JPH08294428A - リクライニングシートにおける背凭れ調整装置 - Google Patents

リクライニングシートにおける背凭れ調整装置

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JPH08294428A
JPH08294428A JP12723595A JP12723595A JPH08294428A JP H08294428 A JPH08294428 A JP H08294428A JP 12723595 A JP12723595 A JP 12723595A JP 12723595 A JP12723595 A JP 12723595A JP H08294428 A JPH08294428 A JP H08294428A
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JP
Japan
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backrest
cam
seat
spring means
tilting arm
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Application number
JP12723595A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Nagai
知行 永井
Toshihiko Hidaka
俊彦 日高
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Yanagisawa Seiki Seisakusho KK
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Yanagisawa Seiki Seisakusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】通路を狭くしている背凭れの前方への退避的傾
動を簡単に行うことができて、清掃や方向変換を容易に
行えるようにすることのできる背凭れ調整装置を、従来
と同様な一般的な取付ブラケットを持つガススプリング
手段を利用するとともに、背凭れ側とシートフレーム側
とに、カムと、その係合溝内に係合する係止部材とをそ
れぞれ設けるという簡単な構成によって提供すること。 【構成】背凭れ220側と座部210のフレームとの間
に介装した背凭れ角度の調節保持用ガススプリング手段
100aと、背凭れ220側に一体的に形成されて、そ
の下端がガススプリング手段100aに連結される傾倒
アーム221と、枢軸223上または背凭れ220側に
一体化されて枢軸223回りの所定の円周角度範囲に亘
る係合溝41を有するカム40と、背凭れ220側また
は枢軸223上に回動自在に設けられてカム40の係合
溝41内に係合する係止部材50とを備えたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リクライニングシート
を構成している背凭れの傾倒角度の調節保持を行う背凭
れ調整装置に関し、特に背凭れを前傾保持または前傾動
可能にしその後方の空間を大きく確保し得るようにした
背凭れ調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】新幹線や在来特急等の鉄道車両、リクレ
ーション用の自動車、あるいは都市間交通用または定期
バス等のような乗物においては、乗客(使用者)が安楽
姿勢をとることができるようにした所謂リクライニング
シートと呼ばれる座席が使用されている。このリクライ
ニングシートは、使用者が着座する座部に対して背凭れ
の傾倒角度を調節可能に組付けたものであるが、近年の
リクライニングシートにおいては、この座部と背凭れと
の間に背凭れ角度の調節保持用ガススプリング手段を介
在させて、この背凭れ角度の調節保持用ガススプリング
手段の作動により、背凭れの任意角度位置での固定と、
さらには背凭れの起立位置への自動復帰を可能にしてい
るものである。
【0003】従来より採用されている背凭れ角度の調節
保持用ガススプリング手段は、基本的には、シリンダ内
に所定圧の高圧ガスを封入すると共にピストンロッドを
担うピストンを摺動自在に挿入し、このピストンによ
り、シリンダの内部を作動液で満たされたロッド側室と
ヘッド側室との二つの作動室に区画したものである。そ
して、上記二つの作動室間を連通する連通路に開閉バル
ブを設けておき、この開閉バルブを、外部から開閉操作
することにより、シリンダに対するピストンの相対位置
を変更可能にして、ピストンロッドをシリンダ外に伸縮
動作させるようにしたものである。
【0004】このようなガススプリング手段を備えた従
来の背凭れ調整装置は、そのシリンダの基端とピストン
ロッドの外部突出端とを、それぞれ取付部材を用いて座
部と背凭れとの間に介装されるのであり、使用者が上記
開閉バルブを開くと同時に所定の外力を背凭に加えてや
れば、背凭れは任意の位置まで倒伏可能となるのであ
り、開閉バルブを閉じてやれば背凭れはその任意の傾倒
位置で固定保持されるのである。
【0005】一方、この背凭れ角度の調節保持用ガスス
プリング手段によってリクライニングされた背凭れを元
の起立位置に自動復帰できるようにするために、この背
凭れ角度の調節保持用ガススプリング手段が、例えば単
筒式の場合、上記シリンダのヘッド側に位置する作動室
内にフリーピストンを摺動自在に配置して、このフリー
ピストンによってヘッド側の作動室の一部をガス室とし
て区画することも行われている。すなわち、このガス室
は、予め高圧にされているものであり、前記連通路部に
設けた開閉バルブが開かれたときにヘッド側作動室とロ
ッド側作動室とが互いに連通されて作動液の自由な往来
