JPH08302105A - 自動車内装用材料および成形品 - Google Patents
自動車内装用材料および成形品Info
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- JPH08302105A JPH08302105A JP10676595A JP10676595A JPH08302105A JP H08302105 A JPH08302105 A JP H08302105A JP 10676595 A JP10676595 A JP 10676595A JP 10676595 A JP10676595 A JP 10676595A JP H08302105 A JPH08302105 A JP H08302105A
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- Japan
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- propylene
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- ethylene
- block copolymer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特定のポリプロピレンを使用して、低温衝撃
性および耐熱剛性を改良した自動車内装用材料およびか
かる材料を使用した自動車内装用成形品を提供する。 【構成】 (I)(a)プロピレンのホモ重合体および
/またはエチレン−プロピレンブロック共重合体(ただ
し、プロピレンの単独重合部分のアイソタクチックペン
タッド分率が0.98以上)10〜50重量%と(b)
オレフィン系共重合体ゴム50〜90重量%とからなる
混合物を有機過酸化物および架橋助剤の存在下で動的に
熱処理した熱処理物10〜15重量%と、(II)プロピ
レンのホモ重合体および/またはエチレン−プロピレン
ブロック共重合体(ただし、プロピレンの単独重合部分
のアイソタクチックペンタッド分率が0.98以上かつ
プロピレンの単独重合部分のメルトインデックスが30
〜150g/10minである。)71〜84重量%、
および(III)無機充填剤6〜14重量%とを含有してな
る自動車内装用材料
性および耐熱剛性を改良した自動車内装用材料およびか
かる材料を使用した自動車内装用成形品を提供する。 【構成】 (I)(a)プロピレンのホモ重合体および
/またはエチレン−プロピレンブロック共重合体(ただ
し、プロピレンの単独重合部分のアイソタクチックペン
タッド分率が0.98以上)10〜50重量%と(b)
オレフィン系共重合体ゴム50〜90重量%とからなる
混合物を有機過酸化物および架橋助剤の存在下で動的に
熱処理した熱処理物10〜15重量%と、(II)プロピ
レンのホモ重合体および/またはエチレン−プロピレン
ブロック共重合体(ただし、プロピレンの単独重合部分
のアイソタクチックペンタッド分率が0.98以上かつ
プロピレンの単独重合部分のメルトインデックスが30
〜150g/10minである。)71〜84重量%、
および(III)無機充填剤6〜14重量%とを含有してな
る自動車内装用材料
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の自動車内装用材料
およびかかる材料を使用する自動車内装用成形品に関す
る。詳しくはポリプロピレンとオレフィン系共重合体ゴ
ムおよび無機充填剤からなる自動車内装用材料、および
かかる材料を使用する自動車内装用成形品に関する。か
かる材料は機械的性質、特に曲げ弾性率、耐熱剛性、耐
衝撃性に優れ、例えば特に耐熱性に優れた自動車内装用
成形品に好適に用いられるものである。
およびかかる材料を使用する自動車内装用成形品に関す
る。詳しくはポリプロピレンとオレフィン系共重合体ゴ
ムおよび無機充填剤からなる自動車内装用材料、および
かかる材料を使用する自動車内装用成形品に関する。か
かる材料は機械的性質、特に曲げ弾性率、耐熱剛性、耐
衝撃性に優れ、例えば特に耐熱性に優れた自動車内装用
成形品に好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車部品用成形材料としてエチ
レン−プロピレンブロック共重合体が使用されている。
このエチレン−プロピレンブロック共重合体は、曲げ弾
性率および熱変形温度、衝撃強度のバランスは取れてい
るが、例えば自動車バンパー用としては低温衝撃強度が
低い等の欠点がある。低温衝撃性を改良するためにプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム等を配合することが、特開昭53−2
2552号、同53−40045号公報等に提案されて
いる。しかしエチレン−プロピレン共重合体ゴムを配合
するために曲げ弾性率および熱変形温度等の熱的性質が
劣り、これを解決するためにさらに炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、マイカ、結晶性ケイ酸カルシウムおよびタ
ルク等の無機充填剤を加えて配合することが、特開昭5
1−136735号、同53−64256号、同53−
64257号、同57−55952号、同57−207
630号、同58−17139号、同58−11184
6号、同59−98157号、特公昭55−3374号
公報等において提案されている。また近年、ポリプロピ
レンまたはエチレン−プロピレンブロック共重合体のプ
ロピレン単独重合部分のアイソタクチックペンタッド分
率を上げることにより曲げ弾性率、表面硬度等を改善し
た樹脂組成物が、特開平5−59251号、同5−23
0321号公報等に提案されている。また、オレフィン
系プラスチックに加硫ゴムを配合することにより耐衝撃
性が改善されることが、特公昭36−11240号、同
38−2126号および同41−21785号公報等に
提案されている。しかし加硫ゴムを配合すると流動性が
