JPH08290905A - 六方晶窒化ほう素粉末及びその製造方法 - Google Patents
六方晶窒化ほう素粉末及びその製造方法Info
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- JPH08290905A JPH08290905A JP9381295A JP9381295A JPH08290905A JP H08290905 A JPH08290905 A JP H08290905A JP 9381295 A JP9381295 A JP 9381295A JP 9381295 A JP9381295 A JP 9381295A JP H08290905 A JPH08290905 A JP H08290905A
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Abstract
提供すること。 【構成】レーザー回折法における粒度分布の標準偏差
(σ)とメジアン径(D50)の比からなる変動係数(σ
/D50)が0.55以下であることを特徴とする六方晶
窒化ほう素粉末、及びほう酸とメラミンとをB/N原子
比が1/1〜1/6となる割合で混合し、それを温度0
〜200℃、相対湿度5%以上の水蒸気を含む雰囲気下
で保持してほう酸メラミンを形成させた後、それをアン
モニアを含む雰囲気下、温度500以上1400℃未満
で一旦保持してからアンモニアを除く非酸化性ガス雰囲
気下、温度1400〜2200℃で焼成することを特徴
とする六方晶窒化ほう素粉末の製造方法。
Description
六方晶窒化ほう素粉末及びその製造方法に関する。
鉛類似の層状構造を有し、熱伝導性、絶縁性、化学的安
定性、固体潤滑性、耐熱衝撃性などの特性に優れ、これ
らの特性を活かして固体潤滑・離型剤、樹脂やゴムの充
填材、耐熱性・絶縁性焼結体などに応用されている。
がある。 (1)ほう酸、酸化ほう素、ほう砂などのほう素と酸素
を含む化合物とをリン酸カルシウムなどの充填材に担持
させた後、アンモニア雰囲気下で焼成する方法。 (2)上記ほう素化合物とジシアンジアミド、メラミ
ン、尿素などの窒素を含む化合物との混合物を焼成する
方法。 (3)上記ほう素化合物と炭素などの還元性物質との混
合物を窒素ガス雰囲気下で焼成する方法。 (4)ほう酸又は酸化ほう素、メラミン及び水を含む混
合物から、濾過、遠心分離、乾燥などの方法により水を
除去したのち、これを非酸化性ガス雰囲気下で焼成する
方法。
と酸素を含む化合物が融解するのでアンモニア雰囲気と
の接触面積が充分に大きくはならず、また(2)では窒
素を含む化合物が焼成時に気化あるいは分解しやすいた
め、いずれの方法においても反応率を著しく高めること
が困難である。(3)では酸洗浄などの簡便な後処理で
は除去困難な還元性物質が不純物として残留しやすくな
る。
は酸化ほう素とメラミンとが塩(ほう酸メラミン)を形
成して均一な原料混合物となるため、均質なBN粉末を
高い収率で製造できる方法として知られている(米国特
許第3,241,918 号明細書、特開昭60−151202号
公報、特開昭61−191505号公報、特開昭61−
286207号公報等)が、この方法では他の方法と異
なり、原料混合物から水を除去するための濾過、遠心分
離、乾燥などの余分な工程が必要となるので生産性が低
くなるという問題がある。
おいても生成するhBN粉末は粒径の著しいばらつきが
ある。近年、hBN粉末の各種用途では品質の安定性が
ますます要求されておりそれに伴いhBN粉末自体の均
質性を向上させる必要が生じてきた。この対策として、
粒径の揃ったhBN粉末を分級により製造することが行
われているが、余分な後工程が必要となるだけではなく
分級によって歩留が低下するため、目標とする粒径の粉
末を高収率、高生産性で製造することはできなかった。
術の問題点を解決し、粒径の揃ったhBN粉末を提供す
ることを目的とするものである。また、本発明は、粒径
の揃ったhBN粉末を分級などの余分な後工程を必要と
せずに高収率、高生産性で製造することを目的とするも
のである。
ーザー回折法における粒度分布の標準偏差(σ)とメジ
アン径(D50)の比からなる変動係数(σ/D50)が
0.55以下であることを特徴とする六方晶窒化ほう素
粉末、及びう酸とメラミンとをB/N原子比が1/1〜
1/6となる割合で混合し、それを温度0〜200℃、
