JPH08279341A - 帯電防止低反射型陰極線管およびその製造方法 - Google Patents

帯電防止低反射型陰極線管およびその製造方法

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JPH08279341A
JPH08279341A JP33015995A JP33015995A JPH08279341A JP H08279341 A JPH08279341 A JP H08279341A JP 33015995 A JP33015995 A JP 33015995A JP 33015995 A JP33015995 A JP 33015995A JP H08279341 A JPH08279341 A JP H08279341A
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film
layer
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low reflection
forming
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JP33015995A
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Yoshihiro Suzuki
良裕 鈴木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゾル−ゲル法により形成される帯電防止低反
射膜を陰極線管のフェースプレートの外表面に十分な強
さで密着させることを目的とする。 【解決手段】 ガラス製フェースプレート3 の外表面に
ゾル−ゲル法による光干渉2層膜からなる帯電防止低反
射膜11が形成されてなる帯電防止低反射型陰極線管にお
いて、フェースプレートの外表面と帯電防止低反射膜と
の間にゾル−ゲル法による膜厚50〜100オングスト
ロームのシリカ膜 15 設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光干渉2層膜か
らなる帯電防止低反射膜が形成されてなる帯電防止低反
射型陰極線管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばカラー受像管などの陰極線管
は、外表面が平滑な曲面からなるガラス製パネル(フェ
ースプレート)の内面に蛍光体スクリーンが設けられ、
ファンネルのネック内に封止された電子銃から放出され
る電子ビームにより上記蛍光体スクリーンを走査するこ
とにより、画像を表示する構造に形成されている。この
ような陰極線管においては、通常蛍光体スクリーン上に
高輝度画像を表示するため、蛍光体スクリーンおよび電
子銃の最終加速電極に20〜30kV程度の高電圧が印
加される。したがってこのような陰極線管においては、
その蛍光体スクリーンに印加された電圧がフェースプレ
ートの外表面に誘導されて帯電する。そのため、このフ
ェースプレートの外表面に接触すると強い電撃を受ける
ことがある。またその帯電により、フェースプレートの
外表面に大気中のごみや塵埃が付着して画像がみにくく
なる。さらに上記帯電とは別に、平滑な外表面で外光の
反射がおこり、この外光の反射がフェースプレートを介
してみる蛍光体スクリーン上の画像と重なって画像品位
を劣化させる。特にコンピュータのディスプレイなどで
は、至近距離から画面をみることが多いので、上記外光
の反射が目の疲労を促進するなどの問題がある。
【0003】したがってこのような問題を解決するため
に、従来よりフェースプレートの外表面に帯電防止低反
射膜を形成した陰極線管がある。
【0004】その帯電防止低反射膜の形成方法として、
導電性をもつ金属酸化物の微粒子をシリコンアルコキシ
ドのアルコール溶液に分散させた分散液をフェースプレ
ートの外表面にスプレー法により塗布し、乾燥焼成して
凹凸膜を形成し、その表面の凹凸により外光を拡散反射
させることにより反射率を低減する帯電防止低反射膜を
形成する方法がある。しかしこの帯電防止低反射膜は、
その表面の凹凸により、蛍光体スクリーン上に描かれる
画像の解像度が劣化し、極端な場合は、フェースプレー
トの外表面がすりガラス状となって、画面が白っぽくな