低下し外観不良を生じ易くなるため、鉱物油系軟化剤や
パーオキサイド非架橋型ゴム状物質を配合し流動性を改
善されたものが、特公昭56−15740号および同5
6−15743号公報等に提案されている。更に、衝撃
強度及び剛性のバランスの良好な材料として特開平6−
145437が提案されている。しかし、最近になり耐
熱剛性の更なる改良が要望されるようになってきた。と
ころが耐低温衝撃性と耐熱剛性は相反する性能であり、
従来の技術においては低温衝撃性を損なわずに耐熱剛性
を改良するには限界があった。
レン−プロピレンブロック共重合体が使用されている。
このエチレン−プロピレンブロック共重合体は、曲げ弾
性率および熱変形温度、衝撃強度のバランスは取れてい
るが、例えば自動車バンパー用としては低温衝撃強度が
低い等の欠点がある。低温衝撃性を改良するためにプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム等を配合することが、特開昭53−2
2552号、同53−40045号公報等に提案されて
いる。しかしエチレン−プロピレン共重合体ゴムを配合
するために曲げ弾性率および熱変形温度等の熱的性質が
劣り、これを解決するためにさらに炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、マイカ、結晶性ケイ酸カルシウムおよびタ
ルク等の無機充填剤を加えて配合することが、特開昭5
1−136735号、同53−64256号、同53−
64257号、同57−55952号、同57−207
630号、同58−17139号、同58−11184
6号、同59−98157号、特公昭55−3374号
公報等において提案されている。また近年、ポリプロピ
レンまたはエチレン−プロピレンブロック共重合体のプ
ロピレン単独重合部分のアイソタクチックペンタッド分
率を上げることにより曲げ弾性率、表面硬度等を改善し
た樹脂組成物が、特開平5−59251号、同5−23
0321号公報等に提案されている。また、オレフィン
系プラスチックに加硫ゴムを配合することにより耐衝撃
性が改善されることが、特公昭36−11240号、同
38−2126号および同41−21785号公報等に
提案されている。しかし加硫ゴムを配合すると流動性が
低下し外観不良を生じ易くなるため、鉱物油系軟化剤や
パーオキサイド非架橋型ゴム状物質を配合し流動性を改
善されたものが、特公昭56−15740号および同5
6−15743号公報等に提案されている。更に、衝撃
強度及び剛性のバランスの良好な材料として特開平6−
145437が提案されている。しかし、最近になり耐
熱剛性の更なる改良が要望されるようになってきた。と
ころが耐低温衝撃性と耐熱剛性は相反する性能であり、
従来の技術においては低温衝撃性を損なわずに耐熱剛性
を改良するには限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において本
発明の課題は、特定のポリプロピレンを使用し、低温衝
撃性および耐熱剛性を改良した自動車内装用材料および
かかる材料を使用した自動車内装用成形品、特に射出成
形品を提供することにある。
発明の課題は、特定のポリプロピレンを使用し、低温衝
撃性および耐熱剛性を改良した自動車内装用材料および
かかる材料を使用した自動車内装用成形品、特に射出成
形品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリプロ
ピレン中にオレフィン系共重合体ゴムを分散させること
による耐衝撃性、耐熱剛性の改良について研究を続けて
きた。その結果、ポリプロピレンおよびオレフィン系共
重合体ゴムからなる混合物を有機過酸化物および架橋助
剤の存在下で動的に熱処理したものを、特定のポリプロ
ピレンおよび無機充填剤と溶融混合することにより耐低
温衝撃性、耐熱剛性を同時に改良できることを見出し、
本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は (I)(a)プロピレンのホモ重合体および/またはエ
チレン−プロピレンブロック共重合体(ただし、プロピ
レンの単独重合部分のアイソタクチックペンタッド分率
が0.98以上である。)10〜50重量%と(b)オ
レフィン系共重合体ゴム50〜90重量%とからなる混
合物を有機過酸化物および架橋助剤の存在下で動的に熱
処理した熱処理物10〜15重量%と、 (II)プロピレンのホモ重合体および/またはエチレン
−プロピレンブロック共重合体(ただし、プロピレンの
単独重合部分のアイソタクチックペンタッド分率が0.
98以上かつプロピレンの単独重合部分のメルトインデ
ックス(JIS−K−6758、230℃)が30〜1
50g/10minである。)71〜84重量%、およ
び (III)無機充填剤6〜14重量% とを含有してなる自動車内装用材料に係るものである。
更には、かかる材料を使用した自動車内装用成形品に係
るものである。
ピレン中にオレフィン系共重合体ゴムを分散させること
による耐衝撃性、耐熱剛性の改良について研究を続けて
きた。その結果、ポリプロピレンおよびオレフィン系共
重合体ゴムからなる混合物を有機過酸化物および架橋助
剤の存在下で動的に熱処理したものを、特定のポリプロ
ピレンおよび無機充填剤と溶融混合することにより耐低
温衝撃性、耐熱剛性を同時に改良できることを見出し、
本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は (I)(a)プロピレンのホモ重合体および/またはエ
チレン−プロピレンブロック共重合体(ただし、プロピ
レンの単独重合部分のアイソタクチックペンタッド分率
が0.98以上である。)10〜50重量%と(b)オ
レフィン系共重合体ゴム50〜90重量%とからなる混
合物を有機過酸化物および架橋助剤の存在下で動的に熱
処理した熱処理物10〜15重量%と、 (II)プロピレンのホモ重合体および/またはエチレン
−プロピレンブロック共重合体(ただし、プロピレンの
単独重合部分のアイソタクチックペンタッド分率が0.
