JPH08282222A - タイヤ内圧低下検出装置 - Google Patents

タイヤ内圧低下検出装置

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JPH08282222A
JPH08282222A JP9095195A JP9095195A JPH08282222A JP H08282222 A JPH08282222 A JP H08282222A JP 9095195 A JP9095195 A JP 9095195A JP 9095195 A JP9095195 A JP 9095195A JP H08282222 A JPH08282222 A JP H08282222A
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JP
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wheel
internal pressure
angular velocity
wheels
ratio
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JP9095195A
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Tadatsugu Tamamasa
忠嗣 玉正
Mitsuhiro Makita
光弘 牧田
Shuji Torii
修司 鳥居
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複雑な補正や検出を行うことなく、車両の直進
又は近似直進定常走行状態においてのみ正確なタイヤ内
圧の低下している車輪を検出する。 【構成】車輪の回転角速度と等価な車輪速検出値Vwi
(i=FL〜RR) のうち、前二輪速左右比PF と後二輪速左
右比PR とを直交座標化し、推定可能な直進又は近似直
進走行状態での所定サンプリング数の平均値からなる前
後輪速左右比座標点を基準点CB とし、この基準点CB
を通り前輪速左右比PF が増加すると後輪速左右比PR
が微増する直線L1B及び後輪速左右比PR が増加すると
前輪速左右比PF が微増する直線L2Bに夫々微小幅dB
を与えた判定領域Bを設定し、この判定領域Bに前記前
後輪速左右比座標(PF ,PR )が包含されていると
き、車両が直進又は近似直進走行していると見なし、例
えば左右輪速比前後差D1 や対角輪速比差D3 の大きさ
からタイヤ内圧の低下している車輪を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の走行中に、各車
輪のタイヤの空気圧(以下、内圧とも記す)が低下して
いることを検出するタイヤ内圧低下検出装置に関し、特
に各車輪の回転角速度から各車輪のタイヤの内圧を比較
判定することでタイヤの内圧が低下している車輪まで特
定することのできるタイヤ内圧低下検出装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】車両の走行中に各車輪のタイヤの内圧低
下を検出するものとしては、タイヤの転がり動半径がタ
イヤ内圧に比例することを利用して、各車輪のタイヤの
転がり動半径を比較することにより、内圧の低下を検出
するものがある。即ち、その原理を簡潔に述べると、タ
イヤ内圧の低下に伴ってタイヤの転がり動半径が小さく
なると、或る所定の走行状態における当該タイヤ内圧低
下車輪の回転角速度は、正規内圧車輪の回転角速度より
も大きくなるから、例えば既存のアンチスキッド制御装
置の車輪速検出手段として講じられた車輪速センサ等に
よって各車輪の回転角速度(一般に認識される車輪速と
等価である)を検出し、これらを互いに比較して前記タ
イヤ内圧が低下している車輪を特定するというものであ
る。
【0003】しかしながら、前記車輪速センサ等で検出
される車輪回転角速度は、車両の旋回走行時,加速時,
減速時などの走行状態において、通常想定されるタイヤ
内圧低下に伴う車輪回転角速度変化よりも大きな変化が
発生し、実際にタイヤ内圧が低下している車輪を誤検出
してしまう虞れがある。そこで、これらの走行状態での
タイヤ内圧の変化を、各々の走行状態で予測し或いは車
両実験結果等から導出し、夫々の走行状態に応じたタイ
ヤ内圧変化に基づいて、各車輪の回転角速度或いは演算
結果によるタイヤ内圧を補正する手段として、例えば特
開平6−8714号公報に記載されるタイヤ内圧低下検
出装置が提案されている。このタイヤ内圧低下検出装置
によれば、想定し得る種々の走行状態で各車輪のタイヤ
内圧低下を検出することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のタイヤ内圧低下検出装置では、想定し得る種々の走
行状態で各車輪のタイヤ内圧低下を検出可能とするため
に、例えば前記公報に記載される演算処理のような多く
の補正を必要とし、そのために演算処理が複雑となって
しまうため、当該演算処理による補正のタイミングと車
輪角速度のサンプリングタイミングとのずれ等により誤
差が発生して、タイヤ内圧低下の誤判断の原因となる可
能性がある。また、演算負荷の増大から計算時間が増大
し、実質的に例えば前述したようなアンチスキッド制御
装置のコントローラとの演算処理装置の共用ができなく
なり、そのためにタイヤ内圧低下検出用の演算処理装置
を独立して設ける必要が発生して、コストが増大すると
いう問題もある。
【0005】こうした問題を回避するためには、車両が
前述のようなタイヤ内圧低下に伴う車輪角速度変化より
も大きな車輪角速度変化を発生する走行状態でないこと
を検出し、そのときに限って各車輪のタイヤ内圧低下検
出を行うことが考えられる。具体的で且つ理想的な走行
状態は、直進又はほぼ直進している走行(以下、近似直
進走行とも記す)状態であり且つ意図的な加減速が行わ
れていない又は車両にそうした加減速が発生していない
定常走行状態であることが挙げられる。しかしながら、
少なくとも現時点で、この直進又は近似直進定常走行を
検出するためには、例えば旋回走行でないことを検出す
るための横加速度センサや操舵角センサ、或いは加速中
でないことを検出するためのアクセル開度センサ等の多
数の検出手段を必要とし、その分だけ構成が複雑とな
り、コストも増大してしまう可能性がある。
【0006】本発明は、これらの諸問題に鑑みて開発さ
れたものであり、演算負荷を軽減し、構成を簡素化して
コストを低廉化することのできるタイヤ内圧低下検出装
置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に係るタイヤ内圧低下検出装
置は、図1の基本構成図に示すように、車両の各車輪の
回転角速度を検出する車輪角速度検出手段と、前記車輪
角速度検出手段で検出された車輪回転角速度検出値に基
づいて各車輪のタイヤの内圧低下を直進又は近似直進定
常走行時に検出するタイヤ内圧低下検出手段と、各車輪
の輪荷重の変動を検出する輪荷重変動検出手段と、各車
輪のタイヤの内圧低下を検出するための条件を、車両の
前二輪の回転角速度の左右比と後二輪の回転角速度の左
右比とを直交座標軸に設定する条件設定手段と、前記輪
荷重変動検出手段が、各車輪の輪荷重の変動を検出した
とき、前記車輪角速度検出手段で検出された所定数の前
二輪の車輪回転角速度検出値の左右比の平均値と所定数
の後二輪の車輪回転角速度検出値の左右比の平均値とか
らなる座標点を変動型基準点とし、前記変動型基準点を
通り且つ前二輪の回転角速度左右比が増加したときに後
二輪の回転角速度左右比が微増する直線に微小幅を与え
た領域と、前記変動型基準点を通り且つ後二輪の回転角
速度左右比が増加したときに前二輪の回転角速度左右比
が微増する直線に微小幅を与えた領域との和集合を変動
型判定領域に設定する変動領域設定手段と、前記変動領
域設定手段で設定された変動型判定領域に、前記車輪角
速度検出手段で検出された前二輪の車輪回転角速度検出
値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値の左右比と
からなる座標点が包含されているとき、各車輪のタイヤ
の内圧低下検出の条件を付与する変動領域判定手段とを
備えたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項2に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記輪荷重変動検出手段が、イグ
ニッションスイッチのON信号であることを特徴とする
ものである。また、本発明のうち請求項3に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記輪荷重変動検出手段が、ドア
スイッチの開閉信号であることを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明のうち請求項4に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記輪荷重変動検出手段が、トラ
ンクリッドスイッチの開閉信号であることを特徴とする
ものである。また、本発明のうち請求項5に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記輪荷重変動検出手段が、フュ
ーエルリッドスイッチの開閉信号であることを特徴とす
るものである。
【0010】また、本発明のうち請求項6に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記条件設定手段が、車両の前二
輪の回転角速度の左右比と後二輪の回転角速度の左右比
とを直交座標軸に設定したとき、四輪のタイヤ内圧が予
め設定された所定の正規内圧状態での直進定常走行時の
前二輪の回転角速度左右比と後二輪の回転角速度左右比
とからなる座標点を固定型基準点とし、前記固定型基準
点を通り且つ前二輪の回転角速度左右比が増加したとき
に後二輪の回転角速度左右比が微増する直線に微小幅を
与えた領域と、前記固定型基準点を通り且つ後二輪の回
転角速度左右比が増加したときに前二輪の回転角速度左
右比が微増する直線に微小幅を与えた領域との和集合か
らなる予め設定された固定型判定領域に、前記車輪角速
度検出手段で検出された前二輪の車輪回転角速度検出値
の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値の左右比とか
らなる座標点が包含されているとき、各車輪のタイヤの
内圧低下検出の条件を付与する固定領域判定手段を備え
たことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のうち請求項7に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記タイヤ内圧低下検出手段が、
前記車輪角速度検出手段で検出された前二輪の車輪回転
角速度検出値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値
の左右比とからなる座標点が、前記変動領域判定手段に
おける変動型判定領域の変動型基準点又は前記固定領域
判定手段における固定型判定領域の固定型基準点に対し
て当該判定領域の何れの領域にあるかに応じてタイヤの
内圧が低下している車輪を特定するタイヤ内圧低下車輪
特定手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のうち請求項8に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記タイヤ内圧低下車輪特定手段
が、前記車輪角速度検出手段で検出された前二輪の車輪
回転角速度検出値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検
出値の左右比との差と、互いに対角位置となる前後左右
輪の回転角速度検出値の対角比の差とを、夫々変動型基
準値又は固定型基準値と比較してタイヤの内圧が低下し
ている車輪を特定することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明のうち請求項9に係るタイヤ
内圧低下検出装置は、前記タイヤ内圧低下車輪特定手段
が、前記車輪角速度検出手段で検出された左二輪の車輪
回転角速度検出値の前後比と右二輪の車輪回転角速度検
出値の前後比との差と、互いに対角位置となる前後左右
輪の回転角速度検出値の対角比の差とを、夫々変動型基
準値又は固定型基準値と比較してタイヤの内圧が低下し
ている車輪を特定することを特徴とするものである。
【0014】また、本発明のうち請求項10に係るタイ
ヤ内圧低下検出装置は、前記タイヤ内圧低下車輪特定手
段が、前記変動領域設定手段が前記変動型基準点及び変
動型判定領域を設定したときの前記車輪角速度検出手段
で検出された前二輪の車輪回転角速度検出値の左右比と
後二輪の車輪回転角速度検出値の左右比との差又は前記
左二輪の車輪回転角速度検出値の前後比と右二輪の車輪
回転角速度検出値の前後比との差及び前記互いに対角位
置となる前後左右輪の回転角速度検出値の対角比の差
を、夫々前記変動型基準値に設定することを特徴とする
ものである。
【0015】また、本発明のうち請求項11に係るタイ
ヤ内圧低下検出装置は、車両の前後方向加速度を検出す
る前後加速度検出手段を備え、前記条件設定手段は、前
