JPH08294930A - ゴム手袋の製造方法およびゴム手袋の内面形成用組成物 - Google Patents

ゴム手袋の製造方法およびゴム手袋の内面形成用組成物

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JPH08294930A
JPH08294930A JP12726695A JP12726695A JPH08294930A JP H08294930 A JPH08294930 A JP H08294930A JP 12726695 A JP12726695 A JP 12726695A JP 12726695 A JP12726695 A JP 12726695A JP H08294930 A JPH08294930 A JP H08294930A
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範洋 杉原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑剤等の異物を用いることなく容易に着脱で
きるゴム手袋を、簡素な製造工程で安価に実現する。 【構成】 手袋用型を配合ラテックス液に浸漬し、当該
型の表面に配合ラテックス液による第1層を形成する。
続いて、熱可塑性樹脂微粒子とゴムラテックスとブロッ
クドイソシアネートとを主成分とする表面処理液に第1
層が形成された手袋用型を浸漬し、第1層の上に熱可塑
性樹脂微粒子が分散した表面処理液による第2層を形成
する。次に、熱可塑性樹脂微粒子の融点以上の温度で熱
可塑性樹脂微粒子を半溶融させるとともに第1層と第2
層とを加硫硬化させる。さらに、第1層が外面側となり
かつ第2層が内面側となるように第1層と第2層とを手
袋用型から裏返しながら抜き取ると、ゴム手袋が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム手袋の製造方法、特
に、着脱が容易なゴム手袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ゴムまたは合成ゴムから作られた所
謂ゴム手袋は、その内側表面が粘着性を有しているため
に滑り性が小さく、着脱しにくい。このため、このよう
なゴム手袋は、着脱が容易にできるようにするために、
様々な工夫が施されている。例えば、ゴム手袋を塩素水
に浸漬し、その表面に塩化ゴムの層を形成させる方法が
ある。しかし、この方法では、塩素水による処理工程の
制御が難しく、着脱性も十分に改善できるとはいい難
い。また、得られた製品は、塩化ゴムの層が剥落し易
く、強力な酸化剤によって劣化し易い。
【0003】このため、上述のような塩素水による処理
方法に代えて、滑剤を用いて着脱性を高める工夫がなさ
れている。例えば、特開昭61−24418号公報に
は、タルク、炭酸カルシウム、雲母、澱粉等の粉体(滑
剤)入りの合成樹脂ラテックスからなる内側面を設けた
ゴム手袋が示されている。また、特公昭60−6655
号公報には、ふりかけ粉のような滑剤を別途使用するこ
となく着用できる、手袋の内面に滑剤の一部が露出する
ように結合された医療用手袋が提案されている。さら
に、特開昭63−175104号公報には、直径10μ
m未満の真球状ポリオレフィン系樹脂微粒子(滑剤)を
含む合成樹脂エマルジョンを用いる塩化ビニル樹脂製手
袋の製造方法が提案されている。さらに、特開平6−2
2981号公報には、上述の特公昭60−6655号公
報に記載のものを改良したものとして、粒子が全体に分
布しているブロッキング防止組成層の上にシリコーン被
覆物をさらに被覆したものが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−2441
8号公報に示されたゴム手袋は、粉体が滑剤として作用
するために着脱性は改善されるが、内側表面に粉体が付
着しているだけの状態であるため、着脱時や装着中に粉
体が手袋から脱離するおそれがある。このため、この種
のゴム手袋を医療用手袋(手術用手袋)に用いた場合
は、脱離した粉体により手術部分が汚染されて術後感染
を招くおそれがある。また、特公昭60−6655号公
報、特開昭63−175104号公報に記載されたもの
についても、着脱性は改善されるものの滑剤とエラスト
マーとの接着性が不十分であるため、型から抜き取ると
きや手袋を着脱する際に起きるエラストマーの伸縮によ
って滑剤の一部が脱離する場合があり、特開昭61−2
4418号公報のものと同様の問題がある。
【0005】さらに、特開平6−22981号公報に示
されたものは、製造工程が多岐にわたり複雑であるた
め、生産性が悪く、また製造コストが高くなる。本発明
の目的は、着脱が容易であり、しかも着脱時等に滑剤等
に用いられた微粒子が脱離しにくいゴム手袋を、簡素な
製造工程で安価に実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、手袋用型を配合ラテ
