JPH08291223A - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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JPH08291223A
JPH08291223A JP9818695A JP9818695A JPH08291223A JP H08291223 A JPH08291223 A JP H08291223A JP 9818695 A JP9818695 A JP 9818695A JP 9818695 A JP9818695 A JP 9818695A JP H08291223 A JPH08291223 A JP H08291223A
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JP
Japan
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friction material
fiber
friction
wear
potassium titanate
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JP9818695A
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English (en)
Inventor
Norio Misawa
紀雄 三澤
Masuo Yamashita
益男 山下
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Aisin Chemical Co Ltd
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 苛酷な使用条件下での摩擦材と相手材の過大
な摩耗を共に抑制する。 【構成】 繊維基材と、樹脂結合剤と、固体潤滑剤等の
充填剤とを含む摩擦材であって、繊維基材として、鉄分
を含有するチタン酸カリウム繊維またはウィスカを含む
と共に、固体潤滑剤として、摩擦材全体に対して0.7
〜2.5体積%の三硫化アンチモンを含む。三硫化アン
チモンの配合割合が比較的少ないので、苛酷な使用条件
下(200km/hに近い速度で制動を繰返した場合
等)の相手材の過大な摩耗を抑制することができ、ま
た、耐熱強度が特に高い鉄分を含有するチタン酸カリウ
ム繊維またはウィスカの使用によって、摩擦材自体の過
大な摩耗も良好なレベルに抑制することができる。な
お、アブレッシブ剤は粒径が小さいものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のディスクブ
レーキパッド、ドラムブレーキライニング、またはクラ
ッチフェーシング等として使用される摩擦材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車のディスクブレーキパッド、ドラ
ムブレーキシュー等として使用される摩擦材は、その相
手材であるディスクロータ、ブレーキドラムと摩擦係合
し、運動エネルギーを熱エネルギーに変える重要な役割
を担っている。そのため、摩擦材は十分な摩擦係数を有
するだけでなく、制動時には常に熱が発生し高温となる
ため、そのような熱に対する高い強度と耐摩耗性とを有
することが必要である。また、その摩擦係数は、その熱
による温度変化に対しても変化が少なく安定したもので
あることも必要である。更には、相手材に対する攻撃性
が少ないこと、ノイズ(ブレーキ鳴き)やジャダーの発
生が少ないこと等も重要であり、摩擦材に求められる特
性は多項目に亘っている。
【0003】そこで、従来から、これらの各種の特性を
満足するために、摩擦材は多くの材料からなる複合材と
して構成されている。即ち、摩擦材は、繊維状の材料か
らなる成分であって骨格を形成する繊維基材と、この繊
維基材を結合保持する樹脂成分からなる樹脂結合剤と、
粉末状の材料からなる成分であって、これらの繊維と結
合剤とのマトリックス中に分散し充填される各種の充填
剤とから形成されている。そして、この充填剤成分とし
ては、主に耐摩耗性と耐熱性を向上するための硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム等の体質充填剤、カシューダスト
等の摩擦調整剤、摩擦係数を向上するアブレッシブ剤、
及びその他の添加剤等が使用され、更にこれらに加えて
固体潤滑剤が一般に用いられている。
【0004】この固体潤滑剤は、その潤滑性によって摩
擦係数の熱的安定性を確保すると共に、摩擦材の耐摩耗
性を高めるために用いられる。そして、このような固体