98以上かつプロピレンの単独重合部分のメルトインデ
ックス(JIS−K−6758、230℃)が30〜1
50g/10minである。)71〜84重量%、およ
び (III)無機充填剤6〜14重量% とを含有してなる自動車内装用材料に係るものである。
更には、かかる材料を使用した自動車内装用成形品に係
るものである。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いる(a)プロピレンのホモ重合体および/ま
たはエチレン−プロピレンブロック共重合体とは、プロ
ピレンのホモ重合体即ちプロピレンの単独重合体、また
はエチレン−プロピレンブロック共重合体即ちプロピレ
ンの単独重合後エチレンおよびプロピレンを共重合した
ものである。これらは単独で用いても混合して用いても
良い。プロピレンの単独重合部分のアイソタクチックペ
ンタッド分率は0.98以上であることが必要である。
0.98未満では本発明の目的に必要な剛性および耐熱
性を得ることが困難である。尚、プロピレンの単独重合
部分とは、プロピレンのホモ重合体、およびエチレン−
プロピレンブロック共重合体のプロピレンの単独重合部
分の両方を指す。エチレン−プロピレンブロック共重合
体におけるエチレン−プロピレン共重合部分のエチレン
含量は20〜70重量%であり、好ましくは25〜60
重量%である。かかる重合体のメルトインデックスは1
1〜30g/10minのものが好適に用いられ、より
好ましくは12〜20g/10minである。メルトイ
ンデックスが11g/10min未満では組成物の流動
性が低下する。30g/10minを超えた場合には、
機械的性質の低下を招く。
発明に用いる(a)プロピレンのホモ重合体および/ま
たはエチレン−プロピレンブロック共重合体とは、プロ
ピレンのホモ重合体即ちプロピレンの単独重合体、また
はエチレン−プロピレンブロック共重合体即ちプロピレ
ンの単独重合後エチレンおよびプロピレンを共重合した
ものである。これらは単独で用いても混合して用いても
良い。プロピレンの単独重合部分のアイソタクチックペ
ンタッド分率は0.98以上であることが必要である。
0.98未満では本発明の目的に必要な剛性および耐熱
性を得ることが困難である。尚、プロピレンの単独重合
部分とは、プロピレンのホモ重合体、およびエチレン−
プロピレンブロック共重合体のプロピレンの単独重合部
分の両方を指す。エチレン−プロピレンブロック共重合
体におけるエチレン−プロピレン共重合部分のエチレン
含量は20〜70重量%であり、好ましくは25〜60
重量%である。かかる重合体のメルトインデックスは1
1〜30g/10minのものが好適に用いられ、より
好ましくは12〜20g/10minである。メルトイ
ンデックスが11g/10min未満では組成物の流動
性が低下する。30g/10minを超えた場合には、
機械的性質の低下を招く。
【0006】ここでいうアイソタクチックペンタッド分
率とは、A.ZambelliらによってMacrom
olecules,6,925(1973)に発表され
ている方法、すなわち13C−NMRを使用して測定され
る結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位での
アイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー
単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロ
ピレンモノマー単位の分率である。ただし、NMR吸収
ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMacro
molecules,8,687(1975)に基づい
て行うものである。具体的には13C−NMRスペクトル
のメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの
面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測
定する。この方法により英国NATIONAL PHY
SICAL LABORATORYのNPL標準物質C
RM No.M19−14 Polypropylen
ePP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分
率を測定したところ、0.944であった。
率とは、A.ZambelliらによってMacrom
olecules,6,925(1973)に発表され
ている方法、すなわち13C−NMRを使用して測定され
る結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位での
アイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー
単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロ
ピレンモノマー単位の分率である。ただし、NMR吸収
ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMacro
molecules,8,687(1975)に基づい
て行うものである。具体的には13C−NMRスペクトル
のメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの
面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測
定する。この方法により英国NATIONAL PHY
SICAL LABORATORYのNPL標準物質C
RM No.M19−14 Polypropylen
ePP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分
率を測定したところ、0.944であった。
【0007】また、エチレン−プロピレンブロック共重
合体において、エチレン−プロピレン共重合体部分の全
体のブロック共重合体に対する重量比率Xは、プロピレ
ンの単独重合部分と全体のブロック共重合体の各々の結
晶融解熱量を測定することにより、次式から計算で求め
ることができる。 X=1−(ΔHf)T /(ΔHf)P (ΔHf)T :全体のブロック共重合体の融解熱量(c
al/g) (ΔHf)P :プロピレンの単独重合部分の融解熱量
(cal/g) エチレン含量の決定は、プレスシートを作製して測定し
た赤外吸収スペクトルに現れる、メチル基およびメチレ
ン基の特性吸収の吸光度を用いる検量線法による。エチ
レン−プロピレン共重合体部分のエチレン含量は、ブロ
ック共重合体全体のエチレン含量を測定し、次式から計
算で求めることができる。 (C2')EP=(C2')T /X (C2')T :ブロック共重合体全体のエチレン含量(重
量%) (C2')EP:エチレン−プロピレン共重合体部分のエチ
レン含量(重量%)
合体において、エチレン−プロピレン共重合体部分の全
体のブロック共重合体に対する重量比率Xは、プロピレ
ンの単独重合部分と全体のブロック共重合体の各々の結