相対湿度5%以上の水蒸気を含む雰囲気下で保持してほ
う酸メラミンを形成させた後、それをアンモニアを含む
雰囲気下、温度500以上1400℃未満で一旦保持し
てからアンモニアを除く非酸化性ガス雰囲気下、温度1
400〜2200℃で焼成することを特徴とする六方晶
窒化ほう素粉末の製造方法である。
る。
とが特徴であり、その測定は簡便性、高信頼性などの点
からレーザー回折法が採用される。本発明における粒径
の揃っていることの評価は、レーザー回折法で測定され
た粒度分布の粒径の標準偏差(σ)と平均粒径〔メジア
ン径(D50)〕の比からなる変動係数(σ/D50)によ
って行うことができる。変動係数は粒度分布の幅に対応
しており、これが大きいと粒度分布の幅すなわちばらつ
きが大きくなり、逆に小さいと粒径の揃った均質な粉末
である。
1.0でありばらつきが大きいものであったのに対し、
本発明のhBN粉末の変動係数は0.55以下である点
において従来のhBN粉末と異なっている。
いて説明する。本発明のhBN粉末の製造方法は、上記
本発明のhBN粉末の製造に適用ある製造方法である。
反応してほう酸メラミンを形成するものであり、その例
はオルトほう酸(H3 BO3 )、メタほう酸(HB
O2 )、テトラほう酸(H2 B4 O7 )、無水ほう酸
(B2 O3 )など、一般式(B2 O 3 )・(H2 O)x
〔但しx =0〜3〕で示される化合物の1種又は2種以
上であるが、なかでもオルトほう酸は入手が容易でメラ
ミンとの混合性が良好であるので本発明には好適であ
る。
リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの一般的な
混合機を用いて行うことができる。配合割合は、ほう酸
のほう素原子(B)とメラミンの窒素原子(N)のB/
N原子比が1/1〜1/6となる割合、好ましくは1/
2〜1/4となる割合である。該B/N原子比が1/1
をこえると焼成後に未反応ほう酸の残留が顕著となり、
また1/6未満では焼成時に未反応メラミンの昇華が顕
著となって、いずれの場合も収率が低下する。
ラミン(C3 N6 H6 )の具体的な配合割合は、ほう酸
がオルトほう酸(H3 BO3 )である場合、H3 BO3
/C 3 N6 H6 がモル比では6/1〜1/1、重量比で
は2.94/1〜0.49/1となる。
を温度0〜200℃好ましくは40〜100℃の相対湿
度5%以上の水蒸気を含む雰囲気下で保持してほう酸メ
ラミンを形成させ、それを焼成するものである。ほう酸
メラミンの形成温度が0℃未満では反応速度が著しく遅
くなり、また200℃をこえるとほう酸がガラス状に融
解し表面積が小さくなるので反応率が増大しなくなる。
さらには、ほう酸メラミンの形成雰囲気を相対湿度5%
以上の水蒸気を含む雰囲気下としたのは、相対湿度5%
未満の雰囲気では反応速度が著しく遅くなるからであ
る。
持時間は、1〜100時間程度である。なかでも、温度
T(℃)、相対湿度Ψ(%)及び保持時間t(hr)が
以下の関係式を満たす条件でほう酸とメラミンの混合物
を保持してほう酸メラミンを形成させることである。こ
のような雰囲気は、恒温恒湿機、スチーム加熱炉などを
用いて容易に形成させることができる。雰囲気を形成す
る水蒸気以外のガスについては特に制限はなく、大気ガ
ス、窒素ガス、不活性ガスなどである。 T≧−20・log10(t/4)+{(Ψ−100)2
/20}+60
差熱分析(TG/DTA)、X線回折測定などによって
容易に確認することができる。例えば、ほう酸とメラミ
ンの混合物のTG/DTA曲線では350℃付近にメラ
ミンの昇華による急激な重量減少及び吸熱が現れるが、
ほう酸メラミンでは殆んど現れない。また、X線回折測
定においても、120℃以下の温度で形成されたほう酸
メラミンは、ほう酸及びメラミンのいずれとも異なる独
自の回折パターンを示すため、容易に確認することがで
きる(萩尾 剛、他;日本セラミックス協会学術論文
誌;102巻、11号、1051〜1052頁[199
4年])。しかしながら、120℃をこえる温度で形成
されたほう酸メラミンは非晶質であるので独自の回折パ
ターンを示さなくなるため注意が必要である。
は従来のように水を含まないものであるため、そのまま
あるいは軽い解砕工程を行った後、濾過、遠心分離、乾
燥などの工程を経ることなくただちに焼成することがで
きる。また、従来法ではほう酸メラミンの嵩密度が著し
