24個の炭素原子を有する飽和脂肪酸を含み、一方、
    前記トリグリセリド組成物は10重量%より多くの16〜18
    個の炭素原子を有する飽和脂肪酸を含まず、飽和C2
    12又はC20〜C24脂肪酸残基の少なくとも5重量%、
    好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なく
    とも20重量%は少なくともL1 及び/又はL2 が存在す
    るトリグリセリド分子上で結合している、トリグリセリ
    ド組成物。
  2. 【請求項2】 L1 の量が30重量%よりも多くかつ重量
    比L1 :L2 は少なくとも3である、請求項1のトリグ
    リセリド組成物。
  3. 【請求項3】 L1 の量が少なくとも40重量%でありか
    つ重量比L1 :L2は少なくとも3.5 である、請求項1
    又は2のトリグリセリド組成物。
  4. 【請求項4】 C16〜C18飽和脂肪酸濃度が8重量%よ
    り低く、特に5重量%より低い、請求項1乃至3のいず
    れか1請求項のトリグリセリド組成物。
  5. 【請求項5】 L1 がDHA(=C22:6)である、請求
    項1乃至4のいずれか1請求項のトリグリセリド組成
    物。
  6. 【請求項6】 L2 がEPA(C20:5)である、請求項
    1乃至5のいずれか1請求項のトリグリセリド組成物。
  7. 【請求項7】 L1 がEPAであり、L2 がDHAであ
    る、請求項1乃至6のいずれか1請求項のトリグリセリ
    ド組成物。
  8. 【請求項8】 トリグリセリドのブレンドであって、0.
    3 〜95重量%の請求項1乃至7のいずれか1請求項のト
    リグリセリド、及び99.7〜5重量%の補完的脂肪であっ
    て、前記請求項1乃至7のいずれか1請求項のトリグリ
    セリドの10℃での固体脂指数(solid fat index)
    (N10)よりも少なくとも5%大きいか又は少なくとも
    5%小さいN10を有する脂肪、を含むトリグリセリドの
    ブレンド。
  9. 【請求項9】 5〜80重量%、特に20〜70重量%の請求
    項1乃至7のいずれか1請求項のトリグリセリド、及び
    95〜20重量%、特に80〜30重量%の補完的脂肪とからな
    る、請求項8のブレンド。
  10. 【請求項10】 補完的脂肪が、20℃において15より大
    きい固体脂肪含有率(NMR−パルス法;安定化せ
    ず)、好ましくは20℃において20より大きい固体脂肪含
    有率を有する、請求項8又は9のブレンド。
  11. 【請求項11】 補完的脂肪が、カカオ脂同等物、カカ
    オ脂、パーム油又はそれらのフラクション、パーム核油
    又はそれらのフラクション、前記脂肪又はフラクション
    のエステル交換混合物、又はそれらの硬化された成分か
    ら選択され、或いはヒマワリ油、高オレインヒマワリ
    油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、高オレイ
    ンサフラワー油、とうもろこし油、又はMCT油のよう
    な液体油から選択される、請求項8乃至10のいずれか
    1請求項のブレンド。
  12. 【請求項12】 ブレンドが、5℃において0〜85、好
    ましくは10〜70、最も好ましくは20〜60の固体脂肪含有
    率(NMR−パルス法;安定化せず)を示し、35℃にお
    いて30未満、好ましくは20未満、最も好ましくは5未満
    の固体脂肪含有率を示す、請求項8乃至11のいずれか
    1請求項のブレンド。
  13. 【請求項13】 有効量の、天然又は合成のトコフェロ
    ール、BHT、BHA、ラジカル掃去剤、酸化防止特性
    を有する酵素から成る群から選択される酸化安定剤を含
    む、請求項1乃至12のいずれか1請求項のトリグリセ
    リド組成物又はそれらを含むブレンド。
  14. 【請求項14】 スプレッド、マーガリン、クリーム代
    替物、幼児食、チョコレート、菓子、ベーカリー製品、
    ソース、アイスクリーム、アイスクリームコーティン
    グ、チーズ、スープ、マヨネーズ、ドレッシング、腸溶
    性又は非経口的製品のような、脂肪相を含む食品であっ
    て、脂肪相が請求項1〜13の脂肪を含む食品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005046353A1 (ja) * 2003-11-12 2005-05-26 J-Oil Mills, Inc. 長鎖高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステル体から成るコク味向上剤の利用方法
WO2015050220A1 (ja) * 2013-10-02 2015-04-09 株式会社カネカ 油脂組成物
JP6447775B1 (ja) * 2017-03-21 2019-01-09 不二製油株式会社 異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸含有チョコレート様食品

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WO2015050220A1 (ja) * 2013-10-02 2015-04-09 株式会社カネカ 油脂組成物
JP6447775B1 (ja) * 2017-03-21 2019-01-09 不二製油株式会社 異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸含有チョコレート様食品

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