JPH08282413A - 自動車のニーボルスター取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ニーボルスターパネル作動時にニ
ーボルスターパネルがステアリングコラムカバーに干渉
することを防止し得る自動車のニーボルスター取付構造
を提供することにある。 【構成】 本発明は、インストルメントパネルの内側に
ステアリングコラム２を支持するステアリングサポート
メンバ３を設け、このステアリングサポートメンバ３に
ニーボルスターパネル１０を支持させた自動車のニーボ
ルスター取付構造において、上記ステアリングコラム２
下部側に配置されたニーボルスターパネル１０の上端部
１３が上記ステアリングコラム２のステアリングコラム
カバー６に沿うようにニーボルスターパネル１０を上端
部１３手前で屈曲させて形成することにより、ステアリ
ングコラムカバー６とニーボルスターパネル１０の干渉
をやわらげることにある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ニーボルスターパネル
作動時にニーボルスターパネルがステアリングコラムカ
バーに干渉することを防止し得る自動車のニーボルスタ
ー取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車等では、ステアリングホイールに
加わる二次的な衝撃をステアリングコラムの収縮によっ
て吸収するようにしたものがある。一方、衝撃吸収を目
的として、自動車の前部座席に着座した乗員の脚部に対
応してニーボルスターを設けるようにしたものがある。

【０００３】図４は、ニーボルスター１００を装着した
自動車の運転席を示したもので、運転席の前部に設けら
れるインストルメントパネル１０１の内側には、ステア
リングコラム１０２を支持するステアリングサポートメ
ンバ１０３が車幅方向に設けられている。

【０００４】ニーボルスター１００は、ニーボルスター
パネル１０４と、このニーボルスターパネル１０４の裏
面に一定間隔で互いに対向して装着された左右一対の支
持枠１０５とで構成されており、この支持枠１０５をス
テアリングサポートメンバ１０３に、通常、溶接等によ
って装着することで取り付けられている。

【０００５】ところで、一般に、自動車では、乗員の体
格あるいは運転姿勢に合わせてステアリングホイール１
０６の上下位置を調整できるようにしたチルト式のステ
アリング装置が知られている。

【０００６】このようなチルト式のステアリング装置を
採用した自動車において、ニーボルスター１００を装備
した場合、ステアリングホイール１０６の位置を下げる
ことによって、ステアリングコラム１０２全体が下が
り、ニーボルスターパネル１０４はステアリングコラム
１０２の直下に配設されることになる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】そこで、このような状
況下で、ニーボルスター１００に衝撃が加わると、ニー
ボルスターパネル１０４と支持枠１０５には、図５に示
すように、車体前方に向けて力が作用し、支持枠１０５
の変形によって衝撃を吸収する。ところが、支持枠１０
５の変形によってニーボルスターパネル１０４が前方に
移動すると、ニーボルスターパネル１０４の上端角部が
ステアリングコラム１０２の下面に係合し、ステアリン
グコラム１０２に対して、上向きの力が作用する。この
ため、ステアリングホイール１０６に加わる衝撃をステ
アリングコラム１０２の収縮によって吸収する際に、ス
テアリングコラム１０２の移動を妨げる虞がある。

【０００８】本発明は上記課題を解決し、ニーボルスタ
ーパネル作動時にニーボルスターパネルがステアリング
コラムカバーに干渉することを防止し得る自動車のニー
ボルスター取付構造を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、インストルメントパネルの内側にステアリ
ングコラムを支持するステアリングサポートメンバを設
け、このステアリングサポートメンバにニーボルスター
パネルを支持させた自動車のニーボルスター取付構造に
おいて、上記ステアリングコラム下部側に配置されたニ
ーボルスターパネルの上端部が上記ステアリングコラム
のステアリングコラムカバーに沿うようにニーボルスタ
ーパネルを上端部手前で屈曲させて形成したことにあ
る。

【００１０】

【作用】ニーボルスターパネルの上端部が上記ステアリ
ングコラムのステアリングコラムカバーに沿うように上
端部手前を屈曲させて形成したので、ニーボルスターパ
ネルの上端部がステアリングコラムカバーに接触した場
合でもステアリングコラムはニーボルスターパネルに対
して摺動しながら移動できるので、ステアリングコラム
の動きを規制することが少ない。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。

【００１２】図１ないし図３において、運転席の前部に
設けられるインストルメントパネル１の内側には、ステ
アリングコラム２を支持するステアリングサポートメン
バ３が車幅方向に設けられている。

【００１３】ステアリングコラム２は、ステアリングコ
ラムアッパーカバー４とステアリングコラムロアカバー
５からなるステアリングコラムカバー６内に、ステアリ
ングシャフト７が内蔵されたもので、ステアリングシャ
フト７の先端にステアリングホイール８が装着されてい
る。ステアリングコラム２は、ステアリングシャフト７
の基端部を中心として揺動可能に装着された、いわゆる
チルト機構を備えるとともに、衝撃吸収を助けるために
軸方向に収縮可能なステアリング構造を採用している。

【００１４】９は座席側に向けて上記ステアリングサポ
ートメンバ３に螺着されたニーボルスターであり、この
ニーボルスター９は、ニーボルスターパネル１０と、こ
のニーボルスターパネル１０の裏面左右両側に設けられ
た一対の支持枠１１とで構成されている。上記ニーボル
スターパネル１０は、薄板状のプレート１２を側面視運
転席側に凹状の略円弧状に湾曲させて形成し、かつその
上端部１３がステアリングコラムカバー６の下面に沿う
ように上端部１３手前を屈曲させて形成している。この
ニーボルスターパネル１０には、平面視円弧状で、側面
視半円状に突出したリブ１４が板面横方向にステアリン
グサポートメンバ３に向けて形成されている。このニー
ボルスターパネル１０の左右両端部にはそれぞれ上下一
対のボルト孔１５が形成されている。