潤滑剤としては、従来から、天然鱗状黒鉛等の各種の黒
鉛(グラファイト)が最も一般に使用されている。た
だ、この黒鉛単独では特に高負荷時(高温時)の潤滑性
が十分ではないため、固体潤滑剤として、この黒鉛と共
に金属硫化物である三硫化アンチモンSb2 3 を併用
することも従来から一般に知られている。なお、この三
硫化アンチモンは高負荷時(高温時)の熱により硬質の
皮膜を摩擦材表面に形成し、それによって摩擦材を保護
しその耐摩耗性を向上するものであり、一般に、摩擦材
全体に対して少くとも3体積%、通常は、5体積%以上
の割合で配合される。
【0005】なお、このように三硫化アンチモンを使用
した摩擦材については、例えば、特開平1−29503
5号公報に開示のものがある。ここでは、主にベーパー
ロックとフェードの防止のために、特定の耐熱性の樹脂
結合剤を用いると共に、三硫化アンチモンを摩擦材全体
の5〜20重量%の割合で配合している。また、特開平
6−129455号公報に開示の摩擦材においては、硫
化鉄と共に、5〜10体積%の三硫化アンチモンが配合
されている。
【0006】また、繊維状の材料からなる繊維基材は、
摩擦材の骨格を形成し、これに適度な多孔性を付与する
と共に摩擦材全体の強度と弾性を与えるものであり、摩
擦材の基材として重要な成分である。そして、このよう
な繊維基材としては、古くは石綿繊維(アスベスト)が
用いられていたが、近年ではこの石綿繊維に替えてそれ
以外の種々の繊維材料が使用されている。その一つの例
は、スチール(炭素鋼)繊維である。しかし、このスチ
ール繊維を繊維基材の主材として用いた摩擦材(セミメ
タリック系摩擦材)は、耐熱性、耐摩耗性に優れ、また
比較的高い摩擦係数を得ることができる等の長所を有す
るが、その反面、重量が重く、また錆びたり、更には同
種のスチールからなる相手材を損傷し、摩耗させ易いと
いう不具合を有している。
【0007】そのため最近では、繊維基材としてスチー
ル繊維を用いない、または用いてもその配合量が少な
い、所謂、非スチール系摩擦材、または低スチール系摩
擦材が、摩擦材の主流となっている。そして、この非ス
チール系(及び低スチール系)摩擦材では、繊維基材と
しては、アラミド繊維等の各種の有機繊維、ガラス繊
維、チタン酸カリウム繊維またはウィスカ等の各種の無
機繊維、銅繊維、真鍮繊維等の非鉄金属繊維等が用いら
れている。これらの中でも最も代表的なものは、軽量な
有機繊維の中でも耐熱性が特に高いアラミド繊維と、相
手材攻撃性が少ないにもかかわらず耐摩耗性に優れたチ
タン酸カリウム繊維またはウィスカである。
【0008】また、これらの繊維材料は、その1種類の
みでは石綿繊維の代替となる十分な性能が得られないた
め、複数種が組合わされて一般に使用されている。更
に、それらの非スチール系繊維基材には、摩擦材の摩擦
係数を高めるために、研磨性の硬質無機繊維を併用する
ことが一般的である。この研磨性硬質無機繊維は、モー
ス硬度において一般に4以上の硬度(ただし、モース硬
度4であるチタン酸カリウム繊維またはウイスカよりも
高い硬度)を有するものであり、具体的には、スラグウ
ール、ロックウール、またはセラミック繊維等が使用さ
れている。
【0009】なお、摩擦材の繊維基材として使用される
チタン酸カリウム繊維またはウイスカについて、本出願
人の先の出願にかかる特開平3−237184号公報に
は、鉄分を含有するものの使用が開示されている。即
ち、このチタン酸カリウム繊維またはウイスカは、不純
物としての鉄分を金属換算で0.1〜2.0重量%程度
含有するものであり、鉄分を含有しない純粋なチタン酸
カリウム繊維またはウイスカに比べて特に耐熱強度が高
い。そのため、これを繊維基材の少なくとも一部として
使用することにより、特に高温下における耐摩耗性を向
上することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近では、一
般の乗用自動車も高速化、高出力化が進み、制動条件も
それに伴なってますます苛酷になる傾向にある。そし
て、例えば、欧州におけるアウトバーンの走行では、時
速200km、またはそれに近い速度で制動が繰返され
るような場合も増加している。また、最近では乗用車の
レースもしばしば行われるようになり、そのような場合
にも苛酷な制動が繰返して行われる。そのため、ディス
クブレーキパッド等の摩擦材についても、そのような苛
酷な条件で使用されることも考慮したものであることが
必要になってきている。
【0011】そして、摩擦材がそのような苛酷な条件で
使用される場合、先ず問題となるのはその過大な摩耗で
ある。つまり、摩擦材の摩耗が苛酷な制動条件で発生す