を許容し、結果として、ピストンロッドがその有効断面
積と封入ガスとに基づく推力を受けて伸長するようにし
て、背凭れの起立を自動的に行うようにしたものであ
る。
【0006】ところで、この種のリクライニングシート
は、限られたスペースしかない乗物内になるべく間をつ
めて多数配列されるものであり、向きが変えられない固
定式のものであっても、また全体を回転させて向きを変
える所謂方向可変座席であっても、各リクライニングシ
ートの背凭れの後方には限られたスペースしかないもの
である。このため、上記のような背凭れ角度の調節保持
用ガススプリング手段を使用したリクライニングシート
であると、次のような場合には、以下のような各種の不
都合が現れることになる。
【0007】(着座しているリクライニングシートから
は前のものの操作が困難なこと)背凭れをリクライニン
グさせたり元へ戻したりする際に必要な操作レバーは、
当該リクライニングシートの座部に着座した人が使用し
易いように、座部の両側にある肘掛や座部の前方下部等
に設けることが多い。一方、このリクライニングシート
の背凭れがリクライニングされたままの状態にあると、
当該リクライニングシートの後方に位置するリクライニ
ングシートを使用しようとする人は、前の大きくリクラ
イニングされた背凭れによって狭くなった通路を通って
座部に着座しなければならない。この狭い通路を広げる
ためには、前のリクライニングシートの操作レバーを操
作して背凭れを起立させればよいが、その操作レバーは
後方のリクライニングシートに着座しようとする使用者
にとっては手の届かない位置にある。
【0008】(リクライニングシート前の通路が狭くて
その清掃等が困難であること)以上のことは、各リクラ
イニングシートの前方の通路の清掃を行う際にも問題と
なる。つまり、清掃しようとしている通路の前のリクラ
イニングシートにおいて、その背凭れがリクライニング
されたままであると、当該通路が狭くなって清掃を行う
ことが困難になるのである。
【0009】(方向変換が困難になること)特に、この
リクライニングシートが方向可変座席である場合に、各
背凭れがリクライニングされたままであると、その回転
時に背凭れが乗物の側壁等に当接して完全に回転させる
ことができなくなるから、回転しようとする前に全座席
の操作レバーを操作して各背凭れを起立状態に直してお
かなければならないという不便さがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述したよ
うな背凭れ角度の調節保持用ガススプリング手段を採用
したリクライニングシートについての上記のような実状
に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題
は、通路が狭いことに基づく利用者の不便と清掃の困難
性、及び方向可変座席においての方向変換の困難性を解
決することである。
【0011】すなわち、まず請求項1に係る発明の目的
とするところは、通路を狭くしている背凭れの前方への
退避的傾動を簡単に行うことができて、清掃や方向変換
を容易に行えるようにすることのできる背凭れ調整装置
を、従来と同様な一般的な取付ブラケットを持つガスス
プリング手段を利用するとともに、背凭れ側とシートフ
レーム側とに、カムと、その係合溝内に係合する係止部
材とをそれぞれ設けるという簡単な構成によって提供す
ることにある。
【0012】また、請求項2〜請求項4に係る発明の目
的とするところは、上記請求項1に係る発明の目的を達
成することができるようにする他、背凭れの前後動によ
る異音発生がなく、しかも背凭れを所定の起立状態に、
または更なる前傾状態に自動的に整列保持することがで
き、操作性あるいは作業性の非常によい背凭れ調整装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上課題を解決するため
に、まず請求項1に係る発明の採った手段は、実施例に
おいて使用する符号を付して説明すると、「乗物内に設
置されて使用者が着座する座部210と、この座部21
0を支持するシートフレーム側に一体化されて座部21
0の後部側方にて立ち上がる支持フレーム224と、こ
の支持フレーム224に一体化された枢軸223に回動
自在に組付けられて座部210に対して傾倒角度を調節
可能に組付けた背凭れ220とを有するリクライニング
シート200において、背凭れ220を任意の傾倒位置
に調節保持すべく、シリンダ10と、このシリンダ10
内に組付けたピストン20と、このピストン20に一体
化されてシリンダ10外に伸縮運動自在としたピストン
ロッド30と、ピストン20前後の作動室11、12を
連通する油路中に設けられた開閉弁21とを備え、かつ
背凭れ220側と座部210のフレームとの間に介装し
た背凭れ角度の調節保持用ガススプリング手段100a
と、背凭れ220側に一体的に形成されて、その下端が
ガススプリング手段100aに連結される傾倒アーム2
21と、枢軸223上にまたは背凭れ220側に一体化
されて枢軸223回りの所定の円周角度範囲に亘る係合
溝41を有するカム40と、背凭れ220側または枢軸
223上に回動自在に設けられてカム40の係合溝41
内に係合する係止部材50とを備えたことを特徴とする
背凭れ調整装置100」である。
【0014】すなわち、この発明に係る背凭れ調整装置
100においては、その背凭れ角度の調節保持用ガスス
プリング手段(以下単にガススプリング手段ということ
もある)100aを利用するとともに、枢軸223に上
端部が嵌合されて下端がガススプリング手段100aに
連結される傾倒アーム221の上端部または背凭れ22
0側に所定の円周角度範囲に亘る係合溝41を有するカ
ム40を一体化したものである。そして、背凭れ220
側または傾倒アーム221上に回動自在に設けた係止部