記前後加速度検出手段で検出された前後加速度検出値が
零又は略零であるときの前記車輪角速度検出手段で検出
された各車輪回転角速度検出値から前記タイヤの内圧低
下の検出条件を設定することを特徴とするものである。
【0016】また、本発明のうち請求項12に係るタイ
ヤ内圧低下検出装置は、前記前後加速度検出手段が、前
記車輪角速度検出手段で検出された各車輪回転角速度検
出値の微分値から車両の前後方向加速度を検出すること
を特徴とするものである。また、本発明のうち請求項1
3に係るタイヤ内圧低下検出装置は、前記前後加速度検
出手段が、前記車輪角速度検出手段で検出された各車輪
回転角速度検出値の差分値から車両の前後方向加速度を
検出することを特徴とするものである。
【0017】
【作用】而して上記構成とした本発明のタイヤ内圧低下
検出装置では、四輪の車輪回転角速度検出値を比較する
にあたり、各車輪のタイヤが正規内圧で直進又は近似直
進定常走行しているときには、各車輪の回転角速度はそ
のときの車両速度に応じた或る所定の値又はその近傍の
値となる。しかし、同じ車両の同じ車両速度における直
進又は近似直進定常走行中であっても、或る車輪のタイ
ヤの内圧が低下すると、当該車輪及び車両において対角
位置に相当する車輪の輪荷重が減少し、その他の車輪の
輪荷重は増加し、このうち、輪荷重が減少する車輪はタ
イヤ動半径が大きくなって車輪回転角速度が減少し、逆
に輪荷重が増加する車輪は車輪回転角速度が増加する。
従って、各車輪回転角速度は、この輪荷重変化に応じて
変化することになり、前記各車輪回転角速度検出値を、
この想定される輪荷重変化に伴う車輪回転速度の変化に
沿って比較することで、車両の直進又は近似直進定常走
行していることを判定することができるから、その判定
結果に基づいて各車輪のタイヤの内圧低下を検出するた
めの条件を設定する、即ち各車輪回転角速度検出値に対
してフィルタをかけることにより、複雑な補正を行うこ
となく、当該車両の直進又は近似直進定常走行時にの
み、各車輪のタイヤの内圧低下を検出することができ
る。
【0018】ここで、この前二輪の回転角速度の左右比
と後二輪の回転角速度の左右比とを直交座標軸に設定す
れば、前記四輪が所定の正規内圧状態での直進定常走行
時の前二輪及び後二輪の回転角速度左右比を基準点と
し、前記同じ直進又は近似直進走行状態にあっても、タ
イヤ内圧の低下に伴って発生する輪荷重変化に応じた回
転角速度左右比の変化直線に微小幅を加えた直交座標軸
上の判定領域とし、この判定領域に、前記前二輪の車輪
回転角速度検出値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検
出値の左右比とからなる座標点が包含されているとき
は、車両が直進又は近似直進定常走行しているときであ
ることを判定することができる。
【0019】しかし、前述のように輪荷重の増減に伴っ
て車輪回転角速度が増減することから、前記四輪が所定
の正規内圧状態での同じ直進又は近似直進走行状態にあ
っても、乗員数や積載量等が変動すれば輪荷重が変動
し、結果的に前記直交座標系の基準点に相当する前二輪
及び後二輪の回転角速度左右比の座標点も変動してしま
う。そこで、輪荷重が変動する可能性があるイグニッシ
ョンスイッチのON信号やドアスイッチの開閉信号,ト
ランクリッドスイッチの開閉信号,フューエルリッドス
イッチの開閉信号などの入力信号をトリガとして、その
後の各車輪回転角速度検出値からなる前二輪及び後二輪
の回転角速度左右比の座標点を変動型の基準点に設定
し、この変動型基準点に対して前述と同様の判定領域を
設定し、この変動型判定領域に,その後の各車輪回転角
速度検出値からなる前二輪及び後二輪の回転角速度左右
比の座標点が包含されているかを判定すれば、当該輪荷
重状態における直進又は近似直進定常走行時にのみ、各
車輪のタイヤの内圧低下を正確に検出することができ
る。
【0020】一方、前述のようにして変動型判定領域が
設定されるまでに、或る車輪のタイヤ内圧が既に低下し
てしまっている場合には、前記変動型基準点も変動型判
定領域も,直進又は近似直進定常走行を判定したり、当
該車輪のタイヤ内圧低下を検出したりするには不相応な
ものとなってしまう。そこで、前記四輪のタイヤ内圧が
予め設定された所定の正規内圧状態での直進定常走行時
の前二輪の回転角速度左右比と後二輪の回転角速度左右
比とからなる座標点を固定型基準点とし、この固定型基
準点に対して前記と同様に固定型判定領域を設定し、こ
の固定型判定領域に前後輪の車輪回転角速度検出値の左
右比からなる座標点が包含されているか否かを判定すれ
ば、前述の輪荷重変動要素を完全に排除することはでき
ないが、少なくとも前記或る車輪のタイヤ内圧の低下を
正確に検出することができる。
【0021】また、前記或る車輪のタイヤ内圧の低下に
伴うその他の車輪の輪荷重変化による車輪回転角速度変
化は、実質的にタイヤ内圧の低下している車輪の車輪回
転角速度変化よりも小さいから、前記変動型判定領域の
変動型基準点或いは固定型判定領域の固定型基準点に対
して、前記前二輪の車輪回転角速度検出値の左右比と後
二輪の車輪回転角速度検出値の左右比とからなる座標点
は、タイヤ内圧の低下している車輪に応じて存在領域が
異なり、これを用いて当該タイヤ内圧が低下している車
輪を正確に特定することができる。
【0022】このとき、例えば前記変動型判定領域を用
いて各車輪のタイヤ内圧低下を判定する場合には、前記
変動型基準点及び変動型判定領域を設定したときの前記
前後輪回転角速度検出値の左右比の差又は前記左右輪回
転角速度検出値の前後比の差及び前記対角輪回転角速度
検出値の対角比の差を、夫々前記変動型基準値に設定
し、前記固定型判定領域に対しては予め車両諸元から得
られるこれらの数値を固定型基準値に設定し、前記前二
輪の車輪回転角速度検出値の左右比と後二輪の車輪回転
角速度検出値の左右比との差、又は左二輪の車輪回転角
速度検出値の前後比と右二輪の車輪回転角速度検出値の
前後比との差を変動型基準値或いは固定型基準値と比較
することで、車両で互いに対角位置となる二輪を特定す
ることができ、更に車両で互いに対角位置となる前後左
右輪の回転角速度検出値の対角比の差を固定型基準値或
いは変動型基準値と比較することで、それらの対角位置
のうちの何れの車輪のタイヤ内圧が低下しているかを特
定することが可能となり、特に変動型基準値との比較は
当該輪荷重状態に応じた判定結果となるために、より正
確なタイヤ内圧低下車輪の特定が可能となる。
【0023】また、駆動左右輪間に差動制限装置が設け
られている場合に、当該駆動輪にかかる駆動力が大きく
なると各駆動輪回転角速度の左右差が小さくなり、駆動
力が小さくなるとその差が大きくなるため、前後加速度
検出値が零又は略零であるときの各車輪回転角速度検出
値から、前述のようにしてタイヤの内圧低下の検出条件
を設定すれば、タイヤ内圧が低下している車輪を特定す
る際やタイヤ内圧が低下していること自体を検出する際
の誤判断を回避することができる。
【0024】このとき、前記車輪角速度検出手段で検出
された各車輪回転角速度検出値の微分値や、その差分値
から、車両の前後方向加速度を検出することとすれば、
前後加速度センサ等の検出器を個別に設ける必要がなく
なり、コスト的にも有利となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明のタイヤ内圧低下検出装置を前
輪駆動車両に適用した一実施例を図面に基づいて説明す
る。図2はこの車両のタイヤ内圧低下検出装置を示す概
略構成図であり、駆動輪である前左右輪9L,9R及び
非駆動輪である後左右輪6L,6Rの夫々には、各車輪
の回転角速度を検出する車輪速センサ46FL〜46R
Rが設けられている。この車輪速センサ46FL〜46
RRは、既存の車輪速センサと同様に、例えば外周にセ
レーションを備え且つ各車軸と共に回転する磁性体から
なるロータと、これに対向する磁石を内蔵して両者の間
の磁束による誘導起電圧を検出するコイルとで構成さ
れ、セレーションの周方向移動速度,即ちロータの回転
角速度に応じた周波数の誘導起電圧が、車輪の回転角速
度VwFL〜VwRRとして出力される。
【0026】また、ブレーキペダル21には、当該ブレ
ーキペダル21の踏込みの有無を検出するブレーキスイ
ッチ45が設けられている。このブレーキスイッチ45
は、通常のブレーキランプスイッチと同様に、ブレーキ
ペダル21が踏込まれている状態で論理値“1”のON
信号を,踏込まれていない状態で論理値“0”のOFF
信号をディジタル値からなるブレーキ信号SBRK として
出力する。また、図示されない各ドアには、或るドアの
開状態で論理値“1”のON信号を,全てのドアの閉状
態で論理値“0”のOFF信号をディジタル値からなる
ドア信号SDOORとして出力するドアスイッチ42が取付
けられている。また、図示されないトランクリッドに
は、その開状態で論理値“1”のON信号を,閉状態で
論理値“0”のOFF信号をディジタル値からなるトラ
ンクリッド信号STRとして出力するトランクリッドスイ
ッチ43が取付けられている。なお、独立したトランク
リッドを有さない所謂ハッチバック車両にはリヤドアの
開閉状態にも対応する。また、図示されないフューエル
リッドには、その開状態で論理値“1”のON信号を,
閉状態で論理値“0”のOFF信号をディジタル値から
なるフューエルリッド信号SFLとして出力するフューエ
ルリッドスイッチ44が取付けられている。
【0027】また、車両のインストゥルメントパネルに
は、車両の前左輪9L,前右輪9R,後左輪6L,後右
輪6Rの夫々を示す車輪表示ランプ35FL〜35RR
が設けられている。この各車輪表示ランプ35FL〜3
5RRは、後述するコントロールユニット40からの駆
動信号LDFL〜LDRRによって明滅される。また、車両
には、前記各センサからの検出信号に基づいて、各車輪
のタイヤ内圧低下を検出し、タイヤ内圧が低下している
車輪については、前記駆動信号LD FL〜LDRRをON状
態として前記各車輪表示ランプ35FL〜35RRを明
滅させるコントロールユニット40が備えられている。
【0028】このコントロールユニット40は、図3に
明示するように、マイクロコンピュータ51及び駆動回
路53FL〜53RRを備えている。このうち、マイク
ロコンピュータ51は、少なくとも前記車輪速センサ4
6FL〜46RRからの正弦波電圧信号からなる車輪回
転速度VwFL〜VwRRの波形整形機能やA/D変換機能
等を備えた入力インターフェース回路51aと、マイク
ロプロセサユニット(MPU)等から構成される演算処
理装置(CPU)51bと、ROM,RAM等から構成
される記憶装置51cと、D/A変換機能を備えた出力
インターフェース回路51dとを備えてなる。そして、
入力インターフェース回路51aには、前記各車輪速セ
ンサ46FL〜46RRで検出された各車輪回転角速度
(この車輪回転角速度は,タイヤ転がり動半径が一定で
あると考えたときに,コントロールユニット内で認識で
きる車輪速と等価であるから、以下、単に車輪速とも記
す)VwFL〜VwRR、ドアスイッチ42からのドア信号
DOOR,トランクリッドスイッチ43からのトランクリ
ッド信号STR,フューエルリッドスイッチ44からのフ
ューエルリッド信号SFL,ブレーキスイッチ45からの
ブレーキ信号SBRKが入力され、出力インターフェース
回路51dからは、タイヤ内圧が低下している車輪に相
当する前記車輪表示ランプ35FL〜35RRに向けて
駆動信号LD FL〜LDRRが出力される。
【0029】演算処理装置51bは、後述する図4の演
算処置を実行して、所定サンプリング時間ΔT毎に前記
各センサ及びスイッチからの各検出値又はON−OFF
信号を読込み、これらの値および信号に基づいて所定の
演算処理を行って、タイヤ内圧が低下している車輪を検
出する。さらに、記憶装置51cには、予め演算処理装
置51bの演算処理に必要なプログラム、各設定値、制
御マップ等が記憶されているとともに、演算過程で必要
な演算結果を逐次記憶する。
【0030】また、前記駆動回路53FL〜53RR
は、後述する前記マイクロコンピュータ51から出力さ
れるタイヤ内圧注意制御信号FCi(i=FL〜RR)が
論理値“1”のON状態であるときに、該当する車輪の
各車輪表示ランプ35FL〜35RRを点滅させ、且つ
同じくマイクロコンピュータ51から出力されるタイヤ
内圧警告制御信号FWiが論理値“1”のON状態である
ときに、同じく該当する車輪の各車輪表示ランプ35F
L〜35RRを点灯させる駆動信号LDi を、夫々該当
する各車輪表示ランプ35FL〜35RRに出力する。
なお、各駆動回路53FL〜53RRにはサンプルホー
ルド機能があり、前回入力されたタイヤ内圧注意制御信
号FCi又はタイヤ内圧警告制御信号FWiのON/OFF
状態が切り替わるまで、当該制御信号FCi,FWiに応じ
たランプ駆動信号LDi を送出し続ける。
【0031】次に、前記マイクロコンピュータ51の演
算処理装置51bで実行される演算処理について図4の
フローチャートに従って説明する。この演算処理は、所
定サンプリング時間(例えば5msec.)ΔT毎のタイマ
割込処理によって実行される。なお、このフローチャー
ト中、各内圧注意制御信号FCi(i=FL〜RR),内
圧警告制御信号FWi、変動型内圧注意制御信号FCBi
変動型内圧警告制御信号FWBi 、固定型内圧注意制御信
号FCAi ,固定型内圧警告制御信号FWAi 、制御フラグ