る高熱によって累加的に増大し、通常時よりも摩耗量が
過大に増加することである。この傾向は、耐熱性が高い
とは言え、高熱に対しては比較的弱いアラミド繊維等の
有機繊維を含む非スチール系摩擦材の場合に特に著し
い。そこで、このような苛酷な条件で使用される摩擦材
の場合には、前述のように、固体潤滑材としての三硫化
アンチモンSb2 3 を比較的多く配合して、その過大
な摩耗を抑制することが考えられる。
【0012】ところが、そのように三硫化アンチモンを
比較的多く配合した摩擦材を実際に作製し試験してみる
と、苛酷な使用条件下での摩擦材の過大な摩耗は抑制す
ることができるが、それと共に新たな不具合が生じるこ
とが見出された。それは、ブレーキディスク等の相手材
の摩耗が過大に増加することである。そして、そのよう
な相手材の過大な摩耗は単に好ましくないというばかり
でなく、ノイズやジャダの発生原因となるものでもあ
る。
【0013】そこで、本発明は、苛酷な条件で使用した
場合の摩擦材自体と相手材の過大な摩耗を共に抑制する
ことができる摩擦材の提供を課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、苛酷な使
用条件で生じる上記の相手材の過大な摩耗について検討
した結果、その原因が三硫化アンチモンSb2 3 にあ
り、そのため、それの配合割合を少なくすればその相手
材の過大な摩耗は抑制できることを見出した。しかし、
それによって摩擦材自体の摩耗は逆に増加することにな
る。そこで、本発明者等は、前述の鉄分を含有するチタ
ン酸カリウム繊維またはウィスカに着目して更に試験と
検討を重ねた結果、三硫化アンチモンの配合を比較的少
ない所定の割合とすると共に、繊維基材の少くとも一部
としてそのチタン酸カリウム繊維またはウィスカを使用
することによって、苛酷な使用条件下での摩擦材と相手
材の過大な摩耗を共に抑制することができることを見出
し、また確認した。
【0015】即ち、本発明にかかる摩擦材は、繊維基材
と、樹脂結合剤と、固体潤滑剤等の充填剤とを含む摩擦
材であって、繊維基材として、鉄分を含有するチタン酸
カリウム繊維またはウィスカを含むと共に、固体潤滑剤
として、摩擦材全体に対して0.7〜2.5体積%の三
硫化アンチモンを含むものである。
【0016】
【作用】三硫化アンチモンSb2 3 は、高負荷時に発
生する高熱によって化学変化して摩擦材表面に硬い皮膜
を形成し、摩擦材を保護しその耐摩耗性を向上する。そ
のため、これを配合することによって、苛酷な条件で使
用された場合の摩擦材の摩耗の過大な増大を抑制し防止
することができる。しかしこの場合、三硫化アンチモン
の配合割合が多いと、逆に相手材の摩耗量が過大に増加
する。この理由は、その三硫化アンチモンにより形成さ
れる皮膜が非常に硬いものであるために研磨剤として働
き、相手材を攻撃してこれを研削するためであると考え
られる。しかも、この相手材の攻撃性は、摩擦材の過大
な摩耗の場合と同様に、苛酷な使用条件下での高熱によ
って累乗的に高められるため、相手材に過大な摩耗とな
って生じるものと考えられる。
【0017】本発明にかかる摩擦材においては、この三
硫化アンチモンの配合割合を比較的少なくし、摩擦材全
体に対して0.7〜2.5体積%の割合としているの
で、後述する実施例からも分かるように、苛酷な使用条
件下での相手材の過大な摩耗を抑制することができる。
また、繊維基材として含まれる鉄分を含有するチタン酸
カリウム繊維またはウィスカは、特に耐熱強度が高いた
め、高温時の耐摩耗性に優れている(ただし、相手材攻
撃性は少ない)。そのため、三硫化アンチモンの配合割
合を少なくしたことによる摩擦材自体の耐摩耗性の低下
は、このチタン酸カリウム繊維またはウィスカの配合に
よって補われるので、苛酷な使用条件下での摩擦材自体
の過大な摩耗を抑制することができる。こうして、苛酷
な条件で使用した場合の摩擦材自体と相手材の過大な摩
耗を共に抑制することができる。
【0018】以下、本発明にかかる摩擦材の各成分、即
ち、繊維基材、樹脂結合剤、及び充填剤について更に詳
細に説明する。
【0019】繊維基材、即ち、摩擦材の骨格を形成する
繊維状の成分である繊維基材としては、上記のように、
鉄分を含有するチタン酸カリウム繊維またはウィスカが
少くとも一部として用いられる。ここで、その鉄分の含
有量は金属換算で0.1〜2.0重量%程度が好まし
い。この鉄分は不純物として含まれるものであるが(そ
のため、この繊維またはウィスカは淡黄色を呈してい
る)、これが多いほど一般に耐熱性は高まり、高温下で
の耐摩耗性が向上する。しかし、逆に機械的強度(引張
り、曲げ強度)は低下する傾向がある。そのため、この
鉄分の含有量は、耐熱性が有効に向上されるために少く
