JPH08287835A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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Publication number
JPH08287835A
JPH08287835A JP7086684A JP8668495A JPH08287835A JP H08287835 A JPH08287835 A JP H08287835A JP 7086684 A JP7086684 A JP 7086684A JP 8668495 A JP8668495 A JP 8668495A JP H08287835 A JPH08287835 A JP H08287835A
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JP
Japan
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phosphor
colored
fluorescent
fluorescent layer
paste
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Application number
JP7086684A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Harayama
雅俊 原山
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の製造工程を変更することなく、高いコ
ントラストを得るようにする。 【構成】 前面板11と背面板12とが互いにかつ対向
するように配設され、この両者の間に設けられたセル障
壁13により表示要素としての複数のセル10が形成さ
れ、各セル10内の所定箇所に蛍光層16が設けられた
プラズマディスプレイパネルにおいて、前記各蛍光層1
6を着色する。着色剤により着色した蛍光体粒子を用い
て蛍光層を形成するか、蛍光体粒子に着色粉体を混合し
たものを用いて蛍光層を形成するとよい。蛍光層自体の
反射率が低くなり、コントラストが高くなる。使用する
蛍光体スラリーや蛍光体ペーストを変えるだけで従来か
らの製造工程を変更することなく作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス放電を利用した自
発光形式の平板ディスプレイであるカラー表示のプラズ
マディスプレイパネル(以下、PDPと記す)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図1は透過型蛍光面を有するDC型PD
Pの1構成例を示したものである。同図に示されるよう
に、このDC型PDPにおいては、ガラスからなる平板
状の前面板11と背面板12とが互いに平行にかつ対向
して配設され、背面板12の前面側にはこれに立設する
セル障壁13が固着されており、このセル障壁13によ
り前面板11と背面板12が一定間隔で保持されてい
る。また、前面板11の背面側には陽極14が形成され
ていると共に、背面板12の前面側には陽極14と直交
して陰極15が形成されており、さらに前面板11の陽
極14の両側には蛍光層16が隣接して形成されてい
る。このDC型PDPでは、陽極14と陰極15との間
に直流電源から所定の電圧を印加して電場を形成するこ
とにより、前面板11と背面板12とセル障壁13とで
区画される表示要素としての各セル10内で放電が行わ
れる。そして、この放電により生じる紫外線により前面
板11裏側の蛍光層16が発光させられ、前面板11を
透過してくるこの光を観察者が視認するようになってい
る。
【0003】また、図2は反射型蛍光面を有する面放電
AC型PDPの1構成例を示したものである。同図に示