晶融解熱量を測定することにより、次式から計算で求め
ることができる。 X=1−(ΔHf)T /(ΔHf)P (ΔHf)T :全体のブロック共重合体の融解熱量(c
al/g) (ΔHf)P :プロピレンの単独重合部分の融解熱量
(cal/g) エチレン含量の決定は、プレスシートを作製して測定し
た赤外吸収スペクトルに現れる、メチル基およびメチレ
ン基の特性吸収の吸光度を用いる検量線法による。エチ
レン−プロピレン共重合体部分のエチレン含量は、ブロ
ック共重合体全体のエチレン含量を測定し、次式から計
算で求めることができる。 (C2')EP=(C2')T /X (C2')T :ブロック共重合体全体のエチレン含量(重
量%) (C2')EP:エチレン−プロピレン共重合体部分のエチ
レン含量(重量%)
【0008】一方、本発明で用いる(b)オレフィン系
共重合体ゴムとは、エチレンとα−オレフィンとの共重
合体またはエチレンとα−オレフィンと非共役ジエンと
の三元共重合体である。α−オレフィンとしてはプロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプ
テン−1、オクテン−1等が使用され、その中でもプロ
ピレン、ブテン−1が好ましい。非共役ジエンとして
は、たとえば1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジ
エンのような鎖状非共役ジエン;1,4−シクロヘキサ
ジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニルノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネンのような環状非
共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボ
ルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−
ノルボルネンのようなトリエンが挙げられ、中でも1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンおよび5−エ
チリデン−2−ノルボルネンが好ましい。 (b)オレフィン系共重合体ゴムとしては、これらを2
種類以上使うことを妨げない。
共重合体ゴムとは、エチレンとα−オレフィンとの共重
合体またはエチレンとα−オレフィンと非共役ジエンと
の三元共重合体である。α−オレフィンとしてはプロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプ
テン−1、オクテン−1等が使用され、その中でもプロ
ピレン、ブテン−1が好ましい。非共役ジエンとして
は、たとえば1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジ
エンのような鎖状非共役ジエン;1,4−シクロヘキサ
ジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニルノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネンのような環状非
共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボ
ルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−
ノルボルネンのようなトリエンが挙げられ、中でも1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンおよび5−エ
チリデン−2−ノルボルネンが好ましい。 (b)オレフィン系共重合体ゴムとしては、これらを2
種類以上使うことを妨げない。
【0009】(b)オレフィン系共重合体ゴムのエチレ
ン含量は90〜40重量%、α−オレフィン含量は10
〜60重量%、かつ非共役ジエン含量は0〜12重量%
である。エチレン含量が90重量%以上では、エチレン
成分が多くなることから、共重合体ゴムに結晶性が現
れ、その結果耐低温衝撃性が低下する。40重量%未満
の場合には、有機過酸化物による分解反応が進みすぎる
ため、機械的性質の低下、および成形品の外観不良を招
く。エチレン含量は、好ましくは80〜45重量%であ
る。また非共役ジエン含量が12重量%以上では架橋反
応を制御することが困難となってくる。また、(b)オ
レフィン系共重合体ゴムは、その100℃のムーニー粘
度(ML1+4 100℃)が10〜100、好ましくは2
0〜80であることが必要である。100℃のムーニー
粘度が10未満では機械的性質に劣り、100を越えた
場合には流動性が劣るため射出成形品の外観不良を招
く。
ン含量は90〜40重量%、α−オレフィン含量は10
〜60重量%、かつ非共役ジエン含量は0〜12重量%
である。エチレン含量が90重量%以上では、エチレン
成分が多くなることから、共重合体ゴムに結晶性が現
れ、その結果耐低温衝撃性が低下する。40重量%未満
の場合には、有機過酸化物による分解反応が進みすぎる
ため、機械的性質の低下、および成形品の外観不良を招
く。エチレン含量は、好ましくは80〜45重量%であ
る。また非共役ジエン含量が12重量%以上では架橋反
応を制御することが困難となってくる。また、(b)オ
レフィン系共重合体ゴムは、その100℃のムーニー粘
度(ML1+4 100℃)が10〜100、好ましくは2
0〜80であることが必要である。100℃のムーニー
粘度が10未満では機械的性質に劣り、100を越えた
場合には流動性が劣るため射出成形品の外観不良を招
く。
【0010】本発明における(a)プロピレンのホモ重
合体および/またはエチレン−プロピレンブロック共重
合体と(b)オレフィン系共重合体ゴムとからなる混合
物100重量%中の(b)オレフィン系共重合体ゴムの
割合は50〜90重量%であり、好ましくは60〜80
重量%である。50重量%未満では、有機過酸化物によ
る架橋反応が充分に進まず、機械的性質の向上につなが
らない。90重量%を超えると、熱可塑的な性質が発現
し難い。
合体および/またはエチレン−プロピレンブロック共重
合体と(b)オレフィン系共重合体ゴムとからなる混合
物100重量%中の(b)オレフィン系共重合体ゴムの
割合は50〜90重量%であり、好ましくは60〜80
重量%である。50重量%未満では、有機過酸化物によ
る架橋反応が充分に進まず、機械的性質の向上につなが
らない。90重量%を超えると、熱可塑的な性質が発現
し難い。
【0011】本発明に用いる有機過酸化物としては、例
えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−
ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パー
オキシベンゾイル)ヘキシン−3およびジクミルパーオ
キシド等が挙げられ特に制限はないが、溶融混練条件に
より適宜選択できる。有機過酸化物の添加割合は、
(a)+(b)100重量%に対して0.02〜1.0