材50が、カム40の係合溝41内にて係合するように
したものである。換言すれば、これらのカム40及び係
止部材50は、固定的な枢軸223と、これを中心に傾
動する背凭れ220のそれぞれに取付けられて、両者間
の枢軸223回りの動きを係合溝41の円周角度範囲内
にて相対的に許容するようにしたものである。
【0015】これにより、この背凭れ調整装置100に
おいては、ガススプリング手段100aのピストンロッ
ド30のストローク範囲とは別に、カム40の係合溝4
1内で背凭れ220の傾動範囲を増大させ、背凭れ22
0の前方への退避的傾動を可能としたものである。
【0016】また、請求項2に係る発明の採った手段
は、上記請求項1に係る背凭れ調整装置100につい
て、その背凭れ220側と傾倒アーム221上端部のカ
ム40との間、または背凭れ220側のカム40と傾倒
アーム221の上端部との間に、両者の相対変位に対し
て適正な抵抗を付与する弾性ワッシャ60を介在させた
ものである。
【0017】すなわち、この請求項2に係る背凭れ調整
装置100においては、枢軸223に対する背凭れ22
0の回動を、枢軸223側と背凭れ220側との間に弾
性ワッシャ60を介在させて行うようにして、背凭れ2
20の枢軸223回りの回動がある程度の摩擦力の存在
下で行われるようにしたものであり、カム40と係止部
材50との間のガタをなくして異音の発生を防止するよ
うにしたものである。従って、この弾性ワッシャ60を
介在させる態様としては、カム40を背凭れ220側と
枢軸223側とのいずれに固定するかによって異なるも
のであり、背凭れ220側と傾倒アーム221上端部の
カム40との間、または背凭れ220側のカム40と傾
倒アーム221の上端部との間のいずれかの場合が考え
られるものである。
【0018】さらに、請求項3に係る発明の採った手段
は、上記請求項1または請求項2の背凭れ調整装置10
0について、背凭れ220側と傾倒アーム221上端部
のカム40との間、または背凭れ220側のカム40と
傾倒アーム221の上端部との間に、背凭れ220を常
に前傾する方向に付勢する第1ばね手段71を介在させ
たものである。すなわち、この背凭れ調整装置100に
おいては、例えば第1ばね手段71の作用によって係止
部材50がカム40の係合溝41の前端側に位置せら
れ、この係合溝41による係止部材50の移動許容量に
従って背凭れ220が常にガススプリング手段100a
によるセット保持位置以上に退避傾動角度αだけ前傾側
に保持し得るようにしたものである。
【0019】従って、この第1ばね手段71を介在させ
る態様としても、カム40を背凭れ220側と枢軸22
3側とのいずれに固定するかによって異なるものであ
り、背凭れ220側と傾倒アーム221上端部のカム4
0との間、または背凭れ220側のカム40と傾倒アー
ム221の上端部との間のいずれかの場合が考えられる
ものである。
【0020】そして、請求項4に係る発明の採った手段
は、上記請求項1の背凭れ調整装置100について、背
凭れ220側と傾倒アーム221上端部のカム40との
間、または背凭れ220側のカム40と傾倒アーム22
1の上端部との間に、背凭れ220を後傾方向に付勢す
る第2ばね手段72を設けたものである。つまり、この
背凭れ調整装置100においては、例えば係止部材50
がカム40の係合溝41の後端側に位置せられることに
より、背凭れ220が常にガススプリング手段100a
によるセット保持位置に整列保持され、車両の前後動を
伴う背凭れ220の前後方向のガタがなくなり、しかも
背凭れ220を押して、上記第2ばね手段72に抗して
係止部材50がカム40の係合溝41の後端側に相対的
に移動するように背凭れ220を傾動させることによ
り、背凭れ220を上記セット保持位置以上に退避的傾
動角度αだけ前傾側に強制移動させ得るようにしたもの
である。
【0021】従って、この第2ばね手段72を介在させ
る態様としても、カム40を背凭れ220側と枢軸22
3側とのいずれに固定するかによって異なるものであ
り、背凭れ220側と傾倒アーム221上端部のカム4
0との間、または背凭れ220側のカム40と傾倒アー
ム221の上端部との間のいずれかの場合が考えられる
ものである。
【0022】
【発明の作用】以上のように構成した各発明の作用を、
これを有したリクライニングシート200の使用態様と
ともに、項を分けて説明すると、次の通りである。
【0023】(請求項1に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100を有するリクライニ
ングシート200においては、これを使用する前の背凭
れ220は、ガススプリング手段100aの最伸状態に
おいて通常図1の(イ)に示した通常起立状態にしてあ
る。ここで、当該リクライニングシート200を使用し
ようとする使用者はその座部210に着座するのであ
り、背凭れ220をリクライニングしたい場合には、肘
掛等に設けてある操作ハンドルまたは手元に位置してい
る操作レバー33を操作して、背凭れ調整装置100を
構成しているガススプリング手段100aのシリンダ1
0内にてピストン20が自由に動くようにするのであ
る。つまり、操作ハンドルを操作すれば、これに連動し
ている操作レバー33が動いて、ピストンロッド30内
のプッシュロッド31が押されることになり、図6に示
すように、ピストン20に形成してある開閉バルブ21
が開いてロッド側室11とヘッド側室12とが連通する
ことになって、ピストンロッド30を担うピストン20
はシリンダ10内にて自由に動き得る状態となる。
【0024】この状態で、ピストンロッド30に作用す
る封入ガス圧力による推力に抗して使用者が背中で背凭
れ220を押せば、これに設けた傾倒アーム221がシ
リンダ10を押すことになる。これにより、シリンダ1