されるように、このAC型PDPにおいては、ガラスか
らなる平板状の前面板21と背面板22とが互いに平行
かつ対向して配設され、背面板22の前面側にはこれに
立設するセル障壁23が固着されており、このセル障壁
23により前面板21と背面板22が一定間隔で保持さ
れている。そして、前面板21の背面側には透明電極2
4と金属電極25とで構成される複合電極が互いに平行
に形成され、これを覆って誘電体層26が形成されてお
り、さらにその上に保護層27が形成されている。ま
た、背面板22の前面側にはセル障23の間に位置して
アドレス電極28が互いに平行に形成され、必要に応じ
てその上に誘電体層29が形成されており、さらにセル
障壁23の壁面とセルの底面を覆うようにして蛍光層3
0が設けられている。このAC型PDPでは、前面板2
1上の複合電極間に交流電源から所定の電圧を印加して
電場を形成することにより、前面板21と背面板22と
セル障壁23とで区画される表示要素としての各セル2
0内で放電が行われる。そして、この放電により生じる
紫外線により蛍光層30が発光させられ、前面板21を
透過してくるこの光を観察者が視認するようになってい
る。
【0004】ここで、上記セル障壁の形状としてはマト
リクス状のものとライン状のものとがあり、例えばDC
型PDPの場合で示すと、図3がマトリクス状のもので
図4がライン状のものである。なお、図4及び図5にお
いて、31は観察者側に配置される前面板、32は背面
板、33はセル障壁、34は陽極、35は陰極を示して
いる。また、これらの図に示すものはPDPを形成する
際にセル障壁33が背面板32に形成される例である
が、セル障壁33が前面板31に形成される場合もあ
る。
【0005】上記の如きカラーPDPにおいては様々な
改良がなされているが、中でも良好なコントラストを得
る手段として、発光する以外の場所(セル障壁の上面)
をブラックマトリクス等の低反射材料で埋めたり、赤
色,青色,緑色のそれぞれについて発光スペクトルの単
一波長を透過させるフィルターを設けたりすることが従
来より考えられている。さらには、前面ガラスやフィル
ターにND(Neutral Density)フィル
ター特性を持たせたり、前面ガラスにNd2 3を入れ
て発光体の主要スペクトル以外のところの吸収特性を持
たせたりする手法を併用することにより、各々単独の場
合よりもよりコントラストを良好にすることも提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発光す
る以外の場所を低反射材料で埋める方法では、開口率を
高くするほど輝度の高いパネルが期待できるが、結局視
界に入るのは可視光の発光部位となる蛍光面であり、そ
の蛍光体は一般的に白色を呈しているのでコントラスト
を低下させてしまう。また、フィルターを設ける方法で
は、パネルを製造するための工程が増えるという問題点
がある。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、従来の製造
工程を変更することなく、高いコントラストを得ること
のできるPDPを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、前面板と背面板とが互いに平行にかつ対
向するように配設され、この両者の間に設けられたセル
障壁により表示要素としての複数のセルが形成され、各
セル内の所定箇所に蛍光層が設けられたPDPにおい
て、前記各蛍光層を着色したことを特徴としている。そ
して、前記各蛍光層をそれぞれの発光波長を吸収しない
色に着色することが好ましいものである。
【0009】蛍光層を着色するには、蛍光層の目視され
る側のみに着色層を設けるようにしてもよいが、従来の
製造工程を殆ど変更しないで済ませるには、着色剤によ
り着色した蛍光体粒子を用いて蛍光層を形成するか、蛍
光体粒子に着色粉体を混合したものを用いて蛍光層を形