ックス液に浸漬して当該型の表面に配合ラテックス液に
よる第1層を形成し、続いて、熱可塑性樹脂微粒子とゴ
ムラテックスとブロックドイソシアネートとを主成分と
する表面処理液に浸漬することにより第1層の上に熱可
塑性樹脂微粒子が分散した表面処理液による第2層を形
成し、その後、当該熱可塑性樹脂微粒子の融点以上の温
度で熱可塑性樹脂微粒子を半溶融させるとともに第1層
と第2層とを加硫硬化させることにより、手袋の着脱時
に粉末等の異物が飛び散る等の従来の問題点を解決し、
優れた着脱性を有するゴム手袋を簡素な工程で安価に製
造できることを見い出し本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明に係るゴム手袋の製造方
法は、(1)手袋用型を配合ラテックス液に浸漬し、手
袋用型の表面に配合ラテックス液による第1層を形成す
る工程、(2)熱可塑性樹脂微粒子とゴムラテックスと
ブロックドイソシアネートとを主成分とする表面処理液
に第1層が形成された手袋用型を浸漬し、第1層の上に
熱可塑性樹脂微粒子が分散した表面処理液による第2層
を形成する工程、(3)熱可塑性樹脂微粒子の融点以上
の温度で熱可塑性樹脂微粒子を半溶融させるとともに、
第1層と第2層とを加硫硬化させる工程、(4)第1層
が外面側となりかつ第2層が内面側となるように、第1
層と第2層とを手袋用型から裏返しながら抜き取る工
程、からなることを特徴としている。
【0008】この製造方法において、表面処理液中の熱
可塑性樹脂微粒子(A)とゴムラテックスの固形分
(B)との重量比率(A/B)は、通常、1/20〜2
0/1の範囲に設定されている。また、表面処理液中の
ブロックドイソシアネートの割合は、通常、熱可塑性樹
脂微粒子100重量部に対して0.1〜20重量部の範
囲に設定されている。さらに、熱可塑性樹脂微粒子の平
均粒子径は、通常、第2層の厚みよりも大きくなるよう
設定されている。さらに、熱可塑性樹脂微粒子は、通
常、平均粒子径が10〜30μmの球状微粒子である。
さらに、熱可塑性樹脂微粒子は、例えば、エチレン−ア
クリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合
体樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン共重合体樹
脂、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共
重合体樹脂、およびエチレン−メタクリル酸エステル−
無水マレイン酸共重合体樹脂からなる群より選ばれた少
なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる微粒子である。ま
た、本発明に係るゴム手袋の内面形成用組成物は、熱可
塑性樹脂微粒子とゴムラテックスとブロックドイソシア
ネートとを主成分としている。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るゴム手袋の製造方法では、先ず、手袋用型を配合ラ
テックス液(第1液)に浸漬する。ここでは、手袋用型
の表面に配合ラテックス液が付着し、当該型の表面にエ
ラストマー材料からなる第1層が形成される。ここで用
いられる手袋用型は、人の手の輪郭に対応する形状を有
するものであり、磁器製またはプラスチック製である。
この型は、製造しようとするゴム手袋の使用目的に応じ
て、手首から指先までの形状のもの、肘から指先までの
形状のもの等、種々の形状のものを用いることができ
る。
【0010】第1液として用いる配合ラテックス液は、
特に限定されるものではないが、一般に、ゴムラテック
スに加硫促進剤や酸化防止剤等を添加したものである。
ゴムラテックスとしては、例えば、天然ゴムラテック
ス、ポリイソプレンゴムラテックス、クロロプレンゴム
ラテックス、ニトリルゴムラテックス、ポリウレタンゴ
ムラテックス等が挙げられる。このうち、優れたゴム特
性を有していること、および安価であること等の理由に
より、天然ゴムラテックスが好ましく使用される。
【0011】上述の手袋用型を上述の配合ラテックス液
に浸漬する場合には、予め当該型を洗浄しておく。そし
て、当該型を硝酸カルシウムメタノール等の凝固液に浸
漬して乾燥し、その後上述の配合ラテックス液に浸漬す
る。ここでは、エラストマー材料からなる第1層を所定
の厚さに設定するために、手袋用型を1回〜数回配合ラ
テックス液に浸漬する。なお、第1層の厚さは、通常、
100〜200μmに設定するのが好ましい。浸漬後、
手袋用型は予備乾燥しておく。
【0012】次に、第1層が形成された手袋用型を、熱
可塑性樹脂微粒子とゴムラテックスとブロックドイソシ
アネートとを主成分とする表面処理液(第2液:本発明
に係るゴム手袋の内面形成用組成物)に浸漬する。ここ
では、当該表面処理液により、第1層の上に熱可塑性樹
脂微粒子が分散した第2層が形成される。
【0013】表面処理液に用いるゴムラテックスは、特