0のヘッド側室12が圧縮作用を受け、かつピストン2
0の開閉バルブ21は開放された状態にあるから、ヘッ
ド側室12内の作動液はシリンダ10のロッド側室11
側に流れ、相対的にピストンロッド30がシリンダ10
内に入り込んで、当該ガススプリング手段100aの長
さが短くなるのである。従って、リクライニングシート
200を構成している背凭れ220は、図1の傾倒アー
ム221下端部の前方への移動に伴い、同図の(イ)〜
(ハ)の角度θの範囲で後方に傾倒することができる、
つまりリクライニングされることになるのである。
【0025】背凭れ220の希望リクライニング位置ま
での後方への傾倒が完了すれば、使用者が操作ハンドル
または手元の操作レバー33から手を離すのである。こ
れにより、ガススプリング手段100aにおいては、そ
の操作レバー33及び操作ロッド31が、図6に示した
開閉バルブ21の開放位置から閉止位置に戻るから、ピ
ストン20の開閉バルブ21は閉じられることになっ
て、ロッド側室11とヘッド側室12との連通は遮断さ
れる。つまり、シリンダ10内にての作動液の流れは停
止されるのであり、これによりシリンダ10に対してピ
ストンロッド30が固定され、結果として背凭れ220
はその任意の傾倒リクライニング位置で固定されるので
ある。
【0026】以上の一連の作動中において、例えば背凭
れ220側に設けた係止部材50は、背凭れ220の後
傾モーメントにより、通常は傾倒アーム221の上端部
に一体化したカム40の係合溝41の後端側(図1の図
示位置とは逆の下方側)に当接しているものであり、背
凭れ220から受けた力を傾倒アーム221を介してシ
リンダ10側に直接伝える状態となっている。
【0027】さて、このようにリクライニングされた背
凭れ220の後方に位置するリクライニングシート20
0に対して着座しようとする人、あるいは当該背凭れ2
20の後方の通路の清掃を行おうとする人があって、か
つ背凭れ220がリクライニングされたままのリクライ
ニングシート200に人が居ない場合には、これらの人
は前方にある背凭れ220を手で押すことによって、背
凭れ220を図1に示した退避傾動角度αの範囲まで、
背凭れ220の起立が簡単に行える。何故なら、背凭れ
220側の係止部材50は、カム40の係合溝41内を
所定の円周角度範囲に亘って移動してその前端側(図1
の図示の状態)に係止されるまで移動し得る状態になさ
れているからである。
【0028】このことは、背凭れ220が図1に示した
(イ)の通常起立状態にある場合も同様である。起立状
態にある背凭れ220は、乗物の床面に対して垂直に立
っているのではなく、通常は僅かに後傾された状態にあ
るのである。すなわち、背凭れ220の自重による枢軸
223廻りの後傾モーメントによってこれに設けた係止
部材50をカム40の係合溝41の後端側(図1の図示
右端側)に当接させているものである。従って、この背
凭れ220を手で押せば、図1の(イ)の状態から
(ロ)の状態、つまり退避位置へと簡単に前傾移動させ
得るのである。
【0029】ところで、以下に示す実施例に係る背凭れ
調整装置100は、そのシリンダ10内にフリーピスト
ン13を内装して高圧のガス室14を形成しているもの
であるため、使用者が、背凭れ220に対する押圧力を
加えない状態で、肘掛等に設けてある操作ハンドル等を
操作してピストン20の開閉バルブ21を開状態にすれ
ば、ガス室14内の圧力によってピストンロッド30の
有効受圧面積に相当する推力を受けてピストン20が図
6の図示左方へ移動されることになり、ピストンロッド
30がシリンダ10に対して相対的に伸びることにな
る。これにより、当該背凭れ調整装置100を有するリ
クライニングシート200においては、その背凭れ22
0が図1のθに示す任意のリクライニング位置から
(イ)に示した位置にまで自動的に起立復帰するのであ
る。
【0030】(請求項2に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100においては、次に述
べる点を除いて、上記請求項1に係るそれと基本的作用
は同じである。すなわち、この背凭れ調整装置100に
おいては、背凭れ220側と傾倒アーム221上端部の
カム40との間、または背凭れ220側のカム40と傾
倒アーム221の上端部との間に、図3に示すように弾
性ワッシャ60が介装してあるから、この弾性ワッシャ
60によって背凭れ220側と枢軸223側との間に適
正な摩擦力が付与されているものである。
【0031】この種のリクライニングシート200は、
乗物内に設置されるものであるからこの乗物の振動が伝
えられるものであるが、もし例えばカム40と係止部材
50との係合にガタがあった場合には、これらの間で振
動による異音を生ずることになる。ところが、本発明の
背凭れ調整装置100においては、弾性ワッシャ60に
よって、これらのカム40と係止部材50との間、すな
わち背凭れ220と支持フレーム224との間に適正な
摩擦力が付与されているから、振動による異音は全く生
じないのである。
【0032】(請求項3に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100においても、次に述
べる点を除いて、上記請求項1または2に係る背凭れ調
整装置100と同様な作用をなすものである。すなわ
ち、この背凭れ調整装置100においては、背凭れ22
0側と傾倒アーム221上端部のカム40との間、また
は背凭れ220側のカム40と傾倒アーム221の上端
部との間に、図5に示すように、背凭れ220を前傾さ
せる方向に常に付勢する第1ばね手段71を介装したも
のであるから、この第1ばね手段71の作用によって、
乗客が着座していないリクライニングシート200の背
凭れ220は、任意の傾倒リクライニング位置から退避