重量部の範囲で選ぶことができる。0.02重量%未満
では架橋反応の効果が少なく、1.0重量%を超えた場
合には、架橋反応の制御が難しい。
えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−
ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パー
オキシベンゾイル)ヘキシン−3およびジクミルパーオ
キシド等が挙げられ特に制限はないが、溶融混練条件に
より適宜選択できる。有機過酸化物の添加割合は、
(a)+(b)100重量%に対して0.02〜1.0
重量部の範囲で選ぶことができる。0.02重量%未満
では架橋反応の効果が少なく、1.0重量%を超えた場
合には、架橋反応の制御が難しい。
【0012】本発明に用いる架橋助剤としては、ビスマ
レイミド化合物、例えばN,N’−m−フェニレンビス
マレイミド、およびトルイレンビスマレイミドや、p−
キノンジオキシウム、ニトロベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール
ジメタクリレート等の多官能性化合物を使用することが
できる。N,N’−mーフェニレンビスマレイミドは、
例えば市販のスミファインBM(住友化学社製)、HV
A−2(デュポン社製)等を使用することができる。そ
の添加割合は、(a)+(b)100重量%に対して
0.01〜5.0重量%の範囲で選ぶことができる。
0.01重量%未満では架橋に対する効果が発現し難
く、5.0重量%を超えた場合には成形性が劣る。好ま
しくは0.05〜2.0重量%である。
レイミド化合物、例えばN,N’−m−フェニレンビス
マレイミド、およびトルイレンビスマレイミドや、p−
キノンジオキシウム、ニトロベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール
ジメタクリレート等の多官能性化合物を使用することが
できる。N,N’−mーフェニレンビスマレイミドは、
例えば市販のスミファインBM(住友化学社製)、HV
A−2(デュポン社製)等を使用することができる。そ
の添加割合は、(a)+(b)100重量%に対して
0.01〜5.0重量%の範囲で選ぶことができる。
0.01重量%未満では架橋に対する効果が発現し難
く、5.0重量%を超えた場合には成形性が劣る。好ま
しくは0.05〜2.0重量%である。
【0013】本発明の熱処理物(動的熱処理物というこ
ともある。)は(a)プロピレンのホモ重合体および/
またはエチレン−プロピレンブロック共重合体と(b)
オレフィン系共重合体ゴムを上記有機過酸化物および架
橋助剤の存在下に動的に熱処理することにより得られ
る。本発明において動的に熱処理する方法としては、1
60〜280℃の温度範囲にて、ミキシングロールやバ
ンバリーミキサー、二軸混練押出機、ニーダーおよび連
続ミキサー等公知の混練用機器にて溶融混練を行うこと
ができる。この場合、窒素や炭酸ガス等の不活性ガス中
で行うことがより望ましい。
ともある。)は(a)プロピレンのホモ重合体および/
またはエチレン−プロピレンブロック共重合体と(b)
オレフィン系共重合体ゴムを上記有機過酸化物および架
橋助剤の存在下に動的に熱処理することにより得られ
る。本発明において動的に熱処理する方法としては、1
60〜280℃の温度範囲にて、ミキシングロールやバ
ンバリーミキサー、二軸混練押出機、ニーダーおよび連
続ミキサー等公知の混練用機器にて溶融混練を行うこと
ができる。この場合、窒素や炭酸ガス等の不活性ガス中
で行うことがより望ましい。
【0014】本発明においては、動的熱処理物に通常の
熱可塑性エラストマー組成物における流動性および外観
改良のために使用する鉱物油系軟化剤を使用しない方が
好ましい。これは鉱物油系軟化剤が剛性および耐熱性を
低下させるために本発明の目的に合わないためである。
熱可塑性エラストマー組成物における流動性および外観
改良のために使用する鉱物油系軟化剤を使用しない方が
好ましい。これは鉱物油系軟化剤が剛性および耐熱性を
低下させるために本発明の目的に合わないためである。
【0015】次に、(I)熱処理物と混合する本発明に
用いる(II)プロピレンのホモ重合体および/またはエ
チレン−プロピレンブロック共重合体とは、プロピレン
のホモ重合体即ちプロピレンの単独重合体、またはエチ
レン−プロピレンブロック共重合体即ちプロピレンの単
独重合後エチレンおよびプロピレンを共重合したもので
ある。これらは単独で用いても混合して用いても良い。
エチレン−プロピレンブロック共重合体におけるエチレ
ン−プロピレン共重合部分のエチレン含量は20〜70
重量%であり、好ましくは25〜60重量%である。プ
ロピレンの単独重合部分のアイソタクチックペンタッド
分率は0.98以上であることが必要である。0.98
未満では本発明の目的に必要な剛性および耐熱性を得る
ことが困難である。プロピレンの単独重合部分のメルト
インデックスは30〜150g/10minであること
が必要である。30g/10min未満では流動性が低
く、150g/10minを超えた場合には機械的性質
の低下を招く。尚、エチレン−プロピレンブロック共重
合体のプロピレンの単独重合部分は、その製造時にプロ
ピレンの単独重合後に重合槽内より取り出すことにより
得ることができる。
用いる(II)プロピレンのホモ重合体および/またはエ
チレン−プロピレンブロック共重合体とは、プロピレン
のホモ重合体即ちプロピレンの単独重合体、またはエチ
レン−プロピレンブロック共重合体即ちプロピレンの単
独重合後エチレンおよびプロピレンを共重合したもので
ある。これらは単独で用いても混合して用いても良い。
エチレン−プロピレンブロック共重合体におけるエチレ
ン−プロピレン共重合部分のエチレン含量は20〜70
重量%であり、好ましくは25〜60重量%である。プ
ロピレンの単独重合部分のアイソタクチックペンタッド
分率は0.98以上であることが必要である。0.98
未満では本発明の目的に必要な剛性および耐熱性を得る
ことが困難である。プロピレンの単独重合部分のメルト
インデックスは30〜150g/10minであること
が必要である。30g/10min未満では流動性が低
く、150g/10minを超えた場合には機械的性質
の低下を招く。尚、エチレン−プロピレンブロック共重
合体のプロピレンの単独重合部分は、その製造時にプロ
ピレンの単独重合後に重合槽内より取り出すことにより
得ることができる。
【0016】本発明において、(I)熱処理物と(II)
プロピレンのホモ重合体および/またはエチレン−プロ
ピレンブロック共重合体とを混合する方法についても、
前記の動的熱処理物の場合と同様に公知の混練機器にて
溶融混練を行うことができる。なお本発明を実施するに
当たっては、混練は二段階に分けて実施してもよいし、
多段フィード式の二軸混練機を用いて一段階ですること
もできる。
プロピレンのホモ重合体および/またはエチレン−プロ
ピレンブロック共重合体とを混合する方法についても、
前記の動的熱処理物の場合と同様に公知の混練機器にて
溶融混練を行うことができる。なお本発明を実施するに