く低下するのでその回復処理が必要であった(特開昭6
1−286207号公報)が、本発明ではそのような処
理は必要でなくなるので生産性が向上する。また、ほう
酸メラミンは焼成時に融解しないため炉材の損耗を抑制
することができるので連続式炉による焼成が容易とな
る。
0以上1400℃未満のアンモニアを含む雰囲気下で一
旦保持される。この操作によって、ほう酸メラミンは非
晶質窒化ほう素(a−BN)粉末に変化するが、ほう酸
メラミンに対するアンモニアの作用により、酸素と炭素
の含有量が少ない均質なa−BN粉末が形成される。5
00℃未満ではa−BNの生成速度が著しく遅くなり、
また1400℃以上ではアンモニアの分解が顕著とな
る。保持時間としては0.5〜12時間特に1〜2時間
が好ましい。
囲気下、温度1400〜2200℃で行われる。140
0℃未満ではhBNの生成速度が著しく遅くなり、また
2200℃をこえるとhBNの分解が顕著となる。非酸
化性ガスとしては、窒素ガス、水素ガス、メタン、プロ
パンなどの炭化水素ガス、ヘリウム、アルゴンなどの希
ガス、一酸化炭素ガスなどである。これらのうち、入手
しやすく安価でありしかも2000〜2200℃の高温
においてはhBNの分解を抑制する効果の大きい窒素ガ
スが最適である。焼成時間としては0.5〜24時間特
に2〜10時間が好ましい。
焼成に用いられる炉としては、マッフル炉、管状炉、雰
囲気炉などのバッチ式炉や、ロータリーキルン、スクリ
ューコンベヤ炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー
炉、竪型連続炉などの連続式炉があげられる。これらは
目的に応じて使い分けられ、例えば多くの品種のhBN
粉末を少量ずつ製造するときはバッチ式炉を、一定の品
種を多量製造するときは連続式炉が採用される。
ける保持前又は保持後にhBNの結晶性や粒径を調節す
るために触媒を添加することもできる。触媒としては、
アルカリ金属又はアルカリ土類金属のほう酸塩、ほう酸
および/または高温でほう酸と反応して塩を形成するア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩等の化合物な
どが使用される。
は、必要に応じて粉砕、分級、酸処理による残留触媒の
除去(精製)、洗浄、乾燥などの後処理工程を経た後、
実用に供される。
に本発明を説明する。
比が1/3)をボールミルで混合し、それを恒温恒湿機
を用い、大気中で温度80℃、相対湿度80%の水蒸気
を含む雰囲気下に10時間保持した。得られた試料は指
で軽く押さえると容易に解砕できる程度に凝固してい
た。解砕後X線回折測定によりほう酸メラミンが生成し
ていることが確認された。
気中、温度800℃で2時間保持した。保持後の試料に
は酸素3.2重量%、炭素0.5重量%が含まれてい
た。これにほう酸カルシウム(2CaO・B2 O3 )3
gを添加してボールミルで混合し、高周波加熱炉を用い
て窒素雰囲気下、温度2000℃で2時間焼成した。
過、乾燥の後処理を行ってからX線回折分析をしたとこ
ろ、六方晶窒化ほう素(hBN)であることが確認され
た。また、レーザー回折法により粒度分布を測定したと
ころ、メジアン径(D50)16.8μm、標準偏差
(σ)8.2μm、変動係数(σ/D50)0.49であ
った。
1/4)、炭酸カルシウム(CaCO3 )10gをヘン
シェルミキサーで20分間撹拌した後スチーム加熱炉で
窒素雰囲気下、温度100℃、相対湿度80%で5時間
保持した。生成物をX線回折分析したところ、ほう酸メ
ラミンとCaCO3 の混合物であることが確認された。
さらに、管状炉を用いてアンモニア雰囲気中、温度10
00℃で1時間保持した後、黒鉛抵抗加熱炉を用いアル
ゴン雰囲気下、温度1800℃で1時間焼成した。
を行いX線回折分析をしたところ、hBN粉末であるこ
とが確認された。また、レーザー回折法により粒度分布
を測定したところ、D50=8.9μm、σ=4.1μ
m、σ/D50=0.46であった。
=1/2)を、スチーム加熱炉を用いて大気中で温度1
00℃、相対湿度90%の雰囲気下に5時間保持した。
生成物はX線回折分析によりほう酸メラミンであること
が確認された。それをスクリューコンベヤ炉を用いてア
ンモニア雰囲気中、温度700℃で10時間保持した。
保持後の試料には酸素1.5重量%、炭素0.3重量%