成するとよい。
【0010】上記の蛍光層を形成する蛍光体としては、
発光色が赤色としてY2 3 :Eu、Y2 SiO5 :E
u、Y3 Al5 12:Eu、Zn3 (PO4 2 :M
n、YBO3 :Eu、(Y,Gd)BO3 :Eu、Gd
BO3 :Eu、ScBO3 :Eu、LuBO3 :Eu等
があり、青色としてY2 SiO5 :Ce、CaWO4
Pb、BaMgAl1423:Eu等があり、緑色として
Zn2 SiO4 :Mn、BaAl1219:Mn、SrA
1319:Mn、CaAl1219:Mn、YBO3 :T
b、BaMgAl1423:Mn、LuBO3 :Tb、G
dBO3 :Tb、ScBO3 :Tb、Sr6 Si3 3
Cl4 :Eu等がある。
【0011】上記の着色剤や着色粉体としては、製造工
程やパネルとしての稼働時に十分耐える耐熱性(通常4
50〜600℃程度)を有する顔料であればいずれも使
用できる。また、薄い膜厚で波長選択性が確保できる色
ガラス(いわゆる着せガラス法に用いられる材料なども
含めた)も使用できる。ただし、PDP内の減圧環境に
おいて脱ガスを生じたり、蛍光体の発光効率や発光色に
著しい悪影響を及ぼす材料の使用は好ましくない。ま
た、蛍光層の形成位置やパネルの構造にも関係するが、
導電性を生じたり不都合な放電現象を生じるような材料
選択は避ける必要がある。
【0012】耐熱性を有する顔料は非常に種類が多い
が、代表的なものとして、鉄系(赤色)、アルミン酸マ
ンガン系(桃色)、金系(桃色)、アンチモン−チタン
─クロム系(橙色)、鉄−クロム−亜鉛系(褐色)、鉄
系(褐色)、チタン−クロム系(黄褐色)、鉄−クロム
−亜鉛系(黄褐色)、鉄−アンチモン系(黄褐色)、ア
ンチモン−チタン−クロム系(黄色)、亜鉛−バナジウ
ム系(黄色)、ジルコニウム−バナジウム系(黄色)、
クロム系(緑色)、バナジウム−クロム系(緑色)、コ
バルト系(青色)、アルミン酸コバルト系(青色)、バ
ナジウム−ジルコニウム系(青色)、コバルト−クロム
−鉄系(黒)等が一般的に知られている。これらを混合
して色調を合わせることも可能であり、場合によっては
ガラスフリットやレジネートを混ぜるようにするとよ
い。
【0013】色ガラスはフリットと着色剤からなるが、
着色機構からしても非常に種類が多く、同じ原料でも条
件によって色が変わる。フリットは珪酸(SiO2 )、
酸化鉛(PbO)、酸化カリウム(K2 5 )、硼酸
(B2 3 )、フッ化アルミ(AlF3 )、酸化砒素
(As2 3 )等を含むカリ鉛ガラスを主成分とするも
ので、具体的な原料としては、珪石、鉛丹、黄色酸化
鉛、鉛白、カリ硝石、硼酸、硼砂、重炭酸ソーダ、フッ
化物などが使用される。これに着色剤として亜砒酸(白
色)、酸化錫(白色)、酸化胴(緑色)、酸化コバルト
(青色)、重クロム酸カリ(黄色)、酸化アンチモン
(黄色)、酸化鉄(茶色)、二酸化マンガン(紫色)、
酸化ニッケル(紫色)、塩化金(赤色)、ウラン酸ソー
ダ(橙色)、セレン赤(朱赤色)等を組み合わせて混合
する。これらを混合して加熱溶融しガラス化をしたもの
を冷却粉砕して用いる。
【0014】使用する着色剤や着色粉体は、蛍光体の発
光色を吸収しにくいものを選択するのが望ましく、さら
には蛍光体の励起波長を吸収しにくいことが望まれる。
また着色剤や着色粉体の量は、発光効率とコントラスト
の向上のバランスを充分考慮して決める必要がある。す
なわち、多すぎると輝度の低下が著しくなり、少な過ぎ
れば充分なコントラストの向上が望めないからである。
また、着色剤や着色粉体として、焼成後に無機の着色化
合物を形成するような有機金属化合物や無機混合物も使
用できる。
【0015】蛍光体粒子に着色粉体を混合する際には、
蛍光体粒子の粒径より1桁小さい粒径の着色粉体を用い
ることが望ましい。そして、スラリー化やペースト化す
る際に蛍光体と分離して均質な膜を形成することが困難