り、フェースプレートを介してみる蛍光体スクリーン上
の画像のコントラストを低下させるなどの問題がある。
【0005】また他の帯電反射防止方法として、真空蒸
着法やスパッタリング法などの気相法により、ガラスプ
レート上に光干渉多層膜を形成し、このガラスプレート
を陰極線管のフェースプレートの外表面に貼着し、光の
干渉効果により外光の反射を抑制する方法がある。しか
しこの帯電反射防止方法は、大掛りな製造装置が必要で
あり、コストが高くなる。そのため、一部の高級機種に
しか採用できないという問題がある。
【0006】上記帯電反射防止方法の問題点を解決する
方法として、直接陰極線管のフェースプレートの外表面
にゾル−ゲル法により光干渉多層膜からなる帯電防止低
反射膜を形成する方法が開発されている。このゾル−ゲ
ル法によれば、低コストの材料を用いて簡単な製造設備
により、解像度やコントラストの低下のない帯電防止低
反射膜を形成することができる。
【0007】一般に上記ゾル−ゲル法による帯電防止低
反射膜は、形成の容易さからフェースプレートの外表面
側に高屈折率層、その上に低屈折率層を形成して光干渉
2層膜とする場合が多い。しかしゾル−ゲル法により、
このような光干渉2層膜からなる帯電防止低反射膜を形
成すると、一般に高屈折率層に用いられる材料は、ガラ
ス製フェースプレートと密着性の悪いものが多いため、
低屈折率層をフェースプレートと密着性のよいシリカで
形成しても、光干渉2層膜の形成に必要な200℃程度
の温度の焼成では、フェースプレートに対して帯電防止
低反射膜を十分な強さで密着させることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、陰極線
管のフェースプレート外表面の帯電防止低反射膜とし
て、直接フェースプレートの外表面にゾル−ゲル法によ
り光干渉2層膜からなる帯電防止低反射膜を形成する方
法がある。一般にこのゾル−ゲル法による光干渉2層膜
からなる帯電防止低反射膜は、フェースプレートの外表
面側に高屈折率層、その上に低屈折率層を形成して2層
膜としている。しかしゾル−ゲル法により、このような
光干渉2層膜からなる帯電防止低反射膜を形成すると、
高屈折率層に用いられる材料は、ガラス製フェースプレ
ートと密着性の悪いものが多いため、低屈折率層をフェ
ースプレートと密着性のよいシリカで形成しても、光干
渉2層膜の形成に必要な200℃程度の温度の焼成で
は、フェースプレートに対して帯電防止低反射膜を十分
な強さで密着させることができないという問題がある。
【0009】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、ゾル−ゲル法により形成される帯
電防止低反射膜を陰極線管のフェースプレートの外表面
に十分な強さで密着させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明においては、ガラス製フェースプレートの
外表面にゾル−ゲル法による光干渉2層膜からなる帯電
防止低反射膜が形成されてなる帯電防止低反射型陰極線
管において、フェースプレートの外表面と帯電防止低反
射膜との間にゾル−ゲル法による膜厚50〜100オン
グストロームのシリカ膜を設けた。
【0011】また、ガラス製フェースプレートの外表面
にゾル−ゲル法により光干渉2層膜からなる帯電防止低
反射膜を形成する帯電防止低反射型陰極線管の製造方法
において、フェースプレートの外表面にアルコールに可
溶な珪素化合物のアルコール溶液を塗布し乾燥して珪素
化合物膜を成膜し、この珪素化合物膜上に導電性高屈折
率層形成液を塗布し乾燥して光干渉2層膜の導電性高屈
折率層を形成するための第1層を成膜し、この第1層上
に低屈折率層形成液を塗布し乾燥して光干渉2層膜の低
屈折率層を形成するための第2層を成膜したのち、これ
ら珪素化合物膜、第1層および第2層を所定温度で加熱
焼成してフェースプレートの外表面上にゾル−ゲル法に
よりシリカ膜を介して光干渉2層膜からなる帯電防止低
反射膜を形成するようにした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0013】図1(a)にその一形態であるカラー受像
管を示す。このカラー受像管は、外表面が平滑な曲面か
らなる有効部1の周辺部にスカート部2が設けられたガ