1 ,F2 、変動用基準値D110 ,D310 、各車輪速比
差の平均値 aveD1A, aveD3A, aveD1B, aveD3B
差分累積値ΣD1 ,ΣD3 、各カウンタn,Ni は、本
実施例ではイグニッションスイッチがOFF状態から再
ONされたときに夫々初期値(=0)にリセットされ
る。また、このフローチャート中、固定型判定領域A
は、予め実験等によって設定された車両の直進又は近似
直進定常走行状態で,タイヤ内圧が変化したときの前後
輪速左右比PF ,PR を直交座標軸とする判定領域であ
る。また、このフローチャートでは、特に通信のための
ステップを設けていないが、演算処理に必要な情報は,
前記記憶装置51cから演算処理装置51bのバッファ
に読込まれ、演算処理装置51bの演算結果は随時記憶
装置51cに更新記憶される。
【0032】そして、この演算処理では、まずステップ
S1で、後述する図5の演算処理を呼出して各車輪の内
圧注意カウンタNAi,NBi及び車輪速比差分累積値ΣD
1 ,ΣD3 をクリアする。次にステップS2に移行し
て、後述する図6の演算処理を呼出して前後輪速左右比
F ,PR を算出設定する。
【0033】次にステップS3に移行して、前記ステッ
プS2で算出された前後輪左右比P F ,PR からなる前
後輪左右比座標(PF ,PR )が、後述する図14の固
定型判定領域Aの要素である,即ち当該座標(PF ,P
R )が固定型判定領域Aに包含されているか否かを判定
し、当該前後輪左右比座標(PF ,PR )が固定型判定
領域Aに包含されている場合にはステップS4に移行
し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
【0034】前記ステップS4では、車輪速比累積カウ
ンタnをインクリメントする。次にステップS5に移行
して、後述する図7の演算処理を呼出して車輪速比差分
累積値ΣD1 ,ΣD3 を算出設定する。次にステップS
6に移行して、後述する図8の演算処理を呼出して後述
する図17の変動型判定領域Bをリセットするか否かの
判定を行う。
【0035】次にステップS7に移行して、後述する図
9の演算処理を呼出して前記図17の変動型判定領域B
の設定を行う。次にステップS8に移行して、前記車輪
速比累積カウンタnが予め設定された所定カウント値n
0 より大きいか否かを判定し、当該車輪速比累積カウン
タnが所定カウント値n0 より大きい場合にはステップ
S9に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに
復帰する。
【0036】前記ステップS9では、後述する図10の
演算処理を呼出して内圧低下輪到底の評価値 aveD1A
aveD3A, aveD1B, aveD3Bを算出すると共にその基
準値D110 ,D310 を設定する。次にステップS10に
移行して、後述する図11の演算処理を呼出して前記固
定型判定領域Aでの内圧低下輪特定を行う。
【0037】次にステップS11に移行して、前記ステ
ップS2で算出された前後輪左右比PF ,PR からなる
前後輪左右比座標(PF ,PR )が、前記図17の変動
型判定領域Bの要素である,即ち当該座標(PF
R )が変動型判定領域Bに包含されているか否かを判
定し、当該前後輪左右比座標(PF ,PR )が変動型判
定領域Bに包含されている場合にはステップS12に移
行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰す
る。
【0038】前記ステップS12では、後述する図12
の演算処理を呼出して前記変動型判定領域Bでの内圧低
下輪特定を行う。次にステップS13に移行して、後述
する図13の演算処理を呼出して内圧注意制御信号FCi
及び内圧警告制御信号FWiの設定を行う。次にステップ
S14に移行して、前記ステップS13で設定された内
圧注意制御信号FCi及び内圧警告制御信号FWiを出力し
てからメインプログラムに復帰する。
【0039】次に前記ステップS1で実行されるマイナ
プログラムについて図5のフローチャートを用いながら
説明する。このマイナプログラムでは、まずステップS
101で各内圧注意制御信号FCiが論理値“0”のOF
F状態であるか否かを判定し、各内圧注意制御信号FCi
がOFF状態である場合にはステップS102に移行
し、そうでない場合にはステップS103に移行する。
【0040】前記ステップS102では、各内圧警告制
御信号FWiが論理値“0”のOFF状態であるか否かを
判定し、各各内圧警告制御信号FWiがOFF状態である
場合にはステップS104に移行し、そうでない場合に
は前記ステップS103に移行する。前記ステップS1
04では、固定型判定領域用(以下,単に固定用とも記
す)内圧注意カウンタNAi及び変動型判定領域用(以
下,単に変動用とも記す)内圧注意カウンタNBi
“0”にクリアしてから、前記ステップS103に移行
する。
【0041】前記ステップS103では、車輪速比累積
カウンタnが“0”のクリア状態であるか否かを判定
し、当該車輪速比累積カウンタnがのクリア状態である
場合にはステップS105に移行し、そうでない場合に
はメインプログラムに復帰する。前記ステップS105
では、左右輪速比前後差D1 の差分累積値ΣD1 及び対
角輪速比差D3 の差分累積値ΣD3 を夫々“0”にクリ
アしてから、前記ステップS2の処理に移行する。
【0042】次に前記ステップS2で実行されるマイナ
プログラムについて図6のフローチャートを用いながら
説明する。このマイナプログラムでは、まずステップS
201で、前記各車輪速センサ46FL〜46RRの車
輪速(車輪回転角速度と等価)Vwi (i=FL〜R
R)及びブレーキスイッチ45のブレーキ信号SBRK
読込む。
【0043】次にステップS202に移行して、前記車
輪速Vwi を用いて、平均車体速の今回値VC(n)を下記
1式に従って算出する。 VC(n)=(VwFL+VwFR+VwRL+VwRR)/4 ……… (1) 次にステップS203に移行して、前記平均車体速の今
回値VC(n)及びその前回値VC(n-1)を用いて、それらの
微分値(又は差分値)から下記2式に従って車体前後加
速度Xgを算出する。
【0044】 Xg=(VC(n)−VC(n-1))/ΔT ……… (2) 次にステップS204に移行して、前記平均車体速の今
回値VC(n)をその前回値VC(n-1)として前記記憶装置5
1cに更新記憶する。次にステップS205に移行し
て、前記ブレーキ信号SBRK が論理値“0”のOFF状
態であるか否かを判定し、当該ブレーキ信号SBRK がO
FF状態である場合にはステップS206に移行し、そ
うでない場合にはメインプログラムに復帰する。
【0045】前記ステップS206では、前記車体前後
加速度の絶対値|Xg|が予め設定された所定前後加速
度値Xg0 より小さいか否かを判定し、当該車体前後加
速度の絶対値|Xg|が所定前後加速度値Xg0 より小
さい場合にはステップS207に移行し、そうでない場
合にはメインプログラムに復帰する。前記ステップS2
07では、前記各車輪速Vwi を用いて、下記3式及び
4式に従って前輪速左右比PF ,後輪速左右比PR を算
出してから前記ステップS3の処理に移行する。
【0046】 PF =VwFL/VwFR ……… (3) PR =VwRL/VwRR ……… (4) 次に前記ステップS5で実行されるマイナプログラムに
ついて図7のフローチャートを用いながら説明する。
【0047】このマイナプログラムでは、まずステップ
S501で、前記各車輪速Vwi を用いて、下記5式に
従って左右輪速比前後差D1 を算出する。 D1 =VwFL/VwFR−VwRL/VwRR ……… (5) 次にステップS502に移行して、前記各車輪速Vwi
を用いて、下記6式に従って対角輪速比差D3 を算出す
る。
【0048】 D3 =VwFL/VwRR−VwFR/VwRL ……… (6) 次にステップS503に移行して、下記7式及び8式に
従って左右輪速比前後差D1 の差分累積値ΣD1 及び対
角輪速比差D3 の差分累積値ΣD3 を夫々算出してから
前記ステップS6の処理に移行する。 ΣD1 =ΣD1 +D1 ……… (7) ΣD3 =ΣD3 +D3 ……… (8) 次に前記ステップS6で実行されるマイナプログラムに
ついて図8のフローチャートを用いながら説明する。
【0049】このマイナプログラムでは、まずステップ
S601で、前記ドアスイッチ42からのドア信号S
DOORが論理値“0”の閉状態であるか否かを判定し、当
該ドア信号SDOORが閉状態である場合にはステップS6
02に移行し、そうでない場合にはステップS603に
移行する。前記ステップS602では、前記トランクリ
ッドスイッチ43からのトランクリッド信号STRが論理
値“0”の閉状態であるか否かを判定し、当該トランク
リッド信号STRが閉状態である場合にはステップS60
4に移行し、そうでない場合にはステップS前記ステッ
プS603に移行する。
【0050】前記ステップS604では、前記フューエ
ルリッドスイッチ44からのフューエルリッド信号SFL
が論理値“0”の閉状態であるか否かを判定し、当該フ
ューエルリッド信号SFLが閉状態である場合には前記ス
テップS7の処理に移行し、そうでない場合には前記ス
テップS603に移行する。前記ステップS603で
は、変動型判定領域設定禁止フラグF1 及び変動型基準
値設定禁止フラグF2 を共に“0”にリセットしてから
ステップS605に移行する。
【0051】前記ステップS605では、前記車輪速比
累積カウンタnを“0”にクリアしてからステップS6
06に移行する。前記ステップS606では、前記変動
用内圧注意制御信号FCBi 及び変動用内圧警告制御信号
WBi を共に“0”にリセットしてから前記ステップS
7の処理に移行する。
【0052】次に前記ステップS7で実行されるマイナ
プログラムについて図9のフローチャートを用いながら
説明する。このマイナプログラムでは、まずステップS
701で前記記憶装置51cに更新記憶されている前輪
速左右比累積値ΣPF ,後輪速左右比累積値ΣPR の夫
々に、前記前輪速左右比PF ,後輪速左右比PR の夫々
を加えた値を、新たな前輪速左右比累積値ΣPF ,後輪
速左右比累積値ΣPR として記憶装置51cに更新記憶
する。
【0053】次にステップS702に移行して、変動型
判定領域設定禁止フラグF1 が“0”のリセット状態で
あるか否かを判定し、当該変動型判定領域設定禁止フラ
グF 1 が“0”のリセット状態である場合にはステップ
S703に移行し、そうでない場合には前記ステップS
8の処理に移行する。前記ステップS703では、車輪
速比累積カウンタnが予め設定された所定累積カウント
値nD 以上であるか否かを判定し、当該車輪速比累積カ
ウンタnが所定累積カウント値nD 以上である場合には
ステップS704に移行し、そうでない場合には前記ス
テップS8の処理に移行する。
【0054】前記ステップS704では、下記21式及
び22式に従って変動型前後輪速左右比基準値PF0B
R0B を算出してからステップS705に移行する。 PF0B =ΣPF /nD ………(21) PR0B =ΣPR /nD ………(22) 前記ステップS705では、図示されないマイナプログ
ラムに従って、前記図17のように前記変動型前後輪速
左右比基準値PF0B ,PR0B (或いはその座標
(PF0B ,PR0B ))を変動型基準点CB に設定し、当該
変動型基準点CB を通り且つ前輪速左右比PF の増加に
伴って後輪速左右比PR が微増する直線L1Bと、当該変
動型基準点CB を通り且つ後輪速左右比PR の増加に伴
って前輪速左右比PF が微増する直線L2Bとに、予め設
定された微小幅dB を加えた変動型判定領域Bを作成設
定してからステップS706に移行する。
【0055】前記ステップS706では、前記変動型判
定領域設定禁止フラグF1 を“1”にセットしてから前
記ステップS8の処理に移行する。次に前記ステップS
9で実行されるマイナプログラムについて図10のフロ
ーチャートを用いながら説明する。このマイナプログラ
ムでは、まずステップS901で前記左右輪速比前後差
の差分累積値ΣD1 を用いて、下記9式に従って固定型
判定領域用(固定用)左右輪速比前後差の平均値 aveD
1Aを算出する。なお、式中、D100 は四輪が正規内圧状
態で直進走行しているときの左右輪速比前後差の初期値
である。
【0056】 aveD1A=ΣD1 /n0 −D100 ……… (9) 次にステップS902に移行して、前記対角輪速比差の
差分累積値ΣD3 を用いて、下記10式に従って固定用
対角輪速比差の平均値 aveD3Aを算出する。なお、式
中、D300 は四輪が正規内圧状態で直進走行していると
きの対角輪速比差の初期値である。
【0057】 aveD3A=ΣD3 /n0 −D300 ………(10) 次にステップS903に移行して、前記変動型判定領域
設定禁止フラグF1 が“1”のセット状態であるか否か
を判定し、当該変動型判定領域設定禁止フラグF1
“1”のセット状態である場合にはステップS904に
移行し、そうでない場合にはステップS905に移行す
る。
【0058】前記ステップS904では、前記変動型基
準値設定禁止フラグF2 が“1”のセット状態であるか
否かを判定し、当該変動型基準値設定禁止フラグF2
“1”のセット状態である場合にはステップS906に
