JPH0829019A

JPH0829019A - 冷房装置用膨張弁

Info

Publication number: JPH0829019A
Application number: JP6190874A
Authority: JP
Inventors: Toshikazu Sato; 俊和佐藤
Original assignee: Izumi Giken KK
Current assignee: Izumi Giken KK
Priority date: 1994-07-11
Filing date: 1994-07-11
Publication date: 1996-02-02

Abstract

(57)【要約】【目的】ダイヤフラム２２の変位に弁機構が連動して
弁開度を調節する冷房装置用膨張弁において、冷媒供給
量を制御する制御ユニット２０を膨張弁本体１０から着
脱可能とし、修理、清掃などの取扱を改善する。【構成】コンデンサからの冷媒の入口１２、エバポレ
ータへの冷媒の出口１３を開口し、入口１２、出口１３
が連通した内部開孔１１を開設して本体１０を形成し、
感温ケース２１と、入口１２から出口１３に至る冷媒通
路中に配置される弁機構とを一体に組み付けた制御ユニ
ット２０を形成し、制御ユニット２０を内部開孔１１内
に挿入して組み立て、制御ユニット２０を本体１０から
着脱自在とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車用冷房装置な
どの冷房サイクルに配管し、エバポレータへの冷媒供給
量を熱負荷の変動に応じて調節する冷房装置用膨張弁に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車用冷房装置などの冷房サイクルに
エバポレータに前置して配管する膨張弁として、特開昭
６１−７０３５５号、特開昭６１−２０２０５５号など
が示されている。こうした膨張弁は、エバポレータの出
口側冷媒温度を検出して函内の封入ガス圧を変動する感
温ケース内にダイヤフラムを収納し、ダイヤフラムの変
位方向に対して逆方向に付勢された弁機構を本体内の冷
媒通路中に設けて構成されている。そして、コンデンサ
からの高圧冷媒を断熱膨張してエバポレータへ供給する
とともに、ダイヤフラムの変位に弁機構が連動して弁開
度を調節し、エバポレータへの冷媒供給量を調節するも
のである。こうした膨張弁は、入口から出口に至る冷媒
通路を形成した本体に感温ケースを組み付け、本体内
に、ダイヤフラムの変位を伝達する作動棒、作動棒に駆
動されるボール弁、冷媒通路中に絞り部を形成する弁
座、ボール弁を開弁方向へ付勢するバネなどの構成部品
を組み込んで製作されている。また、膨張弁は、一般
に、パッキンを介したフランジシールによって冷房サイ
クル中に配管接続されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる構成の膨張弁
は、弁機構を構成する部品が本体内に一体に組み込まれ
て分解不可能であるから、ごみの混入などによる故障の
場合、膨張弁を本体ごと取り外して新品と交換しなけれ
ばならず、修理、清掃などの取扱が不便でサービス費用
が高価であった。また、フランジシールによる配管は、
パッキンが不良品であったり、破損された場合、直ちに
シール部からの冷媒漏れを招来する危険がある。

【０００４】この発明は、新規構成の冷房装置用膨張弁
を提供してこれらの課題を解決するこを目的とするもの
で、エバポレータへの冷媒供給量を制御する制御ユニッ
トを形成し、この制御ユニットを膨張弁本体から着脱自
在に構成し、修理、清掃などの取扱を改善することを目
的とする。そして、冷房サイクル中に膨張弁を溶接して
配管接続することを可能とし、接続箇所からの冷媒漏れ
の危険を解消することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明はかかる目的を
達成するため、こうした冷房装置用膨張弁において、コ
ンデンサからの冷媒の入口、エバポレータへの冷媒の出
口を開口し、入口、出口が連通した内部開孔を開設して
本体を形成する。そして、感温ケースと、入口から出口
に至る冷媒通路中に配置される弁機構とを一体に組み付
けた制御ユニットを形成し、開口面から内部開孔内に制
御ユニットを挿入して組み立て、制御ユニットを本体か
ら着脱自在に構成するものである。

【０００６】また、感温ケースの底面に筒状の取付ねじ
を接合し、取付ねじを内部開孔の上端に螺着して構成す
る。そして、本体を溶接して配管接続するものである。
以下に、図面の実施例を用いてこの発明の構成を具体的
に説明する。