当たっては、混練は二段階に分けて実施してもよいし、
多段フィード式の二軸混練機を用いて一段階ですること
もできる。
【0017】使用される(III)無機充填剤としては、剛
性および耐熱性を改良させるものであればよく、例えば
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、結晶性ケイ酸
カルシウム、タルクおよびガラス繊維等が挙げられる
が、特にタルク、ガラス繊維が好ましい。タルクとして
は平均粒径1〜5μmが好ましい。平均粒径が1μm未
満では再凝集、分散不良等の問題を生じる。また平均粒
径が5μm以上では耐衝撃性、剛性の改良に効果が少な
い。またガラス繊維としては、シランカップリング剤で
表面処理をした、繊維径4〜13μmのチョップドガラ
スが好適に用いられる。
性および耐熱性を改良させるものであればよく、例えば
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、結晶性ケイ酸
カルシウム、タルクおよびガラス繊維等が挙げられる
が、特にタルク、ガラス繊維が好ましい。タルクとして
は平均粒径1〜5μmが好ましい。平均粒径が1μm未
満では再凝集、分散不良等の問題を生じる。また平均粒
径が5μm以上では耐衝撃性、剛性の改良に効果が少な
い。またガラス繊維としては、シランカップリング剤で
表面処理をした、繊維径4〜13μmのチョップドガラ
スが好適に用いられる。
【0018】(I)、(II)、(III)の最終組成物中の
含量はそれぞれ10〜15重量%、71〜84重量%、
6〜14重量%であり、好ましくはそれぞれ11〜14
重量%、74〜81重量%、8〜12重量%である。 (I)熱処理物が10重量%未満では低温衝撃性が劣
り、15重量%を超えると流動性の低下を招き、成形品
の外観不良を招く。また(III)無機充填剤は6重量%未
満では、剛性や耐熱性の向上効果が少なく、14重量%
を超えると流動性が低下する。
含量はそれぞれ10〜15重量%、71〜84重量%、
6〜14重量%であり、好ましくはそれぞれ11〜14
重量%、74〜81重量%、8〜12重量%である。 (I)熱処理物が10重量%未満では低温衝撃性が劣
り、15重量%を超えると流動性の低下を招き、成形品
の外観不良を招く。また(III)無機充填剤は6重量%未
満では、剛性や耐熱性の向上効果が少なく、14重量%
を超えると流動性が低下する。
【0019】本発明において(III)無機充填剤の混合
は、前記の混練機器が同様に使用でき、上記(I)と
(II)よりなる混合物を予め得た後(III)を混合する方
法、あるいは(a)、(b)の熱処理物(I)に(II)
を混合する際に同時に(III)を混合する方法等が採用す
ることができる。通常は(a)、(b)の熱処理物
(I)に(II)と(III)を同時に添加混合する方法が使
用される。
は、前記の混練機器が同様に使用でき、上記(I)と
(II)よりなる混合物を予め得た後(III)を混合する方
法、あるいは(a)、(b)の熱処理物(I)に(II)
を混合する際に同時に(III)を混合する方法等が採用す
ることができる。通常は(a)、(b)の熱処理物
(I)に(II)と(III)を同時に添加混合する方法が使
用される。
【0020】本発明にかかる上記(I)〜(III)からな
る熱可塑性樹脂組成物は、さらに本発明の目的を損なわ
ない範囲で、耐熱安定剤、核剤、紫外線吸収剤、滑剤、
帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、他の重合体等を含有
してもよい。
る熱可塑性樹脂組成物は、さらに本発明の目的を損なわ
ない範囲で、耐熱安定剤、核剤、紫外線吸収剤、滑剤、
帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、他の重合体等を含有
してもよい。
【0021】かくして得られた熱可塑性樹脂組成物は、
低温衝撃性および耐熱剛性に優れており自動車内装用成
形材料として好適に使用される。かかる成形材料は、メ
ルトインデックスが15〜40g/10minで、曲げ
弾性率が大きく、耐熱剛性(HDT)が高く、耐衝撃性
が高い、バランスの優れた材料となっている。
低温衝撃性および耐熱剛性に優れており自動車内装用成
形材料として好適に使用される。かかる成形材料は、メ
ルトインデックスが15〜40g/10minで、曲げ
弾性率が大きく、耐熱剛性(HDT)が高く、耐衝撃性
が高い、バランスの優れた材料となっている。
【0022】なお、本発明の自動車内装用成形材料は一
般の公知の方法により成形することによりピラー、ドア
トリム等の自動車内装用成形品とすることができる。
般の公知の方法により成形することによりピラー、ドア
トリム等の自動車内装用成形品とすることができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。尚、実施例における物性
値の測定法および使用した混練機器の仕様は次の通りで
ある。 (1)メルトインデックス(MI) JIS−K−6758に規定された方法にて行なった。
測定温度は230℃であり荷重は2.16kgで測定し
た。 (2)曲げ試験 JIS−K−7203に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み6.4mm)を用
い、スパン長さ100mm、荷重速度2.0mm/分の
条件で曲げ弾性率を評価した。測定温度は23℃で行な
った。 (3)アイゾット衝撃強度(Izod Impact) JIS−K−7110に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み6.4mm)を用
い、成形後にノッチ加工してノッチ付き衝撃強度を評価
した。測定温度はことわりのない限り23℃で行なっ
た。それ以外の温度の場合は所定温度の恒温槽で2時間
状態調整をした後に測定を行なった。 (4)ロックウェル硬度 JIS−K−7202に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み3.2mmの2枚重
ね)を用い、鋼球はRを用い評価し、値はRスケールで
表示した。 (5)加熱変形温度(HDT) JIS−K−7207に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み6.4mm)を用
い、4.6kgf/cm2 のファイバストレスで、2℃
/minで昇温した際に試験片が0.254mmのたわ
みを生ずる温度を測定した。 (6)バンバリーミキサー 神戸製鋼社製 MIXTRON BB−16 MIXE
R、2ウイング型ローター、チャンバー容積17.7リ
ットルのものを使用した。 (7)二軸混練押出機 日本製鋼社製 TEX−44SS−30W−2V(異方
向回転型)、スクリュー44mm×30L/Dを使用し
た。
れに限定されるものではない。尚、実施例における物性
値の測定法および使用した混練機器の仕様は次の通りで
ある。 (1)メルトインデックス(MI) JIS−K−6758に規定された方法にて行なった。
測定温度は230℃であり荷重は2.16kgで測定し