移行し、そうでない場合にはステップS905に移行す
る。前記ステップS906では、前記ステップS901
で算出された固定用左右輪速比前後差の平均値 aveD1A
を変動用左右輪速比前後差基準値D110 に設定すると共
に、前記ステップS902で算出された固定用対角輪速
比差の平均値 aveD 3Aを変動用対角輪速比差基準値D
310 に設定してからステップS907に移行する。
【0059】前記ステップS907では、前記変動型基
準値設定禁止フラグF2 を“1”にセットしてから前記
ステップS905に移行する。前記ステップS905で
は、下記23式に従って変動用左右輪速比前後差の平均
値 aveD1Bを算出してからステップS908に移行す
る。 aveD1B= aveD1A−D110 ………(23) 前記ステップS908では、下記24式に従って変動用
対角輪速比差の平均値aveD3Bを算出してから前記ステ
ップS10の処理に移行する。
【0060】 aveD3B= aveD3A−D310 ………(24) 次に前記ステップS10で実行されるマイナプログラム
について図11のフローチャートを用いながら説明す
る。このマイナプログラムでは、まずステップS100
1で前記固定用左右輪速比前後差の平均値 aveD1Aが予
め設定された前輪用所定左右輪速比前後差値の負値(−
1F0 )より小さいか否かを判定し、当該固定用左右輪
速比前後差の平均値aveD1Aが前輪用所定左右輪速比前
後差値の負値(−D1F0 )より小さい場合にはステップ
S1002に移行し、そうでない場合にはステップS1
003に移行する。
【0061】前記ステップS1002では、前記固定用
対角輪速比差の平均値 aveD3Aが予め設定された所定対
角輪速比差値の負値(−D30)より小さいか否かを判定
し、当該固定用対角輪速比差の平均値 aveD3Aが所定対
角輪速比差値の負値(−D30)より小さい場合にはステ
ップS1004に移行し、そうでない場合にはステップ
S1005に移行する。
【0062】前記ステップS1005では、前記固定用
対角輪速比差の平均値 aveD3Aが前記予め設定された所
定対角輪速比差値の正値D30より大きいか否かを判定
し、当該固定用対角輪速比差の平均値 aveD3Aが所定対
角輪速比差値の正値D30より大きい場合にはステップS
1006に移行し、そうでない場合にはメインプログラ
ムに復帰する。
【0063】前記ステップS1006では、前記固定用
左右輪速比前後差の平均値 aveD1Aが予め設定された後
輪用所定左右輪速比前後差値の負値(−D1R0 )より小
さいか否かを判定し、当該固定用左右輪速比前後差の平
均値 aveD1Aが後輪用所定左右輪速比前後差値の負値
(−D1R0 )より小さい場合にはステップS1007に
移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰す
る。
【0064】前記ステップS1007では、固定用後左
輪内圧注意カウンタNARL をインクリメントしてから、
ステップS1008に移行する。前記ステップS100
8では、前記固定用後左輪内圧注意カウンタNARL が予
め設定された所定カウント値N0 より大きいか否かを判
定し、当該固定用後左輪内圧注意カウンタNARL が所定
カウント値N0 より大きい場合にはステップS1009
に移行し、そうでない場合にはステップS1010に移
行する。
【0065】前記ステップS1009では、固定用後左
輪内圧警告制御信号FWARLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。また、前記ステップS1010では、固定用後左輪
内圧注意制御信号FCARLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。
【0066】一方、前記ステップS1004では、固定
用前右輪内圧注意カウンタNAFR をインクリメントして
からステップS1011に移行する。前記ステップS1
011では、前記固定用前右輪内圧注意カウンタNAFR
が前記所定カウント値N0 より大きいか否かを判定し、
当該固定用前右輪内圧注意カウンタNAFR が所定カウン
ト値N0 より大きい場合にはステップS1012に移行
し、そうでない場合にはステップS1013に移行す
る。
【0067】前記ステップS1012では、固定用前右
輪内圧警告制御信号FWAFRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。また、前記ステップS1013では、固定用前右輪
内圧注意制御信号FCAFRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。
【0068】一方、前記ステップS1003では、前記
固定用左右輪速比前後差の平均値 aveD1Aが前記予め設
定された前輪用所定左右輪速比前後差値の正値D1F0
り大きいか否かを判定し、当該固定用左右輪速比前後差
の平均値 aveD1Aが前輪用所定左右輪速比前後差値の正
値D1F0 より大きい場合にはステップS1014に移行
し、そうでない場合にはステップS1015に移行す
る。
【0069】前記ステップS1015では、全ての車輪
の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び固定用内圧警告制
御信号FWAi を論理値“0”のOFF状態としてから前
記ステップS11の処理に移行する。また、前記ステッ
プS1014では、前記固定用対角輪速比差の平均値 a
veD 3Aが前記予め設定された所定対角輪速比差値の正値
30より大きいか否かを判定し、当該固定用対角輪速比
差の平均値 aveD3Aが所定対角輪速比差値の正値D30
り大きい場合にはステップS1016に移行し、そうで
ない場合にはステップS1017に移行する。
【0070】前記ステップS1016では、固定用前左
輪内圧注意カウンタNAFL をインクリメントしてからス
テップS1018に移行する。前記ステップS1018
では、前記固定用前左輪内圧注意カウンタNAFL が前記
所定カウント値N0 より大きいか否かを判定し、当該固
定用前左輪内圧注意カウンタNAFL が所定カウント値N
0 より大きい場合にはステップS1019に移行し、そ
うでない場合にはステップS1020に移行する。
【0071】前記ステップS1019では、固定用前左
輪内圧警告制御信号FWAFLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。また、前記ステップS1020では、固定用前左輪
内圧注意制御信号FCAFLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。
【0072】一方、前記ステップS1017では、前記
固定用対角輪速比差の平均値 aveD 3Aが前記予め設定さ
れた所定対角輪速比差値の負値(−D30)より小さいか
否かを判定し、当該固定用対角輪速比差の平均値 aveD
3Aが所定対角輪速比差値の負値(−D30)より小さい場
合にはステップS1021に移行し、そうでない場合に
はメインプログラムに復帰する。
【0073】前記ステップS1021では、前記固定用
左右輪速比前後差の平均値 aveD1Aが予め設定された後
輪用所定左右輪速比前後差値の正値D1R0 より大きいか
否かを判定し、当該固定用左右輪速比前後差の平均値 a
veD1Aが後輪用所定左右輪速比前後差値の正値D1R0
り大きい場合にはステップS1022に移行し、そうで
ない場合にはメインプログラムに復帰する。
【0074】前記ステップS1022では、固定用後右
輪内圧注意カウンタNARR をインクリメントしてから、
ステップS1023に移行する。前記ステップS102
3では、前記固定用後右輪内圧注意カウンタNARR が予
め設定された所定カウント値N0 より大きいか否かを判
定し、当該固定用後右輪内圧注意カウンタNARR が所定
カウント値N0 より大きい場合にはステップS1024
に移行し、そうでない場合にはステップS1025に移
行する。
【0075】前記ステップS1024では、固定用後右
輪内圧警告制御信号FWARRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。また、前記ステップS1025では、固定用後右輪
内圧注意制御信号FCARRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi 及び
固定用内圧警告制御信号FWAi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS11の処理に移行す
る。
【0076】次に前記ステップS12で実行されるマイ
ナプログラムについて図12のフローチャートを用いな
がら説明する。このマイナプログラムでは、まずステッ
プS1200で前記変動型基準値設定禁止フラグF2
“1”のセット状態であるか否かを判定し、当該変動型
基準値設定禁止フラグF2 が“1”のセット状態である
場合にはステップS1201に移行し、そうでない場合
にはメインプログラムに復帰する。
【0077】前記ステップS1201では、前記変動用
左右輪速比前後差の平均値 aveD1Bが予め設定された前
輪用所定左右輪速比前後差値の負値(−D1F0 )より小
さいか否かを判定し、当該変動用左右輪速比前後差の平
均値 aveD1Bが前輪用所定左右輪速比前後差値の負値
(−D1F0 )より小さい場合にはステップS1202に
移行し、そうでない場合にはステップS1203に移行
する。
【0078】前記ステップS1202では、前記変動用
対角輪速比差の平均値 aveD3Bが予め設定された所定対
角輪速比差値の負値(−D30)より小さいか否かを判定
し、当該変動用対角輪速比差の平均値 aveD3Bが所定対
角輪速比差値の負値(−D30)より小さい場合にはステ
ップS1204に移行し、そうでない場合にはステップ
S1205に移行する。
【0079】前記ステップS1205では、前記変動用
対角輪速比差の平均値 aveD3Bが前記予め設定された所
定対角輪速比差値の正値D30より大きいか否かを判定
し、当該変動用対角輪速比差の平均値 aveD3Bが所定対
角輪速比差値の正値D30より大きい場合にはステップS
1206に移行し、そうでない場合にはメインプログラ
ムに復帰する。
【0080】前記ステップS1206では、前記変動用
左右輪速比前後差の平均値 aveD1Bが予め設定された後
輪用所定左右輪速比前後差値の負値(−D1R0 )より小
さいか否かを判定し、当該変動用左右輪速比前後差の平
均値 aveD1Bが後輪用所定左右輪速比前後差値の負値
(−D1R0 )より小さい場合にはステップS1207に
移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰す
る。
【0081】前記ステップS1207では、変動用後左
輪内圧注意カウンタNBRL をインクリメントしてから、
ステップS1208に移行する。前記ステップS120
8では、前記変動用後左輪内圧注意カウンタNBRL が予
め設定された所定カウント値N0 より大きいか否かを判
定し、当該変動用後左輪内圧注意カウンタNBRL が所定
カウント値N0 より大きい場合にはステップS1209
に移行し、そうでない場合にはステップS1210に移
行する。
【0082】前記ステップS1209では、変動用後左
輪内圧警告制御信号FWBRLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。また、前記ステップS1210では、変動用後左輪
内圧注意制御信号FCBRLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。
【0083】一方、前記ステップS1204では、変動
用前右輪内圧注意カウンタNBFR をインクリメントして
からステップS1211に移行する。前記ステップS1
211では、前記変動用前右輪内圧注意カウンタNBFR
が前記所定カウント値N0 より大きいか否かを判定し、
当該変動用前右輪内圧注意カウンタNBFR が所定カウン
ト値N0 より大きい場合にはステップS1212に移行
し、そうでない場合にはステップS1213に移行す
る。
【0084】前記ステップS1212では、変動用前右
輪内圧警告制御信号FWBFRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。また、前記ステップS1213では、変動用前右輪
内圧注意制御信号FCBFRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。
【0085】一方、前記ステップS1203では、前記
変動用左右輪速比前後差の平均値 aveD1Bが前記予め設
定された前輪用所定左右輪速比前後差値の正値D1F0
り大きいか否かを判定し、当該変動用左右輪速比前後差
の平均値 aveD1Bが前輪用所定左右輪速比前後差値の正
値D1F0 より大きい場合にはステップS1214に移行
し、そうでない場合にはステップS1215に移行す
る。
【0086】前記ステップS1215では、全ての車輪
の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び変動用内圧警告制
御信号FWBi を論理値“0”のOFF状態としてから前
記ステップS13の処理に移行する。また、前記ステッ