【０００７】

【実施例】図面の冷房装置用膨張弁は自動車用冷房装置
に配管するもので、その冷媒の冷房サイクルが図３に示
すように構成される。ここで、膨張弁（１）は、走行用
エンジンにより駆動されるコンプレッサ（３）の高圧側
に連通する流通路と、低圧側に連通する流通路とを形成
してエバポレータ（２）と接続される。そして、コンプ
レッサ（３）の高圧側に、コンデンサ（４）、レシーバ
（５）、膨張弁（１）の高圧側の流通路を接続し、エバ
ポレータ（２）から膨張弁（１）の低圧側の流通路を経
て、コンプレッサ（３）の低圧側に接続される。この冷
房サイクルにおいて、コンプレッサ（３）で断熱圧縮さ
れた高温高圧のガス冷媒は、コンデンサ（４）で外部に
熱を放出して低温高圧の液冷媒となり、膨張弁（１）で
断熱膨張して霧状冷媒となり、エバポレータ（２）へ供
給される。そして、エバポレータ（２）で外部から熱を
吸収して気化蒸発し、送風空気が冷却されて自動車室内
の冷房に供し、気化したガス冷媒がコンプレッサ（３）
に吸入されて冷房サイクルを循環する。

【０００８】膨張弁（１）の本体（１０）はボックス型
に形成され、上面から軸心に有底の内部開孔（１１）が
開設され、側面に、コンデンサからの冷媒の入口（１
２）、これと対向した側で下段の位置にエバポレータの
入口と接続する出口（１３）、これの上段の位置にエバ
ポレータの出口と接続する入口（１４）、これと対向し
た側で入口（１２）の上段の位置に出口（１５）が開口
されている。そして、これらの入口（１２）、（１
４）、出口（１３）、（１５）は内部開孔（１１）に連
通している。

【０００９】函内に温度応答体としての冷媒ガスを封入
した感温ケース（２１）内に、周縁を挟持してダイヤフ
ラム（２２）が収納され、エバポレータ（２）の出口側
冷媒温度を検出する感温筒を先端に接続したキャピラリ
管（２３）が、感温ケース（２１）の函内に開口されて
いる。感温ケース（２１）の底面に筒状の取付ねじ（２
５）が接合され、内部関孔（１１）の上端に、この取付
ねじ（２５）に螺合するめねじ部（１６）が形成されて
いる。取付ねじ（２５）の下端に管体（２７）、さら
に、管体（２７）の下端に筒体（３０）が順次接合さ
れ、管体（２７）の側壁に、入口（１４）、出口（１
５）に応じた高さ位置に通孔（２８）、入口（１２）に
応じた高さ位置に通孔（２９）が開設され、筒体（３
０）の側壁に、出口（１３）に応じた高さ位置に通孔
（３１）が開設されている。管体（２７）の軸心に、上
端をダイヤフラム（２２）の背面に当接した連結棒（３
２）、連結棒（３２）の下段に作動棒（３４）が設けら
れ、管体（２７）の内周面に当接して管体（２７）内を
上下に区画し、軸方向の移動を案内するガイド体（３
３）を介し、連結棒（３２）と作動棒（３４）とが連結
されている。管体（２７）内の下端の位置に、冷媒通路
中に絞り部を形成した弁座（３５）が設けられ、弁座
（３５）を挿通した作動棒（３４）の下端にボール弁
（３６）が当接されている。筒体（３０）内は絞り部を
通過した冷媒の膨張室を形成し、ボール弁（３６）を閉
弁方向へ付勢するバネ（３８）が、筒体（３０）の底面
から螺着した調整ねじ（３７）でその付勢力を調節して
保持され、筒体（３０）内に収納されている。管体（２
７）の外周面の中段の位置に、内部開孔（１１）の内周
面に当接する環体（４０）が接合され、環体（４０）は
Ｏ−リングを挟持し、内部開孔（１１）内を上下に区画
する。そして、感温ケース（２１）と取付ねじ（２
５）、取付ねじ（２５）と管体（２７）、管体（２７）
と筒体（３０）、管体（２７）と環体（４０）は、加熱
炉内でろう付けして接合され、ダイヤフラム（２２）を
収納した感温ケース（２１）と、連結棒（３２）、作動
棒（３４）、ボール弁（３６）、弁座（３５）、バネ
（３８）などの部品を組み込んだ弁機構とを一体に組み
付けた制御ユニット（２０）が形成される。

【００１０】この膨張弁（１）は、内部開孔（１１）の
上端のめねじ部（１６）に取付ねじ（２５）を螺着し、
本体（１０）上面の開口面から内部開孔（１１）内に制
御ユニット（２０）を挿入して組み立てるとともに、取
付ねじ（２５）を外す方向へ回転し、制御ユニット（２
０）を本体（１０）から簡単に脱着することができるよ
うに構成されている。内部開孔（１１）内は環体（４
０）で上下に区画され、本体（１０）内に、入口（１
２）から出口（１３）に至る高圧側の流通路と、入口
（１４）から出口（１５）に至る低圧側の流通路とが形
成され、入口（１２）から出口（１３）に至る冷媒通路
中に弁機構が配置される。そして、入口（１２）、（１
４）、出口（１３）、（１５）で配管を溶接して接続
し、エバポレータ（２）の入口に出口（１３）を、エバ
ポレータ（２）の出口に入口（１４）を接続して本体
（１０）が配管接続される。