とも0.1重量%以上であることが好ましいが、2.0
重量%を限度とすることが好ましい。
【0020】そして、この鉄分を含有するチタン酸カリ
ウム繊維またはウィスカは、苛酷な条件での使用時(高
熱時)の摩擦材の耐摩耗性を十分に高め、その過大な摩
耗を防止するために、摩擦材全体に対して一般に5体積
%以上の割合で配合することが好ましい。なお、その配
合割合の上限は特に限定されるものではなく、繊維基材
として単独で使用する場合を含めて、一般に35体積%
までの割合で使用することができる。しかし、このチタ
ン酸カリウム繊維またはウィスカ単独では摩擦材として
要求される特性の全てを満たすことは困難であるため、
これを他の繊維材料と組合わせて使用することが好まし
い。
【0021】そのような繊維材料としては、アラミド繊
維、ノボロイド繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維等の
有機繊維、カーボン繊維、ガラス繊維等の無機繊維また
はウィスカ、銅繊維、真鍮繊維等の金属繊維等を挙げる
ことができる。また、チタン酸カリウム繊維またはウィ
スカも含めてこれらの繊維材料が非研磨性(相手材攻撃
性が無いか、または少ない)であるのに対し、研磨性の
硬質無機繊維も使用することができる。
【0022】この研磨性硬質無機繊維は、粉末状である
アブレッシブ剤を繊維状にしたものに相当し、モース硬
度が4であるチタン酸カリウム繊維またはウィスカより
も高い硬度、したがって4.5以上のモース硬度を有す
るものである。具体的には、スラグウール、ロックウー
ル、アルミナ−シリカ系繊維、シリカ繊維、アルミナ繊
維、炭化物または窒化物繊維またはウィスカ等が挙げら
れる。そして、これらの研磨性硬質無機繊維の配合によ
って、アブレッシブ剤と同様に摩擦材の摩擦係数を高
め、また相手材の表面を清浄化することができるだけで
なく、摩擦材の強度、耐熱性、耐摩耗性等を向上するこ
とができる。なお、この研磨性硬質無機繊維としては、
繊維径が小さいほど相手材攻撃性が少ないため、スラグ
ウールやロックウール等の平均粒径が5.0μm以上で
あるものよりは、平均繊維径が1.0〜4.5μmのア
ルミナ−シリカ系繊維等のセラミック繊維またはウィス
カを用いることが特に好ましい。また、この研磨性硬質
無機繊維の配合割合は任意であるが、一般に繊維基材全
体に対して5〜50体積%程度の割合とすることができ
る。
【0023】そして、繊維基材の好ましい一例として
は、アラミド繊維または他の耐熱性有機繊維と、上記の
鉄分を含有するチタン酸カリウム繊維またはウィスカ
と、研磨性硬質無機繊維との組合わせを挙げることがで
きる。これによれば、強度、重量、耐熱性等においてバ
ランスの取れた摩擦材を得ることができる。また、この
繊維基材の組合わせには、摩擦材の熱伝導性を適度に調
整し耐フェード性を向上するために、銅繊維等の非鉄金
属繊維を更に加えることもできる。
【0024】また、上記の例は摩擦材を非スチール系摩
擦材として形成する場合の例であるが、繊維基材として
は、スチール繊維またはステンレススチール繊維を使用
することもできる。そして、このスチール繊維を繊維基
材の主材として用いた場合には摩擦材がセミメタリック
系摩擦材として形成されるが、この場合、繊維基材の一
部として配合される上記の鉄分を含有するチタン酸カリ
ウム繊維またはウィスカは、摩擦材自体の耐摩耗性を高
めると言うよりは、むしろ相手材の摩耗を抑制するよう
に働く。
【0025】次に、樹脂結合剤としては、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、或いはSBR等のゴム等を使用す
ることができる。これらの中でも、フェノール樹脂また
はその変性物が最も一般に使用されるものでもあり好適
である。なおこのフェノール樹脂は、一般に粉末(ノボ
ラック型)として用いられる。
【0026】また、粉末状成分である充填剤としては、
上記の三硫化アンチモンに加えて、黒鉛(グラファイ
ト)等の他の固体潤滑剤、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム等の体質充填剤、カシューダスト或いは他の有機高分
子粉体等の有機ダスト、主に熱伝導性を向上するための
銅粉、亜鉛粉、真鍮粉等の金属粉、アブレッシブ剤、及
びその他の添加剤を使用することができる。
【0027】ここで、三硫化アンチモンSb2 3 は、
前述のように、特に高負荷条件下での摩擦材の耐摩耗性
を高める。そのため、この三硫化アンチモンは、主に低
負荷、中負荷条件下での耐摩耗性を向上するための黒鉛
と共に一般に使用される。ただし、その配合割合は0.