プS1214では、前記変動用対角輪速比差の平均値 a
veD 3Bが前記予め設定された所定対角輪速比差値の正値
30より大きいか否かを判定し、当該変動用対角輪速比
差の平均値 aveD3Bが所定対角輪速比差値の正値D30
り大きい場合にはステップS1216に移行し、そうで
ない場合にはステップS1217に移行する。
【0087】前記ステップS1216では、変動用前左
輪内圧注意カウンタNBFL をインクリメントしてからス
テップS1218に移行する。前記ステップS1218
では、前記変動用前左輪内圧注意カウンタNBFL が前記
所定カウント値N0 より大きいか否かを判定し、当該変
動用前左輪内圧注意カウンタNBFL が所定カウント値N
0 より大きい場合にはステップS1219に移行し、そ
うでない場合にはステップS1220に移行する。
【0088】前記ステップS1219では、変動用前左
輪内圧警告制御信号FWBFLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。また、前記ステップS1220では、変動用前左輪
内圧注意制御信号FCBFLを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。
【0089】一方、前記ステップS1217では、前記
変動用対角輪速比差の平均値 aveD 3Bが前記予め設定さ
れた所定対角輪速比差値の負値(−D30)より小さいか
否かを判定し、当該変動用対角輪速比差の平均値 aveD
3Bが所定対角輪速比差値の負値(−D30)より小さい場
合にはステップS1221に移行し、そうでない場合に
はメインプログラムに復帰する。
【0090】前記ステップS1221では、前記変動用
左右輪速比前後差の平均値 aveD1Bが予め設定された後
輪用所定左右輪速比前後差値の正値D1R0 より大きいか
否かを判定し、当該変動用左右輪速比前後差の平均値 a
veD1Bが後輪用所定左右輪速比前後差値の正値D1R0
り大きい場合にはステップS1222に移行し、そうで
ない場合にはメインプログラムに復帰する。
【0091】前記ステップS1222では、変動用後右
輪内圧注意カウンタNBRR をインクリメントしてから、
ステップS1223に移行する。前記ステップS122
3では、前記変動用後右輪内圧注意カウンタNBRR が予
め設定された所定カウント値N0 より大きいか否かを判
定し、当該変動用後右輪内圧注意カウンタNBRR が所定
カウント値N0 より大きい場合にはステップS1224
に移行し、そうでない場合にはステップS1225に移
行する。
【0092】前記ステップS1224では、変動用後右
輪内圧警告制御信号FWBRRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。また、前記ステップS1225では、変動用後右輪
内圧注意制御信号FCBRRを論理値“1”のON状態と
し、その他の車輪の変動用内圧注意制御信号FCBi 及び
変動用内圧警告制御信号FWBi を全て論理値“0”のO
FF状態としてから前記ステップS13の処理に移行す
る。
【0093】次に前記ステップS13で実行されるマイ
ナプログラムについて図13のフローチャートを用いな
がら説明する。このマイナプログラムでは、まずステッ
プS1301で各車輪の前記固定用内圧注意制御信号F
CAi が“1”のセット状態であるか否かを判定し、当該
固定用内圧注意制御信号FCAi が“1”のセット状態で
ある場合にはステップS1302に移行し、そうでない
場合にはステップS1303に移行する。
【0094】前記ステップS1303では、各車輪の前
記変動用内圧注意制御信号FCBi が“0”のリセット状
態であるか否かを判定し、当該変動用内圧注意制御信号
CB i が“0”のリセット状態である場合にはステップ
S1304に移行し、そうでない場合には前記ステップ
S1302に移行する。前記ステップS1304では、
各車輪の前記固定用内圧警告制御信号FWAi が“0”の
リセット状態であるか否かを判定し、当該固定用内圧警
告制御信号FWA i が“0”のリセット状態である場合に
はステップS1305に移行し、そうでない場合にはス
テップS1306に移行する。
【0095】前記ステップS1305では、各車輪の前
記変動用内圧警告制御信号FWBi が“0”のリセット状
態であるか否かを判定し、当該変動用内圧警告制御信号
WB i が“0”のリセット状態である場合にはステップ
S1307に移行し、そうでない場合には前記ステップ
S1306に移行する。一方、前記ステップS1302
では、各車輪の前記固定用内圧警告制御信号F WAi
“1”のセット状態であるか否かを判定し、当該変動用
内圧警告制御信号FWAi が“1”のセット状態である場
合には前記ステップS1306に移行し、そうでない場
合にはステップS1308に移行する。
【0096】前記ステップS1308では、各車輪の前
記固定用内圧警告制御信号FWBi が“0”のリセット状
態であるか否かを判定し、当該固定用内圧警告制御信号
WB i が“0”のリセット状態である場合には前記ステ
ップS1309に移行し、そうでない場合には前記ステ
ップS1306に移行する。前記ステップS1307で
は、内圧注意制御信号FCi及び内圧警告制御信号F Wi
共に“0”のリセット状態としてから前記ステップS1
4の処理に移行する。
【0097】また、前記ステップS1306では、内圧
注意制御信号FCiを“0”のリセット状態とすると共
に、内圧警告制御信号FWiを“1”のセット状態として
から前記ステップS14の処理に移行する。そして、前
記ステップS1309では、内圧注意制御信号FCi
“1”のセット状態とすると共に、内圧警告制御信号F
Wiを“0”のリセット状態としてから前記ステップS1
4の処理に移行する。
【0098】ここで、前記車輪速センサ46FL〜46
RR及び図4の演算処理のステップS2及びそこで実行
される図6の演算処理のステップS201が本発明のタ
イヤ内圧低下検出装置の車輪角速度検出手段を構成し、
以下同様に,前記図4の演算処理のステップS2及びそ
こで実行される図6の演算処理のステップS203が前
後加速度検出手段を構成し、図4の演算処理のステップ
S2及びそこで実行される図6の演算処理のステップS
207及び図4の演算処理のステップS3が固定領域判
定手段を構成し、図4の演算処理のステップS6及びそ
こで実行される図8の演算処理全体が輪荷重変動検出手
段を構成し、図4の演算処理のステップS7及びそこで
実行される図9の演算処理全体が変動領域設定手段を構
成し、前記図4の演算処理のステップS2及びそこで実
行される図6の演算処理のステップS207及び図4の
演算処理のステップS11が変動領域判定手段を構成
し、前記図4の演算処理のステップS2及びそこで実行
される図6の演算処理のステップS205乃至ステップ
S207及び図4の演算処理のステップS3及びステッ
プS7及びステップS11及びそこで実行される図9の
演算処理全体が条件設定手段を構成し、図4の演算処理
のステップS5及びステップS9及びステップS10及
びステップS12及びその夫々で実行される図7の演算
処理全体及び図10の演算処理のステップS1001乃
至ステップS1006及びステップS1017及びステ
ップS1021及び図11の演算処理のステップS12
01乃至ステップS1206及びステップS1217及
びステップS1221がタイヤ内圧低下車輪特定手段を
構成し、図4の演算処理のステップS4及びステップS
5及びステップS9及びステップS10及びステップS
12及びその夫々で実行される図7及び図10及び図1
1の演算処理全体がタイヤ内圧低下検出手段を構成す
る。
【0099】次に、本実施例のタイヤ内圧低下検出装置
の作用について説明する。まず、前記図4の演算処理の
ステップS3では、同ステップS2で実行される図6の
演算処理のステップS201で読込まれ且つ同ステップ
S207で算出された前後輪速左右比からなる座標(P
F ,PR )が、図14の判定領域Aに包含されているか
否かによって、それ以後のタイヤ内圧の低下検出に適し
た車両の直進又は近似直進定常走行状態であるか否かの
判定を行い、そのための条件設定をする。
【0100】ここで、前述のようにして算出される前後
輪速(=前後輪回転角速度)の左右比PF ,PR を、互
いに図14に示すような直交座標軸に設定したとき、四
輪全てのタイヤが正規内圧状態にあってタイヤ転がり動
半径が安定しており、且つ安定した路面状態で、例えば
本実施例にあっては前輪9L,9Rの駆動輪にかかる駆
動力(加速力)が安定し同時にエンジンブレーキにより
駆動輪にかかる制動力(減速力)も安定し、しかもホイ
ールシリンダによる制動力が作用していない、前述のよ
うな直進定常走行状態にあっては、各車輪の回転角速度
の比が一定の状態となるから、前記3式及び4式で定義
される前後輪速左右比からなる座標(P F ,PR )は、
図14の固定型基準点CA に一致する。
【0101】一方、四輪のうちの何れか一輪のタイヤ内
圧が低下すると当該車輪のタイヤ転がり動半径が減少す
るため、各車輪の輪荷重に変化が生じる。具体的には内
圧の低下した車輪と、その車両対角に位置する車輪の輪
荷重が減少し、もう一方の車両対角にある二輪の輪荷重
が増加する。このとき、輪荷重が増加すればその車輪の
タイヤ転がり動半径が減少するためにその車輪回転角速
度は増加し、輪荷重が減少すればその車輪回転角速度は
減少する。但し、実際のタイヤ内圧が低下している車輪
の回転角速度(車輪速)の変化に比して、輪荷重変化に
伴う車輪回転角速度(車輪速)の変化は小さく、実質的
にはサスペンションのバネ定数、タイヤのバネ定数、車
体の剛性等に応じて、前後何れかの車輪速左右比が増加
すると、残りの車輪速左右比は微増する程度となる。従
って、前述のように前後輪速左右比を直交座標軸とする
座標系では、例えば図14のように横軸に前輪速左右比
F をとり且つ縦軸に後輪速左右比PR をとった場合
に、前左輪9Lのタイヤ内圧が低下してその回転角速度
(前左輪速)VwFLが増加し、その結果,前輪速左右比
F が前記基準点Cより増加すると、後右輪6Rの輪荷
重が減少して後右輪速VwRRは減少し且つ後左輪6Lの
輪荷重が増加して後左輪速VwRLは増加するから、後輪
速左右比PR が微増し、また前右輪9Rのタイヤ内圧が
低下して前右輪速VwFRが増加し、その結果,前輪速左
右比PF が前記基準点Cより減少すると、後輪速左右比
R が微減し、二つの状況で発生する前記前後輪速左右
比からなる座標(PF ,PR )は、車両が直進定常走行
している状況下で、各車輪のタイヤ内圧低下率に応じて
同図14の固定型基準点CA を通る直線L1Aの軌跡を描
く。また、後左右輪6L,6Rの何れかのタイヤ内圧が
低下したとき、前記前後輪速左右比からなる座標
(PF ,PR )は、車両が直進定常走行している状況下
で、各車輪のタイヤ内圧低下率に応じて同図14の固定
型基準点CA を通る直線L 2Aの軌跡を描く。これらのこ
とは、前記直交座標軸を車輪速右左比,即ち前記P F
R の分母/分子を入れ換えても同様の傾向を示し、ま
た、例えば車両右側車輪,即ち右輪の前後比と、車両左
側車輪,即ち左輪の前後比とを前述のような直交座標軸
に設定した場合にも同様の傾向を示すことが分かる。
【0102】従って、前記図4の演算処理のステップS
3で、前記前後輪速左右比からなる図14の直交座標系
の直線L1A,L2Aに微小幅dA を与えた領域の和集合か
らなる固定型判定領域Aに、前記前後輪速左右比からな
る座標(PF ,PR )が包含されているか否かを判定
し、当該前後輪速左右比からなる座標(PF ,PR )が
固定型判定領域Aに包含されている場合に、それ以後の
タイヤ内圧低下判定を行うことによって、当該車両は、
正確なタイヤ内圧の低下検出を行うに足る直進又は近似
直進定常走行状態にあることを判別することができる。
即ち、この演算処理によれば、前記従来のように車両の
走行状態に応じて、タイヤ内圧低下検出のための入力
値,即ち車輪回転角速度(車輪速)や算出されるタイヤ
内圧等に複雑な補正をかけるのではなく、当該タイヤ内
圧低下検出のための車輪回転角速度からなる入力値に,
輪荷重を考慮したフィルタをかけることによって、タイ
ヤ内圧の低下検出の精度を向上することができるのであ
る。
【0103】しかし、前述のように前記前後輪速左右比
からなる座標(PF ,PR )はタイヤ内圧低下による輪
荷重変動のみならず、例えば乗員数や積載量或いはその
状態に応じた輪荷重変動の影響も受けるから、想定され
る乗員数や積載量或いはその状態に応じた輪荷重変動が
吸収されるように、前記固定型判定領域Aを構成する微
小幅dA は比較的大きなものとしなければならない。従
って、前記車両の直進又は近似直進定常走行状態の判定
が不安定なものとなる可能性があるばかりでなく、後述
するタイヤ内圧低下車輪の特定も不安定なものとなる可
能性がある。
【0104】そこで、本実施例では、図4の演算処理の
ステップS6で実行される図8の演算処理のステップS
601でドア信号SDOORが開状態を示す論理値“1”で
あるとき或いは同ステップS602でトランクリッド信
号STRが開状態を示す論理値“1”であるとき或いは同
ステップS603でフューエルリッド信号SFLが開状態
を示す論理値“1”であるとき及びイグニッションスイ
ッチからON信号が供給されると、各車輪の輪荷重状態
に変動が発生する可能性があるとして、同ステップS6
03で変動型判定領域設定禁止フラグF1 及び変動型基