な場合には、蛍光体表面に顔料を付着させる接着剤が必
要となるが、この接着剤としてはベーキング工程で分解
除去される有機物を使用するか、無機物の場合には残留
物が蛍光体の発光や脱ガスに及ぼす影響を考慮する必要
がある。
【0016】蛍光層は従来より行われている一般的な方
法で形成すればよい。具体的には、ペースト化した蛍
光体を用いたスクリーン印刷法、蛍光体を感光性のス
ラリーに分散したものを用いたフォトプロセス法、感
光液が未乾燥のうちに蛍光体を粉体のまま付着せしめ、
その後に露光してパターンニングするダスティング法、
紫外線の照射により粘着性を発現する材料を用いてパ
ターンニングした部分にのみ粉体のままの蛍光体を選択
的に付着する光粘着法、セル内に蛍光体ペーストを充
填した後、サンドブラストにより不要部分を除去してリ
ブ側面に蛍光層を残すサンドブラスト法、などいずれの
方法によっても形成可能である。
【0017】
【作用】上記構成からなる本発明のPDPは、各セル内
の所定箇所に設けた蛍光層を着色したことにより、蛍光
層自体の反射率が低くなりコントラストが高くなる。こ
こで、蛍光層を着色する色について言えば、必ずしもそ
れぞれの発光色に対応させる必要はなく、例えば発光色
が赤色の蛍光体に対する着色の色は目視的に橙色や紫色
であっても構わない。より輝度に影響を与えないため
に、蛍光体の発光波長を吸収しないことが好ましいとい
うだけのことである。例えば、全セル内の蛍光層を黄色
に着色したとすると、少ないながらもコントラストの改
善効果が見られ、発光色の障害にはならない。最もコン
トラストを向上させたい時に、発光波長のみで考えれ
ば、それぞれの蛍光体について発光波長のみを吸収しな
い着色が良いというだけである。
【0018】
【実施例】以下、本発明に係るPDPの実施例をその製
造工程により説明する。
【0019】図5の工程図は、透過型蛍光面を有するD
C型カラーPDPにおける前面板に電極とその両側に隣
接して蛍光層を形成する場合を示している。
【0020】まず、(a)に示すように、前面板となる
ガラス基板41上に陽極となる電極42を形成する。具
体的には、Niペースト(DuPont社製、品番95
36D)を用いてスクリーン印刷により幅150μm、
膜厚20μm、ピッチ500μmで厚膜印刷し、オーブ
ンにてピーク温度170℃で60分間乾燥させた後、焼
成炉にてピーク温度580℃で30分間焼成を行って電
極42をガラス基板41に固着させた。
【0021】次に、ガラス基板41を洗浄した後、
(b)に示す如く、電極42を覆うようにして下記組成
からなる緑用蛍光体スラリー43をブレードコーターに
て塗布し常温にて乾燥させてから、(c)に示すように
マスク44を介して350nm付近に最大波長を持つ紫
外線45を35.0mJ/cm2 で照射して露光した。
この時、電極42上に蛍光層が形成されないように背面
から露光した。なお、蛍光体スラリーは、希望する蛍光
体層の膜厚に応じて適宜その組成を変更したものを使用
すればよい。
【0022】〔緑用蛍光体スラリーの組成〕 緑の発光色を持つ蛍光体(Zn2 SiO4 :Mn)の
粒子にバナジウム−クロム系顔料(緑色)を1wt%の
割合で予め良く混合したもの:26.0wt% ポリビニルアルコール(クラレ社製、224):1.
3wt% 純水:69.6wt% エタノール:2.9wt% p−ジアゾフェニルアミンのホルムアルデヒド縮合物
(シンコー技研社製、D−014):0.2wt%
【0023】露光後、水を用いたスプレー現像で未露光
部分を除去し、160℃にて乾燥させて硬膜化すること
で(e)に示すように緑の蛍光体スラリー層46をパタ
ーン形成した。
【0024】次いで、上記組成のうちのを、青の発光
色を持つ蛍光体(BaMgAl1423:Eu)の粒子に
酸化コバルト系顔料(青色)を1wt%の割合で予め良
く混合したものに置き換えた青用蛍光体スラリーを使用