7〜2.5体積%である。0.7体積%よりも少ない
と、特に高負荷条件下での摩擦材の摩耗量が過大にな
り、また、鉄分を含有するチタン酸カリウム繊維または
ウィスカ等を配合することによっても、その摩擦材の過
大な摩耗を抑制することが困難となる。また、逆に、
2.5体積%より多いと、相手材の摩耗量が過大に増加
する。
【0028】また、摩擦材の摩擦係数を高めるためのア
ブレッシブ剤としては、一般にモース硬度が5以上の硬
質無機粉体を使用することができ、具体的には、シリカ
粉、アルミナ粉、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウ
ム等を挙げることができる。そして、これらのアブレッ
シブ剤は、その任意の1種を単独で、または2種以上を
組合わせて使用することができるが、繊維基材として研
磨性硬質無機繊維が用いられる場合には、むしろ補助的
に使用される。即ち、研磨性硬質無機繊維の配合による
摩擦係数の向上は、その配合割合を増加してもある限度
を越えると頭打ち状態となるために、アブレッシブ剤は
それを補うために使用される。
【0029】ただし、このようなアブレッシブ剤は、摩
擦材が特に苛酷な条件で使用される場合には、その研磨
性が高熱下で累乗的に高められるため、相手材の過大な
摩耗を引起こす原因ともなる。そのため、使用するアブ
レッシブ剤は、研磨性硬質無機繊維の場合と同様に、粒
径が小さいほど相手材攻撃性が少ないため好ましく、一
般に平均粒径が1〜10μm程度であることが好まし
い。また、その配合割合も比較的少ないことが好まし
く、研磨性硬質無機繊維と合わせた配合割合、即ち、摩
擦材中のモース硬度が4.5以上の成分の割合として、
3〜20体積%程度が好ましく、また3〜17体積%が
より好ましい。これによって、相手材の過大な摩耗をよ
り確実に抑制し防止することができる。
【0030】そして、以上の鉄分を含有するチタン酸カ
リウム繊維またはウィスカを含む繊維基材と、樹脂結合
材と、三硫化アンチモンを特定の割合で含む充填剤とか
らなる摩擦材は、通常の熱成形による方法によって、即
ち、それらの成分を混合し、その混合物を予備成形した
後、加熱加圧成形することによって、製造することがで
きる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。
【0032】図1は本発明の実施例の摩擦材の配合組成
と評価試験結果とを示す表図である。また、図2は比較
例の摩擦材の配合組成と評価試験結果とを示す表図であ
る。
【0033】〔摩擦材(パッド)の作製〕図1に示す配
合組成(体積%)で、本発明の実施例1〜6の摩擦材を
作製した。また、これらの実施例との対比のために、図
2に示す配合組成(体積%)で比較例1〜6の摩擦材も
合わせて作製した。なお、これらの実施例及び比較例の
摩擦材は、具体的には、自動車のディスクブレーキ用パ
ッドとして具体化したものである。
【0034】図1のように、本発明の実施例1〜6の摩
擦材(ディスクブレーキパッド)は、繊維基材と、樹脂
結合剤と、充填剤とを含み形成されている。そして、摩
擦材の骨格を形成する繊維基材は、主材としてのアラミ
ド繊維15体積%と、耐熱強度と耐摩耗性を確保するた
めのチタン酸カリウムウィスカと、研磨性硬質無機繊維
であるセラミックウール10体積%と、銅繊維3体積%
とからなっている。なお、この研磨性硬質無機繊維とし
てのセラミックウールは、具体的にはシリカ−アルミナ
系のセラミック繊維(モース硬度6、平均繊維径2.1
μm、平均繊維長さ150μm)からなり、摩擦材の強
度、耐熱性、耐摩耗性を補うと共にその研磨性により摩
擦係数を高めるために配合されている。また、銅繊維は
摩擦材の熱伝導性を適度に高め、耐フェード性を向上す
るためのもので、むしろ添加剤として配合されている。
【0035】ここで、チタン酸カリウムウィスカとして
は、鉄分の含有量が異なるA,B,C3種類が使用され
ている。即ち、チタン酸カリウムウィスカAは金属換算
で1.0体積%の鉄分を含有するものであり、またチタ
ン酸カリウムウィスカBは同じく金属換算で0.4体積
%の鉄分を含有するものであり、更にチタン酸カリウム
ウィスカCは鉄分(及びその他の成分)をほとんど含ま
ないものである: [チタン酸カリウムウィスカA,B,Cの鉄分含有量] A=1.0wt% B=0.4wt% C=0.0wt% そして、実施例1と実施例4〜6ではチタン酸カリウム
ウィスカAを15体積%、実施例2ではチタン酸カリウ
ムウィスカBを15体積%配合した。また、実施例3で
はチタン酸カリウムウィスカAと鉄分を含まないチタン
酸カリウムウィスカCとをそれぞれ5体積%ずつ配合し
た(合計量は10体積%)。
【0036】なお、このように、繊維基材は、耐熱性有