【００１５】一方、上記支持枠１１は扇形に形成したプ
レート１６の上下縁部を折曲げてフランジ部１７を形成
し、基端部１８をステアリングサポートメンバ３に溶接
等により装着され、先端部１９を内側に折曲げて、上記
ニーボルスターパネル１０を支持するフランジ部２０を
形成している。このフランジ部２０には上下にボルト孔
２１が形成されており、このボルト孔２１とボルト孔１
５を一致させて、ボルト２２およびナット２３を介し
て、上記ニーボルスターパネル１０をボルト締めしてい
る。

【００１６】上記ニーボルスターパネル１０は、その上
端部１３がステアリングコラムカバー６の下面に対して
略平行状態で沿うように上端部１３手前を屈曲させて形
成されている。これによって、ニーボルスターパネル１
０の上端部１３はステアリングコラム２の位置に関係な
くステアリングコラムカバー６の下面に沿って配置され
る。

【００１７】次に、上記構成による自動車のニーボルス
ター取付構造の作用を説明する。上記ニーボルスターパ
ネル１０に力が作用して、支持枠１１が変形し、ニーボ
ルスターパネル１０がステアリングサポートメンバ３側
に変位した場合、ニーボルスターパネル１０の上端部１
３はステアリングコラムカバー６の下面に沿うように屈
曲させて形成されているので、僅かの変位ではステアリ
ングコラムカバー６の下面に沿うようにニーボルスター
パネル１０の上端部１３も移動するので、ステアリング
コラムカバー６の下面に接触しにくい。そして、さら
に、支持枠１１が変形すると、ニーボルスターパネル１
０の上端部１３がステアリングコラムカバー６の下面に
接触する。

【００１８】そして、このとき、ステアリングコラム２
が二次的な衝撃によって収縮する場合、ステアリングコ
ラムカバー６の下面にニーボルスターパネル１０の上端
部１３が干渉しても、ニーボルスターパネル１０の上端
部１３はステアリングコラムカバー６の下面に沿うよう
に屈曲させて形成されているので、ステアリングコラム
２に対する干渉をやわらげることができることから、ス
テアリングコラム２の衝撃吸収をスムーズに行うことが
できる。

【００１９】上記実施例によると、ニーボルスターパネ
ル１０の上端部１３はステアリングコラムカバー６の下
面に沿うように屈曲させて形成されているので、ステア
リングコラムカバー６とニーボルスターパネル１０の干
渉をやわらげることができるので、ステアリングコラム
２の衝撃吸収をスムーズに行うことができる。

【００２０】ニーボルスターパネル１０は、薄板状のプ
レート１２を側面視運転席側に凹状の略円弧状に湾曲さ
せて形成し、かつその上端部１３をステアリングコラム
カバー６の下面に沿うように屈曲させて形成しているの
で、ステアリングコラムカバー６との干渉をやわらげる
ことができる。このニーボルスターパネル１０には、平
面視円弧状で、側面視半円状に突出したリブ１４が板面
横方向にステアリングサポートメンバ３に向けて形成さ
れているので、充分な強度を得ることができる。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように、本発明による自動車
のニーボルスター取付構造によれば次のような効果を奏
することができる。請求項１において、インストルメン
トパネルの内側にステアリングコラムを支持するステア
リングサポートメンバを設け、このステアリングサポー
トメンバにニーボルスターパネルを支持させた自動車の
ニーボルスター取付構造において、上記ステアリングコ
ラム下部側に配置されたニーボルスターパネルの上端部
が上記ステアリングコラムのステアリングコラムカバー
に沿うようにニーボルスターパネルを上端部手前で屈曲
させて形成したので、ステアリングコラムカバーとニー
ボルスターパネルの干渉をやわらげることができるの
で、ステアリングコラムによる衝撃吸収をスムーズに行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動車のニーボルスター取付構造
の一実施例を示す概念断面図である。

【図２】本発明による自動車のニーボルスター取付構造
の一実施例を示す斜視図である。

【図３】本発明による自動車のニーボルスター取付構造
の一実施例を示す平面図である。

【図４】従来の自動車のニーボルスター取付構造の一実
施例を示す概念断面図である。

【図５】従来の自動車のニーボルスター取付構造の動作
を示す平面図である。

【符号の説明】

１ インストルメントパネル ２ ステアリングコラム ３ ステアリングサポートメンバ ４ ステアリングコラムアッパーカバー ５ ステアリングコラムロアカバー ６ ステアリングコラムカバー ７ ステアリングシャフト ８ ステアリングホイール ９ ニーボルスター １０ ニーボルスターパネル １１ 支持枠 １２ プレート １３ 上端部 １４ リブ １５ ボルト孔 １６ プレート １７ フランジ部 １８ 基端部 １９ 先端部 ２０ フランジ部 ２１ ボルト孔 ２２ ボルト ２３ ナット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インストルメントパネルの内側にステア
   リングコラムを支持するステアリングサポートメンバを
   設け、このステアリングサポートメンバにニーボルスタ
   ーパネルを支持させた自動車のニーボルスター取付構造
   において、上記ステアリングコラム下部側に配置された
   ニーボルスターパネルの上端部が上記ステアリングコラ
   ムのステアリングコラムカバーに沿うようにニーボルス
   ターパネルを上端部手前で屈曲させて形成したことを特
   徴とする自動車のニーボルスター取付構造。