に限定されるものではないが、第1層と第2層との十分
な接着性を確保するために、第1層を形成するために用
いたゴムラテックスと同種のものが好ましい。また、熱
可塑性樹脂微粒子は、その融点が第1層を構成するエラ
ストマー材料の加硫温度以下のものであれば特に限定さ
れるものではない。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂およびそれらの無
水マレイン酸変性物、塩化ビニル樹脂、エチレン−塩化
ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹
脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチ
レン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリ
ル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エス
テル−無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−メタク
リル酸エステル−無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹
脂、共重合ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂からなる微
粒子が使用できる。
【0014】このような熱可塑性樹脂微粒子のうち、エ
ラストマー材料との良好な接着性を確保するために、エ
チレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリ
ル酸共重合体樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン
樹脂、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸
共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル−無水
マレイン酸共重合体樹脂のうちの少なくとも1種からな
るものが特に好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂微粒子の形状は、特に限定さ
れるものではないが、ゴム手袋を装着するときの感触、
風合い等の点で、球状が好ましい。また、熱可塑性樹脂
微粒子は、平均粒子径が10〜30μmの範囲のものが
好ましい。平均粒子径が10μm未満の場合は、熱可塑
性樹脂微粒子の一部が第2層から突出した状態になりに
くく、ゴム手袋の着脱容易性を高めるのが困難になる。
逆に、30μmを超える場合は、装着感が悪くなり好ま
しくない。なお、熱可塑性樹脂微粒子の平均粒子径は、
上述の範囲内でありかつ後述する第2層の厚みよりも大
きいことが好ましい。平均粒子径が第2層の厚みよりも
小さい場合は、熱可塑性樹脂微粒子が第2層から突出し
た状態になりにくく、ゴム手袋の着脱容易性を高めるの
が困難になる。
【0016】上述の熱可塑性樹脂微粒子の使用量は、表
面処理液中の熱可塑性樹脂微粒子(A)とゴムラテック
スの固形分(B)との重量比率(A/B)が1/20〜
20/1の範囲になるよう設定するのが好ましい。より
好ましい範囲は、1/10〜10/1である。この重量
比率が20/1より大きくなると、熱可塑性樹脂微粒子
の一部が第2層から脱離する確率が高くなる。逆に、こ
の重量比率が1/20より小さくなると、所望の表面改
質効果が得られず、ゴム手袋の着脱性が不十分になる場
合がある。
【0017】表面処理液に用いるブロックドイソシアネ
ートは、特に限定されるものではなく、フェノール、ラ
クタム、オキシム等の公知のブロック剤でブロック化さ
れたイソシアネート化合物が使用できる。具体的には、
例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートフェノール
ブロック化化合物、末端イソシアネートウレタンポリマ
ーオキシムブロック化化合物等を用いることができる。
ブロックドイソシアネートは水分散体の形態で使用する
のが好ましい。水分散体は、自己乳化法、或いは乳化剤
を使用して強制乳化する等の公知の方法で得ることがで
きる。
【0018】ブロックドイソシアネートの使用量は、熱
可塑性樹脂微粒子100重量部に対して0.1〜20重
量部に設定するのが好ましく、0.5〜10重量部に設
定するのがより好ましい。使用量が0.1重量部未満の
場合は、熱可塑性樹脂微粒子とエラストマーとの接着性
を高める効果が十分に発揮されにくく、この結果、エラ
ストマーの伸縮時に熱可塑性樹脂微粒子が脱離し易くな
るおそれがある。逆に、20重量部を超える場合は、使
用量に比例した効果が得られず、経済的ではないばかり
か、エラストマーの物性に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。