傾動角度αだけ常に前傾されるのである。換言すれば、
このリクライニングシート200においては、その背凭
れ220は最大起立位置(イ)から更に図1の(ロ)に
示した退避前傾状態に自動的に保持されるのであり、当
該リクライニングシート200に着座者が居なければ、
背凭れ220後方における通路空間は大きく確保される
ことになる。
【0033】(請求項4に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100においては、次に述
べる点を除いて、上記請求項1に係るそれと基本的作用
は同じである。すなわち、この背凭れ調整装置100に
おいては、背凭れ220側と傾倒アーム221上端部の
カム40との間、または背凭れ220側のカム40と傾
倒アーム221の上端部との間に、図5に示すように、
背凭れ220を後傾方向に付勢する第2ばね手段72を
設けたものであるから、この第2ばね手段72によっ
て、背凭れ220が後傾方向に付勢されているものであ
る。
【0034】つまり、この第2ばね手段72は、背凭れ
220のガタを抑えて異音を生じないようにするもので
あり、第2ばね手段72による付勢力が背凭れ220に
対してその後傾方向に付勢されていることになるから、
例えば仮に背凭れ220側の係止部材50とカム40と
の係合部分に遊びがあったとしても、係止部材50は常
時付勢されて係合溝41の一端に当接した状態に保持さ
れるので、異音を生ずることはないのである。
【0035】そして、以上のいずれの背凭れ調整装置1
00においても、その背凭れ220を図1の(ロ)に示
した退避前傾位置に簡単になすことができ得るものとな
っているから、当該背凭れ調整装置100を有するリク
ライニングシート200が方向可変座席である場合の全
体の回転を支障なく行えるのであり、またリクライニン
グシート200を簡単に構成し得るのである。
【0036】
【実施例】以上のような、各請求項に係る発明を、図面
に示した実施例である背凭れ調整装置100について、
それぞれ項を分けて以下に説明する。なお、各発明に係
る背凭れ調整装置100においては、その構成部材に共
通する部分が多いため、それぞれ共通する部材について
は各図面中に同一符号を付してその説明は省略する。
【0037】(請求項1に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100は、図1〜図3、及
び図5に示してあるが、この背凭れ調整装置100を説
明する前に、これが適用されるリクライニングシート2
00についてその概略を説明すると、このリクライニン
グシート200は、乗物内に所定間隔をおいて多数配列
されるものであり、その座部210を支持するフレーム
を乗物の床面上に固定して設置されるものである。な
お、座部210とこれを支持するフレームとは種々な形
態のものが適用されるものであり、例えば座部210が
フレームに対して回転する方向可変座席や、座部210
が背凭れ220のリクライニングによって前方へスライ
ドするもの等がある。
【0038】勿論、この座部210を支持しているフレ
ームに対しては、背凭れ220がリクライニング可能に
組付けられるのであるが、本発明が対象としている背凭
れ220は、図2及び図3に示すように、上記フレーム
に対して一体的に設けた左右一対の支持フレーム224
側に設けられるものである。すなわち、両支持フレーム
224は、座部210の後部側方にて立ち上がるもので
あって、その上部内側には、傾倒アーム223の上端部
に嵌合する枢軸223が突出させてあるものであり、こ
れら枢軸223は背凭れ220を単に回動可能に枢支し
ているものである。
【0039】従って、この背凭れ220においては、図
3に示したように、枢軸223の内端を回動自在に支持
するための軸受部材222がその側面に設けてあるので
あり、この軸受部材222の外側に、図3に示したよう
に、傾倒アーム221の上端がくるのである。傾倒アー
ム221は、その上端部を枢軸223に回動可能に嵌合
されるものであり、同じく枢軸223に支持した背凭れ
220とは、後述するカム40の係合溝41の所定の円
周角度範囲内での自由度をもちながら、係止部材50に
よって連結されるものである。また、この傾倒アーム2
21の下部は、図1または図3に示したように、当該背
凭れ220の下方まで延出するものである。そして、こ
の傾倒アーム221の下端には、図1にも示したよう
に、背凭れ角度の保持及び調節を行うガススプリング手
段100aのヘッド側ブラケット34が連結ピンを介し
て連結してあるのである。
【0040】以上のことをまとめると、支持フレーム2
24に一体的に結合された枢軸223に対しては、背凭
れ220及び傾倒アーム221の上端部が回動可能に支
持されており、背凭れ220が支持フレーム224に対
して傾動することになるのである。従って、後述するカ
ム40及び係止部材50は勿論、弾性ワッシャ60、第
1ばね手段71あるいは第2ばね手段72を、傾倒アー
ム221側と、これに対してカム40の係合溝41の範
囲内で回動し得る背凭れ220側とのどちら側、あるい
は何の間に介装するかは、種々な態様が考えられるので
ある。
【0041】ところで、本実施例に係る背凭れ調整装置
100を構成するガススプリング手段100aは、例え
ば図6に示したような単筒式のものであり、そのシリン
ダ10内にピストンロッド30を担うピストン20が液
密的に摺動するように嵌挿してあるものである。このピ
ストン20によって、シリンダ10内は図示左方側のロ
ッド側室11と、図示右方側のヘッド側室12とに区画
してあるのであり、これらロッド側室11とヘッド側室
12内には作動液が充填してある。また、このガススプ
リング手段100aにおいては、ヘッド側室12の右方
側のシリンダ10内にフリーピストン13が気密的に嵌
挿してあり、このフリーピストン13によってその図示