た。 (2)曲げ試験 JIS−K−7203に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み6.4mm)を用
い、スパン長さ100mm、荷重速度2.0mm/分の
条件で曲げ弾性率を評価した。測定温度は23℃で行な
った。 (3)アイゾット衝撃強度(Izod Impact) JIS−K−7110に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み6.4mm)を用
い、成形後にノッチ加工してノッチ付き衝撃強度を評価
した。測定温度はことわりのない限り23℃で行なっ
た。それ以外の温度の場合は所定温度の恒温槽で2時間
状態調整をした後に測定を行なった。 (4)ロックウェル硬度 JIS−K−7202に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み3.2mmの2枚重
ね)を用い、鋼球はRを用い評価し、値はRスケールで
表示した。 (5)加熱変形温度(HDT) JIS−K−7207に規定された方法によった。射出
成形により成形された試験片(厚み6.4mm)を用
い、4.6kgf/cm2 のファイバストレスで、2℃
/minで昇温した際に試験片が0.254mmのたわ
みを生ずる温度を測定した。 (6)バンバリーミキサー 神戸製鋼社製 MIXTRON BB−16 MIXE
R、2ウイング型ローター、チャンバー容積17.7リ
ットルのものを使用した。 (7)二軸混練押出機 日本製鋼社製 TEX−44SS−30W−2V(異方
向回転型)、スクリュー44mm×30L/Dを使用し
た。
【0024】以下に示す実施例・比較例において、各種
材料は表1、2に示す略称、即ち次のものを使用する。 PP:プロピレンホモ重合体 BC:エチレン−プロピレンブロック共重合体 EPR:エチレン−プロピレン共重合体ゴム EBR:エチレン−ブテン−1共重合体ゴム EPDM:エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共
重合体ゴム TALC:タルク PO:有機過酸化物 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン BM:架橋助剤 N,N’−m−フェニレンビスマレイミド
材料は表1、2に示す略称、即ち次のものを使用する。 PP:プロピレンホモ重合体 BC:エチレン−プロピレンブロック共重合体 EPR:エチレン−プロピレン共重合体ゴム EBR:エチレン−ブテン−1共重合体ゴム EPDM:エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共
重合体ゴム TALC:タルク PO:有機過酸化物 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン BM:架橋助剤 N,N’−m−フェニレンビスマレイミド
【0025】実施例1 ポリプロピレンとしてプロピレンホモ重合体(PP−
1)を30重量%とゴムとしてエチレン−プロピレン−
非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM−1)を70
重量%を有機過酸化物(PO)を0.1重量%および架
橋助剤を2.0重量%の存在下で、バンバリーミキサー
にて断熱状態で10分間混練し、その後ロールに通して
シートカッターにてペレット(以降、MBあるいはMB
ペレットと称する。)にした(第1工程)。次いで、P
P−2と39重量%とエチレン−プロピレンブロック共
重合体(BC−1)を39重量%、第1工程で作製した
MBを12重量%およびタルク(TALC)を10重量
%を各種安定剤と均一混合した後、二軸混練押出機にて
200℃で造粒し(第2工程)、射出成形機にて試片を
作製し評価した。表2にMBおよび均一混合物(コンパ
ウンド)の組成を参考までに示す。また、その評価結果
を表3に示す。
1)を30重量%とゴムとしてエチレン−プロピレン−
非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM−1)を70
重量%を有機過酸化物(PO)を0.1重量%および架
橋助剤を2.0重量%の存在下で、バンバリーミキサー
にて断熱状態で10分間混練し、その後ロールに通して
シートカッターにてペレット(以降、MBあるいはMB
ペレットと称する。)にした(第1工程)。次いで、P
P−2と39重量%とエチレン−プロピレンブロック共
重合体(BC−1)を39重量%、第1工程で作製した
MBを12重量%およびタルク(TALC)を10重量
%を各種安定剤と均一混合した後、二軸混練押出機にて
200℃で造粒し(第2工程)、射出成形機にて試片を
作製し評価した。表2にMBおよび均一混合物(コンパ
ウンド)の組成を参考までに示す。また、その評価結果
を表3に示す。
【0026】実施例2 実施例1の組成のうち、第2工程において、PP−2を
37重量%、BC−1を39重量%からBC−2を41
重量%に変更し、実施例1と同様に造粒し、試片を作製
・評価した。表2にMBおよび均一混合物(コンパウン
ド)の組成を参考までに示す。また、その評価結果を表
3に示す。
37重量%、BC−1を39重量%からBC−2を41
重量%に変更し、実施例1と同様に造粒し、試片を作製
・評価した。表2にMBおよび均一混合物(コンパウン
ド)の組成を参考までに示す。また、その評価結果を表
3に示す。
【0027】実施例3 実施例1の組成のうち、第2工程において、PP−2を
45重量%、BC−1を31重量%、実施例1で作製し
たMBを14重量%にそれぞれ変更し、実施例1と同様
に造粒し、試片を作製・評価した。表2にMBおよび均
一混合物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。ま
た、その評価結果を表3に示す。
45重量%、BC−1を31重量%、実施例1で作製し
たMBを14重量%にそれぞれ変更し、実施例1と同様
に造粒し、試片を作製・評価した。表2にMBおよび均
一混合物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。ま
た、その評価結果を表3に示す。
【0028】比較例1 PP−2を39重量%とBC−1を39重量%、エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)を6重量%、エ
チレン−ブテン−1共重合体ゴム(EBR)を6重量%
およびTALCを10重量%を各種安定剤と均一混合し
た後二軸混練押出機にて200℃で造粒し、射出成形機
にて試片を作製し評価した。表2にMBおよび均一混合
物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。また、そ
の評価結果を表3に示す。
ン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)を6重量%、エ
チレン−ブテン−1共重合体ゴム(EBR)を6重量%
およびTALCを10重量%を各種安定剤と均一混合し