ラス製パネル3(フェースプレート)とそのスカート部
2に接合された漏斗状のファンネル4からなる真空外囲
器を有し、そのパネル3の有効部1の内面に、青、緑、
赤に発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン5
が設けられ、この蛍光体スクリーン5に対向して、その
内側にシャドウマスク6が配置されている。一方、ファ
ンネル4のネツク7内に3電子ビームを放出する電子銃
8が封止されている。そして、この電子銃8から放出さ
れる3電子ビームをファンネル4の外側に装着された偏
向装置(図示せず)の発生する磁界により偏向して、上
記蛍光体スクリーン5を水平、垂直走査することによ
り、カラー画像を表示する構造に形成されている。
【0014】さらにこのカラー受像管においては、パネ
ル3のスカート部2の外周に防爆バンド10が取付けら
れている。またパネル3の有効部1の外表面に下記帯電
防止低反射膜11が形成され、上記防爆バンド10に導
電接続されている。なお、帯電防止低反射膜11は、カ
ラー受像管を受像機に組込むとき、その防爆バンド10
を介してアース接続される。
【0015】上記帯電防止低反射膜11は、図1(b)
に示したように、パネル3の有効部1の外表面側に導電
性高屈折率層13が形成され、この導電性高屈折率層1
3上に低屈折率層14が形成された光学干渉2層膜から
なる。その導電性高屈折率層13は、ATO(Antimony
Tin Oxide)やITO(Indium Tin Oxide)などの導電
性微粒子のほか、蛍光体スクリーン5上に描かれる画像
のコントラストを向上させるための光選択吸収染料また
は有機顔料などを必要に応じて分散したシリカ層からな
る。一方、低屈折率層14は、シリカ層からなる。特に
この例のカラー受像管においては、パネル3の有効部1
の外表面と上記帯電防止低反射膜11の導電性高屈折率
層13との間に膜厚50〜100オングストロームのシ
リカ層15が設けられ、このシリカ層15を介してパネ
ル3の有効部1の外表面上に帯電防止低反射膜11が形
成されている。
【0016】このような帯電防止低反射膜11は、既知
の製造方法によりカラー受像管を製造したのち、ゾル−
ゲル法により形成される。
【0017】すなわち、写真印刷法によりシャドウマス
ク6を光学マスクとしてパネル3の内面に蛍光体スクリ
ーン5を形成したのち、この蛍光体スクリーン5の形成
されたパネル3にシャドウマスク6を装着する。そして
このシャドウマスク6の装着されたパネル3とファンネ
ル4とを接合(封着)する。さらにその接合により得ら
れた外囲器のネック7内に電子銃8を封止して排気す
る。その後、パネル3のスカート部2の外周に防爆バン
ド10が取付ける。
【0018】帯電防止低反射膜11は、まず上記防爆バ
ンド10の取付けられたパネル1の外表面を洗浄し、こ
の洗浄したパネル1を約30℃に加熱する。そしてこの
加熱されたパネル3の外表面に、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法などの塗布方法、好ましくはスプレ
ー法により、アルコールに可溶な珪素化合物のアルコー
ル溶液からなるシリカ膜形成液を塗布し乾燥して、図2
(a)に示すように、パネル3の外表面に珪素化合物膜
17を成膜する。
【0019】つぎに上記珪素化合物膜17の形成された
パネル3の外表面上に、同じくスプレー法、スピンコー
ト法、ディップ法などの塗布方法により、ATOやIT
Oなどの導電性微粒子を分散しかつ必要に応じて光選択
吸収染料または有機顔料の添加されたアルコールに可溶
な珪素化合物のアルコール溶液からなる高屈折率層形成
液を塗布し乾燥して、同(b)に示すように、上記珪素
化合物膜17上に光干渉2層膜の高屈折率層を形成する
ための第1層18を成膜する。つぎにこの第1層18の
形成されたパネル3の外表面上に、同じくスプレー法、
スピンコート法、ディップ法などの塗布方法により、ア
ルコールに可溶な珪素化合物のアルコール溶液からなる
低屈折率層形成液を塗布し乾燥して、同(c)に示すよ
うに、上記第1層18上に光干渉2層膜の低屈折率層を
形成するための第2層19を成膜する。その後、上記パ
ネル3の外表面上に形成された珪素化合物膜17、高屈
折率層を形成するための第1層18および低屈折率層を
形成するための第2層19を約200℃に加熱し焼成し