右方に形成されたガス室14内には高圧ガスが充填して
ある。
【0042】また、ピストン20の一部には、ロッド側
室11とヘッド側室12との連通またはその遮断を行う
ための開閉バルブ21が設けてあり、この開閉バルブ2
1は、ピストンロッド30内に挿通されて一端が当該ピ
ストンロッド30の外端から突出するプッシュロッド3
1に連結してある。そして、ピストンロッド30の先端
側には、座部210またはこれを支持するフレーム側に
回動可能に連結されるロッド側ブラケット32が取付け
てあり、このロッド側ブラケット32には、リクライニ
ングシート200の肘掛等に設けた図示しない操作ハン
ドルによって操作される操作レバー33が設けてある。
すなわち、使用者が肘掛等に設けてある操作ハンドルを
操作することにより、これに連動している操作レバー3
3が作動されるのであり、この操作レバー33の作動に
よってプッシュロッド31の押圧がなされて開閉バルブ
21の開放を行うようにしてあるのである。
【0043】そして、以上のような単筒式ガススプリン
グ手段100aにおけるシリンダ10の外側には、図6
に示したように、一般的なブラケット形状をしたヘッド
側ブラケット34が一体化してあって、ガススプリング
手段100a自体は従来のものと同様なものを採用する
ことができるのである。このヘッド側ブラケット34に
は、リクライニングシート200を構成している背凭れ
220の側面に設けた傾倒アーム221が連結ピンを介
して連結されるのである。
【0044】なお、上記ガススプリング手段100aは
単筒式に限らず、ピストン前後の作動室の連通路をシリ
ンダと同心状に組合せた外筒シリンダとによって形成し
てなる複筒式としてもよい。
【0045】さて、図1〜図3に示した実施例において
は、背凭れ220を枢支するための枢軸223上に傾倒
アーム221の上端部が嵌合してあり、この傾倒アーム
221の上端部にカム40が一体化してある。そして、
このカム40には、図1及び図2に示したように、後述
する係止部材50が係合する係合溝41が、枢軸223
を中心とした所定の円周角度範囲に亘る円弧状のものと
して形成してある。
【0046】係止部材50は、図1〜図3に示した実施
例の場合、背凭れ220の側面に連結ピン52によって
連結してあり、その先端がカム40に形成してある係合
溝41内に係合するようにしてある。また、この係止部
材50の係合溝41内に対する係合が常に安定してなさ
れるよう付勢する為に、この係止部材50と枢軸223
側との間には、図2に示したように、引張スプリングで
ある係止スプリング51が掛装してあるものである。
【0047】この係止部材50は、背凭れ220側に取
付けられて、カム40側の係合溝41の円周角度範囲内
での背凭れ220の傾動を、図1に示した退避傾動角度
αだけ許容するようにするものであるから、図2に示し
たように、カム40を傾倒アーム221の上端部に一体
化した場合には、背凭れ220の側面に取付ければよい
ものである。
【0048】なお、上記係止部材50と係合溝41につ
いては、図1に示すような係止爪とこれに対応する切欠
き溝の構成に限定されることなく、例えば、図7に示し
たようなカム40に設けた枢軸223を中心とする円弧
状長穴による係合溝41aと、これに係合する軸部を有
するリンク状の係止部材50aとして構成することもで
きる。
【0049】一方、図4にて示すように、カム40を背
凭れ220の側面に一体化した場合には、係止部材50
を傾倒アーム221側に取付けて実施してもよいもので
ある。
【0050】つまり、以上のカム40及び係止部材50
は、両者の係合によって背凭れ220の角度αだけの退
避傾動を許容するものであるから、カム40を傾倒アー
ム221の上端部に一体化する場合に限らず、カム40
を背凭れ220の側面に一体化して実施してもよいもの
であり、これらの場合に応じて係止部材50を背凭れ2
20側に設けるか傾倒アーム221側に設けるかの決定
をすればよいことは当然である。このようにした場合に
は、後述する弾性ワッシャ60や、第1ばね手段71あ
るいは第2ばね手段72の介装場所が異なってくるの
で、そのことについては以下で詳しく述べることにす
る。
【0051】(請求項2に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100は、その基本的構成
は上述した請求項1に係るそれと同じであるが、図3に
示すように、シートフレームと一体的な支持フレーム2
24に支持してある枢軸223に背凭れ220を組付け
るにあたって、弾性ワッシャ60を介在させたことが異
なっている。
【0052】すなわち、この請求項2の背凭れ調整装置
100においては、例えば、板ばね或はゴム又は樹脂を
材料とする弾性体により形成された弾性ワッシャ60
を、図3に例示した実施例にあっては、枢軸223上に
嵌合した傾倒アーム221の上端部内面と、背凭れ22
0の側部との間に介在させたものである。つまり、図6
に示した弾性ワッシャ60は、カム40を傾倒アーム2
21の上端部に固定した場合のものであり、背凭れ22
0側と傾倒アーム221上端部のカム40との間に介装
したものである。また、図示はしていないが、傾倒アー
ム221上に係止部材50を連結して、背凭れ220の
側面にカム40を設ける場合には、傾倒アーム221の
内面と背凭れ220側との間に、この弾性ワッシャ60
が介装されることになるものである。つまり、この弾性
ワッシャ60は、背凭れ220の傾倒アーム221に対
する傾動を所定の摩擦力の存在下において行うようにす
るためのものであるから、図3に例示したものに限ら
ず、種々な態様のものが考えられるのである。
【0053】そして、この弾性ワッシャ60は、背凭れ
220が支持フレーム224に対して傾動するに際し
て、この背凭れ220と、固定的な支持フレーム224