機繊維であるアラミド繊維と、チタン酸カリウムウィス
カと、研磨性硬質無機繊維としてのセラミックウールと
から主になり、スチール繊維は含まれていない。したが
って、本実施例の摩擦材は、非スチール系摩擦材として
形成されている。
【0037】また、樹脂結合剤としてはフェノール樹脂
(粉末)が使用され、各実施例において17体積%配合
されている。なお、この配合量は比較例においても同じ
である。
【0038】更に、充填剤としては、カシューダスト、
固体潤滑剤である黒鉛(グラファイト)と三硫化アンチ
モンSb2 3 、アブレッシブ剤としてのケイ酸ジルコ
ニウムZrSiO4 、摩擦材のアルカリ性を保持しその
防錆性を高めるための消石灰、及び体質充填剤としての
硫酸バリウムが用いられている。これらのうちでカシュ
ーダスト17体積%と、黒鉛5体積%と、消石灰3体積
%は各実施例(及び比較例)において同じ割合で配合さ
れ、また、三硫化アンチモンSb2 3 とケイ酸ジルコ
ニウムZrSiO4 は割合を変えて配合されている。な
お、硫酸バリウムの配合割合は残部の体積%に調整され
ている。
【0039】即ち、三硫化アンチモンSb2 3 は、実
施例1〜3及び実施例6では1.5体積%、実施例4で
は少なくして0.7体積%、そして実施例5では多くし
て2.5体積%それぞれ配合されている。
【0040】また、ケイ酸ジルコニウムZrSiO
4 は、平均粒径の異なるA,B,C3種類が使用されて
いる: [ケイ酸ジルコニウムA,B,Cの平均粒径] A=1μm B=10μm C=30μm そして、実施例1〜5ではケイ酸ジルコニウムAが3体
積%、実施例6ではケイ酸ジルコニウムBが7体積%そ
れぞれ配合されている。
【0041】これらの実施例1〜6の配合組成に対し
て、比較例1〜6はそれぞれ次のような配合組成とされ
ている。
【0042】比較例1はチタン酸カリウムウィスカの種
類を変えたものであり、実施例1,2の配合組成におい
て、鉄分を含有するチタン酸カリウムウィスカA,Bに
代えて、鉄分をほとんど含まないチタン酸カリウムウィ
スカCを同じく15体積%用いたものである。
【0043】また、比較例2〜4は、実施例1の配合組
成において三硫化アンチモンの添加量を変えたものであ
る。そして、比較例2では三硫化アンチモンの添加量を
比較的多くして3.0体積%の割合とし、比較例3では
逆に少なくして0.5体積%の割合とし、更に比較例4
では三硫化アンチモンを無配合とした。なお、これらの
三硫化アンチモンの配合割合に応じて、硫酸バリウムの
配合割合が調整されている。
【0044】更に、比較例5は、三硫化アンチモンが無
配合である比較例4において、研磨性硬質無機繊維であ
るセラミックウールの配合割合を15体積%に増量する
と共に、アブレッシブ剤であるケイ酸ジルコニウムAの
配合割合も7体積%に増加したものである(これによっ
て、硫酸バリウムは3体積%に減量されている)。ま
た、比較例6は、同様に比較例4において、ケイ酸ジル
コニウムの種類を変え、平均粒径の大きなケイ酸ジルコ
ニウムCを3体積%配合したものである。
【0045】そして、これらの配合組成からなる実施例
及び比較例の摩擦材(ディスクブレーキパッド)の作製
は、通常の熱成形による方法によって、具体的には次の
ように行った。即ち、上記の所定の配合の摩擦材原料を
V型ブレンダで十分均一に混合し、次いで、この粉状混
合物を予備成形金型に投入し、常温下、200kg/c
2 の圧力で1分間加圧して予備成形した。次に、この
摩擦材の予備成形物を、予め表面にフェノール樹脂系接
着剤を塗布した裏金と共に熱成形金型にセットし、40
0kg/cm2 の加圧圧力、160℃の温度で10分間
熱成形した。そして、これを更に250℃で120分間
熱処理して、裏金と一体になった摩擦材、ディスクブレ
ーキパッドを得た。
【0046】〔評価試験〕次に、作製したこれらの実施
例及び比較例の各摩擦材(ディスクブレーキパッド)に
ついて、その耐摩耗性と相手材摩耗性(攻撃性)とに関
する評価試験を行った。
【0047】この試験は、具体的には、各摩擦材をブレ
ーキダイナモメータに取付けて制動試験を行い、その制
動試験終了後の摩擦材の摩耗量と相手材(ディスクロー
タ)の摩耗量とを測定したものである。そして、この制
動試験は以下の比較的苛酷な条件で行った。
【0048】使用キャリパブレーキ型式:PE54−2
2V(スチール製) イナーシャ:5.5kgf・m・s2 制動前温度:300℃ 制動初速度:200km/h 減速後速度:100km/h 減速度:0.35G 制動回数:20回 即ち、摩擦材表面を300℃に予熱したもとで、速度2
00km/hから100km/hまでの制動を20回繰
り返した。
【0049】測定したこの時の摩擦材の摩耗量(パッド