し、同様な方法により青の蛍光体スラリー層を形成し
た。
【0025】続いて、上記組成のうちのを、赤の蛍光
色を持つ蛍光体((Y,Gd)BO3 :Eu)の粒子に
酸化鉄系顔料(赤色)を1wt%の割合で予め良く混合
したものに置き換えた赤用蛍光体スラリーを使用し、上
記の露光条件のうち露光量を31.5mJ/cm2
し、同様な方法で赤の蛍光体スラリー層を形成した。
【0026】このようにしてガラス基板41上に3色の
蛍光層を形成した後、当該ガラス基板41を約440度
で30分間焼成することにより蛍光体スラリー層中の樹
脂分(ポリビニルアルコール)及び硬化剤(p−ジアゾ
フェニルアミンのホルムアルデヒド縮合物)を焼失せし
め、(e)に示すように、ガラス基板41上の電極42
を除く部分に所望パターンで赤,緑,青に塗り分けられ
た蛍光層47が得られた。
【0027】上記蛍光層が形成された前面板と、別途陰
極とマトリクス状のセル障壁を形成した背面板とを組み
合わせることにより、赤,緑,青の3原色が視認される
マトリクス状のDC型カラーPDPを作製した。このよ
うにして作製されたPDPは、前面板の背面側に蛍光層
が形成されており、この蛍光層がプラズマ放電による紫
外線によって励起されて発光し、観察者は前面板の透過
光を視認するものになっており、輝度効率が高く、さら
に蛍光体層の反射光が大幅に削減されコントラストも向
上した。
【0028】図6の工程図は、反射型蛍光面を有するD
C型カラーPDPにおけるマトリクス状のセル障壁の壁
面に蛍光層を形成する場合を示している。
【0029】まず、(a)に示すように、背面板となる
ガラス基板51上に陽極52とそれを覆って絶縁層53
を形成し、絶縁層53の所定位置に開口を設けてそこに
陽極52と繋がる電極パッド52aを設け、さらにセル
障壁54を形成する。具体的には、Niペースト(Du
Pont社製、品番9535)を用いてスクリーン印刷
により幅150μm、膜厚20μm、ピッチ500μm
で厚膜印刷し、乾燥及び焼成工程を経て陽極52を形成
した後、その上にペースト(ノリタケカンパニーリミテ
ッド製、NP−7949B)を塗布して乾燥させること
で絶縁層53を形成する。そして、サンドブラスト加工
によりこの絶縁層53に開口を設け、そこにNiペース
ト(ESL日本製、ESL−2556)を充填して電極
パッド52aを形成する。次いで、ペースト(ノリタケ
カンパニーリミテッド製、NP−7947)を用いてス
クリーン印刷の重ね刷りによりマトリクス状のセル障壁
54を形成する。
【0030】続いて、(b)に示すように、下記組成の
ものを3本ロールで混練した緑色の着色蛍光体ペースト
55をスクリーン印刷によりセル内に充填する。
【0031】〔緑色の着色蛍光体ペーストの組成〕 緑色の着色蛍光体:60.1wt% エチルセルロース(ハーキュレス、N−200):
2.4wt% BCA:37.5wt%
【0032】緑色の着色蛍光体ペースト55の充填後、
クリーンオーブンにて170℃で乾燥させる。この乾燥
工程時、蛍光体ペースト55中の有機溶媒が気化するこ
とにより、(c)に示すように着色蛍光体とバインダー
の混合物からなる蛍光層56が窪んだ形状で残留する。
【0033】この充填工程及び乾燥工程を下記組成から
なる青色の着色蛍光体ペースト、赤色の着色蛍光体ペー
ストについて繰り返し行い、(d)に示すように着色さ
れた3色の蛍光層56がパターン状に分離充填されたも
のを形成した。
【0034】〔青色の着色蛍光体ペーストの組成〕 青色の着色蛍光体:55.8wt% エチルセルロース(ハーキュレス、N−200):
2.2wt% BCA:42.0wt%
【0035】〔赤色の着色蛍光体ペーストの組成〕 赤色の着色蛍光体:60.9wt% エチルセルロース(ハーキュレス、N−200):
2.3wt% BCA:36.8wt%
【0036】次いで、サンドブラスト加工を施して