側との間に適正な摩擦力を生じさせるものであって、支
持フレーム224に対する背凭れ220の取付ガタを吸
収して、当該リクライニングシート200における異音
の発生を防止しているものである。
【0054】(請求項3に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100においては、図5に
示すように、傾倒アーム221上または背凭れ220の
側面のカム40と、背凭れ220の側面またはここに延
在してきている傾倒アーム221の上端との間に介装し
た第1ばね手段71の構成以外は、前述した請求項1ま
たは2に係るそれと全く同じ構成を有しているものであ
る。
【0055】すなわち、この第1ばね手段71は、枢軸
223廻りに背凭れ220を常に起立させる方向に当該
背凭れ220に付勢力を付与するものであり、図5に示
した実施例では、傾倒アーム221の上端部と、背凭れ
220との間に掛装した「つるまきばね」である。勿
論、背凭れ220の側面に係止箇所がない場合には、背
凭れ220側に設けた係止部や背凭れ220のフレーム
そのものを利用して、当該第1ばね手段71の掛装を行
えばよいものである。
【0056】さらに、この第1ばね手段71としては、
上記した「つるまきばね」に限らず、背凭れ220にこ
れを起立させるための付勢力を付与するという作用を発
揮するのであれば、圧縮スプリングまたは引張りスプリ
ングであってもよいものであり、またその掛装箇所につ
いては、一端が背凭れ220側で他端が傾倒アーム22
1側あれば、どのようなところであってもよいものであ
る。
【0057】このような第1ばね手段71を有した背凭
れ調整装置100によれば、この第1ばね手段71を有
していないものの場合の通常起立状態(図1では(イ)
の状態)から、前傾状態である図1の(ロ)の状態に、
背凭れ220を常時自動的に前傾保持することができる
ものであることは勿論、図1の(ハ)に示したような完
全リクライニング状態にあった背凭れ220から使用者
が離れた場合にも、この背凭れ220を図1に示した退
避傾動角度αだけ常に自動的に起立させることができる
ものである。
【0058】(請求項4に係る背凭れ調整装置100に
ついて)この背凭れ調整装置100は、その基本的構成
は上述した請求項1に係るそれと同じであるが、前述し
た図5を借りて示しているように、背凭れ220側と傾
倒アーム221側との間に第2ばね手段72を介在させ
たことが異なっている。この第2ばね手段72は、背凭
れ220を枢軸223廻りに後傾方向に付勢するもので
あり、請求項3での第1ばね手段71とは反対方向へ背
凭れ220を付勢するものである。
【0059】換言すれば、この背凭れ調整装置100に
おいては、第2ばね手段72が係止部材50をカム40
における係合溝41の後端側に位置させるべく付勢して
いることにより、背凭れ220が常にセット保持位置に
整列保持され、車両の前後動に伴う背凭れ220の前後
方向のガタをなくしているものである。しかも、背凭れ
220を押すことによって、上記第2ばね手段72に抗
して係止部材50を係合溝41の前端側に移動させるこ
とにより、背凭れ220を上記セット保持位置以上に退
避的傾動角度αだけ前傾側に強制移動させ得るようにし
たものである。
【0060】従って、この第2ばね手段72は、図5に
示した実施例では、背凭れ220側と、傾倒アーム22
1の上端部との間に掛装した「つるまきばね」である。
勿論、背凭れ220の側面に係止箇所がない場合には、
背凭れ220側に設けた係止部や背凭れ220のフレー
ムそのものを利用して、前述した第1ばね手段71の場
合と同様に、当該第2ばね手段72の掛装を行えばよい
ものである。
【0061】さらに、この第2ばね手段72としては、
上記した「つるまきばね」に限らず、背凭れ220にこ
れを起立させるための付勢力を付与するという作用を発
揮するのであれば、圧縮スプリングまたは引張りスプリ
ングであってもよいものであり、またその掛装箇所につ
いては、一端が背凭れ220側で他端が枢軸223側で
あれば、どのようなところであってもよいものである。
【0062】
【発明の効果】以上、詳述した通り、請求項1に係る発
明においては、上記実施例にて例示した如く、「乗物内
に設置されて使用者が着座する座部210と、この座部
210を支持するシートフレーム側に一体化されて座部
210の後部側方にて立ち上がる支持フレーム224
と、この支持フレーム224に一体的に結合された枢軸
223に回動自在に組付けられて座部210に対して傾
倒角度を調節可能に組付けた背凭れ220とを有するリ
クライニングシート200において、背凭れ220を任
意の傾倒位置に調節保持すべく、シリンダ10と、この
シリンダ10内に組付けたピストン20と、このピスト
ン20に一体化されてシリンダ10外に伸縮運動自在と
したピストンロッド30と、ピストン20前後の作動室
11、12を連通する油路中に設けられた開閉弁21と
を備え、かつ背凭れ220側と座部210のフレームと
の間に介装した背凭れ角度の調節保持用ガススプリング
手段100aと、枢軸223に上端部が嵌合し、その下
端がガススプリング手段100aに連結される傾倒アー
ム221と、傾倒アーム221上端部または背凭れ22
0側に一体化されて枢軸223回りの所定の円周角度範
囲に亘る係合溝41を有するカム40と、背凭れ220
側または傾倒アーム221上に回動自在に設けられてカ
ム40の係合溝41内に係合する係止部材50とを備え
たこと」にその構成上の特徴があり、これにより、通路
を狭くしている背凭れの前方への退避的傾動を簡単に行
うことができて、清掃や方向変換を容易に行えるように
することのできる背凭れ調整装置を、従来と同様な一般
的な取付ブラケットを持つガススプリング手段100a
を利用するとともに、背凭れ側とシートフレーム側と