た後二軸混練押出機にて200℃で造粒し、射出成形機
にて試片を作製し評価した。表2にMBおよび均一混合
物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。また、そ
の評価結果を表3に示す。
【0029】比較例2 比較例1の組成のうち、PP−1を37重量%、BC−
1を39重量%からBC−2を41重量%に変更し、比
較例1と同様に造粒し、試片を作製・評価した。表2に
均一混合物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。
また、その評価結果を表3に示す。
1を39重量%からBC−2を41重量%に変更し、比
較例1と同様に造粒し、試片を作製・評価した。表2に
均一混合物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。
また、その評価結果を表3に示す。
【0030】比較例3 比較例2の組成のうち、EPRを6重量%およびEBR
を6重量%からEPRを12重量%に変更し、比較例1
と同様に造粒し、試片を作製・評価した。表2に均一混
合物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。また、
その評価結果を表3に示す。
を6重量%からEPRを12重量%に変更し、比較例1
と同様に造粒し、試片を作製・評価した。表2に均一混
合物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。また、
その評価結果を表3に示す。
【0031】比較例4 PP−2を40重量%とBC−3を36重量%、EPR
を14重量%およびTALCを10重量%を比較例1と
同様に造粒し、試片を作製・評価した。表2に均一混合
物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。また、そ
の評価結果を表3に示す。
を14重量%およびTALCを10重量%を比較例1と
同様に造粒し、試片を作製・評価した。表2に均一混合
物(コンパウンド)の組成を参考までに示す。また、そ
の評価結果を表3に示す。
【0032】比較例5 比較例4の組成のうち、PP−2からPP−3に変更
し、比較例1と同様に造粒し、試片を作製・評価した。
表2に均一混合物(コンパウンド)の組成を参考までに
示す。また、その評価結果を表3に示す。
し、比較例1と同様に造粒し、試片を作製・評価した。
表2に均一混合物(コンパウンド)の組成を参考までに
示す。また、その評価結果を表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、特定のポリプロピレン
とオレフィン系共重合体ゴムとを有機過酸化物および架
橋助剤の存在下で動的に熱処理した熱処理物、特定のポ
リプロピレン及び無機充填剤を含有してなる自動車内装
用材料、およびかかる材料を用いた自動車内装用成形品
が提供される。本材料は機械的性質、特に曲げ弾性率、
耐熱剛性、耐衝撃性に優れ、自動車内装用成形品に好適
な材料として使用することができる。
とオレフィン系共重合体ゴムとを有機過酸化物および架
橋助剤の存在下で動的に熱処理した熱処理物、特定のポ
リプロピレン及び無機充填剤を含有してなる自動車内装
用材料、およびかかる材料を用いた自動車内装用成形品
が提供される。本材料は機械的性質、特に曲げ弾性率、
耐熱剛性、耐衝撃性に優れ、自動車内装用成形品に好適
な材料として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:00) (72)発明者 三宅 裕一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西尾 武純 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】(I)(a)プロピレンのホモ重合体およ
び/またはエチレン−プロピレンブロック共重合体(た
だし、プロピレンの単独重合部分のアイソタクチックペ
ンタッド分率が0.98以上である。)10〜50重量
%と(b)オレフィン系共重合体ゴム50〜90重量%
とからなる混合物を有機過酸化物および架橋助剤の存在
下で動的に熱処理した熱処理物10〜15重量%と、 (II)プロピレンのホモ重合体および/またはエチレン
−プロピレンブロック共重合体(ただし、プロピレンの
単独重合部分のアイソタクチックペンタッド分率が0.
98以上かつプロピレンの単独重合部分のメルトインデ
ックス(JIS−K−6758、230℃)が30〜1
50g/10minである。)71〜84重量%、およ
び (III)無機充填剤6〜14重量% とを含有してなることを特徴とする自動車内装用材料。 - 【請求項2】(a)プロピレンのホモ重合体および/ま
たはエチレン−プロピレンブロック共重合体のメルトイ
ンデックス(JIS−K−6758、230℃)が11
〜30g/10minであることを特徴とする請求項1
記載の自動車内装用材料。 - 【請求項3】(b)オレフィン系共重合体ゴムが、エチ
レン含量が90〜40重量%、α−オレフィン含量が1
0〜60重量%、かつ非共役ジエン含量が0〜12重量
%であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムまたは
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン三元共重合体
ゴムであり、そのムーニー粘度(ML1+4 100℃)が
10〜100であることを特徴とする請求項1記載の自
動車内装用材料。 - 【請求項4】α−オレフィンが、プロピレンまたはブテ
ン−1であることを特徴とする請求項3記載の自動車内
装用材料。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の自動車内
装用材料を使用してなることを特徴とする自動車内装用
成形品。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10676595A JPH08302105A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 自動車内装用材料および成形品 |
AU50769/96A AU696168B2 (en) | 1995-04-28 | 1996-04-22 | Thermoplastic resin composition |
US08/636,220 US5852100A (en) | 1995-04-28 | 1996-04-23 | Thermoplastic resin composition |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1995
- 1995-04-28 JP JP10676595A patent/JPH08302105A/ja active Pending
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