(e)に示すように蛍光層56の不要部分を除去するこ
とにより電極パッド52aの頭出しを行った後、最後に
ピーク温度450℃、保持時間30分の条件で蛍光層5
6の焼成を行い、着色蛍光体ペーストの有機分を焼失さ
せた。これにより赤,緑,青の各着色蛍光体がそれぞれ
所定のセル内にパターニングされた背面板を得ることが
できた。なお、各色の着色蛍光体ペーストにおける蛍光
体の含有量を変えることにより蛍光層56の膜厚を変え
ることができる。
【0037】上記蛍光層が形成された背面板と、別途陽
極を形成した前面板とを組み合わせることにより、赤,
緑,青の3原色が視認されるマトリクス状のDC型カラ
ーPDPを作製した。このようにして作製されたPDP
は、セル障壁の壁面とセルの底面に反射型蛍光面となる
蛍光層が形成されており、この蛍光層がプラズマ放電に
よる紫外線によって励起されて発光し、観察者は蛍光層
で反射して前面板を透過する光を視認するものになって
おり、輝度効率が高く、さらに蛍光体層の反射光が大幅
に削減されコントラストも向上した。
【0038】図7の工程図は、反射型蛍光面を有する面
放電型のAC型カラーPDPにおけるライン状のセル障
壁の壁面に蛍光層を形成する場合を示している。
【0039】まず、(a)に示すように、背面板となる
ガラス基板61上にアドレス電極62とそれを覆って誘
電体層63を形成し、さらにセル障壁64を形成する。
具体的には、Agペースト(DuPont社製、品番7
713I)を用いてスクリーン印刷により幅100μ
m、膜厚10μm、ピッチ220μmで厚膜印刷し、オ
ーブンにてピーク温度170℃で30分間乾燥させた
後、焼成炉にてピーク温度580℃で30分間焼成を行
ってアドレス電極62をガラス基板61に固着させた。
その上にガラスペーストを用いてスクリーン印刷により
ベタ印刷し、オーブンにてピーク温度170℃で1時間
乾燥させた後、焼成炉にてピーク温度580℃で30分
間焼成を行って誘電体層63を形成した。そして、誘電
体層63を覆うように障壁用のガラスペーストを塗布
し、その上に耐サンドブラスト用マスクを形成した後、
サンドブラスト処理を施して幅50μm、高さ140μ
m、ピッチ220μmのライン状にガラスペーストを残
し、ピーク温度580℃で30分間焼成を行ってライン
状のセル障壁64を形成した。
【0040】続いて、セル障壁64上にドライフィルム
レジストをラミネートした後、ピッチ380μm、幅1
70μmの赤用ラインパターンマスクを介して紫外線に
よりパターン露光を行い、現像工程を経て、(b)に示
すようにセル障壁64上にドライフィルムレジスト65
により赤用のパターンを形成した。次いで、(c)に示
すように、このパターンを介してセル内に下記組成から
なる赤色の着色蛍光体ペースト66をゴムスキージを用
いて充填した。
【0041】〔赤色の着色蛍光体ペーストの組成〕 赤色の着色蛍光体:35.0wt% エチルセルロース(ハーキュレス、N−50):7.
1wt% BCA:57.9wt%
【0042】次いで、乾燥工程により着色蛍光体ペース
ト中の有機溶媒を気化させて体積を減少させた後、
(d)に示すようにドライフィルムレジスト65を剥離
した。そして、青と緑についてもドライフィルムレジス
トによるパターンの形成工程、着色蛍光体ペーストの充
填工程、乾燥工程、ドライフィルムレジストの剥離工程
の各工程を繰り返し、(e)に示すように、セル障壁6
4の壁面とセルの底面に各色の着色蛍光体ペースト66
を残した。青色の着色蛍光体ペースト、緑色の着色蛍光
体ペーストとして下記組成のものを使用した。
【0043】〔青色の着色蛍光体ペーストの組成〕 青色の着色蛍光体:27.0wt% エチルセルロース(ハーキュレス、N−50):7.
8wt% BCA:65.2wt%
【0044】〔緑色の着色蛍光体ペーストの組成〕 緑色の着色蛍光体:35.0wt% エチルセルロース(ハーキュレス、N−50):6.