が含まれていた。次いで、それを竪型連続炉を用い、窒
素雰囲気下、温度1900℃で12時間焼成した。
を行いX線回折分析をしたところ、hBN粉末であるこ
とが確認された。また、レーザー回折法により粒度分布
を測定したところ、D50=5.8μm、σ=3.0μ
m、σ/D50=0.52であった。
後、相対湿度80%の水蒸気を含む雰囲気下で保持せず
にただちに管状炉を用いてアンモニア雰囲気中800℃
で2時間保持した。保持後の試料の酸素および炭素の含
有量を測定したところ、それぞれ10.2重量%および
3.5重量%であった。その後、実施例1と全く同様に
し焼成して得れらた生成物はhBN粉末であることをX
線回折測定により確認した。さらにレーザー回折法によ
り粒度分布を測定したところ、D50=15.6μm、σ
=10.8μm、変動係数(σ/D50)が0.69の粉
末であった。
をアンモニア雰囲気中、温度800℃で2時間保持する
かわりに窒素雰囲気中、温度800℃で2時間保持した
後、酸素および炭素の含有量を測定したところそれぞれ
10.5重量%および12.5重量%であった。その
後、実施例1と全く同様にし焼成して得れらた生成物は
hBN粉末であることをX線回折測定により確認した。
さらにレーザー回折法により粒度分布を測定したとこ
ろ、D50=18.5μm、σ=16.9μm、変動係数
(σ/D50)が0.91の粉末であった。
質なものである。また、本発明のhBN粉末の製造方法
によれば、粒径の揃った高品質のhBN粉末を高収率、
高産性で製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 レーザー回折法における粒度分布の標準
偏差(σ)とメジアン径(D50)の比からなる変動係数
(σ/D50)が0.55以下であることを特徴とする六
方晶窒化ほう素粉末。 - 【請求項2】 ほう酸とメラミンとをB/N原子比が1
/1〜1/6となる割合で混合し、それを温度0〜20
0℃、相対湿度5%以上の水蒸気を含む雰囲気下で保持
してほう酸メラミンを形成させた後、それをアンモニア
を含む雰囲気下、温度500以上1400℃未満で一旦
保持してからアンモニアを除く非酸化性ガス雰囲気下、
温度1400〜2200℃で焼成することを特徴とする
六方晶窒化ほう素粉末の製造方法。
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JP09381295A JP3647079B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | 六方晶窒化ほう素粉末の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO1998005590A1 (fr) * | 1996-08-06 | 1998-02-12 | Otsuka Kagaku Kabushiki Kaisha | Nitrure de bore et son procede de preparation |
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1995
- 1995-04-19 JP JP09381295A patent/JP3647079B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2015122378A1 (ja) * | 2014-02-12 | 2017-03-30 | デンカ株式会社 | 窒化ホウ素微粒子およびその製造方法 |
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US10017387B2 (en) | 2014-02-12 | 2018-07-10 | Denka Company Limited | Boron nitride fine particles and production method thereof |
US10017386B2 (en) | 2014-02-12 | 2018-07-10 | Denka Company Limited | Spherical boron nitride fine particles and production method thereof |
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