摩耗量)mmと相手材の摩耗量(ロータ摩耗量)μm
を、図1及び図2に合わせて示す。
【0050】〔試験結果〕図1及び図2のように、上記
のような苛酷な制動条件では、比較例1〜6の摩擦材
(ディスクブレーキパッド)においては、いずれもそれ
自体の摩耗量が過大であるかまたは相手材(ディスクロ
ータ)の摩耗量が過大である傾向にある。これに対し
て、実施例1〜6の摩擦材では、それ自体と相手材の摩
耗量は共に良好なレベルに抑えられている。
【0051】そして、チタン酸カリウムウィスカの種類
についてみると、鉄分がほとんど含まれないチタン酸カ
リウムウィスカCを用いた比較例1では、摩擦材(パッ
ド)自体の摩耗量が多く、しかも、研磨性硬質無機繊維
であるセラミックウールとアブレッシブ剤であるケイ酸
ジルコニウムとが配合されているにもかかわらず、相手
材(ロータ)に摩擦材成分が凝着している。これに対し
て、鉄分を含有するチタン酸カリウムウィスカA,Bを
用いた実施例1及び実施例2では、摩擦材の摩耗量が少
なく、また、相手材の摩耗量も少ない。また、チタン酸
カリウムウィスカAとチタン酸カリウムウィスカCとを
組合わせて用いた実施例3においても、摩擦材と相手材
の摩耗は共に少なくなっている。
【0052】そこで、これらの実施例1〜3及び比較例
1から、特に苛酷な制動条件下での摩擦材と相手材の過
大な摩耗を共に抑制するためには、繊維基材の少なくと
も一部として、鉄分を含有するチタン酸カリウムウィス
カまたは繊維を用いることが好ましいことが分かる。ま
た、実施例1〜3の相互の対比からは、チタン酸カリウ
ムウィスカまたは繊維に含まれる鉄分が比較的多いほ
ど、また、そのようなチタン酸カリウムウィスカまたは
繊維の配合割合が多いほど、摩耗をより抑制することが
できることも分かる。
【0053】また、固体潤滑剤として黒鉛と共に使用さ
れる三硫化アンチモンSb2 3 の配合割合についてみ
ると、これが無配合である場合には、比較例4のよう
に、特に苛酷な制動条件下での摩耗が著しい。これに対
して、三硫化アンチモンを配合することによって摩擦材
の耐摩耗性が向上し、また、その耐摩耗性は三硫化アン
チモンの配合割合が多いほど向上する傾向が見られる。
即ち、摩擦材の摩耗量は、比較例3の0.5体積%、実
施例4の0.7体積%、実施例1〜3の1.5体積%、
そして実施例5の2.5体積%の順に減少している。し
かし、これとは逆に、三硫化アンチモンの配合割合が多
くなるほど相手材の摩耗量も増え、特に、3.0体積%
の配合割合である比較例2では、その摩耗量が急激に増
大している。
【0054】そこで、これらの実施例1、実施例4、実
施例5、及び比較例2〜4から、三硫化アンチモンの配
合割合は0.7〜2.5体積%が好ましいことが分か
る。なお、この配合割合が0.5体積%(比較例3)で
は、摩擦材の摩耗量が比較的多く、耐摩耗性が十分では
ないため好ましくはない。
【0055】なお、比較例5についてみると、比較例4
との対比から、研磨性硬質無機繊維であるセラミックウ
ールとアブレッシブ剤であるケイ酸ジルコニウムとの配
合割合を増加することによっても、摩擦材自体の摩耗量
は少なくできることが分かる。しかし、この場合は、相
手材の摩耗が著しく増加する。また、この相手材の摩耗
は、三硫化アンチモンを添加した場合には更に増大する
ことになる。
【0056】また、比較例6はアブレッシブ剤として平
均粒径が30μmのケイ酸ジルコニウムCを用いたもの
であるが、これによれば、平均粒径が1μmのケイ酸ジ
ルコニウムAを用いた比較例4との対比から、比較例5
の場合と同様に、摩擦材の摩耗を少なくできることが分
かる。しかし、この場合も比較例5と同様に、相手材の
摩耗が著しく増加する。なお、これらの比較例5及び比
較例6における相手材の過大な摩耗は、アブレッシブ剤
(及び研磨性硬質無機繊維)の攻撃性が、苛酷な制動条
件下の高熱によって累乗的に増加するためと思われる。
【0057】これらの比較例5及び比較例6に対して、
平均粒径が1μmのケイ酸ジルコニウムAを用いた実施
例1〜5及び平均粒径が10μmのケイ酸ジルコニウム
Bを用いた実施例6では、相手材の摩耗は低く抑えられ
ている。そこで、鉄分を含有するチタン酸カリウムウィ
スカまたは繊維を用いると共に三硫化アンチモンを特定
の割合で配合したもとでは、アブレッシブ剤としては、
粒径が比較的小さく、平均粒径で1〜10μm程度のも
のが好ましいことが分かる。また、このアブレッシブ剤
と研磨性硬質無機繊維の配合割合についても、それらの
合計量で、少くとも20体積%程度以下が好ましく、ま
た実施例6の17体積%以下がより好ましいことが分か
る。
【0058】このように、本発明の実施例1乃至実施例
6の摩擦材(ディスクブレーキパッド)は、繊維基材と
して鉄分を含有するチタン酸カリウム繊維またはウィス