準値設定禁止フラグF2 が共に“0”にリセットされ、
次いで同ステップS605で車輪速比累積カウンタnが
“0”にクリアされ、次いで同ステップS606で変動
用内圧注意制御信号FCBi 及び変動用内圧警告制御信号
WBi が共に“0”にリセットされる。そして、少なく
とも前記前後輪速左右比からなる座標(PF ,PR )が
前記固定型判定領域Aに包含されるときに、図4の演算
処理のステップS4でインクリメントされる車輪速比累
積カウンタnが、予め設定された所定累積カウント値n
D 以上となると、図4の演算処理のステップS7で実行
される図9の演算処理のステップS703からステップ
S704に移行して、図17に示すようにそれまでの前
記前後輪速左右比の平均値からなる前後輪速左右比基準
値からなる座標(PF0B ,PR0B )に対し、図18に示
すように同ステップS705ではこれを変動型基準点C
B とし、前述と同様に当該変動型基準点CB を通る直進
定常走行状態のタイヤ内圧低下に伴う前後輪速左右比変
動直線L1B,L2Bを与え、更に両直線L1B,L2Bに微小
幅dB を加えた和集合からなる変動型判定領域Bを設定
し、次のステップS706では前記変動型判定領域設定
禁止フラグF1 が“1”にセットされるから、再びドア
が開閉されたり,トランクリッドが開閉されたり,フュ
ーエルリッドが開閉されたり,エンジンが再始動された
りしない限り、前記変動型判定領域Bが維持される。
【0105】そして、図4の演算処理のS11では、前
記変動型判定領域Bに前後輪速左右比からなる座標(P
F ,PR )が包含されていて,車両が直進又は近似直進
定常走行状態にあるか否かが判定されるが、この変動型
判定領域Bは、そのときの輪荷重の初期設定状態からの
変動状態に応じたものであるから、与えられる微小幅d
B を小さくしても車両が直進又は近似直進定常走行状態
である限り、前記前後輪速左右比からなる座標(PF
R )が当該変動型判定領域Bから外れることはない
し、逆に微小幅dB を小さくすればするほど車両の直進
又は近似直進定常走行状態を正確に判定することができ
る。また、この変動型判定領域Bは前記ドアが開閉され
たり,トランクリッドが開閉されたり,フューエルリッ
ドが開閉されたり,エンジンが再始動されたりする、即
ち輪荷重変動が発生する可能性のある度に再設定される
から、前記微小幅dB は比較的小さな一定値に設定して
おけばよい。但し、本実施例では前記固定型判定領域A
による直進又は近似直進定常走行状態の判定も合わせて
実施する。これは、前記変動型判定領域Bが設定される
までにサンプリングされた前記前後輪速左右比からなる
座標(PF ,PR ),つまり前後輪速左右比基準値から
なる座標(PF0B ,PR0B )が既に或る車輪のタイヤ内
圧低下に伴うものであるとき、後述するタイヤ内圧の低
下車輪特定ができなくなるという問題を回避するためで
ある。
【0106】また、これに先立って、図4の演算処理の
ステップS2で実行される図6の演算処理のステップS
205では、同ステップS201で読込まれたブレーキ
信号SBRK が論理値“0”のOFF状態であるか否かを
判定し、また、同ステップS206では、同ステップS
8で算出された車体前後加速度の絶対値|Xg|が予め
設定された所定前後加速度値Xg0 より小さいか否かを
判定し、これら二つの条件が満足されたとき,即ち前述
したブレーキによる制動力が作用せず、且つ駆動輪に大
きな加速力や減速力が作用していないときに、前記前後
輪速左右比からなる座標(PF ,PR )による直進又は
近似直進定常走行状態の判定を行うことで、タイヤ内圧
の低下検出の精度を向上することができる。
【0107】なお、車体前後加速度が零又は略零である
ような場合に、タイヤ内圧の低下検出を行うことには、
以下のような作用もある。即ち、特に駆動左右輪間,本
実施例では前左右輪9L,9R間に差動制限装置が付加
されている場合、当該差動制限装置は、駆動輪にかかる
駆動力が大きくなると、駆動左右輪間の車輪回転角速度
(車輪速)の差を小さくする作用があるため、前記固定
型判定領域A或いは変動型判定領域Bにおける前後輪速
左右比からなる座標(PF ,PR )の包含判定があいま
いになるばかりでなく、後述するタイヤ内圧低下車輪の
特定のための左右輪速比前後差D1 や対角輪速比差D3
の値にも変動が生じて、タイヤ内圧の低下している車輪
の特定が不正確なものとなる可能性もある。そこで、車
体前後加速度が零又は略零であるときに、それ以後のタ
イヤ内圧低下検出を行うことで、これらの誤判定を回避
することができる。
【0108】また、前記ブレーキによる制動力が四輪全
てに一様に作用していれば、各車輪回転角速度の低下率
が一様となるため、各車輪速Vwi (i=FL〜RR)
は同率に小さくなって、例えば前記前後輪速左右比から
なる座標(PF ,PR )は、少なくとも直進又は近似直
進走行状態で、ブレーキによる制動の有無に関係なく一
定の値となる。しかし、実際の各車輪に作用するブレー
キの制動力は、例えば路面状態や輪荷重状態によって一
様であることはなく、従って各車輪回転角速度の低下率
に変動が発生する可能性の方が高いから、ブレーキ信号
BRK がON状態のときにはタイヤ内圧低下検出を行わ
ないほうが、結果的にタイヤ内圧の低下検出精度を向上
することができる。
【0109】次に、前記図4の演算処理では、前述のよ
うにして固定型判定領域Aにおけるタイヤ内圧低下検出
の条件が設定されると、前記ステップS5で実行される
図7の演算処理のステップS501で算出される固定用
左右輪比前後差D1 及びステップS502で算出される
固定用対角輪速比差D3 を、同ステップS8で累積カウ
ンタnが所定カウント値n0 より大きくなるまで、前記
ステップS503で累積して各差分累積値ΣD1 ,ΣD
3 を算出し、更に同ステップS9で実行される図10の
演算処理のステップS901及びステップS902で,
それらの平均から固定用左右輪速比前後差の平均値 ave
1A,固定用対角輪速比差の平均値 aveD3Aを算出す
る。また、前述のようにして変動型判定領域Bが設定さ
れて変動型判定領域設定禁止フラグF1 が“1”にセッ
トされ且つ変動型基準値設定禁止フラグF2 が“0”に
リセットされているときには、図4の演算処理のステッ
プS9で実行される図10の演算処理において、前記ス
テップS903からステップS904を経てステップS
906に移行し、そのときに算出された前記固定用左右
輪速比前後差の平均値 aveD1A,固定用対角輪速比差の
平均値 aveD3Aが、夫々変動用左右輪速比前後差基準値
110 及び変動用対角輪速比差基準値D310 に設定さ
れ、次いでステップS907では変動型基準値設定禁止
フラグF2 が“1”にセットされてしまうから、その後
は同ステップS905で前記固定用左右輪速比前後差の
平均値 aveD1Aから変動用左右輪速比前後差基準値D
110 を減じた値が変動用左右輪速比前後差の平均値 ave
1Bとして算出設定され、同ステップS906では前記
固定用対角輪速比差の平均値 aveD3Aから変動用対角輪
速比差基準値D310 を減じた値が変動用対角輪速比差の
平均値 aveD3Bとして算出設定される。このとき、左右
輪速比前後差D1 及び対角輪速比差D3 を平均化するこ
とにより、前記前後輪速左右比からなる座標(PF ,P
R )が固定型判定領域A或いは変動型判定領域Bに包含
されるときの各車輪速(車輪回転角速度)Vwiをなら
して,一時的な車輪速変動によりタイヤ内圧の低下検出
精度が低下するのを抑制防止することができる。
【0110】ところで、前述により定義された直交座標
系において、四輪のタイヤが全て正規内圧状態であり、
同等の直進又は近似直進定常走行時における前記前後輪
速左右比からなる座標(PF ,PR )は、図15に示す
ように比較的強い正の相関を有するが、この相関は当該
直交座標系において前述のように、前左輪のタイヤ内圧
低下(減圧)に伴って基準点の右方,即ち前輪速左右比
の増加領域に移動し、前右輪の減圧に伴って基準点の左
方,即ち前輪速左右比の減少領域に移動し、後左輪の減
圧に伴って基準点の上方,即ち後輪速左右比の増加領域
に移動し、後右輪の減圧に伴って基準点の下方,即ち後
輪速左右比の減少領域に移動する。前記図15は固定型
判定領域Aに対する前後輪左右比の変化を示すものであ
るが、この傾向が前記変動型判定領域Bに対しても同様
であることは自明であろう。
【0111】ここで、例えば前記固定型判定領域Aにお
いて、前記図4の演算処理のステップS5での図7の演
算処理におけるステップS501で前記5式に従って算
出される左右輪速比前後差D1 に着目すると、前記タイ
ヤ内圧低下による車輪回転角速度(車輪速)の変化と、
輪荷重変化による車輪速の変化の増減傾向及びその大き
さに従って、前左輪9Lのタイヤ内圧が低下した場合に
は、その他の車輪の輪荷重変化に伴う車輪速の変化率よ
りも当該前左輪速VwFLの増加率の方が大きいから、当
該5式の右辺第1項が大きくなって左右輪速比前後差D
1 は増加し、また後右輪6Rのタイヤ内圧が低下した場
合にも、当該5式の右辺第2項が小さくなって左右輪速
比前後差D1 が増加する。逆に、前右輪9Rのタイヤ内
圧が低下した場合や、後左輪6Lのタイヤ内圧が低下し
た場合には、当該左右輪速比前後差D1 は減少する。こ
れを実験により検証した結果が図18aである。
【0112】従って、四輪が正規内圧にあるときの左右
輪速比前後差D1 を、左右輪速比前後差の初期値D100
とし、前記図4の演算処理のステップS9で実行される
前記図8の演算処理のステップS901で前記9式に従
って、差分累積値の平均値(ΣD1 /n0 )から、この
初期値D100 を減じて得られる固定型左右輪速比前後差
の平均値 aveD1Aが不感帯を越える正値となって増加す
るときは、前左輪9L又は後右輪6Rのタイヤ内圧が低
下していることになり、当該固定型左右輪速比前後差の
平均値 aveD1Aが不感帯を越える負値となって減少する
ときは、前右輪9R又は後左輪6Lのタイヤ内圧が低下
していることになる。そこで、図4の演算処理のステッ
プS10の内圧低下輪特定で実行される図11の演算処
理のステップS1001では、固定型左右輪速比前後差
の平均値 aveD1Aが前輪用所定左右輪速比前後差の負値
(−D1F0 )を越えて小さいときには、それ以後のステ
ップで前右輪9R又は後左輪6Lの何れのタイヤ内圧が
低下しているかが判定されて特定され、同ステップS1
003では、固定型左右輪速比前後差の平均値 aveD1A
が前輪用所定左右輪速比前後差の正値D1F0 を越えて大
きいときには、それ以後のステップで前左輪9L又は後
右輪6Rの何れのタイヤ内圧が低下しているかが判定さ
れて特定され、それらの何れでもない場合にはステップ
S1015で全ての車輪のタイヤ内圧が正規内圧又はそ
の近傍であるとして、固定用内圧注意制御信号FCAi
び固定用内圧警告制御信号FWAi がOFF状態に設定さ
れることになる。
【0113】なお、本実施例では、前記図18aに示す
ように、同等のタイヤ内圧低下率であっても、前輪のタ
イヤ内圧が低下した場合と、後輪のタイヤ内圧が低下し
た場合とで、左右輪速比の前後差D1 の変化量が異な
る。これは、車両の前後輪荷重配分によるところが大き
いが、この特性に応じて本実施例では、後述する前記ス
テップS1001以後のステップS1006で後左輪6
Lのタイヤ内圧が低下していることを判定して特定する
際に、前記固定用左右輪速比前後差の平均値 aveD1A
後輪用所定左右輪速比前後差の負値(−D1R0 )を越え
て小さいことを確認し、後述する前記ステップS100
3以後のステップS1021で後右輪6Rのタイヤ内圧
が低下していることを判定して特定する際に、前記固定
用左右輪速比前後差の平均値 aveD1Aが後輪用所定左右
輪速比前後差の正値D1R0 を越えて大きいことを確認し
ている。
【0114】また、前記左右輪速比前後差D1 の代わり
に下記11式で算出される前後輪速左右比D2 を用いて
もよい。 D2 =VwFL/VwRL−VwFR/VwRR ………(11) この前後輪速左右比D2 を用いた場合も、前記タイヤ内
圧低下による車輪回転角速度(車輪速)の変化と、輪荷
重変化による車輪速の変化の増減傾向及びその大きさに
従って、前左輪9Lのタイヤ内圧が低下した場合には、
前記11式の右辺第1項が大きくなって前後輪速比左右
差D2 は増加し、また後右輪6Rのタイヤ内圧が低下し
た場合にも、当該11式の右辺第2項が小さくなって前
後輪速比左右差D3 が増加する。逆に、前右輪9Rのタ
イヤ内圧が低下した場合には、前記11式の右辺第2項
が大きくなって前後輪速比左右差D2 は減少し、また後
左輪6Lのタイヤ内圧が低下した場合には、当該11式
の右辺第1項が小さくなって当該前後輪速比左右差D2
は減少する。これを実験により検証した結果が図8bで
ある(但し、図では、縦軸を前後輪速比左右差の負値
(−D2 )で表記しているため、増減の方向が一見,逆
転している)。
【0115】従って、前記と同様に、四輪が正規内圧に
あるときの前後輪速比左右差D2 を、前後輪速比左右差
の初期値D200 とし、前記図4の演算処理と同様に、そ
の差分累積値の平均値(ΣD2 /n0 )から、この初期
値D200 を減じて得られる固定用前後輪速比左右差の平
均値 aveD2Aが不感帯を越える正値となって増加すると
きは、前左輪9L又は後右輪6Rのタイヤ内圧が低下し