て、パネル3の有効面の外表面側を高屈折率層とし、こ
の高屈折率層上に低屈折率層の形成された光干渉2層膜
からなる帯電防止低反射膜を形成するとともに、パネル
3の有効面の外表面と高屈折率層との間にシリカ膜を形
成する。
【0020】ところで、上記のようにパネル3の外表面
とその上にゾル−ゲル法により形成される光干渉2層膜
からなる帯電防止低反射膜11との間にゾル−ゲル法に
よる膜厚50〜100オングストロームのシリカ膜15
を設けると、パネル3の外表面に対して、その外表面側
に形成される導電性高屈折率層13を十分な強さで密着
させることができる。しかもパネル3の外表面と光干渉
2層膜からなる帯電防止低反射膜11との間にシリカ膜
15を製造上簡単なスプレー法により形成することがで
きるという効果が得られる。
【0021】すなわち、光の干渉効果による外光の反射
を抑制する光干渉多層膜からなる帯電防止低反射膜をパ
ネルの外表面に形成する場合、ガラス製パネルに対する
密着の強さからは、パネルと同じかまたは類似の物質で
あることが望まれる。これは、構造的に同じ物質であれ
ば、結合面を歪の少ない構造にすることができ、良好な
結合強度が得られるからである。しかし帯電防止低反射
膜を光干渉2層膜で形成する場合は、パネルの外表面側
にパネルよりも屈折率の高い導電性高屈折率層を形成し
なければならず、そのためにATOやITOなどの導電
性微粒子を分散しかつ必要に応じて光選択吸収染料また
は有機顔料の添加された珪素化合物のアルコール溶液を
塗布して形成するため、加熱焼成の結果得られる珪素化
合物の分解生成物であるシリカのSiO2 の網目構造が
歪み、安定した網目構造からなるがラス製パネルのの外
表面に成膜しても、結合面の構造が不安定となり、所要
の結合強度が得られない。
【0022】一方、ゾル−ゲル法による成膜は、ゾルの
加水分解、縮合をおこないながら、ゲルになることによ
りおこなわれるが、加熱焼成しない状態では、完全にゲ
ルにはならず、縮合されなかったOH基が多数残存して
いる。したがって完全にゲル化されていない状態で異な
る構造の膜を積層すると、互いに構造的に不安定な状態
にあるため、その接触面が構造的により安定になるよう
になじむ。その結果、上記積層された膜を所定温度で加
熱焼成すると、パネルの外表面に直接パネルと異なる構
造の膜を成膜する場合にくらべ、パネルに対する結合強
度を高めることができる。
【0023】つまり、ガラス製パネルの外表面に対して
良好な密着が得られる珪素化合物のゾル−ゲル膜を設
け、このゾル−ゲル膜が完全なゲル膜とならない状態
で、その上にパネルとは異なる構造の導電性高屈折率層
を形成するための膜(第1層)を成膜すると、この膜の
パネルの外表面に対する密着強さを飛躍的に高めること
ができる。
【0024】さらに上記導電性高屈折率層を形成するた
めの第1層上にシリカからなる低屈折率層を形成するた
めの第2層を成膜することにより、導電性高屈折率層を
シリカの層で挟む構造となり、構造的に弱い導電性高屈
折率層を強度の強い膜でカバーし、帯電防止低反射膜を
強化できるという効果が得られる。
【0025】つぎに上記光干渉2層膜からなる帯電防止
低反射膜の実施例について説明する。
【0026】
【実施例】
実施例1.ガラス製パネルの外表面を洗浄し、30℃に
加熱したのち、スピンコート法により、そのパネルの外
表面に表1に示す組成の珪素化合物のアルコール溶液
(シリカ膜形成液)を塗布し乾燥して、膜厚90オング
ストロームの珪素化合物膜を成膜した。つぎにこの珪素
化合物膜の形成されたパネルを30℃に加熱したのち、
その珪素化合物膜上にスピンコート法により、表2に示
す組成の高屈折率層形成液を塗布し乾燥して、高屈折率
層を形成するための第1層を成膜し、さらにこの第1層
上に表3に示す組成の低屈折率層形成液を塗布し乾燥し
て、低屈折率層を形成するための第2層を成膜した。そ
の後、これらパネルの外表面上に形成された珪素化合物
膜、高屈折率層を形成するための第1層および低屈折率
層を形成するための第2層を200℃の温度で加熱焼成
して、パネルの外表面上に光干渉2層膜を形成するとと
もに、この光干渉2層膜を構成する高屈折率層との間に
シリカ膜を形成した。
【0027】
【表1】 (シリカ膜形成液) エチルシリケート溶液(固形分4重量%) 20% イソプロピルアルコール 40% n−ブチルアルコール 40%