カを繊維基材として含むと共に、三硫化アンチモンを比
較的少ない特定の割合で、即ち、摩擦材全体に対して
0.7〜2.5体積%の割合で配合したものである。そ
のため、特に苛酷な使用条件下での摩擦材自体と相手材
の過大な摩耗を共に抑制し、またそれらの摩耗を共に良
好なレベルに維持することができる。またこの場合、ケ
イ酸ジルコニウムからなるアブレッシブ剤として、比較
的粒径が小さい平均粒径が1〜10μmのものを用いて
いるので、更にまた、このアブレッシブ剤と研磨性硬質
無機繊維の合計の配合割合を比較的少なくしているの
で、相手材の過大な摩耗をより確実に防止することがで
きる。そのため、これらの摩擦材は、高速で走行され苛
酷な制動が繰返されるような自動車に対して、特に好適
に使用することができる。しかし、一般の自動車に対し
ても、安全性の高い摩擦材として好適に使用できること
はもちろんである。
【0059】ところで、本実施例では、摩擦材の摩擦係
数を確保するために研磨性硬質無機繊維を繊維基材の一
部として配合し、またアブレッシブ剤も配合している
が、これらのいずれか一方の配合は、他方の配合を多く
することによって適宜省くことができる。ただ、研磨性
硬質無機繊維は摩擦材中での保持性がよく、また摩擦材
の強度を高める等の効果も有する点で好ましく、また、
アブレッシブ剤も必要とされる摩擦係数を補い、確保す
るためには好ましいものである。そのため、これらは、
その繊維径及び粒径が十分小さければ相手材に対する攻
撃性も少ないため、本実施例のように併用することが好
ましい。
【0060】また、本実施例では、繊維基材としてスチ
ール繊維を完全に含まない非スチール系摩擦材として形
成したが、必要に応じてスチール繊維を繊維基材として
用い、低スチール系摩擦材、或いはセミメタリック系摩
擦材として形成することも適宜に可能である。
【0061】なお、また、本発明の摩擦材については特
にディスクブレーキパッドを例として説明したが、本発
明を実施する場合はこれに限定されるものではなく、ド
ラムブレーキのライニング、或いはクラッチフェーシン
グ等、種々の摩擦材に適用することができる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる摩擦材
は、繊維基材と、樹脂結合剤と、固体潤滑剤等の充填剤
とを含む摩擦材であって、繊維基材として、鉄分を含有
するチタン酸カリウム繊維またはウィスカを含むと共
に、固体潤滑剤として、摩擦材全体に対して0.7〜
2.5体積%の三硫化アンチモンを含むものである。
【0063】したがって、この摩擦材によれば、固体潤
滑剤である三硫化アンチモンは比較的少ない割合で配合
されているので、例えば、時速200kmに近い速度で
制動を繰返した場合のような苛酷な使用条件下での相手
材の過大な摩耗を抑制することができる。またその一
方、三硫化アンチモンの配合割合を少なくしたことによ
る摩擦材自体の耐摩耗性の低下は、耐熱強度に優れた鉄
分を含有するチタン酸カリウム繊維またはウィスカの配
合によって補われるので、そのような苛酷な使用条件下
での摩擦材自体の過大な摩耗も抑制することができる。
即ち、本発明にかかる摩擦材によれば、苛酷な条件で使
用した場合の摩擦材自体と相手材の過大な摩耗を共に抑
制することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例の摩擦材(ディスクブ
レーキパッド)の配合組成と評価試験結果とを示す表図
である。
【図2】 図2は比較例の摩擦材(ディスクブレーキパ
ッド)の配合組成と評価試験結果とを示す表図である。
(なお、図1,2の組成において、チタン酸カリウムウ
ィスカA,B,Cは鉄分含有量が異なり、A=1.0w
t%,B=0.4wt%,C=0.0wt%である。ま
た、ケイ酸ジルコニウムA,B,Cは平均粒径が異な
り、A=1μm,B=10μm,C=30μmであ
る。)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材と、樹脂結合剤と、固体潤滑剤
    等の充填剤とを含む摩擦材であって、 前記繊維基材として、鉄分を含有するチタン酸カリウム
    繊維またはウィスカを含むと共に、 前記固体潤滑剤として、摩擦材全体に対して0.7〜
    2.5体積%の三硫化アンチモンを含むことを特徴とす
    る摩擦材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000309641A (ja) * 1999-02-22 2000-11-07 Nisshinbo Ind Inc 非石綿系摩擦材
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