【００１１】この膨張弁（１）において、エバポレータ
（２）の出口側の冷媒温度を感温筒が検出し、感温ケー
ス（２１）の函内の封入ガス圧が変動してダイヤフラム
（２２）が変位し、バネ（３８）に抗して作動棒（３
４）がボール弁（３１）を駆動し、ダイヤフラム（２
２）の変位に連動して弁開度が調節される。入口（１
２）から流入した液冷媒は、通孔（２９）から管体（２
７）内に流入し、弁座（３５）を通過して筒体（３０）
内に流入し、ボール弁（３１）の弁開度に応じた流量の
冷媒が断熱膨張されて霧状冷媒となり、通孔（３１）を
通過して出口（１３）からエバポレータ（２）へ供給さ
れる。こうして、エバポレータ（２）の熱負荷の変動に
応じて冷媒供給量が調節され、エバポレータ（２）で気
化したガス冷媒は、入口（１４）から出口（１５）に至
る流通路を通過してコンプレッサ（３）に吸入される。

【００１２】

【発明の効果】この発明の特徴的な効果は、次の諸点で
ある。コンデンサ（４）からの冷媒の入口（１２）、エ
バポレータ（２）への冷媒の出口（１３）が連通した内
部開孔（１１）を本体（１０）に開設し、感温ケース
（２１）と弁機構とを一体に組み付けた制御ユニット
（２０）を形成し、開口面から内部開孔（１１）内に制
御ユニット（２０）を挿入して組み立て、制御ユニット
（２０）を本体（１０）から着脱自在に構成したので、
ごみの混入などの不具合や故障が生じた場合、制御ユニ
ット（２０）だけを本体（１０）から脱着して点検、交
換することができる。したがって、修理、清掃などの取
扱に優れ、サービスの労力と費用を低減することがで
き、特に、設置スペース、作業スペースに制限がある自
動車用冷房装置に配管する膨張弁に用いて有益なもので
ある。そして、感温ケース（２１）の底面に筒状の取付
ねじ（２５）を接合し、取付ねじ（２５）を螺着して組
み立てるように構成し、制御ユニット（２０）の着脱を
極めて容易に行うことができるものである。

【００１３】また、故障の場合も本体（１０）を取り外
す必要がないので、本体（１０）を溶接して配管接続す
ることが許容され、シール材を不要として堅固に接続さ
れ、接続箇所からの冷媒漏れを防止して冷房能力の低下
や運転不能の事態を解消することができるものである。

【００１４】また、冷媒の流通を制御する構成部品は制
御ユニット（２０）として個別に組み付けられ、内部開
孔（１１）内に制御ユニット（２０）を挿入して製作さ
れ、その組立て作業性に優れて量産に適するなどの機能
を奏するものである。

【００１５】そして、この発明の冷房装置用膨張弁は上
記の実施例に限定されるものではなく、本体内に低圧側
の流通路を形成しない膨張弁に用いてもよく、また、コ
ンデンサ（４）からの冷媒の入口を本体の側面に開口
し、エバポレータ（２）への冷媒の出口を本体の底面に
開口した構造など、種々の形態の膨張弁に適用されるも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の本体と制御ユニットを分解
した状態の断面図。

【図２】同じく本体と制御ユニットを組み立てた状態の
断面図。

【図３】同じく冷房サイクルの配管図。

【符号の説明】

２エバポレータ４コンデンサ１１内部開孔１０本体１２入口１３出口２１感温ケース２２ダイヤフラム２０制御ユニット２５取付ねじ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エバポレータ（２）の出口側冷媒温度を
検出して函内の封入ガス圧を変動する感温ケース（２
１）内にダイヤフラム（２２）を収納し、ダイヤフラム
（２２）の変位方向に対して逆方向に付勢された弁機構
を本体（１０）内の冷媒通路中に設け、ダイヤフラム
（２２）の変位に弁機構が連動して弁開度を調節する冷
房装置用膨張弁において、コンデンサ（４）からの冷媒の入口（１２）、エバポレ
ータ（２）への冷媒の出口（１３）を開口し、入口（１
２）、出口（１３）が連通した内部開孔（１１）を開設
して本体（１０）を形成し、感温ケース（２１）と、入口（１２）から出口（１３）
に至る冷媒通路中に配置される弁機構とを一体に組み付
けた制御ユニット（２０）を形成し、開口面から内部開
孔（１１）内に制御ユニット（２０）を挿入して組み立
て、制御ユニット（２０）を本体（１０）から着脱自在
に構成したことを特徴とする冷房装置用膨張弁。
【請求項２】感温ケース（２１）の底面に筒状の取付
ねじ（２５）を接合し、取付ねじ（２５）を内部開孔
（１１）の上端に螺着した請求項１記載の冷房装置用膨
張弁。
【請求項３】本体（１０）を溶接して配管接続した請
求項１又は２記載の冷房装置用膨張弁。