【表2】 (高屈折率層形成液) ATO分散エチルシリケート溶液(固形分3重量%) 20% 光選択吸収染料 5% エチルアルコール 15% イソプロピルアルコール 30% n−ブチルアルコール 30%
【表3】 (低い屈折率層形成液) エチルシリケート溶液(固形分4重量%) 30% イソプロピルアルコール 35% n−ブチルアルコール 35% 実施例2.ガラス製パネルの外表面を洗浄し、30℃に
加熱したのち、スプレー法により、そのパネルの外表面
に表4に示す組成の珪素化合物のアルコール溶液(シリ
カ膜形成液)を塗布し乾燥して、膜厚70オングストロ
ームの珪素化合物膜を成膜した。つぎに珪素化合物膜の
成膜されたパネルを30℃に加熱したのち、その珪素化
合物膜上にスピンコート法により、表2に示した組成の
高屈折率層形成液を塗布し乾燥して、高屈折率層を形成
するための第1層を成膜し、さらにこの第1層上に表3
に示した組成の低屈折率層形成液を塗布し乾燥して、低
屈折率層を形成するための第2層を成膜した。その後、
これらパネルの外表面上に形成された珪素化合物膜、高
屈折率層を形成するための第1層および低屈折率層を形
成するための第2層を200℃の温度で加熱焼成して、
パネルの外表面上に光干渉2層膜を形成するとともに、
この光干渉2層膜を構成する高屈折率層との間にシリカ
膜を形成した。
【0028】
【表4】 (シリカ層形成液) エチルシリケート溶液(固形分4重量%) 50% イソプロピルアルコール 15% n−ブチルアルコール 15% n−ペンチルアルコール 20% 比較例1.ガラス製パネルの外表面を洗浄し、30℃に
加熱したのち、スピンコート法により、そのパネルの外
表面に表5に示す組成の珪素化合物のアルコール溶液
(シリカ膜形成液)を塗布し乾燥して、膜厚40オング
ストロームの珪素化合物膜を成膜した。つぎに珪素化合
物膜の形成されたパネルを30℃に加熱したのち、その
珪素化合物膜上にスピンコート法により、表2に示した
組成の高屈折率層形成液を塗布し乾燥して、高屈折率層
を形成するための第1層を成膜し、さらにこの第1層上
に表3に示した組成の低屈折率層形成液を塗布し乾燥し
て、低屈折率層を形成するための第2層を成膜した。そ
の後、これらパネルの外表面上に形成された珪素化合物
膜、高屈折率層を形成する第1層および低屈折率層を形
成する第2層を200℃の温度で加熱焼成して、パネル
の外表面上に光干渉2層膜を形成するとともに、この光
干渉2層膜を構成する高屈折率層との間にシリカ膜を形
成した。
【0029】
【表5】 (シリカ層形成液) エチルシリケート溶液(固形分4重量%) 10% イソプロピルアルコール 45% n−ブチルアルコール 45% 比較例2.ガラス製パネルの外表面を洗浄し、30℃に
加熱したのち、スピンコート法により、そのパネルの外
表面に表6に示す組成の珪素化合物のアルコール溶液
(シリカ膜形成液)を塗布し乾燥して、膜厚300オン
グストロームの珪素化合物膜を成膜した。つぎに珪素化
合物膜の成膜されたパネルを30℃に加熱したのち、そ
の珪素化合物膜上にスピンコート法により、表2に示し
た組成の高屈折率層形成液を塗布し乾燥して、高屈折率
層を形成するための第1層を成膜し、さらにこの第1層
上に表3に示した組成の低屈折率層形成液を塗布し乾燥
して、低屈折率層を形成するための第2層を成膜した。
その後、これらパネルの外表面上に形成された珪素化合
物膜、高屈折率層を形成する第1層および低屈折率層を
形成する第2層を200℃の温度で加熱焼成して、パネ
ルの外表面上に光干渉2層膜を形成するとともに、この
光干渉2層膜を構成する高屈折率層との間にシリカ膜を
形成した。
【0030】
【表6】 (シリカ層形成液) エチルシリケート溶液(固形分4重量%) 40% イソプロピルアルコール 30% n−ブチルアルコール 30%
【0031】上記実施例1、2の膜特性(視感反射率、
消しゴムの摩擦による膜強度)を上記比較例1、2およ
びパネルの外表面にシリカ層を形成することなく、直接
光干渉2層膜を形成した場合と比較して表7に示す。
【表7】 この表7に示されているように、実施例1、2の帯電防
止低反射膜は、パネルの外表面と帯電防止低反射膜との
間に膜厚90オングストローム、70オングストローム
のシリカ膜を形成しても、視感反射率が0.85、0.