ていることを判定して特定することができ、当該固定用
左右輪速比前後差の平均値 aveD2Aが不感帯を越える負
値となって減少するときは、前右輪9R又は後左輪6L
のタイヤ内圧が低下していることを判定して特定するこ
とができる。
【0116】一方、前記図4の演算処理のステップS1
0で実行される図7の演算処理のステップS502で前
記6式に従って算出される対角輪速比差D3 に着目する
と、前記タイヤ内圧低下による車輪回転角速度(車輪
速)の変化と、輪荷重変化による車輪速の変化の増減傾
向及びその大きさに従って、前左輪9Lのタイヤ内圧が
低下した場合には、当該6式の右辺第1項が大きくなっ
て対角輪速比差D3 は増加し、また後左輪6Lのタイヤ
内圧が低下した場合にも、当該6式の右辺第2項が小さ
くなって対角輪速比差D3 が増加する。逆に、前右輪9
Rのタイヤ内圧が低下した場合には、前記6式の右辺第
2項が大きくなって対角輪速比差D3 が減少し、後右輪
6Rのタイヤ内圧が低下した場合にも、当該6式の右辺
第1項が小さくなって対角輪速比差D3 は減少する。こ
れを実験により検証した結果が図18cである。
【0117】従って、四輪が正規内圧にあるときの対角
輪速比差D3 を、対角輪速比差の初期値D300 とし、前
記図4の演算処理のステップS9で実行される図10の
演算処理のステップS902で前記10式に従って、差
分累積値の平均値(ΣD3 /n0 )から、この初期値D
300 を減じて得られる固定用対角輪速比差の平均値 ave
3Aが不感帯を越える正値となって増加するときは、前
左輪9L又は後左輪6Lのタイヤ内圧が低下しているこ
とになり、当該固定用対角輪速比前後差の平均値 aveD
3Aが不感帯を越える負値となって減少するときは、前右
輪9R又は後右輪6Rのタイヤ内圧が低下していること
になる。そこで、図4の演算処理のステップS10の内
圧低下輪特定で実行される図11の演算処理のステップ
S1001以後のステップS1002では、固定用対角
輪速比差の平均値 aveD3Aが所定対角輪速比差の負値
(−D30)を越えて小さいときには、前右輪9Rのタイ
ヤ内圧が低下していると判定されて特定され、そうでな
いときには、後左輪6Lのタイヤ内圧が低下していると
判定されて特定され、一方、前記ステップS1003以
後のステップS1014では、固定用対角輪速比差の平
均値 aveD3Aが所定対角輪速比差の正値D30を越えて大
きいときには、前左輪9Lのタイヤ内圧が低下している
と判定されて特定され、そうでないときには、後右輪6
Rのタイヤ内圧が低下していると判定されて特定され
る。但し、前記ステップS1002以後のステップS1
005で固定用対角輪速比差の平均値 aveD3Aが所定対
角輪速比差の正値D30を越えて大きくないときや、前記
ステップS1014以後のステップS1017で固定用
対角輪速比差の平均値 aveD3Aが所定対角輪速比差の負
値(−D30)を越えて小さくないときには、前記タイヤ
内圧低下車輪特定の原則に反する状態であるから、それ
以後のタイヤ内圧低下車輪特定を行わずにメインプログ
ラムに復帰する。
【0118】そして、このようにしてタイヤ内圧の低下
している車輪が特定される度に、即ち前記前後輪速左右
比からなる座標(PF ,PR )が前記固定型判定領域A
に包含されるときの左右輪速比前後差D1 及び対角輪速
比差D3 を所定カウント値n 0 個サンプリングし、その
固定用左右輪速比前後差の平均値 aveD1A及び固定用対
角輪速比差の平均値 aveD3Aに応じてタイヤ内圧の低下
している車輪が特定される度に、当該タイヤ内圧の低下
している車輪の固定用内圧注意カウンタNAi(i=FL
〜RR)を、前記図11の演算処理のステップS100
4又はステップS1007又はステップS1016又は
ステップS1022でインクリメントし、この固定用内
圧注意カウンタNAiが所定カウント値N0 以下であると
きには、同ステップS1010又はステップS1013
又はステップS1020又はステップS1025で当該
車輪の固定用内圧注意制御信号FCAi をON状態とし、
この固定用内圧注意カウンタNAiが所定カウント値N0
より大きくなると、同ステップS1009又はステップ
S1012又はステップS1019又はステップS10
24で当該車輪の固定用内圧警告制御信号FWAi をON
状態とする。
【0119】一方、図4の演算処理のステップS12で
実行される前記図12の演算処理による前記変動用左右
輪速比前後差の平均値 aveD1B及び変動用対角輪速比差
の平均値 aveD3Bを用いたタイヤ内圧低下車輪の特定原
理も、基本的には前記固定用左右輪速比前後差の平均値
aveD1A及び固定用対角輪速比差の平均値 aveD3Aを用
いたタイヤ内圧低下車輪の特定原理と全く同様であり、
具体的には前記図11の演算処理による作用の説明にお
いてステップ番号S1000番代をS1200番代に変
更し、「固定用」とある記載を「変動用」に変更し、添
字「A」を「B」に変更すればよく、結果的に前記変動
用左右輪速比前後差の平均値 aveD1B及び変動用対角輪
速比差の平均値 aveD3Bに応じてタイヤ内圧の低下して
いる車輪が特定される度に、当該タイヤ内圧の低下して
いる車輪の変動用内圧注意カウンタNBi(i=FL〜R
R)を、前記図11の演算処理のステップS1204又
はステップS1207又はステップS1216又はステ
ップS1222でインクリメントし、この変動用内圧注
意カウンタNBiが所定カウント値N0 以下であるときに
は、同ステップS1210又はステップS1213又は
ステップS1220又はステップS1225で当該車輪
の変動用内圧注意制御信号FCBi をON状態とし、この
変動用内圧注意カウンタNBiが所定カウント値N0 より
大きくなると、同ステップS1209又はステップS1
212又はステップS1219又はステップS1224
で当該車輪の変動用内圧警告制御信号FWBi をON状態
とする。但し、前記図11の演算処理のステップS12
00では、前記変動用基準値設定禁止フラグF2
“1”に設定されて前記変動型判定領域B及び前記変動
用左右輪速比前後差基準値D110 及び変動用対角輪速比
差基準値D310 が設定されていない場合には、メインプ
ログラムに復帰してしまうので、前述のようなタイヤ内
圧低下車輪の特定は行われない。
【0120】ここで、前記変動用左右輪速比前後差基準
値D110 及び変動用対角輪速比差基準値D310 並びに変
動用左右輪速比前後差の平均値 aveD1B及び変動用対角
輪速比差の平均値 aveD3Bについて考察すると、前述の
ように変動用左右輪速比前後差基準値D110 及び変動用
対角輪速比差基準値D310 は、変動型判定領域設定禁止
フラグF1 が“1”にセットされ且つ変動型基準値設定
禁止フラグF2 が“0”にリセットされているとき、即
ち前記累積カウンタnが所定累積カウント値n D となっ
て変動型判定領域Bが設定されたときの固定用左右輪速
比前後差の平均値 aveD1A,固定用対角輪速比差の平均
値 aveD3Aから設定される。従って、この変動用左右輪
速比前後差基準値D110 及び変動用対角輪速比差基準値
310 は、予め設定された初期値D10,D300 を除く当
該走行車両の輪荷重変動に応じた各車輪速比差であり、
前記差分累積値の平均値(ΣD1 /n0 )から前記初期
値D100 を減じた固定用左右輪速比前後差 aveD1Aから
更に前記変動用左右輪速比前後差基準値D110 を減じて
得られる変動用左右輪速比前後差の平均値 aveD1Bや、
前記差分累積値の平均値(ΣD3 /n0 )から前記初期
値D300 を減じた固定用対角輪速比差の平均値 aveD3A
から更に対角輪速比差基準値D310 を減じて得られる変
動用対角輪速比差の平均値 aveD3Bは、前述のように輪
荷重が変動していると考えられる車両でタイヤ内圧低下
車輪を特定するのに最適な評価値であることが分かる。
従って、前述と同様に変動用左右輪速比前後差の平均値
aveD 1B及び変動用対角輪速比差の平均値 aveD3Bを用
いて、各所定値との比較を行うことで、タイヤ内圧が低
下している車輪を正確に特定することができる。但し、
前記変動型判定領域Bが設定されたとき,既に或る車輪
のタイヤ内圧が低下している可能性を考慮して、本実施
例では前記固定用左右輪速比前後差の平均値 aveD1A
び固定用対角輪速比差の平均値 aveD3Aを用いたタイヤ
内圧低下車輪特定を並行して行う。
【0121】そして、図4の演算処理のステップS13
で実行される前記図13の演算処理では、前記全ての制
御信号FCAi ,FCBi ,FWAi ,FWBi がOFF状態に
あるとき、同ステップS1307で内圧注意制御信号F
Ciも内圧警告制御信号FWiもOFF状態に設定するが、
固定用内圧注意制御信号FCAi 又は変動用内圧注意制御
信号FCBi の何れかがON状態にあるとき、同ステップ
S1309で内圧注意制御信号FCiのみをON状態と
し、前記固定用内圧警告制御信号FWAi 又は変動用内圧
警告制御信号FWBi の何れかがON状態にあるとき、同
ステップS1306で内圧警告制御信号FWiのみをON
状態とし、これにより、前記ON状態の内圧注意制御信
号FCiを入力した前記駆動回路53FL〜53RRから
は該当する車輪表示ランプ35FL〜35RRを点滅す
る駆動信号LDFL〜LDRRが出力されて、インストゥル
メントパネル上の該当車輪表示ランプ35FL〜35R
Rが点滅し、前記ON状態の内圧警告制御信号FWiを入
力した前記駆動回路53FL〜53RRからは該当する
車輪表示ランプ35FL〜35RRを点灯する駆動信号
LDFL〜LDRRが出力されて、インストゥルメントパネ
ル上の該当車輪表示ランプ35FL〜35RRが点灯す
るから、運転者を含む乗員は当該車輪のタイヤ内圧が低
下していることを認識することができる。
【0122】なお、本実施例で定義された各車輪回転角
速度比は、前述のように分子/分母を入れ換えても同様
の傾向を示すことから、それらの分子/分母を入れ換え
た車輪回転角速度比を用いてタイヤ内圧低下の検出を行
ってもよい。また、前記車輪回転角速度比の分子/分母
を入れ換えても、その差分値はタイヤ内圧の低下率に応
じて一様の傾向を示すことから、前記各車輪回転角速度
比の差分値の算出は、前述に限定されるものでなくとも
よい。
【0123】また、本実施例では固定型判定領域を用い
た直進又は近似直進定常走行状態の判定及び当該固定型
判定領域における車輪速比座標からのタイヤ内圧低下輪
特定を併用する場合についてのみ詳述したが、本発明の
タイヤ内圧低下検出装置は、必ずしもこれを併用しなけ
ればならないものではない。また、本実施例では輪荷重
変動の可能性のある入力信号として、イグニッションス
イッチのON信号,ドア信号,トランクリッド信号,フ
ューエルリッド信号を全て採用したが、本発明のタイヤ
内圧低下検出装置では、このうちの何れか又は2以上を
同時に採用するようにすることも可能である。
【0124】また、本実施例では車輪速(=車体回転角
速度)の微分値や差分値から車体前後加速度を算出して
検出する構成としたが、例えば車体に前後加速度センサ
を設けて直接的に検出するようにしてもよい。但し、そ
の場合には当該前後加速度センサのコストが高くなるこ
とに留意したい。また、前記実施例では、前記1式及び
2式に従って平均車輪速からなる車体速VC を微分して
平均車体前後加速度Xgを算出したが、例えば先に各輪
の回転加速度を算出してその平均値から車体前後加速度
を算出するようにしてもよい。そして、その場合には大
き過ぎたり小さ過ぎたりする回転加速度の車輪ではスリ
ップが発生していると判定して、その車輪回転加速度を
用いずに前記車体前後加速度を算出するようにしてもよ
い。
【0125】また、これらの実施例においては、タイヤ
内圧低下検出装置をマイクロコンピュータで構成した場
合について説明したが、演算回路等の電子回路を組み合
わせて構成するようにしてもよい。また、前記車輪角速
度検出手段としての車輪速センサは、所謂アンチスキッ
ド制御装置等のその他の車両運動制御装置と共用しても
よい。また、それの伴って,前記マイクロコンピュータ
等で構成される演算処理装置を共用化することも可能と
なる。
【0126】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のタイ
ヤ内圧低下検出装置によれば、前二輪の回転角速度の左
右比と後二輪の回転角速度の左右比とを直交座標軸に設
定し、乗員数や積載量による車両走行中の輪荷重変動に
応じた基準点を通る微増二直線に微小幅を加えた和集合
からなる変動型判定領域に、前記前二輪の車輪回転角速
度検出値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値の左
右比とからなる座標点が包含されているときは、車両が
直進又は近似直進定常走行しているときであることを正
確に判定することができる。
【0127】また、或る車輪のタイヤの内圧変化に伴っ
て発生する他の車輪の輪荷重変化に応じた前記変動型判
定領域に、前記前後輪回転角速度左右比の座標点が包含
されていることを判定するだけで、車両の直進又は近似
直進定常走行していることを判定することができるか
ら、その判定結果に基づいて各車輪のタイヤの内圧低下
を検出するための条件を設定することで、複雑な補正を
行うことなく、当該車両の直進又は近似直進定常走行時
にのみ、各車輪のタイヤの内圧低下を正確に検出するこ
とができる。