8wt% BCA:58.2wt%
【0045】最後に、450℃で30分間の焼成工程に
より着色蛍光体ペーストの有機分を焼失させた。これに
より赤,緑,青の各着色蛍光層がそれぞれ所定のセル内
にパターニングされた背面板を得ることができた。な
お、各色の着色蛍光体ペーストにおける蛍光体の含有量
を変えることにより、形成される蛍光層の膜厚を変える
ことができる。
【0046】上記蛍光層が形成された背面板と、別途形
成した前面板とを組み合わせることにより、赤,緑,青
の3原色が視認される面放電型のAC型カラーPDPを
作製した。このようにして作製されたAC型カラーPD
Pは、セル障壁の壁面とセルの底面に反射型蛍光面とな
る蛍光層が形成されており、この蛍光層がプラズマ放電
による紫外線によって励起されて発光し、観察者は蛍光
層で反射して前面板を透過する光を視認するものになっ
ており、輝度効率が高く、さらに蛍光層の反射光が大幅
に削減されコントラストも向上した。なお、このライン
状セル障壁をもつ面放電型のAC型カラーPDPは、パ
ネル化工程においてアライメントフリーであるが、仮に
従来の技術で述べたようなフィルターを入れることを想
定すると前面板ライン方向アライメント精度が重要にな
ってしまう。しかし、本発明のように蛍光層自体を着色
すれば、パネル化工程でアライメントフリーの利点を活
かすことができる。
【0047】上記の実施例で説明したように、本発明の
PDPの製造工程自体は従来方法と同様であり、したが
って使用する蛍光体スラリーや蛍光体ペーストを除け
ば、基板材料、電極形成方法、塗布方法、現像方法、焼
成方法はいずれも従来技術と同様でよいものである。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のPDP
は、各セルにおける蛍光層を着色した構成にしたので、
蛍光層自体の反射率が低くなり、コントラストの高いも
のとなる。また、使用する蛍光体スラリーや蛍光体ペー
ストを変えるだけで従来からの製造工程を変更すること
なく作製することができる。
【0049】また、本発明は、従来より行われている他
のコントラスト向上手段(セル障壁の上面を低反射材
料で埋める、発光スペクトルの単一波長を透過させる
フィルターを設ける、前面ガラスやフィルターにND
特性を設ける、前面ガラスに発光体の主要スペクトル
以外のところの吸収特性を持たせる、等)と組み合わせ
て利用することを除外するものではなく、これらとの組
み合わせによりさらにコントラストを向上させることも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のDC型プラズマディスプレイパネルの一
例を示す一部断面図である。
【図2】従来のAC型プラズマディスプレイパネルの一
例を示す一部断面図である。
【図3】セル障壁がマトリクス状をした従来のDC型プ
ラズマディスプレイパネルをその前面板と背面板を離間
した状態で示す一部破断斜視図である。
【図4】セル障壁がライン状をした従来のDC型プラズ
マディスプレイパネルをその前面板と背面板を離間した
状態で示す一部破断斜視図である。
【図5】本発明を適用した透過型蛍光面を有するDC型
プラズマディスプレイパネルの前面板の形成手順を示す
工程図である。
【図6】本発明を適用した反射型蛍光面を有するDC型
プラズマディスプレイパネルの背面板の形成手順を示す
工程図である。
【図7】本発明を適用した反射型蛍光面を有する面放電
型のAC型プラズマディスプレイパネルにおける背面板
の形成手順を示す工程図である。
【符号の説明】
41 ガラス基板 42 電極 43 蛍光体スラリー 44 マスク 45 紫外線 46 蛍光体スラリー層 47 蛍光層 51 ガラス基板 52 陽極 52a 電極パッド 53 絶縁層 54 セル障壁 55 着色蛍光体ペースト 56 蛍光層 61 ガラス基板 62 アドレス電極 63 誘電体層 64 セル障壁 65 ドライフィルムレジスト 66 着色蛍光体ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 17/04 H01J 17/04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面板と背面板とが互いに平行にかつ対
    向するように配設され、この両者の間に設けられたセル
    障壁により表示要素としての複数のセルが形成され、各
    セル内の所定箇所に蛍光層が設けられたプラズマディス
    プレイパネルにおいて、前記各蛍光層を着色したことを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 前記各蛍光層をそれぞれの発光波長を吸
    収しない色に着色したことを特徴とする請求項1記載の
    プラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 着色剤により着色した蛍光体粒子を用い
    て前記各蛍光層を形成したことを特徴とする請求項1又
    は2記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 蛍光体粒子に着色粉体を混合したものを
    用いて前記各蛍光層を形成したことを特徴とする請求項
    1又は2記載のプラズマディスプレイパネル。
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