90と、パネルの外表面にシリカ膜を形成することなく
直接帯電防止低反射膜を形成した場合の0.80と比較
して遜色ない視感反射率が得られている。しかも消しゴ
ムの摩擦による膜強度については、比較例1のように膜
厚40オングストロームのシリカ膜を形成した場合、お
よびパネルの外表面にシリカ膜を形成することなく直接
帯電防止低反射膜を形成した場合は100であるが、実
施例1、2はともに200と、約2倍の強度が得られ、
パネルの外表面に対して十分な強さで密着させることが
できた。さらに実施例2のように珪素化合物膜をスプレ
ー法により成膜しても、特性的にあまり影響がなく、簡
単な製造方法で光干渉2層膜からなる帯電防止低反射膜
を形成することができる。
【0032】なお、上記実施の形態では、カラー受像管
のパネルの外表面に光干渉2層膜からなる帯電防止低反
射膜を形成する場合について説明したが、この発明は、
その他の陰極線管のフェースプレート外表面に帯電防止
低反射膜を形成する場合にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】ガラス製フェースプレートの外表面にゾ
ル−ゲル法による光干渉2層膜からなる帯電防止低反射
膜が形成されてなる帯電防止低反射型陰極線管におい
て、そのフェースプレートの外表面とその上にゾル−ゲ
ル法により形成される光干渉2層膜からなる帯電防止低
反射膜との間にゾル−ゲル法による膜厚50〜100オ
ングストロームのシリカ膜を設けると、フェースプレー
トの外表面に対して、このフェースプレートの外表面側
に形成される導電性高屈折率層を十分な強さで密着させ
ることができ、従来フェースプレートの外表面に直接導
電性高屈折率層を形成したために、フェースプレートの
外表面に十分な強さで密着することができなかった光干
渉2層膜からなる帯電防止低反射膜を十分な強さで密着
させることができる。
【0034】また、ガラス製フェースプレートの外表面
にゾル−ゲル法により光干渉2層膜からなる帯電防止低
反射膜を形成する帯電防止低反射型陰極線管の製造方法
において、そのフェースプレートの外表面にアルコール
に可溶な珪素化合物のアルコール溶液を塗布し乾燥して
珪素化合物膜を成膜し、この珪素化合物膜上に導電性高
屈折率層形成液を塗布し乾燥して光学干渉2層膜の導電
性高屈折率層を形成するための第1層を成膜し、この第
1層上に低屈折率層形成液を塗布し乾燥して光学干渉2
層膜の低屈折率層を形成するための第2層を成膜したの
ち、これら珪素化合物膜、導電性高屈折率層を形成する
ための第1層および低屈折率層を形成するための第2層
を所定温度で加熱焼成すると、珪素化合物膜の焼成によ
り得られるシリカ膜は、ガラスからなるフェースプレー
トの外表面に対して十分な密着性をもち、一方、このシ
リカ膜と第1層の焼成により得られる導電性高屈折率層
とを十分な強さで結合させることができる。したがって
それにより、従来フェースプレートの外表面に直接導電
性高屈折率層を形成したためにフェースプレートの外表
面に十分な強さで密着することができなかった光干渉2
層膜からなる帯電防止低反射膜を十分な強さで密着させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の実施の一形態であるカ
ラー受像管の構成を示す図、図1(b)はそのパネル外
表面の帯電防止低反射膜の構成を示す図である。
【図2】図2(a)乃至(c)はそれぞれ上記カラー受
像管のパネル外表面に帯電防止低反射膜を形成する方法
を説明するための図である。
【符号の説明】
3…パネル 5…蛍光体スクリーン 8…電子銃 10…防爆バンド 11…帯電防止低反射膜 13…高屈折率層 14…低屈折率層 15…シリカ膜 17…珪素化合物膜 18…第1層 19…第2層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス製フェースプレートの外表面にゾ
    ル−ゲル法による光干渉2層膜からなる帯電防止低反射
    膜が形成されてなる帯電防止低反射型陰極線管におい
    て、 上記フェースプレートの外表面と上記帯電防止低反射膜
    との間にゾル−ゲル法による膜厚50〜100オングス
    トロームのシリカ膜が設けられていることを特徴とする
    帯電防止低反射型陰極線管。
  2. 【請求項2】 ガラス製フェースプレートの外表面にゾ
    ル−ゲル法により光干渉2層膜からなる帯電防止低反射
    膜を形成する帯電防止低反射型陰極線管の製造方法にお
    いて、 上記フェースプレートの外表面にアルコールに可溶な珪
    素化合物のアルコール溶液を塗布し乾燥して珪素化合物
    膜を成膜し、この珪素化合物膜上に導電性高屈折率層形
    成液を塗布し乾燥して上記光干渉2層膜の導電性高屈折
    率層を形成するための第1層を成膜し、この第1層上に
    低屈折率層形成液を塗布し乾燥して上記光干渉2層膜の
    低屈折率層を形成するための第2層を成膜したのち、こ
    れら珪素化合物膜、第1層および第2層を所定温度で加
    熱焼成してフェースプレートの外表面上にゾル−ゲル法
    によりシリカ膜を介して光干渉2層膜からなる帯電防止
    低反射膜を形成することを特徴とする帯電防止低反射型
    陰極線管の製造方法。
JP33015995A 1995-02-09 1995-12-19 帯電防止低反射型陰極線管およびその製造方法 Pending JPH08279341A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030027215A (ko) * 2001-09-14 2003-04-07 엘지.필립스디스플레이(주) 영상표시장치 및 그 제조방법

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