【0019】このようなブロックドイソシアネートは、
ブロック剤部分が加硫硬化温度で簡単に解離し、遊離し
たイソシアネート基を介して熱可塑性樹脂微粒子とエラ
ストマー材料との結合をより強くする。上述の表面処理
液は、上述のゴムラテックス、熱可塑性樹脂微粒子およ
びブロックドイソシアネートとを所定の割合で混合する
ことにより得られる。ここでは、熱可塑性樹脂微粒子を
より効果的に分散するため、必要に応じて少量の分散剤
や界面活性剤を添加しても良い。或いは、熱可塑性樹脂
微粒子を予め水に分散しておいてから添加しても良い。
【0020】第1層が形成された手袋用型を上述の表面
処理液に浸漬する際には、目的とする第2層を所定の厚
さに設定するために、当該手袋用型を1回〜数回表面処
理液に浸漬する。なお、第2層の厚さは、通常、5〜2
5μmに設定するのが好ましい。
【0021】次に、第2層が形成された手袋用型を表面
処理液から取り出し、この手袋用型を上述の熱可塑性樹
脂微粒子の融点以上の温度で当該熱可塑性樹脂微粒子を
半溶融の状態となるように熱処理し、同時に第1層およ
び第2層を構成するエラストマー材料を加硫硬化させ
る。ここで、半溶融状態とは、熱可塑性樹脂微粒子の融
点ないし融点より高い温度で、熱可塑性樹脂微粒子の形
状を変化させることなくその表面のみを溶融させた状態
をいう。この際、熱可塑性樹脂微粒子の接着性は、第2
層に含まれるブロックドイソシアネートから遊離したイ
ソシアネート基の作用により高められる。また、第1層
を構成するエラストマー材料の加硫硬化時には、同時に
第2層に含まれるエラストマー材料(ゴムラテックス)
も熱可塑性樹脂微粒子の表面を覆うように加硫硬化す
る。なお、加硫温度は、エラストマー材料の種類にもよ
るが、一般的には80℃〜130℃である。
【0022】次に、このようにして得られたゴム手袋を
手袋用型から抜き取る。ここでは、先に形成された第1
層が外面側になり、後で形成された第2層が内面側にな
るように第1層と第2層とを裏返しながら手袋用型から
抜き取る。この結果、第1層が表側面に配置され、第2
層が内側面に配置されたゴム手袋が得られる。このゴム
手袋の内面、即ち第2層は、エラストマー材料からなる
第1層の表面に熱可塑性樹脂微粒子がその形状を保った
ままで分散、接着しており、その表面がさらにエラスト
マー材料により覆われたエンボス状に形成される。
【0023】このゴム手袋は、上述のように、内側面が
エンボス状に形成されているため、着脱が容易である。
しかも、この内側面のエンボス形状を形成している熱可
塑性樹脂微粒子は、全体的にエラストマー材料により覆
われているため、着脱時や伸縮時等に剥落しにくい。本
発明により製造されたゴム手袋は、例えば、手術用等の
医療用、食品用、或いは工業用等の用途に用いられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は、これらに限定されるものではない。実施例1 洗浄された磁器製の手袋用型を硝酸カルシウムメタノー
ル凝固液中に浸漬し、乾燥した。その後、この手袋用型
を加硫促進剤と酸化防止剤とを含む配合天然ゴムラテッ
クス液(第1液)中に浸漬し、型の表面に厚さ150μ
mのエラストマー層(第1層)を形成した。このエラス
トマー層は、その後、90℃で5分間予備乾燥した。
【0025】続いて、表1に示した組成の表面処理液
(第2液)中に手袋用型を浸漬し、エラストマー層上に
厚み10μmの表面処理層(第2層)を形成した。これ
を130℃で30分処理することによりエチレン−アク
リル酸共重合体樹脂微粒子を半溶融状態にするとともに
エラストマー層および表面処理層を加硫硬化させた。こ
うして得られたゴム手袋を型から裏返しながら抜き取っ
たところ、着用者の手に接する内側表面に、エチレン−
アクリル酸共重合体樹脂微粒子とそれを覆うエラストマ
ー材料により形成されたエンボス状の形状を有するゴム
手袋が得られた。得られたゴム手袋について、装着性、
伸縮時(伸縮前後)の粒子の脱離について評価した。結
果を表4に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 表2に示した組成の表面処理液(第2液)を用いた点を
除き、実施例1と同様の方法でゴム手袋を作製した。得
られたゴム手袋について、同様の評価をした。結果を表
4に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3〜5 実施例1で用いた表面処理液に含まれるエチレン−アク
リル酸共重合体樹脂微粒子(表1参照)に代えて表3に
示した熱可塑性樹脂微粒子を用いた点を除き、実施例1
と同様の方法でゴム手袋を作製した。得られたゴム手袋
について、同様の評価をした。結果を表4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】比較例1 表面処理液として表1において配合天然ゴムラテックス
を含まない組成のものを用いた点を除き、実施例1と同