に、カムと、その係合溝内に係合する係止部材とをそれ
ぞれ設けるという簡単な構成によって提供することがで
きるのであり、ガススプリング手段100aそのものは
汎用品を利用できる効果がある。
【0063】また、請求項2に係る発明においては、上
記請求項1に係る背凭れ調整装置100について、さら
に、背凭れ220側と傾倒アーム221上端部のカム4
0との間、または背凭れ220側のカム40と傾倒アー
ム221の上端部との間に、両者の相対変位に対して適
正な抵抗を付与する弾性ワッシャ60を介在させたこと
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1
に係る背凭れ調整装置100と同じ効果を発揮すること
ができる他、背凭れ220と支持フレーム224との連
結をガタなく行うことができるのであり、これにより、
背凭れ220の前後動を抑え異音が生ずることのない背
凭れ調整装置100とすることができるのである。
【0064】さらに、請求項3に係る発明によれば、上
記請求項1または2に係る背凭れ調整装置100と同様
の効果を発揮することができる他、背凭れ220の所定
の起立や前傾状態へ背凭れ220に手を触れることなく
自動的に行えて、操作性のよい背凭れ調整装置100と
することができるのである。
【0065】そして、請求項4に係る発明によれば、上
記請求項1に係る背凭れ調整装置100と同様の効果を
発揮することができる他、背凭れの前後動による異音発
生がなく、しかも背凭れを所定の起立状態に自動的に整
列保持することができ、または更なる前傾状態に強制的
に退避させることができて、操作性あるいは作業性の非
常によい背凭れ調整装置を提供することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る背凭れ調整装置を組付けたリク
ライニングシートの側面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示した部分側面図であ
る。
【図3】同リクライニングシートの概略正面図である。
【図4】請求項1または2に係る背凭れ調整装置の要部
を示すもので、係止部材の取付位置を変えた他の実施例
を示す部分拡大側面図である。
【図5】請求項3または4に係る背凭れ調整装置の要部
を示すもので、背凭れを支持する枢軸を中心にしてみた
部分拡大正面図である。
【図6】本発明に係る背凭れ調整装置を構成するガスス
プリング手段の拡大断面図リクライニングシートの側面
図である。
【図7】本発明に係るカムに設けた係合溝とこれに係合
する係止部材の別の実施例を示す部分側面図である。
【符号の説明】
100 背凭れ調整装置 100a ガススプリング手段 10 シリンダ 11 ロッド側室 12 ヘッド側室 13 フリーピストン 14 ガス室 20 ピストン 21 開閉バルブ 30 ピストンロッド 31 操作ロッド 32 ロッド側ブラケット 40 カム 41・41a 係合溝 50・50a 係止部材 51 係止スプリング 52 連結ピン 60 弾性ワッシャ 71 第1ばね手段 72 第2ばね手段 200 リクライニングシート 210 座部 220 背凭れ 221 傾倒アーム 222 軸受部材 223 枢軸 224 支持フレーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗物内に設置されて使用者が着座する座部
    と、この座部を支持するシートフレーム側に一体化され
    て前記座部の後部側方にて立ち上がる支持フレームと、
    この支持フレームに一体的に結合された枢軸に回動自在
    に組付けられて前記座部に対して傾倒角度調節可能に組
    付けた背凭れとを有するリクライニングシートにおい
    て、 前記背凭れを任意の傾倒角度位置に調節保持すべく、シ
    リンダと、このシリンダ内に組付けたピストンと、この
    ピストンに一体化されて前記シリンダ外に伸縮運動自在
    としたピストンロッドと、前記ピストン前後の作動室を
    連通させる油路中に設けられた開閉弁とを備え、かつ前
    記背凭れ側と前記座部のフレームとの間に介装した背凭
    れ角度の調節保持用ガススプリング手段と、 前記枢軸に上端部が嵌合し、その下端が前記ガススプリ
    ング手段に連結される傾倒アームと、 前記傾倒アームの上端部または前記背凭れ側に一体化さ
    れて前記枢軸回りの所定の円周角度範囲に亘る係合溝を
    有するカムと、 前記背凭れ側または傾倒アーム上に回動自在に設けられ
    て前記カムの係合溝内に係合する係止部材とを備えたこ
    とを特徴とする背凭れ調整装置。
  2. 【請求項2】前記背凭れ側と前記傾倒アーム上端部のカ
    ムとの間、または前記背凭れ側のカムと前記傾倒アーム
    の上端部との間に、両者の相対変位に対して適正な抵抗
    を付与する弾性ワッシャを介在させたことを特徴とする
    請求項1に記載の背凭れ調整装置。
  3. 【請求項3】前記背凭れ側と前記傾倒アーム上端部のカ
    ムとの間、または前記背凭れ側のカムと前記傾倒アーム
    の上端部との間に、前記背凭れを常に前傾する方向に付
    勢する第1ばね手段を介在させたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の背凭れ調整装置。
  4. 【請求項4】前記背凭れ側と前記傾倒アーム上端部のカ
    ムとの間、または前記背凭れ側のカムと前記傾倒アーム
    の上端部との間に、前記背凭れを後傾方向に付勢する第
    2ばね手段を介在させたことを特徴とする請求項1に記
    載の背凭れ調整装置。
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