【0128】また、予め設定された四輪正規内圧時の固
定型判定領域に、前記前記前後輪回転角速度左右比の座
標点が包含されていることを判定し、それに応じて車両
の直進又は近似直進定常走行していることを判定すれ
ば、前記変動型判定領域が設定される以前のタイヤ内圧
低下が発生していることも検出することができる。ま
た、前記基準点に対する前記前二輪の車輪回転角速度検
出値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値の左右比
とからなる座標点の存在領域から、タイヤ内圧が低下し
ている車輪を正確に特定することができる。
【0129】また、前記前二輪の車輪回転角速度検出値
の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値の左右比との
差、又は左二輪の車輪回転角速度検出値の前後比と右二
輪の車輪回転角速度検出値の前後比との差を基準値と比
較することで、車両で互いに対角位置となる二輪を特定
することができ、更に車両で互いに対角位置となる前後
左右輪の回転角速度検出値の対角比の差を基準値と比較
することで、それらの対角位置のうちの何れの車輪のタ
イヤ内圧が低下しているかを特定することが可能とな
る。
【0130】また、前後加速度検出値が零又は略零であ
るときの各車輪回転角速度検出値から前記タイヤ内圧低
下の検出条件を設定することにより、駆動左右輪間に差
動制限装置が設けられている場合の各駆動輪回転角速度
の左右差の変動要素を排除して、タイヤ内圧が低下して
いる車輪を特定する際やタイヤ内圧が低下していること
自体を検出する際の誤判断を回避することができる。
【0131】また、各車輪回転角速度検出値の微分値
や、その差分値から、車両の前後方向加速度を検出する
こととすれば、前後加速度センサ等の検出器を個別に設
ける必要がなくなり、コスト的に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ内圧低下検出装置の基本構成図
である。
【図2】本発明のタイヤ内圧低下検出装置の一実施例を
示す概略構成図である。
【図3】図2のコントロールユニットを示すブロック図
である。
【図4】図3のコントロールユニットで実行される演算
処理のフローチャートである。
【図5】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプロ
グラムによる演算処理のフローチャートである。
【図6】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプロ
グラムによる演算処理のフローチャートである。
【図7】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプロ
グラムによる演算処理のフローチャートである。
【図8】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプロ
グラムによる演算処理のフローチャートである。
【図9】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプロ
グラムによる演算処理のフローチャートである。
【図10】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプ
ログラムによる演算処理のフローチャートである。
【図11】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプ
ログラムによる演算処理のフローチャートである。
【図12】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプ
ログラムによる演算処理のフローチャートである。
【図13】図4の演算処理の一部で実行されるマイナプ
ログラムによる演算処理のフローチャートである。
【図14】図4のフローチャートで使用される前後輪速
左右比の固定型判定領域の説明図である。
【図15】図14の座標系で各車輪が減圧したときの前
後輪速左右比座標の変化の状態を示す説明図である。
【図16】図14の座標系で各車輪の輪荷重が変動した
ときの前後輪速左右比座標の変化の状態を示す説明図で
ある。
【図17】図4のフローチャートで使用される前後輪速
左右比の変動型判定領域の説明図である。
【図18】タイヤ内圧が低下している車輪を特定するた
めの車輪回転角速度比の差分値の説明図である。
【符号の説明】
6L,6Rは後左右輪 9L,9Rは前左右輪 35FL〜35RRは車輪表示ランプ 40はコントロールユニット 42はドアスイッチ 43はトランクリッドスイッチ 44はフューエルリッドスイッチ 45はブレーキスイッチ 46FL〜46RRは車輪速センサ 51はマイクロコンピュータ 53FL〜53RRは駆動回路

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪の回転角速度を検出する車
    輪角速度検出手段と、前記車輪角速度検出手段で検出さ
    れた車輪回転角速度検出値に基づいて各車輪のタイヤの
    内圧低下を直進又は近似直進定常走行時に検出するタイ
    ヤ内圧低下検出手段と、各車輪の輪荷重の変動を検出す
    る輪荷重変動検出手段と、各車輪のタイヤの内圧低下を
    検出するための条件を、車両の前二輪の回転角速度の左
    右比と後二輪の回転角速度の左右比とを直交座標軸に設
    定する条件設定手段と、前記輪荷重変動検出手段が、各
    車輪の輪荷重の変動を検出したとき、前記車輪角速度検
    出手段で検出された所定数の前二輪の車輪回転角速度検
    出値の左右比の平均値と所定数の後二輪の車輪回転角速
    度検出値の左右比の平均値とからなる座標点を変動型基
    準点とし、前記変動型基準点を通り且つ前二輪の回転角
    速度左右比が増加したときに後二輪の回転角速度左右比
    が微増する直線に微小幅を与えた領域と、前記変動型基
    準点を通り且つ後二輪の回転角速度左右比が増加したと
    きに前二輪の回転角速度左右比が微増する直線に微小幅
    を与えた領域との和集合を変動型判定領域に設定する変
    動領域設定手段と、前記変動領域設定手段で設定された
    変動型判定領域に、前記車輪角速度検出手段で検出され
    た前二輪の車輪回転角速度検出値の左右比と後二輪の車
    輪回転角速度検出値の左右比とからなる座標点が包含さ
    れているとき、各車輪のタイヤの内圧低下検出の条件を
    付与する変動領域判定手段とを備えたことを特徴とする
    タイヤ内圧低下検出装置。
  2. 【請求項2】 前記輪荷重変動検出手段は、イグニッシ
    ョンスイッチのON信号であることを特徴とする請求項
    1に記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  3. 【請求項3】 前記輪荷重変動検出手段は、ドアスイッ
    チの開閉信号であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  4. 【請求項4】 前記輪荷重変動検出手段は、トランクリ
    ッドスイッチの開閉信号であることを特徴とする請求項
    1乃至3の何れかに記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  5. 【請求項5】 前記輪荷重変動検出手段は、フューエル
    リッドスイッチの開閉信号であることを特徴とする請求
    項1乃至4の何れかに記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  6. 【請求項6】 前記条件設定手段は、車両の前二輪の回
    転角速度の左右比と後二輪の回転角速度の左右比とを直
    交座標軸に設定したとき、四輪のタイヤ内圧が予め設定
    された所定の正規内圧状態での直進定常走行時の前二輪
    の回転角速度左右比と後二輪の回転角速度左右比とから
    なる座標点を固定型基準点とし、前記固定型基準点を通
    り且つ前二輪の回転角速度左右比が増加したときに後二
    輪の回転角速度左右比が微増する直線に微小幅を与えた
    領域と、前記固定型基準点を通り且つ後二輪の回転角速
    度左右比が増加したときに前二輪の回転角速度左右比が
    微増する直線に微小幅を与えた領域との和集合からなる
    予め設定された固定型判定領域に、前記車輪角速度検出
    手段で検出された前二輪の車輪回転角速度検出値の左右
    比と後二輪の車輪回転角速度検出値の左右比とからなる
    座標点が包含されているとき、各車輪のタイヤの内圧低
    下検出の条件を付与する固定領域判定手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ内
    圧低下検出装置。
  7. 【請求項7】 前記タイヤ内圧低下検出手段は、前記車
    輪角速度検出手段で検出された前二輪の車輪回転角速度
    検出値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値の左右
    比とからなる座標点が、前記変動領域判定手段における
    変動型判定領域の変動型基準点又は前記固定領域判定手
    段における固定型判定領域の固定型基準点に対して当該
    判定領域の何れの領域にあるかに応じてタイヤの内圧が
    低下している車輪を特定するタイヤ内圧低下車輪特定手
    段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに
    記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  8. 【請求項8】 前記タイヤ内圧低下車輪特定手段は、前
    記車輪角速度検出手段で検出された前二輪の車輪回転角
    速度検出値の左右比と後二輪の車輪回転角速度検出値の
    左右比との差と、互いに対角位置となる前後左右輪の回
    転角速度検出値の対角比の差とを、夫々変動型基準値又
    は固定型基準値と比較してタイヤの内圧が低下している
    車輪を特定することを特徴とする請求項7に記載のタイ
    ヤ内圧低下検出装置。
  9. 【請求項9】 前記タイヤ内圧低下車輪特定手段は、前
    記車輪角速度検出手段で検出された左二輪の車輪回転角
    速度検出値の前後比と右二輪の車輪回転角速度検出値の
    前後比との差と、互いに対角位置となる前後左右輪の回
    転角速度検出値の対角比の差とを、夫々変動型基準値又
    は固定型基準値と比較してタイヤの内圧が低下している
    車輪を特定することを特徴とする請求項7に記載のタイ
    ヤ内圧低下検出装置。
  10. 【請求項10】 前記タイヤ内圧低下車輪特定手段は、
    前記変動領域設定手段が前記変動型基準点及び変動型判
    定領域を設定したときの前記車輪角速度検出手段で検出
    された前二輪の車輪回転角速度検出値の左右比と後二輪
    の車輪回転角速度検出値の左右比との差又は前記左二輪
    の車輪回転角速度検出値の前後比と右二輪の車輪回転角
    速度検出値の前後比との差及び前記互いに対角位置とな
    る前後左右輪の回転角速度検出値の対角比の差を、夫々
    前記変動型基準値に設定することを特徴とする請求項8
    又は9に記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  11. 【請求項11】 車両の前後方向加速度を検出する前後
    加速度検出手段を備え、前記条件設定手段は、前記前後
    加速度検出手段で検出された前後加速度検出値が零又は
    略零であるときの前記車輪角速度検出手段で検出された
    各車輪回転角速度検出値から前記タイヤの内圧低下の検
    出条件を設定することを特徴とする請求項1乃至10の
    何れかに記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  12. 【請求項12】 前記前後加速度検出手段は、前記車輪
    角速度検出手段で検出された各車輪回転角速度検出値の
    微分値から車両の前後方向加速度を検出することを特徴
    とする請求項11に記載のタイヤ内圧低下検出装置。
  13. 【請求項13】 前記前後加速度検出手段は、前記車輪
    角速度検出手段で検出された各車輪回転角速度検出値の
    差分値から車両の前後方向加速度を検出することを特徴
    とする請求項11に記載のタイヤ内圧低下検出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10392140B4 (de) * 2002-02-18 2006-09-21 Advics Co., Ltd., Kariya Vorrichtung zur Bestimmung der Geradeausfahrt eines Fahrzeugs
JP2013129405A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Aisin Seiki Co Ltd 車両の直進判定装置及びその方法

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