様の方法でゴム手袋を作製した。得られたゴム手袋につ
いて、同様の評価をした。結果を表4に示す。
【0032】比較例2 表面処理液として表1においてブロックドイソシアネー
トを含まない組成のものを用いた点を除き、実施例1と
同様の方法でゴム手袋を作製した。得られたゴム手袋に
ついて、同様の評価をした。結果を表4に示す。
【0033】比較例3 表面処理液として表1のエチレン−アクリル酸共重合体
樹脂微粒子の代わりにコーンスターチ(平均粒子径30
μm)を用いた組成のものを利用した点を除き、実施例
1と同様の方法でゴム手袋を作製した。得られたゴム手
袋について、同様の評価をした。結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明に係るゴム手袋の製造方法では、
ゴム手袋の内側面を形成するための表面処理液として、
熱可塑性樹脂微粒子とゴムラテックスとブロックドイソ
シアネートとを主成分とするものを用いている。このた
め、この製造方法によれば、滑剤等の異物を用いること
なく容易に着脱できるゴム手袋を、簡素な製造工程で安
価に製造することができる。
【0036】本発明に係るゴム手袋の内面形成用組成物
は、熱可塑性樹脂微粒子とゴムラテックスとブロックド
イソシアネートとを主成分としているため、滑剤等の異
物を用いることなく容易に着脱できるゴム手袋を、容易
にかつ安価に実現できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)手袋用型を配合ラテックス液に浸漬
    し、前記手袋用型の表面に前記配合ラテックス液による
    第1層を形成する工程、(2)熱可塑性樹脂微粒子とゴ
    ムラテックスとブロックドイソシアネートとを主成分と
    する表面処理液に前記第1層が形成された前記手袋用型
    を浸漬し、前記第1層の上に前記熱可塑性樹脂微粒子が
    分散した前記表面処理液による第2層を形成する工程、
    (3)前記熱可塑性樹脂微粒子の融点以上の温度で前記
    熱可塑性樹脂微粒子を半溶融させるとともに、前記第1
    層と前記第2層とを加硫硬化させる工程、(4)前記第
    1層が外面側となりかつ前記第2層が内面側となるよう
    に、前記第1層と前記第2層とを前記手袋用型から裏返
    しながら抜き取る工程、からなることを特徴とするゴム
    手袋の製造方法。
  2. 【請求項2】前記表面処理液中の前記熱可塑性樹脂微粒
    子(A)と前記ゴムラテックスの固形分(B)との重量
    比率(A/B)が1/20〜20/1の範囲に設定され
    ていることを特徴とする、請求項1に記載のゴム手袋の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記表面処理液中の前記ブロックドイソシ
    アネートの割合が、前記熱可塑性樹脂微粒子100重量
    部に対して0.1〜20重量部の範囲に設定されている
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム手袋
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性樹脂微粒子の平均粒子径が前
    記第2層の厚みよりも大きいことを特徴とする、請求項
    1、2または3に記載のゴム手袋の製造方法。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性樹脂微粒子が平均粒子径10
    〜30μmの球状微粒子であることを特徴とする、請求
    項1、2、3または4に記載のゴム手袋の製造方法。
  6. 【請求項6】前記熱可塑性樹脂微粒子が、エチレン−ア
    クリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合
    体樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン共重合体樹
    脂、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共
    重合体樹脂、およびエチレン−メタクリル酸エステル−
    無水マレイン酸共重合体樹脂からなる群より選ばれた少
    なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる微粒子であること
    を特徴とする、請求項1、2、3、4または5に記載の
    ゴム手袋の製造方法。
  7. 【請求項7】熱可塑性樹脂微粒子とゴムラテックスとブ
    ロックドイソシアネートとを主成分とする、ゴム手袋の
    内面形成用組成物。
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Cited By (5)

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